JP5029760B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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Description

本発明はインクジェットヘッドに関し、詳しくは、チャネル内の駆動電極と駆動回路との間の電気的接続を容易に行い得るようにしたインクジェットヘッドに関する。
従来、チャネルを区画する駆動壁に形成した電極に電圧を印加することにより駆動壁をせん断変形させ、そのとき発生する圧力を利用してチャネル内のインクをノズルから吐出させるようにしたインクジェットヘッドとして、前面及び後面にそれぞれチャネルの開口部が配置された所謂ハーモニカ型のヘッドチップを有するものが知られている。
このようなハーモニカ型のヘッドチップでは、如何にして各駆動電極と駆動回路との電気的接続を行うかが課題となる。
例えば、従来、チャネルの上部を閉蓋するヘッドチップのカバー基板に貫通電極を設けることにより、各チャネル内の駆動電極をヘッドチップのカバー基板表面に引き出し、このカバー基板の表面においてFPC等によって各駆動電極と駆動回路との電気的接続を図るようにしたインクジェットヘッドが提案されている(特許文献1)。
しかし、カバー基板に貫通電極を設けることは、貫通孔の開設作業、貫通孔内への導電材の埋設作業等といった困難な作業を必要とする。このため、インクが吐出される面と反対側の面であるヘッドチップ後面に各駆動電極と導通する接続電極を引き出し形成し、このヘッドチップ後面に配線基板を接合させ、配線基板の端部にFPCを接合することにより、各駆動電極と駆動回路との電気的接続を行うようにしたインクジェットヘッドも提案されている(特許文献2)。
このようにヘッドチップの後面に駆動電極と導通する接続電極を各チャネルから引き出し形成することは、一般的な金属薄膜のパターニング方法を用いて行うことができるため、カバー基板に貫通電極を設けるものに比べ、簡単且つ高精度に接続電極を形成することが可能である。
特開2004−90374号公報 特開2006−82396号公報
しかし、複数のチャネルによって構成されるチャネル列が2列以上並設されることにより高密度化が図られたヘッドチップの場合、チャネル列が隣接しているために、接続電極をヘッドチップの端部まで引き出すことが難しい問題がある。例えばA列及びB列の2列のチャネル列を有するヘッドチップの場合、B列のチャネルからの接続電極は、A列を越えた側のヘッドチップの端部に引き出すことが難しい。A列のチャネル列を越えなくてはならないためである。
この場合、B列のチャネルの接続電極をA列の各チャネルの間を通すようにパターニングすることも考えられるが、極めて微細なチャネルの間を通し、且つ、A列の各チャネル内の駆動電極とショートしないようにパターニングすることが難しい問題がある。特に、チャネルが微細ピッチで高密度に配設されたものでは、隣接する2つのチャネルの隙間は極めて狭小であり、B列のチャネルの接続電極をショートや断線のおそれなくA列のチャネル間を通ってヘッドチップの端部まで引き出すことは極めて困難を要する。
従って、チャネル列が複数列設けられたハーモニカ型のヘッドチップにおいても、チャネル内の駆動電極と導通する接続電極をヘッドチップ後面の端部にまとめて並設させることにより、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線との電気的接続時の容易化を図ることが望まれている。
そこで、本発明は、チャネル列が複数列設けられたハーモニカ型のヘッドチップ後面の端部に、チャネル内の駆動電極と導通する接続電極を並設させることにより、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線との電気的接続時の容易化を図ることができ、また、該配線との接続領域をヘッドチップ後面において広く確保することができるインクジェットヘッドを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、チャネルと圧電素子からなる駆動壁が交互に並設されたチャネル列を複数有し、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置されてなるヘッドチップを有し、前記チャネル内に形成された駆動電極に電圧を印加することによって前記駆動壁を変形させ、前記チャネル内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドであって、前記複数のチャネル列のうちの前記ヘッドチップの端部側