本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体または当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技台を移動した場合等に使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
まず、本実施例1に係る遊技システムの動作検査の概念について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技システムの動作検査の概念を説明するための説明図である。本実施例1に係る遊技システムでは、遊技球が封入された封入式遊技機20に台間カード処理機10を併設している。
台間カード処理機10は、遊技店の営業中に使用される通常モードと、封入式遊技機20の動作検査を行う場合に使用されるテストモードの2つの動作モードを有する。通常モードでは、台間カード処理機10は、封入式遊技機20に対して遊技球を貸し出す処理を行う。具体的には、台間カード処理機10は、カードを受け付けた場合には該カードに価値付けられた持玉数を封入式遊技機20に送信する。封入式遊技機20は、受信した持玉数の範囲内で遊技領域に遊技球を発射し、遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)を台間カード処理機10に送信する。また、台間カード処理機10は、カードにプリペイド価値が価値付けられているならば該プリペイド価値を記憶し、貨幣の投入を受け付けたならば、該貨幣をプリペイド価値に換算して記憶する。台間カード処理機10は、遊技客による玉貸し操作を受け付けたならば、プリペイド価値を所定数減算し、減算したプリペイド価値に対応する持玉数を封入式遊技機20に送信する。
また、台間カード処理機10は、遊技客によるカード返却操作が行われた場合には、封入式遊技機20から持玉数を取得し、取得した持玉数と自装置に記憶していたプリペイド価値をカードに価値付けてカードを排出制御する。このようにしてカードに価値付けられた持玉数は、他の遊技機での遊技や景品交換に使用することができる。
台間カード処理機10は、店員による所定の操作、店員が所持するリモートコントローラからのモード設定指示、若しくは上位装置からのモード設定指示に基づいて、自装置をテストモードに設定する(1)。
テストモードに設定された台間カード処理機10は、封入式遊技機20に対してテスト用持玉の持玉数を送信する(2)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10より受信した持玉数を持玉データとして記憶し、該持玉データの範囲内で遊技領域に遊技球を発射し(3)、遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)を台間カード処理機10に送信する(4)。台間カード処理機10は、封入式遊技機20より受信した遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)をテスト結果データとして記憶する(5)。このテストモードで動作している間は、カード返却操作が行われた場合であっても、持玉数をカードに関連付ける処理を制限する制御を行う。なお、持玉数をカードに関連付ける処理とは、カードに持玉数を記録する処理に限らず、管理装置においてカードを一意に識別するカードIDと持玉数とを関連付けて記憶する処理を含む。
また、持玉数をカードに価値付ける処理を制限する制御とは、カードの排出を制限する制御を言う。具体的には、予め受け付けたカードについて、カード返却操作の受け付けを抑止又は無効化する制御、カード返却操作は受け付けるが、カードに持玉数を関連付ける処理を行なわずにカードの取り出しを禁止する制御、カード返却操作を受け付けてカードに持玉数を関連付けるがカードの取り出しを禁止する制御を含む。また、持玉数を新たなカードに関連付けて発行する操作の受け付けを抑止又は無効化する制御、持玉数を新たなカードに関連付けて発行する操作は受け付けるが、カードに持玉数を関連付ける処理は行なわずにカードの取り出しを禁止する制御、持玉数を新たなカードに関連付けて発行する操作を受け付けてカードに持玉数を関連付けるが、カードの取り出しを禁止する制御等を含む。
また、管理装置において開店準備時間と開店時間(又は閉店時間)の設定を行い、テストモードは開店時間中には実行できないよう構成してもよい。開店時間中でないときは、管理装置でカードに関連付けられた価値の書き換え、カードの新規発行、売上発生処理はできないので、テストモードで動作中にはカードの発行はできない。
このように、台間カード処理機10は、テストモードに設定された場合には、テスト用持玉を封入式遊技機20に送信する。テスト用持玉を用いる場合には、カードの挿入や貨幣の投入は不要である。また、テスト用持玉は、カードへの価値付けが行われず、他の遊技機での遊技や景品交換に使用できない点が通常の持玉と異なる。封入式遊技機20では、通常の持玉とテスト用持玉の区別はしていないため、通常の持玉を用いて遊技する場合と同一の動作を行わせることができる。
台間カード処理機10は、テスト結果データの打込玉数及び賞出玉数を表示出力する。また、賞出玉数を打込玉数で除算した出玉率を算定して表示出力する。また、打込玉数、賞出玉数及び出玉率を上位の管理装置に送信する。
このように、他の遊技機での遊技や景品交換に使用できないテスト用持玉を用いて封入式遊技機20の動作検査を行うことにより、不正を防止しつつ動作検査を行うことができる。また、封入式遊技機の出玉率が所定の範囲に収まるか否かにより、封入式遊技機20が正常に動作しているか否かを判定することができる。
次に、本実施例に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、複数の封入式遊技機20と、各封入式遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、管理装置40と、景品管理装置70と、精算機80とが通信回線90を介して接続されている。
封入式遊技機20は、装置内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技客が弾球遊技を行う装置である。この封入式遊技機20は、持玉数の範囲内で、遊技領域に遊技球を打ち込むことができる。当該遊技領域には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技球が通過したことに基づいて所定個数の遊技球を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技球が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技球の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技球の通過を検出するための所定の検出センサが設けられており、当該センサにより、入賞領域へ打ち込まれた遊技球の通過(入賞)を検出するようになっている。また、封入式遊技機20は、入賞領域ごとに何個の遊技球を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有する。また、封入式遊技機20は、遊技客が遊技に使用できる持玉数を記憶する持玉データを記憶部に記憶させている。
