JP2013139937A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2013139937A
JP2013139937A JP2011290112A JP2011290112A JP2013139937A JP 2013139937 A JP2013139937 A JP 2013139937A JP 2011290112 A JP2011290112 A JP 2011290112A JP 2011290112 A JP2011290112 A JP 2011290112A JP 2013139937 A JP2013139937 A JP 2013139937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin layer
heat exchanger
pipe
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011290112A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Aoki
裕紀 青木
Teruo Kido
照雄 木戸
Takahiro Son
宇博 孫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011290112A priority Critical patent/JP2013139937A/ja
Publication of JP2013139937A publication Critical patent/JP2013139937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)

Abstract

【課題】本発明に係る熱交換器は、軽量かつ高防食性である。
【解決手段】水熱交換器22は、水が内部を流れる水管123と、冷媒が内部を流れる冷媒管121,122とを備える。水管123は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする金属管本体123bを有する。冷媒管121,122は、水管123との間で熱交換可能である。水管123は、第1樹脂層123c1と、第2樹脂層123c2とをさらに有する。第1樹脂層123c1は、金属管本体123bの内面に形成され、水系エポキシ樹脂を主成分とする。第2樹脂層123c2は、第1樹脂層123c1の表面に形成され、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂を主成分とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱交換器に関する。
従来、ヒートポンプ式給湯装置の冷凍装置として、二酸化炭素を冷媒とする圧縮式冷凍回路で構成されるものが広く利用されている。このような冷凍装置は、冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器を備えている。水熱交換器は、水が流れる水管と、冷媒が流れる冷媒管とを有しており、流体同士を対向させて流すことによって冷媒と水との間で熱交換を行う。このような水熱交換器の例として、特許文献1(特開2007−271213号公報)に開示されるものが挙げられる。
ところで、水熱交換器では、軽量化および省スペース化を図るために、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする水管および冷媒管が用いられる場合がある。しかし、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形された水管に水を流すと、水管の内面が水と反応して孔食が生じるおそれがある。孔食は、管の内面から管壁の板厚方向に進展する腐食作用である。そのため、孔食によって多数の微小な孔が水管に形成されると、水熱交換器は熱交換機能を十分に達成することができない。
そこで、特許文献2(特開2001−380434号公報)に開示されるように、アルミニウムで成形された水管の内面にベーマイト処理を施した後、水管の内面を樹脂コーティングする方法が用いられている。これにより、水管を流れる水が、水管の内面と接触して反応することを防ぐことができるので、孔食の発生が抑えられる。しかし、ベーマイト処理後の水管の内面には多数の凹凸が形成されるので、樹脂コーティング時に、管内面と樹脂層との間に空気が混入しやすい。そのため、樹脂コーティング後に、空気が混入した部分から樹脂層が剥がれ落ちるおそれがある。そして、水管を流れる水が、樹脂層が剥がれ落ちた部分において管内面と接触すると、水管に孔食が形成されてしまう。
本発明の目的は、軽量かつ高防食性の熱交換器を提供することである。
