以下、本発明の一実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<スロットマシンの全体構造の説明>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、横長矩形の透明な表示窓20aが形成してある。
この表示窓20aの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上L2A、下L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右上がりL3A,斜め右下がりL3B)の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、入賞ラインと区別するために「有効ライン」と称する)が表示される。
表示窓20aの下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ34、2−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ(最大ベットスイッチ)36が配設してある。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入するための遊技媒体投入口38が設けてある。この遊技媒体投入口38から規定枚数である1〜3枚の遊技媒体が投入された場合は、その枚数の遊技媒体を遊技の賭けの対象とし、規定枚数を超える遊技媒体が投入された場合には、規定を超える枚数をクレジット数として後述するRAM110(図3参照)に記憶するようになっている。クレジットされた遊技媒体は、遊技媒体投入口38の下方に設けた精算ボタン39を操作することにより、遊技媒体払出口62から払い出すことができる。
1−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの1枚の遊技媒体を遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ35は、クレジット数のうちの2枚の遊技媒体を遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚の遊技媒体を遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
ここで、遊技媒体投入口38からの投入又は各ベットスイッチ34、35、36の操作より、遊技媒体を遊技の賭けの対象とすることを「ベット」といい、ベットされた遊技媒体の枚数を「ベット数」という。この「ベット数」は、RAM110に記憶されることにより「設定」される。また、後述する「再遊技役」に入賞した場合は、この役に入賞した当該遊技のベット数と同じの枚数の遊技媒体が、次回遊技のベット数に設定される。
1枚の遊技媒体がベット(1ベット)されたときには、5本の入賞ラインのうちの1本、例えば、入賞ラインL1が有効化される。また、2枚の遊技媒体がベット(2ベット)されたときには、5本の入賞ラインのうちの3本、例えば、入賞ラインL1、L2A、L2Bが有効化される。さらに、3枚の遊技媒体がベット(3ベット)されたときには、5本の入賞ラインの全て、すなわち、L1、L2A、L2B、L3A、L3Bが有効化される。有効化された入賞ラインは、フロントパネル20の内側に配設した電飾部品であるランプ手段21(図2及び図4参照)を点灯させて明示される。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示手段70が設けてある。なお、画像表示手段70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C、40Rが回転自在に設けてある。各リール40L,40C、40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、図2に示すような21個の図柄が描かれている。これら図柄の配列は、リール40L、40C、40Rごとにそれぞれ異なっている。各リール40L、40C、40Rは、上述した表示窓20aを介してそれぞれ視認可能となっている。3本のリール40L、40C、40Rが停止した場合には、表示窓20aを介して合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L、40C、40Rは、それぞれ図2、図3に示すステッピングモータ80L、80C、80Rにより回転駆動され、表示窓20aにおいて、各リール40L、40C、40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L、52C、52Rが設けてある。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L、40C、40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L、40C、40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ52L、52C、52Rの操作が有効となる。
遊技者が、ストップスイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した5つの入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A、L3B上に位置付けられるように停止制御している。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納したスピーカ(図4に示すスピーカ64参照)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C、40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行われ、複数のリール40L、40C、40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行うことができる。
<機能ブロック図の説明>
図2は、スロットマシン10の制御に関する機能ブロック図である。同図において、制御回路として、主制御回路100と副制御回路200とが電気的に接続してある。
