以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
図1Aないし図1Cを参照して、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1、太陽電池モジュール1b(変形例1)、太陽電池モジュール1c(変形例2)について説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の概略構成を断面状態として示す断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、光を受光する受光面11に対して反対側の裏面12に光起電力を取り出す裏面電極13(図2B、図2C参照)を有する太陽電池セル10と、裏面電極13が接続された配線パターン22(図2B、図2C参照)および光起電力を取り出す取り出しパターン25(図2B、図2C参照)を有するプリント配線板20と、受光面11に対向して配置された透光性基板30と、受光面11と透光性基板30との間を樹脂封止する受光側封止部41と、プリント配線板20に対向して配置された裏面保護基板31と、プリント配線板20と裏面保護基板31との間を樹脂封止する裏側封止部43とを備える。
したがって、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル10の裏面電極13をプリント配線板20に接続して光起電力を取り出すことによって従来用いられていたバスバー(インナーリード/インターコネクタ)の使用を回避することから、バスバーを用いたときに製造工程で生じるバスバーの変形による特性不良、外観不良、信頼性の低下などの従来技術の問題を回避することができるので、生産性、歩留まり、太陽電池セルの接続の信頼性を向上させることができる。
なお、光起電力を取り出す裏面電極13が裏面12に形成された太陽電池セル10は、受光面11に電極を設ける必要がないことから、受光面が全て発電領域として寄与するので、表面に電極が配置された場合に比較して光電変換効率を向上できる。また、太陽電池セル10は、表面に電極を設けずに裏面にのみ電極が形成されていることから裏面電極型太陽電池セルと言われることがある。
また、受光面11側に配置された透光性基板30と裏面12側に配置された裏面保護基板31とで両面を保護することから、光の照射、設置環境などに起因する熱(温度上昇)が引き起こす反りなどの変形の影響を抑制して太陽電池セル10とプリント配線板20との接合に加わるストレスを抑制するので太陽電池セル10とプリント配線板20との間の接続の信頼性が向上する。
また、裏面保護基板31は、透光性基板30と同様、太陽電池セル10が接続されているプリント配線板20に対する裏面保護基板31側からの機械的影響を太陽電池セル10の受光面11側と同様に防止できるので、プリント配線板20に対する外部からの機械的影響を抑制して太陽電池セル10とプリント配線板20との間の接合の信頼性を向上させる。
また、周囲環境に曝される両面(透光性基板30、裏面保護基板31)が基板(固形状態とされた板)で形成されていることから、両面の耐候性、耐外力性が均等化されるので、長期に渡る信頼性を向上させ、また、外装部材(透光性基板30、裏面保護基板31)の形状状態の相違を抑制することになるので、作業性が向上し、コスト低減を図ることができる。
受光側封止部41および裏側封止部43は、太陽電池セル10およびプリント配線板20を透光性基板30と裏面保護基板31の間で樹脂封止する封止部40を構成する。また、透光性基板30、封止部40、裏面保護基板31は、端面が揃えられて外周端面46を形成する。
また、太陽電池モジュール1においては、封止部40(受光側封止部41および裏側封止部43)は、熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、受光側封止部および裏側封止部を熱可塑性樹脂で形成していることから、加工性、機械的強度、耐候性を確保して作業性および信頼性を向上させる。なお、熱可塑性樹脂の中でもアイオノマー樹脂は、キュア工程による長時間の熱処理が不要であり特に好ましい。
本発明における透光性基板30および裏面保護基板31は、例えば同一材料のガラスで形成することができる。なお、同一材料のガラスとは、ガラスの主成分が、二酸化ケイ素(SiO2)であることから、主成分として二酸化ケイ素が含有されていれば良い。つまり、ガラスにおける副成分としての、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化リンなどについてまで同一であることは要しない。また、ガラス板の製造方法についても同一である必要はない。
したがって、例えば、透光性基板30が強化ガラス板であり、裏面保護基板31がフロートガラス板であっても良い。また、透光性基板30が白板ガラスであり、裏面保護基板31が青板ガラスであっても良い。強化ガラスを適用した場合は、機械的強度を更に向上させることができる。
上述したとおり、透光性基板30および裏面保護基板31は、ガラス板であることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、外面を構成する両方の基板(透光性基板30、裏面保護基板31)を平坦性と硬質性に優れるガラス板で形成することから、製造工程における搬送時の衝撃がプリント配線板20、太陽電池セル10に及ぶ影響を抑制するので、製造工程でのプリント配線板20と太陽電池セル10との間での位置ズレなどを防止して作業性および歩留まりを向上させることができる。