本発明の第1観点に係る熱交換器は、水が内部を流れる水管と、冷媒が内部を流れる冷媒管とを備える。水管は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする金属管本体を有する。冷媒管は、水管との間で熱交換可能である。水管は、第1樹脂層と、第2樹脂層とをさらに有する。第1樹脂層は、金属管本体の内面に形成され、水系エポキシ樹脂を主成分とする。第2樹脂層は、第1樹脂層の表面に形成され、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂を主成分とする。
第1観点に係る熱交換器は、ヒートポンプ式給湯装置等に用いられ、冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器である。熱交換される水が内部を流れる水管は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分としているので、軽量である。水管の内面には、水系エポキシ樹脂層が形成されている。水系エポキシ樹脂層は、親水基を多く含むので、水管の内面と結合しているヒドロキシル基との間で水素結合を形成しやすい。そのため、水系エポキシ樹脂層は、水管の内面との密着力が強い。また、水系エポキシ樹脂層の表面には、有機溶媒系エポキシ樹脂層またはアクリルシリコーン樹脂層が形成されている。これらの樹脂は、低極性で疎水性が高いので、水管の内部を流れる水が浸透しにくい。また、有機溶媒系エポキシ樹脂層またはアクリルシリコーン樹脂層は、水系エポキシ樹脂層との密着力が強い。すなわち、水管の内面に形成される2つの樹脂層は、水管の内面から剥がれ落ちにくく、かつ、水が浸透しにくい。そのため、水管の内面に水が接触することが原因で発生する孔食が生じにくい。従って、第1観点に係る熱交換器の水管は、軽量かつ高防食性である。
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、第1樹脂層は、親水基を含む樹脂を主成分とする。親水基は、ヒドロキシル基やカルボキシル基等である。
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第1観点または第2観点に係る熱交換器であって、第2樹脂層は、第1樹脂層に含まれる樹脂よりも極性が低い樹脂を主成分とする。
本発明に係る熱交換器は、軽量かつ高防食性である。
本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置の概略構成図である。 冷凍装置の構成を表すブロック図である。 冷凍装置の内部構造を表す図である。 本発明の第1実施形態に係る水熱交換器の配管の概略構成図である。 図4のV−V断面図である。 水管の金属管本体の内面に形成される2つの樹脂層を表す図である。 本発明の第2実施形態に係る水熱交換器の配管の概略構成図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 水管の金属管本体の内面に形成される2つの樹脂層を表す図である。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る熱交換器について、図面を参照しながら説明する。
(1)ヒートポンプ式給湯装置の構成
図1は、本発明の実施形態に係る熱交換器である水熱交換器22を備えるヒートポンプ式給湯装置1の概略構成図である。図2は、冷凍装置の構成を表すブロック図である。ヒートポンプ式給湯装置1は、主として、冷凍装置2と、貯湯装置3と、制御部6とから構成されている。
冷凍装置2は、図1に示されるように、主として、圧縮機21と、アキュムレータ21aと、水熱交換器22と、膨張弁23と、空気熱交換器24とから構成されている。圧縮機21と、水熱交換器22内の冷媒管121,122と、膨張弁23と、空気熱交換器24と、圧縮機21の吸入側に設けられているアキュムレータ21aとは、冷媒配管25によって環状に接続され、冷媒循環回路20を構成している。冷媒循環回路20内では、冷媒として二酸化炭素が循環している。冷媒循環回路20には、水熱交換器22から出る高圧高温の冷媒と、空気熱交換器24から出る低圧低温の冷媒との間で熱交換を行うガス熱交換器26が配置されている。
また、冷凍装置2には、図2に示されるように、設置場所の外気温を検出する外気温センサ8と、圧縮機21の吐出管の温度を検出する吐出管温度センサ9と、空気熱交換器24の温度を検出する熱交換温度センサ10とが設けられている。
貯湯装置3は、主として、貯湯タンク31と水循環ポンプ32とから構成されている。貯湯タンク31と、水熱交換器22内の水管123と、水循環ポンプ32とは、水配管35によって環状に接続され、水循環回路30を構成している。貯湯タンク31は、水熱交換器22で加熱された水を貯めるためのタンクである。水循環ポンプ32は、水熱交換器22で加熱された水の循環量を制御するポンプである。