主制御回路100には、操作手段300と、ステッピングモータ80L、80C、80Rと、エラー検出手段90とが電気的に接続してある。また、ステッピングモータ80L、80C、80Rには、上述したリール40L、40C、40Rがそれぞれ機械的に接続してある。一方、副制御回路200には、報知手段600が電気的に接続してあり、この報知手段600には、画像表示手段70と、ランプ手段(電飾部品)21と、スピーカ64とが含まれている。
<<操作手段及びエラー検出手段>>
操作手段300には、停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、各ベットスイッチ34、35、36と、精算ボタン39とが含まれる。また、停止操作手段310は、3つのストップスイッチ52L、52C、52Rから構成してある。なお、これらの操作手段300は、スイッチやボタンに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
また、エラー検出手段90は、スロットマシン10の各所のエラーを検出する複数のセンサーからなる。エラー検出手段90には、電源監視センサ、ドア開放監視センサ、設定監視センサ、投入監視センサ、払出監視センサなどが含まれる。また、センサの種類としては、電源スイッチのON/OFFやホッパの電流を検出する電流センサ、ドア開閉やキースイッチの回転を検出する光学的又は機械的なスイッチセンサなどが含まれる。
エラー検出手段90を構成する各センサが検出するエラーの種類としては、例えば、払出メダル満杯エラー、払出メダルエンプティエラー、払出メダル滞留エラー、投入メダル詰まりエラー、RAMエラーなどがある。その他、不正行為のおそれがある不正ドア開放や遊技媒体の過剰払出なども検出される。各センサは、これらのエラーを検出して主制御回路100へ信号を出力する。
<<主制御回路100の説明>>
主制御回路100は、ベット制御手段400と、役抽選手段410と、リール制御手段420と、遊技制御手段430と、エラー判別手段441と、エラー解消検出手段442とを含んでいる。この主制御回路100は、スロットマシン10の遊技に関する制御処理を実行する(図5のメインルーチン参照)。
ベット制御手段400は、遊技媒体投入口38の下部に設置した遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数、又は各べットスイッチ34、35、36が操作されたときに発信されるベット操作信号に基づいて新たなベット数を設定する。その他、ベット制御手段400は、必要に応じてクレジット数からベット数を減算する。また、ベット制御手段400は、上述した全ての処理の結果を信号に変換して副制御回路200へ送信する。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、上述した役抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。
ここで、役抽選手段410による役抽選の対象となる役としては、例えば、「小役」、「再遊技役」、「BB(ビックボーナス)役」、「MB(ミドルボーナス)役」、「はずれ」等がある。一般に、「小役」は、これに入賞することにより、予め定められた所定枚数の遊技媒体が払い出される役である。「再遊技役」は、これに入賞することにより、遊技媒体を消費することなく次回遊技を行うことができる役である。
特別役である「BB役」は、これに入賞することにより、所定枚数の遊技媒体(例えば、346枚)の払い出しを限度にBB遊技を行うことができる。このBB遊技は、通常遊技と、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技媒体の払出枚数が所定枚数以上に達するまで繰り返し行うことができる遊技である。
同じく特別役である「MB役」は、これに入賞することにより、所定枚数の遊技媒体(例えば、254枚)の払い出しを限度にMB遊技を行うことができる。このMB遊技では、例えば、左リールをストップスイッチの押動操作から所定の短い時間内(ex.75ms以内)に停止させる、いわゆる目押しによるリール制御が行われる。そして、左→中→右の順番でストップスイッチを押動操作することにより、所定の小役に入賞するようになっている。
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、ステッピングモータ80L、80C、80Rの制御を行って、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信又は所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組み合わせ制御を行う。
遊技制御手段430は、役抽選処理で小役、再遊技役、特別役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、それぞれの役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した制御処理を進める。また、遊技制御手段430は、通常遊技、次に述べる特別遊技及び再遊技確率変動状態の全ての遊技状態において、毎回の単位遊技の遊技結果を示す信号を副制御回路200に送信する。
さらに、遊技制御手段430には、特別遊技制御手段431と、再遊技確率変動状態制御手段432とが含まれており、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、BB遊技及びMB遊技の特別遊技と、再遊技確率変動状態とに関する制御処理を行っている。
特別遊技制御手段431は、BB遊技及びMB遊技、これら特別遊技中における所定枚数の遊技媒体の払い出しなどの制御を行う。再遊技確率変動状態制御手段432は、所定の開始条件が満たされたときに、遊技状態を、役抽選で再遊技役の当選確率が極めて高くなる再遊技確率変動状態(RT遊技=リプレイタイム)に変更し、その後、所定の終了条件が満たされたときに再遊技確率変動状態を終了させる制御を行う。
エラー判別手段441は、エラー検出手段90からの信号を受信し、この信号に基づいてスロットマシン10に発生したエラーの種類を判別し、判別結果を示す信号を副制御回路200へ送信する。また、主制御回路100は、エラー検出手段90からの信号を受信したときに、スロットマシン10を遊技不可の状態にする。
