JP2013139083A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で、隣接2列のチャネル列の各インクチャネル内の駆動電極を配線基板の表面の同一端部まで引き出す。
【解決手段】ヘッドチップ1の最も外側に位置するチャネル列をA列、A列に隣接するチャネル列をB列とするとき、ヘッドチップの後面に、エアーチャネル13内の駆動電極14と導通する共通電極15AがA列とB列との間に形成され、B列のインクチャネル12内の駆動電極と導通するB列用引き出し電極16Bが共通電極と接触することなく個別に形成され、配線基板3のヘッドチップとの接合面に、B列用配線電極36Bが、B列用引き出し電極との電気的接続部位から、ヘッドチップの端部から張り出した配線基板の端部にかけて形成され、少なくともB列用配線電極と共通電極とが重なる領域においては、配線基板の接合面は凹部となっており、B列用配線電極が凹部の内面に沿って形成されることでB列用配線電極と共通電極とが接触。
【選択図】図4

Description

本発明はインクジェットヘッドに関し、詳しくは、インクを吐出するインクチャネルとインクを吐出しないエアーチャネルとが交互に配列されてなるチャネル列を複数列有するヘッドチップの駆動電極と駆動回路との間の電気的接続を容易に行い得るようにしたインクジェットヘッドに関する。
従来、チャネルを区画する駆動壁の両面に形成した駆動電極に電圧を印加することにより駆動壁をせん断変形させ、そのとき発生する圧力を利用してチャネル内のインクをノズルから吐出させるようにしたシェアモード型のインクジェットヘッドとして、前面及び後面にそれぞれチャネルの開口部が配置されたいわゆるハーモニカ型のヘッドチップを有するものが知られている。このようなシェアモード型のインクジェットヘッドは、隣接するチャネルで一つの駆動壁を共用しており、隣接するチャネルを同時に駆動させてインク吐出を行うことができないため、インクを吐出するインクチャネルとインクを吐出しないエアーチャネルとを交互に配置することにより、隣接するインクチャネルから同時にインク吐出を可能とした独立チャネルタイプのインクジェットヘッドも知られている。
ハーモニカ型のヘッドチップは、如何にして各チャネル内に臨む駆動電極と駆動回路との間の電気的接続を行うかが課題である。この課題を解決するため、本発明者は、ヘッドチップの後面に、該ヘッドチップの端部から張り出す大きさを有する配線基板を接合し、このヘッドチップの端部から張り出した配線基板の端部をFPC(フレキシブルプリント基板)との接合部とする技術を提案している(特許文献1)。
この配線基板は、ヘッドチップの後面に開口するチャネルを覆う大きさを有するインク流路用凹部を有しており、配線基板の表面には、インク流路用凹部の外縁部から配線基板の端部にかけて配線電極が形成されている。一方、ヘッドチップの後面には、各チャネル内の駆動電極と導通する引き出し電極が各チャネルから該ヘッドチップの端部まで引き出されている。このヘッドチップの後面に配線基板を接合することにより、各駆動電極を引き出し電極及び配線電極を介して配線基板の端部まで引き出すようにし、これによりFPCとの接続の容易化を図ることができるものである。
ところで、インクジェットヘッドは、高密度化の要求により複数のノズル列を持つことが必要になってきている。このため、複数のチャネル列を有するヘッドチップを作製し、この複数のチャネル列の各チャネル内の駆動電極をFPCによって駆動回路と電気的に接続することが要求されている。このように複数のノズル列を有するインクジェットヘッドでも、上記技術を利用して、ヘッドチップの後面における端部に引き出し電極を配列させ、この引き出し電極に対応する配線電極を有する配線基板を用いることにより、配線基板の端部においてFPCとの接続を容易に行うことができる。
特に、独立チャネルタイプのヘッドチップは、インクチャネルとエアーチャネルとが交互に配置されるため、隣接する2列のチャネル列のうちの内側に位置するチャネル列のインクチャネルでも、外側に位置するチャネル列のエアーチャネルを越えてヘッドチップの端部まで引き出し電極を形成することが可能であり、このようなインクジェットヘッドは本発明者により既に提案されている(特許文献2)。この技術によれば、隣接する2列のチャネル列の各駆動電極を、ヘッドチップの後面における同一端部側に引き出して配列させることができ、配線基板を用いることで、該配線基板の同一端部に2列のチャネル列に対応する各電極を引き出すことができ、配線基板の両端部を利用すれば、最大4列のチャネル列に対応する各電極を引き出すことが可能である。
このとき、ヘッドチップの後面には、各エアーチャネル内の各駆動電極と導通する共通電極(接地用電極)が、該エアーチャネルに隣接する各インクチャネル内から引き出された引き出し電極の引き出し方向と反対側にチャネル列と平行に配線されているので、内側のチャネル列の各インクチャネル内から引き出された引き出し電極は、外側のチャネル列の共通電極と短絡しないようにヘッドチップの端部まで形成しなくてはならない。このため、特許文献2では、ヘッドチップの後面において、内側のチャネル列の各インクチャネル内から引き出された引き出し電極の一部を、絶縁層と金属膜層からなる積層体によって形成し、その絶縁層側が共通電極に接するようにして該共通電極を跨ぐように配線することによって、引き出し電極と共通電極との短絡を防止しつつヘッドチップの同一端部に2列のチャネル列の各引き出し電極を配設させる技術を提案している。
特開2006−82396号公報 特開2008−143167号公報
特許文献2記載の方法は、公知のドライエッチング技術を用いることで積層体を作製することが比較的容易であるが、ヘッドチップの後面にドライフィルムを貼着し、露光、現像処理によって不要部分を除去する必要があることに加え、表面の金属膜と裏面側の引き出し電極とを確実に導通させる必要があるため、積層体の作製が煩雑となってしまい、生産性の観点で解決すべき課題を有している。