に位置するいずれかのチャネル列をA列、該A列に隣接するチャネル列をB列とするとき、前記ヘッドチップの後面に、前記A列のチャネルの駆動電極と導通するA列用接続電極が該チャネルから前記ヘッドチップの端部にかけて配列されると共に、前記B列のチャネルの駆動電極と導通するB列用接続電極が該チャネルから前記A列のチャネル列を跨いで前記ヘッドチップの端部にかけて前記A列用接続電極と並列するように配列されており、前記A列用接続電極及び前記B列用接続電極は、絶縁層の表裏の一方の面に金属膜層が形成され該絶縁層の表裏の導通を取ることのできる積層体を用いて、前記A列のチャネル列と前記ヘッドチップの端部との間において前記金属膜層が表面に露出するように配列され、該金属膜層の露出部分が駆動回路からの駆動信号を印加するための配線の接続領域とされていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項2記載の発明は、前記接続領域に、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線が形成された配線基板が接着されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドである。
請求項3記載の発明は、前記チャネル列は4列であり、前記ヘッドチップの端部側に位置する2つのチャネル列をそれぞれA列、内側に位置する2つのチャネル列をそれぞれB列とすることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドである。
請求項4記載の発明は、前記A列及びB列の各チャネル列は、インクを吐出する吐出チャネルとインクを吐出しない空気チャネルとが交互に配置されると共に、前記A列のチャネル列と前記B列のチャネル列とで前記吐出チャネル及び前記空気チャネルが1ピッチずれて配置されており、前記A列用接続電極及び前記B列用接続電極は、前記吐出チャネル内の駆動電極とそれぞれ導通しており、前記B列用接続電極は、前記A列のチャネル列の前記空気チャネルの後面側の開口部を閉塞していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項5記載の発明は、前記チャネルは、全てインクを吐出する吐出チャネルであり、前記A列の各チャネルと前記B列の各チャネルとが半ピッチずれて配置されており、前記A列用接続電極及び前記B列用接続電極は、全ての前記チャネル内の駆動電極と導通しており、前記B列用接続電極は、前記A列のチャネルの間を通って前記A列用接続電極と並列するように配列されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項6記載の発明は、前記積層体は、前記絶縁層を貫通する貫通電極によって表裏の導通を取る構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項7記載の発明は、前記積層体の前記絶縁層は、ドライエッチング可能な有機フィルムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項8記載の発明は、前記積層体は、表面がポリパラキシリレン又はその誘導体による膜によってコーティングされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
本発明によれば、チャネル列が複数列設けられたハーモニカ型のヘッドチップ後面の端部に、チャネル内の駆動電極と導通する接続電極を並設させることにより、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線との電気的接続時の容易化を図ることができ、また、該配線との接続領域をヘッドチップ後面において広く確保することができるインクジェットヘッドを提供することができる。
特に本発明によれば、4列のチャネル列を有するインクジェットヘッドでも、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線との電気的接続時の容易化を図ることが可能であり、高解像度且つ高速記録が可能なインクジェットヘッドを提供することができる。
