JP2013142968A - タッチパネル用部材、座標検出装置、およびタッチパネル用部材の製造方法 - Google Patents

タッチパネル用部材、座標検出装置、およびタッチパネル用部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属材料より構成され、反射率が低く可視化が抑制され、透明基材又はITOに対する密着性が良好で、且つ、単層形成可能な導電部を有するタッチパネル電極を備えるタッチパネル用部材、これを用いる座標検出装置、上記部材の製造方法を提供する。
【解決手段】操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル部材において、第一透明パッド部9と第一導電部10を有する第一電極部7と、第二透明パッド部11と第二導電部12を有する第二電極部8とを含み、第一導電部および第二導電部の少なくとも一方を金属導電部とし、金属導電部を、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル用部材、座標検出装置、およびタッチパネル用部材の製造方法に関するものである。
近年、所謂タッチパネルと呼称される座標検出装置は、携帯電話、携帯音楽再生装置などのポータブルデバイス、自動販売機、パーソナルコンピュータの画面などを種々の技術分野において搭載機種が増加している。
座標検出装置は、透明基材上に操作領域と非操作領域とを有し、操作領域への接触操作または接触に近い操作により座標位置を検出可能とするものである。検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、光学方式、超音波表面弾性方式など様々であり、使用の目的や搭載されるデバイスの種類などによって適宜選択することができる。特に、静電容量方式、抵抗膜方式などの、透明基板上に電極を備えるタッチパネル用部材を利用した座標検出装置は、幅広い用途を有する。
タッチパネル用の電極は、主として操作領域内に設けられるという事情から透明導電材料で形成されることが一般的であり、例えば、ITO(Indiumu Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminium Zinc Oxide)などの透明導電膜が汎用される。タッチパネル用電極として汎用される電極のパターンとしては、例えば、図9に示すタッチパネル用部材100に示される積層の電極パターンがよく知られている。図9に示すタッチパネル用部材100は、基材101上に、y軸方向に配列される複数の第一透明パッド部102が形成されており、配列方向に隣り合う第一透明パッド部102間には両者を導電させるための第一導電部103が設けられている。一連の第一透明パッド部102と第一導電部103とにより、1つの第一電極部106が形成され、図9では、第一電極部106がx軸方向に、5つ設けられている。そして、図示省略する絶縁性膜を所定の領域に有して、x軸方向に配列される複数の第二透明パッド部104が形成されており、配列方向に隣り合う第二透明パッド部104間には両者を導電させるための第二導電部105が設けられている。一連の第二透明パッド部104と第二導電部105とにより、1つの第二電極部107が形成され、図9では、第二電極部107がy軸方向に、5つ設けられている。また、第一電極部106、第二電極部107の一方側の端部には、それぞれ電気的に接続される取り出し配線108、109が設けられている。尚、第一透明パッド部102、第一導電部103、第二透明パッド部104、第二導電部105は、いずれも透明導電材料で形成されている。
図9に示す電極パターンは、積層される第一電極部106と第二電極部107とが、第一導電部103と第二導電部105とで交差しており、積層される電極部の交差部の面積が小さいという特徴を有している。第一電極部106と第二電極部107との間には絶縁性膜が設けられているものの、交差部の面積を小さくすることで、より絶縁信頼性を向上させることができる。ただしこのような態様では、電極部の導電方向に対し略垂直方向に切断した際の断面積を考えた時、導電部は透明パッド部に比べ、断面積が小さくなるため、どうしても導電部における抵抗値が高くなるという課題を有していた。
これに対し、導電部の少なくとも一部を銀合金などで形成し、抵抗値を改善させる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、静電容量型入力装置において、透明基板上の第1方向に隣り合って配設される複数の第1透明導電膜と、該第1透明導電膜を電気的に接続する導電部材と、で構成される複数の第一の電極パターンと、上記第1方向と交差する第2の方向に隣り合って配設される複数の第2透明導電膜と、該複数の第2透明導電膜と連続して形成されると共に上記導電部材と交差する位置に配設される接続部と、で構成される複数の第二の電極パターンを備えるタッチパネル用電極が開示されている(以下、「従来技術1」ともいう)。従来技術1は、上記導電部材を透明導電膜より抵抗値の小さい金属材料で形成することにより、第一の電極パターン、第二の電極パターンのいずれかの抵抗値を小さくし、もって消費電力を削減することが試みられている。特許文献1には、導電部材を構成する金属材料として、銀、銀合金、銅、銅合金、MAM等が用いられて良いことが記載されている。また、これらの金属材料を用いて導電部材を形成する際に、該導電部材の反射率を低下させ操作者から視認させ難くするためには、導電部材の線幅を規定の寸法とするか、あるいは、金属層と金属酸化物層とを交互に積層させる構成を採用することが提案されている。
WO2010/15068
しかしながら、従来、導電部を形成するための金属材料として使用が試みられている、銀、銀合金、銅、銅合金、MAM(MoもしくはMo合金/AlもしくはAl合金/MoもしくはMo合金の3層構造化合物)は、それぞれ課題があり、改善が求められていた。
即ち、銀/パラジウム/銅合金(APC)に代表される銀合金、あるいは銀は、反射率が高く、充分な抵抗値を示す範囲で導電部の線幅を小さくしても、操作者から視認されてしまう虞があった。
また、銅、銅合金は、反射率の観点では銀合金より優れ、銀、銀合金あるいはMAMに比べて部材コストも安い点で望ましいが、透明基材やITOに対する密着性が望ましくなく、タッチパネル用部材の製造工程途中において剥離が発見される場合があり、製造歩留まりを下げるという問題があった。
MAMは、反射率、および透明基材あるいはITOに対する密着性は良好であるが、3層構造を形成しなくてはならないため、形成工程の増加、製造コストの増大をもたらし問題であった。
以上のとおり、従来のタッチパネル用部材における電極は、一方方向に整列する複数の透明パッド部と、隣り合う透明パッド部間を繋いで導電する導電部との構成を含む電極パターンを採用するタッチパネル用部材において、改善された導電部を備えるタッチパネル用部材の提供が求められていた。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、より具体的には、金属材料より構成された導電部であって、反射率が低く可視化が抑制され、透明基材あるいはITOに対する密着性が良好であり、且つ、単層形成可能な導電部を有するタッチパネル電極を備えるタッチパネル用部材、上記タッチパネル用部材を用いる座標検出装置、および上記タッチパネル用部材の製造方法を提案するものである。
本発明は、
(1)透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、
上記操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備え、
上記電極部は、第一の方向を配列方向として整列する複数の独立する第一透明パッド部と、第一の配列方向において隣り合う第一透明パッド部間を導電するための第一導電部を有して構成される第一電極部と、第二の方向を配列方向として整列する複数の独立する第二透明パッド部と、第二の配列方向において隣り合う第二透明パッド部間を導電するための第二導電部を有して構成される第二電極部とを含み、
上記第一電極部と第二電極部とは、上記第一導電部と上記第二導電部とにおいて交差しており、該第一導電部と該第二導電部との間に絶縁性膜が設けられており、
上記第一導電部および上記第二導電部の少なくとも一方が、金属導電部であり、
上記金属導電部は、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えることを特徴とするタッチパネル用部材、
(2)透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、
上記操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備え、
上記電極部は、第一の方向を配列方向として整列する複数の独立する透明パッド部と、上記配列方向において隣り合う透明パッド部間を導電するための金属導電部を有して構成されるものとを含み、
上記金属導電部は、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えることを特徴とするタッチパネル用部材、
(3)上記非操作領域に、上記電極部と電気的に接続される取り出し配線が設けられており、
上記取り出し配線は、上記金属導電部に含まれる銅および銅以外の添加金属と同じ金属を含み、上記金属濃度勾配領域と上記銅高濃度領域と、を備えることを特徴とする上記(1)または(2)のいずれかに記載のタッチパネル用部材、
(4)透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、
上記操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備え、
上記電極部は、第一の方向を配列方向とした複数の独立する第一透明パッド部と、第一の配列方向において隣り合う第一透明パッド部間を導電するための第一導電部を有して構成される第一電極部と、第二の方向を配列方向とした複数の独立する第二透明パッド部と、第二の配列方向において隣り合う第二透明パッド部間を導電するための第二導電部を有して構成される第二電極部とを含み、
上記第一電極部と第二電極部とは、上記第一導電部と上記第二導電部とにおいて交差しており、該第一導電部と該第二導電部との間に絶縁性膜が設けられており、
上記第一導電部および上記第二導電部の少なくとも一方が、金属導電部であり、
上記金属導電部は、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えるタッチパネル用部材と、
上記タッチパネル用部材の操作領域において接触操作の行われた位置情報が電気信号として出力された際に、該電気信号を検出する検出回路と、
上記検出回路において検出された電気信号から上記接触操作の行なわれた位置の座標を算出する座標算出用演算回路と、を備えることを特徴とする座標検出装置、
(5)透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、上記操作領域内において複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備えるタッチパネル用部材の製造方法において、