また、積層体を形成する絶縁層には、一般に有機樹脂フィルムが用いられるが、強溶剤インクや酸、アルカリインクに対する耐久性が十分でなく、このような耐久性の面でも解決すべき課題を有している。
更に、絶縁層に用いられる有機樹脂フィルムは、一般に熱膨張係数が高く、また、湿度や張力に対する寸法変化が大きいという問題があり、ヘッドチップが長尺(50mm以上)になってくると、特に後面に対する接合が困難になってくるという問題もある。
隣接する2列のチャネル列のうちの内側に位置するチャネル列の駆動電極に対し、配線基板を貫通する貫通電極によって該配線基板の裏面(ヘッドチップとの接合面の反対面)に配線することで、配線基板の表裏両面を利用して電極を配線基板の端部まで引き出す方法もあるが(特許文献1の図9参照)、配線基板に貫通電極を形成することは、加工作業が極めて煩雑であるために生産性の観点からは必ずしも望ましい方法ではない。
そこで、本発明は、インクを吐出するインクチャネルとインクを吐出しないエアーチャネルとが交互に配置されたチャネル列を複数有する独立チャネルタイプのハーモニカ型ヘッドチップを備えたインクジェットヘッドにおいて、ヘッドチップの後面に積層体を形成せずとも共通電極との短絡が生じることなく、また、配線基板に貫通電極を形成する必要もなく、簡易な構造で、隣接する2列のチャネル列の各インクチャネル内の駆動電極を配線基板の表面の同一端部まで引き出すことができるようにすることを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、チャネルと圧電素子からなる駆動壁が交互に並設されると共に、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置され、前記チャネル内に臨む前記駆動壁に駆動電極が形成され、インク吐出を行うインクチャネルとインク吐出を行わないエアーチャネルとが交互に配置されたチャネル列が複数並設されてなるヘッドチップと、前記ヘッドチップの後面に、前記チャネル列の並設方向における該ヘッドチップの端部から張り出すように接合された配線基板とを有し、該配線基板の前記ヘッドチップとの接合面に形成された配線電極を介して前記駆動電極に駆動信号を印加するインクジェットヘッドであって、
前記複数のチャネル列のうちの前記ヘッドチップの最も外側に位置するいずれかのチャネル列をA列、該A列に隣接するチャネル列をB列とするとき、前記ヘッドチップの後面に、前記エアーチャネル内の前記駆動電極と導通する共通電極が、A列とB列との間においてチャネル列方向に沿って形成されていると共に、B列の前記インクチャネル内の駆動電極と導通するB列用引き出し電極が、前記共通電極と接触することなく個別に形成されており、
前記配線基板の前記ヘッドチップとの接合面に、前記B列用引き出し電極と電気的に接続されるB列用配線電極が、前記B列用引き出し電極との電気的接続部位から、前記ヘッドチップの端部から張り出した前記配線基板の端部にかけて形成されていると共に、少なくとも前記B列用配線電極と前記共通電極とが重なる領域においては、前記配線基板の前記接合面は凹部となっており、前記B列用配線電極が前記凹部の内面に沿って形成されることで、該B列用配線電極と前記共通電極とが接触しないことを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項2記載の発明は、前記ヘッドチップの後面に、A列の前記インクチャネル内の前記駆動電極と導通するA列用引き出し電極が該ヘッドチップの端部まで個別に引き出されており、
前記配線基板の前記ヘッドチップとの接合面に、前記A列用引き出し電極と電気的に接続されるA列用配線電極が、前記A列用引き出し電極との電気的接続部位から、前記ヘッドチップの端部に張り出した前記配線基板の端部にかけて形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドである。
請求項3記載の発明は、前記配線基板の前記凹部は、該凹部内の底面から立ち上がる側壁が傾斜面であることを特徴とする請求項1又は2記載インクジェットヘッドである。
請求項4記載の発明は、前記配線基板は、前記ヘッドチップの前記各インクチャネルに対応する部分に、該インクチャネル内にインクを供給可能とするインク供給口が表裏に貫通するように個別に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッドである。
請求項5記載の発明は、前記インク供給口は、前記ヘッドチップとの接合面と反対面側に行くに従って次第に拡大する傾斜状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘッドである。
請求項6記載の発明は、前記配線基板における前記ヘッドチップとの接合面と反対面に、前記インクチャネルに対して共通に供給されるインクを貯留する共通インク室が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェットヘッドである。
請求項7記載の発明は、前記ヘッドチップは4列のチャネル列を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
本発明によれば、インクを吐出するインクチャネルとインクを吐出しないエアーチャネルとが交互に配置されたチャネル列を複数有する独立チャネルタイプのハーモニカ型ヘッドチップを備えたインクジェットヘッドにおいて、ヘッドチップの後面に積層体を形成せずとも共通電極との短絡が生じることなく、また、配線基板に貫通電極を形成する必要もなく、簡易な構造で、隣接する2列のチャネル列の各インクチャネル内の駆動電極を配線基板の表面の同一端部まで引き出すことが可能となる。
本発明に係るインクジェットヘッドにおけるヘッドチップの背面図 配線基板の平面図 図1、図2の(x)−(x)線断面図 図1、図2の(y)−(y)線断面図 ヘッドチップの製造例を説明する図 ヘッドチップの製造例を説明する図 配線基板の製造例を説明する図 凹部の部分拡大図 共通電極の他の配置パターンを示す図 配線基板の他の例を示す平面図
