JP2013146922A - 印刷装置、及び、補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度の補正精度の向上を図る。
【解決手段】所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第1パターンであって、所定方向の一端側から他端側に向けて第1インクの吐出量が増加する第1パターンと、所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第2パターンであって、所定方向の一端側から他端側に向けて第2インクの吐出量が増加し、且つ、所定方向と交差する交差方向に第1パターンと並んだ第2パターンと、を媒体に形成し、第1パターン及び前記第2パターンの各パッチを濃度センサーに読み取らせ、1パターンの読み取り結果及び第2パターンの読み取り結果に基づいてヘッドからの第1インクの吐出量を補正する。
【選択図】図12

Description

本発明は、印刷装置、及び、補正方法に関する。
媒体(紙など)にインクを吐出して画像を印刷する印刷装置として、濃度センサーを備え、濃度の補正処理を行なうものが知られている。例えば、特許文献1では、濃度補正用のパターンを媒体に印刷し、測色器によって濃度補正用のパターンを読み取り、その読み取り結果に基づいて濃度の補正(すなわちインク吐出量の補正)を行なっている。
特開2005-262757号公報
濃度の補正を行う際には、媒体に形成されたパターンの濃度を高い精度で検出する必要がある。しかしながら、媒体上の各位置において、媒体表面(印刷を行う側の面)とパターンを読み取る濃度センサーとの間の距離に誤差があると、実際には同じ濃度であっても、読み取り値が異なってしまう。さらに、濃度補正用のパターンを形成する際に、媒体の一定面積あたりに吐出するインクの量が多くなると、媒体が波打つ現象(以下、コックリングともいう)が発生する可能性がある。この場合、媒体表面と濃度センサーとの間の距離には、印刷装置の機械的なプラテンギャップ(PG)に起因する差(ばらつき)の他に、コックリングによる差が含まれることになる。このため、濃度センサーによる濃度の測定精度が低下し、濃度の補正精度が低下するおそれがある。
そこで本発明は、濃度の補正精度の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、第1インク、及び、前記第1インクとは異なる色の第2インクを吐出するヘッドと、媒体に対して非接触型の濃度センサーと、前記ヘッド及び前記濃度センサーの動作を制御するコントローラーと、を備えた印刷装置であって、前記コントローラーは、前記ヘッドを所定方向に移動させながら前記媒体に向けて前記第1インクを吐出させることにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第1パターンであって、前記所定方向の一端側から他端側に向けて前記第1インクの吐出量が増加する第1パターンと、前記ヘッドを前記所定方向に移動させながら前記媒体に向けて前記第2インクを吐出させることにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第2パターンであって、前記所定方向の前記一端側から前記他端側に向けて前記第2インクの吐出量が増加し、且つ、前記所定方向と交差する交差方向に前記第1パターンと並んだ第2パターンと、を前記媒体に形成し、前記第1パターン及び前記第2パターンの各パッチを前記濃度センサーに読み取らせ、前記第1パターンの読み取り結果及び前記第2パターンの読み取り結果に基づいて前記ヘッドからの前記第1インクの吐出量を補正する、ことを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンター1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンター1の全体構成の横断面図である。 ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 濃度のキャリブレーションの原理を概略的に示した図である。 図5Aは、キャリブレーション用のパターンCAの説明図である。図5Bは、パターンCAの検出時の動作の説明図である。図5Cは、中間階調値Xのパッチの検出時の説明図である。 比較例におけるキャリブレーションの概略説明図である。 比較例におけるパターンCAの位置とインク吐出量との関係の説明図である。 紙―センサー間距離が印字部分のみ変化した場合の反射率を示す図である。 紙―センサー間距離が印字部分と紙白部分において同様に変化した場合の反射率を示す図である。 紙―センサー間距離が印字部分のみ変化した場合の反射率と、紙―センサー間距離が印字部分と紙白部分において同様に変化した場合の反射率との比較図である。 紙―センサー間距離が印字部分と紙白部分において同様に変化した場合の光学センサー54による読み取り値を示した図である。 本実施形態のキャリブレーションの概略説明図である。 図13A、図13Bは、本実施形態における移動方向の位置とインクの吐出量との関係を示す説明図である。図13Aは、パターンCAの形成領域へのインクの吐出量を示す図であり、図13Bは、紙白領域PWへのインクの吐出量を示す図である。 図14A、図14Bは、第2実施形態における移動方向の位置とインクの吐出量との関係を示す説明図である。図14Aは、パターンCAの形成領域へのインクの吐出量を示す図であり、図14Bは、紙白領域PWへのインクの吐出量を示す図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