したがって、打ち込んだ遊技球の特定の入賞領域への通過がセンサにより検出されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技球数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数を持玉データが示す持玉数に加算して記憶内容を更新する。また、台間カード処理機10からカード排出操作に基づく持玉数の通知要求があったならば、持玉データが示す持玉数を台間カード処理機10に通知して、持玉データを「0」にクリアする。さらに、台間カード処理機10から玉貸し操作に基づく持玉数の通知を受けた場合には、通知された持玉数を持玉データに示された持玉数に加算して記憶内容を更新する。
台間カード処理機10は、封入式遊技機20に対する遊技球の貸し出しを行う装置である。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶する。
また、台間カード処理機10は、カードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を記憶するとともに、カード返却操作を受け付けたならば、プリペイド価値及び持玉数をカードに関連付けて排出する処理を行う。
台間カード処理機10は、遊技客による玉貸し操作が行われたならば、プリペイド価値から所定値を減算し、減算したプリペイド価値に対応する持玉数を封入式遊技機20の持玉数に加算させることで遊技球の貸し出しを行う。
また、既に説明したように、台間カード処理機10は、テストモードに設定された場合には、テスト用持玉を封入式遊技機20に送信し、封入式遊技機20の動作検査を行うことにより、不正を防止しつつ動作検査を行うことができる。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の封入式遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する機能、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する機能、並びに封入式遊技機20の動作検査を管理する機能を有する。
管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカードデータを更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに関連付けられた持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、管理装置40は、景品管理装置70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を景品管理装置70に対して通知する。
また、管理装置40は、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、貯玉、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号及び氏名等を管理する。また、管理装置40は、景品管理装置70からカードID及び貯玉数を受信したならばカードデータを更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに関連付けられた貯玉数を台間カード処理機10に通知する。
また、管理装置40は、台間カード処理機10にモード設定指示を送信し、台間カード処理機10の動作モードを切り替えることができる。管理装置40は、通常モードで動作中の台間カード処理機10より貸玉数、打込玉数及び賞出玉数を受信した場合には、受信した貸玉数、打込玉数及び賞出玉数を封入式遊技機20の識別情報に対応付け、営業管理データとして管理する。また、管理装置40は、テストモードで動作中の台間カード処理機10よりテスト結果データを受信した場合には、テスト結果データを封入式遊技機20の識別情報に対応付けて管理する。管理装置40は、複数の封入式遊技機20のテスト管理データを、一覧表示等の任意の表示形式で表示することができる。
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。景品管理装置70には、カードからカードIDを読み取るリーダライタ並びに特殊景品を払い出す特殊景品払出装置が接続されている。景品管理装置70は、リーダライタがカードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードIDを管理装置40に送信して、該カードの持玉数及び貯玉数を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードを挿入されたならば、カードからプリペイド価値を読み取って対応する貨幣を払い出し、プリペイド価値を零にクリアする処理を行う。
次に、図2に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機20の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機20の外観構成を示す図である。同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、遊技球を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカードを受け付けるカード挿入口14とが設けられている。
また、封入式遊技機20には、封入された遊技球を遊技領域に打ち込む際に使用するハンドル21と、プリペイド価値の残数を表示するプリペイド価値表示部15と、持玉数を表示する持玉数表示部16とが設けられている。
次に、図2に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機20の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機20の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、表示操作部13と、カードリーダライタ10aと、紙幣搬送部10bと、通信部10cと、記憶部10eと、制御部10fとを有する。
カードリーダライタ10aは、カード挿入口14に挿入されたカードからカードID及びプリペイド価値データを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14に挿入されたカードは、このカードリーダライタ10aを経て図示しないカード収納部に収納される。