本発明におけるヘッドチップは、インク吐出を行うインクチャネルとインク吐出を行わないエアーチャネルとが交互に配置されたチャネル列が複数並設されている。ヘッドチップは圧電素子からなる駆動壁を有しており、チャネルと駆動壁とが交互に並設されることで、各チャネルの両側壁が駆動壁によって構成される。ヘッドチップは、前面及び後面にそれぞれチャネルの開口部が配置され、各チャネル内に臨む駆動壁の表面には駆動電極が形成されている。
このようなヘッドチップは、六面体からなるいわゆるハーモニカ型のヘッドチップであり、駆動壁両面の各駆動電極に所定の駆動信号を印加することによって該駆動壁をくの字状に変形させ、チャネル内に供給されたインクに吐出のための圧力変化を与え、ヘッドチップの前面に配置されたノズルからインク滴として吐出させる。
本発明では、このようなハーモニカ型のヘッドチップにおいて、ノズルが配置されてインクが吐出される側の面を「前面」、その反対側の面を「後面」と定義する。また、ヘッドチップにおいてチャネル列を挟んで対向する外側面をそれぞれ「上面」、「下面」と定義する。
かかるヘッドチップには、複数のチャネル列のうちの最も外側に位置するいずれかのチャネル列をA列、該A列に隣接するチャネル列をB列とするとき、エアーチャネル内の駆動電極に共通に導通する共通電極が、A列とB列との間においてチャネル列方向に沿って形成されている。
ここで、このA列とB列との間に形成される共通電極は、A列のエアーチャネルとB列のエアーチャネルのうちの少なくともA列のエアーチャネルの駆動電極に共通に導通するものであればよい。従って、この共通電極は、A列のエアーチャネル内の駆動電極の各々に共通に導通するA列用の共通電極だけであってもよいし、このA列用の共通電極に加えて、B列のエアーチャネル内の駆動電極の各々に共通に導通するB列用の共通電極もA列とB列との間にチャネル列方向に沿って形成されていてもよい。前者の場合は、B列のエアーチャネル内の駆動電極の各々に共通に導通するB列用の共通電極は、ヘッドチップの後面におけるA列とは反対側にチャネル列方向に沿って形成される。また、後者の場合、共通電極はA列用とB列用とが1本の共通電極で共用されていてもよい。
ヘッドチップの後面には、B列のインクチャネル内の駆動電極と導通するB列用引き出し電極が個別に形成されている。各B列用引き出し電極は、一端がB列の各インクチャネル内に臨む駆動電極と導通し、そこからA列のチャネル列側に向けて延び、他端がA列とB列との間に形成されている共通電極と接触することなく、該共通電極の手前で止まっている。これにより、各B列用引き出し電極は、B列とA列との間にB列のインクチャネルと同ピッチで個別に配列される。
一方、かかるヘッドチップの後面に接合される配線基板は、ヘッドチップとの熱膨張係数が近く、寸法安定性に優れる材質を用いることが好ましく、例えばガラス基板、セラミックス基板、シリコン基板等の基板材料によって形成される。その大きさは、チャネル列の並設方向における該ヘッドチップの端部から張り出す大きさを有している。張り出す量は、この張り出した端部がFPCとの接続部位となることから、少なくともFPCとの接続領域を確保し得る程度の張り出し量を有していることが必要であり、また、過度の張り出しは小型化の妨げとなるため、2〜5mmが適当である。
配線基板の表面(ヘッドチップとの接合面)には、B列用引き出し電極と電気的に接続されるB列用配線電極が、該B列用引き出し電極と同一ピッチで、B列用引き出し電極との電気的接続部位から、ヘッドチップの端部から張り出した配線基板の端部にかけて形成されている。この配線基板の表面は、少なくともB列用配線電極と共通電極とが重なる領域においては凹部となっており、B列用配線電極はこの凹部の内面に沿って該凹部を横断するように形成されていることで、該B列用配線電極と共通電極とが接触しないように構成されている。
これにより、B列の各インクチャネル内の駆動電極は、B列用引き出し電極及び配線基板表面のB列用配線電極によって、A列とB列との間の共通電極及びA列のチャネル列を跨いで、ヘッドチップのA列側の端部から外側に引き出され、配線基板の端部まで延ばされる。このため、ヘッドチップの後面に従来のような積層体を設けたり、配線基板に貫通電極を設けたりする必要がなく、また、共通電極との短絡が生じることなく、隣接する2列のチャネル列の各インクチャネル内の駆動電極を配線基板の表面の同一端部まで引き出すことが可能となる。
配線基板の凹部は、少なくともB列用配線電極と共通電極とが重なる領域に形成されていればよい。従って、B列用配線電極と共通電極とが重なる領域を含む任意の形状で形成することもでき、例えば、これらB列用配線電極と共通電極とが重なる領域を含むように、配線基板の幅方向(ヘッドチップのチャネル列方向と同方向)に沿って同一幅となる帯状、その他の任意の形状で形成してもよいし、B列用配線電極と共通電極とが重なる領域のみに該領域と同形状となるように局所的に形成してもよい。
凹部を共通電極全体を含むように帯状に形成した場合、共通電極はこの凹部内に収容されて配線基板の表面と接しない形態となるため、共通電極を厚く形成することも可能となり、これにより電気抵抗を下げる効果が得られるようになる。また、共通電極上に水系インクと直接接触しないようにするための有機絶縁保護膜(パリレン膜)が形成されている場合には、この有機絶縁保護膜が膨張するようなことがあっても、配線基板と干渉することがなく、配線基板の浮き上がりが発生するおそれがない。
この凹部は、共通電極と該凹部の内面に沿うB列用配線電極とが接触することのない程度の深さに形成されればよく、従来の配線基板のようにヘッドチップの後面との間に各チャネルで共通のインク流路となる空間を形成するための深さは必要ない。具体的には10〜30μmとすることができる。凹部の形成方法は特に問わず、ダイシングソーで研削加工する方法の他、ガラス基板やシリコン基板等のようにエッチング可能な基板の場合は、エッチング加工によって作製することもできる。エッチング加工の場合は、任意の形状で凹部を形成することができる。この場合、上述したように、少なくともB列用配線電極と共通電極とが重なる領域に凹部が形成されていればよい。