エラー解消検出手段442は、スロットマシン10に発生したエラーの解消を検出する。エラーの解消は、例えば、作業員がエラーの原因を解決した後、図示しないリセットボタン、キースイッチ、電源スイッチ等を操作したときの操作信号に基づいて検出される。エラーの解消を検出したエラー解消検出手段442は、副制御回路200へ信号を送信する。また、エラー解消検出手段442がエラーの解消を検出すると、主制御回路100がスロットマシン10を遊技可能な状態に復帰させる。
<<副制御回路200の説明>>
副制御回路200は、演出制御手段210と、遊技履歴管理手段550と、時間カウント手段560と、演出データ記憶手段570とを有している。また、演出制御手段210には、画像制御手段500と、ランプ制御手段520と、音声制御手段530とが含まれている。
演出制御手段210は、上述した主制御回路100からの信号に基づいて、画像、音及び光を用いた演出制御を全般的に行っている。また、演出制御手段210は、上述した通常遊技、特別遊技及び再遊技確率変動状態の全ての遊技状態における演出制御を実行するほか、スロットマシン10にエラーが発生した場合に必要なエラー報知を実行する。
さらに、本実施形態における演出制御手段210は、必要なエラー報知を実行するほかに、エラーの種類、エラーが発生するまでの遊技履歴、エラーが解消するまでの時間等といったエラーに関する諸条件が満たされたときに、予め用意された所定の特別演出を所定タイミングで実行する制御処理を行う。このような特別演出の制御処理については、後に図6及び図7の特別演出制御処理サブルーチン1、2を参照しつつ詳述する。
画像制御手段500は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、演出データ記憶手段570(実際は図5に示すROM208)に記憶された所定の画像データを読み出し、報知手段600の画像表示手段70に所定の画像を表示させる。
また、画像制御手段500は、上述したエラー判別手段441からの信号を受信したときに、図8(a)に示すようなエラーメッセージ71を画像表示手段70に表示させる。さらに、画像制御手段500は、上述したエラーに関する諸条件が満たされたときに、図8(b)〜(d)に示すような、遊技中には表示されない特別画像72や、特別な特典が得られる2次元コード74を、所定タイミングで画像表示手段70に表示させる。
ランプ制御手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、演出データ記憶手段570に記憶されたランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路222(図4参照)を制御して、報知手段600中のランプ手段21を点灯させる。このランプ制御手段520は、遊技媒体の投入、遊技中における各種ボタン操作、リール停止、遊技結果、遊技媒体の払い出し等に応じて、ランプ手段21を所定のパターンで点灯させる演出を実行する。
また、ランプ制御手段520は、上述したエラー判別手段441からの信号を受信したときに、専用のパターンでランプ手段21を点灯させてエラーの発生を報知する。さらに、ランプ制御手段520は、上述したエラーに関する諸条件が満たされたときに、特別演出としての画像や音に対応するパターンでランプ手段21を点灯させる。
音声制御手段530は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、演出データ記憶手段570に記憶された音声データを読み出し、スピーカ駆動回路224(図4参照)を制御して、遊技中のBGMや効果音をスピーカ64から出力させる。また、音声制御手段530は、上述したエラー判別手段441からの信号を受信したときに、エラー報知音をスピーカ64から出力させる。さらに、音声制御手段530は、上述したエラーに関する諸条件が満たされたときに、遊技中には出力されない特別なBGMや効果音をスピーカ64から出力させる。
遊技履歴管理手段550は、スロットマシン10の起動後、上述した遊技制御手段430から毎回の単位遊技の遊技結果を示す信号を受信し、入賞役及びはずれの遊技結果、通常遊技、再遊技確率変動状態、特別遊技などの遊技状態といった遊技履歴を、次に述べる時間カウント手段560が計測した経過時間とともに記憶し管理する。この遊技履歴の情報は、スロットマシン10にエラーが発生したとき、上述した演出制御手段210が特別演出を実行するか否か判断する際の諸条件の一つとして参照される(図6のステップS35、S39、S43参照)。
時間カウント手段560は、次のような第1〜第3の時間計測を行っている。第1に、時間カウント手段560は、スロットマシン10が起動してからの経過時間を計測する。この第1の時間計測の結果は、上述した遊技履歴管理手段550による遊技履歴の管理に利用される。
第2に、時間カウント手段560は、上述したエラー判別手段441からの信号に基づいてエラー状態の継続時間を計測する。この第2の時間計測の開始時は、エラー発生時であり、また、この第2の時間計測が行われている間は、エラー状態が継続していることになる。これらエラー発生時と、エラー状態の継続時間とは、スロットマシン10にエラーが発生したとき、上述した演出制御手段210が特別演出を実行するか否か判断する際の諸条件の一つとして参照される(図7のステップS51、S54、S57、S61参照)。このような第2の時間計測は、上述したエラー解消検出手段442からの信号を受信したときに終了する(図6のステップS36、S40、図7のステップS55、S58、S62、S64参照)。
第3に、時間カウント手段560は、エラー解消検出手段442からの信号に基づいてエラー解消からの経過時間を計測する。この第3の時間計測の結果は、エラー解消から所定時間が経過した後に特別演出を実行する場合に参照される(図6のステップS37、図7のステップS65参照)。
演出データ記憶手段570には、演出制御手段210による演出に用いられる画像データ及び音声データが記憶されている。この演出データ記憶手段570には、遊技中の演出に用いられる画像データ及び音声データ以外に、エラー報知に用いられる画像データ及び音声データ、さらに、エラーの検出を条件に実行される特別演出に用いられる画像データ及び音声データも記憶されている。
