JP2013144440A - 転写箔の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材準備工程と、離型層形成工程と、電離放射線硬化性樹脂(イ)及び希土類イオンLn3+がEu3+、Tb3+、Yb3+、Nd3+、Er3+、Sm3+、Dy3+又はCe3+のいずれかである希土類錯体(ロ)を含むホログラム層組成物準備工程と、未硬化ホログラム層形成工程と、レリーフホログラムを賦形する賦形工程と、波長250nm以下の紫外領域を照射して硬化させる紫外線照射工程と、反射層形成工程と、接着層形成工程と、からなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
・<電離放射線硬化性樹脂組成物の作製手順>
まず、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と、造膜性樹脂(アクリル系オリゴマー)、反応性シリコーン、ポリエチレンワックス、光重合開始剤、及び溶媒を下記の組成で配合して電離放射線硬化性樹脂組成物を調製した。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.15質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社、赤発光性の希土類錯体商品名)0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該層は電離放射線硬化前であり、塗膜は指乾状態であった。該層面へ、2光束干渉法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を形成した。
該ホログラム層15のレリーフ面へ、厚さ50nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して、透明反射層17とした。該透明反射層17面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成する転写箔の製造方法にて、基材11/剥離層13/ホログラム層15/透明反射層17/接着層19の層構成からなる転写箔10を得た。
該離型層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、ホログラム層15を形成した。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光7510B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.2質量部
ルミシスG−900(セントラルテクノ社、緑発光性の希土類錯体商品名)0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 1.75質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該ホログラム層15面へ、EB(電子線)描画法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた。該ホログラム層15のレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して反射層17を形成した。該反射層17面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成する転写箔の製造方法にて、基材11/剥離層13/ホログラム層15/反射層17/接着層19の層構成からなる転写箔10を得た。
・<ホログラム層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B) 5質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社、赤発光性の希土類錯体商品名)0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該層面へ、立体の社章の2光束干渉法によるホログラムから、2P法で複製した絵柄(立体の社章像を再生するレリーフ)と、該絵柄毎にホログラムマークが設けて一対とし、該一対を複製の流れ方向へ順次羅列して複数絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を形成した。該ホログラム層15のレリーフ面へ、コロナ処理を行い、厚さ500nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して、透明な反射層17とした。
該透明な反射層17面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層とした。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
該プライマ層面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が3μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19とした。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP170(日本合成化学社製、商品名)20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
以上の転写箔の製造方法にて、基材11/離型層13/ホログラム層15(微細な凹凸)/プライマ層/接着層19、の層構成からなる転写箔10を得た。
基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名)塗工液を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層13を形成した。該離型層13面へ、下記の赤発光性の層組成物、緑発光性の層組成物、青発光性の層組成物を用いて、グラビア印刷法でそれぞれ乾燥後の厚さが2μmになるように、顔写真を印刷した後に、透明なホログラム層組成物を用いてグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが4μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた。この4層を合わせてホログラム層15となる。
・<赤発光性の層組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社、赤発光性の希土類錯体商品名)0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<緑発光性の層組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスG−900(セントラルテクノ社、緑発光性の希土類錯体商品名)0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<青発光性の層組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスYB−1200(セントラルテクノ社、青発光性希土類錯体商品名)0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光7510B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 1.75質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該層は電離放射線硬化前であり、塗膜は指乾状態であった。該層面へ、2光束干渉法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を形成した。該ホログラム層15のレリーフ面へ、厚さ50nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して、透明反射層17とした。該透明反射層17面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成する転写箔の製造方法にて、基材11/剥離層13/ホログラム層15/透明反射層17/接着層19の層構成からなり、回折格子の光回折模様に浮かぶカラー顔写真を有する転写箔10を得た。
・<ホログラム層組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
蛍光増白剤 0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
(実施例6〜10、比較例2)被転写体101としてポリ塩化ビニール製のクレジットカード仕様のカードを用い、該被転写体101の表面へ、昇華型熱転写シート(大日本印刷(株)製、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラー標準リボン)を用いて、600dpiの熱転写プリンターで固有情報である顔写真及び氏名を印画し画像を形成した。
該画像面へ、FARGO製のカード用プリンタHDP820で、実施例1〜5の転写箔の製造方法で製造した転写箔10、及び比較例の転写箔の製造方法で製造した転写箔の接着層19面を重ねて、4×5mmの矩形状に転写し基材を剥離し徐去して、実施例6〜10及び比較例2の偽造防止媒体100とした。
11:基材
13:離型層
15:ホログラム層
17:反射層
19:接着層
100:偽造防止媒体
101:被転写体
Claims (1)
- 基材と、該基材の一方の面へ少なくとも離型層、ホログラム層、反射層及び接着層を設けてなる転写箔の製造方法において、
前記基材を準備する基材準備工程と、
前記基材の一方の面へ離型層を形成する離型層形成工程と、
以下の前記ホログラム層の組成物を準備するホログラム層組成物準備工程と、
前記ホログラム層組成物が電離放射線硬化性樹脂(イ)及び希土類錯体(ロ)を含み、
(イ)前記電離放射線硬化性樹脂がハードコート性の電離放射線硬化性樹脂であって、前記電離放射線硬化性樹脂が(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有し、
(ロ)前記希土類錯体が蛍光発光性の希土類錯体であって、希土類イオンLn3+がEu3+、Tb3+、Yb3+、Nd3+、Er3+、Sm3+、Dy3+又はCe3+のいずれかであり、
前記ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂と前記希土類錯体との配合割合が質量基準で、電離放射線硬化性樹脂:希土類錯体=95〜99.9:0.1〜5であり、
前記ホログラム層の組成物を用いて、前記離型層の面へ、未硬化のホログラム層を形成する未硬化ホログラム層形成工程と、
前記未硬化ホログラム層の面へ、微細な凹凸構造のレリーフホログラムを賦形する賦形工程と、
前記賦形の面へ、前記電離放射線硬化性樹脂の吸収波長領域が前記希土類錯体の吸収波長領域と異なる波長250nm以下の紫外領域を照射して、前記電離放射線硬化性樹脂を硬化させる紫外線照射工程と、
前記ホログラム層の面へ、反射層を形成する反射層形成工程と、
前記反射層の面へ接着層を形成する接着層形成工程と、からなることを特徴とする転写箔の製造方法。
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