規定の方向を配列方向として整列する複数の透明パッド部を形成する透明パッド部形成工程と、
上記配列方向において隣り合う透明パッド部間を導電させるための金属導電部を形成する金属導電部形成工程と、
を任意の順に実施し、透明パッド部と金属導電部を備える電極部を形成する工程を含み、
上記金属導電部形成工程は、銅と銅以外の添加金属を含む銅合金材料を用いて所定のパターンで金属導電部パターンを形成し、その後、上記金属導電部パターン中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を該金属導電部の外周面側に移行させる加熱処理を行うことにより、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて上記銅の濃度が増大し、且つ、上記添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域を形成することを特徴とするタッチパネル用部材製造方法、
(6)非操作領域において、上記金属導電部形成工程において用いられる銅合金材料と同じ材料を用いて所定のパターンで取り出し配線パターンを形成し、その後、上記取り出し配線パターン中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を該取り出し配線部パターンの外周面側に移行させる加熱処理を行うことによって、取り出し配線の外周面から内部方向に向けて上記銅の濃度が増大し、且つ、上記添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域を形成する取り出し配線形成工程を有し、
上記取り出し配線工程と上記金属導電部形成工程とが同時に実施されることを特徴とする上記(5)に記載のタッチパネル用部材製造方法、
を要旨とするものである。
本発明のタッチパネル用部材は、金属導電部における反射率が低く、操作者からの可視が抑制される。また上記金属導電部は、透明基材およびITO等の導電性膜に対する密着性も良好である上、銅単体の抵抗値に近い抵抗値を示すことが可能である。
したがって、上記タッチパネル用部材を用いる本発明の座標装置は、操作者側からの金属導電部の可視化が抑制され優れた視認性を提供することが可能である。また上記金属導電部における良好な密着性および優れた抵抗値が、座標検出装置においても好ましく反映されうる。
また、本発明のタッチパネル用部材製造方法は、銅合金材料を用い、金属導電部パターンを形成した後、加熱処理を行うことによって、金属導電部パターン中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を該金属導電部の外周面側に移行させ、これによって金属導電部を完成することができる。
本発明のタッチパネル用部材の一実施態様を示す部分上面図である。 (A)は、図1のA−A断面図であり、(B)は、図1のB−B断面図である。 第一導電部10の内部の状態を説明する概念図である。 本発明のタッチパネル用部材の一実施態様を示す部分上面図である。 (A)は、図4のA−A断面図であり、(B)は、図4のB−B断面図である。 本発明の座標検出装置の動作の流れの一実施態様を説明するための説明図である。 本発明のタッチパネル用部材製造方法の一実施態様における工程図である。 本発明のタッチパネル用部材を液晶表示装置に搭載したタッチパネル付き表示装置の一実施態様を説明するための説明図である。 従来のタッチパネル用部材における積層電極を示す上面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、タッチパネル用部材、タッチパネル用部材の使用態様の例、座標検出装置、タッチパネル用部材の製造方法の順に、図面を用いて説明する。尚、以下に示す図面は、図示容易化および理解のし易さのために便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比率等を、実際の数値に対し変更して示す場合がある。
タッチパネル用部材:
[実施態様1]
図1に示すタッチパネル用部材1は、本発明のタッチパネル用部材の一実施態様を示す、部分上面図である。タッチパネル用部材1は、透明基材2の一方側の面に破線で区画される操作領域3と非操作領域4を備える。操作領域は、タッチパネル用部材において、使用者が接触操作または接触に近い動作により操作することによって、接触または接触に近い動作があった位置を検出可能とされる領域であり、上面視上、第一電極部7および第二電極部8が設けられている領域である。一方、非操作領域4は、接触による検出はなされない領域であって、一般的には、操作領域3の周囲に位置するよう設計され、額縁領域と称される態様が汎用であるが、これに限定されない。非操作領域4には、本発明において任意の構成である、取出し配線6が設けられている。尚、操作領域3内に、取出し配線6の一部が入り込む態様、あるいは非操作領域4に第一電極部7および第二電極部8の一部が入り込む態様を、本発明は除外するものでなく、視認性、使用性、などを勘案して、適宜設計されてよい。
透明基材2は、タッチパネル用部材の基材として使用可能な基材から適宜選択されてよい。具体的な例としては、光透過性のガラス基材、あるいは光透過性であって、シート、フィルム、板、膜などの概念を含む樹脂より構成される基材を用いることができる。ガラス基材を選択することにより、タッチパネル用部材強度が高くなり、また加熱温度などの製造条件の設定範囲を広くすることが可能である。一方、樹脂より構成される基材を選択することにより、タッチパネル用部材の軽量化が図られ、またタッチパネル用部材にフレキシブル性も付加可能である。
尚、本発明において、「透明」「透明性」という場合には、特段の断りがない限り、タッチパネル用部材の操作者が、操作面からの視認を妨げない程度の透明性をいう。したがって、無色透明および、視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で適宜されず、タッチパネル用部材の用途等に応じて、透過性の度合いを決定することができる。
タッチパネル用部材1は、x軸方向に整列する複数の第一電極部7と、y軸方向に整列する複数の第二電極部8とを含んで構成されるタッチパネル用電極を備える。第一電極部7は、y軸方向を配列方向とした複数の独立する第一透明パッド部9と、y軸方向の配列方向において隣り合う第一透明パッド部9間を導電するための第一導電部10を有して構成される。一方、第二電極部8は、x軸方向を配列方向とした複数の独立する第二透明パッド部11と、x軸方向の配列方向において隣り合う第二透明パッド部11間を導電するための第二導電部12を有して構成される。第一電極部7と第二電極部8とは、第一導電部10および第二導電部12において上面視上、互いに交差しており、少なくとも第一導電部10と第二導電部12との間には、第一電極部7と第二電極部8とを絶縁可能とする絶縁性膜13が設けられている。
第一導電部10、第二導電部12は、いずれもパッド部間において細状のライン形状にて形成されており、これに対し、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11は、いずれも第一導電部10、第二導電部12の線幅を超えて、膨出した形状にて形成されている。このようにパッド部を導電部に対し膨出させた形状とすることにより、検出電極の感知面をより大きく確保することができ、また、互いに交差する第一導電部10および第二導電部12を細状のライン形状とすることにより、交差面積を小さくし、互いの絶縁性をより確実に確保することができる。
図2(A)は、図1のA−A断面図、図2(B)は、図1のB−B断面図である。図2(A)に示されるように、第一導電部10と第二導電部12とは、絶縁性膜13を介して形成されており、これによって、第一導電部10と第二導電部12とで交差する、第一電極部7と第二電極部8との絶縁が図られている。交差している部分に着眼すると、タッチパネル用部材1では透明基材2側から、第二導電部12、絶縁性膜13、第一導電部10の順に積層されている。ただし、タッチパネル用部材1に設けられる絶縁性膜13は、複数の第一電極部7における第一透明パッド部9および第二電極部8全体を概略覆って広範に設けられているかかる態様の場合には、図2(B)に示すように、第一透明パッド部9と第一導電部10とが電気的に接続可能となるように、絶縁性膜13の適所に導電用ホール14を設け、導電用ホール14を介して、第一透明パッド部9と第一導電部10とを接続してよい。尚、図1では、第一電極部7と第二電極部8とが略垂直に交差する例を示したが、第一電極部7と第二電極部8との交差角度は、垂直を外れる任意の角度で交差してもよい。
絶縁性膜13は、タッチパネル用部材1に求められる光透過性を妨げず、且つ、絶縁性を示す材料あるいは部材を適宜選択して形成することができる。より具体的には、光透過性のアクリル樹脂、シロキサン樹脂、特には感光性シロキサン樹脂などが絶縁性膜13の構成材料として好ましく選択されるが、これに限定されない。絶縁性層6の厚みは、特に限定されないが、一般的には、0.5μm以上3.0μm未満の厚さで形成される。絶縁性膜13の形成方法は、特に限定されないが、透明性の紫外線硬化性樹脂、あるいは透明性の熱硬化性樹脂などを形成材料として適宜選択し、これを用いて、スピンコート法などの任意の塗布方法により該形成材料を基材面に塗布し、その後、フォトリソグラフィ手法によりパターニング形成する方法、あるいは、スクリーン印刷などの印刷方法等により形成する方法を挙げることができるが、これに限定されない。また、絶縁性を示し、適当な光透過性、且つ、光学等方性を示すフィルムやシートなどを所望の形状に加工し、絶縁性膜として所定の基材面に積層させることも可能である。
実施態様1において、第一透明パッド部9および第二透明パッド部11は、透明性を有する透明導電材料から形成することができ、例えば、ITO(Indiumu Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminium Zinc Oxide)などの透明導電膜を所定の位置に形成することによって、第一透明パッド部9および第二透明パッド部11とすることができる。形成方法は特に限定されず、例えば、フォトリソグラフィ手法、スプレー熱分解法、スパッタリング法等の透明導電膜の形成方法として知られる種々の手法に倣って形成してよい。第一透明パッド部9および第二透明パッド部11の基板面に対する法線方向の厚みは、特に限定されないが、一般的には、タッチパネル部材の用いられるデバイスの大きさも勘案し、10〜200nm程度に調製されてよい。
第二導電部12は、第二透明パッド部11間に設けられることによって、これらを導電可能とし、且つ、タッチパネル用部材の操作者から視認され難いよう構成される範囲において、その形成材料および形成方法を特に限定されない。一般的には、第二透明パッド部11と同様の材料を用い、第二透明パッド部11を形成する際に、同一工程において第二導電部12も形成されてよい。図1では、第二透明パッド部11と第二導電部12とは、ラインで区画して図示したが、このように同様の材料を用い、同一工程で第二透明パッド部11と第二導電部12とが形成された場合には、両者は、実質的には一層の透明導電膜として示される。
