JP2013145308A - 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法 - Google Patents

絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013145308A
JP2013145308A JP2012005569A JP2012005569A JP2013145308A JP 2013145308 A JP2013145308 A JP 2013145308A JP 2012005569 A JP2012005569 A JP 2012005569A JP 2012005569 A JP2012005569 A JP 2012005569A JP 2013145308 A JP2013145308 A JP 2013145308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silicon wafer
carbon atoms
mass
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012005569A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5948538B2 (ja
Inventor
Toshiaki Okuda
敏章 奥田
Takahiro Sasaki
隆弘 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Priority to JP2012005569A priority Critical patent/JP5948538B2/ja
Publication of JP2013145308A publication Critical patent/JP2013145308A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5948538B2 publication Critical patent/JP5948538B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】反り量が小さく、かつバックグラインド工程において絶縁膜にクラックが発生しない、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法の提供。
【解決手段】(i)下記一般式(1):
Figure 2013145308

{式中、a、b、R1及びXは明細書で定義された通りである。}で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂100質量部;感光剤0.1〜100質量部;架橋剤1〜50質量部;及び溶剤10〜1000質量部を含む感光性樹脂組成物を大型シリコンウエハに塗布し、(ii)シリコンウエハを加熱して溶剤を揮発させ、(iii)シリコンウエハを露光し、(iv)アルカリ現像液により現像し、(v)100〜400℃の温度で加熱することにより塗膜を硬化し、そして(vi)シリコンウエハの厚さが20〜600μmになるまでバックグラインドすることを含む、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁性の膜を有するシリコンウエハの製造方法および該方法により得られるシリコンウエハに関する。
従来、電子機器の半導体素子に用いられる層間絶縁膜などの素材としては、耐熱性、機械的特性などに優れているポリイミド系樹脂又はポリベンゾオキサゾール系樹脂が広く使用されている。また、生産性の向上、膜形成精度の向上などのために、感光性を付与した感光性ポリイミド又は感光性ポリベンゾオキサゾール系樹脂の使用が種々検討されている。
また近年では、生産性の向上の観点から、シリコンウエハの大型化が求められているが、大型であるシリコンウエハ上へ絶縁膜を形成する場合には、絶縁膜の硬化時の収縮・該絶縁膜とシリコンウエハの線膨張係数の差による残留応力の発生およびそれに伴うシリコンウエハの反りが大きな問題となり、残留応力、反り量低減の改善が求められていた。
このような状況において、硬化物の残留応力の発生を改善し得る様々な感光性樹脂組成物が提案されており、たとえば特許文献1には、膜中残留応力が15MPa/μm以下である感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、芳香族ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物において、前記芳香族ポリイミド前駆体の膜厚10μmの層における、波長365nmの光の透過率が1%以上であり、かつ、シリコンウエハ上に前記樹脂組成物からイミド化閉環反応によって析出した膜厚10μmのポリイミド膜の残留応力が、25MPa以下である感光性樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、膜厚20μmにおいて、i線(波長が365nm)透過率が20%以上であって、かつこれを硬化して得られるポリイミド膜の残留応力が30MPa以下であることを特徴とする感光性樹脂組成物が開示されている。
これに対し、フェノール性水酸基を有する樹脂を含むことを特徴とする絶縁膜を有する大型シリコンウエハが開示されている(特許文献4)。これらの系はウエハの直径が8インチ以上の場合に、ウエハ残留応力が小さく(30MPa以下)、反り量も小さいこと(300μm以下)が開示されている。
特許4368472号公報 特許3475924号公報 特許4207420号公報 特許4765951号公報
特許文献1〜3は、残留応力の減少が実証されているのは、5インチ程度の小型のシリコンウエハに限られていた。文献4では、8インチ以上の大型ウエハにおいて、残留応力及び、反り量が小さいことが開示されているものの、ウエハ厚さが712μmのみの場合であった。
近年の半導体装置の軽薄化に対応するために、より薄いシリコンウエハを用いる様になってきている。シリコンウエハを薄くする方法としては、シリコンウエハ裏面を研削(バックグラインド)して、シリコンウエハ厚さを薄くする加工がなされている。このウエハバックグラインド工程では、初めに絶縁膜を有するシリコンウエハ表面にバックグラインドテープを貼り、シリコンウエハ厚さが20〜600um程度になるまでシリコンウエハの裏面を研削し、バックグラインドテープにUV光を照射して、バックグラインドテープを剥がす。このシリコンウエハの薄化に伴い、シリコンウエハの反り量の問題がより顕著になるという課題と、シリコンウエハ上に形成した絶縁膜の強靱性が低いと、このウエハバックグラインド工程中に絶縁膜にクラックが発生するか、又は絶縁膜が剥がれるという課題があった。
従って、本発明は、大型でかつ薄型であるシリコンウエハ上に絶縁膜を形成する場合に、絶縁膜が形成されたシリコンウエハの反り量が小さく、ウエハバックグラインド工程において絶縁膜にクラックが発生しないシリコンウエハの製造方法、ならびに該方法で得られるシリコンウエハを提供することを課題としている。
本発明は下記の通りである。
[1] (i)以下の成分:
(A)下記一般式(1):
Figure 2013145308
{式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表し、bが2〜3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、Xは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(8):
Figure 2013145308
(式(8)中、pは、1〜10の整数であり、そしてqは、1〜20の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び芳香族基を有する2価の有機基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}
で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂:100質量部;
(B)感光剤:0.1質量部〜100質量部;
(C)架橋剤:1質量部〜50質量部;及び
(D)溶剤:10質量部〜1000質量部;
を含む感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であり、かつ厚さが200μm〜800μmであるシリコンウエハに塗布する工程、
(ii)該感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程、
(iii)該塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程、
(iv)該塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程、
(v)該塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより該塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程、並びに
(vi)該絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程、
を含む、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法。
[2] 前記一般式(1)において、aは、2又は3の整数であり、そしてbは、0〜2の整数である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記一般式(1)において、R1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基、及び下記一般式(2):
Figure 2013145308
{式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表し、そしてRは、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、又は炭素数6〜20の2価の芳香族基を表す。}
で表される基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(3)又は(4):
Figure 2013145308
{式(3)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基を表す。}
Figure 2013145308
{式(4)中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基を表し、そしてZは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(8):
Figure 2013145308
(式(8)中、pは、1〜10の整数であり、そしてqは、1〜20の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
Figure 2013145308
で表される2価の基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基である。}
で表される2価の有機基である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の製造方法。
