JP2013145308A - 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(i)下記一般式(1):
{式中、a、b、R1及びXは明細書で定義された通りである。}で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂100質量部;感光剤0.1〜100質量部;架橋剤1〜50質量部;及び溶剤10〜1000質量部を含む感光性樹脂組成物を大型シリコンウエハに塗布し、(ii)シリコンウエハを加熱して溶剤を揮発させ、(iii)シリコンウエハを露光し、(iv)アルカリ現像液により現像し、(v)100〜400℃の温度で加熱することにより塗膜を硬化し、そして(vi)シリコンウエハの厚さが20〜600μmになるまでバックグラインドすることを含む、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法。
【選択図】なし
Description
(A)下記一般式(1):
で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂:100質量部;
(B)感光剤:0.1質量部〜100質量部;
(C)架橋剤:1質量部〜50質量部;及び
(D)溶剤:10質量部〜1000質量部;
を含む感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であり、かつ厚さが200μm〜800μmであるシリコンウエハに塗布する工程、
(ii)該感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程、
(iii)該塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程、
(iv)該塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程、
(v)該塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより該塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程、並びに
(vi)該絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程、
を含む、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法。
で表される基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
で表される2価の有機基である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の製造方法。
以下、(A)〜(D)の各成分を順に説明する。
本実施形態では、フェノール樹脂(A)は、前記一般式(1)で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有する。
水酸基当量(g/eq)=樹脂の単位構造あたりの分子量/樹脂の単位構造あたりの水酸基の個数
本実施形態では、感光性樹脂組成物中に含有させる感光剤(B)の種類を選択することにより、感光性樹脂組成物をポジ型(照射部が現像により溶出)にすることもできるし、ネガ型(未照射部が現像により溶出)とすることもできる。感光性樹脂組成物をポジ型にする場合は、感光剤として光酸発生剤を選ぶことができる。光酸発生剤としては、例えば、キノンジアジド構造を有する化合物(以下、「NQD化合物」ともいう。)、オニウム塩、ハロゲン含有化合物等を用いることができるが、溶剤溶解性及び保存安定性の観点から、NQD化合物が好ましい。
ア)トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、例えば、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)ビス(4,6−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
イ)ジアリールヨードニウム類としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
ウ)トリアリールスルホニウム類としては、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
エ)ジアゾケトン化合物として、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができ、具体例としてはフェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
オ)スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができ、具体例として、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
カ)スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等を挙げることができる。カ)スルホン酸化合物の好ましい具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
キ)スルホンイミド化合物の具体例としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等を挙げることができる。
ク)オキシムエステル化合物としては、例えば、2−[2−(4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ)]−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG121」)、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(例えばチバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG103」)、[2−(n−オクタンスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(例えばチバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG108」)、α−(n−オクタンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド(例えばチバスペシャルティケミカルズ社商品名「CGI725」)等を挙げることができる。
ケ)ジアゾメタン化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
本実施形態では、架橋剤(C)とは、前述の感光剤(B)が光照射により酸を発生する化合物である場合には、発生した酸、又は熱の作用によりフェノール樹脂(A)と反応し得る化合物である。
本実施形態では、溶剤(D)としては、アミド類、スルホキシド類、ウレア類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等が挙げられる。より詳細には、溶剤(D)として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、モルフォリン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を使用することができる。
本実施形態では、必要に応じて、染料、界面活性剤、基板との密着性を高めるための密着助剤、溶解促進剤、架橋促進剤等を感光性樹脂組成物に添加することができる。
