JP2013147456A - 抗酸化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品又は医薬品に利用可能な、高い抗酸化活性を示す抗酸化剤の提供。
【解決手段】イソフラボンとポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類から選択される1種以上を併用することにより、それぞれ単独で使用するよりも相乗的に高い抗酸化機能を発揮する、生体の酸化がもたらす疾病疾病の予防剤又は治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は抗酸化剤に関する。特に生体の酸化がもたらす疾病を予防又は治療するための有効成分として作用しうる抗酸化剤に関する。
ヒトを含む好気性生物は生存のために呼吸により酸素を取り込むが、このとき体内に取り込まれた酸素の一部はエネルギー代謝の際にスーパーオキシドラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカル等の活性酸素種に変わる。このような活性酸素種は、元来、細菌やウイルスの感染時におけるマクロファージの病原体除去機構をはじめとする生体防御に関わるなど、健康維持に重要な役割を果たしている。しかし、大気汚染や紫外線などの環境要因や喫煙等の生活習慣、精神的ストレスなどにより生体内でのバランスが崩れ、活性酸素種がひとたび過剰となると生体中の蛋白質や脂質、DNAなどと反応して、蛋白質の変性や過酸化脂質の生成、遺伝損傷などを起こし、生活習慣病の発症や老化の促進をもたらすと考えられている。以上のことから、生体に備わったメカニズムに加え、食事由来の抗酸化活性成分の摂取が健康維持に重要と考えられるようになり、抗酸化物質は7番目の栄養素として積極的な摂取が奨励されてきている。
大豆は多くの生理機能を有していることが報告されており、抗酸化活性についてもいくつか報告されている。たとえば、特許文献1及び、非特許文献1のように大豆イソフラボンは抗酸化活性を有していることは確認されている。
特開2005−80665号公報 特表2006−516562号公報
J.Agric.Food.Chem.,56,8365-8373,2008
しかしながら、前記文献に示されるように、イソフラボンは他のフラボノイド類と比較して抗酸化活性が特別に高いものではなく、生体の酸化がもたらす疾病の予防剤又は治療剤の有効成分として用いる抗酸化剤として有効な作用を必ずしも発揮し得ているとは言い難い。そのため抗酸化物質としてイソフラボンを特に使用する意義が高いとは言えず、抗酸化物質として十分に活用されていない。
そこで本発明は、食品又は医薬品に利用可能であって、イソフラボンを有効に活用することができる、高い抗酸化活性を示す抗酸化剤を提供することを課題とした。
本発明者は本課題について鋭意検討した結果、イソフラボンと特定の成分を組み合わせることにより、それぞれ単独での抗酸化作用よりも相乗的に高い抗酸化活性を示す抗酸化剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)イソフラボンを必須成分とし、ポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類から選択される1種以上との計2種以上を併用することを特徴とする抗酸化剤、
(2)イソフラボンとして大豆イソフラボン素材が使用され、該素材は大豆イソフラボン総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体を60重量%以上含む、前記(1)記載の抗酸化剤、
(3)イソフラボンとして大豆イソフラボン素材が使用され、該素材は大豆イソフラボン総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体を50〜95重量%、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボンを5〜50重量%含む、前記(1)記載の抗酸化剤、
(4)生体の酸化がもたらす疾病の予防又は治療において有効成分として使用される、前記(1)〜(3)の何れか記載の抗酸化剤、
(5)生体の酸化がもたらす疾病が動脈硬化、心筋梗塞、ガン、糖尿病、アルツハイマー又は花粉症である前記(4)記載の抗酸化剤、
(6)生体の酸化がもたらす疾病の予防剤又は治療剤の組成における、必須成分としてのイソフラボン、並びに、ポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類から選択される1種以上の、計2種以上の成分の使用。
本発明によれば、イソフラボン単独で使用するよりも相乗的に高い抗酸化能を有する抗酸化剤を提供することができる。そしてイソフラボンの抗酸化活性成分としての活用価値をより向上させることが可能である。