第1インク、及び、前記第1インクとは異なる色の第2インクを吐出するヘッドと、媒体に対して非接触型の濃度センサーと、前記ヘッド及び前記濃度センサーの動作を制御するコントローラーと、を備えた印刷装置であって、前記コントローラーは、前記ヘッドを所定方向に移動させながら前記媒体に向けて前記第1インクを吐出させることにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第1パターンであって、前記所定方向の一端側から他端側に向けて前記第1インクの吐出量が増加する第1パターンと、前記ヘッドを前記所定方向に移動させながら前記媒体に向けて前記第2インクを吐出させることにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第2パターンであって、前記所定方向の前記一端側から前記他端側に向けて前記第2インクの吐出量が増加し、且つ、前記所定方向と交差する交差方向に前記第1パターンと並んだ第2パターンと、を前記媒体に形成し、前記第1パターン及び前記第2パターンの各パッチを前記濃度センサーに読み取らせ、前記第1パターンの読み取り結果及び前記第2パターンの読み取り結果に基づいて前記ヘッドからの前記第1インクの吐出量を補正する、ことを特徴とする印刷装置が明らかとなる。
このような印刷装置によれは、印刷装置の機械的な精度(PG)の誤差に加えて、インクを打込みことによる媒体の変形(コックリング)による影響を低減させることができる。よって、濃度を正確に検出することができ、濃度の補正精度の向上を図ることができる。
かかる印刷装置であって、前記第1パターンと前記第2パターンは、第3インクを吐出させて前記媒体に形成された下地パターンであって、前記第3インクの吐出量が所定量の下地パターンの上に形成され、前記第2インクは、前記印刷装置で使用される複数色のインクのうち、クリアインクであるか、または、前記第3インクと同じ色のインクである、
ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、第1パターンと第2パターンとが下地パターンの上に形成される場合であっても、第1インクの吐出量の補正を精度よく行なうことができる。
かかる印刷装置であって、前記第1インクが白インクであり、前記第2インクが黒インクであってもよい。
このような印刷装置によれば、第1インク(白)の吐出量が少ないところで濃度を濃くできるので、第1パターンを形成する第1インクが白インクであっても、吐出量の補正を精度よく行うことができる。
かかる印刷装置であって、前記第2インクは、クリアインクであってもよい。
このような印刷装置によれば、コックリングの再現性が良いので、第1インクの吐出量の補正をより精度よく行うことができる。
また、第1インク、及び、前記第1インクとは色の異なる第2インクを吐出するヘッドと、媒体に対して非接触型の濃度センサーとを備えた印刷装置によるインク吐出量の補正方法であって、前記ヘッドを所定方向に移動させつつ前記ヘッドから前記媒体に向けて前記第1インクを吐出することにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第1パターンであって、前記所定方向の一端側から他端側に向けて前記第1インクの吐出量が増加する第1パターンを形成する工程と、前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ前記ヘッドから前記媒体に向けて前記第2インクを吐出することにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第2パターンであって、前記所定方向の前記一端側から前記他端側に向けて前記第2インクの吐出量が増加し、且つ、前記所定方向と交差する交差方向に前記第1パターンと並んだ第2パターンを形成する工程と、前記第1パターン及び前記第2パターンの各パッチを前記濃度センサーで読み取る工程と、前記第1パターンの読み取り結果及び前記第2パターンの読み取り結果に基づいて前記第1インクの吐出量を補正する工程と、を有することを特徴とする補正方法が明らかとなる。
以下の実施形態では、印刷装置としてインクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)を例に挙げて説明する。
===第1実施形態===
<プリンターの構成について>
図1は、プリンター1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンター1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンター1の全体構成の横断面図である。以下、プリンター1の基本的な構成について説明する。
プリンター1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、用紙Sなど)を第1の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラー21と、搬送モーター22(PFモーターとも言う)と、搬送ローラー23と、プラテン24と、排紙ローラー25とを有する。給紙ローラー21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンター1内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー23は、給紙ローラー21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーター22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを支持する。排紙ローラー25は、用紙Sをプリンター1の外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを第2の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。なお、移動方向は、用紙Sの搬送方向と交差する方向である。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモーター32(CRモーターとも言う)、ガイド軸33とを有する。キャリッジ31は、ガイド軸33に沿って移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモーター32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が用紙Sに形成される。なお、ヘッド41の構成については後述する。