また、透光性基板30および裏面保護基板31の両方を強化ガラスとすることによって更に強度を向上することができる。つまり、透光性基板30、裏面保護基板31を形成するガラス板は、強化ガラス板であることが好ましい。したがって、太陽電池モジュール1は、強化ガラス板で両面を形成することから、機械的強度と安全性を確保することができる。
なお、透光性基板30、裏面保護基板31の好ましい例としてガラス板を例示したが、アクリル板、ポリカーボネート板などの透光性樹脂板で構成しても良い。また、透光性基板30をガラス板で形成し、裏面保護基板31を樹脂板(透光性樹脂板)で形成することによって、両面をガラス板とした場合に比べて軽量化を図ることができる。
また、透光性基板30および裏面保護基板31をガラス板で形成した場合、太陽電池モジュール1は、両方のガラス板(透光性基板30および裏面保護基板31)を封止部40(受光側封止部41および裏側封止部43)で接着した構造となることから、耐候性および機械的強度を向上させて信頼性を向上させる。また、機械的強度の向上によって、一般的に外周に配置される枠体が不要となる。
太陽電池モジュール1では、透光性基板30、封止部40(受光側封止部41、裏側封止部43)、および裏面保護基板31は、積層構造体を構成し、それぞれの外周が露出された外周端面46を備える。透光性基板30、封止部40、裏面保護基板31の平面的な寸法を予め調整しておくことによって、外周端面46を揃えることができる。
プリント配線板20は、太陽電池セル10が接続された表面21sと、表面21sの反対側に位置する裏面21rを備える。プリント配線板20の裏面21rには、引き出し導線50が接続されている。つまり、引き出し導線50は、裏面21rに形成された取り出しパターン25(図2B参照)に接続され裏面保護基板31の外側へ延長して配置される。
つまり、太陽電池モジュール1は、プリント配線板20に接続され裏側封止部43および裏面保護基板31を貫通して裏面保護基板31の外側へ導出された引き出し導線50を備える。したがって、太陽電池モジュール1は、裏側封止部43および裏面保護基板31を貫通して外側へ導出された引き出し導線50を備えることから、簡易な構造で太陽電池セル10の光起電力を取り出すことができる。
なお、引き出し導線50は、裏側封止部43に開口された封止開口部45、裏面保護基板31に開口された基板開口部32を貫通させた状態で引き出される。
太陽電池モジュール1は、裏面保護基板31に固定されて引き出し導線50を覆う端子ボックス58を備えることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、引き出し導線50を覆う端子ボックス58を裏面保護基板31に固定していることから、引き出し導線50を確実に固定できるので、接続の信頼性を確保することができる。
また、引き出し導線50は、適宜の端子板(不図示)を介して出力ケーブル55に接続され、引き出し導線50と出力ケーブル55との接続部分、および、引き出し導線50は、耐環境性を考慮して端子ボックス58で保護されている。なお、端子ボックス58の内側は、封止樹脂が充填されて封止樹脂部59が形成されている。
図1Bは、本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュール1b(変形例1)の概略構成を断面状態として示す断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1b(変形例1)の基本的な構成は、太陽電池モジュール1(図1A)の構成と同様であるので、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
太陽電池モジュール1bは、太陽電池モジュール1と同様に外周端面46を備える。つまり、太陽電池モジュール1bにおいては、透光性基板30、受光側封止部41、裏側封止部43、および裏面保護基板31のそれぞれの外周が露出された外周端面46と、外周端面46を被覆する被覆部47とを備えていることが好ましい。
この構成によって、太陽電池モジュール1bは、透光性基板30、受光側封止部41、裏側封止部43、および裏面保護基板31の露出した外周端面46が被覆部47で覆われていることから、透光性基板30、受光側封止部41、裏側封止部43、および裏面保護基板31の積層構造の外周端面46を密封するので、耐候性、耐久性、および信頼性を向上させる。
なお、被覆部47は、例えば、ゴム系(ブチルゴムなど)やアクリル系の粘着材・粘着テープなど、一般的に用いられるシール材で形成される。
図1Cは、本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュール1c(変形例2)の概略構成を断面状態として示す断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1c(変形例2)の基本的な構成は、太陽電池モジュール1(図1A)の構成と同様であるので、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
