JP2013141437A - 変異グリコシドハイドロラーゼ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有する親グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、特定のアミノ酸配列の43位、69位、77位、85位、86位、141位、144位、148位、173位、234位、256位、259位、271位、278位、285位、311位、327位、329位、331位、342位、345位、348位、367位、370位、381位及び383位から選ばれる位置又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基から選ばれる1以上のアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列からなる変異グリコシドハイドロラーゼ。
【選択図】なし
Description
上記KSM−N257株由来のアルカリセルラーゼは、グリコシドハイドロラーゼのファミリー8(GHファミリー8)に属する酵素である。当該ファミリーのグルコシドハイドロラーゼは、β−1,4グルカン、キシラン、キトサン、リケナン等のβ−1,4結合を切断することを特徴とする一群の酵素群である。上記KSM−N257株由来の酵素も、カルボキシメチルセルロースや結晶性セルロース等のセルロース分解活性以外にリケナン分解活性も有する、グリコシドハイドロラーゼである。
当該KSM−N257株由来の酵素(以下、N257グリコシドハイドロラーゼ)については、同じGHファミリー8に属するセルラーゼであるBacillus circulans由来のセルラーゼ(非特許文献1)やBacillus sp.KSM−330株由来のセルラーゼ(非特許文献2)とのアミノ酸配列の比較や、酵素タンパク質結晶のX線解析により、触媒部位のアミノ酸及び保存アミノ酸の解析が行われている(非特許文献3)。
しかし、液体洗剤への酵素の安定的な配合に関しては、技術的な困難さがあることが広く知られている。元来、液体中で常温保存すること自体がタンパク質の変性を招きやすい上に、液体洗剤には界面活性剤、脂肪酸、溶剤等が含有され、pHも弱アルカリ性であり、酵素にとって極めて厳しい条件になっている。また、タンパク質である酵素は、同じく洗剤中に配合されたプロテアーゼにより消化される可能性があり、このことが液体洗剤中での安定保存を更に困難なものにしている。さらに、濃縮液体洗剤の場合、従来の液体洗剤と比べて界面活性剤濃度が高く、水分含有量が少ないため、多量の酵素を溶解させることは難しいという問題がある。
(1)配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の表1(i)記載の位置又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、当該表1(ii)記載のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列からなる、変異グリコシドハイドロラーゼ。
(3)配列番号2で示されるアミノ酸配列の93位に相当する位置におけるアミノ酸残基がグルタミン酸であり、且つ配列番号2で示されるアミノ酸配列の154位に相当する位置におけるアミノ酸残基がアスパラギン酸である、(1)又は(2)記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(4)配列番号2で示されるアミノ酸配列の表2(i)記載の位置に相当する位置におけるアミノ酸残基が、当該表2(ii)記載のアミノ酸残基である、(3)記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(6)上記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる2以上のアミノ酸残基を含む、(1)〜(5)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(7)上記(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、下記アミノ酸残基に置換されている、(1)〜(6)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(G)144位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(L)259位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(Q)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
(R)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
(T)342位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(V)348位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(W)367位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(X)370位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(Y)381位又はこれに相当する位置:チロシン
(8)セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性のいずれか1以上を有する、(1)〜(7)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(9)(1)〜(8)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
(10)(9)記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
(11)(10)記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(12)(11)記載の形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