[5] 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(6):
Figure 2013145308
で表される2価の有機基である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の製造方法。
[6] 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(7):
Figure 2013145308
で表される2価の有機基である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の製造方法。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の製造方法により得られる、絶縁膜を有するシリコンウエハ。
本発明によれば、大型でかつ薄型であるシリコンウエハ上に絶縁膜を形成する場合に、絶縁膜が形成されたシリコンウエハの反り量が小さく、ウエハバックグラインド工程において絶縁膜にクラックが生じないシリコンウエハの製造方法、並びに該方法で得られるシリコンウエハを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態では、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法は、(A)下記一般式(1)で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂:100質量部、(B)感光剤:0.1質量部〜100質量部、(C)架橋剤:1質量部〜50質量部、及び(D)溶剤:10質量部〜1000質量部を含む感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であるシリコンウエハに塗布する工程(i)を含む。
Figure 2013145308
{式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表し、bが2〜3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、Xは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(8):
Figure 2013145308
(式(8)中、pは、1〜10の整数であり、そしてqは、1〜20の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び芳香族基を有する2価の有機基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}
以下、(A)〜(D)の各成分を順に説明する。
(A)フェノール樹脂
本実施形態では、フェノール樹脂(A)は、前記一般式(1)で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有する。
本実施形態では、水酸基当量とは、下記式から求めることができる値をいう。
水酸基当量(g/eq)=樹脂の単位構造あたりの分子量/樹脂の単位構造あたりの水酸基の個数
本実施形態では、フェノール樹脂(A)に含まれる繰り返し単位あたりの水酸基当量は、250g/eq以下であれば限定されないが、シリコンウエハの反り量、アルカリ可溶性等の観点から、25g/eq以上200g/eq以下であることが好ましく、25g/eq以上175g/eq以下であることがより好ましい。
本実施形態では、フェノール樹脂(A)は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。前記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表す。より詳細には、R1は、アルカリ溶解性の観点から、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基、及び下記一般式(2)で表される基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基であることが好ましい。
Figure 2013145308
{式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表し、そしてRは、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、又は炭素数6〜20の2価の芳香族基を表す。}
本実施形態では、前記一般式(1)において、aは、1〜3の整数であれば限定されないが、アルカリ溶解性、シリコンウエハの反り量及び伸度の観点から2又は3の整数であることが好ましい。また、aが2である場合には、水酸基同士の置換位置は、オルト、メタ及びパラ位のいずれであってもよく、そしてaが3である場合には、水酸基同士の置換位置は、1,2,3−位、1,2,4−位及び1,3,5−位のいずれであってもよい。
本実施形態では、前記一般式(1)において、bは、0〜3の整数であれば限定されないが、アルカリ溶解性、シリコンウエハの反り量及び伸度の観点から、0〜2の整数であることが好ましい。また、bが2〜3の整数である場合には、複数のR1は、同一であるか、又は異なっていてよい。
さらに、本実施形態では、前記一般式(1)において、a及びbは、1≦(a+b)≦4の関係を満たす。
本実施形態では、前記一般式(1)において、Xは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、前記一般式(8)で表されるアルキレンオキシド基、及び芳香族基を有する2価の有機基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基でよい。これらの2価の有機基の中で、硬化後の膜の強靭性の観点から、Xは、下記一般式(3)又は(4)で表される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2013145308
{式(3)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基を表す。}
Figure 2013145308
{式(4)中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基を表し、そしてZは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(8):
Figure 2013145308
(式(8)中、pは、1〜10の整数であり、そしてqは、1〜20の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
Figure 2013145308
で表される2価の基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基である。}
本実施形態では、前記一般式(1)において、Xは、前記一般式(4)で表される2価の有機基であることが好ましく、そして前記一般式(4)で表される2価の有機基は、絶縁膜の伸度の観点から、下記一般式(6)で表される2価の有機基であることがより好ましく、さらに下記一般式(7)で表される2価の有機基であることが特に好ましい。
Figure 2013145308
Figure 2013145308
本実施形態では、フェノール樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは700〜100,000であり、より好ましくは1,500〜80,000であり、更に好ましくは2,000〜50,000である。重量平均分子量は、伸度の観点から、700以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性の観点から、100,000以下であることが好ましい。
重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により行い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により算出することができる。
フェノール樹脂(A)は、下記に示すようなフェノール及び/又はフェノール誘導体(以下、「フェノール化合物」ともいう。)に対し、アルデヒド化合物、ケトン化合物、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ジエン化合物、又はハロアルキル化合物などの共重合成分を重合させて得ることができる。反応制御、並びに得られたフェノール樹脂及びフェノール樹脂組成物の安定性の観点から、フェノール化合物と上記共重合成分との仕込みモル比は、5:1〜1.01:1であることが好ましく、2.5:1〜1.1:1であることがより好ましい。
本実施形態では、フェノール樹脂(A)を得るために使用できるフェノール化合物としては、例えば、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ヒドロキシビフェニル、ベンジルフェノール、ニトロベンジルフェノール、シアノベンジルフェノール、アダマンタンフェノール、キシレノール、ニトロフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、トリフルオロメチルフェノール、N−(ヒドロキシフェニル)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシフェニル)−5−メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、トリフルオロメチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸エチル、ヒドロキシ安息香酸ベンジル、ヒドロキシベンズアミド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾニトリル、カテコール、メチルカテコール、エチルカテコール、ヘキシルカテコール、ベンジルカテコール、ニトロベンジルカテコール、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、エチルレゾルシノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンジルレゾルシノール、ニトロベンジルレゾルシノール、ハイドロキノン、カフェイン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸メチル、ジヒドロキシ安息香酸エチル、ジヒドロキシ安息香酸ベンジル、ジヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾニトリル、N−(ジヒドロキシフェニル)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシフェニル)−5−メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、ニトロカテコール、フルオロカテコール、クロロカテコール、ブロモカテコール、トリフルオロメチルカテコール、ニトロレゾルシノール、フルオロレゾルシノール、クロロレゾルシノール、ブロモレゾルシノール、トリフルオロメチルレゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ安息香酸メチル、トリヒドロキシ安息香酸エチル、トリヒドロキシ安息香酸ベンジル、トリヒドロキシベンズアミド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾニトリル等が挙げられる。