太陽電池モジュール1cは、端子ボックス58の代わりに補強部材56によって出力ケーブル55を固定している。つまり、太陽電池モジュール1cは、プリント配線板20に接続され裏側封止部43および裏面保護基板31を貫通して裏面保護基板31の外側へ導出された引き出し導線50を備える。したがって、太陽電池モジュール1cは、裏側封止部43および裏面保護基板31を貫通して外側へ導出された引き出し導線50を備えることから、簡易な構造で太陽電池セル10の光起電力を信頼性良く取り出すことができる。
なお、引き出し導線50には、出力ケーブル55が接続され、出力ケーブル55は、裏面保護基板31の外側へ導出された引き出し導線50の周囲に配置された補強部材56に固定され、機械的強度を確保している。補強部材56は、引き出し導線50の周囲で、裏面保護基板31の外側に接着されている。
また、補強部材56の周囲、および、引き出し導線50と出力ケーブル55との接続部分は、適宜の封止樹脂で形成された封止樹脂部59によって被覆されていることから十分な機械的強度と耐候性を確保することができる。
<実施の形態2>
図2Aないし図2Nを参照して、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1(実施の形態1)の製造方法について説明する。なお、本実施の形態では、完成前の状態を含めて太陽電池モジュール1とする。
図2Aは、本発明の実施の形態2に係る太陽電池モジュール1の製造方法における太陽電池セル10とプリント配線板20との関係を断面状態で示す工程断面図である。
太陽電池セル10とプリント配線板20とは、相互に接続される。なお、接続状態の詳細は、図2B、図2Cで説明する。
太陽電池セル10は、受光面11および裏面12を備え、裏面12には、光起電力を出力する裏面電極13(図2B参照)が形成されている。太陽電池セル10としては、例えば、多結晶、あるいは単結晶で形成されたシリコン半導体基板を適用することができる。内部構造としてのpn接合などは、周知であるので説明を省略する。また、太陽電池セル10の内部構造はどのような形態のものであっても適用が可能である。
プリント配線板20としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミドおよびエチレンビニルアセテートなどの樹脂で形成された可撓性を有するフィルムとすることが好ましい。
つまり、プリント配線板20は、可撓性配線板であることが好ましく、太陽電池モジュール1は、プリント配線板20に対して太陽電池セル10を確実に接続し、また、プリント配線板20に対して裏側封止部43を隙間なく形成(充填)することから、太陽電池セル10のプリント配線板20に対する接続の信頼性を向上させ、プリント配線板20の耐湿性を向上させるので、信頼性が向上する。
なお、プリント配線板20として、可撓性配線板の他に、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板等の可撓性を有しない基板を用いることもできる。
図2Bは、図2Aに示した太陽電池セル10とプリント配線板20とが接続される前の位置決めしたときの断面状態を拡大して示す拡大工程断面図である。
図2Cは、図2Bに示した位置決め状態の後、太陽電池セル10とプリント配線板20とを接続したときの断面状態を示す工程断面図である。
太陽電池セル10の裏面12は、裏面電極13を備える。裏面電極13は、第1極性(例えばp型)を有する第1電極14、および第2極性(例えばn型)を有する第2電極15で構成されている。
プリント配線板20は、絶縁性基板21の表面21sに形成された配線パターン22を備え、また、絶縁性基板21の裏面21rに形成された取り出しパターン25を備える。
配線パターン22は、第1配線パターン23および第2配線パターン24を備え、第1配線パターン23は、第1電極14に接続され、第2配線パターン24は、第2電極15に接続される。なお、第1配線パターン23および第2配線パターン24は、必要に応じた適宜のパターン配置とされ、太陽電池セル10を直列あるいは並列に接続して所望の光起電力を取り出す構成とされている。
取り出しパターン25は、引き出し導線50に接続される(図2K、図2L参照)。したがって、取り出しパターン25は、裏面21rの側に配置されている。取り出しパターン25は、例えば絶縁性基板21に形成された貫通穴(貫通導体)を介して配線パターン22に接続されても良く、また、絶縁性基板21を折り曲げて実質的に裏面21rの側に配線パターン22の一部を配置する形態とされても良い。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、太陽電池セル10(裏面電極13)は、プリント配線板20(配線パターン22)に位置決めされ、接続される工程を備える。プリント配線板20に対する太陽電池セル10の位置決めは、例えば、適宜のアライメントマークをプリント配線板20に形成し、太陽電池セル10の裏面を高精度にプリント配線板20が有するアライメントマークに位置決めすることによってなされる。
なお、太陽電池セル10のハンドリングは、例えばアームロボットなどを適用して自動的にかつ高精度に行うことができる。また、相互の位置決めは、適宜のマウンタ装置を適用して行われるので詳細な説明は省略する。
裏面電極13と配線パターン22との接続は、例えば、導電性ペースト、あるいは半田ペーストなどを裏面電極13に塗布(あるいは印刷など)し、裏面電極13を配線パターン22に位置合わせして重ねることによって施される。