さらに、大豆イソフラボンとして特定の組成を有し、高度の水溶性を有するイソフラボン素材を選択し、これを本発明(1)の他の成分と組み合わせたことによって、相乗的に高い抗酸化能を有する抗酸化剤を提供することができる。
本発明の抗酸化剤は、イソフラボンを必須成分とし、ポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類から選択される1種以上との計2種以上を併用することを特徴とするものである。以下に、本発明について詳細に説明する。
(イソフラボン)
本発明の抗酸化剤に添加されるイソフラボンは大豆や葛、アカツメクサ、クローバー等の豆類中に存在する3−フェニルクロモン骨格を有する化合物群をいい、具体的には大豆イソフラボン〔アグリコン体であるダイゼイン、ゲニステイン及びグリシテインを基本構造として、それらの遊離の配糖体であるダイジン、ゲニスチン及びグリシチン; それらのマロニル配糖体である6″-O-マロニルダイジン、6″-O-マロニルゲニスチン及び6″-O-マロニルグリシチン; それらのアセチルイソフラボン配糖体である6″-O-アセチルダイジン、6″-O-アセチルゲニスチン、及び6″-O-アセチルグリシチン〕、並びにそれらの代謝産物であるエクオールや、その他クローバー類などに含まれるビオカニンA 、フォルモノネチン、クメストロール等が含まれる。
本発明の抗酸化剤に添加される大豆イソフラボンは、大豆原料から抽出され、精製等によりイソフラボンが濃縮された大豆イソフラボン素材として添加されることが好ましい。大豆原料としては、例えば丸大豆、脱皮大豆、脱皮脱胚軸大豆、脱脂大豆、大豆胚軸、濃縮大豆たん白、オカラ等が挙げられる。大豆からの抽出物には分離大豆たん白の製造時に複製する大豆ホエー、濃縮大豆たん白の製造時に複製する酸洗浄液やアルコール洗浄液、豆腐や豆乳などの製造時に複製する大豆の水浸漬液なども含まれる。
大豆イソフラボンの抽出に使用される溶媒は特に限定されず、公知の方法で抽出すれば良く、好ましくは水性溶媒、より好ましくは水又はメタノール、エタノールもしくはプロパノール等のアルコール類を単独又は混合して用いることができる。例えば、大豆胚軸を原料として、水性溶媒などで抽出することにより、大豆イソフラボンを共に含む抽出液を風味よく、安価に得ることが可能である。抽出液は食品に適した状態にして、そのまま、あるいは濃縮により濃縮液とし、あるいは噴霧乾燥により乾燥粉末として加工し、抽出素材を得ることができる。
大豆イソフラボンの抽出に使用される溶媒は特に限定されず、公知の方法で抽出すれば良く、好ましくは水性溶媒、より好ましくは水又はメタノール、エタノールもしくはプロパノール等のアルコール類を単独又は混合して用いることができる。例えば、大豆胚軸を原料として、水性溶媒などで抽出することにより、大豆イソフラボンを共に含む抽出液を風味よく、安価に得ることが可能である。抽出液は食品に適した状態にして、そのまま、あるいは濃縮により濃縮液とし、あるいは噴霧乾燥により乾燥粉末として加工し、抽出素材を得ることができる。精製は、カラムクロマトグラフィー等の樹脂処理や有機溶媒等による液液分配法等により行うことができる。特に抽出物を合成吸着剤に吸着させ、適当な濃度の含水アルコールで大豆イソフラボンを溶出させる方法は、簡易な方法で大豆イソフラボンをより高純度に精製できる。
使用可能な合成吸着剤としては、例えばダイヤイオン(三菱化学製)やセパビーズ(三菱化学製)、アンバーライト(住友化学製)等のスチレンジビニルベンゼン系などの非極性合成吸着剤を用いることができる。これを製造用タンクに投入するか、又はカラムに充填して抽出液を接触させ、大豆イソフラボンを吸着させることができる。非吸着成分を洗浄除去した後、吸着した画分を例えば20〜80容量% 含水エタノールで溶出するなどして、高純度の大豆イソフラボン素材を効率良く得ることができる。大豆イソフラボン素材中のイソフラボン総量は乾燥重量あたり40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。
本発明に大豆イソフラボン素材を使用する場合、大豆イソフラボン総量に対してマロニルイソフラボン配糖体が60重量%以上含まれることが好ましく、70重量%以上がより好ましい。
あるいは、本発明に大豆イソフラボン素材を使用する場合、大豆イソフラボン総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体が50〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは70〜85重量%含まれるのが適当であり、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボンは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%含まれる程度が適当である。