(13)(1)〜(8)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物。
(14)配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の表3(i)記載の位置又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基を、当該表3(ii)記載のアミノ酸残基に置換する工程を含む、グリコシドハイドロラーゼの液体洗剤への溶解性を向上させる方法。
このうち、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼが有する次の何れかの酵素学的性質を有するものが、親グリコシドハイドロラーゼとしてより好ましい。1)等電点電気泳動法により測定された等電点が9.3である。2)カルボキシメチルセルロースを液化型で良好に分解する。3)基質特異性:カルボキシメチルセルース、リケナン、結晶性セルロース又はセロトリオース以上のセロオリゴ糖及を分解し、還元糖を生成する。4)最適反応pH:少なくともpH5〜10で作用し、最適pHは8.5である。5)最適反応温度:グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5)で反応を行った場合、最適反応温度は55℃である。6)安定pH範囲:30℃、60分間で処理した場合、pH5〜11の範囲で安定である。7)耐熱性:トリス−塩酸緩衝液(pH7.0)中、15分間の処理において、55℃まで安定である。8)分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による推定分子量は、43kDaである。
本発明ではまた、導入すべきヌクレオチド変異を含む相補的な2つの変異プライマーを別々に用いて変異部位の上流側及び下流側をそれぞれ増幅したDNA断片を、SOE(splicing by overlap extension)−PCR(Horton R.M.et al.,Gene(1989)77(1),p.61−68)により1つに連結する方法を用いることもできる。このSOE−PCR法を用いた変異導入手順については、後述の実施例にも詳述している。
R1O−(AO)m−H(R1=C8−C22炭化水素、AO=C2−C5オキシアルキレン基、m=16〜35)〔特開2010−275468号公報〕;
R1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1〜5、l+n=14〜50)〔特開2011−63784号公報〕;
R1O−(EO)m/(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=10〜30、n=0〜5、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−189551号公報〕;
R1(CO)lO−(EO)m/(AO)n−R2(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=0〜1、m=14〜50、n=1〜5、R2=水素(l=0)又はC1−C3アルキル基、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−229385号公報〕;
R1O−(EO)m−(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=15〜30、n=1〜5)〔特開2010−229387号公報〕;
R1O−(AO)m/(Gly)n−H及び/又はR2−COO−(AO)p/(Gly)q−H(R1=C8−C22炭化水素基、R2=C7−C21炭化水素基、AO=C2−C3オキシアルキレン基、Gly=グリセロール基、m=0〜5、n=2〜10、p=0〜5、q=2〜10、AO及びGlyはランダム又はブロック結合)〔特開2010−254881号公報〕;
R1−COO−(PO)m/(EO)n−R2(R1=C7−C21炭化水素基,COO=カルボニルオキシ基、R2=C1−C3アルキル基、PO=オキシプロピレン基、EO=オキシエチレン基、m=0.3〜5、n=8〜25、PO及びEOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−265333号公報〕;
R1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1=5、l+n=14〜50)〔特開2010−265445号公報〕;
R1O−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H(R1=C8−C20炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、PO=オキシプロピレン基、l>=1、n>=1、0<m<l+n、EO及びPOはブロック結合)〔WO98/24865〕;
R1O−(EO)m−(PO)n−H(R1=C10−C16のアルキル基又はアルケニル基、EO=エチレンオキシド基、PO=プロピレンオキシド基、m=5〜15、n=1〜3)〔特開平8−157867号公報〕;
R1(CO)−(EO)m−OR2(R1=C11−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、R2=C1−C3アルキル基、EO=エチレンオキシド基、m=10〜20)〔特開2008−7706号公報、特開2009−7451号公報、特開2009−155594号公報、特開2009−155606号公報〕;
R1(CO)−(AO)m−OR2(R1=C9−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、AO=C2−C4オキシアルキレン基、R2=C1−C3アルキル基、m=5〜30)〔特開2009−144002号公報、特開2009−173858号公報、特開2010−189612号公報〕;
ならびに、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
本明細書において、「濃縮液体洗剤」とは、界面活性剤を40質量%以上、水を60質量%未満含有する液体洗剤を意味し得る。好ましくは、界面活性剤を40〜90質量%、水を5質量%以上60質量%未満含有する液体洗剤であり得、より好ましくは、界面活性剤を45〜90質量%、水を5質量%以上55質量%未満含有する液体洗剤であり得、さらに好ましくは、界面活性剤を50〜75質量%、水を5〜50質量%未満含有する液体洗剤であり得る。