図2に示されるように、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11および第二導電部12は、いずれも透明基材12上において、同一面上に設けられており、これらを同じ材料から形成する態様では、1つの製造工程において、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11および第二導電部12をパターニングすることにより同時に形成可能であり、製造工程を短縮する上で有利である。
第一導電部10は、金属を含んで形成される金属導電部である。金属導電部である第一導電部10は、銅および銅以外の添加金属を含む。
銅は、抵抗値が低く、且つ、安価な導電性金属であり、第一導電部10の構成部材の主体として存在することが好ましい。銅を主体とする第一導電部10は、反射率が低い傾向にあり、従来、導電部として汎用されていた銀合金であるAPCに比べても、充分に低い反射率を示し得る。したがって、操作領域3内において、不透明の金属部材からなる第一導電部10が形成される本発明において、不可視化層などを備えずとも、操作者から第一導電部10が視認し難いという優れた点を有する。不可視化層を備えない実施態様1では、付加的な層を積層するための工程が省略され、また部材の厚み方向の寸法も小さく抑えることができる。ただし、上述は、実施態様1において第一導電部10に関する不可視化層を任意で設けることを禁止する趣旨ではなく、タッチパネル部材に求められる仕様によって不可視化の徹底を図るために不可視化層を設けてもよい。いずれの場合においても、操作者からの第一導電部10の可視が抑制されるため、優れた視認性が提供される。
一方、添加金属は、銅以外のものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜選択可能であるが、特には、マンガン、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、インジウム、亜鉛およびマグネシウムの少なくともいずれかが添加金属として含まれることによって、後述する第一導電部10の特徴的な内部構成が得られ易く、その結果、優れた効果を充分に発揮可能であるため好ましい。第一導電部10における銅、および銅以外の添加金属の含有比率は特に限定されないが、上述のとおり銅を主体とすることが好ましく、第一導電部10に含まれる全金属を100at.%としたときに、銅の含有量を90at.%以上99.9at.%未満とし、添加金属が0.1at.%以上10at.%以下の範囲で含有されることが望ましい。より好ましくは0.5at.%以上4at.%以下の範囲で含有されていることが望ましい。添加金属が、0.1at.%以上であることにより、金属濃度勾配層17(図3参照)が形成され、且つ、後述する優れた効果を充分に発揮可能であり、一方、10at.%以下に添加金属の含有量を抑えることによって第一導電部10内における銅の充分な含有量を確保することができ、優れた抵抗値が確保される。第一導電部10を含む、本発明における金属導電部において、銅および銅以外の添加金属の配合比率は、タッチパネル部材から金属導電部を採取し、一般的な金属合金の分析方法に採取された金属導電部を供することにより測定することができる。より具体的な例としては、X線光電子分光法(XPS)のデプスプロファイルを行うことにより、金属導電部に含まれる銅および銅以外の添加金属の配合比率を測定する方法が挙げられる。
第一導電部10は、その内部においてに、銅と、銅以外の添加金属とが均等に存在するのではなく、特徴的な配置構造を有する。その特徴的な配置構造を説明するため、第一透明パッド部9上に下面が接し、上面が露出する第一導電部10の一部分に関し、その内部の状態を説明するための概念図を図3として示す。尚、ここでいう上下は、図2にて示す断面図において、透明基材2を下側として決定される上下方向を意味する。
図3において参照される第一導電部10は、白丸で示される銅材料15と、黒丸で示される添加金属材料16を含んで構成される。第一導電部10は、銅材料15と添加金属材料16とが均等に混合された状態でこれらを含有するのではなく、第一導電部10の外周面から内部方向に向けて、銅材料15の濃度が増大し、且つ、添加金属材料16の濃度が減少する金属濃度勾配領域17と、金属濃度勾配領域17に連続し、添加金属材料16の濃度が極小となり、銅材料15の濃度が金属濃度勾配領域17中の銅材料15より濃度の高い銅高濃度領域18とを備えることを特徴とする。即ち、銅高濃度領域18とは、金属濃度勾配領域17において示される外周面から内部方向に向けての銅濃度の増大傾向が実質的に終了し、高い銅濃度が示される領域であってよく、ここにおいていう添加金属材料16の濃度の「極小」とは、限定的な数値範囲に特定されるものではないが、金属濃度勾配領域17における添加金属材料16の濃度よりも小さい濃度が示され、上述する高い銅濃度中において0at.%を超えて僅かに添加金属材料16が含有されることを示す。銅高濃度領域18における導電性を良好にするという観点からは、例えば銅高濃度領域18における添加金属材料16の濃度は、銅濃度に対し、1at.%以下、さらには、0.1at.%以下であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、第一導電部10における添加金属材料16の総量などにより異なってよい。
上記特徴を備えることによれば、第一導電部10は、以下の優れた効果が発揮される。即ち、第一導電部10は、銅高濃度領域18を有することから、少なくとも銅高濃度領域18において抵抗値が低く良好な導電が実現される。銅高濃度領域18は、第一導電部10内において、添加金属材料16の濃度が極小となる領域であるため、銅配線に近い抵抗値が示され得る。
尚、本発明のタッチパネル部材における金属導電部は、上述のとおり、金属濃度勾配領域と、該金属濃度勾配領域に連続する銅高濃度領域とを備えるが、このときの「連続」とは、金属濃度勾配領域と銅高濃度領域とが、界面を有する二層から構成されるのではなく、実質的に一層として認識され、当該一層の内部にて金属濃度の勾配が観察されるものであることを意味する。あるいは、金属濃度勾配領域と銅高濃度領域とは、隣り合う二つの独立の構成部分ではなく、実質的に一つの構成部分であって、当該一つの構成部分の内部にて金属濃度の勾配が観察されるものであることを意味する。
従来の銅単体からなる配線は、抵抗値は小さく、コストも安いという長所を有するものの、酸化され易い、即ち、錆びやすいという問題点を有していた。また銅単体からなる配線は、ガラスやフィルムなどの透明基材やITOなど導電性膜に対する密着性が充分ではなく、透明基材や導電性膜上に銅配線を形成する場合に、形成工程中あるいは形成後において銅配線の剥離が生じる場合があり、製造歩留まりを低下させるという問題を有していた。また銅合金からなる配線は、銅単体からなる配線と同様に酸化され易い、透明基材や導電性膜に対する密着性が充分でないという課題を有することに加え、抵抗値も高いものであった。したがって、銅単体、あるいは銅合金によって形成される配線を、タッチパネル用部材における導電部として応用することは、実質的に不利であるか、あるいは困難であった。
これに対し、第一導電部10は、銅高濃度領域18の外側に金属濃度勾配領域17が存在するために、上述する銅単体、あるいは銅合金から形成される配線の有する課題を解決可能とした。
即ち、金属濃度勾配領域17は、第一導電部10の外周面に近いほど、添加金属材料16の濃度が高く、これによって、銅高濃度領域18に集中する銅材料15の酸化を効果的に防止する役割を担う(以下、単に「酸化防止効果」ともいう)。ここで、第一導電部10を含む、本発明における金属導電部の外周面とは、金属導電部の側面全面または側面の任意の領域を意味し、タッチパネル部材に備わる他の層または構成に接している側面および露出している側面のいずれか一方または両方を含みうる。また、第一透明パッド部9と銅高濃度領域18との間に金属濃度勾配領域17が存在することにより、銅材料を主体とする第一導電部10の第一透明パッド部9に対する密着性が改善される(以下、単に「密着性向上効果」ともいう)。上記密着性向上効果は、第一導電部10が透明基材上に形成された場合でも同様に発揮される。したがって、第一導電部10が形成された後の製造工程において、第一透明パッド部9からの剥離が生じ難く、製造歩留まりの低下に対する改善が図られている。
尚、添加金属材料16は、金属単体、金属酸化物のいずれの状態であってもよく、また金属単体と金属酸化物とが混合していてもよいが、大半の添加金属材料16が金属酸化物の状態であるか、あるいは、実質的に全ての添加金属材料16が金属酸化物の状態であるとき、特に、上記酸化防止効果が良好に発揮される傾向にある。
第一導電部10は、単層において金属濃度勾配領域17と銅高濃度領域18とを備える点にも有利な点を有する。即ち、従来のMAMのように、複数層によって構成される配線は、反射率が低いなどの優れた点を示しうるものの、複数層を形成するための複数の形成工程を必要とし、製造コストも高くなる傾向にある等の問題があった。また、配線構造において金属層に金属酸化層を積層させて低反射を実現することを提案する技術もあるが、同様に、複数層を形成するための複数の形成工程を必要とし、製造コストも高くなる傾向にある等の問題があった。これに対し、第一導電部10は、金属濃度勾配領域17と銅高濃度領域18とを備えるものの、これらが単層の内部において存在するため、複数層を形成する手間やコストが不要である。したがって、本発明における第一導電部10は、MAMなどの複数構成の導電部と比較し、製造工程上のメリットも有する。尚、第一導電部10を単層として形成する形成方法の詳細は、後述する。
第一導電部10は、基材面に対し法線方向の厚みについて特に限定されないが、一般的には、10nm〜500nm程度で形成されてよい。また、第一導電部10における金属濃度勾配領域17および銅高濃度領域18の、基材面に対し法線方向の厚みの比率についても、特に限定されない。ただし、第一導電部10が第一電極部7の導電の一部を担っていることから鑑みれば、金属濃度勾配領域17の存在により酸化防止効果および密着性向上効果が良好に得られる範囲内において、銅高濃度領域18の厚みが大きいことが好ましく、例えば、図3に示す一方側の金属濃度勾配領域17の厚みを1としたときに、銅高濃度領域18の厚みは、90〜98程度の比率であることが望ましい。金属導電部に含有される添加金属の濃度が小さい場合ほど、銅高濃度領域の厚みを大きくすることが可能であり、金属導電部に含有される添加金属濃度が0.1at%以下の場合には、例えば金属濃度勾配領域17の厚みを1とし、銅高濃度領域18の厚みは、98を上回る比率とすることも可能である。また、図3に示す上面側の金属濃度勾配領域17と、下面側の金属濃度勾配領域17とは、同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであってもよい。