また、凹部は、結果的に配線基板の表面が凹状となっていればよく、配線基板の表面から掘り下げて作製するものに限らず、逆に配線基板の表面の凹部となる領域以外の領域に、薄板状の基板を積層(肉盛り)することによって作製してもよい。
この凹部は、該凹部内の底面から立ち上がる側壁が傾斜面となっていることが好ましい。傾斜面であることにより、凹部の外縁部において、側壁と配線基板の表面との間でなす角度が鈍角となるため、この凹部の内面に沿って形成されるB列用配線電極が凹部の外縁部に沿って屈曲する部分で断線するおそれを回避することができる。
本発明において、A列のインクチャネル内の駆動電極は、従来と同様の方法でA列用引き出し電極を形成し、配線基板の表面のA列用配線電極によって該配線基板の端部まで延ばすことができる。すなわち、A列のインクチャネル内の駆動電極と導通するA列用引き出し電極は、一端がA列の各インクチャネル内に臨む駆動電極と導通し、そこからB列のチャネル列側とは反対のヘッドチップの端部に向けて延び、他端が該ヘッドチップの後面における端部で止まっている。これにより、各A列用引き出し電極は、ヘッドチップの後面における端部にA列のインクチャネルと同ピッチで個別に配列される。そして、配線基板の表面に、A列用引き出し電極と電気的に接続されるA列用配線電極が、A列用引き出し電極との電気的接続部位から、ヘッドチップの端部から張り出した配線基板の端部にかけて形成される。
配線基板には、ヘッドチップの各インクチャネルに対応する部分に、該インクチャネル内にインクを供給可能とするインク供給口が表裏に貫通するように個別に形成されていてもよい。これにより、配線基板の裏面側(ヘッドチップとの接合面の反対面側)から各インクチャネルに対してインクを供給することができる。
この場合、配線基板におけるヘッドチップとの接合面と反対面に、インクチャネルに対して共通に供給されるインクを貯留する共通インク室を設けることにより、この共通インク室からインク供給口を介して各インクチャネル内にインクを供給することができる。
インク供給口は、ヘッドチップとの接合面と反対面側に行くに従って次第に拡大するテーパー状に形成されていることが好ましい。これにより、共通インク室から各インクチャネル内へのインク供給時の流路抵抗を低減することができ、円滑なインク供給を実現することができる。
本発明は、2列のチャネル列のみを有するヘッドチップの場合、ヘッドチップのいずれか一方端部から張り出す配線基板の一方端部のみを利用して、各列のインクチャネル内の駆動電極を引き出すことができるが、配線基板の両端部を利用することにより、3列以上のチャネル列を有するヘッドチップの場合にも適用することができ、特に4列のチャネル列を有する独立チャネルタイプのインクジェットヘッドでも容易に作製することができ、高密度、高精細な画像記録が可能でFPCとの接続も容易な独立チャネルタイプのインクジェットヘッドを簡単に実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るインクジェットヘッドにおけるヘッドチップの背面図、図2は配線基板の平面図、図3は図1、図2の(x)−(x)線断面図、図4は図1、図2の(y)−(y)線断面図である。
ヘッドチップ1は、圧電素子からなる駆動壁11とチャネル12又は13とが交互に並設されたチャネル列が、図示上下方向に複数並設されている。ここでは各チャネル列はそれぞれ6つのチャネル(3つのチャネル12と3つのチャネル13)を有するものを例示しているが、チャネル数は限定されない。
このヘッドチップ1において、図示下側に位置する最も外側のチャネル列がA列、A列のチャネル列に隣接する一つ内側(図示上側)のチャネル列がB列である。
なお、本実施形態に示すヘッドチップ1は図示上下方向に4列に並設されたチャネル列を有するものを想定しているが、4列のチャネル列を有するヘッドチップ1は図中のO−O線を中心にして上下対称形状であるため、ここでは下側の2列のチャネル列のみを図示している。従って、4列のチャネル列は、最も外側に位置する2列のチャネル列がA列、その内側に位置する2列のチャネル列がB列である。チャネル列数が2列のみからなるヘッドチップの場合は、O−O線部分がヘッドチップの上端部に相当する。
各チャネル列は、チャネル一つおきにインクを吐出するインクチャネル12とインクを吐出しないエアーチャネル13とが並設されている。ヘッドチップ1の前面及び後面には、それぞれ各チャネル12、13の前面側の開口部121、131と後面側の開口部122、132とが対向している。
ここでは、A列とB列とは、各インクチャネル12と各エアーチャネル13とが1ピッチずれて形成されている。すなわち、図1において、A列のインクチャネル12とB列のエアーチャネル13が図示上下方向の同一線上に配置され、A列のエアーチャネル13とB列のインクチャネル12が図示上下方向の同一線上に配置される関係となっている。
各チャネル12、13の内面全面(チャネル12、13の内面に臨む駆動壁11の表面を含む。)には、それぞれNi、Au、Cu、Al等の金属膜からなる駆動電極14が密着形成されている。
ヘッドチップ1の後面には、A列の全てのエアーチャネル13内の駆動電極14と導通する1つの共通電極15Aが、チャネル列と直交する方向(図示上下方向)のうちの図示上方のB列側に向けて引き出し形成され、A列とB列との間においてチャネル列方向(図示左右方向)に沿うように延びている。また、B列の全てのエアーチャネル13内の駆動電極14と導通する1つの共通電極15Bが、A列と反対側である図示上方に引き出し形成され、該部においてチャネル列方向(図示左右方向)に沿うように延びている。
更に、ヘッドチップ1の後面には、A列の各インクチャネル12内の駆動電極14と導通するA列用引き出し電極16Aが、共通電極15Aの引き出し方向であるB列側とは反対方向となる図示下方の下端部1aに向けてそれぞれ個別に引き出し形成されており、該下端部1aにおいてA列のインクチャネル12と同一ピッチで並列している。