上記アルデヒド化合物としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、トリオキサン、グリオキザール、シクロヘキシルアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ナフトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。
上記ケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジシクロヘキシルケトン、ジベンジルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ビシクロヘキサノン、シクロヘキサンジオン、3−ブチン−2−オン、2−ノルボルナノン、アダマンタノン、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
上記メチロール化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、リビトール、アラビトール、アリトール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2−ベンジルオキシ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、モノアセチン、2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、ペンタエリスリトール、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3,6−ビス(ヒドロキシメチル)デュレン、2−ニトロ−p−キシリレングリコール、1,10−ジヒドロキシデカン、1,12−ジヒドロキシドデカン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキセン、1,6−ビス(ヒドロキシメチル)アダマンタン、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジメトキシベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、4−ヒドロキシメチル安息香酸−4’−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシメチル安息香酸−4’−ヒドロキシメチルアニリド、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)フェニルウレア、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)フェニルウレタン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチルフェニル)プロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上記アルコキシメチル化合物としては、例えば、1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、2,2−ビス(メトキシメチル)酪酸、2,2−ビス(メトキシメチル)―5−ノルボルネン、2,3−ビス(メトキシメチル)―5−ノルボルネン、1,4−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メトキシメチル)シクロヘキセン、1,6−ビス(メトキシメチル)アダマンタン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、2,6−ビス(メトキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(メトキシメチル)−1,4−ジメトキシベンゼン、2,3−ビス(メトキシメチル)ナフタレン、2,6−ビス(メトキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(メトキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゾフェノン、4−メトキシメチル安息香酸−4’−メトキシメチルフェニル、4−メトキシメチル安息香酸−4’−メトキシメチルアニリド、4,4’−ビス(メトキシメチル)フェニルウレア、4,4’−ビス(メトキシメチル)フェニルウレタン、1,8−ビス(メトキシメチル)アントラセン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−メトキシメチルフェニル)プロパン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
上記ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、3−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ブタンジオール−ジメタクリラート、2,4−ヘキサジエン−1−オール、メチルシクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、1−ヒドロキシジシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジアリルエーテル、ジアリルスルフィド、アジピン酸ジアリル、2,5−ノルボルナジエン、テトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸ジアリルプロピル等が挙げられる。
上記ハロアルキル化合物としては、例えば、キシレンジクロライド、ビスクロロメチルジメトキシベンゼン、ビスクロロメチルデュレン、ビスクロロメチルビフェニル、ビスクロロメチル−ビフェニルカルボン酸、ビスクロロメチル−ビフェニルジカルボン酸、ビスクロロメチル−メチルビフェニル、ビスクロロメチル−ジメチルビフェニル、ビスクロロメチルアントラセン、エチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル等が挙げられる。
上述のフェノール化合物と共重合成分を、脱水若しくは脱アルコールさせるか、又は不飽和結合を開裂させながら重合させることにより、フェノール樹脂(A)を得ることができるが、重合時に触媒を用いてもよい。酸性の触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、酢酸、シュウ酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、酢酸亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、三フッ化ホウ素・エーテル錯体等が挙げられる。一方で、アルカリ性の触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
本実施形態では、フェノール樹脂(A)を得るために使用される触媒の量は、アルデヒド化合物、ケトン化合物、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ジエン化合物又はハロアルキル化合物のモル数に対して、0.01モル%〜100モル%の範囲であることが好ましい。
フェノール樹脂(A)の合成反応を行う際には、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤の具体例としては、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、トルエン、キシレン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの有機溶剤の使用量としては、仕込み原料の総質量を100質量部としたときに、通常10質量部〜1000質量部であり、好ましくは20質量部〜500質量部である。また、フェノール樹脂(A)の合成反応において、反応温度は、通常40℃〜250℃であることが好ましく、100℃〜200℃の範囲であることがより好ましく、そして反応時間は、概ね1時間〜10時間であることが好ましい。
フェノール樹脂(A)は、複数の成分の共重合体であってもよい。この場合、共重合成分として、フェノール及び/又はフェノール誘導体に加え、フェノール性水酸基を有さない化合物を用いてもよい。ここで、フェノール性水酸基を有さない化合物は、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で含有されることができ、そして含有量は50質量部以下であることが好ましい。
(B)感光剤
本実施形態では、感光性樹脂組成物中に含有させる感光剤(B)の種類を選択することにより、感光性樹脂組成物をポジ型(照射部が現像により溶出)にすることもできるし、ネガ型(未照射部が現像により溶出)とすることもできる。感光性樹脂組成物をポジ型にする場合は、感光剤として光酸発生剤を選ぶことができる。光酸発生剤としては、例えば、キノンジアジド構造を有する化合物(以下、「NQD化合物」ともいう。)、オニウム塩、ハロゲン含有化合物等を用いることができるが、溶剤溶解性及び保存安定性の観点から、NQD化合物が好ましい。
上記オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられ、特に、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、及びトリアルキルスルホニウム塩から成る群から選ばれるオニウム塩が好ましい。
上記ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物等が挙げられ、高感度化の観点からトリクロロメチルトリアジンが好ましい。
上記キノンジアジド構造を有する化合物としては、1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物(以下NQD化合物とも言う)が挙げられ、これらは、例えば、米国特許第2,772,972号明細書、米国特許第2,797,213号明細書、及び米国特許第3,669,658号明細書等に記述されている。1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物は、以下に詳述する特定構造を有するポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルから成る群から選択される少なくとも1種のNQD化合物である。
上記NQD化合物は、常法に従って、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物を、クロルスルホン酸又は塩化チオニル等でスルホニルクロライドとし、得られたナフトキノンジアジドスルホニルクロライドと、ポリヒドロキシ化合物とを縮合反応させることにより得られる。例えば、ポリヒドロキシ化合物と、所定量の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド又は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライドとを、ジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン等の溶剤中において、トリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下で反応させてエステル化を行い、得られた生成物を水洗、乾燥することによりNQD化合物を得ることができる。