制御部6は、マイクロコンピュータであって、外気温センサ8と、吐出管温度センサ9と、熱交換温度センサ10と、インバータ7と、膨張弁23と接続されている。制御部6は、水熱交換器22で加熱された水の温度を所定の温度に保持しつつ、水循環ポンプ32による水の循環量を制御するために、膨張弁23の開度の調整を行う。制御部6は、吐出管温度センサ9で検出される吐出管温度が所定の温度に近づくように、膨張弁23の開度を制御する。制御部6は、外気温センサ8および熱交換温度センサ10からの温度検出信号に基づいて、吐出管温度の目標値を設定する。
(2)冷凍装置の構成
図3は、冷凍装置2の内部構造を表す図である。図3に示されるように、断熱壁2cの右側区画が機械室2aであり、断熱壁2cの左側区画が送風室2bである。機械室2aには、圧縮機21、膨張弁23が設置されている。送風室2bには、ファン27、水熱交換器22が設置されている。
ファン27は、送風室2bの前方に設置されている。ファン27の後方には、ファン27を駆動するモータ(図示せず)が、モータ支持台28に固定された状態で配置されている。水熱交換器22は、断熱壁2dを隔ててファン27の下方に配置されている。空気熱交換器24は、送風室2bの左側壁および背面壁に沿って配置されている。
冷凍装置2の内部には、電装品ボックス4が設置されている。電装品ボックス4は、機械室2aの上部と送風室2bの上部とを跨ぐように配置されている。電装品ボックス4には、制御部6およびインバータ7等が収納されている。インバータ7は、圧縮機21のモータ(図示せず)を駆動するための信号を生成および出力する。
(3)水熱交換器の構成
水熱交換器22は、主として、2本の冷媒管121,122と、1本の水管123と、図示しないフィンとを備えている。水熱交換器22は、各冷媒管121,122内を流れる二酸化炭素冷媒と、水管123内を流れる水との間で熱交換を行う。図4は、水熱交換器22の冷媒管121,122および水管123の配管120を表す図である。図5は、図4のV−V断面図である。
(3−1)冷媒管の構成
冷媒管121,122は、図4に示されるように、Y方向に長く延びる扁平管である。冷媒管121,122は、図5に示されるように、冷媒が流れる複数の冷媒流路121a,122aをそれぞれ有している。冷媒管121,122の長手方向(Y方向)と直交する断面は、長方形である。各冷媒管121,122の複数の冷媒流路121a,122aは、断面の長辺方向(X方向)に並んで形成されている。各冷媒管121,122の先端部分には、各冷媒流路121a,122aに対応する複数の穴が、断面の長辺方向(X方向)に並んで設けられている。
また、冷媒管121,122は、アルミニウム、銅およびステンレス等で成形することができるが、本実施形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形されている。複数の冷媒流路121a,122aを有する冷媒管121,122は、押し出し加工によって成形される。
(3−2)水管の構成
水管123は、冷媒管121,122と同様に、Y方向に長く延びる扁平管である。水管123は、図5に示されるように、水が流れる1本の水流路123aを有している。水管123の長手方向(Y方向)と直交する断面は、長方形である。水管123の先端部分には、1本の水流路123aに対応する1つの穴が設けられている。
また、水管123は、アルミニウム、銅およびステンレス等で成形することができるが、本実施形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形されている。水管123は、電縫管であり、冷媒管121,122とは異なり、例えば引き抜き加工によって成形される。
水管123は、図5に示されるように、断面の短辺方向(Z方向)に沿って、一対の冷媒管121,122に挟まれている。水管123の扁平面は、冷媒管121,122の扁平面と面接触している。冷媒管121,122および水管123は、接触面において、ロウ付けによって接合されている。
本実施形態において、水管123は、金属管本体123bの内面に、第1樹脂層123c1および第2樹脂層123c2が形成されている。図6は、水管123の断面の一部であり、金属管本体123bの内面に形成された2つの樹脂層を表す図である。金属管本体123bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形された扁平管である。第1樹脂層123c1は、金属管本体123bの内面に形成され、水系エポキシ樹脂からなる樹脂層である。第2樹脂層123c2は、第1樹脂層123c1の表面に形成され、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂のいずれかの樹脂からなる樹脂層である。
(4)水熱交換器の特徴