本発明の経口組成物を提供する場合、添加される大豆イソフラボン素材は上述のマロニルイソフラボン配糖体の含量が高いことによって水可溶性の性質を有することが好ましい。水可溶性が高いほど本発明の抗酸化剤が製品中に溶解状態で存在しやすく、また体内摂取時に溶解しやすく、抗酸化活性を発揮しやすいためである。特に25℃における水への溶解度がイソフラボン量として20mg/100ml以上であるのが好ましく、50mg/100mlがより好ましい。
このような水溶性大豆イソフラボン抽出素材を製造するためには公知の技術を用いることができる。例えばサイクロデキストリンや乳化剤などの可溶化剤による方法を用いることができるが、可溶化剤の添加によるイソフラボンの可溶化には限界があり、またイソフラボン量の低下につながるため、特に国際公開WO2004/57983号公報に記載の精製方法等によって、大豆イソフラボン素材中のイソフラボンを特定の組成にすることが好ましい。すなわち、イソフラボン類がマロニルイソフラボン配糖体を主成分とするものであることが好ましい。
より詳細には、前記素材中におけるイソフラボンと大豆サポニンの総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体が15〜95重量% 、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボン(イソフラボンアグリコン、遊離のイソフラボン配糖体及びアセチルイソフラボン配糖体の総量)が0〜50重量%含まれる組成を有することが好ましい。さらに、前記イソフラボン組成を有すると共に、イソフラボンと大豆サポニンの総量に対して大豆サポニンが5〜60重量%含まれるのが好ましい。
このように、イソフラボンの主成分がマロニルイソフラボン配糖体である抽出素材を得る方法としては、イソフラボン及び大豆サポニンを合成吸着剤から溶出させる際の含水アルコール濃度を比較的低濃度に設定して極性を上げた溶媒で溶出する方法が好ましい。すなわち、国際公開WO2004/57983号公報に記載の通り、アルコール濃度が約15〜40重量%の含水アルコールで溶出する方法が好ましい。
なお、イソフラボン素材中における大豆イソフラボンの測定は、国際公開WO2004/57983号公報に記載の方法で行うことができる。
(他の特定物質との併用)
本発明に係るイソフラボンと、他の特定物質もしくはこれらを含む抽出物とを1種以上を併用し、2種以上の混合組成とすることにより、高い抗酸化活性を示す抗酸化剤を得ることができる。
本発明の抗酸化剤に使用される他の特定物質としては、例えばポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類、アリシン等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE等が挙げられる。
本発明におけるポリフェノール類は、抗酸化剤の必須成分であるイソフラボンと併用される成分であり、ケルセチン、ミリセチン、ケンフェロール、ヘスペリジン、ナリンジン、アントシアニン、カテキン、クリシン、アピゲニン、ルテオリン等のフラボノイド類や、セサミン、セサミノール、セサミノール、エピセサミン、セサモール、セサモリン等のリグナン類のほか、ピクノジェノール、クルクミン、クロロゲン酸、没食子酸、ロズマリン酸、エラグ酸、クマリン、フェルラ酸、ショウガオール、カカオマスポリフェノール等が挙げられる。
カロテノイド類としては、カロテン(α−,β−,γ−,δ−)やリコピン等のカロテン類、あるいは、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン、カプサイシン等のキサントフィル類等が挙げられる。
これらの物質を用いる場合、これらが含まれる植物エキスを代わりに用いることができ、例えばアントシアニンを用いる場合はブルーベリーエキス、カシスエキス、アサイーエキス、エルダーベリーエキスなどを用いることができる。
上記特定物質又はその抽出物のうち、ビタミンC、ブルーベリーエキス、ピクノジェノール、アサイーエキス、アスタキサンチン又はクルクミンを併用するとより抗酸化作用の相乗効果が強く好ましく、この中でもビタミンC又はクルクミンの併用が特に好ましい。
イソフラボンと前記特定物質との使用比率は、乾燥重量換算で1:10〜10:1が好ましく、さらに好ましくは1:5〜5:1の使用比率であり、さらに1:3〜3:1が最も好ましい。
(抗酸化作用)