太陽電池セル10(裏面電極13)は、例えば、マウンタ装置が有するロボットアームによって基板状態で搬送され、プリント配線板20に位置決めされてプリント配線板20(配線パターン22)に接続される。
なお、裏面電極13は、例えば銀で形成され、配線パターン22は、絶縁性基板21に例えば銅箔を接着し、パターニングすることによって形成される。絶縁性基板21は、上述したとおり、可撓性の絶縁性フィルムであることが好ましい。
絶縁性基板21は、電気絶縁性を有する材質であれば特に限定なく用いることができる。絶縁性基板21は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyetylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyetylene naphthalate)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Polyphenylene sulfide)、ポリビニルフルオライド(PVF:Polyvinyl fluoride)、およびポリイミド(Polyimide)などの樹脂のいずれかを用いて形成される。
また、絶縁性基板21の厚さは、特に限定されず、例えば、25μmないし150μm程度とすることができる。なお、絶縁性基板21は、1層のみからなる単層構造であっても良く、2層以上からなる複数層構造であっても良い。
配線パターン22および取り出しパターン25は、導電性を有する材質であれば良い。配線パターン22、取り出しパターン25は、例えば、銅、アルミニウム、銀などの金属のいずれかを用いて形成される。
また、配線パターン22の厚さは、特に限定されず、例えば、10μmないし50μm程度とすることができる。太陽電池セル10の出力が大きくなり大容量の電流を流す必要があるときは、適宜の厚さと幅を確保して電流容量を大きくすることができる。
図2Dは、本発明の実施の形態2に係る太陽電池モジュール1の製造方法における太陽電池セル10、プリント配線板20、裏側封止部材44、裏面保護基板31を積層したときの断面状態を示す工程断面図である。
図2Eは、図2Dに示した裏面保護基板31の平面状態を示す平面図である。
まず、裏面保護基板31に裏側封止部材44を載置する。つまり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、裏側封止部43を形成する裏側封止部材44を裏面保護基板31に載置する工程を備える。なお、裏側封止部材44が粘着性を有する場合は、裏側封止部材44は、裏面保護基板31に粘着される。
裏面保護基板31には、基板開口部32が予め形成されている。また、裏側封止部材44には、封止開口部45が予め形成されている。基板開口部32および封止開口部45は、相互に位置合わせされる。なお、裏側封止部材44が裏面保護基板31に対して粘着されている場合は、粘着後に基板開口部32、封止開口部45を形成することも可能である。
裏面保護基板31に載置された裏側封止部材44に対して、太陽電池セル10が接続されたプリント配線板20が載置される。つまり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、太陽電池セル10が接続されたプリント配線板20を裏側封止部材44に載置する工程を備える。なお、裏側封止部材44が粘着性を有する場合は、裏面保護基板31と裏側封止部材44が粘着し、また、裏側封止部材44とプリント配線板20が粘着して相互に粘着(仮接着)された状態の中間積層体SS(図4A参照。なお、図4Aでは、中間積層体SSは反転されている。)が形成される。
裏側封止部材44は、熱可塑性樹脂(特には、アイオノマー樹脂)であることが好ましい。具体的には、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂などのいずれかが適用される。これらの合成樹脂は、加工性、機械的強度、耐候性を確保して太陽電池モジュール1の信頼性を向上させる。
裏側封止部材44は、太陽電池セル10、プリント配線板20の裏面側に配置されることから、透光性は要求されない。裏側封止部材44が太陽電池セル10の色調に合わせた色彩であれば、太陽電池セル10に対する裏側封止部材44の存在感を抑制して外観性(デザイン性)の良い太陽電池モジュール1とすることができる。
図2Fは、図2Dに示した状態の後、太陽電池セル10に受光側封止部材42を載置した断面状態を示す工程断面図である。
太陽電池セル10に受光側封止部材42が配置される。受光側封止部材42は、太陽光に対する透光性が必須条件であり、その他は、裏側封止部材44と同様の封止特性を満たせば良い。
したがって、受光側封止部材42は、裏側封止部材44と同様に、熱可塑性樹脂(特には、アイオノマー樹脂)であることが好ましい。具体的には、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム系樹脂などのいずれかが適用される。これらの合成樹脂は、加工性、機械的強度、耐候性を確保して太陽電池モジュール1の信頼性を向上させる。
図2Gは、図2Fに示した状態の後、受光側封止部材42に透光性基板30を載置した断面状態を示す工程断面図である。