紙幣搬送部10bは、紙幣挿入口12から挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。通信部10cは、封入式遊技機20の制御部及び管理装置40との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
通信部10cは、セキュリティチップ部を有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、封入式遊技機20及び管理装置40のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。セキュリティチップは、通信部10cから入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、封入式遊技機20又は管理装置40のセキュリティチップとの間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。封入式遊技機20及び管理装置40のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、カード返却操作の入力信号等、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、持玉データ、遊技機における不正検出信号、貸玉の通知、貸玉の使用通知、レート情報など、遊技客・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部10fで行っても良い。また、相互認証にてNGとなった場合には、相互認証NGを検知した機器(遊技機あるいは台間カード処理機)は上位装置および自機の表示部に異常を出力した上で、エラーダウンする。
記憶部10eは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。通常モードでは、記憶部10eは、カードID10e1及びプリペイド価値データ10e3を記憶する。テストモードでは、記憶部10eは、カードID10e1及びプリペイド価値データ10e3を記憶せず、テスト結果データ10e4を記憶する。
カードID10e1は、カードリーダライタ10aにより読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14にカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でカードリーダライタ10aにより読み取られたカードIDによってカードID10e1が更新される。また、カード挿入口14から図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でカードリーダライタ10aにより読み取られたカードIDによってカードID10e1が更新される。
プリペイド価値データ10e3は、遊技客の現時点のプリペイド価値の残数を示す。プリペイド価値は、入金若しくはプリペイド価値が関連付けられたカードの挿入により加算され、遊技球の貸出処理により減算される。
テスト結果データ10e4は、台間カード処理機10がテストモードで動作中に封入式遊技機20より受信した打込玉数及び賞出玉数と、該賞出玉数を打込玉数で除算した出玉率と、遊技球の遊技盤面での滞留時間の異常判定結果とを示すデータである。
制御部10fは、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部10f1、紙幣処理部10f2、カード処理部10f3、モード設定部10f4及び検査処理部10f5を有する。また、この制御部10fには、プリペイド価値表示部15が接続されている。
データ管理部10f1は、通常モードで動作中に、記憶部10eに記憶したプリペイド価値データ10e3を管理する管理部である。データ管理部10f1は、遊技客により玉貸し操作が行われると、プリペイド価値データ10e3が示すプリペイド価値から所定値(例えば「1000」)を減算して更新し、減算したプリペイド価値に対応する持玉数(例えば「250」)を加算するよう封入式遊技機20に通知する。
また、データ管理部10f1は、紙幣挿入口12に紙幣が挿入されると、この紙幣分に相当するプリペイド価値をプリペイド価値データ10e3に加算して更新する。また、データ管理部10f1は、カード挿入口14にカードが挿入された場合に、このカードに対応付けられたプリペイド価値をプリペイド価値データ10e3に加算して更新する。なお、ここでは説明の便宜上、「加算」及び「減算」を行う場合を示しているが、例えばプリペイド価値データ10e3そのものに加算するのではなく、加算した値でプリペイド価値データ10e3を更新することも可能である。
紙幣処理部10f2は、通常モードで動作中に、紙幣挿入口12から受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種識別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。
カード処理部10f3は、通常モードで動作中に、カード挿入口14からカードを受け付けたならば、カードリーダライタ10aによりカードID及びプリペイド価値を読み取らせ、カードID10e1及びプリペイド価値データ10e3として記憶部10eに記憶させる。
また、カード処理部10f3は、カードID10e1を管理装置40に送信して、該カードIDに関連付けられた持玉数及び貯玉数を管理装置40から受け取る。カード処理部10f3は、貯玉数を封入式遊技機20の持玉数に加算させる。また、台間カード処理機10は、所定の貯玉再プレイ操作を受け付けたならば、貯玉数から所定数を減算して、該減算分を封入式遊技機20の持玉数に加算させる。
さらに、カード処理部10f3は、通常モードでは、カード返却操作を受け付けたならば、封入式遊技20より持玉数を取得し、取得した持玉数と、カードID10e1とを管理装置40に送信してカードデータを更新させる。その後、プリペイド価値データ10e3をカードに書き込んでカード挿入口14から返却する。なお、プリペイド価値データ10e3をカードに書き込んだ後、プリペイド価値データ10e3は零にクリアされる。
カード処理部10f3は、テストモードで動作中には、カード返却操作を受け付けた場合に該カード返却操作を棄却し、持玉数のカードへの対応付けは行わない。
モード設定部10f4は、店員による所定の操作、店員が所持するリモートコントローラからのモード設定指示、若しくは上位装置からのモード設定指示に基づいて、自装置の動作モードを切り替える処理部である。
テストモードに設定する場合には、テストモードに設定する操作を行った店員に対する認証を行い、該店員に関する情報を記録する。店員に関する情報には、店員を識別するID、店員の肩書及び操作時刻を含むことができる。また、テストモードから通常モードに復帰する際にも、店員の認証と店員に関する情報の記録を行う。