検出器群50には、リニア式エンコーダー51、ロータリー式エンコーダー52、紙検出センサー53、および光学センサー54等が含まれる。リニア式エンコーダー51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダー52は、搬送ローラー23の回転量を検出する。紙検出センサー53は、給紙中の用紙Sの先端の位置を検出する。光学センサー54は、用紙Sに対して非接触型のセンサーでありキャリッジ31に取付けられている。よって、キャリッジ31が移動方向に移動すると、光学センサー54も移動方向に移動する。このとき、光学センサー54は、移動方向に移動しつつ用紙Sの表面における濃度を検出する。すなわち、本実施形態において、光学センサー54は濃度センサーに相当する。また、光学センサー54は、用紙Sの先端(搬送方向の下流側端)や後端(搬送方向の上流側端)及び、紙幅などを検出することもできる。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ヘッドの構成について>
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。なお、図3はヘッド41の下面(各ノズル)を上から透過して見た状態を示した図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yと、ホワイトインクノズル列Wが形成されている。以下の説明において、ブラックインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ホワイトインク(白インク)のことをそれぞれ、Kインク、Cインク、Mインク、Yインク、Wインクともいう。
各ノズル列は、対応する各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(ここではn=180個)備えている。これらの各ノズルには、各ノズルからインクを吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。このピエゾ素子を駆動信号によって駆動させることにより、各ノズルから滴状のインクが吐出される。吐出されたインクは、用紙Sに着弾してドットを形成する。
各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。
各ノズル列のノズルは、上流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の上流側に位置している。
また、前述した光学センサー54は、用紙Sの搬送方向の位置に関して、各ノズル列の一番下流側にあるノズル♯180とほぼ同じ位置にある。これにより、ヘッド41の各ノズルによって形成されたパターンの濃度を、当該パターンの形成後に光学センサー54で検出することができるようになっている。
光学センサー54は、図に示すように、光を照射する光源55と、光源55から照射された光の反射光を検出し、その反射光の強度に応じた信号を出力する受光素子56とを有している。そして、光学センサー54は、用紙Sへ照射した光の反射光強度を受光素子56で検出し、その反射光強度に応じて濃度を検出する。なお、このような光学センサー54では、測色器と比べてサンプリング周期(読み取りの周期)を細かく設定することができるという特徴がある。
<濃度のキャリブレーションについて>
例えば、同じ機種のプリンター1であってもヘッド41の個体差などに起因して、その印刷特性(濃度や明度、彩度、色相など)が一致しない可能性がある。また、同一のプリンター1であっても、印刷特性が経時変化することもある。そこで、プリンター1には、印刷時のインクの吐出量を補正する機能(濃度のキャリブレーション機能)が設けられている。
この濃度のキャリブレーションは、第1の階調値のパッチと、第1の階調値とは異なる第2の階調値のパッチと、第1の階調値と第2の階調値との間の複数の階調値のパッチとを含むパターンを用いてインクの吐出量を補正するものである。ここで、キャリブレーション機能による階調の補正手順について一例を挙げると、まず、プリンター1で使用される各色のインク(例えば、C,M,Y,Kの色インク)毎に階調値が異なる多数のパッチを用紙S上に形成し、それぞれのパッチの反射光強度を、光学センサー54を用いて読み取る。そして、読み取り値から求められる濃度(測定値)と期待される各パッチの濃度(期待値)との誤差を検出し、その誤差に基づいて階調値と実際に吐出するインクの量などの値などを変更する。すなわち、所定の階調値が与えられた際に、用紙S上のパッチに対する測定値が期待値に一致するように補正する。