取り出し配線6は、タッチパネル用電極を構成する第一電極部7および第二電極部8と、外部回路間において電気的流通を可能とする配線であり、通常、タッチパネル用電極からの電流を外部に取り出すための配線として設けられる。また、図示省略するが、取出し配線6の操作領域3側とは反対側の端部には、外部回路との接続ために、配線幅より大きい寸法の外部回路接続領域が設けられてもよい。
取出し配線6は、主として非操作領域4に形成されるため、取出し配線を構成するための材料は、導電性の材料であって、光透過性の有無は問わない。具体的には、高い導電性を有する銀、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金などを例示することができる。金属合金としては、APC、すなわち銀・パラジウム・銅合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)なども適用可能である。取出し配線6の形成方法は、一般的には、スクリーン印刷などの印刷方法あるいは、フォトリソグラフィ手法などを挙げることができるがこれに限定されない。取出し配線6の厚みは、形成方法としてフォトリソグラフィ手法が採用される場合には、一般的には、10nm〜500nm程度、幅寸法は、一般的には、5μm〜200μm程度に形成することができ、スクリーン印刷などの印刷により形成する場合には、厚みは、一般的には、5μm〜20μm程度、幅寸法は、一般的には、20μm〜300μm程度に形成することができる。ただし、上述は、本発明における配線部を何ら限定するものではない。
本発明の好ましい態様の1つとして、取出し配線6が、上述する第一導電部10と同様の材料で、同様の層構成で形成されていてもよい。即ち、取り出し配線6は、金属導電部である第一導電部10に含まれる銅および銅以外の添加金属と同じ金属を含み、金属濃度勾配領域17と銅高濃度領域18とを備えるよう構成されていてもよい。これによれば、第一導電部10で発揮される優れた抵抗値、酸化防止効果、密着性向上効果、望ましいコストパフォーマンスなどが、取出し配線6においても発揮されるため好ましい。取出し配線6と第一導電部10とを、同じ材料を用いて、一度の工程によりパターニングにより形成することもでき、製造工程の短縮化、製造コストの低下にさらに貢献可能である。尚、取出し配線6と第一導電部10とを同時に形成する製造方法の詳細については、後述する。
[実施態様1’]
本発明の実施態様1’は、特段の図示は行わないが、上述する実施態様1における第二導電部12の代わりに、第一導電部10と同様に金属導電部で形成されている第二導電部12’を備えること以外は、図1〜図3を用いて説明するタッチパネル用部材1と同様に実施されるタッチパネル用部材の態様である。即ち、本発明の実施態様1’における第二導電部12’は、第一導電部10に含まれる銅および銅以外の添加金属と同じ金属を含み、金属濃度勾配領域17と銅高濃度領域18とを備えるよう構成されていてもよい。これによれば、第一導電部10で発揮される優れた抵抗値、酸化防止効果、密着性向上効果、望ましいコストパフォーマンスなどが、第二導電部12’においても発揮されるため好ましい。反射率についても、透明導電材料により形成される第二導電部12よりはやや高くなるものの、操作者からは充分に不可視化可能であることも、第一導電部10と同様である。第一導電部10および第二導電部12’のいずれをも、金属導電部とすることによって、細状のライン形状であるこれら導電部における抵抗値を充分に小さくすることができ、実施態様1’における消費電力量の低下が促進される。第一導電部10と第二導電部12’との間にも、実施態様1と同様に絶縁性膜13が設けられる必要がある。したがって、第一導電部10と第二導電部12’とは、同一の材料で形成されながらも、一つの工程において同時に形成することはできない。したがって、例えば、透明基材2上に、まず、第一透明パッド部9と第二透明パッド部11を一つの工程において同時に形成し、次いで第二導電部12’を金属導電部として形成し、次いで、絶縁性膜13を設け、その後に、第一導電部10を金属導電部として形成するという工程順で、実施態様1’を製造可能である。尚、実施態様1’においては、任意で取出し配線6を、第一導電部10あるいは第二導電部12’のいずれかを形成する際に、導電部と同じ材料で同時に形成してもよい。
[実施態様2]
図4は、本発明のタッチパネル用部材の実施態様の1つを示すタッチパネル用部材21の部分上面図である。タッチパネル用部材21は、透明基材2の一方側の面に、操作領域3と非操作領域4を備える点において、図1に示すタッチパネル用部材1と同様である。また、透明基材2は、タッチパネル用部材1において説明したものと同様のものを用いることができるため、ここでは説明を割愛する。
タッチパネル用部材21は、x軸方向に整列する複数の第一電極部7’と、y軸方向に整列する複数の第二電極部8’とを含んで構成されるタッチパネル用電極を備える。第一電極部7’は、y軸方向を配列方向とした複数の独立する第一透明パッド部9と、y軸方向の配列方向において隣り合う第一透明パッド部9間を導電するための第一導電部10’を有して構成される。一方、第二電極部8’は、x軸方向を配列方向とした複数の独立する第二透明パッド部11と、x軸方向の配列方向において隣り合う第二透明パッド部11間を導電するための第二導電部12’を有して構成される。第一電極部7’と第二電極部8’とは、第一導電部10’および第二導電部12’において上面視上、互いに交差しており、第一導電部10’と第二導電部12’との間には、第一電極部7’と第二電極部8’とを絶縁可能とする絶縁性膜22が設けられている。
第一導電部10’、第二導電部12’は、細状のライン形状にて形成されていること、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11が、上記ライン形状の線幅を超えて、膨出した形状にて形成されている点およびその効果は、タッチパネル用部材1と同様である。
図5(A)は、図4のA−A断面図、図5(B)は、図4のB−B断面図である。図5(A)に示されるように、第一導電部10’と第二導電部12’とは、絶縁性膜22を介して形成されており、これによって、第一導電部10’と第二導電部12’とで交差する、第一電極部7’と第二電極部8’との絶縁が図られている。交差している部分に着眼すると、タッチパネル用部材21では透明基材2側から、第一導電部10’、絶縁性膜22、第二導電部12’の順に積層されている。絶縁性膜22は、複数の第一電極部7’および第二電極部8’の交差部分に選択的にパターニングされている。かかる態様の場合には、図5(B)に示すように、第一透明パッド部9と第一導電部10’とは、絶縁性膜22の外縁外側において、導電可能となるように接続されてよい。タッチパネル用部材21については、一部の構成部材の積層形成順および絶縁性膜の形成パターンが異なる他は、用いられる部材や形成方法、膜厚などについて、タッチパネル用部材1に関する説明を適宜参照することができる。
タッチパネル用部材21における第一導電部10’は、透明パッド部などの透明導電膜の形成に先んじて透明基材2上に設けられている点で、タッチパネル用部材1とは異なる積層態様を示す。本発明のタッチパネル用部材は、このように透明基材2上に直接または間接に第一導電部10’が設けられ、その後に、第二導電部12’、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11が設けられてなる態様を含む。かかる態様の場合には、例えば、透明基材2上に、まず、第一導電部10’と取出し配線6を同一の銅合金材料を用いて同時にパターニングして形成し、次いで絶縁性膜22を形成した後、第二導電部12、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11を同一の透明導電材料を用いて形成してもよい。
第一導電部10’は、上述する第一導電部10と同様に、銅および銅以外の添加金属を含む金属導電部であって、図3に示す、金属濃度勾配領域17および銅高濃度領域18を同様に備える。
タッチパネル用部材21の上面視上、第一導電部10’の少なくとも一部は、第二導電部12’および絶縁性膜22に覆われているが、第二導電部12’および絶縁性膜22は一般的に透明性の材料で形成されるため、これらは第一導電部10’の不可視化には関与しない。しかし第一導電部10’が、上述する第一導電部10と同様の金属導電部であるため、低い反射率を示し、操作者から不可視化が図られている。また、第一導電部10’においても、上記酸化防止効果、および上記密着性向上効果が発揮される。特に、銅単体、あるいは銅合金で構成される導電部、あるいは配線をガラスなどの透明基材上に直接形成すると、密着性不良による剥離の傾向が強く問題であったが、第一導電部10’は、金属高度勾配領域17面が透明基材との接面となっており、銅単体、あるいは銅合金で構成される導電部、あるいは配線と比較し、優れた密着性を示す。また、第一導電部10’と、これに電気的に接続される第一透明パッド部9との密着性も良好である。
タッチパネル用部材21における取出し配線6は、第一導電部10’と同じ銅合金材料を用いて同一工程で形成されもよく、この結果、タッチパネル用部材21の製造工程を短縮することができ、また、形成された取り出し配線6は良好な抵抗値、酸化防止効果、透明基材2に対する密着性向上効果を示すため好ましい。ただし、取出し配線6と第一導電部10’とを同じ銅合金材料を用いて同時に形成するか否かは本発明のタッチパネル用部材において任意であり、実施態様2は、第一導電部10’との形成工程とは異なる形成工程あるいは異なる銅合金材料で形成された取出し配線6を包含する。
[実施態様3]
本発明のタッチパネル用部材の別の実施態様としては、例えば、図9に示す、従来のタッチパネル用部材におけるタッチパネル電極の積層パターンにおいて、第一導電部103および第二導電部107の少なくとも一方を、上述する第一導電部10と同様に、銅および銅以外の添加金属を含む電極部であって、図3を用いて説明される金属濃度勾配領域および銅高濃度領域とを備える金属導電部とする態様を含む。上記態様では、金属導電部に変更された第一導電部103および第二導電部107の少なくとも一方において優れた抵抗値が示され、しかも、操作者からの不可視化も図られる。
以上に説明する本発明のタッチパネル用部材の実施態様1〜3は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。本発明は、種々の形式、あるいはパターンで構成されるタッチパネル用電極を備えるタッチパネル用部材に適用可能である。また、実施態様1〜3において説明する事項は、本発明のタッチパネル用部材の主たる構成を中心に説明するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲おいて、さらに異なる構成や層がタッチパネル用部材に付加されてもよい。例えば透明基材2上に、透明基材2と他の層との密着性を向上させるための下地層を予め設けてもよい。また、タッチパネル用部材1、21の透明基材2とは反対側面は操作面となるため保護層やカバーガラスなどを設けてもよい。