本発明の抗酸化剤は、イソフラボンと他の特定物質と併用することによりこれらの相乗効果によって、各単独の抗酸化作用よりも顕著に高い抗酸化活性を示すことが特徴である。該抗酸化剤が持つ抗酸化活性については、非特許文献1に記載の方法にて測定される「ORAC」(Oxygen Radical Absorbance Capacity:活性酸素吸収能力)の値(単位:μmol TE/g)を指標とすることができる。なお、単位の「TE」は”Trolox equivalent”の略であり、「Trolox」は標準物質である「6-hydroxy-2,5,7,8-tetramethylchroman-2-carboxylic acid」の登録商標である。ORAC値が高いほど活性酸素吸収能力すなわち抗酸化活性が高いことを示す。
本発明に係るイソフラボンと他の特定物質とを適当な比率で併用することにより得られる抗酸化剤の混合ORAC値(X)は、イソフラボン単独のORAC値と他の特定物質のORAC値をそれらの混合比率に応じて足した理論ORAC値(Q)の1倍を超えれば相乗効果を有すると判断でき、1.2倍以上がより好ましく、1.5倍以上であることがさらに好ましい。得られる抗酸化剤のQ値は、例えばイソフラボンのORAC値をY、他の特定物質のORAC値をZとし、これらの混合比率を1:1とした場合、
Q=Y/2+Z/2=(X+Y)/2
であり、混合比率が3:1の場合は、
Q=3X/4+Y/4=(3X+Y)/4
である。
尚、本発明におけるORAC値は以下の通り測定することができる。
<ORAC値の測定>
得られたサンプルについてそれぞれ、100mg秤量し50%エタノールに溶解させ100mlに定容し、非特許文献1記載の方法に準じて測定を行った。定量は標準物質として「Trolox」(登録商標、キシダ化学(株)より購入)を用い、各測定値を用いて算出した。
本発明の抗酸化剤は、生体の酸化がもたらす様々な疾病の予防又は治療における有効成分として、あるいは食品中の酸化劣化が問題となる成分の酸化を防止する有効成分として使用することができる。
前記疾病としては、例えば動脈硬化、心筋梗塞、ガン、糖尿病、アルツハイマー、花粉症やアトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患などが挙げられる。抗酸化剤を有効成分として組成するものは、該疾病の予防剤あるいは治療剤である。予防剤又は治療剤としては医薬品や医薬部外品の他、食品であることもできる。該疾病の予防剤又は治療剤の有効成分としての使用量は当業者が適宜設定する事項であるが、例えば1回の摂取あたり、イソフラボンとして1〜30mg、他の特定物質として1〜300mgを摂取できるように配合率を決定し、使用することができる。
また前記食品中の酸化劣化が問題となる成分としては、リノール酸やリノレン酸、DHA、EPA等の不飽和脂肪酸やそれを構成脂肪酸とする油脂、ジグリセリド、モノグリセリド、レシチン、各種脂肪酸エステル等が挙げられる。
なお、本発明の抗酸化剤を有効成分として添加するのと同等の効果を得る代替法として、該予防剤等を組成する際に、該抗酸化剤に含まれるイソフラボンやその抽出素材と、前記他の特定物質やその抽出素材をそれぞれ別々に使用することも、当然可能である。
(食品における利用)
本発明の抗酸化剤を食品に利用する場合は、生理機能としての抗酸化力が発揮される飲料、タブレット、フードバー、サラダ用ドレッシング、肉製品、スナック菓子、デザート、菓子類及び栄養補助食品などを得ることができる。また一般の食品とは食品衛生法等の法律により明確に区別され、摂取する対象者が限定され、特別な用途に限定されている特別用途食品に利用することもできる。特別用途食品としては、病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、えん下困難者用食品や特定保健用食品等が例示される。病者用食品としては、低蛋白質食品、アレルゲン除去食品、無乳糖食品、総合栄養食品等以外にも、各種疾患の食事療法
の素材として医師や栄養士等の指導の下に使用されるものも含まれる。各種疾患としては、生体の酸化がもたらす前記の各種疾患が目的に合致しており適当である。
また、本発明の抗酸化剤は、上記生理機能の用途にだけでなく、食品自体に含まれる不飽和脂肪酸の酸化を抑制し、品質劣化を防止する用途にももちろん利用することもできる。例えば、食用油脂やマーガリン、クリーム、チョコレート等の油脂製品、あるいは各種菓子や惣菜等の油脂製品を使用した加工食品に利用することもできる。
(医薬品等における利用)
本発明の抗酸化剤を医薬品や医薬部外品に利用する場合は、生体の酸化がもたらす前記疾病を予防又は治療するための医薬品や医薬部外品として利用することができる。医薬品等の形態は、液体、散薬、錠剤、カプセル等の種々の形態とすることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