好ましいNQD化合物としては、例えば、下記一般式群(9)で表されるものが挙げられる。
Figure 2013145308
{式中、Qは、水素原子、又は下記式群(10):
Figure 2013145308
のいずれかで表されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基であるが、全てのQが同時に水素原子であることはない。}
また、本実施形態では、NQD化合物として、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基及び5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を含有するナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を用いることもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物とを混合して使用することもできる。
本実施形態では、感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、フェノール樹脂(A)100質量部に対する感光剤(B)の配合量は、0.1質量部〜100質量部であることが好ましく、5質量部〜30質量部であることがより好ましい。感光剤(B)の上記配合量が、1質量部以上である場合には、パターニング性が良好であり、一方で、50質量部以下である場合には、硬化後の膜の引張り伸び率が良好であり、かつ露光部の現像残さ(スカム)が少ない。
なお、本実施形態では、感光性樹脂組成物がネガ型である場合には、感光剤(B)として、活性光線の照射により酸を発生する化合物を用い、これを後述する架橋剤(D)と組み合わせることによりネガ型として利用できる。活性光線の照射により酸を発生する化合物としては、例えば、ア)トリクロロメチル−s−トリアジン類、イ)ジアリールヨードニウム類、ウ)トリアリールスルホニウム類、エ)ジアゾケトン化合物、オ)スルホン化合物、カ)スルホン酸化合物、キ)スルホンイミド化合物、ク)オキシムエステル化合物、ケ)ジアゾメタン化合物などが挙げられる。
ア)トリクロロメチル−s−トリアジン類
ア)トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、例えば、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)ビス(4,6−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
イ)ジアリールヨードニウム類
イ)ジアリールヨードニウム類としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
ウ)トリアリールスルホニウム類
ウ)トリアリールスルホニウム類としては、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
これらの化合物の内、トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等を、ジアリールヨードニウム類としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、及び4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート等を、トリアリールスルホニウム類としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、及び4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート等を好適なものとして挙げることができる。
エ)ジアゾケトン化合物
エ)ジアゾケトン化合物として、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができ、具体例としてはフェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
オ)スルホン化合物
オ)スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができ、具体例として、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
カ)スルホン酸化合物
カ)スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等を挙げることができる。カ)スルホン酸化合物の好ましい具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
キ)スルホンイミド化合物
キ)スルホンイミド化合物の具体例としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等を挙げることができる。
ク)オキシムエステル化合物
ク)オキシムエステル化合物としては、例えば、2−[2−(4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ)]−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG121」)、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(例えばチバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG103」)、[2−(n−オクタンスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(例えばチバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG108」)、α−(n−オクタンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド(例えばチバスペシャルティケミカルズ社商品名「CGI725」)等を挙げることができる。
ケ)ジアゾメタン化合物
ケ)ジアゾメタン化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
これらの中で、感度の観点から、オキシムエステル化合物、ジアリールヨードニウム類、トリアリールスルホニウム類、スルホン化合物が好ましく、感度の観点から、オキシムエステル化合物が特に好ましい。
本発明のフェノール樹脂組成物がネガ型である場合には、フェノール樹脂(A)100質量部に対する感光剤(B)の配合量は、0.1質量部〜100質量部であることが好ましく、1〜40質量部であることがより好ましい。該配合量は、0.1質量部以上であれば感度の向上効果を良好に得ることができ、一方で、該配合量が100質量部以下であれば絶縁膜の機械物性が良好であるため好ましい。
(C)架橋剤
本実施形態では、架橋剤(C)とは、前述の感光剤(B)が光照射により酸を発生する化合物である場合には、発生した酸、又は熱の作用によりフェノール樹脂(A)と反応し得る化合物である。
架橋剤(C)により、塗膜を加熱硬化する際に、機械物性、耐熱性、耐薬品性などの膜性能を強化することができる。架橋剤(C)は、機械物性、耐熱性の観点で、エポキシ基、オキセタン基、及び(CH−OR)基{式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。}から成る群から選ばれる少なくとも2つの基を有する化合物であることが好ましい。
本実施形態では、架橋剤(C)について、(CH−OR)基を2つ以上有する化合物としては、例えば、窒素原子と結合した化合物、炭素原子と結合した化合物などが挙げられる。窒素原子と結合した化合物としては、例えば、窒素原子がメチロール基又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。具体的には、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、ヒドロキシエチレン尿素樹脂、尿素樹脂、グリコール尿素樹脂、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、アルコキシメチル化尿素樹脂などを挙げることができる。これらの内、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、及びアルコキシメチル化尿素樹脂は、それぞれ既知のメチロール化メラミン樹脂、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化尿素樹脂のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。
このアルコキシメチル基の種類としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、実用上市販されているサイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(三井サイテック(株)製)、ニカラックMX−270、−280、−290、ニカラックMS―11、ニカラックMW―30、−100、−300、−390、−750(三和ケミカル社製)等を好ましく使用することができる。これらの化合物は単独で又は混合して使用することができる。
上記炭素原子と結合した化合物としては、例えば、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、4,4’−ビフェニルジメタノール、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、市販されている26DMPC、46DMOC、DM−BIPC−F、DM−BIOC−F、TM−BIP−A(旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−OC、ジメチロール−Bis−C、ジメチロール−BisOC−P、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MB25、DML−MTrisPC、DML−Bis25X−34XL、DML−Bis25X−PCHP、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメル−p−クレゾール、TriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(本州化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの化合物は単独で又は混合して使用することができる。
前記架橋剤(C)の分子構造については、エポキシ基又はオキセタン基を2つ以上有するものとしては、例えば、1,1,2,2−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジル、デナコールEX−201、EX−313、EX−314、EX−321、EX−411、EX−511、EX−512、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−731、EX−810、EX−911、EM−150(商品名、ナガセケムテックス社製)等のエポキシ化合物、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン―イル)メトキシ]メチル}オキセタン等のオキセタン化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で又は混合して使用することができる。