一方、B列の各インクチャネル12には、内部の駆動電極14と導通するB列用引き出し電極16Bが、共通電極15Bの引き出し方向と反対方向となる図示下方のA列側に向けて個別に引き出し形成され、該A列の共通電極15Aの手前まで延びてB列のインクチャネル12と同一ピッチで並列している。この各B列用引き出し電極16Bは、共通電極15A側の端部が幅広状に形成されている。
A列、B列の各エアーチャネル13の後面側の開口部132には、インクの流入を阻止するための蓋部材である流路規制部材17がそれぞれ個別に設けられ、各エアーチャネル13の開口部132を完全に閉塞している。この流路規制部材17は本発明において必須のものではないが、インクを吐出する必要のないエアーチャネル13内へのインクの流入を防止し得る点で好ましく設けることができる。
流路規制部材17としては、一般的なドライエッチングによってパターニングが可能な有機フィルムを用いることが好ましく、例えばポリイミド、液晶ポリマー、アラミド、ポリエチレンテレフタレート等の種々の樹脂からなるフィルムが挙げられる。中でも、エッチング性の良好なポリイミドフィルムが好ましい。また、ドライエッチングを容易にするためには、できるだけ薄いフィルムを用いることが望ましいが、強度が高くて薄くても強度を保つことができるアラミドフィルムを使用することも好ましい。
また、ドライエッチング可能な絶縁層として、シリコン基板を用いることもできる。但し、シリコンのドライエッチングにはCFやSF等の特殊ガスを使用する必要があり、装置も特殊になるので一般的にはコスト高となる。
更に、感光性ドライフィルムを用いる方法も採用することができる。感光性ドライフィルムをヘッドチップ1の後面に貼り付け、所定のマスクで露光し、現像することにより、所望の形状の流路規制部材17を形成することができる。
ヘッドチップ1の前面には、ノズルプレート2が接合されている。ノズルプレート2には、A列及びB列の各インクチャネル12に対応する位置にのみノズル21が開設されている。従って、インクを吐出しない各エアーチャネル13の前面側の開口部131はノズルプレート2によって閉塞されている。
次に、このヘッドチップ1の製造例を図5、図6に基づいて以下に説明するが、何らこれに限定されるものではない。
まず、1枚の基板100上に、分極処理されたPZT等からなる圧電素子基板101をエポキシ系接着剤を用いて接合し、更に、その圧電素子基板101の表面にドライフィルム102を貼着する(図5(a))。
次いで、そのドライフィルム102の側から、ダイシングブレード等を用いて複数の平行な溝103を研削する。各溝103は圧電素子基板101の一方の端から他方の端に亘り、且つ、基板100にほぼ至る程度の一定の深さで研削することで、長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレート状に形成する(図5(b))。
次いで、溝103を研削した側から、Ni、Au、Cu、Al等の電極形成用金属をスパッタリング法、蒸着法等によって適用し、削り残されたドライフィルム102の上面及び各溝103の内面に金属膜104を形成する(図5(c))。
その後、ドライフィルム102をその表面に形成された金属膜104と共に除去することにより、各溝103の内面のみに金属膜104が形成された基板105を得る。そして、同様に形成された基板105を2枚用意し、各基板105の溝103同士が互いに合致するように位置合わせして、エポキシ系接着剤等を用いて接合する(図5(d))。
次いで、このようにして得られたヘッド基板106を2枚用意して重ね合わせて接着し、溝103の長さ方向と直交する方向に沿って切断することにより、2列のチャネル列を有する複数個のハーモニカ型のヘッドチップ1を一度に作成する。各溝103はチャネル12又は13となり、各溝103内の金属膜104は駆動電極14となり、隣接する溝103の間は駆動壁11となる。カットラインC、C…間の幅は、それによって作製されるヘッドチップ1、1…のインクチャネル12の駆動長(L長)を決定するものであり、この駆動長に応じて適宜決定される(図5(e))。
次いで、これにより得られたヘッドチップ1の後面にマスク材としてのドライフィルム200を形成し、共通電極15A、15Bを形成するための開口201A、201Bと、A列用引き出し電極16Aを形成するための開口202Aと、B列用引き出し電極16Bを形成するための開口202Bとを露光、現像により形成する(図6)。
そして、このドライフィルム200の側から、真空蒸着により電極形成用金属として例えばAlを適用し、各開口201A、201B、202A、202B内にそれぞれAl膜を選択的に形成する。このAl膜により、ヘッドチップ1の後面に、それぞれ共通電極15A、15B、A列用引き出し電極16A、B列用引き出し電極16Bが形成される。
これら共通電極15A、15B、A列用引き出し電極16A及びB列用引き出し電極16Bと各インクチャネル12内の駆動電極14及び各エアーチャネル13内の駆動電極14との接続を確実にするためには、蒸着は方向を変えて2度行うことが望ましい。具体的には、図示面に垂直な方向から、上下に各30度の方向から行うことが望ましい。更に、図5(d)に示すように上下に分かれている金属膜104同士の接続を確実にするためには、右又は左30度の方向からの蒸着を行うことも望ましい。
また、Al膜の形成方法としては蒸着に限らず、一般の薄膜形成方法を採用することができる。また、導電性ペーストをインクジェットで塗布する方法を用いることもできる。特にスパッタ法が、飛来する金属粒子の方向がランダムなため、特に方向を変えなくてもチャネル内部まで金属膜を形成できるので好適である。Al膜の形成後、溶剤でドライフィルム200を溶解剥離することで、ドライフィルム200上に形成されていたAl膜は除去され、ヘッドチップ1の後面には、共通電極15A、15B、A列用引き出し電極16A及びB列用引き出し電極16Bのみが残存する図1の状態となる。