台間カード処理機10の動作モードには、既に説明したように、通常モードとテストモードがある。この2つの動作モードに加えて、節電モードなど、他のモードを設けることもできる。節電モードでは、所定の条件を満たした場合に、表示の消去、状態ランプ消灯などを行って、電力消費を抑制する。具体的には、プリペイド価値と持玉数がともに「0」の状態で所定時間が経過した場合、カードが排出された場合、封入式遊技機20の動作が停止した場合(例えばハンドルが所定時間以上操作されない等)、遊技客が休憩中である場合、遊技点が閉店中である場合のうち、いずれかの条件が満たされたならば、台間カード処理機10は節電モードとなる。なお、台間カード処理機10が節電モードとなった場合に封入式遊技機20に通知を行って、封入式遊技機20も節電モードとするように構成してもよい。
検査処理部10f5は、テストモードでの動作検査を行う処理部でありテスト用持玉供給部10g1、発射信号生成部10g2及びテスト結果処理部10g3を有する。
テスト用持玉供給部10g1は、モード設定部10f4により動作モードがテストモードに設定された場合に、封入式遊技機20に対してテスト用持玉を送信する処理部である。
発射信号生成部10g2は、封入式遊技機20に対して、遊技球の発射を指示する発射信号を生成して送信する処理部である。封入式遊技機20は、発射信号を受信すると、ハンドル21が操作されていなくとも遊技球を発射する。この発射信号の詳細については後述する。
テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4を管理する処理部である。具体的には、テスト結果処理部10g3は、テストモード中に封入式遊技機20より打込玉数を受信した場合に、テスト結果データ10e4の打込玉数に加算してテスト結果データ10e4を更新する。また、テスト結果処理部10g3は、テストモード中に封入式遊技機20より賞出玉数を受信した場合に、テスト結果データ10e4の賞出玉数に加算してテスト結果データ10e4を更新する。また、テスト結果処理部は、遊技球の遊技盤面での滞留時間に異常があったか否かを判定し、テスト結果データ10e4を更新する。
テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4の打込玉数又は賞出玉が更新されたならば、賞出玉数を打込玉数で除算して出玉率を算定し、テスト結果データ10e4の出玉率を更新する。
また、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4が示す打込玉数、賞出玉数、出玉率及び滞留時間判定結果を表示操作部13に表示制御する。また、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4を管理装置40に送信する。
プリペイド価値表示部15は、封入式遊技機20の前面に設けられており、台間カード処理機10の制御部10fに直結している。プリペイド価値表示部15は、プリペイド価値データ10e3が示すプリペイド価値を表示する。持玉数表示部16は、封入式遊技機20の前面に設けられている。持玉数表示部16は、封入式遊技機20の持玉数を表示する。
封入式遊技機20は、通信部22、発射ユニット27、記憶部23、遊技制御部24、記憶部25及び制御部26を有する。通信部22は、台間カード処理機10との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
通信部22は、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、台間カード処理機10のセキュリティチップ部との間で通信を行うためのものである。セキュリティチップは、通信部22から入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、台間カード処理機10のセキュリティチップとの間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。台間カード処理機10のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、返却ボタン等の入力信号等、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、持玉データ、遊技機における不正検出信号など、遊技客・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部26で行っても良い。
発射ユニット27は、持玉データ23bが示す持玉数が0より大きい状態でハンドル21が操作された場合に、遊技球を発射するユニットである。また、持玉データ23bが示す持玉数が0より大きい状態でハンドル21が操作された場合に、台間カード処理機10より発射信号を受信した場合に、遊技球を発射する。この発射ユニット27の詳細については、後述する。
封入式遊技機20の記憶部23及び記憶部25は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部23は、遊技管理データ23aを記憶する。遊技管理データ23aは、封入式遊技機20の遊技処理の管理に使用するデータである。記憶部25は、持玉データ23bを記憶する。
遊技制御部24は、記憶部23及び制御部26と接続し、封入された遊技球を用いた遊技を制御する制御部である。遊技制御部24は、遊技領域に遊技球を打ち込む度に打込玉数を台間カード処理機10に送信する。なお、打込玉数は、1玉毎ではなく、所定玉数毎、又は所定時間毎に送信することとしてもよい。遊技制御部24は、賞出玉が発生した場合には、発生した賞出玉数を台間カード処理機10に送信する。遊技制御部24による打込玉数及び賞出玉数の送信は、制御部26の通信制御部26aを介して行われる。
制御部26は、通信制御部26a及び持玉管理部26bを有する。通信制御部26aは、台間カード処理機10との通信並びに遊技制御部24との通信を制御する制御部である。持玉管理部26bは、持玉データ23bを管理する処理部である。
具体的には、持玉管理部26bは、台間カード処理機10から持玉に加算する玉数の通知を受けたならば、通知された玉数を加算して持玉データ23bを更新する。また、持玉管理部26bは、遊技制御部24が遊技領域に遊技球を打ち出す度に持玉数を減算し、遊技球が入賞した場合に入賞に応じた持玉数を加算して持玉データ23bを更新する。
また、持玉管理部26bは、台間カード処理機10よりカード返却操作が行われたならば、持玉データ23bが示す持玉数を台間カード処理機10に送信し、持玉データ23bを零にクリアする。また、持玉管理部26bは、台間カード処理機10より持玉クリア指示を受信したならば、持玉データ23bを零にクリアする。
次に、図4に示した発射ユニット27について説明する。図5は、図4に示した発射ユニット27について説明するための説明図である。図5に示すように、発射ユニット27は、回転量センサ27a、発射信号生成部27b及び発射機構27cを有する。