図4は、濃度のキャリブレーションの原理を概略的に示した図である。ここでは、0〜255までの256階調で濃淡が表現されていることとし、各階調に対する期待値の特性が図中の直線(期待値特性)Pで表されているものとする。また、第1の階調値として、インク滴を全く吐出しない場合の階調値(ここでは階調0に相当)を採用している。すなわち、第1の階調値の濃度は用紙S自体の濃度(以下、紙白ともいう)である。第2の階調値として、一つの画素を特定の色(例えばブラック)のインク滴で塗り潰したときの濃度(以下、100%ベタ、ここでは階調255に相当)を採用している。第1の階調値と第2の階調値との間の複数の階調値は、ここでは、紙白から100%ベタまでの、全階調値、あるいは離散的な複数の階調値となる。また、図の縦軸は測定値(濃度)である。
キャリブレーションを行う際には、第1の階調値から第2の階調値まで(ここでは、紙白から100%ベタまで)の複数の階調値に対応するパッチからなるパターンを実際に媒体(用紙Sなど)に形成し、その後、各パッチを光学センサー54で読み取る。その読み取り値に基づいて階調値と実際に媒体上に形成されるパッチの濃度との関係(測定値特性)Rを求める。
ここで、光学センサー54による濃度の測定値R(x)は、式(1)で求められる。
R(x)=各インク色の反射率/紙白の反射率 ・・・・(1)
つまり、紙白(ここでは階調0)のパッチでは、測定値(測定濃度)は1に近くなり、ブラックの100%ベタ(ここでは階調255)のパッチでは、測定値(測定濃度)は0に近くなる。なお、測定値特性Rは、光学センサー54の個体差や経時変化などを考慮して、例えば、紙白に対応する測定値を1、100%ベタの測定値を0にするなどして正規化する。
そして、ある階調値xにおける測定値R(x)に対し、同じ階調値xでの期待値がP(x)である場合、そのP(x)に一致する測定値R(x’)での階調値x’を測定値特性Rより求め、ある階調値xが与えられた際には、階調値x’に相当する濃度で画像を形成するように補正する。これによって、期待値P(x)と測定値R(x)が一致することになる。
<濃度のキャリブレーション用のパターンについて>
通常、キャリブレーションのためのパターンは、各パッチの大きさを光学センサー54の検出領域(スポット径)よりも大きく形成する必要がある。光学センサー54の検出領域よりもパッチの幅が小さいと、パッチの濃度を精度良く検出できないためである。しかし、このようなパターンでは、形成できるパッチの数が限られてしまい、あまり多くの階調のパッチを形成できない。若しくは、全ての階調値に対応するパッチを形成しようとすると、大きな印刷領域を用意する必要があり、また、インクの消費量が増えてしまう。そこで、本実施形態では、以下に示すようにして、全ての階調値0〜255に対応するパッチを狭い印刷領域に形成することを可能にしている。
図5Aは、キャリブレーション用のパターン(以下、パターンCAともいう)の説明図である。なお、このパターンCAはインク色ごとに形成されるものであり、図中の括弧内の数字は、パッチのデータ上のインク色の階調値を示している。
パターンCAには、階調値0から255までの256個のパッチが、連続的に階調値が変化するように移動方向に並んで形成される。両端に位置する2つのパッチ(階調値0と255のパッチ)は、移動方向の幅及び搬送方向の幅のいずれとも、光学センサー54の検出領域(スポット径)よりも大きい。
但し、中央に位置する多数のパッチ(中間階調値である階調値1〜254のパッチ)は、搬送方向の幅は光学センサー54のスポット径より大きいものの、移動方向の幅は光学センサー54のスポット径よりも小さい。このため、狭い印刷領域に多くの階調値に対応するパッチを形成することができることになる。
図5Bは、パターンCAの検出時の動作の説明図である。図5Cは、中間階調値Xのパッチの検出時の説明図である。
本実施形態では、中間階調値Xのパッチを光学センサー54が検出するとき、光学センサー54の検出領域は、そのパッチからはみ出ている。但し、図5Cに示すように、中間階調値Xのパッチの左側には階調値X−1のパッチが隣接して形成されており、右側には階調値X+1のパッチが隣接して形成されている。つまり、左側には淡いパッチが隣接して形成されており、右側には濃いパッチが隣接して形成されている。このため、光学センサーの検出領域が中間階調値Xのパッチからはみ出ていても、光学センサー54は、中間階調値Xのパッチの濃度にほぼ相当する値を出力することができる。
また、前述したように、光学センサー54では、測色器と比べてサンプリング周期を細かく設定することができる。よって、パターンCAでは、移動方向について中間階調値Xのパッチの幅が光学センサー54のスポット径よりも小さくなっているが、光学センサー54で移動方向に沿って、細かい周期でサンプリングした連続的な濃度データを取得することで、精度の高い測定を行なうことが可能になる。
このようなパターンCAによれば、多くの階調値に対応するパッチの濃度を検出できる。また、パッチの数が多くてもパターン全体が大きくなるのを抑制することができる。
<プラテンギャップについて>
前述したように、キャリブレーションによって期待値と測定値とを一致させることが可能となる。ところで、濃度のキャリブレーションを行う際には、パターンCAのように濃度が異なる多数のパッチを用紙S上に形成することになるが、実際には、同じ階調値に基づいて形成したパッチであっても、そのパッチの形成位置によって測定値に誤差が生じる可能性がある。