架橋剤(C)の添加量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、1質量部〜50質量部であり、好ましくは、3質量部〜50質量部である。この添加量は、1質量部以上であると架橋が十分に進行するので膜物性の強化効果が得られ、一方で、50質量部以下であれば伸度が保たれるため好ましい。
本実施形態では、架橋剤(C)としては、前述の化合物以外に、例えば、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、エポクロスK−2010E、K−2020E、K−2030E、WS−500、WS−700、RPS−1005(商品名、日本触媒社製)等のオキサゾリン化合物、カルボジライトSV−02、V−01、V−02、V−03、V−04、V−05、V−07、V−09、E−01、E−02、LA−1(商品名、日清紡ケミカル社製)等のカルボジイミド化合物、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド等のアルデヒド及びアルデヒド変性体、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアナート、1,3−フェニレンビスメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン―4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、タケネート500、600、コスモネートNBDI、ND(商品名、三井化学社製)デュラネート17B−60PX、TPA−B80E、MF−B60X、MF−K60X、E402−B80T(商品名、旭化成ケミカル社製)等のイソシアネート系架橋剤、アセチルアセトンアルミ(III)塩、アセチルアセトンチタン(IV)塩、アセチルアセトンクロム(III)塩、アセチルアセトンマグネシウム(II)塩、アセチルアセトンニッケル(II)塩、トリフルオロアセチルアセトンアルミ(III)塩、トリフルオロアセチルアセトンチタン(IV)塩、トリフルオロアセチルアセトンクロム(III)塩、トリフルオロアセチルアセトンマグネシウム(II)塩、トリフルオロアセチルアセトンニッケル(II)塩等の金属キレート剤、酢酸ビニル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリルエステル、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、BANI−M、BANI−X(商品名、丸善石油化学株式会社製)などが挙げられる。
(D)溶剤
本実施形態では、溶剤(D)としては、アミド類、スルホキシド類、ウレア類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等が挙げられる。より詳細には、溶剤(D)として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、モルフォリン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を使用することができる。
本実施形態では、溶剤(D)の添加量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して10質量部〜1000質量部であり、好ましくは120質量部〜700質量部であり、組成物ワニスの粘度及び塗膜膜厚の制御の観点から、より好ましくは150質量部〜500質量部の範囲である。
(E)その他の添加剤
本実施形態では、必要に応じて、染料、界面活性剤、基板との密着性を高めるための密着助剤、溶解促進剤、架橋促進剤等を感光性樹脂組成物に添加することができる。
また、本実施形態では、感光性樹脂組成物は、絶縁膜の物性向上の観点から、熱塩基発生剤を更に含有することができる。特に、架橋剤(C)がエポキシ基又はオキセタン基を含有する場合には、熱塩基発生剤は、熱硬化時に、架橋剤(C)とフェノール樹脂(A)との間の架橋反応を促進して、感光性樹脂組成物から成る硬化物の膜物性をより一層強化することができるため、感光性樹脂組成物は熱塩基発生剤を更に含有することが好ましい。本実施形態では、感光性樹脂組成物に加える熱塩基発生剤の熱分解温度は、50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上である。熱塩基発生剤としては、具体的には、下記式(11)及び(12)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013145308
{式中、nは、1〜20の整数である。}
Figure 2013145308
{式中、m’及びnは、それぞれ独立に、1〜20の整数である。}
特に好ましくは、熱塩基発生剤は、下記式(13)で表される化合物である:
Figure 2013145308
本実施形態では、感光性樹脂組成物への熱塩基発生剤の添加量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜40質量部であり、より好ましくは0.5質量部〜30質量部である。この添加量は、架橋促進が十分に進行し、膜物性の強化効果が得られる観点から、0.1質量部以上が好ましく、一方で、伸度の観点から、40質量部以下が好ましい。
密着助剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー等、各種のアルコキシシランなどが挙げられる。
アルコキシシランの好ましい例としては、テトラアルコキシシラン、ビス(トリアルコキシシリル)メタン、ビス(トリアルコキシシリル)エタン、ビス(トリアルコキシシリル)エチレン、ビス(トリアルコキシシリル)ヘキサン、ビス(トリアルコキシシリル)オクタン、ビス(トリアルコキシシリル)オクタジエン、ビス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]ジスルフィド、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、2−(トリアルコキシシリルエチル)ピリジン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、ビニルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリアルコキシシラン、3−(トリアルコキシシリル)プロピルコハク酸無水物、N−(3−トリアルコキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン及び3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシラン並びに酸無水物又は酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基又はウレア基に変換したもの等を挙げることができる。
なお、上記アルコキシシラン化合物中のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられ、酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物等が挙げられ、ウレタン基としてはt−ブトキシカルボニルアミノ基等が挙げられ、そしてウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
本実施形態では、密着助剤の配合量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部であることが好ましい。
染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。染料の配合量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類又はその誘導体から成る非イオン系界面活性剤に加えて、例えば、フロラード(登録商標、商品名、住友3M社製)、メガファック(登録商標、商品名、大日本インキ化学工業社製)、ルミフロン(登録商標、商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、例えばKP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部であることが好ましい。
溶解促進剤としては、水酸基又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。前記水酸基を有する化合物の例としては、前述のナフトキノンジアジド化合物に使用しているバラスト剤、パラクミルフェノール、ビスフェノール類、レゾルシノール類、及びMtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(全て本州化学工業社製)、ジフェニルメタンの2〜5個のフェノール置換体、3,3−ジフェニルプロパンの1〜5個のフェノール置換体、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とをモル比1対2で反応させて得られる化合物、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物とをモル比1対2で反応させて得られる化合物、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド等が挙げられる。
溶解促進剤については、前記カルボキシル基を有する化合物の例としては、3−フェニル乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、4−ヒドロキシマンデル酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸、2−メトキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸、マンデル酸、アトロラクチン酸、アセチルマンデル酸、α−メトキシフェニル酢酸、等が挙げられる。
溶解促進剤の配合量は、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部であることが好ましい。
架橋促進剤としては、熱又は光によりラジカルを発生するものが好ましい。熱又は光によりラジカルを発生するものとしては、例えば、イルガキュア651、184、2959、127、907、369、379(商品名、BASFジャパン社製)等のアルキルフェノン、イルガキュア819(商品名、BASFジャパン社製)等のアシルフォスフィンオキサイド、イルガキュア784(商品名、BASFジャパン社製)等のチタノセン、イルガキュアOXE01、02(商品名、BASFジャパン社製)等のオキシムエステル等を挙げることができる。
[絶縁膜を有するシリコンウエハの製造]
本実施形態では、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法は、下記(i)〜(vi)の工程を含む。
(i)前述した感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であるシリコンウエハに塗布する工程、