受光側封止部材42に重ねて透光性基板30が載置される。つまり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、受光側封止部41を形成する受光側封止部材42と受光側封止部材42に重なる透光性基板30とを太陽電池セル10に載置する工程を備える。
本実施の形態に係る製造方法では、製造工程を経てきた太陽電池セル10、裏面保護基板31に対して透光性基板30を後に組み立てるので透光性基板30が工程上で処理される期間を短縮し、透光性基板30が作業工程で露出する期間を短縮するので透光性基板30の清浄度を維持できるので透光性基板30の不良原因を抑制して作業歩留まりを向上させる。
なお、透光性基板30、裏面保護基板31の板厚は、平面形状とのバランス、強度などを考慮して決定される。例えば、ガラス板の場合、平面形状が1m×1.5m程度であれば、板厚は数mmないし5mm程度とされる。両方の板厚を合計すれば5mmないし10mm程度となり、これらが封止部40によって接着されていることから屋外構造物として必要な強度を確保することができる。
図2Hは、図2Gに示した積層状態に対してラミネート処理を施したときの断面状態を示す工程断面図である。
相互に重ねられた裏面保護基板31、裏側封止部材44(ラミネート処理によって変成し裏側封止部43を形成する。)、太陽電池セル10が接続されたプリント配線板20、受光側封止部材42(ラミネート処理によって変成し受光側封止部41を形成する。)、および透光性基板30がラミネート装置60に導入される。つまり、積層された状態の裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、太陽電池セル10、受光側封止部材42、透光性基板30を加熱載置台61に載置する。
ラミネート装置60を動作させることによって、裏側封止部材44を軟化させて裏側封止部43に変成し、また、受光側封止部材42を軟化させて受光側封止部41に変成する。つまり、加熱載置台61の温度を調整して裏側封止部材44および裏側封止部43を軟化させた状態で押圧膜部62によって大気圧以上の圧力を裏面保護基板31と透光性基板30との間に印加する(ラミネート処理)。ラミネート処理によって、軟化した受光側封止部材42および裏側封止部材44を透光性基板30と裏面保護基板31との間の隙間に充填し、封止部40が形成(硬化)される。
ラミネート処理工程では、基板開口部32、封止開口部45の開口状態が維持されるようにラミネート加工を施す。なお、剥離性の良い剥離部材を基板開口部32および封止開口部45に予め充填しておき、ラミネート終了後に剥離部材を剥離して貫通路(基板開口部32、封止開口部45)を再現しても良い。
また、ラミネート処理の後、受光側封止部材42、裏側封止部材44を構成する樹脂の種類に応じて必要なキュア工程を設ける。つまり、長時間の熱処理によって架橋反応を進行させ受光側封止部材42および裏側封止部材44を硬化(キュア)させる。なお、アイオノマー樹脂のように優れた熱硬化性を備える合成樹脂の場合は、ラミネート工程のみで十分に硬化することから、長時間のキュア工程は不要となる利点がある。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、相互に重ねられた裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、太陽電池セル10、受光側封止部材42、および透光性基板30に対してラミネート処理を施す工程を備える。
図2Jは、図2Hに示したラミネート処理を施した後、裏面保護基板31を垂直方向で上向きとして基板開口部32を露出させたときの断面状態を示す工程断面図である。
ラミネート処理によって積層構造体とされた透光性基板30、受光側封止部41、太陽電池セル10、プリント配線板20、裏側封止部43、裏面保護基板31を垂直方向の上下で反転し、基板開口部32(封止開口部45)が開口された裏面保護基板31(裏側封止部43)を上向きに配置し、基板開口部32および封止開口部45を露出させる。
図2Kは、図2Jに示した状態の後、基板開口部32を介してプリント配線板20に引き出し導線50を接続したときの断面状態を示す工程断面図である。
図2Lは、図2Kに示した引き出し導線50を接続したときの断面状態を拡大して示す拡大工程断面図である。
例えば半田26などを利用してプリント配線板20の裏側(裏面21r)に配置(形成)され、太陽電池セル10の光起電力を取り出す取り出しパターン25に引き出し導線50を接続する。引き出し導線50は、少なくとも2本接続され、一方が第1極性であり、他方が第2極性とされる。引き出し導線50は、次の工程(図2M参照)で、端子ボックス58の内側に端子を有する出力ケーブル55に接続されることから、裏面保護基板31に対して垂直方向へ導出される。
本実施の形態では、絶縁性基板21(プリント配線板20)の裏面21rに取り出しパターン25を形成した場合を例示したが、絶縁性基板21を例えば端部で折り曲げて、表面21sに形成された配線パターン22の端部を取り出しパターン25として機能させても良い。
なお、本実施の形態では、引き出し導線50を取り出しパターン25に接続する場合を例示したが、取り出しパターン25に予め引き出し導線50を接続しておき、予め接続された引き出し導線50を引き起こすことによって、引き出し導線50を外部へ導出することも可能である。また、取り出しパターン25自体を延長リードとしてパターニングし引き出し導線50の代わりに外部へ導出させることも可能である。