例えば、プリンター1の組み立て精度やプリンター1を構成する部品の加工精度などにより、光学センサー54の読み取り位置(すなわちヘッド41の下面)と用紙Sの表面との距離が用紙Sの位置によって異なると、同じ濃度のパッチでも、そのパッチの形成位置によって異なる濃度として測定されてしまう。具体的には、キャリッジ31のガイド軸33が傾いていたり、プラテン24の両端部分(移動方向についての両端部分)に高低差があったりすると、用紙Sの表面とヘッド下面との間の距離(プラテンギャップ:以下PGともいう)が、移動方向の一端側と他端側とで異なることになる。この場合、移動方向の一端側に形成されたパッチと他端側に形成されたパッチとでは、たとえ同じ濃度のパッチであっても、異なる測定値となる。これは、PGが広ければ光学センサーから照射光が反射してきた際にその反射光強度が減少し、実際よりも濃い濃度の測定値となってしまい、反対にPGが狭ければ、反射光強度が増加し、淡い濃度の測定値となってしまうためである。特に、上述したようなパターンCAを移動方向に沿って形成する場合、移動方向の一端側と他端側でPGの値が異なっている可能性が高くなる。この場合、濃度の測定精度が低下するおそれがある。
<比較例>
本実施形態について説明する前に比較例について説明する。
図6は、比較例におけるキャリブレーションの概略説明図である。
この比較例では、図6の点線で示すように、パターンCAと並列に(すなわち搬送方向に並んで)、帯状の紙白領域PWを設けている。なお、紙白領域PWは、用紙S自体の白色の領域(すなわち、インクを打ち込まない領域)である。また、ここでは、説明の簡略化のため、パターンCAは一つのインク色(例えば、Yインク)についてのみ形成することとして説明する。
また、図7は、比較例におけるパターンCAの位置とインク吐出量との関係の説明図である。図において、横軸は移動方向の位置を示しており、縦軸はインクの吐出量を示している。図に示すように移動方向の一端側の階調値0のパッチ(図のP1の位置)から移動方向の他端の階調255のパッチ(図のP2の位置)まで、連続的にインク吐出量が増加している。これに対し、紙白領域PWへのインクの吐出量(不図示)は、移動方向の位置に関わらずゼロである(すなわちインクを吐出しない)。
次に比較例におけるキャリブレーションの動作について説明する。
コントローラー60は、或るパスの際に、キャリッジ31を移動方向に移動させつつ、図7のようにヘッド41からインクを吐出させてパターンCAを形成する。
また、コントローラー60は、上記或るパス、又は、或るパスとは別のパスの際に、キャリッジ31を移動方向に移動させながら、紙白領域PWにおける移動方向の各位置の濃度を光学センサー54に読み取らせる。
さらに、コントローラー60は、その後のパスで、キャリッジ31を移動方向に移動させながら、パターンCAの移動方向の各位置(各パッチ)の濃度を光学センサー54に読み取らせる。そして、あらかじめ対応付けされている移動方向の位置と階調値との関係から、階調値とその階調値で形成したパッチの測定値(測定濃度)との対応関係を得る。
さらに、コントローラー60は、移動方向の各位置における紙白領域PWの読み取り値を用いてパターンCAの各パッチの読み取り値を移動方向の位置ごとに正規化する。こうすることによって、移動方向の位置によってPGの値に誤差があっても、パッチの形成位置に依存しない測定値特性が得られることになる。
<比較例の課題について>
図6に示した比較例のキャリブレーション方法では、プリンター1のPGに誤差があっても、パッチの形成位置に関わる問題を解決することができる。しかし、比較例に係るキャリブレーション方法にも問題がある。
例えば、用紙Sが紙ベースの媒体(マット紙など)である場合、インクが多量に染み込むと用紙Sが膨潤し、用紙Sが波打つ現象(所謂、「紙よれ」「コックリング」などと呼ばれる現象:以下の説明では、コックリングとよぶ)が発生する。つまり、パターンCAの移動方向(走査方向)における各位置において、PGとは別のコックリングに起因する誤差が発生するおそれがある。言い換えると、用紙Sの表面と光学センサー54との距離には、プリンター1の機械的なプラテンギャップ(PG)に起因する差(ばらつき)の他に、コックリングによる差が含まれることになる。しかも、コックリングの大きさは、場所において一定ではなく、インクの打ち込み量(言い換えると階調値)に応じて異なる。例えば、図6のパターンCAでは、100%ベタのパッチ側(図のP2側)ではインクの打ち込み量(吐出量)が多いのでコックリングが大きくなる。これに対し、パターンCAの紙白のパッチ側(図のP1側)ではインクを打ち込まないので、コックリングは生じにくくなる。一方、正規化のための紙白領域PWは、インクを打ち込まないため、移動方向の位置にかかわらず、コックリングは生じない。
すなわち、パターンCAと紙白領域PWとでは、コックリングの有無の違いにより、移動方向の各位置における用紙Sの表面と光学センサー54との間の距離の関係が異なることになる。そのため、移動方向の各位置で紙白領域PWの読み取り値を用いて正規化したとしても、コックリングによる不規則な高低差により、濃度の検出値が大きく異なってしまうおそれがある。つまり、濃度の補正精度が低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、PGなどに起因する濃度ムラとコックリングに起因する濃度ムラの双方を考慮した読み取りを行うことにより、濃度の補正精度の向上を図っている。
<本実施形態について>
まず、光学センサー54と用紙Sの表面の実際の距離(PG以外の要素も含めた距離、以下、紙―センサー間距離とよぶ)と、反射率との関係について説明する。なお、ここでは、例えば、移動方向の位置によって紙―センサー間距離の大きさを変えることが可能なプリンターを用いて、用紙S上に、移動方向に沿った同一階調の帯状パッチ(印字部分)と、帯状の紙白領域(紙白部分)を搬送方向に並列に設けるようにしている。そして、印字部分と、紙白部分の移動方向の位置ごとの反射率を光学センサー54読み取っている。
図8及び図9は、紙―センサー間距離と、反射率との関係を示す図である。図8は、紙―センサー間距離が印字部分のみ変化した場合(紙白部分の読み取り値は一定)の反射率を示す図であり、図9は、紙―センサー間距離が印字部分と紙白部分において同様に変化した場合を示す図である。