上記のような「濃縮液体洗剤」の例としては、使用量が従来の半分程度又はそれ以下でよい液体洗剤、例えば、衣料用液体洗剤であれば、水槽式洗濯機で水30Lに対する標準使用量が7〜13g又はそれ以下と表示されているものを挙げることができる。
例えば下記市販液体洗剤組成物は、界面活性剤を40%以上含有する濃縮液体洗剤であるが、製品表示ラベルに記載の成分を以下に示す。
組成物A(アタックNeo;花王株式会社製):界面活性剤(非イオン系界面活性剤、陰イオン活性剤:直鎖アルキルベンゼン系、脂肪酸系)74質量%、安定化剤(ブリルカルビトール)、アルカリ剤、分散剤、酵素、
組成物B(NANOX;ライオン株式会社製):界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩)55質量%、安定化剤、酵素。
液体洗剤に対する酵素の溶解性評価方法について、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)KSM−N257株(FERMP−17473)由来のN257グリコシドハイドロラーゼを例として以下に示す。
N257グリコシドハイドロラーゼ(配列番号2)をコードする遺伝子(配列番号1)[以下、N257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB059267に基づき入手可能;Hakamada et al., Biochim. Biophys. Acta., 1570, (2002) p.174-180]におけるN257グリコシドハイドロラーゼのN末端アミノ酸(配列番号2の31番目のアラニン)からターミネーター配列までをコードする核酸断片を増幅した。さらに、S237セルラーゼをコードする遺伝子(配列番号3)[以下、S237セルラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB18420に基づき入手可能;Hakamada et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 64(11), (2000) p.2281-2289;特開2000−210081号公報]のプロモーター及びシグナル配列の核酸断片を増幅した。
SOE−PCRにて2つの核酸断片を連結し、シャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト本社;Ishiwa, H. & Shibahara, H., Jpn. J. Genet. (1985) 60, p.235-243)に導入することでN257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む発現プラスミドを作製した。
次に、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)KSM−N257株からゲノムDNAを常法により抽出し、これを鋳型DNAとして、表3に示すN257mat−Qster FW(配列番号6)とN257−Cryter RV(配列番号7)からなるプライマーセットを用いて、上述のDNA断片の増幅と同様の方法にて、N257グリコシドハイドロラーゼの構造遺伝子及びターミネーターの遺伝子の配列(配列番号2の31番目のアラニンからターミネーター配列までをコードする核酸断片)を増幅した。
得られたS237セルラーゼのプロモーター及びシグナル配列とN257の構造遺伝子及びターミネーターとを含むDNA断片を、表7に示すS237UB1 FwとN257−Cryter Rvからなるプライマーセットを用いて、SOE−PCRによって増幅した。
得られた形質転換体を10mLのLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)で30℃にて一夜振盪培養を行い、更にこの培養液0.05mLを50 mLの2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン4−5水和物、15ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃にて3日間振盪培養を行った。培養によって得られたN257グリコシドハイドロラーゼを含む培養液を遠心分離し、培養上清を得た。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて、培養上清に含まれる蛋白質がN257グリコシドハイドロラーゼであることを確認した。必要に応じてゲル濾過カラムEconopack 10−DG(バイオラッド)にて脱塩精製を行なった。
(1)グリコシドハイドロラーゼ蛋白量測定方法
培養上清中または脱塩精製サンプル中のグリコシドハイドロラーゼ蛋白量の測定は、プロテインアッセイラピッドキット(和光純薬工業)を用いて以下の通り行なった。すなわち、96穴プレートの各ウェルに、同キットの発色液250μLを加え、さらに適宜希釈した酵素サンプル10μLを混和し、室温で30分間撹拌したのち、マイクロプレートリーダーVersaMax(Molecular Device社)を用いて660nmにおける吸光度を測定した。同キット付属の牛胸腺アルブミン(BSA)標準液を用いて同時に作製した検量線から、グリコシドハイドロラーゼタンパク濃度(mg/mL BSA相当)を算出した。
親グリコシドハイドロラーゼ、又は変異グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清を用いて、液体洗剤への溶解性を評価した。すなわち、96穴プレートの各ウェルに150μLの液体洗剤(例えば組成物C;公開特許公報2010−275468の実施例1に記載)を添加し、そこに各種タンパク濃度のグリコシドハイドロラーゼを含む培養上清6.5μLを加え、十分に攪拌した。室温で2時間放置の後、マイクロプレートリーダーVersaMax(Molecular Device社)にて、650nmにおける吸光度を測定した。ブランクとして、培養上清の代わりにイオン交換水を加えた際の吸光度を差引いた値を算出し、これを濁度(ΔOD650nm)としてグリコシドハイドロラーゼの溶解性の指標とした。