本発明は、少なくとも、タッチパネル用電極を構成する電極部として、第一の方向を配列方向として整列する複数の独立する透明パッド部と、上記配列方向において隣り合う透明パッド部間を導電するための導電部を有して構成されたものを含むタッチパネル用部材に関し、上記導電部を、銅および銅以外の添加金属を含む金属導電部とし、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えるよう構成することとにより、上記金属導電部の低反射化、低抵抗値か、酸化防止、密着性向上を図ることができる。
本発明のタッチパネル用部材の使用態様:
次に、本発明のタッチパネル用部材を表示装置に搭載した使用例について説明する。
図8は、本発明の使用態様の一例であって、本発明のタッチパネル用部材1を静電容量式タッチパネル用部材として液晶表示装置に搭載してなるタッチパネル付き液晶表示装置30を説明するための説明図である。尚、本説明では、液晶表示装置を例に本発明のタッチパネル用部材の使用の例を説明するが、本発明のタッチパネル用部材は、有機EL表示装置などのその他の表示装置にも適宜搭載して入力装置として実施可能である。
タッチパネル用部材1は、液晶表示パネルを構成する液晶表示基板31の表示面側に搭載され、これによってタッチパネル付き液晶表示基板32が構成される。タッチパネル付き液晶表示基板32に対し図8紙面後方には、液晶表示対向基板33が位置しており、両基板が対向して固定されて液晶表示パネルをなしている。
タッチパネル付き液晶表示基板32の表示面(操作面)34は、アクティブ領域35と非アクティブ領域36とを備え、アクティブ領域35は、タッチパネル用部材1の操作領域と概略一致し、また非アクティブ領域36はタッチパネル用部材1の非操作領域と概略一致している。
タッチパネル用部材1の非操作領域には、フレキシブルプリント回路(FPC)などの回路37が取り付けられており、これによってタッチパネル用部材1における取出し配線の端部、一般的には、取出し配線の端部に設けられた外部回路接続領域と回路37の配線とが接続されている。FPCの取り付けは、一般的には異方導電性フィルムなどを挟んで、FPCとタッチパネル用部材1の非操作領域とを熱圧着することにより行うことができるが、これに限定されない。またFPCなどの配線部材を用いずに金属銅線を用いても接続可能である。回路37は、直接または間接に入力情報処理部40に接続されている。入力情報処理部40は、タッチパネル用駆動回路41を含むタッチパネル用プリント基板42を備え、指などの導体によりアクティブ領域35において接触あるいは接触に近い状態で操作がなされた場合に、その操作位置を検出し得るよう構成されている。
一方、液晶表示装置を駆動させるために、タッチパネル付き液晶表示基板32と液晶表示対向基板33との間の適切な位置に、FPCなどの回路43が接続される。回路43は、直接または間接に、映像情報処理部44に接続されている。映像情報処理部44は、映像情報に基づき液晶表示(画素表示)を制御するための液晶駆動回路45を含む液晶表示用プリント基板46を備え、該映像情報に基づく映像をアクティブ領域35に表示するよう駆動する。
映像情報処理部44および入力情報処理部40は、タッチパネル付き液晶表示装置30の駆動を制御する制御部と理解することができる。入力情報処理部40と映像情報処理部44とは接続されており、入力情報処理部40において得られた入力情報を映像情報処理部44に送信し、入力情報に基づいた映像情報を作成し、当該映像情報に基づいた映像を、表示領域に表示することもできる。
座標検出装置:
次に本発明の座標検出装置について説明する。本発明の座標検出装置は、上述する本発明のタッチパネル用部材と、上記タッチパネル用部材の操作領域において接触操作の行われた位置情報が電気信号として出力された際に、該電気信号を検出する検出回路と、上記検出回路において検出された電気信号から上記接触操作の行なわれた位置の座標を算出する座標算出用演算回路とを備えることを基本構成とする。尚、本発明の座標検出装置に関し、「接触操作」とは、指など操作体が、接触領域に直接に接触してなす操作と、接触領域に接触に近い状態まで接近して行う操作のいずれも含む。
本発明の座標検出装置は、本発明のタッチパネル用部材を備える。上述のとおり、本発明のタッチパネル用部材は、透明パッド部と透明パッド部間を導電する導電部を有する電極部を備え、上記導電部が、特定の金属導電体であるものを含む。当該金属導電体は、金属、特には銅を含むために低抵抗が実現される上、反射率が低く操作者からの不可視化が該金属導電体自体で図られている。したがって、このタッチパネル用部材を備える、本発明の座標検出装置は、タッチパネル用部材の優れた効果が反映され、金属導電部の低抵抗化により低消費電力化が期待され、また不可視化の測られた金属導電部に関し操作面における視認性にも優れる。
本発明の座標検出装置における検出回路は、タッチパネル用部材から出力される電気信号を検出するための回路であって、検出された情報により、座標算出用演算回路において座標位置が算出される。
以下に、静電容量式に適合するタッチパネル用部材を用いる本発明の座標検出装置を例に説明する。上記座標検出装置は、タッチパネル用部材の操作領域において接触操作が行われた際に、その接触操作の行われた位置における静電容量の変化による交流電流の偏りを検出する検出回路と、上記検出回路より出力される静電容量の変化量より、所定の演算式に基づき、接触操作の行われた位置を座標として算出する計算を行う座標算出用演算回路とを備える。タッチパネル用部材と検出回路とは、該タッチパネル用部材における接触操作を電気信号として検知可能に接続されていればよく、一般的には取出し配線と、検出回路とが、フレキシブルプリント回路などの配線部材などによって電気的に接続される。
図6に、本発明の座標検出装置の動作の流れの一実施態様を説明するための説明図を示す。図面左側に示すタッチパネル用部材は、特に、複数の第一電極部(第一電極部X1、X2、X3・・・)と複数の第二電極部(第二電極部Y1、Y2、Y3・・・)を備えるタッチパネル用電極について示す。図面中央に示す検出回路における定電流源から、電流が、第一電極部X1、X2、X3・・・および第二電極部Y1、Y2、Y3・・・に供給される。このとき電流は、基準クロックによって指示される規定時間に基づき、高速スイッチ部におけるスイッチングの指示を受け各電極へ接続を切り替える切り替え部によって、絶えず定電流源から各電極へと流れる電流の接続のオン、オフが行われる。
タッチパネル用部材の操作領域において接触操作が行われると、第一電極部X1、X2、X3・・・および第二電極部Y1、Y2、Y3・・・の容量の変化により、定電流源より供給される電荷のうち積分用コンデンサコンデンサに蓄えられる割合が変化し、即ち電圧変化をもたらす。さらに、インパルスノイズを取り除くための低域通過フィルタを通過し、比較器において、基準電圧と積分用コンデンサで増幅された電圧を比較することで積分用コンデンサが基準電圧に達するまでの時間を認識する。検出回路により検出された電極の容量変化に基づく信号は、タッチ検出演算回路に送られ、所定の計算式により接触動作の行われた座標が算出される。尚、上述は、本発明の座標検出装置の一実施態様を説明するものであって、本発明の座標検出装置を限定するものではなく、本発明の座標検出装置の検出動作を実行する構成および動作の流れとしては、公知のタッチパネル用部材における接触動作を検出可能な回路を適宜選択して実施してよい。
本発明のタッチパネル用部材製造方法:
[実施態様4]
次に、本発明のタッチパネ用部材製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)について、図1に示すタッチパネル用部材1の製造を例に説明する。実施態様4である製造方法の工程順の概略は、図7に示す。図7は、タッチパネル用部材1のB−B断面(図2(B)参照)において示される、第一電極部7と第二電極部8とが交差する部分の製造過程を拡大的に示すものである。
本発明の製造方法は、透明パッド部形成工程と、透明パッド部間を導電するための金属導電部形成工程とを任意の順で実施し、これによって、透明パッド部と金属導電部を備える電極部を形成する工程を含む。
以下に示す実施態様4は、透明パッド部9の形成を含む透明導電膜形成工程を実施し、次に絶縁性膜13形成工程実施し、その後に金属導電部である第一導電部10形成工程を実施する順でタッチパネル用部材1を製造する方法である。
(透明導電膜形成工程)
まず、透明基材2を準備し、透明基材2の表面を必要に応じて清浄処理等した後、透明基材2の一方側の面に透光性および導電性を有した透明導電材料を用いて、透明導電膜を製膜する。透明導電材料としては、例えば、ITO、IZO、AZOなどが挙げられ、製膜方法としては、スピンコート法などの任意の塗布方法、スパッタリング、真空蒸着法などが挙げられる。ただし透明導電膜の材料および製膜方法はこれに限定されず、タッチパネル用電極を構成可能な透明導電膜の製膜方法を適宜選択して実施してよい。
その後、上記透明導電膜上に感光膜を製膜し、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12が透明基材2の適切な位置にパターニングされるように対応したフォトマスクを、透明基材2の透明導電膜側に位置合わせして固定する。そして、上記感光膜の感光特性に対応した露光光、例えば紫外線などを、フォトマスクを介して照射する。続いて、上記感光膜に対応した現像液を用意し、露光された感光膜を適切な現像液により現像し、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12以外の部分の感光膜を除去する。そして第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12部分に相当するようパターニングされた感光膜をマスクにしてエッチング液、例えば、塩化第二鉄水溶液などにより透明導電膜のエッチングを行った後、透明基材2上に残留する感光膜を除去液、例えば、水酸化カルシウム溶液などを用いて除去して、透明基材2上に、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12を形成する(図7A)。尚、本発明の製造方法において、透明パッド部形成工程を含む、透明導電膜形成工程は、タッチパネル用部材の透明導電膜のパターニング手法として知られるものより適宜選択して実施してよい。フォトリソグラフィ手法を採用する際に用いられる現像液、エッチング液、残留感光膜除去液についても、形成される透明導電膜や感光膜に適切なものを適宜選択してよい。また、エッチングの手法は、ウエットエッチング手法に限定されず、ドライエッチング手法を実施してもよい。
(絶縁性膜13形成工程)
次に、透明基材2の、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12が形成された面の略全面に、絶縁性膜形成用膜を製膜する。絶縁性膜形成用膜の形成材料は、光透過性のアクリル樹脂や感光性シロキサン樹脂などが好ましく用いられるが、これに限定されず、透過性の絶縁性膜形成可能な材料を適宜選択してよい。そして、透明導電膜形成工程と同様に、絶縁性膜形成膜略全面に感光膜を形成し、導電用ホールな14などが適切な位置にパターニングされるように対応したフォトマスクを基材面上にて位置あわせして固定し、露光し、現像し、エッチングし、最後に残留する感光膜を除去して絶縁性膜13を形成することができる(図7B)。