第1の実施形態に係るインクジェットヘッドを後面側から見た斜視図 (a)は図1の(i)−(i)線断面図、(b)は図1の(ii)−(ii)線断面図 ヘッドチップの製造例を説明する図 ヘッドチップの製造例を説明する図 ヘッドチップの製造例を説明する図 ヘッドチップの製造例を説明する図 第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの背面図 (a)は図7の(iii)−(iii)線断面図、(b)は図7の(iv)−(iv)線断面図 第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの背面図 第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの背面図 図10の(v)−(v)線断面図 積層体の他の形態を示す断面図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドを後面側から見た分解斜視図、図2(a)は、図1の(i)−(i)線断面図、図2(b)は図1の(ii)−(ii)線断面図である。断面図において接着剤層は図示省略している。
図中、1はヘッドチップ、2はヘッドチップ1の前面に接合されたノズルプレート、21はノズルプレート2に形成されたノズルである。
なお、本明細書においては、ヘッドチップ1からインクが吐出される側の面を「前面」といい、その反対側の面を「後面」という。また、ヘッドチップ1において並設されるチャネルを挟んで図示上下に位置する外側面をそれぞれ「上面」及び「下面」という。
ヘッドチップ1には、圧電素子からなる駆動壁11とチャネル12、13とが交互に並設されたチャネル列が、図示上下に2列に並設されている。各チャネル列を構成するチャネル数は何ら限定されない。
ここでは、図示下側に位置するチャネル列をA列、上側に位置するチャネル列をB列とする。
このヘッドチップ1は、各チャネル列が、チャネル一つおきにインクを吐出する吐出チャネル12とインクを吐出しない空気チャネル13とが並設されることにより構成された独立チャネルタイプのヘッドチップである。各チャネル12、13の形状は、両側壁がヘッドチップ1の上面及び下面に対してほぼ垂直方向に延びており、そして互いに平行である。ヘッドチップ1の前面及び後面には、それぞれ各チャネル12、13の前面側の開口部121、131と後面側の開口部122、132とが対向している。各チャネル12、13は、その後面側の開口部122、132から前面側の開口部121、131に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプである。
また、A列のチャネル列とB列のチャネル列とは、各吐出チャネル12と各空気チャネル13とが1ピッチずれて形成されている。すなわち、図1及び図2に示されるように、ヘッドチップ1を図示上下方向に見た場合、A列の吐出チャネル12とB列の空気チャネル13とが同一線上に配置され、A列の空気チャネル13とB列の吐出チャネル12が同一線上に配置される関係となっている。
各チャネル12、13の内面全面には、それぞれNi、Au、Cu、Al等の金属膜からなる駆動電極14が密着形成されている。
また、ヘッドチップ1の後面には、A列の全ての空気チャネル13内の駆動電極14と導通する1つの共通電極15Aが、チャネル列と直交する方向(図示上下方向)のうちの図示上方のB列側に向けて引き出し形成され、A列とB列との間においてチャネル列方向(図示左右方向)に沿うように延びていると共に、B列の全ての空気チャネル13内の駆動電極14と導通する1つの共通電極15Bが、A列の共通電極15Aの引き出し方向と同一方向である図示上方に向けて引き出し形成され、上端部との間においてチャネル列方向(図示左右方向)に沿うように延びている。
なお、A列及びB列の各共通電極15A、15Bは、図1のようにチャネル列毎に個別に形成せず、図示しないが、A列及びB列に共通な1本の共通電極とすることもできる。この場合、A列の共通電極をB列側に向けて引き出し形成すると共に、B列の共通電極をA列側に向けて引き出し形成し、互いの引き出し先を1つにまとめ、A列とB列の間においてチャネル列方向(図示左右方向)に沿って1本の共通電極を形成すればよい。また、共通電極15A、15Bは、図示左右のヘッドチップ1の端部側で接地用の配線と電気的接続を行えばよい。
更に、ヘッドチップ1の後面には、A列の各吐出チャネル12内の駆動電極14と導通するA列用の第1の接続電極16Aが、共通電極15Aの引き出し方向であるB列側とは反対方向である図示下方のヘッドチップ1の下端部にかけてそれぞれ個別に引き出し形成され、該下端部側においてA列の吐出チャネル12と等ピッチで並列している。
また、各A列用の第1の接続電極16Aの表面には、更にA列用の第2の接続電極16Aがそれぞれ個別に形成されている。このA列用の第2の接続電極16Aは、絶縁層31の一方の面に積層された金属膜層からなり、このA列用の第2の接続電極16Aと絶縁層31とで積層体3Aを構成している。