以下、エラー報知に用いられる画像と、エラーの検出を条件に実行される特別演出に用いられる画像との具体例について、図8(a)〜(d)を参照しつつ説明する。図8(a)はエラー発生時に表示されるエラーメッセージの具体例を示すものであり、図8(b)〜(d)は特別演出に用いられる特別画像の具体例を示すものである。
図8(a)において、エラーメッセージ71は、スロットマシン10に発生したエラーの内容を示す「HEエラー(ホッパーエンプティエラー=払出メダルエンプティエラー)が発生しました。」とのメッセージ、対処法などを示す「ホッパーを点検いたします。しばらくお待ちください。」とのメッセージを文字で表示したものである。このようなエラーメッセージ71は、従来からエラー発生と同時に画像表示手段70に表示されていた。
図8(b)において、特別画像72は、例えば、スロットマシン10のテーマとなっているキャラクターを用いた動画又は静止画であり、遊技中には表示されることのない特別演出の専用画像としてある。特別演出の専用画像とすることで、この特別画像72に「希にしか表示されない」という稀少価値を持たせている。この特別画像72を特定種類のエラー(例えば、同図(b)のエラーメッセージ73に示されている「HEエラー」)の専用画像とすることで、その稀少価値をより高めることが可能である。
また、図8(b)に示す特別画像72は、エラーの検出からエラーの解消が検出されるまでの間のタイミング、すなわち、エラー状態の継続中に表示されるものである。このため、特別画像72の上部には、エラー状態であることを報知するエラーメッセージ73が、画面の右側から左側へ移動するように表示されるようにしてある。このように、エラー状態の継続中に特別画像72を表示させることで、遊技を中断させられた遊技者の退屈を解消し、エラーの発生による不快感を緩和することができる。
図8(c)では、特別画像としての2次元コード74を、上述したエラーメッセージ71に追加して表示させるようにしてある。2次元コード74を表示するタイミングは、エラー状態の継続中であれば、エラーメッセージ73と同じのエラー検出時、又はエラー検出時から所定時間が経過した後に表示させることができる。
図8(c)に示す2次元コード74は、所定ウェブサイトのURLを表すものであり、この2次元コード74を携帯電話のカメラ機能を用いて読み取ることで、所定ウェブサイトにアクセスすることが可能となっている。このウェブサイトにアクセスした遊技者には、通常では入手することができない壁紙用の画像データ、着信音データ又は現物の景品などの特典が与えられる。
エラー状態の継続中に携帯電話で所定ウェブサイトにアクセスし、特典を選んだり、必要事項の登録を行ったりすることで、遊技を中断させられた遊技者の退屈を解消し、エラーの発生による不快感を緩和することができる。
図8(d)では、上述した2次元コード74を、図8(b)の特別画像72に追加して表示させるようにしてある。このような特別演出を実行した場合は、エラー状態の継続中に、希少価値を持たせた特別画像72を見ることができ、かつ、2次元コード74を利用して所定ウェブサイトにアクセスすることで特典が与えられるので、エラーの発生による遊技者の不快感が大きい場合でも緩和することができ、不快感が小さい場合はエラーの発生を遊技者の利益に転じることが可能となる。
なお、本実施形態では、予め作成した2次元コード74の画像データを演出データ記憶手段570に記憶させ、この2次元コード74の画像データを所定条件が満たされたときに読み出して表示させるようにしたが、これに限らず、例えば、副制御回路200において、満たされた所定条件に応じて2次元コード74を作成するようにしてもよい。
<スロットマシン10の制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、上述のように主制御回路100と副制御回路200とで構成してある。ここで、図3は、主制御回路100のブロック図を示し、図4は、主制御回路100に電気的に接続した副制御回路200のブロック図を示す。
<<主制御回路100>>
図3において、上述した各ベットスイッチ34、35、36、スタートスイッチ50、ストップスイッチ52L、52C、52R、精算ボタン39を含む操作手段300は、いずれも主制御回路100のインターフェイス回路102に接続してあり、このインターフェイス回路102は、入出力バス104に接続してある。スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。この入出力バス104を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
また、各ベットスイッチ34、35、36、各ストップスイッチ52L、52C、52R及び精算ボタン39から発信された信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に供給される。
さらに、上述したエラー検出手段90を構成する各センサーもインターフェイス回路102に接続されている。エラーを検出した各センサーから発信された信号も、上記と同様に、インターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に供給される。
上述した入出力バス104には、ROM108及びRAM110も接続してある。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図5に示すメインルーチン及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器412も接続されている。乱数発生器412は、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。なお、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続してある。このモータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C、40Rのそれぞれを回転駆動するステッピングモータ80L、80C、80Rが接続してある。ステッピングモータ80L、80C、80Rは、3つのリール40L、40C、40Rの内部にそれぞれ設けてあり、ステッピングモータ80L、80C、80Rの回転シャフトがリール40L、40C、40Rの回転中心となるように取り付けてある。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、CPU106からの駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C、80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行っている。