あるいは、感光性シロキサン樹脂のように、絶縁性膜形成材料として感光性の材料を選択する場合には、絶縁性膜形成用膜に対し露光を行い、絶縁性膜の形成パターンにあわせて樹脂を硬化させた後、不要な部分の絶縁性膜形成用膜を除去することによって、絶縁性膜13を形成することもできる。したがって絶縁性膜形成膜上に感光膜の形成する工程および、エッチング後に残留する感光膜の除去の工程が不要となり製造工程が簡略化される。
尚、本発明の製造方法において、絶縁性膜13形成工程は、従来公知のタッチパネル用部材の絶縁性膜の形成方法に倣い実施してよく、パターニング手法、およびパターニングに用いられる現像液、エッチング液、残留感光膜除去液などについても、用いる絶縁性膜形成材料や感光膜形成材料を勘案して定義選択してよい。
(第一導電部10形成工程)
第一導電部10形成工程は、本発明のタッチパネル用部材製造方法における金属導電部形成工程である。まず、銅および銅以外の添加金属が含有される銅合金材料を用い、透明基材2の、絶縁性膜13等が形成された面略全面に、金属膜23を形成する(図7C)。このとき、絶縁性膜13のパターニングで設けた導電用ホール14にも、銅合金材料が充填されるよう留意する。上記銅合金材料は、銅と銅以外の添加金属を含む材料であって、好ましくは、銅90at.%以上99.9at.%未満とし、添加金属が0.1at.%以上10at.%以下の範囲で含有されることが望ましい。より好ましくは0.5at.%以上4at.%以下の範囲で含有されていることが望ましい。より詳しくは、上述に示される配合比率の範囲において銅と銅以外の添加金属を含んだ原料をターゲットとし、これを用いてスパッタにより、金属膜23を形成することができる。
形成された金属膜23の上面に、続いて感光膜24を製膜する(図7D)。その後、第一導電膜10が適切な位置にパターニングされるように対応したフォトマスク(図示省略)を用い、透明基材2に対して位置合わせを行い固定する。そして、上記感光膜24の感光特性に対応した露光光、例えば紫外線などを、フォトマスクを介して照射する。続いて、上記感光膜24に対応した現像液を用意し、露光された感光膜24を適切な現像液により現像し、第一導電膜10以外の部分の感光膜を、除去液を用いて除去する。そして第一導電膜10形成部にパターニングされた感光膜をマスクにして、金属膜23に適したエッチング液を用いてエッチングを行い、さらに残留する感光膜24を除去して、第一透明パッド部9間に、第一導電部パターン25が形成される(図7E)。金属膜23のエッチングの際に用いられるエッチング液としては、燐酸・硝酸・酢酸を含む混酸系や、過酸化水素水と硫酸に代表される酸化剤を混合した系などが用いられるが、これに限定されない。
第一導電部パターン25は、本発明の特定する金属濃度勾配領域および銅高濃度領域を備えるものではない。したがって、第一導電部パターン25中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を第一導電部パターン25の外周面側に移行させる加熱処理を行う。このとき、「第一導電部パターン25の外周面側」とは、第一導電部パターン25を取り巻いている面のうち、他の層と接していない露出面および、第一透明パッド部9との接面、絶縁性膜13との接面を含む。
加熱処理は、第一導電部パターン25の外周面から内部方向に向けて上記銅の濃度が増大し、且つ、上記添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域を形成することが可能な処理であればよい。例えば、加熱処理は、第一導電部パターン25を備える透明基材2を、100〜300℃程度の温度で加熱することにより行われる。加熱方法としては、大気圧下や減圧下などが挙げられるが、これに限定されず、第一導電部パターン25を所望の温度で加熱可能な方法を適宜選択してよい。加熱処理における加熱温度が100℃以上であることにより、第一導電部パターン25に含まれる添加金属が外周面側に移行させることが可能であり、この結果、第一導電部パターン25の外周面側に、金属濃度勾配領域が形成され、一方、これに連続して内部側には銅濃度の高い銅高濃度領域が形成される。銅高濃度領域は、ほぼ純銅に近く、添加金属はわずかに存在する程度である。外周面側に移行した添加金属の少なくとも一部は、酸化されて金属酸化物となっていてよい。換言すると、第一導電部パターン25の内部が、そのような状態になるよう、加熱温度を調整してよい。また、加熱温度を300℃以下とすることで、第一導電部パターン25における銅、特には銅高濃度領域における銅の酸化を防ぐことができ、銅高濃度領域における抵抗値を小さいものとすることができる。
本発明の製造方法では、上述のとおり(i)銅と銅以外の添加金属を含む銅合金材料を用いて所定のパターンで金属導電部パターンを形成し、(ii)その後、上記金属導電部パターン中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を該金属導電部の外周面側に移行させる加熱処理を行う工程を含む。これにより、金属導電部において、金属濃度勾配領域と銅高濃度領域とが、界面を有する二層から構成されるのではなく、実質的に一層として認識され、当該一層の内部にて金属濃度の勾配が観察される、連続する領域として形成することが可能となる。あるいは、金属導電部において、金属濃度勾配領域と銅高濃度領域とが、隣り合う二つの独立の構成部分ではなく、実質的に一つの構成部分であって、当該一つの構成部分の内部にて金属濃度の勾配が観察される、連続する領域として形成することが可能となる。
上記加熱処理において、第一導電部パターン25内において添加金属を外周面側に移行させ、適切に金属濃度勾配領域および銅高濃度領域を形成させる際の加熱雰囲気は特に限定されないが、例えば、大気圧下、空気雰囲気において加熱処理を実施することにより、第一導電部パターン25から第一導電部10を形成することができる(図7E)。
以上のとおり、第一導電部10形成工程、絶縁性膜13形成工程、透明導電膜形成工程を順に実施することによりタッチパネル用部材1を製造することができる。以上に示す実施態様4において第一導電部10の形成は、MAMなどの複数層からなる導電部を形成する場合に比べて製造工程数が少なくてすむ。しかも形成された第一導電部10は、実施態様1において説明するとおり、反射率が抑制されており、また透明基材あるいはITO等の導電性膜に対する密着性に優れ、また銅単体の抵抗値に近い優れた抵抗値を示すことが可能である。
ところで、タッチパネル用部材1には、取出し配線6が設けられている。取出し配線6形成工程は、透明導電膜形成工程、絶縁性膜13形成工程、第一導電部10形成工程のいずれかの工程の前または後に実施してよく、例えば従来から汎用されるAPCなどを用いて、フォトリソグラフィ手法、またはスクリーン印刷などの印刷手法により形成することができる。
あるいは、取出し配線6を、第一導電部10形成工程において第一導電部10と同じ材料により同時に形成してもよい。この場合には、第一導電部10の形成面と取出し配線6の形成面のいずれにおいても予めITOなどの透明導電膜を形成しておいてもよいが、本発明では、少なくとも、タッチパネル部材の電極部を構成するための透明導電膜を透明導電膜形成工程において形成すればよく、取出し配線6の形成面における透明導電膜の形成は省略することもできる。従来は、取出し配線と透明基板との密着性が望ましくなかったので、取出し配線と透明基板との間に、該透明基材基板よりは取出し配線との密着性がよい透明導電膜が設けられることが一般的であった。これに対し本発明における取出し配線は、透明基板との密着性が良好であるため、透明基板に直接に取出し配線を形成してもよい。そして、上述する第一導電部10形成工程において用いられるフォトマスクを、所定の位置に第一導電部10に加えて取出し配線6もパターニングされるように対応したフォトマスクに変更すればよい。その後の、露光、エッチング、感光膜の除去は、第一導電部10形成工程と同様に実施することができる。このように取出し配線6と第一導電部10とを同時に形成することによれば、タッチパネル用部材1の製造工程を簡略化することができる上、取出し配線6についても、APCなどよりコストの安い銅合金材料を用いて形成することができるため好ましい。また上述のとおり第一導電部10と同様に形成された取出し配線6は、第一導電部10と同様に金属濃度勾配領域と銅高濃度領域を備えるため、酸化防止効果、密着性向上効果などの優れた効果が発揮される。
[実施態様5]
次に、タッチパネル用部材21の製造を例に本発明の製造方法の異なる実施態様を、実施態様5として説明する。実施態様5では、金属導電部である第一導電部10’形成工程を実施し、次に絶縁性膜22形成工程を実施し、その後に透明パッド部9の形成を含む透明導電膜形成工程を実施する順でタッチパネル用部材21を製造する。
(第一導電部10’形成工程)
実施態様5における第一導電部10’形成工程は、本発明のタッチパネル用部材製造方法における金属導電部形成工程である。実施態様5における第一導電部10’形成工程は、第一透明パッド部9などの透明導電膜および絶縁性膜22が形成される前の透明基材2上略全面に、銅以外の添加金属が含有される銅合金材料を用いて金属膜を形成する点において、実施態様4における第一導電部10形成工程と相違する。それ以外においては、実施態様5における第一導電部10’形成工程は、実施態様4において説明する第一導電部10形成工程と同様に実施し、第一導電部パターンを形成することができる。第一導電部パターンを形成した後に実施される加熱処理についても、実施態様4に示される方法と同様に実施することができる。ただし、加熱処理を行なう際、実施態様4では、透明基材2上に既に形成された第一透明パッド部9などの透明導電膜、絶縁性膜12もあわせて加熱処理に晒されるのに対し、実施態様5では、第一透明パッド部9などの透明導電膜および絶縁性膜22は形成前であるため、加熱処理に晒されないという点で相違する。
(絶縁性膜22形成工程)
次に、透明基材2の、第一導電部10’、あるいはさらに取り出し配線6が形成された面の略全面に、絶縁性膜形成用膜を製膜する。次いで、実施態様4における絶縁性膜13形成工程と同様に感光膜を形成し、露光し、現像し、エッチングして絶縁性膜22を形成する。尚、絶縁性膜22は、第一導電部10’と第二導電部12’とが交差する部分に選択的にパターニング形成され、導電用ホールは設けられていない。したがって、先に形成された第一導電部10’に、後工程おいて形成される第一透明パッド部9が導電可能に被覆できるよう、第一導電部10’に適切な露出面を残して絶縁性膜22をパターニングする必要がある。その他の、絶縁性膜形成方法の基本的事項は、実施態様4において説明する絶縁性膜13形成工程と同様の内容であるため、ここでは説明を割愛する。
(透明導電膜形成工程)