以上の方法により得られたΔOD650nm値に基づき、次式によって各変異体における親グリコシドハイドロラーゼ(WT)との相対濁度を算出した。
相対濁度(%)=(各変異体の濁度/各変異体の濃度)/(親グリコシドハイドロラーゼの濁度/親グリコシドハイドロラーゼの濃度)×100
本発明のグリコシドハイドロラーゼ変異体の作製方法を、野生型(親)N257グリコシドハイドロラーゼ成熟酵素領域のアミノ酸配列(配列番号2)における43番目のセリン(S43)をトリプトファンに変異させた変異体「S43W」の作製方法を例として以下に示す。
次いで、参考例1と同様に、組換えプラスミドpHY−N257_S43Wを枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養した。得られた培養物から遠心分離にて菌体を除いてタンパク質を含む培養上清を取得した。この組換えタンパク質は、N257グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列(配列番号2)の43位のセリンがトリプトファンに置換された変異N257グリコシドハイドロラーゼ(以下、N257_S43Wとも称する)である。
実施例1で得た変異グリコシドハイドロラーゼの培養上清中のタンパク濃度を参考例2(1)の方法にて求め、さらに参考例2(2)の方法にて、同培養上清を一定量加えた組成物Cにおける濁度から相対濁度(%)を求めた。
結果を表9に示す。いずれの変異グリコシドハイドロラーゼも、親グリコシドハイドロラーゼ(WT)に比較し、相対濁度が15%以上低下した。すなわち変異グリコシドハイドロラーゼは親グリコシドハイドロラーゼに比較し、溶解性が向上した。
実施例2で見出された溶解性向上変異を多重化し、その効果を評価した。すなわち、実施例2で得られた溶解性が向上した変異グリコシドハイドロラーゼを産生する宿主菌からプラスミドを抽出し、このプラスミドを鋳型として実施例1と同様の方法を用いて、実施例2で見出された別の溶解性向上変異を導入し、二重変異体とした。3重変異体の作製は、同様の方法を用いて、2重変異体を産生する宿主菌からプラスミドを抽出し、このプラスミドを鋳型として実施例2で見出された別の溶解性向上変異を導入した。実施例2と同様の手順で、培養液上清中の各変異体の二重変異体及び三重変異体のタンパク濃度及び組成物Cにおける濁度を測定し、親グリコシドハイドロラーゼに対する相対濁度(%)を求めた。結果を表10、表11に示した。各表記載の二重変異体及び三重変異体は親グリコシドハイドロラーゼに比較し、溶解性が向上した。
実施例2、3で用いた変異グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清を用いて、同培養上清に含まれる変異グリコシドハイドロラーゼの市販濃縮液体洗剤〔組成物A;アタックNeo(花王)、及び組成物B;NANOX(ライオン)、各組成を表12に示す〕における相対濁度(%)を参考例2(2)の方法にて求めた。市販洗剤は、70℃で8時間恒温とした後に、評価に用いた。
結果を表13〜15に示す。変異グリコシドハイドロラーゼは、親グリコシドハイドロラーゼに比較し、溶解性が向上した。
Claims (15)
- 前記同一性が90%以上である請求項1記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列の93位に相当する位置におけるアミノ酸残基がグルタミン酸であり、且つ配列番号2で示されるアミノ酸配列の154位に相当する位置におけるアミノ酸残基がアスパラギン酸である、請求項1又は2記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- 前記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- 前記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる2以上のアミノ酸残基を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- 前記(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、下記アミノ酸残基に置換されている、請求項1〜6のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(G)144位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(L)259位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(Q)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
(R)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
(T)342位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(V)348位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(W)367位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(X)370位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(Y)381位又はこれに相当する位置:チロシン - セルラーゼ活性、リケナーゼ活性又はキシラナーゼ活性のいずれか1以上を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
- 請求項9記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
- 請求項10記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 請求項11記載の形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物。
- 前記液体洗剤が界面活性剤40〜90質量%を含有する濃縮液体洗剤である、請求項14記載の方法。
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