本実施形態に係る水熱交換器22は、ヒートポンプ式給湯装置1に用いられ、冷凍装置2の冷媒循環回路20を循環する二酸化炭素冷媒と、貯湯装置3の水循環回路30を循環する水との間で熱交換を行う。水熱交換器22は、冷媒循環回路20を構成する冷媒管121,122と、水循環回路30を構成する水管123とを有する。冷媒管121,122内では、冷凍装置2の圧縮機21から吐出された高温の冷媒が流れる。水管123内では、貯湯装置3の水配管35を循環する水が流れる。水管123を流れる水は、冷媒管121,122を流れる冷媒から熱を受け取って加熱され、貯湯タンク31に貯留される。
本実施形態では、水熱交換器22の水管123は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形されている。そのため、水管123は、従来の銅で成形された水管に比べて、軽量である。従って、水熱交換器22も、従来の水熱交換器に比べて軽量である。
また、本実施形態では、水管123の金属管本体123bの内面には、水系エポキシ樹脂からなる第1樹脂層123c1が形成されている。水系エポキシ樹脂は、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の親水基を多く含む。また、金属管本体123bの内面には、アルミニウムと結合しているヒドロキシル基(Al−OH)が存在する。そのため、親水性の第1樹脂層123c1は、金属管本体123bの内面と結合しているヒドロキシル基との間で水素結合を形成しやすい。従って、第1樹脂層123c1は、水管123の内面との密着力が強い。
また、本実施形態では、水系エポキシ樹脂からなる第1樹脂層123c1の表面に、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂からなる第2樹脂層123c2が形成されている。これらの樹脂は、水系エポキシ樹脂よりも低極性であり疎水性が高い。そのため、水管123の水流路123aを流れる水は、第2樹脂層123c2に浸透しにくい。また、有機溶媒系の樹脂からなる第2樹脂層123c2は、水系の樹脂からなる第1樹脂層123c1との密着力が強い。そのため、金属管本体123bの内面に形成される第1樹脂層123c1および第2樹脂層123c2は、金属管本体123bの内面から剥がれ落ちにくい。従って、第1樹脂層123c1および第2樹脂層123c2が剥離して金属管本体123bの内面が露出することが抑制される。これにより、水管123内を流れる水が金属管本体123bと接触および反応して、水管123に孔食が形成されることが抑制される。
以上より、本実施形態に係る水熱交換器22は、軽量かつ高防食性である。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態は、第1実施形態の水熱交換器22と異なる構成を有する水熱交換器222を備えるヒートポンプ式給湯装置に関する。本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置は、水熱交換器222を除き、第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置1と同一の構成および特徴を有している。以下、主に、水熱交換器222の構成について説明する。
本実施形態に係る熱交換器222は、図7および図8に示されるように、主に、多数の水管323と、水分配管333と、多数の冷媒管321と、冷媒分配管331とから構成されている。図7および図8には、5本の水管323と、4つの冷媒管321とが交互に積層されている構成が示されている。なお、積層される水管323および冷媒管321の数は、水熱交換器222に要求される性能等に応じて適宜に決定される。また、図7および図8では、最下段および最上段に水管323が配置されているが、最下段および最上段に冷媒管321が配置されてもよい。
水管323は、1本の水流路323aを有する扁平管である。水熱交換器222において熱交換される水は、水流路323aを流れる。水管323は、図8に示されるように、上下の扁平面に凹凸が形成されている。なお、図7において、水管323の扁平面の凹凸は省略されている。水分配管333は、水管323の両端部に配置される。水分配管333は、各水管323に分流して流入する水、および、各水管323から流出して合流する水が流れる管である。水管323は、アルミニウム、銅およびステンレス等で成形することができるが、本実施形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形されている。
冷媒管321は、複数の冷媒流路321aを有する扁平多穴管である。水熱交換器222において熱交換される二酸化炭素冷媒は、冷媒流路321aを流れる。冷媒分配管331は、冷媒管321の両端部に配置される。冷媒分配管331は、各冷媒管321に分流して流入する冷媒、および、各冷媒管321から流出して合流する冷媒が流れる管である。