続いて、透明基材2の、第一導電部10’、あるいはさらに取り出し配線6及び絶縁性膜22の設けられた面に、第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12を形成する。実施態様5における透明導電膜形成工程は、透明導電膜が、透明基材2の、第一導電部10’、あるいはさらに取り出し配線6及び絶縁性膜22の設けられた面略全面に設けられる点およびタッチパネル用部材21における第一透明パッド部9、第二透明パッド部11、第二導電部12に適したパターンを備えるフォトマスクを用いること以外は、実施態様4における透明導電膜形成工程と同様に実施することができる。そのため、ここでは、透明導電膜形成工程の具体的な説明は割愛する。
以上のとおり、第一導電部10’形成工程、絶縁性膜22形成工程、透明導電膜形成工程を順に実施することによりタッチパネル用部材21を製造することができる。
[実施態様6]
以上に説明する本発明の製造方法は、いずれも、透明パッド部形成工程を含む透明導電膜形成工程と、透明パッド部間を導電するための金属導電部形成工程、即ち、第一導電部10形成工程、または第一導電部10’形成工程を一度ずつ実施することにより、タッチパネル用部材を製造する例である。しかしながら、本発明の製造方法は、これに限定されず、必要に応じて、透明パッド部形成工程および金属導電部形成工程のいずれか一方または両方を2回以上実施してタッチパネル用部材を製造する方法を包含する。
本発明の製造方法である実施態様6として、上述する本発明のタッチパネル用部材である実施態様3を製造する例を説明する。具体的には、上述する図9に示される従来のタッチパネル用部材において、第一導電部103および第二導電部105を、上述する第一導電部10または10’と同様に、銅および銅以外の添加金属を含む電極部であって、図3を用いて説明される金属濃度勾配領域および銅高濃度領域とを備える金属導電部とするタッチパネル用部材の製造方法について実施態様6として説明する。
まず透明基材101略全面に、透明導電材料を用いて、透明導電膜を製膜する。その後、上記透明導電膜上に感光膜を製膜し、第一透明パッド部102が透明基材101の適切な位置にパターニングされるように対応したフォトマスクを、透明基材101の透明導電膜側に位置合わせして固定する。そして、上記感光膜の感光特性に対応した露光光(例えば紫外線など)を、フォトマスクを介して照射する。続いて、実施態様4の透明導電膜形成工程に倣って、現像、エッチング、残留感光膜の除去を行い、透明基材101上に、第一透明パッド部102を形成する。
次に、銅および銅以外の添加金属が含有される銅合金材料を用い、上述のとおり形成された第一透明パッド部102を覆って、透明基材101略全面に、金属膜を形成する。そして、第一導電部103が透明基材101の適切な位置にパターニングされるように対応したフォトマスクを、透明基材101の金属膜側に位置合わせして固定し、上記感光膜の感光特性に対応した露光光、例えば紫外線などを、フォトマスクを介して照射する。続いて、実施態様4の第一導電部10形成工程に倣って、現像、エッチング、残留感光膜の除去を行い、透明基材101上に、第一導電部103を形成する。
その後、第一透明パッド部102および第一導電部103を覆って、透明基材101上の適切な領域に絶縁性膜を形成する。絶縁性膜は、第一透明パッド部102および第一導電部103を備える第一電極部106と、後工程において作成される、第二透明パッド部104と第二導電部105とを備える第二電極部107とが絶縁させるに足る領域に形成する。
さらに、第一透明パッド部102の形成に倣って、第二透明パッド部104を形成し、続いて、第一導電部103の形成に倣って、第二導電部105を形成し、実施態様3のタッチパネル用部材を形成することができる。尚、第一透明パッド部102と第一導電部103の形成順序、および第二透明パッド部104と第二導電部105の形成順序は、適宜入れ替えても良い。
以上のとおり、必要に応じて、透明パッド部形成工程および金属導電部形成工程のいずれか一方または両方を繰り返すことにより、種々のパターンのタッチパネル用電極を備えるタッチパネル用部材を製造することができる。透明パッド部間を導電する導電部を金属導電部として製造することにより、透明導電材料で形成される細状のライン形状の導電部に比べて抵抗値の小さい、導電性に優れた金属導電部を備えるタッチパネル用部材を提供することができる。
[実施例1]
(タッチパネル用部材の作製)
基材として、370mm×470mm、厚み0.5mmの透明ガラス基材(日本板硝子社製青板強化ガラス)を準備し、高圧水蒸気洗浄およびUV洗浄などの前処理をした。尚、本実施例では、上記ガラス基材を用い、静電容量式タッチパネル用部材が8面取りできるよう設計した。また、以下の第一電極部および第二電極部の形成パターン、およびこれに付随する取出し配線のパターンは、図4に示すタッチパネル用部材に倣って設計した。
(第一導電部および取り出し配線の形成)
上述のとおり準備したガラス基材の一方側の全面に、銅(96at.%)およびマンガン(4at.%)が含有される銅合金材料をターゲットとして用い、スパッタリング法により、厚み280nmの金属膜を形成した。尚、スパッタリングは、Arガス、圧力0.5Pa、出力1.0kW、スパッタ時間400sで実施した。引き続き、ポジ感光性材料(ローム・アンド・ハース社製)を用いて感光膜を形成し、第一導電部および取り出し配線の形成パターンに適したフォトマスクを用いて適切に位置あわせを行ない固定し、該フォトマスクの上から、照度12.0mW・cm、露光量35mJにより露光を行なった。続いて、現像により露光部分の感光膜を除去し、燐酸・硝酸・酢酸系の混酸をエッチング液として用い、金属膜の不要部分を除去して第一導電部と取り出し配線のパターニングを行なった。その後、基材上に残留する感光膜を水酸化カリウム水溶液で剥離して、第一導電部パターンおよび取り出し配線パターンを形成した。
続いて第一導電部パターンおよび取り出し配線パターンを備えるガラス基材をオーブン内に設置し、230℃、30分間、大気圧下、空気雰囲気において加熱処理を行い、これによって第一導電部および取り出し配線を形成した。
(絶縁性膜の形成)
上述で形成した第一導電部および取り出し配線を備えるガラス基材上略全面に、透明性硬化性樹脂含有塗工材料(KOLON社製、カタログ番号A−13)を用いて、スピンコート法で塗布し、続いて、フォトリソグラフィ手法により、伸長方向両端に露出面を残して第一導電部を覆う絶縁性膜をパターニングした。
(第一透明パッド部、第二透明パッド部、第二導電部の形成)
次に、ガラス基材の絶縁性膜を設けた面略全面に、スパッタにより厚み30nmのITO膜を形成した。そして、ポジ感光性材料(ローム・アンド・ハース社製)を用いて感光膜を形成し、第一透明パッド部、第二透明パッド部、および第二導電部の形成パターンに適したフォトマスクを用いて適切に位置あわせを行ない固定し、該フォトマスクの上から、紫外線(照度12.0mW・cm、露光量35mJ)により露光を行なった。続いて、現像により露光部分の感光膜を除去し、しゅう酸をエッチング液として用い、ITO膜の不要部分を除去して第一透明パッド部、第二透明パッド部、および第二導電部のパターニングを行なった。その後、基材上に残留する感光膜を水酸化カリウム水溶液で剥離した。先に形成された第一導電部の露出面に、第一透明パッド部の端部が接合するようパターニングすることによって、第一透明パッド部および金属導電部である第一導電部を備える複数の第一電極部が形成された。また、第二透明パッド部と第二導電部とは、ITOを用いて同時に形成したため、実質的には一続きのITOからなる複数の第二電極部が形成された。第一導電部と、第二導電部との間には、第一電極部と第二電極部とを絶縁させるための絶縁性膜が設けられた。最後に、多面取りのガラス基板を適切な位置でカットし、複数のタッチパネル用部材が完成し、これを実施例1とした。
[実施例2〜7]
(実施例2) 用いる銅合金材料における銅とマンガンの含有量を、銅(98at.%)、マンガン(2at.%)に変更し、これを用いて金属膜を形成する際のスパッタ条件を、スパッタ時間330sに変更し、形成される金属膜の厚みを250nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを実施例2とした。
(実施例3) 用いる銅合金材料における銅とマンガンの含有量を、銅(99at.%)、マンガン(1at.%)に変更し、これを用いて金属膜を形成する際のスパッタ条件を、スパッタ時間260sに変更し、形成される金属膜の厚みを200nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを実施例3とした。
(実施例4) 用いる銅合金材料における銅とマンガンの含有量を、銅(99.5at.%)、マンガン(0.5at.%)に変更し、これを用いて金属膜を形成する際のスパッタ条件を、スパッタ時間100sに変更し、形成される金属膜の厚みを85nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを実施例4とした。
(実施例5) 用いる銅合金材料における銅とマンガンの含有量を、銅(99.9at.%)、マンガン(0・1at.%)に変更し、これを用いて金属膜を形成する際のスパッタ条件を、スパッタ時間90sに変更し、形成される金属膜の厚みを75nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを実施例5とした。
(実施例6) 用いる銅合金材料における銅とマンガンの含有量を、銅(94at.%)、マンガン(6at.%)に変更し、これを用いて金属膜を形成する際のスパッタ条件を、スパッタ時間600sに変更し、形成される金属膜の厚みを450nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを実施例6とした。
(実施例7) 用いる銅合金材料における銅とマンガンの含有量を、銅(90at.%)、マンガン(10at.%)に変更し、これを用いて金属膜を形成する際のスパッタ条件を、スパッタ時間1080sに変更し、形成される金属膜の厚みを800nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを実施例7とした。
[比較例1]
透明ガラス基材上略全面に、アンカー層として厚み30nmのIZO層をスパッタにより形成した。そして、第一導電部および取り出し配線の形成を以下のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを比較例1とした。
即ち、上述のとおり準備したガラス基材の一方側の全面に、銀パラジウム銅合金(Ag:98atm.%、Pd:1atm.%、Cu:1atm.%)を用い、スパッタにより厚み200nmとなるようAPC膜を形成した。尚、スパッタリングは、Arガス、圧力0.7Pa、出力1kW、スパッタ時間130sで実施した。引き続き、ポジ感光性材料(ローム・アンド・ハース社製)を用いて感光膜を形成し、第一導電部および取り出し配線の形成パターンに適したフォトマスクを用いて適切に位置あわせを行ない固定し、該フォトマスクの上から、紫外線(照度12.0mW・cm、露光量35mJ)により露光を行なった。続いて、現像により露光部分の感光膜を除去し、燐酸・硝酸・酢酸を含む混酸をエッチング液として用い、APC膜の不要部分を除去して第一導電部と取り出し配線のパターニングを行なった。その後、基材上に残留する感光膜を水酸化カリウム水溶液で剥離して、第一導電部および取り出し配線を形成した。