なお、ドライフィルム200の現像工程・水洗工程での作業性を考え、ドライフィルム200はチャネル12、13の全面においても開口していることが望ましい。全面において開口していることにより、チャネル12、13内の現像液、洗浄水の除去が容易となる。
また、マスク材はドライフィルムに限らず、金属マスクを用いてもよい。
流路規制部材17を設ける場合は、この後、ヘッドチップ1の後面全面もしくは各チャネル列を覆う程度の大きさを有する流路規制部材用のフィルムを接着し、流路規制部材17に相当する領域をマスクした後、ヘッドチップ1の後面に対してドライエッチングを行い、不要なフィルムを除去すればよい。具体的なドライエッチングの手段としては、流路規制部材17に用いられる樹脂に応じて適宜選択できる。例えばポリイミドフィルムを用いた場合は酸素プラズマを用いてドライエッチングすることが可能である。
エッチングにはウェットエッチングも使用可能であるが、一般にウェットエッチング液は酸性やアルカリ性であり、駆動電極14を侵すおそれがあるため、ドライエッチングが好ましい。しかも、万一、フィルムの接着時に接着剤の滲み出し等が発生しても、ドライエッチングする際に同時に不要な接着剤も分解除去できるので、余剰の接着剤がチャネルを塞いだり、電極表面を覆ったりする問題も解消する。
一方、配線基板3は、少なくともヘッドチップ1の後面における上面側の端部及び下面側の端部1aからそれぞれ張り出す程度の大きさを有している。ヘッドチップ1との接合面である配線基板3の表面には、A列とB列との間に配置される共通電極15Aと接触しないように、該共通電極15Aを含み且つA列用の引き出し電極16A及びB列用の引き出し電極16Bを含まない領域に対応する部分に、チャネル列方向に沿って延びるように帯状の凹部31が形成されている。
また、同じく配線基板3の表面には、B列のチャネル列に沿うように、該B列のチャネル列の各チャネルの後面側の開口部122、132を含む領域に亘って帯状の凹部32が形成されている。凹部32は、凹部31と同様の方法で作製することができる。この凹部32はB列のエアーチャネル13に設けられた流路規制部材17を収容するための凹部であり、流路規制部材17を設けない場合は本発明において必須のものではない。
配線基板3の表面は、このように凹部31、32が形成されることにより、これら凹部31、32の領域と、該凹部31、32に対して相対的に凸となる同一高さの平面領域33、34、35とを有している。
最も端部側に位置する平面領域33には、ヘッドチップ1の後面に形成されているA列用引き出し電極16Aと同一ピッチで、A列用配線電極36Aが形成されている。このA列用配線電極36Aは、平面領域33上における凹部31と接する縁部331から、ヘッドチップ1の端部1aから張り出す配線基板3の下端部3aにかけて、平面領域33を横断するように配線されている。このA列用配線電極36Aは、縁部331の近傍部位がA列用引き出し電極16Aとの電気的接続部位とされる。
また、平面領域34、凹部31及び平面領域33に亘って、ヘッドチップ1の後面に形成されているB列用引き出し電極16Bと同一ピッチで、B列用配線電極36Bが形成されている。このB列用配線電極36Bは、平面領域34上における凹部32と接する縁部341と近接する部位から、該平面領域34を横断し、凹部31の内面に沿って該凹部31を横断し、更に平面領域33を横断するように、ヘッドチップ1の端部1aから張り出す配線基板3の下端部3aにかけて配線され、A列用配線電極36Aと交互になるように配列されている。このB列用配線電極36Bは、平面領域34上の部位がB列用引き出し電極16Bとの電気的接続部位とされる。
B列用配線電極36Bは、凹部31内面に沿って該凹部31を横断することにより立体的に配線されるため、凹部31の表面側の2箇所の縁部331、342(図2参照)において外側に凸に屈曲するように形成される。このような屈曲する部位では、金属膜が部分的に薄くなることによって断線が発生する懸念がある。このため、この縁部331、342の部位の金属膜に断線を生じるおそれがないように、図8に示すように、凹部31の底面31aから立ち上がる側壁31bを、表面にいくに従って次第に広がる傾斜面とすることにより、縁部331、342において該側壁31bと配線基板3の表面3bとがなす角度が鈍角になるようにしている。側壁31bを傾斜面とするには、凹部31を掘り下げる場合は、ダイシングソーによる研削、サンドブラスト、エッチング等の加工条件を適宜調整することによって行うことができる。また、凹部31以外の領域に肉盛りする場合は、積層される基板の凹部側の縁部に、予めテーパー加工を施しておけばよい。
なお、本実施形態では、中央部に位置する平面領域35上に、ヘッドチップ1の後面に形成されている共通電極15Bに対応するように、共通配線電極37が形成されている。この共通配線電極37は本発明において必須のものではないが、配線基板3がヘッドチップ1の後面に接合された際、共通電極15Bと電気的に接続することにより、該共通電極15Bの電気抵抗を低減させる効果が得られるために好ましく設けることができる。
配線基板3の裏面(ヘッドチップ1との接合面と反対面)には、ヘッドチップ1のA列及びB列の各チャネル列に対応する位置に、該チャネル列に沿うように、所定深さの凹溝38A、38Bが形成されている(図3、図4参照)。なお、A列に対応する凹溝38Aは、配線基板3の表面の凹部31の反対面側に位置し、B列に対応する凹溝38Bは、配線基板3の表面の凹部32の反対面側に位置している。
これらの凹溝38A、38Bも凹部31、32と同様、配線基板3の裏面から掘り下げて作製するものに限らず、逆に配線基板3の裏面の凹溝となる領域以外の領域に、薄板状の基板を積層(肉盛り)することによって形成してもよい。本実施形態では、各凹溝38A、38Bは、裏面側にいくに従って次第に拡大し、チャネル列と直交する方向(図示上下方向)の幅が広くなる傾斜状に形成されている。