本実施形態において、水管323は、金属管本体323bの内面に、第1樹脂層323c1および第2樹脂層323c2が形成されている構造を有している。図9は、水管323の断面の一部であり、金属管本体323bの内面に形成された2つの樹脂層を表す図である。金属管本体323bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形された扁平管である。第1樹脂層323c1は、金属管本体323bの内面に形成され、第1実施形態の第1樹脂層123c1と同様に、水系エポキシ樹脂からなる樹脂層である。第2樹脂層323c2は、第1樹脂層323c1の表面に形成され、第1実施形態の第2樹脂層123c2と同様に、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂のいずれかの樹脂からなる樹脂層である。
本実施形態に係る水管323は、従来の銅で成形された水管に比べて、軽量である。そのため、水熱交換器222も、従来の水熱交換器に比べて軽量である。また、第1実施形態と同様に、金属管本体323bの内面に形成される第1樹脂層323c1は、金属管本体323bとの密着力が強く、かつ、第2樹脂層323c2は、第1樹脂層323c1との密着力が強いので、第1樹脂層323c1および第2樹脂層323c2は、金属管本体323bの内面から剥がれ落ちにくい。そのため、第1樹脂層323c1および第2樹脂層323c2が剥離して金属管本体323bの内面が露出することが抑制される。また、水管323の水流路323aを流れる水は、低極性の第2樹脂層323c2に浸透しにくい。そのため、水流路323aを流れる水が、金属管本体323bの内面と接触および反応して、水管323に孔食が形成されることが抑制される。従って、本実施形態に係る水熱交換器222は、軽量かつ高防食性である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施例では、第1実施形態に係る水熱交換器22に使用される、管内面を2種類の樹脂層でコーティングした水管123の防食性を、以下の実験により確認した。
本実施例では、第1実施形態に係る水管123の金属管本体123bの代わりに、3cm四方のアルミニウム基板を用いた。最初に、基板表面に付着している機械油等の不純物を除去する前処理を行った。具体的には、アルカリ脱脂剤であるファインクリーナー315(日本パーカライジング株式会社製)の4%水溶液に、アルミニウム基板を10分間浸漬させた後、水洗する工程を2回行った。その後、アルミニウム基板を120℃の雰囲気下で10分間放置して乾燥させた。
次に、アルミニウム基板に樹脂層を形成する処理を行った。本実施例では、水系エポキシ樹脂塗料としてトップコート9K−607(DICグラフィックス株式会社製)を使用し、有機溶媒系エポキシ樹脂塗料としてエトン2300NB(川上塗料株式会社製)を使用し、アクリルシリコーン樹脂塗料としてシールコート007(株式会社日興製)を使用した。水系エポキシ樹脂塗料については、電着塗装によりアルミニウム基板表面に塗膜を形成した後、余分な塗料を水で洗い流し、その後、アルミニウム基板を200℃の雰囲気下で10分間加熱して樹脂を硬化させた。また、有機溶媒系エポキシ樹脂塗料またはアクリルシリコーン樹脂塗料については、浸漬塗布によりアルミニウム基板表面に塗膜を形成した後、余分な塗料を水で洗い流し、その後、アルミニウム基板を加熱して樹脂を硬化させた。
次に、樹脂塗料を塗布して硬化させることにより樹脂層が形成されたアルミニウム基板を、85℃の熱水に2ヶ月間浸漬した。その後、アルミニウム基板を熱水から取り出して、基板表面の状態を確認した。具体的には、アルミニウム基板の表面から樹脂層が剥離していないか否か、および、孔食により基板表面に孔が形成されていないか否かを確認した。樹脂層が剥離している基板表面の領域は、樹脂層と基板表面との間に空間が形成される。そのため、剥離した部分は、基板表面から盛り上がって膨れた状態になる。そこで、基板表面の色調を目視することで、樹脂層が剥離している部分である「フクレ」を確認した。また、孔食により基板表面に形成された孔である「ピンホール」も、目視による確認を行った。
さらに、アルミニウム基板の表面に形成された樹脂層の面方向の電気抵抗値である塗膜抵抗値を測定することによって、フクレおよびピンホールを確認した。樹脂は絶縁体であるので、樹脂層と基板表面との密着性が高いほど、高い塗膜抵抗値を示す。そのため、熱水への浸漬後の基板表面にフクレおよびピンホールが形成されている場合、熱水への浸漬前の基板表面と比較して、塗膜抵抗値は小さくなる。逆に、熱水への浸漬前と浸漬後とで塗膜抵抗値が変化しなかった場合、基板表面にフクレおよびピンホールが形成されていないことの証左となる。