回転量センサ27aは、ハンドル21の回転量を検知するセンサである。回転量センサ27aは、検知した回転量を発射信号生成部27bに出力する。発射信号生成部27bは、回転量センサ27aがハンドル21の回転を検知した場合に、発射信号を生成して発射機構27cに出力する。この発射信号には、ハンドル21の回転量に対応した発射速度レベルが含まれている。
発射機構27cは、制御部26から発射許可を受け、且つ発射信号を受け付けた場合に、発射速度レベルに対応する速度で遊技球を遊技領域に発射し、制御部26に対して発射通知を行う。制御部26は、持玉データ23bが示す持玉数が0より大きい場合に発射機構27cに対して発射許可を出力し、発射機構27cより発射通知を受け付けた場合に持玉データ23bが示す持玉数を1減算する。
また、発射機構27cは、台間カード処理機10からも発射信号を受け付ける。台間カード処理機10から発射信号を受信した場合には、ハンドル21が回転していなくとも遊技球が発射される。このため、動作検査のための遊技球の発射を自動で行うことができる。台間カード処理機10が送信する発射信号は、発射信号生成部10g2により生成される。発射信号生成部10g2により生成された発射信号にも、発射信号生成部27bが出力する発射信号と同様に、発射速度レベルが含まれている。従って、台間カード処理機10の発射信号生成部10g2が異なる発射速度レベルを有する複数の発射信号を生成することにより、多様な発射速度で遊技球を発射した場合の動作を確認することができる。
次に、テスト結果処理部10g3によるテスト結果データ10e4の表示制御について説明する。図6は、テスト結果処理部10g3によるテスト結果データ10e4の表示制御について説明するための説明図である。
図6に示すように、台間カード処理機10をテストモードに設定すると、表示操作部13には、テストモード中に遊技球の試し打ちを行って動作検査をしていることを示す「試し打ち中」との表示と、ハンドル21の手動操作による発射と発射信号生成による発射のいずれを行っているかを示す発射方法表示と、打込玉数を示す「アウト」と、賞出玉数を示す「セーフ」と、算定した出玉率と、テスト結果データ10e4をリセットする操作を受け付けるリセットボタンとが表示される。
図6(a)は、設定モードへの移行直後の状態であり、打込玉数及び賞出玉数が「0」であり、出玉率は「0%」であり、滞留時間判定結果は「滞留時間異常なし」である。この状態からハンドル21を回転操作すると、遊技球が発射され、打込玉数、賞出玉数、出玉率及び滞留時間判定結果が更新される。図6(b)は、打込玉数が「150」、賞出玉数が「75」、出玉率が「50.0%」、滞留時間判定結果が「滞留時間異常あり」の状態を示している。また、発射方法表示は「手動」である。
図6(b)に示した状態からリセットボタンを操作すると、図6(c)に示すように打込玉数及び賞出玉数が「0」にクリアされ、出玉率が「0%」である。また、滞留時間判定結果は「滞留時間異常なし」にクリアされる。リセット操作後、発射信号生成部10g2が発射信号を生成したならば、発射方法表示は「自動」となり、生成された発射信号に基づいて遊技球が発射され、打込玉数、賞出玉数及び出玉率が更新される。また、生成した発射信号の発射速度レベルの範囲を示す「玉発射レベル」と、生成予定の発射信号の数を示す「発射残り玉数」と、発射信号の生成を停止するための停止ボタンとが表示される。
図6(d)は、打込玉数が「1500」、賞出玉数が「300」、出玉率が「20.0%」、滞留時間判定結果が「滞留時間異常なし」の状態を示している。また、発射方法表示は「自動」であり、玉発射レベルは「30〜65」であり、発射残り玉数は「3500玉」である。この状態で停止ボタンを操作すると、図6(e)に示すように発射信号の生成が停止され、停止ボタンは発射信号の生成を再度開始するための開始ボタンに置き換えられる。
また、テスト結果処理部10g3よりテスト結果データ10e4を受信した管理装置40は、テスト結果データ10e4を任意の形式により表示制御することができる。図7は、管理装置40によるテスト結果データ10e4の表示制御について説明するための説明図である。図7は、台間カード処理機10より受信した出玉率を基準となる出玉率と比較し、比較結果を各遊技機についてマップ表示した状態を示している。
具体的には、出玉率が基準となる出玉率の70%未満である遊技機と、出玉率が基準となる出玉率の70%〜90%である遊技機と、出玉率が基準となる出玉率の110%〜120%である遊技機と、出玉率が基準となる出玉率の130以上である遊技機とを網掛け表示している。
かかる表示により、出玉率の異常を簡易に視認可能である。同様に、打込玉数、賞出玉数及び滞留時間判定結果をそれぞれの基準データと比較し、比較結果をマップ表示することもできる。また、考えられる異常の原因や、対処方法等もあわせて表示してよい。また、管理装置40に限らず、封入式遊技機20やカード端末に表示するよう構成してもよい。
次に、図4に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機20の動作検査処理の処理手順について説明する。図8は、図4に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機20の動作検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、台間カード処理機10のモード設定部10f4が、店員による所定の操作、店員が所持するリモートコントローラからのモード設定指示、若しくは上位装置からのモード設定指示に基づいて、自装置の動作モードをテストモードに設定すると(ステップS101;Yes)、テスト用持玉供給部10g1は、封入式遊技機20に対してテスト用持玉を送信する(ステップS102)。
封入式遊技機20の持玉管理部26bは、台間カード処理機10より受信したテスト用持玉の数を持玉数として記憶部25に記憶させる(ステップS201)。ステップS201の終了後、封入式遊技機20の発射ユニット27は、発射信号を受け付けたかを判定し(ステップS202)、発射信号を受け付けたならば(ステップS202;Yes)、遊技球を発射する。この遊技球の発射により、持玉数は1減算される(ステップS203)。遊技球の発射後、封入式遊技機20は、打込玉数を台間カード処理機10に送信する。また、賞出玉が発生しているのならば、打込玉数とともに賞出玉数を台間カード処理機10に送信する(ステップS204)。
台間カード処理機10のテスト結果処理部10g3は、封入式遊技機20より打込玉数及び賞出玉数を受信すると、テスト結果データ10e4を更新する(ステップS103)。また、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4を出力する(ステップS104)。具体的には、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4を表示操作部13に表示制御するとともに、管理装置40に送信する。