(ii)該感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤(D)を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程、
(iii)該塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程、
(iv)該塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程、
(v)該塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより該塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程、並びに
(vi)該絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程。
以下、各工程について順に説明する。
(i)前述した感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であるシリコンウエハに塗布する工程(塗布工程)
本実施形態において使用できるシリコンウエハは、いわゆる大型シリコンウエハであり、直径が約8インチ(約203.2mm)以上であり、かつ厚さが200μm〜800μmである。このようなシリコンウエハとしては、好ましくは、直径が約8インチ又は約12インチ(約304.8mm)のものが用いられる。このようなシリコンウエハは、シリコンウエハ単体、各種の表面処理が施されたシリコンウエハ、金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハ、又は回路が形成されたシリコンウエハでよい。
感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ上に塗布する方法としては、例えば、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。また、塗布の厚さは、塗布手段、組成物溶液の固形分濃度又は粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
(ii)感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程(乾燥工程)
乾燥工程としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線炉などを用いて、50℃〜150℃程度の温度で、1分間〜60分間程度加熱する方法を挙げることができる。
(iii)塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程(露光工程)
露光工程としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて化学線を照射することができる。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できるが、特に200nm〜500nmの波長のものが好ましい。パターンの解像度及び取り扱い性の点で、その光源波長は、水銀ランプのg線、h線又はi線が好ましく、単独でも混合していてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、又はステッパーが特に好ましい。
露光工程は、所望により、マスクパターンを介して行うことができ、これにより所望のパターンが形成された絶縁膜を形成することができる。形成する絶縁膜がパッシベーション膜(層間絶縁膜)である場合など、全面に均一な絶縁膜を形成する場合には、マスクパターンは用いなくてもよい。
本実施形態では、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法は、露光工程に次いで、現像工程に供する前に、塗膜を有するシリコンウエハを加熱する工程(iii−2)を有していてもよい。
前記工程(iii−2)としては、感光性樹脂組成物の配合又は膜厚などに応じて、例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線炉などを用いて、例えば、50℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃程度の温度で、1分間〜60分間程度加熱する方法を挙げることができる。
(iv)塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程(現像工程)
現像工程では、感光性樹脂組成物のポジ型又はネガ型に応じて、シリコンウエハ上の露光後の塗膜を、アルカリ性現像液に接触させ、露光部又は未露光部を溶解、除去する。この場合の現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法などを挙げることができ、そして現像条件は、例えば、通常、20℃〜40℃で1分〜10分程度である。前記アルカリ性現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩類等の水溶液、さらには必要に応じてメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤又は界面活性剤を適当量添加した水溶液を使用することができる。とりわけ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましく、その濃度は、0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1.0質量%〜5質量%であることがより好ましい。現像後、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、パターンフィルムを得ることができる。リンス液としては、例えば、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を、単独で又は組み合わせて用いることができる。
(v)塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程(硬化工程)
硬化工程では、現像後に絶縁膜としての特性を十分に発現させるために、加熱処理を行うことによって前記塗膜を十分に硬化させることができる。硬化工程における硬化条件は、100℃以上400℃以下の温度であれば特に制限されないが、硬化物の用途に応じて、100℃〜400℃の温度で、5分〜10時間程度加熱し、前記塗膜を硬化させることができる。硬化工程を行なうための加熱処理装置としては、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどを用いることができる。また、加熱処理を行う際の雰囲気気体としては、空気を用いてもよく、さらに窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。また、より低温にて熱処理を行う必要が有る際には、真空ポンプ等を利用して減圧下にて加熱を行ってもよい。
所望により、塗膜が硬化した後に、ウエット又はドライクリーニングする工程、バンプ電極を形成する工程等を組み込むことができる。
(vi)絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程(バックグラインド工程)
バックグラインド工程では、近年の半導体装置の軽薄化に対応するために、絶縁膜が形成されていない面(ウエハ裏面)を研削して、シリコンウエハを薄くする加工を行う。ここで、半導体工程において、初めから厚さが薄いウエハを使用した場合、ウエハ上に形成した材料の影響でウエハの反りが発生し易くなる。反りが発生すると、半導体工程の搬送トラブルとなり、製造収率が下がってしまう。そのため、ウエハをバックグラインドする工程は、ウエハ加工の最後(すなわち、ウエハダイシング工程の前)に行い、それまでの工程は厚さが厚いウエハを用いるのが一般的である。
バックグラインド工程では、初めに、絶縁膜を有する面(シリコンウエハ表面)にバックグラインドテープを貼る。バックグラインドテープは、支持体があるものと無い物のいずれであってもよい。次に、バックグラインドテープが貼られたシリコンウエハをウエハグラインダーのプラテンにセットし、シリコンウエハ裏面を研削する。シリコンウエハの厚さが20um〜600umになるまで研磨することができる。
バックグラインド工程で得られる絶縁膜が形成されたシリコンウエハの反り量は、アライメントミス、ウエハ搬送トラブル等を発生させないために、ウエハの直径が8インチであり、かつ厚さが300um程度である場合には、400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
上述の製造方法により得られる絶縁膜を有するシリコンウエハは、反り量が小さいものとなる。また、ウエハバックグラインド後に、絶縁膜にクラックが発生することもない。
また、上述の製造方法により形成される絶縁膜の伸度は、半導体の製造工程においてウエハバックグラインド後に絶縁膜にクラックを発生させないために、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。
また、本実施形態では、上述の製造方法により製造された、絶縁膜を有するシリコンウエハも提供されることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における「部」は特に断らない限り質量部の意味で用いる。
また、硬化物の各特性については、下記の要領で評価した。
反り量:
直径8インチ、厚さ725μmのシリコンウエハに実施例の感光性樹脂組成物をスピンコートで塗布し、ホットプレートを用いて120℃で180秒間加熱した。その後対流式オーブンで窒素雰囲気下、220℃で60分間硬化を行い、硬化後の膜厚が約10μmの硬化物を有するシリコンウエハを得た。当該ウエハ表面にバックグラインドテープ(リンテック社製 E−8000)を基板貼り合わせ機を用いて貼り合わせ、バックグラインダー(ディスコ社製 DAG810)にてウエハ厚さが300umになるまで研削した。次にバックグラインドテープに、基板剥離機(ジェイシーエム社製、BR−100)より紫外線(UV)を照射して、バックグラインドテープをマニュアル操作で剥離した。そして、薄膜ストレス測定装置KLA−Tencor FLX−2320でバックグラインド後の当該絶縁膜が形成されたシリコンウエハの反り量を測定した。
伸度:
本発明の伸度測定用サンプルを以下の方法で作製した。
最表面にアルミ蒸着層を設けた6インチシリコンウエハ基板に、実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物を、スピンコートし、窒素雰囲気下対流式オーブンで窒素雰囲気下、220℃で60分間硬化を行い、硬化後の膜厚が約10μmとなる絶縁膜を得た。得られた絶縁膜を、ダイシングソーで3mm幅にカットした後に、希塩酸水溶液によりウエハから剥離し、得られた20本の試料を温度23℃、湿度50%の雰囲気に24時間以上静置後、引っ張り試験機(エー・アンド・デイ製、テンシロンUTM−II−20)にて伸度を測定し、平均値を用いた。測定条件は以下の通りであった。
温度:23℃
湿度:50%
初期試料長さ:50mm
試験速度:40mm/min
ロードセル定格:2kgf(19.61N)
ウエハバックグラインド後のクラック:
直径8インチ、厚さ725μmのシリコンウエハに樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で180秒間加熱し、約13μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、ステッパー(Nikon社製、NSR2005i8A)を用い、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が500mJ/cmとなるように露光した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で浸漬現像した。その後超純水にて60秒間洗浄し、エアーにて風乾した後、窒素雰囲気下対流式オーブンで窒素雰囲気下、220℃で60分間硬化を行い、硬化後の膜厚が約10μmとなる硬化パターンを得た。そして、顕微鏡を用いて観察し、パターンにクラック等の異常が発生していないことを確認した(バックグラインド前)。
当該ウエハ表面にバックグラインドテープ(リンテック社製 E−8000)を基板貼り合わせ機を用いて貼り合わせ、バックグラインダー(ディスコ社製 DAG810)にてウエハ厚さが300umになるまで研削した。次にバックグラインドテープにUVを照射して、基板剥離機(ディー・エス・アイ社製、SRM−12B)を用いて、バックグラインドテープをマニュアル操作で剥離した後、当該パターンを光顕観察し、クラック等の異常が発生していないか確認した(バックグラインド後)。
表2中のクラックの判定は下記の通りである。
○:バックグラインド工程中のクラックの発生が観察されなかった
×:バックグラインド工程中のクラックの発生が観察された
[実施例1]
容量0.5リットルのディーン・スターク装置付きセパラブルフラスラスコ中で、ピロガロール88.3g(0.7mol)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル121.2g(0.5mol)、ジエチル硫酸3.9g(0.025mol)、DMDG140gを70℃で混合攪拌し、固形物を溶解させた。
混合溶液をオイルバスにより140℃に加温し、反応液よりメタノールの発生を確認した。そのまま140℃で反応液を2時間攪拌した。
次に反応容器を大気中で冷却し、これに別途100gのテトラヒドロフランを加えて攪拌した。上記反応希釈液を4Lの水に高速攪拌下で滴下し樹脂を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、下記式(14)に示す構造:
Figure 2013145308
を有するビフェニルジイル/ピロガロール共重合体(A−1)を収率70%で得た。
その後、表1に示すとおり、得られたフェノール樹脂(A−1)100質量部、感光剤(B−1)12質量部、及び密着助剤(E−1)6質量部を溶剤(D−1)114質量部に溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。この組成物を用いて絶縁膜を作製し、その絶縁膜の特性を前記評価方法にしたがって測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1のピロガロールの代わりに、フロログルシノール100.9g(0.8mol)を用いて、実施例1と同様に合成を行い、下記式(15)に示す構造:
Figure 2013145308
を有するビフェニルジイル/フロログルシノール共重合体(A−2)を収率68%で得た。
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、その絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1のピロガロールの代わりに、3,5-ジヒドロキシ安息香酸メチル128.3g(0.76mol)を用いて、実施例1と同様に合成を行い、下記式(16)に示す構造:
Figure 2013145308
を有するビフェニルジイル/3,5-ジヒドロキシ安息香酸メチル共重合体(A−3)を収率65%で得た。
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、その絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1のピロガロールの代わりに、レゾルシノール82.6g(0.75mol)を用いて、実施例1と同様に合成を行い、下記式(17)に示す構造:
Figure 2013145308
を有するビフェニルジイル/レゾルシノール共重合体(A−4)を収率60%で得た。
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、その絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例5]
容量1Lのセパラブルフラスコにフェノール141.2g(1.5mol)を入れ、窒素気流下で撹拌しながら、オイルバスで80℃に加熱し、三フッ化ホウ素・フェノール錯体3.0gを添加し、さらに130℃に昇温して、ジシクロペンタジエン132.2g(1.0mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに130℃で5時間撹拌した。
反応終了後、水酸化カルシウムで酸触媒を中和した後、減圧蒸留し、未反応のフェノールを蒸留除去し、下記式(18)に示す構造:
Figure 2013145308
を有するジシクロペンタジエン/フェノール共重合体(A−5)203gを得た。表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、その絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1のビフェニルジイル/ピロガロール共重合体の代わりに、下記式(19)に示す構造:
Figure 2013145308
を有するフェニルジイル/フェノール共重合体(A−6)、(明和化成(株)製、MEH−7800)を用いた。
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、その絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1〜3]
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、組成物およびその絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
上記実施例および比較例において、使用した各成分は以下のとおりである。
フェノール樹脂(A);
A−1:ビフェニルジイル/ピロガロール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=13,000
A−2:ビフェニルジイル/フロログルシノール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=15,000
A−3:ビフェニルジイル/3,5-ジヒドロキシ安息香酸メチル共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=21,000
A−4:ビフェニルジイル/レゾルシノール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,000
A−5:ジシクロペンタジエン/フェノール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,200
A−6:フェニルジイル/フェノール共重合体(明和化成(株)製、MEH−7800)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=5,000
A−7:ビフェニルジイル/フェノール共重合体(明和化成(株)製、MEH−7851)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=2,000
A−8:クレゾールノボラック(旭有機材工業(株)製、EP4020G)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=18,000
A−9:ポリp−ヒドロキシスチレン(丸善石油化学(株)製、マルカリンカーM、S−4)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,000
感光剤(B);
B−1:下記式(20)の構造のNQD化合物
Figure 2013145308
{式中、Qの内83%が下記式(21)の構造:
Figure 2013145308
であり、残余が水素原子である。}
架橋剤(C);
C−1:テトラメトキシメチル化グリコールウリル(三和ケミカル(株)製、ニカラックMX−270)
溶剤(D);
D−1:ガンマブチロラクトン
密着助剤(E);
E−1:下記式(22)の構造のシリコン系カップリング剤;
Figure 2013145308
Figure 2013145308
Figure 2013145308
*1:ウエハの直径8インチ、厚さ300μm
本発明による絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法は、パッシベーション膜、層間絶縁膜、応力緩和層、平坦化膜、保護膜などの絶縁膜を有する、大型でかつ薄型のシリコンウエハの製造に利用されることができる。

Claims (7)

  1. (i)以下の成分:
    (A)下記一般式(1):
    Figure 2013145308
    {式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表し、bが2〜3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、Xは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(8):
    Figure 2013145308
    (式(8)中、pは、1〜10の整数であり、そしてqは、1〜20の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び芳香族基を有する2価の有機基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}
    で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂:100質量部;
    (B)感光剤:0.1質量部〜100質量部;
    (C)架橋剤:1質量部〜50質量部;及び
    (D)溶剤:10質量部〜1000質量部;
    を含む感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であり、かつ厚さが200μm〜800μmであるシリコンウエハに塗布する工程、
    (ii)該感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程、
    (iii)該塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程、
    (iv)該塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程、
    (v)該塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより該塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程、並びに