図2Mは、端子ボックス58を裏面保護基板31に配置し、図2Kに示した引き出し導線50に出力ケーブル55を接続したときの断面状態を示す工程断面図である。
端子ボックス58が裏面保護基板31に配置される。引き出し導線50は、端子ボックス58の内側に配置される。端子ボックス58は、位置決めされた後、端子ボックス58の周囲で裏面保護基板31に滴下されたシーリング材によって接着される。あるいは、端子ボックス58は、両面テープなどを介して裏面保護基板31に接着されても良い。
端子ボックス58が裏面保護基板31に固定された後、引き出し導線50は、端子ボックス58の内側に配置されて出力ケーブル55の端子が接続される端子板(不図示)に接続される。
引き出し導線50と出力ケーブル55とが接続された後、端子ボックス58は、封止樹脂部59(図1A参照)を形成する封止樹脂が充填され、太陽電池モジュール1は、完成状態となる(図1A参照)。
図2Nは、本発明の実施の形態2に係る製造方法によって製造した太陽電池モジュール1に対する試験での状態を模式的に示す工程断面図である。
擬似太陽光源SUNより擬似太陽光を太陽電池モジュール1に照射して、太陽電池モジュール1の出力電圧を出力電圧測定器65によって測定する。測定電圧の大きさに応じて適宜のランク分けがなされる。また、ランク分けに応じて、梱包、搬出が実行される。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、光を受光する受光面11に対して反対側の裏面12に光起電力を取り出す裏面電極13を有する太陽電池セル10と、裏面電極13が接続された配線パターン22および光起電力を取り出す取り出しパターン25を有するプリント配線板20と、受光面11に対向して配置された透光性基板30と、受光面11と透光性基板30との間を樹脂封止する受光側封止部41と、プリント配線板20に対向して配置された裏面保護基板31と、プリント配線板20と裏面保護基板31との間を樹脂封止する裏側封止部43とを備える太陽電池モジュール1の製造方法である。
太陽電池モジュール1の製造方法は、裏側封止部43を形成する裏側封止部材44を裏面保護基板31に載置する工程(図2D)と、太陽電池セル10が接続されたプリント配線板20を裏側封止部材44に載置する工程(図2Aないし図2C、図2D)と、受光側封止部41を形成する受光側封止部材42と受光側封止部材42に重なる透光性基板30とを太陽電池セル10に載置する工程(図2F、図2G)と、相互に重ねられた裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、太陽電池セル10、受光側封止部材42、および透光性基板30に対してラミネート処理を施す工程(図2H)とを備える。
したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、裏側保護基板、受光側封止部材42、太陽電池セル10が接続されたプリント配線板20、受光側封止部材42、透光性基板30を相互に重ねた状態でラミネート処理を施すことから、太陽電池セル10とプリント配線板20との間での位置ズレを抑制するので、作業性良く、信頼性の高い安定した太陽電池モジュール1を製造することができる。
<実施の形態3>
図3Aないし図4Bを参照して、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1(実施の形態1)の製造方法について説明する。なお、本実施の形態は、実施の形態2の変形例(変形例3、変形例4)であり、図3Aないし図3Cが、変形例3に係り、図4A、図4Bが、変形例4に係る。したがって、実施の形態2に係る太陽電池モジュール1の製造方法に対して主に異なる事項について説明する。
図3Aは、本発明の実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)におけるプリント配線板20、裏側封止部材44、裏面保護基板31の配置関係を断面状態で示す工程断面図である。
図3Bは、図3Aに示した状態の後、プリント配線板20に太陽電池セル10を接続したときの断面状態を示す工程断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)では、裏面保護基板31および裏側封止部材44に対してプリント配線板20を載置する場合、太陽電池セル10が接続されていない状態のプリント配線板20を載置する(図3A)。
つまり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)は、裏側封止部43を形成する裏側封止部材44を裏面保護基板31に載置する工程と、太陽電池セル10が接続されるプリント配線板20(つまり、太陽電池セル10が接続される前のプリント配線板20)を受光側封止部材42に載置する工程とを備える。
すなわち、先に裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20(太陽電池セル10の接続前)を位置合わせして重ねておき、裏側封止部材44およびプリント配線板20を載置した状態の裏面保護基板31をマウンタ装置(不図示)に搬送し、その後、太陽電池セル10をプリント配線板20に接続する(図3B)。