(製造例1) ― イソフラボン抽出素材の製造―
大豆生胚軸500gに75容量%の含水エタノール2.0Lを加え、攪拌抽出を行った。抽出液をろ過により分離した後、該抽出液を減圧下、50℃にて濃縮を行った。このようにして得られた抽出物を水に溶解し、吸着樹脂ダイアイオンHP-20( 三菱化学(株)製) を充填したカラム(100mL)にSV2にて負荷した。次に、30容量%の含水エタノールで溶出させた。この画分を減圧下で濃縮し、乾燥粉末化して大豆イソフラボン抽出素材を得た。
得られた素材中の湿重量あたりのイソフラボン含量は50%、サポニン含量は10%であった。そして表1に示すとおり、イソフラボン総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体が75.5重量%、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボン(イソフラボンアグリコン、遊離のイソフラボン配糖体、アセチルイソフラボン配糖体の総量)が24.5重量%であった。
また製造例1により得られた大豆イソフラボン素材のORAC値(μmol TE/g)を測定した結果、大豆イソフラボン素材のORAC値は5540.6μmol TE/gであった。
(表1)大豆イソフラボン素材のイソフラボン組成
Figure 2013147456
(試験例)
製造例1で得られたイソフラボン抽出素材と、他の特定物質又はこれを含むエキスを同時に使用した場合の抗酸化活性について、ORAC値を測定することにより検証した。
試験物質はビタミンCと、各種ポリフェノールの代表例としてカテキン、ブルーベリーエキス、カシスエキス、ピクノジェノール、アサイーエキス、クロロゲン酸、クルクミンおよびセサミンを用い、カロテノイドの代表例としてアスタキサンチンを用いた。評価手法は、それぞれの試験物質100mgを100mlに定容した溶液とイソフラボン素材100mgを100mlに定容した溶液を5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4,1:5で混合し、検量線の範囲に含まれるように希釈倍率を決定し、ORAC値の測定を行った。
なお、添加による上昇倍率は、大豆イソフラボンと各試験物質との混合物の混合ORAC(X)、大豆イソフラボンの単独ORAC(Y)および各試験物質の単独ORAC値(Z)を求め、Y値とZ値をそれらの添加割合に応じて足して算出した理論値(Q)をX値から除することによって算出した。
結果を表2に示した。
(表2) 大豆イソフラボン抽出素材と試験物質との併用による効果
Figure 2013147456
以上の通り、イソフラボン、特にマロニルイソフラボン配糖体を多く含む大豆イソフラボン抽出素材と各種試験物質と併用することにより、いずれも混合ORAC値(X)は理論ORAC値(Q)よりも1.1倍〜2倍程度高くなり、併用効果が相乗的に増強されていることが確認された。その中でも特定物質としてビタミンC、ブルーベリーエキス、ピクノジェノール、アサイーエキス、アスタキサンチン、クルクミンの併用によるX/Qが1.4倍以上となり相乗効果が高く、特に、ビタミンCおよびクルクミンを併用した場合は1.7倍以上の高い相乗効果を示すことが確認された。

Claims (6)

  1. イソフラボンを必須成分とし、ポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類から選択される1種以上との計2種以上を併用することを特徴とする抗酸化剤。
  2. イソフラボンとして大豆イソフラボン素材が使用され、該素材は大豆イソフラボン総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体を60重量%以上含む、請求項1記載の抗酸化剤。
  3. イソフラボンとして大豆イソフラボン素材が使用され、該素材は大豆イソフラボン総量に対して、マロニルイソフラボン配糖体を50〜95重量%、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボンを5〜50重量%含む、請求項1記載の抗酸化剤。
  4. 生体の酸化がもたらす疾病の予防又は治療において有効成分として使用される、請求項1〜3の何れか記載の抗酸化剤。
  5. 生体の酸化がもたらす疾病が動脈硬化、心筋梗塞、ガン、糖尿病、アルツハイマー又は花粉症である請求項4記載の抗酸化剤。
  6. 生体の酸化がもたらす疾病の予防剤又は治療剤の組成における、必須成分としてのイソフラボン、並びに、ポリフェノール類、ビタミン類、カロテノイド類から選択される1種以上の、計2種以上の成分の使用。
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