テスト結果処理部10g3は、リセットボタンの操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS105)、リセットボタンの操作を受け付けていなければ(ステップS105;No)、ステップS103に移行する。
リセットボタンの操作を受け付けたならば(ステップS105;Yes)、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4をリセットし(ステップS106)、封入式遊技機20に持玉クリア指示を送信して(ステップS107)、処理を終了する。
封入式遊技機20は、ステップS204の終了後、若しくは発射信号を受け付けていない場合(ステップS202;No)、台間カード処理機10より持玉クリア指示を受信したか否かを判定する(ステップS205)。
持玉クリア指示を受信していなければ(ステップS205;No)、封入式遊技機20はステップS202に移行し、持玉クリア指示を受信したならば(ステップS205;Yes)、封入式遊技機20は持玉データ23bが示す持玉数をクリアして(ステップS206)、処理を終了する。
なお、図8では説明を省略したが、封入式遊技機20の持玉数が「0」となった場合には、処理を停止するように構成してもよいし、台間カード処理機10より追加でテスト用持玉を供給するように構成してもよい。
上述してきたように、本実施例1では、台間カード処理機10がテストモードに設定された場合には、他の遊技機での遊技や景品交換に使用できないテスト用持玉を用いて封入式遊技機20の動作検査を行うことにより、封入式遊技機の動作検査に伴う不正を効率良く防止することができる。また、封入式遊技機の出玉率が所定の範囲に収まるか否かにより、封入式遊技機20が正常に動作しているか否かを判定することができる。
また、発射信号を生成して封入式遊技機20に送信することで、遊技球を自動的に発射させることができるので、動作検査に要する操作負担を軽減することができる。さらに、管理装置40から台間カード処理機10に対して設定モードへの移行指示を送信し、台間カード処理機10が発射信号を生成して、テスト結果データ10e4を管理装置40に送信する構成としたならば、店員は台間カード処理機10を操作する必要がなくなり、管理装置40の操作により遊技店内の全ての封入式遊技機の検査を一括して制御することができる。
上述した実施例1では、封入式遊技機側で持玉データを管理する構成での動作検査について説明を行ったが、台間カード処理機側で持玉データを管理する構成であっても本発明は適用可能である。本実施例2では、台間カード処理機側で持玉データを管理する構成で本発明を実施する場合について説明する。
まず、本実施例2に係る遊技システムの動作検査の概念について説明する。図9は、本実施例2に係る遊技システムの動作検査の概念を説明するための説明図である。本実施例2に係る遊技システムでは、遊技球が封入された封入式遊技機120に台間カード処理機110を併設している。
台間カード処理機110は、持玉データを自装置で管理し、持玉データが示す持玉数が「0」よりも大きい場合に封入式遊技機120に発射許可を送信する。この台間カード処理機10は、実施例1に示した台間カード処理機10と同様に、通常モードとテストモードの2つの動作モードを有する。
台間カード処理機110は、店員による所定の操作、店員が所持するリモートコントローラからのモード設定指示、若しくは上位装置からのモード設定指示に基づいて、自装置をテストモードに設定する(1)。
テストモードに設定された台間カード処理機110は、テスト用持玉データを生成し(2)、封入式遊技機120に対して発射許可を送信する(3)。封入式遊技機120は、台間カード処理機110より発射許可を受信し、且つ発射信号を受け付けた場合に遊技球を発射し(4)、遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)を台間カード処理機110に送信する(5)。台間カード処理機110は、封入式遊技機120より受信した遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)をテスト結果データとして記憶する(6)。
このように、台間カード処理機110が持玉データを管理する構成であっても、実施例1と同様に、テスト用持玉を用いて封入式遊技機120の動作検査を行うことができる。また、テストモードでは持玉数をカードに関連付ける処理を制限する点並びに封入式遊技機120が通常モードと同一の動作を行う点についても実施例1と同様である。
遊技システムのシステム構成、台間カード処理機110の外観構成、並びに封入式遊技機120の外観構成については、実施例1と同様であるので説明を省略し、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の内部構成について説明する。図10は、図9に示した台間カード処理機110及び封入式遊技機120の内部構成を示すブロック図である。
図10に示す台間カード処理機110は、記憶部10eにテスト用持玉データ10e5をさらに記憶し、検査処理部10f5にテスト用持玉供給部10g1に代えてテスト用持玉管理部10g5を有する点が台間カード処理機10と異なる。また、封入式遊技機120は、記憶部25及び持玉管理部26bを有さない点が封入式遊技機20と異なる。また、封入式遊技機120の前面に設けた持玉数表示部16は、封入式遊技機120の制御部26ではなく、台間カード処理機110の制御部10fに直結している。その他の構成及び動作については実施例1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
台間カード処理機110のテスト用持玉管理部10g5は、モード設定部10f4により動作モードがテストモードに設定された場合に、テスト用持玉を生成し、テスト用持玉データ10e5として記憶部10eに記憶させる。また、テスト用持玉管理部10g5は、テスト用持玉データ10e5が示す持玉数が「0」より大きい場合に、封入式遊技機120に発射許可を送信する。封入式遊技機120は、台間カード処理機10より発射許可を受信し、且つ発射信号を受け付けた場合に遊技球を発射して台間カード処理機110に打込玉数を送信する。また、発射した遊技球が入賞し、賞出玉が発生したならば、賞出玉数を台間カード処理機10に送信する。
テスト用持玉管理部10g5は、封入式遊技機120より打込玉数を受信した場合には、該打込玉数をテスト用持玉データ10e5が示す持玉数から減算し、封入式遊技機120より賞出玉数を受信した場合には、該賞出玉数をテスト用持玉データ10e5が示す持玉数に加算する。なお、テスト結果処理部10g3は、実施例1と同様に、テスト結果データ10e4の更新並びに及び出力を行う。