本実施の形態(図3A、図3B)では、プリント配線板20に対する太陽電池セル10の位置合わせの精度が向上する(プリント配線板20の波打ちによる位置合わせ不良を抑えられる)。
つまり、(1)太陽電池セル10に比較して軽量である裏側封止部材44、プリント配線板20を先に重ねるので位置合わせしやすいこと、(2)プリント配線板20が裏面保護基板31に安定して載置された状態となっていることからプリント配線板20に太陽電池セル10を接続した後、製造工程で太陽電池セル10を搬送するときの太陽電池セル10のずれを防止できること、(3)マウンタ装置のステージ(一般的に金属性のステージ)に比較して裏面保護基板31(例えばガラス基板)の方が高い平坦性を有することなどの理由によってプリント配線板20に対して太陽電池セル10を高精度に接続できる。
また、以降の工程では、太陽電池セル10およびプリント配線板20は、裏面保護基板31(例えば、硬質のガラス基板)の上に戴置されて搬送されるので、搬送時の衝撃がプリント配線板20、太陽電池セル10に伝わりにくくなりずれの発生が抑制されるなどの利点がある。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)では、裏面保護基板31および裏側封止部材44に重ねられた状態のプリント配線板20(配線パターン22。図2B、図2C参照)に太陽電池セル10(裏面電極13。図2B、図2C参照)が接続される。
なお、裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20を積層するとき、裏側封止部材44を例えば粘着性の樹脂として、裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20を互いに粘着(仮接着)させることが可能であり、粘着状態とした場合は、プリント配線板20に太陽電池セル10を接続して中間積層体SS(変形例4:図4A参照)を形成し、変形例4(図4A)の状態へ移行することができる。
図3Cは、図3Bに示した状態の後、太陽電池セル10に受光側封止部材42、透光性基板30を載置したときの断面状態を示す工程断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)では、裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20に重ねられた太陽電池セル10に受光側封止部材42、透光性基板30を載置して、実施の形態2(図2G)の状態とする。
以降の工程は、実施の形態2と同様である。また、その他の工程は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)は、光を受光する受光面11に対して反対側の裏面12に光起電力を取り出す裏面電極13を有する太陽電池セル10と、裏面電極13が接続された配線パターン22および光起電力を取り出す取り出しパターン25を有するプリント配線板20と、受光面11に対向して配置された透光性基板30と、受光面11と透光性基板30との間を樹脂封止する受光側封止部41と、プリント配線板20に対向して配置された裏面保護基板31と、プリント配線板20と裏面保護基板31との間を樹脂封止する裏側封止部43とを備える太陽電池モジュール1の製造方法である。
また、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)は、裏側封止部43を形成する裏側封止部材44を裏面保護基板31に載置する工程と、太陽電池セル10が接続されるプリント配線板20を裏側封止部材44に載置する工程と、太陽電池セル10の裏面電極13(図2B、図2C参照)をプリント配線板20が有する配線パターン22(図2B、図2C参照)に位置合わせして接続する工程と、受光側封止部41を形成する受光側封止部材42と受光側封止部材42に重なる透光性基板30とを太陽電池セル10に載置する工程と、相互に重ねられた裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、太陽電池セル10、受光側封止部材42、および透光性基板30に対してラミネート処理を施す工程(図2H参照)とを備える。
したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例3)は、裏側保護基板、受光側封止部材42、プリント配線板20、プリント配線板20の配線パターン22に裏面電極13が位置合わせされた太陽電池セル10、受光側封止部材42、透光性基板30を相互に重ねた状態でラミネート処理を施すことから、太陽電池セル10とプリント配線板20との間での位置ズレを抑制するので、作業性良く、信頼性の高い安定した太陽電池モジュール1を製造することができる。
図4Aは、本発明の実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)における透光性基板30、受光側封止部材42に太陽電池セル10を向けて位置決めしたときの断面状態を示す工程断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)では、実施の形態2(図2D)あるいは図3B(変形例3)に示した裏面保護基板31、裏面保護基板31に載置された裏側封止部材44、裏側封止部材44に載置されたプリント配線板20が、相互に粘着(仮接着)された状態とされている。つまり、裏側封止部材44は、粘着性を有し、裏面保護基板31およびプリント配線板20に粘着されている。また、太陽電池セル10は、プリント配線板20に接続され、中間積層体SS(積層体)を構成している。