各積層体3Aには、絶縁層31の下面に位置するA列用の第1の接続電極16Aと上面に位置するA列用の第2の接続電極16Aとの間の導通を図るための貫通電極32が形成されている。従って、各積層体3Aは貫通電極32によって表裏の導通を取ることができるようになっており、A列用の第1の接続電極16AとA列用の第2の接続電極16Aとを間に絶縁層31を挟んで導通させている。このA列用の第2の接続電極16Aの表面が、図示しない駆動回路からの駆動信号を印加するための配線の接続部となる。
一方、B列の各吐出チャネル12には、内部の駆動電極14と電気的に接続するB列用の第1の接続電極16Bが、共通電極15Bの引き出し方向と反対方向である図示下方のA列側に向けて個別に引き出し形成され、該A列の共通電極15Aの手前まで延びてB列の吐出チャネル12と等ピッチで並列している。
また、A列の各空気チャネル13よりもヘッドチップ1の下端部側で、各A列用の第1の接続電極16Aの間に位置するように、高さ調整用金属膜17が個別に形成されて該A列用の第1の接続電極16Aと並列している。この高さ調整用金属膜17は、A列用の第1の接続電極16Aと同一厚さ(同一高さ)で、A列の各空気チャネル13の下端部近傍からヘッドチップ1の下端部にかけて形成されている。
ヘッドチップ1の後面の下端部側で、A列及びB列の2列のチャネル列に対して図示しない駆動回路からの駆動信号を印加するための配線との電気的接続を行うためには、B列用の第1の接続電極16Bをヘッドチップ1の下端部側まで引き出し、A列用の第2の接続電極16Aと並列させる必要がある。このため、B列用の第1の接続電極16BからA列の共通電極15A及びA列のチャネル列を跨ぎ、ヘッドチップの1の下端部にかけて、B列用の第2の接続電極16Bが形成されている。
B列用の第2の接続電極16Bは、絶縁層31の一方の面に積層された金属膜層からなり、このB列用の第2の接続電極16Bと絶縁層31とで積層体3Bを構成している。この絶縁層31及び金属膜層の厚みは、上記の積層体3Aを構成している絶縁層31及び金属膜層とそれぞれ同一厚みに形成されている。積層体3Bは、B列用の第1の接続電極16BからA列の共通電極15A及びA列の空気チャネル13を跨いで、ヘッドチップ1の下端部に亘る長さを有しており、絶縁層31側がヘッドチップ1の後面側に位置するようにして、B列用の第1の接続電極16Bの表面と高さ調整用金属膜17の表面との間に亘って、それぞれ個別に接着されている。
このとき、各積層体3Bは、A列の各空気チャネル13の後面側の開口部132を完全に閉塞するように接着され、該A列の各空気チャネル13内へのインクの流入を阻止するように流路を規制している。従って、この積層体3Bによって、A列の各空気チャネル13内へのインク流入を規制する流路規制部材を兼ねることができる。
各積層体3Bには、B列用の第1の接続電極16Bと重なる領域において、それぞれ絶縁層31を貫通する貫通電極32が形成されている。従って、各積層体3Bは貫通電極32によって表裏の導通を取ることができるようになっており、B列用の第1の接続電極16Bと積層体3Bに形成されたB列用の第2の接続電極16Bとを間に絶縁層31を挟んで導通させている。この積層体3Bの表面において、A列のチャネル列よりもヘッドチップ1の下端部側のB列用の第2の接続電極16Bの表面が、図示しない駆動回路からの駆動信号を印加するための配線の接続部となる。
この結果、ヘッドチップ1の後面には、A列のチャネル列とヘッドチップ1の下端部との間の幅Lに亘って、図示しない駆動回路からの駆動信号を印加するための配線の接続部が、それぞれ積層体3A、3Bの表面に形成されたA列用の第2の接続電極16A、B列用の第2の接続電極16Bが交互に並列して表面に露出することで形成される。
この幅Lに亘って露出する接続部は、各積層体3A、3Bの絶縁層31及び金属膜層の厚みが同一であり、且つ、A列用の第1の接続電極16A及び高さ調整用金属膜17の厚みが同一であることによって、ヘッドチップ1の後面から同一高さで配列される。従って、例えば図2に示すように、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線基板4を接続する場合、この幅Lに亘る接続部の全域を接続領域とすることができ、接続領域を広く確保することができ、電極同士の電気的接続の確実性及び配線基板4の強固な接続が可能となる。
この配線基板4の表面には、配線電極41が、A列用の第2の接続電極16A及びB列用の第2の接続電極16Bと同一ピッチで形成されている。配線基板4の下端は、ヘッドチップ1の下端部よりも更に下方に延びて大きく張り出す張り出し部42を形成しており、この張り出し部42に露出する配線電極41に、駆動回路からの駆動信号を印加するためのFPC5の各配線51が電気的に接続される。