次の表1に、本実施例の実験結果を示す。表1において、「第1樹脂層」および「第2樹脂層」は、それぞれ、第1樹脂層123c1および第2樹脂層123c2の樹脂の種類を表す。なお、これらの樹脂層を形成するために使用した樹脂塗料の具体的な製品名は、上述した通りである。表1において、「フクレ」は、樹脂層が基板表面から剥離した部分の数を表し、「ピンホール」は、孔食により基板表面に形成された孔の数を表す。
Figure 2013139937
表1から、有機溶媒系エポキシ樹脂塗料を水管123の金属管本体123bの内面に直接塗布したサンプル1、および、アクリルシリコーン樹脂塗料を水管123の金属管本体123bの内面に直接塗布したサンプル2では、熱水に長期間浸漬した後において、樹脂層の剥離および孔食が確認された。
一方、水系エポキシ樹脂塗料を水管123の金属管本体123bの内面に塗布して第1樹脂層123c1を形成し、その表面に有機溶媒系エポキシ樹脂塗料を塗布して第2樹脂層123c2を形成したサンプル4では、樹脂層の剥離および孔食が確認されなかった。また、水系エポキシ樹脂塗料を水管123の金属管本体123bの内面に塗布して第1樹脂層123c1を形成し、その表面にアクリルシリコーン樹脂塗料を塗布して第2樹脂層123c2を形成したサンプル5でも、樹脂層の剥離および孔食が確認されなかった。なお、本実施形態に係る水熱交換器22に使用される水管123は、サンプル4またはサンプル5のアルミニウム基板の樹脂コーティング処理が施されている。
なお、水系エポキシ樹脂塗料を水管123の金属管本体123bの内面に直接塗布したサンプル3でも、樹脂層の剥離および孔食が確認されなかった。しかし、水系エポキシ樹脂は親水基を多く含むので、水管123内を流れる水が浸透しやすい。そのため、サンプル3を熱水にさらに長期間浸漬した場合、樹脂層の剥離および孔食が発生すると考えられる。
〔変形例〕
(1)変形例A
第1実施形態では、水管123の金属管本体123bの内面に水系エポキシ樹脂からなる第1樹脂層123c1が形成され、第1樹脂層123c1の表面に、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂からなる第2樹脂層123c2が形成されている。
しかし、水管123の金属管本体123bの内面に形成される樹脂層の剥離を抑制でき、かつ、水管123の水流路123aを流れる水の浸透を抑制できるのであれば、他の樹脂が用いられてもよい。この場合、第1樹脂層123c1としては、金属管本体123bの内面との密着性を高くするために、親水基を多く含む水系の樹脂が用いられる。また、第2樹脂層123c2としては、水管123内を流れる水の浸透を抑えるために、第1樹脂層123c1と比べて低極性の有機溶媒系の樹脂が用いられる。本変形例は、第2実施形態で用いられる第1樹脂層323c1および第2樹脂層323c2にも適用可能である。
(2)変形例B
第1実施形態では、水管123の金属管本体123bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形されるが、軽量、かつ、水系エポキシ樹脂との密着力が高い金属であれば、他の金属で成形されてもよい。本変形例は、第2実施形態で用いられる水管323にも適用可能である。
本発明に係る熱交換器は、軽量かつ高防食性である。
22 水熱交換器(熱交換器)
121 冷媒管
122 冷媒管
123 水管
123b 金属管本体
123c1 第1樹脂層
123c2 第2樹脂層
222 水熱交換器(熱交換器)
321 冷媒管
323 水管
323b 金属管本体
323c1 第1樹脂層
323c2 第2樹脂層
特開2007−271213号公報 特開2001−380434号公報

Claims (3)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする金属管本体(123b,323b)を有し、水が内部を流れる水管(123,323)と、
    前記水管との間で熱交換可能であり、冷媒が内部を流れる冷媒管(121,122,321)と
    を備え、
    前記水管は、
    前記金属管本体の内面に形成され、水系エポキシ樹脂を主成分とする第1樹脂層(123c1,323c1)と、
    前記第1樹脂層の表面に形成され、有機溶媒系エポキシ樹脂またはアクリルシリコーン樹脂を主成分とする第2樹脂層(123c2,323c2)と、
    をさらに有する、
    熱交換器(22,222)。
  2. 前記第1樹脂層は、親水基を含む樹脂を主成分とする、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第2樹脂層は、前記第1樹脂層に含まれる樹脂よりも極性が低い樹脂を主成分とする、
    請求項1または2に記載の熱交換器。