中間積層体SSは、図2Dあるいは図3Bに示した工程の段階では、垂直方向で下側から順に裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、太陽電池セル10が配置されている。中間積層体SSは、裏側封止部材44が粘着性を有することから、垂直方向で反転された場合、下から順に太陽電池セル10、プリント配線板20、裏側封止部材44、裏面保護基板31が配置された中間積層体SSとなる。
つまり、基板開口部32、封止開口部45が露出した状態として以降の工程での処理が可能となる。したがって、基板開口部32および封止開口部45の状態を確認することが容易となり、基板開口部32および封止開口部45の開口状態を精度良く制御できるので、引き出し導線50の接続を容易に行うことができる。
また、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、受光側封止部41を形成する受光側封止部材42を透光性基板30に載置する工程を別途備える。
つまり、図4Aにおける工程は、透光性基板30および受光側封止部材42に対して中間積層体SSが載置される直前の位置決めされた状態を示す。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)では、裏側封止部43を形成する裏側封止部材44を裏面保護基板31に粘着する工程と、太陽電池セル10が接続された(あるいは、太陽電池セル10が接続される)プリント配線板20を裏側封止部材44に粘着する工程とを備える。つまり、裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、太陽電池セル10が相互に積層(粘着、接続)された中間積層体SSが形成される。
図4Bは、図4Aに示した状態の後、太陽電池セル10を受光側封止部材42に載置したときの断面状態を示す工程断面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)では、相互に重ねられた裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、および太陽電池セル10が含まれる積層体(中間積層体SS)を受光側封止部材42に載置する工程を備える。
つまり、本実施の形態では、太陽電池モジュール1は、実施の形態2(図2G)を反転させた状態とされる。その他の工程は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)は、光を受光する受光面11に対して反対側の裏面12に光起電力を取り出す裏面電極13を有する太陽電池セル10と、裏面電極13が接続された配線パターン22および光起電力を取り出す取り出しパターン25を有するプリント配線板20と、受光面11に対向して配置された透光性基板30と、受光面11と透光性基板30との間を樹脂封止する受光側封止部41と、プリント配線板20に対向して配置された裏面保護基板31と、プリント配線板20と裏面保護基板31との間を樹脂封止する裏側封止部43とを備える太陽電池モジュール1の製造方法である。
また、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)は、裏側封止部43を形成する裏側封止部材44を裏面保護基板31に粘着する工程と、プリント配線板20を裏側封止部材44に粘着する工程と、プリント配線板20を裏側封止部材44に粘着する工程と、太陽電池セル10をプリント配線板20に接続する工程と、受光側封止部41を形成する受光側封止部材42を透光性基板30に載置する工程と、相互に重ねられた裏面保護基板31、裏側封止部材44、プリント配線板20、および太陽電池セル10が含まれる積層体(中間積層体SS)を受光側封止部材42に載置する工程と、相互に重ねられた透光性基板30、受光側封止部材42、太陽電池セル10、プリント配線板20、裏側封止部材44、および裏面保護基板31に対してラミネート処理を施す工程(図2H参照)とを備える。
したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法(変形例4)は、透光性基板30、受光側封止部材42、太陽電池セル10が接続されたプリント配線板20、受光側封止部材42、および裏面保護基板31を相互に重ねた状態でラミネート処理を施すことから、太陽電池セル10とプリント配線板20との間での位置ズレを抑制するので、作業性良く、信頼性の高い安定した太陽電池モジュール1を製造することができる。
なお、プリント配線板20への太陽電池セル10の接続は、プリント配線板20を裏側封止部材44に粘着する前後のいずれにおいても行うことが可能である。つまり、裏側封止部材44に粘着されるプリント配線板20は、予め太陽電池セル10が接続された状態でも、あるいは太陽電池セル10が接続されない状態のいずれの場合でも適用される。
以上、実施の形態1ないし実施の形態3に基づいて太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法について説明したが、各実施の形態は、矛盾の生じない範囲で相互に適用可能である。