次に、図10に示した台間カード処理機110の動作検査処理の処理手順について説明する。図11は、図10に示した台間カード処理機110の動作検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、台間カード処理機10のモード設定部10f4が、店員による所定の操作、店員が所持するリモートコントローラからのモード設定指示、若しくは上位装置からのモード設定指示に基づいて、自装置の動作モードをテストモードに設定すると(ステップS301;Yes)、テスト用持玉管理部10g5は、テスト用持玉データ10e5を生成し、記憶部10eに記憶させる(ステップS302)。
テスト用持玉管理部10g5は、テスト用持玉データ10e5が0より大きいことを条件に、封入式遊技機120に発射許可を送信する(ステップS303)。封入式遊技機120の発射ユニット27は、発射信号を受け付けた場合に遊技球を発射し、打込玉数を台間カード処理機110に送信する。また、賞出玉が発生したならば、封入式遊技機120は賞出玉数を台間カード処理機110に送信する。
封入式遊技機120より打込玉数を受信したならば(ステップS304;Yes)、テスト用持玉管理部10g5は、受信した打込玉数をテスト用持玉データ10e5から減算してテスト用持玉データ10e5を更新し、テスト結果処理部10g3は、受信した打込玉数をテスト結果データ10e4の打込玉数に加算してテスト結果データ10e4を更新する(ステップS305)。
ステップS305の終了後、若しくは打込玉数を受信していない場合(ステップS304;No)、台間カード処理機110は、封入式遊技機120より賞出玉数を受信したか否かを判定する(ステップS306)。
封入式遊技機120より賞出玉数を受信したならば(ステップS306;Yes)、テスト用持玉管理部10g5は、受信した賞出玉数をテスト用持玉データ10e5に加算してテスト用持玉データ10e5を更新し、テスト結果処理部10g3は、受信した賞出玉数をテスト結果データ10e4の賞出玉数に加算してテスト結果データ10e4を更新する(ステップS307)。
ステップS307の終了後、若しくは賞出玉数を受信していない場合(ステップS306;No)、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データを出力して(ステップS308)、リセットボタンの操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS309)、リセットボタンの操作を受け付けていなければ(ステップS309;No)、ステップS303に移行する。
リセットボタンの操作を受け付けたならば(ステップS309;Yes)、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4をリセットし(ステップS310)、テスト用持玉データ1e5をクリアして(ステップS311)、処理を終了する。
なお、図10では説明を省略したが、テスト用持玉データ10e5が「0」となった場合には、処理を停止するように構成してもよいし、追加でテスト用持玉を供給するように構成してもよい。
上述してきたように、本実施例2では、台間カード処理機110がテストモードに設定された場合には、テスト用持玉を自装置内で管理して封入式遊技機120の動作検査を行うことにより、封入式遊技機の動作検査に伴う不正を効率良く防止することができる。また、封入式遊技機の出玉率が所定の範囲に収まるか否かにより、封入式遊技機120が正常に動作しているか否かを判定することができる。
また、発射信号を生成して封入式遊技機120に送信することで、遊技球を自動的に発射させることができるので、動作検査に要する操作負担を軽減することができる。さらに、管理装置40から台間カード処理機110に対して設定モードへの移行指示を送信し、台間カード処理機110が発射信号を生成して、テスト結果データ10e4を管理装置40に送信する構成としたならば、店員は台間カード処理機110を操作する必要がなくなり、管理装置40の操作により遊技店内の全ての封入式遊技機の検査を一括して制御することができる。
本実施例3では、封入式遊技機がテスト用持玉データを生成して管理する構成について説明する。まず、本実施例3に係る遊技システムの動作検査の概念について説明する。図12は、本実施例3に係る遊技システムの動作検査の概念を説明するための説明図である。本実施例3に係る遊技システムでは、遊技球が封入された封入式遊技機220に台間カード処理機210を併設している。
封入式遊技機220は、通常モードとテストモードの2つの動作モードを有する。封入式遊技機220の動作モードは、台間カード処理機210からのモード設定指示により設定される(1)。
テストモードに設定された封入式遊技機220は、テスト用持玉データを生成する(2)。封入式遊技機220は、テスト用持玉データが「0」より大きい状態で発射信号を受け付けた場合に遊技球を発射し(3)、遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)によりテスト用持玉データを更新する。また、封入式遊技機220は、遊技の結果を台間カード処理機210に送信する(4)。台間カード処理機210は、封入式遊技機220より受信した遊技の結果(打込玉数及び賞出玉数)をテスト結果データとして記憶する。
このように、封入式遊技機220がテストモードに設定された場合にテスト用持玉データを管理する構成であっても、実施例1及び2と同様に、テスト用持玉を用いて封入式遊技機220の動作検査を行うことができる。また、テストモードでは持玉数をカードに関連付ける処理を制限する点についても実施例1及び2と同様である。
遊技システムのシステム構成、台間カード処理機210の外観構成、並びに封入式遊技機220の外観構成については、実施例1と同様であるので説明を省略し、台間カード処理機210及び封入式遊技機220の内部構成について説明する。図13は、図12に示した台間カード処理機210及び封入式遊技機220の内部構成を示すブロック図である。
図13に示す台間カード処理機210は、モード設定部10f4の動作が実施例1に示した台間カード処理機10と異なる。また、検査処理部10f5にテスト用持玉供給部10g1を有さない点が台間カード処理機10と異なる。また、封入式遊技機220は、記憶部25に持玉データ23bとは別にテスト用持玉データ23cを記憶する点、制御部26にモード設定部26c及びテスト用持玉管理部26dをさらに有する点が封入式遊技機20と異なる。その他の構成及び動作については実施例1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
台間カード処理機210のモード設定部10f4は、台間カード処理機210がテストモードとなった場合に、封入式遊技機220に対してテストモードの通知を行う。また、台間カード処理機210が通常モードとなった場合に、封入式遊技機220に対して通常モードの通知を行う。