JP2011290112A 2011-12-28 2011-12-28 熱交換器 Pending JP2013139937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011290112A JP2013139937A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011290112A JP2013139937A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 熱交換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013139937A true JP2013139937A (ja) 2013-07-18

Family

ID=49037538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011290112A Pending JP2013139937A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013139937A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105508749A (zh) * 2015-10-27 2016-04-20 浙江伟星新型建材股份有限公司 交联聚乙烯内衬复合管及其生产方法
JP2017032198A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 三菱電機株式会社 熱交換システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017032198A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 三菱電機株式会社 熱交換システム
CN105508749A (zh) * 2015-10-27 2016-04-20 浙江伟星新型建材股份有限公司 交联聚乙烯内衬复合管及其生产方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9365931B2 (en) Aluminum alloy with high seawater corrosion resistance and plate-fin heat exchanger
JP5160981B2 (ja) 耐食性に優れたアルミニウム合金材およびプレート式熱交換器
CN107346806A (zh) 高效软包电池热控制装置和冷却方法
WO2005078372A1 (en) Heat exchanger and method for manufacturing the same
JP5186814B2 (ja) 容器用鋼板とその製造方法
US9417018B2 (en) Multi-layer protective coating for an aluminum heat exchanger
WO2017086342A1 (ja) プレコートフィン及び熱交換器
JP2013139937A (ja) 熱交換器
US10422593B2 (en) Sacrificial aluminum fins for failure mode protection of an aluminum heat exchanger
JP2004042482A (ja) 熱交換器用アルミニウム材料およびそれを用いた熱交換器
JP2009091648A (ja) 海水耐食性に優れたアルミニウム合金材及びプレート式熱交換器
WO2016047454A1 (ja) 熱交換器
US20230358488A1 (en) Heat exchanger, manufacturing method thereof and thermal management system
JP2010163665A (ja) 銅合金部材および熱交換器
JP6372439B2 (ja) 熱交換システム
JP2011163646A (ja) 熱交換器用アルミニウムフィン及び熱交換器
JPH04356694A (ja) 熱交換器用アルミニウムフィン用材及びその製造方法
JP2013210144A (ja) アルミニウムフィン材
JP2011235457A (ja) 金属塗装材
JP5753698B2 (ja) 熱交換器用アルミニウムフィン及び熱交換器
JP2018115836A (ja) 低臭気、低含水機能を有した室内機向け空調用フィン材とその製造方法
JP5506566B2 (ja) 熱交換器用アルミニウムフィン及び熱交換器
JP4417607B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板、熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板及びその成形体
JP2007071526A (ja) 耐食性皮膜付き熱交換器及び潜熱回収型給湯器。
CN109273146A (zh) 一种涂漆空心铜电磁线及其制造方法