    (vi)該絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程、
    を含む、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法。
  2. 前記一般式(1)において、aは、2又は3の整数であり、そしてbは、0〜2の整数である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(1)において、R1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基、及び下記一般式(2):
    Figure 2013145308
    {式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表し、そしてRは、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、又は炭素数6〜20の2価の芳香族基を表す。}
    で表される基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(3)又は(4):
    Figure 2013145308
    {式(3)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基を表す。}
    Figure 2013145308
    {式(4)中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基を表し、そしてZは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(8):
    Figure 2013145308
    (式(8)中、pは、1〜10の整数であり、そしてqは、1〜20の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
    Figure 2013145308
    で表される2価の基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基である。}
    で表される2価の有機基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(6):
    Figure 2013145308
    で表される2価の有機基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(7):
    Figure 2013145308
    で表される2価の有機基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により得られる、絶縁膜を有するシリコンウエハ。
JP2012005569A 2012-01-13 2012-01-13 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法 Active JP5948538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012005569A JP5948538B2 (ja) 2012-01-13 2012-01-13 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012005569A JP5948538B2 (ja) 2012-01-13 2012-01-13 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013145308A true JP2013145308A (ja) 2013-07-25
JP5948538B2 JP5948538B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=49041123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012005569A Active JP5948538B2 (ja) 2012-01-13 2012-01-13 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5948538B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015026033A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 旭化成イーマテリアルズ株式会社 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、半導体装置及び表示体装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005062764A (ja) * 2003-08-20 2005-03-10 Kyocera Chemical Corp ポジ型感光性樹脂組成物
JP2005250160A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Kyocera Chemical Corp ポジ型感光性樹脂組成物及びその硬化物
WO2007007827A1 (ja) * 2005-07-13 2007-01-18 Ube Industries, Ltd. ビフェニレン架橋フェノールノボラック樹脂ならびにその用途
JP2007057595A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Jsr Corp ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物
JP2011053678A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Korea Kumho Petrochemical Co Ltd ポジ型感光性組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005062764A (ja) * 2003-08-20 2005-03-10 Kyocera Chemical Corp ポジ型感光性樹脂組成物
JP2005250160A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Kyocera Chemical Corp ポジ型感光性樹脂組成物及びその硬化物
WO2007007827A1 (ja) * 2005-07-13 2007-01-18 Ube Industries, Ltd. ビフェニレン架橋フェノールノボラック樹脂ならびにその用途
JP2007057595A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Jsr Corp ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物
JP2011053678A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Korea Kumho Petrochemical Co Ltd ポジ型感光性組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015026033A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 旭化成イーマテリアルズ株式会社 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、半導体装置及び表示体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5948538B2 (ja) 2016-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI481657B (zh) A phenol resin composition and a hardened embossed pattern, and a method for manufacturing the semiconductor
JP6000416B2 (ja) ビフェニルジイルトリヒドロキシベンゼン樹脂、感光性樹脂組成物及び半導体装置
JP6026097B2 (ja) 半導体素子表面保護膜又は層間絶縁膜用の感光性樹脂組成物
JP6099313B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP6209035B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置の製造方法
JP5981738B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP5825860B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP5825884B2 (ja) フェノール樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP6108869B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、半導体装置及び表示体装置
JP6116954B2 (ja) 感光性樹脂組成物及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP5981737B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP6294023B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、半導体装置及び表示体装置
JP5879088B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及び、硬化レリーフパターンの製造方法
JP5981739B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP5859257B2 (ja) フェノール樹脂組成物並びに硬化レリーフパターン及び半導体の製造方法
JP5948538B2 (ja) 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法
JP2017090486A (ja) 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法
JP5808155B2 (ja) フェノール樹脂組成物並びにこれを用いた硬化レリーフパターンの製造方法
JP6503160B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの形成方法
JP2017126023A (ja) 感光性フィルム
JP6328896B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160315

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5948538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350