各凹溝38A、38Bは、配線基板3の表面に貫通するものではないが、各凹溝38A、38Bの底面には、A列及びB列の各インクチャネル12内へのインク供給を可能とするためのインク供給口39A、39Bが、各インクチャネル12のみに対応する位置に個別に開口形成されている。従って、配線基板3は、凹溝38A、38B内のインク供給口39A、39Bの部位のみにおいて表裏に貫通している。各インク供給口39A、39Bの大きさは、各インクチャネル12の後面側の開口部122と少なくとも同じ大きさとされている。各凹溝38A、38Bは、裏面側にいくに従ってチャネル列と直交する方向の幅が広くなる傾斜状となっているため、配線基板3の裏面側から供給されるインクの流路抵抗が低減され、インク供給をスムーズに行うことができる。
なお、凹溝38A、38Bは、チャネル列に沿う帯状に形成するものに限らず、各インクチャネル12のみに対応する位置に個別に形成するようにしてもよい。
次に、このような配線基板3の製造例を図7に基づいて以下に説明するが、何らこれに限定されるものではない。なお、図7は、図2中の(x)−(x)線に沿う断面を示している。このためB列用配線電極36Bは図示されない。
まず、配線基板用の所定厚みの基板300を用意し、後に配線基板3の表面となる面に、凹部31、32を形成する(図7(a))。ここでは基板300に厚さ0.7mmのガラス基板を使用し、各々深さ20μmとなる凹部31、32をダイシングソーで研削することによってざぐり加工している。また、この他に、レジストプロセスで凹部31、32となる部位だけレジストを除去し、エッチングによってガラスを溶解したり、サンドブラストによって掘削加工したりすることによって凹部31、32を加工してもよい。
次いで、基板300の表面にドライフィルムを形成し、露光、現像処理によってA列用配線電極36A、B列用配線電極36B及び共通配線電極37に対応する部位のドライフィルムを除去した後、蒸着法によって厚さ2μmのAl等の金属膜を形成する。その後、残存するドライフィルムを除去して、基板300の表面に蒸着された金属膜からなるA列用配線電極36A、B列用配線電極36B及び共通配線電極37を形成する(図7(b))。
次いで、基板300の表裏両面にドライフィルム401、402を形成し、露光、現像処理によって、表面側のドライフィルム401のインク供給口39A、39Bに対応する部位及び裏面側のドライフィルム402の凹溝38A、38Bに対応する部位を除去し、その後、基板300の裏面側からサンドブラストを行い、凹溝38A、38Bを所定深さでざぐり加工する(図7(c))。
更に、基板300の表面側からもサンドブラストを行い、凹溝38A、38Bの底面を貫通するインク供給口39A、39Bを個別に開口形成する(図7(d))。
最後にドライフィルム401、402を除去することにより、配線基板3を得る(図7(e))。
このようにして作製された配線基板3は、表面がヘッドチップ1の後面に接し、且つ、A列用配線電極36AがA列用引き出し電極16Aと電気的に接続し、B列用配線電極36BがB列用引き出し電極16Bと電気的に接続するように位置合わせされ、接着剤、異方導電性フィルム等によって接合される。これにより、ヘッドチップ1のA列の各チャネル12内の駆動電極14は、A列用引き出し電極16A及びA列用配線電極36Aを介して、配線基板3の下端部3aまで引き出されると共に、B列の各チャネル12内の駆動電極14は、B列用引き出し電極16B及びB列用配線電極36Bを介して、A列とB列との間に配置される共通電極15Aと短絡することなく、該共通電極15Aを跨ぐようにして、同じく配線基板3の下端部3aまで引き出される。また、配線基板3の各インク供給口39A、39Bは、ヘッドチップ1の各インクチャネル12にそれぞれ対応して配置される。
配線基板3の端部(上端部及び下端部3a)には、そこに露出するA列用配線電極36A及びB列用配線電極36Bに対してFPC4を接続することにより、このFPC4を介して不図示の駆動回路との電気的接続を図る。
配線基板3の裏面には、各凹溝38A、38Bを全て覆うように、箱形状のマニホールド5が接合される。マニホールド5の内部はインクが貯留される共通インク室51であり、この共通インク室51のインクが、配線基板3の凹溝38A、38B及びインク供給口39A、39Bを介して、各インクチャネル12内に供給される。
図9は、ヘッドチップ1の後面に形成される共通電極の配置パターンの他の例を示している。本発明に係るインクジェットヘッドは、このような共通電極の配置パターンにも適用することができる。
図9(a)では、A列とB列の間に、A列の各エアーチャネル13から引き出された共通電極15Aに加えて、B列の各エアーチャネル13から引き出された共通電極15Bも同様に配置され、両者が並列している。この場合、B列用引き出し電極16Bは、対応する各インクチャネル12から、この共通電極15Bの手前にかけて形成される。この態様では、配線基板3は、凹部31の領域(図中破線で示す領域)で共通電極15A、15Bのいずれとも接触することはなく、従って、該配線基板3に形成されるB列用配線電極36Bは、これら共通電極15A、15Bのいずれとも短絡することはない。
一方、図9(b)では、A列とB列の間に、A列の各エアーチャネル13とB列の各エアーチャネル13の両チャネルから引き出された共通の1本の共通電極15のみが配置され、チャネル列方向に延びている。この場合も、B列用引き出し電極16Bは、対応する各インクチャネル12から、この共通電極15の手前にかけて形成される。この態様でも、配線基板3は、凹部31の領域(図中破線で示す領域)で共通電極15と接触することはなく、従って、該配線基板3に形成されるB列用配線電極36Bは、共通電極15と短絡することはない。
以上の実施形態では、エアーチャネル13を流路規制部材17によって閉塞したが、このような流路規制部材17を設けない場合、凹部31、32の深さ及びヘッドチップ1の後面との間に介在させる接着剤の塗布厚さを適切に設定することにより、その接着剤によってエアーチャネル13の後面側の開口部132を閉塞することもできる。これによれば、流路規制部材17を設ける手間が不要となり、それだけ低コストで高信頼性のあるインクジェットヘッドとすることができる。しかも、有機フィルムを使用することがないため、強溶剤、酸、アルカリインクを射出することも可能となり、使用インク選択の幅を広げることができる。