各図の横軸は、紙―センサー間距離であり、縦軸は反射率である。なお、図において、各パターンの反射率は、光学センサー54による印字部分の読み取り値を、それと同じ位置(移動方向の位置)の紙白の読み取り値で正規化した値である。この例では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)についてそれぞれ2つの濃度のパッチ(帯状パッチ)で反射率の測定を行っている。例えばシアンについてC1は、濃度の淡いパッチの測定結果であり、C2は濃度の濃いパッチの測定結果である。
図8では、各色の反射率が紙―センサー間距離に依存して変化している。具体的には、紙―センサー間距離が広くなるほど反射率が小さくなっている(図において右下がりになっている)。つまり、紙―センサー間距離が広くなるほど濃度が濃く検出されてしまうことになり、正規化が適切に行われていないことになる。これに対し、図9では、紙―センサー間距離離に依存することなく反射率がほぼ一定になっている(正規化が適切に行われている)。
また、図10は、紙―センサー間距離が印字部分のみ変化した場合の反射率と、紙―センサー間距離が印字部分と紙白部分において同様に変化した場合の反射率との比較図である。なお、図10では図8、図9における一つのインク色(イエローのパターン(Y1))についての反射率の測定結果を拡大して示したものである。
また、図11は、紙―センサー間距離が印字部分(イエローのパターン(Y1))と紙白部分において同様に変化した場合の光学センサー54によるセンサー値(測定濃度)を示した図である。図の横軸は紙―センサー間距離であり、縦軸はセンサー値(測定濃度)である。図のように、紙―センサー間距離が変わると、印字部分と紙白部分の測定濃度は、ほぼ同じ傾向(傾き)で変化している。
すなわち、紙―センサー間距離が印字部分と紙白部分において同様に変化する場合では、紙白部分の読み取り値を使って正規化を行うことにより、印字部分の反射率は、紙―センサー間距離の大きさにかかわらずほぼ一定になる。言い換えると、印字部分と紙白部分において紙―センサー間距離を同様に変化させると、その紙白部分の読み取り値を使って正規化を行うことで、精度の高い読み取り値を得ることができることになる。そこで、本実施形態では、印字部分と紙白部分で紙―センサー間距離を同様に変化させるようにしている。具体的には、図6の紙白領域PWに対して、パターンCAへのインク吐出量と同じ吐出量で白インク(Wインク)を吐出している。
図12は、本実施形態のキャリブレーションの概略説明図である。また、図13A、図13Bは、本実施形態における移動方向の位置とインクの吐出量との関係を示す説明図である。図13Aは、パターンCAの形成領域へのインク(ここではYインク)の吐出量を示す図であり、図13Bは、紙白領域PWへのインクの吐出量を示す図である。図13A、図13Bにおいて、横軸は移動方向の位置を示しており、縦軸はインクの打込み量(吐出量)を示している。本実施形態では、図13A、図13Bに示すように、パターンCAの各位置(移動方向の位置)へのインク(Yインク)の吐出量と対応するように、紙白領域PWに対して白インク(Wインク)を吐出している。
次に本実施形態のキャリブレーションの動作について説明する。
コントローラー60は、或るパスにおいて、紙白領域PWに対して、移動方向の一端側(例えば図の左側)から他端側(例えば図の右側)に向かってインクの打ち込み量が連続的に増加するように白インク(第2インクに相当する)を吐出させる。以下の説明において、この白インクの吐出によって形成されるパターン(用紙Sと同じ白色のパターン)をパターンCW(第2パターンに相当する)とよぶ。なお、用紙Sへの白インクの打ち込みによる濃度変化は、コックリングによる濃度変化と比べて非常に小さいこととする。
また、コントローラー60は、或るパスの後のパスにおいて、移動方向の一端側(図の左側)から他端(図の右側)に向かってインクの打ち込み量が連続的に増加するようにYインク(第1インクに相当する)を吐出させパターンCA(第1パターンに相当する)を形成する。なお、パターンCAとパターンCWは搬送方向に並ぶように(並列に)形成する。
このように、パターンCAの各パッチへ吐出するインクと同じ量の白インクを紙白領域PWに対して吐出することにより、パターンCWでは、パターンCAと同じ傾向でコックリングが発生することになる。すなわち、図の右端のパッチに近づくにつれてコックリングが大きくなる。
また、コントローラー60は、比較例のときと同様に、キャリッジ31を移動方向に移動させながら、光学センサー54にパターンCWを移動方向の各位置で読み取らせる。さらに、その後、コントローラー60は、キャリッジ31を移動方向に移動させながら、パターンCAの移動方向に並ぶ各パッチを光学センサー54に読み取らせる。
そして、あらかじめ対応付けされている移動方向の位置と階調値との関係から、階調値とその階調値で形成したパッチの測定値(測定濃度)との対応関係を得る。
また、コントローラー60は、移動方向の各位置のパターンCWの測定値を用いて各パッチの測定値を正規化する。こうすることによって、PGによる誤差やコックリングによる誤差の影響を受けることがなくなるので、パッチの形成位置に依存しない測定値特性が得られる。
以上説明したように、本実施形態では、パターンCAへのインクの吐出量と対応するように、紙白領域PWにインク(白インク)を吐出してパターンCWを形成しているので、パターンCWにおいても、パターンCAと同様に移動方向の位置に応じてコックリングが発生する。すなわち、パターンCAとパターンCWにおいて、紙―センサー間距離が同様に変化することになる。そして、コントローラー60は、パターンCAの読み取り結果とパターンCWの読み取り結果を用いて、濃度補正値を算出している(言い換えるとインクの吐出量を補正している)。これにより、プリンター1自体の機械的精度(PG)などに起因する濃度ムラとコックリングに起因する濃度ムラの双方を考慮した読み取りを行うことができる。よって、パターンCAの各パッチの濃度を正確に検出することができ、濃度の補正精度の向上を図ることができる。