なお、本実施形態では、B列の各空気チャネル13の後面側の開口部132にも、それぞれ個別に積層体3Cが接着されて該開口部132を完全に閉塞しており、A列の各空気チャネル13と同様にインクの流入が阻止されている。この積層体3Cも、他の積層体3A及び3Bと同様に、絶縁層31とその表面の金属膜層33とからなり、流路規制部材として機能している。
次に、このようなヘッドチップ1の製造例の一例を図3〜図6に基づいて以下に説明するが、何らこれに限定されるものではない。
まず、1枚の基板100上に、分極処理(分極の方向を図中矢印で示す)されたPZT等からなる圧電素子基板101をエポキシ系接着剤を用いて接合し、更に、その圧電素子基板101の表面にドライフィルム102を貼着する(図3(a))。
次いで、そのドライフィルム102の側から、ダイシングブレード等を用いて複数の平行な溝103を研削する。各溝103は圧電素子基板101の一方の端から他方の端に亘り、且つ、基板100にほぼ至る程度の一定の深さで研削することで、長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレート状に形成する(図3(b))。
次いで、溝103を研削した側から、Ni、Au、Cu、Al等の電極形成用金属をスパッタリング法、蒸着法等によって適用し、削り残されたドライフィルム102の上面及び各溝103の内面に金属膜104を形成する(図3(c))。
その後、ドライフィルム102をその表面に形成された金属膜104と共に除去することにより、各溝103の内面のみに金属膜104が形成された基板105を得る。そして、同様に形成された基板105を2枚用意し、各基板105の溝103同士が互いに合致するように位置合わせして、エポキシ系接着剤等を用いて接合する(図3(d))。
次いで、このようにして得られたヘッド基板106を2枚用意して重ね合わせて接着し、溝103の長さ方向と直交する方向に沿って切断することにより、2列のチャネル列を有する複数個のハーモニカ型のヘッドチップ1を一度に作成する。各溝103はチャネル12又は13となり、各溝103内の金属膜104は駆動電極14となり、隣接する溝103の間は駆動壁11となる。カットラインC、C…間の幅は、それによって作製されるヘッドチップ1、1…の吐出チャネル12の駆動長(L長)を決定するものであり、この駆動長に応じて適宜決定される(図3(e))。
次いで、これにより得られたヘッドチップ1の後面にドライフィルム200を貼着し、共通電極15A、15Bを形成するための開口201A、201Bと、A列用の第1の接続電極16Aを形成するための開口202Aと、B列用の第1の接続電極16Bを形成するための開口202Bと、高さ調整用金属膜17を形成するための開口203Bとを露光、現像により形成する(図4)。
そして、このドライフィルム200の側から、真空蒸着により電極形成用金属として例えばAlを適用し、各開口201A、201B、202A、202B、203B内にそれぞれAl膜を選択的に形成する。このAl膜により、ヘッドチップ1の後面に、それぞれ共通電極15A、15B、A列用の第1の接続電極16A、B列用の第1の接続電極16B、高さ調整用金属膜17がそれぞれ同一厚みで形成される。
各吐出チャネル12内の駆動電極14及び各空気チャネル13内の駆動電極14との接続を確実にするためには、蒸着は方向を変えて2度行うことが望ましい。具体的には、図示面に垂直な方向から、上下に各30度の方向から行うことが望ましい。更に、図3(d)に示すように上下に分かれている金属膜104同士の接続を確実にするためには、右又は左30度の方向からの蒸着を行うことが望ましい。
また、金属膜の形成方法としては蒸着に限らず、一般の薄膜形成方法を採用することができる。また、導電性ペーストをインクジェットで塗布する方法を用いることもできる。特にスパッタ法が、飛来する金属粒子の方向がランダムなため、特に方向を変えなくてもチャネル内部まで金属膜を形成できるので好適である。金属膜の形成後、溶剤でドライフィルム200を溶解剥離することで、ドライフィルム200上に形成されていた金属膜は除去され、ヘッドチップ1の後面には、共通電極15A、15B、A列用の第1の接続電極16A、B列用の第1の接続電極16B、高さ調整用金属膜17のみが残存する(図5)。
なお、ドライフィルム200の現像工程・水洗工程での作業性を考え、ドライフィルム200はチャネル12、13の全面においても開口していることが望ましい。全面において開口していることにより、チャネル12、13内の現像液、洗浄水の除去が容易となる。