リール40L、40C及び40Rには、回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)がそれぞれ設けてあり、各回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続してある。各回転角度位置センサから発せられたリール40L、40C及び40Rの回転角度位置を示す信号は、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、フロントパネル20の表示窓20aの位置で停止している図柄を特定する。
さらに、インターフェイス回路102には、接続線118も接続してある。この接続線118によって、主制御回路100に副制御回路200を電気的に接続してある。
<<副制御回路200>>
図5において、上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続してあり、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続してある。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。この入出力バス204を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
上述した入出力バス204には、ROM208及びRAM209も接続してある。ROM208は、表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224を制御する制御プログラムや、この制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、画像表示手段70に表示される種々の演出画像の制御プログラム、ランプ手段21を点灯させるための制御プログラム、スピーカ64からBGMや効果音等の音声を発するための音声データを記憶している。
すなわち、CPU206は、主制御回路100から供給される制御信号に応じてROM208に記憶されている画像、ランプ点灯及び音声に関するデータを読み出し、そのデータを表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224に供給する。これにより、画像表示手段70に演出画像が表示され、ランプ手段21が点灯し、及びスピーカ64から所定の音声が発せられる。
<スロットマシン10の制御処理の説明>
以下に、上述したスロットマシン10の制御手段において行われる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述したスロットマシン10の主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
<<メインルーチンの説明>>
まず、主制御回路100によるメインルーチンの制御処理について、図5を参照しつつ説明する。図5はスロットマシン10の主制御回路100による制御処理のメインルーチンを示すフローチャートである。このメインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
まず、ステップS10において、スロットマシン10が再遊技状態に設定されているか否かを判断する。再遊技状態に設定する処理は、後述するステップS19の入賞判定処理、フラグオフ処理において行われる。
ステップS10において、再遊技状態に設定されていないと判別した場合(NO)には、ステップS11に進み、遊技媒体が投入されたか否かを判断する。遊技媒体が投入されたと判別した場合(YES)は、ステップS15に進み、ベット制御手段400が、投入枚数をRAM110に記憶させてベット数を設定する。
なお、遊技媒体の投入枚数は、遊技媒体投入口38の下部に設置した遊技媒体カウンタにより検出される。また、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入された場合には、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット数としてRAM110に記憶される。
一方、ステップS11において、遊技媒体が投入されていないと判別した場合(NO)は、ステップS12に進み、クレジットされた遊技媒体があるか否かを判断する。クレジットされた遊技媒体があると判別した場合(YES)は、ステップS13に進み、ベットスイッチ34、35又は36のいずれかがオンされたか否かを判断する。ベットスイッチ34、35又は36のいずれかがオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS15に進み、ベット制御手段400が、ベットスイッチ34、35又は36のいずれかの操作信号に基づいてベット数を設定する。
一方、ステップS12でクレジットされた遊技媒体がないと判別した場合(NO)、ステップS13でベットスイッチ34、35、36のいずれもがオンされていないと判別した場合(NO)は、ベット数を設定することができないので、ステップS11〜S13の判断を繰り返す。
ここで、ステップS10に戻り、ベット制御手段400が、再遊技状態に設定されていると判別した場合(YES)は、ステップS14に進み、再遊技状態の設定を解除する。これにより、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費したりすることなく、再遊技を行うことができる。
ステップS14又はS15を経て、ステップS16に進み、スタートスイッチ50がオンされたか否かを判断する。スタートスイッチ50がオンされていないと判別した場合(NO)は、このステップS16の判断を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS17の役抽選処理を実行する。