本実施形態では、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法は、下記(i)〜(vi)の工程を含む。
(i)前述した感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であるシリコンウエハに塗布する工程、
(ii)該感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤(D)を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程、
(iii)該塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程、
(iv)該塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程、
(v)該塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより該塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程、並びに
(vi)該絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程。
(i)前述した感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であるシリコンウエハに塗布する工程(塗布工程)
本実施形態において使用できるシリコンウエハは、いわゆる大型シリコンウエハであり、直径が約8インチ(約203.2mm)以上であり、かつ厚さが200μm〜800μmである。このようなシリコンウエハとしては、好ましくは、直径が約8インチ又は約12インチ(約304.8mm)のものが用いられる。このようなシリコンウエハは、シリコンウエハ単体、各種の表面処理が施されたシリコンウエハ、金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハ、又は回路が形成されたシリコンウエハでよい。
乾燥工程としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線炉などを用いて、50℃〜150℃程度の温度で、1分間〜60分間程度加熱する方法を挙げることができる。
露光工程としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて化学線を照射することができる。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できるが、特に200nm〜500nmの波長のものが好ましい。パターンの解像度及び取り扱い性の点で、その光源波長は、水銀ランプのg線、h線又はi線が好ましく、単独でも混合していてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、又はステッパーが特に好ましい。
現像工程では、感光性樹脂組成物のポジ型又はネガ型に応じて、シリコンウエハ上の露光後の塗膜を、アルカリ性現像液に接触させ、露光部又は未露光部を溶解、除去する。この場合の現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法などを挙げることができ、そして現像条件は、例えば、通常、20℃〜40℃で1分〜10分程度である。前記アルカリ性現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩類等の水溶液、さらには必要に応じてメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤又は界面活性剤を適当量添加した水溶液を使用することができる。とりわけ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましく、その濃度は、0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1.0質量%〜5質量%であることがより好ましい。現像後、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、パターンフィルムを得ることができる。リンス液としては、例えば、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を、単独で又は組み合わせて用いることができる。
硬化工程では、現像後に絶縁膜としての特性を十分に発現させるために、加熱処理を行うことによって前記塗膜を十分に硬化させることができる。硬化工程における硬化条件は、100℃以上400℃以下の温度であれば特に制限されないが、硬化物の用途に応じて、100℃〜400℃の温度で、5分〜10時間程度加熱し、前記塗膜を硬化させることができる。硬化工程を行なうための加熱処理装置としては、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどを用いることができる。また、加熱処理を行う際の雰囲気気体としては、空気を用いてもよく、さらに窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。また、より低温にて熱処理を行う必要が有る際には、真空ポンプ等を利用して減圧下にて加熱を行ってもよい。
バックグラインド工程では、近年の半導体装置の軽薄化に対応するために、絶縁膜が形成されていない面(ウエハ裏面)を研削して、シリコンウエハを薄くする加工を行う。ここで、半導体工程において、初めから厚さが薄いウエハを使用した場合、ウエハ上に形成した材料の影響でウエハの反りが発生し易くなる。反りが発生すると、半導体工程の搬送トラブルとなり、製造収率が下がってしまう。そのため、ウエハをバックグラインドする工程は、ウエハ加工の最後(すなわち、ウエハダイシング工程の前)に行い、それまでの工程は厚さが厚いウエハを用いるのが一般的である。
また、硬化物の各特性については、下記の要領で評価した。
直径8インチ、厚さ725μmのシリコンウエハに実施例の感光性樹脂組成物をスピンコートで塗布し、ホットプレートを用いて120℃で180秒間加熱した。その後対流式オーブンで窒素雰囲気下、220℃で60分間硬化を行い、硬化後の膜厚が約10μmの硬化物を有するシリコンウエハを得た。当該ウエハ表面にバックグラインドテープ(リンテック社製 E−8000)を基板貼り合わせ機を用いて貼り合わせ、バックグラインダー(ディスコ社製 DAG810)にてウエハ厚さが300umになるまで研削した。次にバックグラインドテープに、基板剥離機(ジェイシーエム社製、BR−100)より紫外線(UV)を照射して、バックグラインドテープをマニュアル操作で剥離した。そして、薄膜ストレス測定装置KLA−Tencor FLX−2320でバックグラインド後の当該絶縁膜が形成されたシリコンウエハの反り量を測定した。
本発明の伸度測定用サンプルを以下の方法で作製した。
最表面にアルミ蒸着層を設けた6インチシリコンウエハ基板に、実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物を、スピンコートし、窒素雰囲気下対流式オーブンで窒素雰囲気下、220℃で60分間硬化を行い、硬化後の膜厚が約10μmとなる絶縁膜を得た。得られた絶縁膜を、ダイシングソーで3mm幅にカットした後に、希塩酸水溶液によりウエハから剥離し、得られた20本の試料を温度23℃、湿度50%の雰囲気に24時間以上静置後、引っ張り試験機(エー・アンド・デイ製、テンシロンUTM−II−20)にて伸度を測定し、平均値を用いた。測定条件は以下の通りであった。
温度:23℃