なお、以上図示した配線基板3の凹部31、32は、ダイシングソーで研削することによってざぐり加工した。一方、エッチングやサンドブラストによれば、任意の形状でざぐり加工を行うことが可能である。図10は、配線基板3の表面において、B列用配線電極36Bがヘッドチップ1の共通電極と重なる領域にエッチング加工によって凹部310をざぐり加工した例を示している。
すなわち、凹部310は、B列用配線電極36Bが、図1、図3に示したように、ヘッドチップ1の後面のA列とB列との間に配置される共通電極15Aと重なる領域のみにそれぞれ局所的に形成されている。従って、各凹部310は配線基板3の表面に、各B列用配線電極36Bに対応して個別に配置されている。各B列用配線電極36Bは、対応する凹部310の内面に沿って、該凹部310を図示上下方向に横断するように形成されることで、共通電極15Aと接触せず、互いが短絡することはない。
このような凹部310を有する配線基板3の場合、エアーチャネル13の後面側の開口部132は、流路形成部材17によらず、ヘッドチップ1と配線基板3とを接着するための接着剤により閉塞することが容易である。なお、この場合、凹部32に相当するざぐり部は必要ない。
以上の実施形態では、A列とB列とは、各インクチャネル12と各エアーチャネル13とが1ピッチずれて形成されている。この態様では、配線基板3のB列用配線電極36Bを、図2に示したように、A列のエアーチャネル13上を通って直線的に配線することができる利点を有するが、A列とB列との間のチャネルのピッチはこのようなピッチに限らず、様々なピッチとすることができる。
1:ヘッドチップ
1a:下端部
11:駆動壁
12:インクチャネル
121:前面側の開口部
122:後面側の開口部
13:エアーチャネル
131:前面側の開口部
132:後面側の開口部
14:駆動電極
15、15A、15B:共通電極
16A:A列用引き出し電極
16B:B列用引き出し電極
17:流路規制部材
2:ノズルプレート
21:ノズル
3:配線基板
3a:下端部
3b:表面
31、32、310:凹部
31a:底面
31b:側壁
33、34、35:平面領域
36A:A列用配線電極
36B:B列用配線電極
37:共通配線電極
38A、38B:凹溝
39A、39B:インク供給口
4:FPC
5:インクマニホールド
51:共通インク室

Claims (7)

  1. チャネルと圧電素子からなる駆動壁が交互に並設されると共に、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置され、前記チャネル内に臨む前記駆動壁に駆動電極が形成され、インク吐出を行うインクチャネルとインク吐出を行わないエアーチャネルとが交互に配置されたチャネル列が複数並設されてなるヘッドチップと、前記ヘッドチップの後面に、前記チャネル列の並設方向における該ヘッドチップの端部から張り出すように接合された配線基板とを有し、該配線基板の前記ヘッドチップとの接合面に形成された配線電極を介して前記駆動電極に駆動信号を印加するインクジェットヘッドであって、
    前記複数のチャネル列のうちの前記ヘッドチップの最も外側に位置するいずれかのチャネル列をA列、該A列に隣接するチャネル列をB列とするとき、前記ヘッドチップの後面に、前記エアーチャネル内の前記駆動電極と導通する共通電極が、A列とB列との間においてチャネル列方向に沿って形成されていると共に、B列の前記インクチャネル内の駆動電極と導通するB列用引き出し電極が、前記共通電極と接触することなく個別に形成されており、
    前記配線基板の前記ヘッドチップとの接合面に、前記B列用引き出し電極と電気的に接続されるB列用配線電極が、前記B列用引き出し電極との電気的接続部位から、前記ヘッドチップの端部から張り出した前記配線基板の端部にかけて形成されていると共に、少なくとも前記B列用配線電極と前記共通電極とが重なる領域においては、前記配線基板の前記接合面は凹部となっており、前記B列用配線電極が前記凹部の内面に沿って形成されることで、該B列用配線電極と前記共通電極とが接触しないことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記ヘッドチップの後面に、A列の前記インクチャネル内の前記駆動電極と導通するA列用引き出し電極が該ヘッドチップの端部まで個別に引き出されており、
    前記配線基板の前記ヘッドチップとの接合面に、前記A列用引き出し電極と電気的に接続されるA列用配線電極が、前記A列用引き出し電極との電気的接続部位から、前記ヘッドチップの端部に張り出した前記配線基板の端部にかけて形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記配線基板の前記凹部は、該凹部内の底面から立ち上がる側壁が傾斜面であることを特徴とする請求項1又は2記載インクジェットヘッド。
  4. 前記配線基板は、前記ヘッドチップの前記各インクチャネルに対応する部分に、該インクチャネル内にインクを供給可能とするインク供給口が表裏に貫通するように個別に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記インク供給口は、前記ヘッドチップとの接合面と反対面側に行くに従って次第に拡大する傾斜状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記配線基板における前記ヘッドチップとの接合面と反対面に、前記インクチャネルに対して共通に供給されるインクを貯留する共通インク室が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記ヘッドチップは4列のチャネル列を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。


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