ステップS17の役抽選処理では、役抽選手段410が、当選した役に応じてBB役フラグ、MB役フラグ、再遊技役フラグ、いずれかの小役フラグをオンにするフラグオン処理が行われる。
次いで、ステップS18に進み、リール変動、停止処理を実行する。このリール変動、停止処理では、リール制御手段420が、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるまでの制御処理を行う。
次いで、ステップS19に進み、入賞判定処理、フラグオフ処理を実行する。この入賞判定処理、フラグオフ処理では、ステップS18のリール変動、停止処理によって停止されたリールの入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行う。
その後、ステップS20に進み、役抽選及び入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応する所定枚数の遊技媒体を払い出す処理が行われる。この遊技媒体の払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。
以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
なお、図5のメインルーチンには示していないが、例えば、遊技媒体の投入の検出、ベットスイッチ34、35、36の押動操作、スタートスイッチ50の傾動操作、ストップスイッチ52L、52C、52Rの押動操作などがあった場合は、各検出又は操作ごとに主制御回路100から副制御回路200へ信号が送信される。また、役抽選の結果や役の入賞等に関する信号も主制御回路100から副制御回路200へ送信される。
<<特別演出制御処理サブルーチン1>>
次に、スロットマシン10にエラーが発生した場合の特別演出制御処理サブルーチン1について、図6を参照しつつ説明する。図6は本発明の第1実施形態に係る特別演出制御処理サブルーチン1の制御処理を示すフローチャートである。
以下に説明する特別演出制御処理サブルーチン1は、主制御回路100からの各種信号に基づいて副制御回路200により実行される。この特別演出制御処理サブルーチン1では、エラーの種類と、このエラーが発生した原因となる遊技履歴とに応じて所定の特別演出を実行し、程度の異なる遊技者の不快感を緩和するようにしてある。
まず、図6のステップS30において、副制御回路200の遊技管理手段550が、主制御回路100からの信号を受信して、遊技履歴を更新する。この主制御回路100からの信号としては、例えば、役抽選手段410からの役抽選の結果、リール制御手段420からの停止図柄の種類、遊技制御手段430からの毎回の単位遊技の遊技結果や現在の遊技状態などを示す種々の信号が含まれる。
次いで、ステップS31に進み、演出制御手段210は、スロットマシン10のエラーが検出されたか否かを判断する。この判断は、主制御回路100のエラー判別手段441から受信した信号の有無に基づいて行われる。ここで、エラー判別手段441からの信号が副制御回路200に受信されると、時間カウント手段560が、エラー発生時を記憶するとともに、エラー状態の継続時間の計測を開始する。
ステップS31において、エラーが検出されていないと判別した場合(NO)は、再びステップS30に戻り、遊技履歴を更新する。一方、エラーが検出されたと判別した場合(YES)は、検出されたエラーの種類を判別する。エラーの種類はエラー判別手段441から受信した信号に基づいて判別される。その後、ステップS33に進み、演出制御手段210は、図8(a)に示すエラーメッセージ71を画像表示手段70に表示させる。
<<<払出メダル満杯エラーの場合>>>
[エラー発生までの通常遊技回数2000回以上]
次いで、ステップS34に進み、演出制御手段210は、ステップS32で判別したエラーの種類が「払出メダル満杯エラー」か否かを判断する。エラーの種類が「払出メダル満杯エラー」である場合(YES)は、ステップS35に進み、演出制御手段210が、エラー発生時までに行われた通常遊技の回数が2000回以上であるか否かを判断する。この判断は、遊技履歴管理手段550の遊技履歴に基づいて行われる。
上述したように、「払出メダル満杯エラー」が生じた場合は、エラー発生時までの遊技で遊技媒体の投入枚数が払出枚数よりも多い状況(遊技者に不利な状況)であったと想定される。そして、2000回以上の遊技を消化しても特別役に入賞することができない状況においてエラーが発生した場合、遊技者の不快感は比較的大きいと考えられる。
ステップS35において、エラー発生時までに行われた通常遊技の回数が2000回以上であると判別した場合(YES)は、ステップS36に進み、現時点でエラーが解消したか否かを判断する。この判断は、主制御回路100のエラー解消検出手段442から受信した信号の有無に基づいて判断される。
ステップS36において、エラーが解消していないと判別した場合(NO)は、このステップS36の判断を繰り返す。一方、エラーが解消したと判別した場合(YES)は、ステップS37に進み、エラーが解消してから所定時間が経過したか否かを判断する。この判断は、時間カウント手段560が、エラー解消検出手段442からの信号を受信したときに開始した時間計測の結果に基づいて判断される。
ステップS37において、エラーが解消してから所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS38に進み、画像制御手段500が、図8(c)に示す特別な2次元コード74を画像表示手段70に表示させる。その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。
遊技者は、ステップS38で表示された2次元コード74を、携帯電話等のカメラ機能で読み取って所定ウェブサイトにアクセスすることで、通常では入手することができない壁紙用の画像データ、着信音データ又は現物の景品などの特典を得ることができる。これにより、2000回以上の遊技を消化しても特別役に入賞することができない状況においてエラーが発生した場合の、比較的大きな不快感を緩和することが可能となる。