===第2実施形態===
第1実施形態では媒体として用いる用紙Sが白色であったが、白色以外の媒体も存在する。例えば透明媒体の場合、インクを打ち込まない部分が透明になるので、キャリブレーションを正確に行えなくなるおそれがある。そこで、第2実施形態では、媒体の種類に関係なく正確にキャリブレーションを行えるようにしている。なお、プリンター1の構成および印刷動作については第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
図14A及び図14Bは第2実施形態における移動方向の位置とインクの吐出量との関係を示す説明図である。なお、図14AはパターンCAの形成領域へのインク(ここではYインク)の吐出量を示しており、図14Bは、紙白領域PWへのインク(白インク)の吐出量を示している。図14A、図14Bにおいて、横軸は移動方向の位置を示しており、縦軸はインクの吐出量(総吐出量)を示している。
第2実施形態では、図14A、図14Bに示すように、コントローラー60は、媒体におけるパターンCAの形成領域と、紙白領域PWに予め一定量(所定量に相当)の白インク(Wインク)を吐出させて白色の下地パターンを形成する。そして、例えば、搬送ユニット20に媒体を逆搬送させた後、再度、パスと媒体を搬送方向に搬送動作を行わせる。そして、白色の各下地パターンの上に、それぞれYインクと白インクを第1実施形態と同様に吐出させ、パターンCAとパターンCWを形成する。
第2実施形態では、このようにパターンCAとパターンCWに対してそれぞれ白色の下地パターンを形成することで、各パターンへのインクの吐出量を揃えている。よって、例えば透明媒体を使用する場合でも高い精度でキャリブレーションを行うことができる。このように、第2実施形態によると、使用する媒体の種類に関係なく高い精度で濃度を検出することができ、濃度の補正精度の向上を図ることができる。
===変形例===
以下に示す変形例では前述の実施形態と異なる色の組み合わせで各パターンを形成する。なお、以下の説明においてキャリブレーション用のパタ−ン(パターンCA)を第1パターンと呼び、第1パターンを形成するインクを第1インクと呼ぶ。また、第1パターンと対応して形成されるパターン(パターンCW)を第2パターンと呼び、第2パターンを形成するインクを第2インクと呼ぶ。また、下地パターンを形成するインクを第3インクと呼ぶ。
第2インクは、コックリングの影響を受けない条件下での第2パターンの読み取り結果における濃度変化に基づいて決めるのが望ましい。ここで、コックリングの影響を受けない条件とは、媒体に対して接触型の濃度センサーにより各パッチを読み取らせたり、コックリングが生じない媒体に形成した各パッチを読み取らせたりするという条件である。当該条件下での濃度変化が小さいほど、コックリングの影響を受ける条件下でのコックリングに起因する濃度変化の再現性がよくなる。また、後述するように第2インクはクリアインクであってもよい。
下地(第3インク)の色は、下地パターン上の第1パターンの読み取り結果における濃度変化に基づいて決めるのが望ましい。たとえば、当該濃度変化が大きいほど、第1インクの吐出量の補正精度がよくなる。また、下地パターン上の第2パターンを形成する第2インクの色は、下地パターンの色と同じであってもよいし、クリアインクであってもよい。
表1は、インクや媒体の組み合わせの具体例を示した表である。
≪媒体が白メディアの場合≫
<第1インクが白以外のとき(変形例1)>
この場合、下地パターンは形成しなくてもよい。また、第2パターンの形成(第2インク)にはクリアインクを用いるのが望ましい。これはインクの吐出量の増減に係らずにコックリングの再現性が最もよいのは、クリアインクだからである。なお、媒体の白と色インクの白とが全く同じ場合には白(第1実施形態に相当)でもいいが、予めクリアに決めておけば、白の濃度を比較する必要がないので簡単でよい。
<第1インクが白のとき(変形例2)>
下地の色(第3インク)は、第1パターンにおいて第1インクの吐出量が増えるほど濃度差が大きくなるようにするために、第1インク(白)の吐出量が最も少ないところで濃度が最も濃くなる色である黒が望ましい。また、第2インクは、変形例1と同じ理由によりコックリングの再現性を考慮してクリアでもいいが、吐出量の増減に係らずコックリングの再現性が良いのであれば下地を形成する色(黒)でもよい。
なお、第1インクが白のときは、吐出量が増えるほど濃度は薄くなる。
≪媒体がカラーメディアあるいは透明メディアの場合≫
<第1インクが白以外のとき(変形例3)>
下地の色(第3インク)は、第1パターンにおいて第1インクの吐出量が増えるほど濃度差が大きくなるようにするために、第1インクの吐出量が最も少ないところでは濃度が最も薄くなる色である白が望ましい。また、第2インクは変形例2と同様の理由により、クリアあるいは下地と同じ色(白)にするのが望ましい。
<第1インクが白のとき(変形例4)>
第3インクは、変形例2と同様の理由により黒が望ましい。第2インクは、変形例1と同様の理由によりコックリングの再現性を考慮してクリアでもいいが、吐出量の増減に係らずコックリングの再現性が良いのであれば、下地を形成する色(黒)でもよい。
≪媒体が黒メディアの場合≫
<第1インクが白以外のとき(変形例5)>
第3インクは、変形例3と同様の理由により、白が望ましい。また、第2インクは、変形例4と同様にクリア、または、下地を形成する色(白)でもよい。
<第1インクが白のとき(変形例6)>