湿度:50%
初期試料長さ:50mm
試験速度:40mm/min
ロードセル定格:2kgf(19.61N)
直径8インチ、厚さ725μmのシリコンウエハに樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で180秒間加熱し、約13μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、ステッパー(Nikon社製、NSR2005i8A)を用い、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が500mJ/cm2となるように露光した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で浸漬現像した。その後超純水にて60秒間洗浄し、エアーにて風乾した後、窒素雰囲気下対流式オーブンで窒素雰囲気下、220℃で60分間硬化を行い、硬化後の膜厚が約10μmとなる硬化パターンを得た。そして、顕微鏡を用いて観察し、パターンにクラック等の異常が発生していないことを確認した(バックグラインド前)。
○:バックグラインド工程中のクラックの発生が観察されなかった
×:バックグラインド工程中のクラックの発生が観察された
容量0.5リットルのディーン・スターク装置付きセパラブルフラスラスコ中で、ピロガロール88.3g(0.7mol)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル121.2g(0.5mol)、ジエチル硫酸3.9g(0.025mol)、DMDG140gを70℃で混合攪拌し、固形物を溶解させた。
実施例1のピロガロールの代わりに、フロログルシノール100.9g(0.8mol)を用いて、実施例1と同様に合成を行い、下記式(15)に示す構造:
実施例1のピロガロールの代わりに、3,5-ジヒドロキシ安息香酸メチル128.3g(0.76mol)を用いて、実施例1と同様に合成を行い、下記式(16)に示す構造:
実施例1のピロガロールの代わりに、レゾルシノール82.6g(0.75mol)を用いて、実施例1と同様に合成を行い、下記式(17)に示す構造:
容量1Lのセパラブルフラスコにフェノール141.2g(1.5mol)を入れ、窒素気流下で撹拌しながら、オイルバスで80℃に加熱し、三フッ化ホウ素・フェノール錯体3.0gを添加し、さらに130℃に昇温して、ジシクロペンタジエン132.2g(1.0mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに130℃で5時間撹拌した。
実施例1のビフェニルジイル/ピロガロール共重合体の代わりに、下記式(19)に示す構造:
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、組成物およびその絶縁膜の特性を測定した。得られた結果を表2に示す。
フェノール樹脂(A);
A−1:ビフェニルジイル/ピロガロール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=13,000
A−2:ビフェニルジイル/フロログルシノール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=15,000
A−3:ビフェニルジイル/3,5-ジヒドロキシ安息香酸メチル共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=21,000
A−4:ビフェニルジイル/レゾルシノール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,000
A−5:ジシクロペンタジエン/フェノール共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,200
A−6:フェニルジイル/フェノール共重合体(明和化成(株)製、MEH−7800)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=5,000
A−7:ビフェニルジイル/フェノール共重合体(明和化成(株)製、MEH−7851)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=2,000
A−8:クレゾールノボラック(旭有機材工業(株)製、EP4020G)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=18,000
A−9:ポリp−ヒドロキシスチレン(丸善石油化学(株)製、マルカリンカーM、S−4)、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,000
C−1:テトラメトキシメチル化グリコールウリル(三和ケミカル(株)製、ニカラックMX−270)
D−1:ガンマブチロラクトン
Claims (7)
- (i)以下の成分:
(A)下記一般式(1):
で表され、かつ水酸基当量が250g/eq以下である繰り返し単位を有するフェノール樹脂:100質量部;
(B)感光剤:0.1質量部〜100質量部;
(C)架橋剤:1質量部〜50質量部;及び
(D)溶剤:10質量部〜1000質量部;
を含む感光性樹脂組成物を、直径が8インチ以上であり、かつ厚さが200μm〜800μmであるシリコンウエハに塗布する工程、
(ii)該感光性樹脂組成物が塗布されたシリコンウエハを加熱することにより溶剤を揮発させて、塗膜を有するシリコンウエハを得る工程、
(iii)該塗膜を有するシリコンウエハを露光する工程、
(iv)該塗膜を有するシリコンウエハをアルカリ現像液により現像する工程、
(v)該塗膜を有するシリコンウエハを100℃以上400℃以下の温度で加熱することにより該塗膜を硬化して、絶縁膜を有するシリコンウエハを得る工程、並びに
(vi)該絶縁膜を有するシリコンウエハを、該シリコンウエハの厚さが20μm〜600μmになるまでバックグラインドする工程、
を含む、絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法。 - 前記一般式(1)において、aは、2又は3の整数であり、そしてbは、0〜2の整数である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記一般式(1)において、R1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基、及び下記一般式(2):
で表される基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基である、請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(3)又は(4):
で表される2価の有機基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により得られる、絶縁膜を有するシリコンウエハ。
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JP2012005569A JP5948538B2 (ja) | 2012-01-13 | 2012-01-13 | 絶縁膜を有するシリコンウエハの製造方法 |
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2012
- 2012-01-13 JP JP2012005569A patent/JP5948538B2/ja active Active
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