[エラー発生までの通常遊技回数1000回以上]
上述したステップS35に戻り、ここでの判断において、演出制御手段210が、エラー発生時までに行われた通常遊技の回数が2000回以上でないと判別した場合(NO)は、ステップS39に進み、エラー発生時までに行われた通常遊技の回数が1000回以上か否かを判断する。1000回以上の遊技を消化しても特別役に入賞することができない状況においてエラーが発生した場合、上述した2000回以上の場合と比較して、遊技者は中程度くらいの不快感を抱くと考えられる。
ステップS39において、エラー発生時までに行われた通常遊技の回数が1000回以下であると判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。一方、1000回以上であると判別した場合(YES)は、ステップS41に進み、図8(b)に示す特別画像72を用いた特別演出を実行する。その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。
遊技者は、エラー状態の継続中に、遊技中に表示されることのない稀少価値ある特別画像72を見ることができ、エラーが解消するまでの間、遊技を中断させられた遊技者の退屈を解消することができる。これにより、1000回以上の遊技を消化しても特別役に入賞することができない状況においてエラーが発生した場合の、比較的中程度の不快感を緩和することが可能となる。
<<<メダルエンプティエラーの場合>>>
上述したステップS34に戻り、ここでの判断において、演出制御手段210が、ステップS32で判別したエラーの種類が「払出メダル満杯エラー」でないと判別した場合(NO)は、ステップS42に進み、エラーの種類が「メダルエンプティエラー」か否か判断する。「メダルエンプティエラー」ではないと判断した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS42において、エラーの種類が「メダルエンプティエラー」であると判別した場合(YES)は、ステップS43に進み、エラー発生時までの所定時間内における特別役の入賞回数が5回以上か否かを判断する。
ここで、エラー発生時までの所定時間内において特別役に連続して入賞していた場合は、遊技媒体の払出枚数が投入枚数よりも極端に多い状況(遊技者に有利な状況)となり、「メダルエンプティエラー」が発生する場合がある。このような状況で「メダルエンプティエラー」が発生しても、遊技者の不快感は比較的小さいか、むしろ遊技媒体の大量獲得を喜んでいる方が多数と考えられる。
ステップS43において、エラー発生時までの所定時間内における特別役の入賞回数が5回以上でないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。一方、エラー発生時までの所定時間内における特別役の入賞回数が5回以上であると判別した場合(YES)は、ステップS44に進み、エラー報知音として、スピーカー64からファンファーレ音を出力し、エラーの発生を報知する。その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。
このように、エラー報知音をファンファーレ音にしてエラーの発生を面白く報知し、エラーの発生に対する遊技者の小さな不快感を緩和したり、又は5回以上も特別役に入賞して遊技媒体を大量獲得した遊技者を祝福することが可能となる。
<<特別演出制御処理サブルーチン2>>
次に、スロットマシン10にエラーが発生した場合の特別演出制御処理サブルーチン2について、図7を参照しつつ説明する。図7は本発明の第2実施形態に係る特別演出制御処理サブルーチン2の制御処理を示すフローチャートである。
以下に説明する特別演出制御処理サブルーチン2では、エラー状態の継続時間を主体とし、これにエラーの種類を加味して所定の特別演出を実行し、程度の異なる遊技者の不快感を緩和するようにしてある。
まず、図7のステップS50において、演出制御手段210は、スロットマシン10のエラーが検出されたか否かを判断する。この判断は、主制御回路100のエラー判別手段441から受信した信号の有無に基づいて行われる。エラーが検出されていないと判別した場合(NO)は、このステップS50の判断を繰り返す。一方、エラーが検出されたと判別した場合(YES)は、ステップS51に進み、時間カウント手段560がエラー状態の継続時間の計測を開始する。そして、ステップS52に進み、演出制御手段210が検出されたエラーの種類を判別した後、ステップS53に進み、エラーの種類に応じて、図8(a)に示すようなエラーメッセージ71を表示させる。
<<<エラー発生後1分が経過した場合>>>
次いで、ステップS54に進み、演出制御手段210が、エラー検出時から1分が経過したか否か判断する。エラー検出時から1分が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS54の判断を繰り返す。
一方、エラー検出時から1分が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS55に進み、現時点でエラーが解消したか否かを判断する。エラーが解消したと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンを終了する。エラーが1分以内に解消した場合は、遊技者の不快感は極めて小さいと考えられ、特別演出により緩和するほどではないからである。
一方、ステップS55において、エラーが解消していないと判別された場合(NO)は、ステップS56に進み、演出制御手段210が、図8(b)に示すような特別画像72を用いた特別演出を実行する。この特別演出は、エラーの種類に関係なく、エラー状態の継続時間が1分を経過したことに基づいて実行される。
<<<エラー発生後3分が経過した場合>>>
次いで、ステップS57に進み、エラー検出時から3分が経過したか否かを判断する。エラー検出時から3分が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS57の判断を繰り返す。