変形例2で説明したように第1インクが白の場合、下地は黒が望ましいが、ここでは、媒体が黒であるため下地は不要である。また、第2パターンを形成する第2インクは、変形例1と同様の理由によりクリアが望ましい。
なお、上述した変形例以外の色の組み合わせで各パターンを形成するようにしてもよい。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、主として光学センサーを備えた印刷装置(プリンター1)とそのプリンター1を用いた濃度の補正方法を開示したものであるが、それ以外にも印刷方法、濃度補正用パターンの形成方法、パターンの構成や構造なども開示されている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<吐出方式について>
前述の実施形態では、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<インクについて>
前述した実施形態では、プリンター1は5色のインク(Cインク、Mインク、Yインク、Kインク、Wインク)を使用していたが、これには限られず、5色以外(例えば6色)のインクを使用してもよい。例えばライトシアン、ライトマゼンダなどの他の色のインクを使用してもよい。
1 プリンター、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラー、22 搬送モーター、
23 搬送ローラー、24 プラテン、25、排紙ローラー、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモーター、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダー、52 ロータリー式エンコーダー、
53 紙検出センサー、54 光学センサー、
60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、
110 コンピューター

Claims (5)

  1. 第1インク、及び、前記第1インクとは異なる色の第2インクを吐出するヘッドと、
    媒体に対して非接触型の濃度センサーと、
    前記ヘッド及び前記濃度センサーの動作を制御するコントローラーと、
    を備えた印刷装置であって、
    前記コントローラーは、
    前記ヘッドを所定方向に移動させながら前記媒体に向けて前記第1インクを吐出させることにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第1パターンであって、前記所定方向の一端側から他端側に向けて前記第1インクの吐出量が増加する第1パターンと、
    前記ヘッドを前記所定方向に移動させながら前記媒体に向けて前記第2インクを吐出させることにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第2パターンであって、前記所定方向の前記一端側から前記他端側に向けて前記第2インクの吐出量が増加し、且つ、前記所定方向と交差する交差方向に前記第1パターンと並んだ第2パターンと、
    を前記媒体に形成し、
    前記第1パターン及び前記第2パターンの各パッチを前記濃度センサーに読み取らせ、
    前記第1パターンの読み取り結果及び前記第2パターンの読み取り結果に基づいて前記ヘッドからの前記第1インクの吐出量を補正する
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1パターンと前記第2パターンは、第3インクを吐出させて前記媒体に形成された下地パターンであって、前記第3インクの吐出量が所定量の下地パターンの上に形成され、
    前記第2インクは、前記印刷装置で使用される複数色のインクのうち、クリアインクであるか、または、前記第3インクと同じ色のインクである、
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記第1インクが白インクであり、
    前記第2インクが黒インクである、
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記第2インクは、クリアインクである、ことを特徴とする印刷装置。
  5. 第1インク、及び、前記第1インクとは色の異なる第2インクを吐出するヘッドと、媒体に対して非接触型の濃度センサーとを備えた印刷装置によるインク吐出量の補正方法であって、
    前記ヘッドを所定方向に移動させつつ前記ヘッドから前記媒体に向けて前記第1インクを吐出することにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第1パターンであって、前記所定方向の一端側から他端側に向けて前記第1インクの吐出量が増加する第1パターンを形成する工程と、
    前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ前記ヘッドから前記媒体に向けて前記第2インクを吐出することにより、前記所定方向に沿って複数のパッチが並ぶ第2パターンであって、前記所定方向の前記一端側から前記他端側に向けて前記第2インクの吐出量が増加し、且つ、前記所定方向と交差する交差方向に前記第1パターンと並んだ第2パターンを形成する工程と、
    前記第1パターン及び前記第2パターンの各パッチを前記濃度センサーで読み取る工程と、
    前記第1パターンの読み取り結果及び前記第2パターンの読み取り結果に基づいて前記第1インクの吐出量を補正する工程と、
    を有することを特徴とする補正方法。
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