封入式遊技機220のモード設定部26cは、台間カード処理機10よりテストモードの通知を受けた場合には、自装置をテストモードに設定し、台間カード処理機10より通常モードの通知を受けた場合には、自装置を通常モードに設定する。テスト用持玉管理部26dは、モード設定部26cにより動作モードがテストモードに設定された場合に、テスト用持玉を生成し、テスト用持玉データ23cとして記憶部25に記憶させる。また、テスト用持玉管理部26dは、テスト用持玉データ23cが示す持玉数が「0」より大きい場合に、発射ユニット27に発射許可を出力する。発射ユニット27は、発射許可が出力され、且つ発射信号を受け付けた場合に遊技球を発射する。テスト用持玉管理部26dは、発射した玉数をテスト用持玉データ23cから減算するとともに、発射した玉数を打込玉数として台間カード処理機210に送信する。また、発射した遊技球が入賞し、賞出玉が発生したならば、賞出玉数をテスト用持玉データ23cに加算するとともに、賞出玉数を台間カード処理機10に送信する。
次に、図13に示した台間カード処理機210及び封入式遊技機220の動作検査処理の処理手順について説明する。図14は、図13に示した台間カード処理機210及び封入式遊技機220の動作検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、台間カード処理機10のモード設定部10f4が、店員による所定の操作、店員が所持するリモートコントローラからのモード設定指示、若しくは上位装置からのモード設定指示に基づいて、自装置の動作モードをテストモードに設定すると(ステップS401;Yes)、モード設定部10f4は、封入式遊技機220に対してテストモードの通知を行う(ステップS402)。
封入式遊技機220のモード設定部26cは、台間カード処理機210よりテストモードの通知を受けて、自装置をテストモードにする。テスト用持玉管理部26dは、自装置がテストモードとなったならば、テスト用持玉数を生成し、テスト用持玉データ23cとして記憶部25に記憶させる(ステップS501)。ステップS501の終了後、封入式遊技機220の発射ユニット27は、発射信号を受け付けたかを判定し(ステップS502)、発射信号を受け付けたならば(ステップS502;Yes)、遊技球を発射する。この遊技球の発射により、テスト用持玉数は1減算される(ステップS503)。遊技球の発射後、封入式遊技機220は、打込玉数を台間カード処理機210に送信する。また、賞出玉が発生しているのならば、打込玉数とともに賞出玉数を台間カード処理機210に送信する(ステップS504)。
台間カード処理機210のテスト結果処理部10g3は、封入式遊技機20より打込玉数及び賞出玉数を受信すると、テスト結果データ10e4を更新する(ステップS403)。また、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4を出力する(ステップ404)。具体的には、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4を表示操作部13に表示制御するとともに、管理装置40に送信する。
テスト結果処理部10g3は、リセットボタンの操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS405)、リセットボタンの操作を受け付けていなければ(ステップS405;No)、ステップS403に移行する。
リセットボタンの操作を受け付けたならば(ステップS405;Yes)、テスト結果処理部10g3は、テスト結果データ10e4をリセットし(ステップS406)、封入式遊技機220に持玉クリア指示を送信して(ステップS407)、処理を終了する。
封入式遊技機220は、ステップS504の終了後、若しくは発射信号を受け付けていない場合(ステップS502;No)、台間カード処理機210より持玉クリア指示を受信したか否かを判定する(ステップS505)。
持玉クリア指示を受信していなければ(ステップS505;No)、封入式遊技機220はステップS502に移行し、持玉クリア指示を受信したならば(ステップS505;Yes)、封入式遊技機220はテスト用持玉データ23cが示す持玉数をクリアして(ステップS506)、処理を終了する。
なお、図14では説明を省略したが、封入式遊技機220のテスト用持玉数が「0」となった場合には、処理を停止するように構成してもよいし、テスト用持玉を追加するように構成してもよい。
上述してきたように、本実施例3では、封入式遊技機220がテストモードに設定された場合には、テスト用持玉を自装置内で管理して動作検査を行うことにより、動作検査に伴う不正を効率良く防止することができる。また、封入式遊技機の出玉率が所定の範囲に収まるか否かにより、封入式遊技機220が正常に動作しているか否かを判定することができる。
また、発射信号を外部から受信して遊技球を自動的に発射させることができるので、動作検査に要する操作負担を軽減することができる。なお、本実施例3では台間カード処理機210よりモードの通知並びに発射信号を受信する構成を例示して説明を行ったが、管理装置40等の上位装置からモードの通知並びに発射信号を受信する構成としてもよい。かかる構成では、台間カード処理機210には、テストモードに移行する機能が不要となる。
なお、上述の実施例では、遊技球を用いる弾球遊技機を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、回胴式遊技機であっても適用することができる。回胴式遊技機の場合には、遊技媒体を介さず、遊技媒体数に対応する遊技用データに基づいて回胴式遊技を行い、賞に対応する値を遊技用データに加算して更新するように構成することもできる。
また、本実施例では、カードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、リーダライタに当該携帯端末を翳すことにより、ICチップとリーダライタとの非接触通信により当該携帯端末と関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を取得することができる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上述の実施例1、2及び3では、封入式遊技機に台間カード処理機を併設した構成を例示して説明を行ったが、台間カード処理機の機能の一部又は全てを封入式遊技機に持たせた構成で実施してもよい。
例えば、上述の実施例1、2及び3では、管理装置40が、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する機能、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する機能、並びに封入式遊技機20の動作検査を管理する機能を有する構成を示したが、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理するカード管理装置を別途設けてもよいし、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する会員管理装置を別途設けてもよい。