一方、ステップS57において、エラー検出時から3分が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS58に進み、現時点でエラーが解消したか否かを判断する。エラーが解消したと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンを終了する。この場合、遊技者は、エラーが解消するまでの3分以内に、ステップS56の特別画像72を用いた特別演出を見ることができ、エラーが解消するまでに3分以下待たされた遊技者の不快感を緩和することができる。
一方、ステップS58において、エラーが解消していないと判別された場合(NO)は、ステップS59に進み、演出制御手段210は、エラーの種類が「メダルセレクタ関連」か否か判断する。エラーの種類が「メダルセレクタ関連」であると判別した場合(YES)は、ステップS60に進み、演出制御手段210が、図8(b)の特別画像72に特別なBGMやセリフなどの音声を追加した特別演出を実行する。その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。なお、ステップS60で実行する特別演出は、ステップS56で実行した特別演出と連続するもの又は別個のものであってもよい。
ここで、遊技媒体投入口38から投入された遊技媒体を受け付けるメダルセレクタ関連のエラーは、その機械的構造に起因して比較的生じやすいエラーであり、遊技者の不快感も小さいと考えられる。しかし、エラーが解消するまでの待ち時間が長くなれば、遊技者の不快感は大きくなる。このような場合でも、ステップS60において、特別画像72に特別な音声を組み合わせた特別演出を実行することにより、エラーが解消するまでに3分以上待たされた遊技者の不快感を緩和することができる。
<<<エラー発生後5分が経過した場合>>>
一方、上述したステップS59において、エラーの種類が「メダルセレクタ関連」でないと判別した場合(NO)は、ステップS61に進み、エラー検出時から5分が経過したか否かを判断する。エラー検出時から5分が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS61の判断を繰り返す。
一方、ステップS61において、エラー検出時から5分が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS62に進み、現時点でエラーが解消したか否かを判断する。エラーが解消したと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンを終了する。この場合、遊技者は、エラーが解消するまでの5分以内に、ステップS60の特別画像72に特別な音声を組み合わせた特別演出を見ることができ、エラーが解消するまでに5分以下待たされた遊技者の不快感を緩和することができる。
一方、ステップS62において、エラーが解消していないと判別された場合(NO)は、ステップS63に進み、演出制御手段210は、エラーの種類が「メダル払出関連」か否か判断する。エラーの種類が「メダル払出関連」でないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS63において、エラーの種類が「メダル払出関連」であると判別した場合(YES)は、ステップS64に進み、現時点でエラーが解消したか否かを判断する。エラーが解消していないと判別した場合(NO)は、このステップS64の判断を繰り返す。一方、エラーが解消したと判別した場合(YES)は、ステップS65に進み、エラー解消してから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS65の判断を繰り返す。
ステップS65において、エラーが解消してから所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS66に進み、画像制御手段500が、図8(d)に示す特別な特典が与えられる2次元コード74を画像表示手段70に表示させる。その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。
ここで、「払出メダル満杯エラー」や「メダルエンプティエラー」のようなメダル払出関連のエラーは、上述したように、エラー発生時までの遊技媒体の獲得状況に起因して生じることが多い。特に、「払出メダル満杯エラー」は、遊技媒体の投入枚数が払出枚数よりも多い状況(遊技者に不利な状況)に生じるものである。このような状況下において、エラーが解消するまでに5分以上も待たされた遊技者が、極めて大きな不快感を抱く場合があると考えられる。
このような場合でも、エラー検出時から1分経過した時点において、特別画像72を用いた特別演出を実行することで(ステップS56)、遊技者の初期の不快感を緩和することができる。さらに、エラー検出時から5分が経過してしまった場合は、エラーが解消してから所定時間の経過後に、特別な特典が与えられる2次元コード74を表示させることで(ステップS66)、エラーが解消するまでに5分以上も待たされた遊技者の不快感を緩和することが可能となる。
<本スロットマシンの作用・効果>
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、エラーが発生した場合でも、エラーの種類、エラー発生時までの遊技履歴、エラー状態の継続時間(エラーが解消するまでの待ち時間)等に応じた特別演出を実行することで、程度の異なる遊技者の不快感を緩和することが可能となる。
また、遊技者の不快感を緩和する特別演出は、エラーの検出を実行の条件とするので、この特別演出を遊技中には実行されないエラー専用の演出とした場合、エラーの種類やその他の条件によっては実行される確率が極めて低くなり、当該特別演出に「希にしか実行されない」という希少価値を持たせることが可能となる。このような希少価値ある特別演出が実行されることで、エラーの発生を遊技者の利益に転じることができる。
<その他の変更>
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、上記実施形態のようなスロットマシンに限らず、画像表示手段及びエラー検出手段を備えたパチンコなどの種々の遊技機に広く適用することが可能である。また、特別演出を実行するための条件となるエラーの種類、遊技履歴、エラー状態の継続時間は、上記実施形態に例示したものに限らず、遊技機の種類に応じて様々な条件を追加したり、変更したりすることができる。