[比較例2]
銅合金材料を用い、実施例1と同様に第一導電部パターンと取り出し配線パターンを形成した後、加熱処理を行わずに、これを第一導電部および取り出し配線としたこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを比較例2とした。
[比較例3]
実施例1において用いた銅合金材料の代わりに、銅100at.%のターゲットを用い、スパッタ条件を、スパッタ時間60sに変更して50nmの金属膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にタッチパネル用部材を形成し、これを比較例3とした。
(評価1:第一導電部の視認性評価)
第一導電部の反射率を以下のとおり測定することにより、視認性の評価を行った。反射率が低いほど、視認性は高いと評価される。第一導電部の反射率の測定は、自記分光光度計UV−3100(島津製)にて、サンプルのない状態を100%に設定し、設定値に対して、入射角45度で入射した光が、試料面で反射する割合を測定した。
(評価2:比抵抗の測定)
第一導電部の比抵抗値(μΩ・cm)を以下のとおり測定した。
三菱化学アナリック製のロレスタを用い、金属膜に4本の針状の電極(プローブ)を置き、外側の二探針間に一定電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し、抵抗を求めた。求めた抵抗に金属膜の厚さおよび補正係数をかける事により算出した。
(評価3:シート抵抗の測定)
シートの抵抗値(Ω/スクエア)を以下のとおり測定した。
比抵抗測定により求められた結果を、金属膜の膜厚で割ることにより算出した。
(評価4:密着性評価)
第一導電部と、透明基材との密着性をJIS K 5600クロスカット試験に準じ、以下のとおり試験にて測定した。
実施例1〜7および比較例1〜3の条件にて成膜した金属膜に対して、格子状に1mm間隔で縦横方向それぞれに11カットし、10×10の格子目を設け、幅25mm、長さ75mmの粘着テープ(幅25mmあたりの付着力10±1N)を貼り付け、指でこすり付けた。その後、粘着テープの端をつまみ上げ、該粘着テープの非粘着面と表面保護層面とが約60°となる角度で、0.5〜1秒かけて引き剥がした後、粘着テープの貼り付け面に対する、金属膜の転写率を測定した。金属膜が、ガラス基材から、テープへ全く転写しなかった場合には、100/100とし、完全にテープに金属膜が転写した場合には、0/100とした。
(評価5:信頼性試験)温度60℃、湿度95%の高温高湿槽に設置し、250時間経過後に取出し、第一導電層および取出し配線の状態を肉眼で確認し、以下のとおり評価した。
腐食した様子が全く観察されなかった・・・・・○
表面に僅かに錆が発生していることが確認された・・・・・△
表面に錆が発生していることが散見された・・・・・×
実施例1〜7はいずれの評価でも実施に耐えうる評価が示された。特に、実施例1〜4は、反射率、電気抵抗、ガラス基材への密着性、信頼性のいずれにおいても優れた評価が示された。また、実施例6および7も同様に、優れた評価が示されたが、金属膜の厚みが厚く形成されているため、導電部および取出し配線の形成工程上、スパッタ工程が実施例1〜4よりも長く、また部材の使用量も多かった。実施例5については、密着性および信頼性の点で、他の実施例よりは劣る評価が示され、実施例5のようにMn添加量を小さく抑える場合には、透明基材の選択や、タッチパネル部材の使用環境などを考慮することが望ましいことが示唆された。
Figure 2013142968
1、21 タッチパネル用部材
2 透明基材
3 操作領域
4 非操作領域
6 取り出し配線
7、7’ 第一電極部
8、8’ 第二電極部
9 第一透明パッド部
10、10’ 第一導電部
11 第二透明パッド部
12、12’ 第二導電部
13、22 絶縁性膜
14 導電用ホール
15 銅材料
16 添加金属材料
17 金属濃度勾配領域
18 銅高濃度領域
23 金属膜
24 感光膜
25 第一導電部パターン
30 タッチパネル付き液晶表示装置
31 液晶表示基板
32 タッチパネル付き液晶表示基板
33 液晶表示対向基板
34 表示面(操作面)
35 アクティブ領域
36 非アクティブ領域
37、43 回路
40 入力情報処理部
41 タッチパネル用駆動回路
42 タッチパネル用プリント基板
44 映像情報処理部
45 液晶駆動回路
46 液晶表示用プリント基板
100 タッチパネル用部材
101 透明基材
102 第一透明パッド部
103 第一導電部
104 第二透明パッド部
105 第二導電部
106 第一電極部
107 第二電極部
108、109 取り出し配線

Claims (6)

  1. 透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、
    上記操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備え、
    上記電極部は、第一の方向を配列方向として整列する複数の独立する第一透明パッド部と、第一の配列方向において隣り合う第一透明パッド部間を導電するための第一導電部を有して構成される第一電極部と、第二の方向を配列方向として整列する複数の独立する第二透明パッド部と、第二の配列方向において隣り合う第二透明パッド部間を導電するための第二導電部を有して構成される第二電極部とを含み、
    上記第一電極部と第二電極部とは、上記第一導電部と上記第二導電部とにおいて交差しており、該第一導電部と該第二導電部との間に絶縁性膜が設けられており、
    上記第一導電部および上記第二導電部の少なくとも一方が、金属導電部であり、
    上記金属導電部は、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えることを特徴とするタッチパネル用部材。
  2. 透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、
    上記操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備え、
    上記電極部は、第一の方向を配列方向として整列する複数の独立する透明パッド部と、上記配列方向において隣り合う透明パッド部間を導電するための金属導電部を有して構成されるものとを含み、
    上記金属導電部は、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えることを特徴とするタッチパネル用部材。
  3. 上記非操作領域に、上記電極部と電気的に接続される取り出し配線が設けられており、
    上記取り出し配線は、上記金属導電部に含まれる銅および銅以外の添加金属と同じ金属を含み、上記金属濃度勾配領域と上記銅高濃度領域と、を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のタッチパネル用部材。
  4. 透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、
    上記操作領域内に、複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備え、
    上記電極部は、第一の方向を配列方向とした複数の独立する第一透明パッド部と、第一の配列方向において隣り合う第一透明パッド部間を導電するための第一導電部を有して構成される第一電極部と、第二の方向を配列方向とした複数の独立する第二透明パッド部と、第二の配列方向において隣り合う第二透明パッド部間を導電するための第二導電部を有して構成される第二電極部とを含み、
    上記第一電極部と第二電極部とは、上記第一導電部と上記第二導電部とにおいて交差しており、該第一導電部と該第二導電部との間に絶縁性膜が設けられており、
    上記第一導電部および上記第二導電部の少なくとも一方が、金属導電部であり、
    上記金属導電部は、銅および銅以外の添加金属を含み、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域と、を備えるタッチパネル用部材と、
    上記タッチパネル用部材の操作領域において接触操作の行われた位置情報が電気信号として出力された際に、該電気信号を検出する検出回路と、
    上記検出回路において検出された電気信号から上記接触操作の行なわれた位置の座標を算出する座標算出用演算回路と、を備えることを特徴とする座標検出装置。
  5. 透明基板上に、操作領域と非操作領域とを備え、上記操作領域内において複数の電極部を有するタッチパネル用電極を備えるタッチパネル用部材の製造方法において、
    規定の方向を配列方向として整列する複数の透明パッド部を形成する透明パッド部形成工程と、
    上記配列方向において隣り合う透明パッド部間を導電させるための金属導電部を形成する金属導電部形成工程と、
    を任意の順に実施し、透明パッド部と金属導電部を備える電極部を形成する工程を含み、
    上記金属導電部形成工程は、銅と銅以外の添加金属を含む銅合金材料を用いて所定のパターンで金属導電部パターンを形成し、その後、上記金属導電部パターン中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を該金属導電部の外周面側に移行させる加熱処理を行うことにより、該金属導電部の外周面から内部方向に向けて上記銅の濃度が増大し、且つ、上記添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域を形成することを特徴とするタッチパネル用部材製造方法。
  6. 非操作領域において、上記金属導電部形成工程において用いられる銅合金材料と同じ材料を用いて所定のパターンで取り出し配線パターンを形成し、その後、上記取り出し配線パターン中に含まれる上記添加金属の少なくとも一部を該取り出し配線部パターンの外周面側に移行させる加熱処理を行うことによって、取り出し配線の外周面から内部方向に向けて上記銅の濃度が増大し、且つ、上記添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、上記金属濃度勾配領域に連続し添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が上記金属濃度勾配領域中の銅の濃度より高い銅高濃度領域を形成する取り出し配線形成工程を有し、
    上記取り出し配線工程と上記金属導電部形成工程とが同時に実施されることを特徴とする請求項5に記載のタッチパネル用部材製造方法。
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