次いで、このヘッドチップ1の後面に、該後面全面を被覆し得る程度の大判のフィルム状の絶縁層31を接着する。この絶縁層31には、B列の各空気チャネル13に対応する位置に、該空気チャネル13を完全に塞ぐ大きさを有する金属膜層33と、B列の各第1の接続電極16Bに対応する位置に、該第1の接続電極16Bからヘッドチップ1の下端部に亘る長さを有するB列用の第2の接続電極16Bと、この第2の接続電極16BとB列用の第1の接続電極16Bとが重なる領域に該第2の接続電極16Bと導通する貫通電極32と、A列の各第1の接続電極16Aに対応する位置に、A列の各吐出チャネル12からヘッドチップ1の下端部に亘る長さを有するA列用の第2の接続電極16Aと、この第2の接続電極16Aと導通する貫通電極32とが予め形成されている。(図6)。
ここで、絶縁層31となるフィルムとしては有機フィルムを用いることが好ましい。有機フィルムとしては、一般的なドライエッチングによってパターニングが可能な有機フィルムであることが好ましく、例えばポリイミド、液晶ポリマー、アラミド、ポリエチレンテレフタレート等の種々の樹脂からなるフィルムが挙げられる。中でも、エッチング性の良好なポリイミドフィルムが好ましい。また、ドライエッチングを容易にするためには、できるだけ薄いフィルムを用いることが望ましいが、強度が高くて薄くても強度を保つことができるアラミドフィルムを使用することも好ましい。また、ドライエッチング可能な絶縁層として、シリコン(SiO)を用いることもできる。但し、シリコンのドライエッチングにはCFやSF等の特殊ガスを使用する必要があり、装置も特殊になるので一般的にはコスト高となる。絶縁層31の厚さは、強度の確保とドライエッチングの容易性の観点から、3〜100μmとすることが好ましい。
この絶縁層31の一面に形成される各金属膜層は、後工程であるドライエッチング工程時におけるマスク材としても機能する。これら金属膜層に使用可能な金属としては、Al、Cu、Ni、W、Ti、Au等が挙げられるが、中でも、Cuは安価であり、パターニングも容易であることから好ましく、Cuをスパッタで形成し、通常の薄膜パターニング技術によりパターニングを行うことで形成することができる。これら金属膜層の厚さは、耐ドライエッチング性とパターニングの容易性の観点から、0.1〜50μmとすることが好ましい。
ここでは、絶縁層31として、予め貫通電極32を形成した厚さ25μmのポリイミドフィルムにCuをスパッタ装置で5μm形成した。
貫通電極32の形成方法としては、予め絶縁層31にレーザードドリリングで貫通孔を形成しておき、スルーホールめっきすることにより形成することができる。
絶縁層31の接着時における貫通電極32とA列用の第1の接続電極16A、B列用の第1の接続電極16Bとの導通は、金属膜同士を接着剤で加圧接着することにより電気的接続をとるNCP法(Non Conductive Paste:非導電性ペースト法)によってなされる。この場合、エポキシ系接着剤が、絶縁層31の接着剤として機能すると共に、NCPとしても機能する。NCP法の場合、金属膜の表面が酸化していると接続が困難な場合もあるので、A列用の第1の接続電極16A、B列用の第1の接続電極16Bの表面はAu、Pt等の金属であることが望ましく、金属膜を複層にすることで実現できる。
また、接着剤中に金属粒子を分散した接着剤を用いるACP法(Anisotropic Conductive Paste:異方性導電ペースト法)を用いることもできる。この場合、金属粒子が金属膜の表面の酸化膜を突き破って接続を取るので、A列用の第1の接続電極16A、B列用の第1の接続電極16Bの表面が酸化し易い金属でも、確実な電気的接続を取り易い。
特に、本発明は、絶縁層31に貫通電極32を形成し、接着剤として金属粒子(導電性粒子)を含有する接着剤を使用することによって、貫通電極32とA列用の第1の接続電極16A、B列用の第1の接続電極16Bとの間の導通を確保することが、両者の電気的接続の確実性を図る上で最も好ましい。
なお、このように各金属膜層を予めパターニングした後の絶縁層31をヘッドチップ1の後面に接着する方法の他に、Cu等の金属膜が一面に形成されているパターニング前のポリイミドフィルム等の絶縁層31をヘッドチップ1の後面に接着してから、金属膜をエッチングによりパターニングして各金属膜層を形成するようにしてもよい。この場合でも貫通電極32は予め形成しておく。
この場合、フォトマスクを用いてパターンを転写するが、ヘッドチップ1に対するフォトマスクの位置合わせは、露光装置を用いて行い、数μの位置精度で合わせることが可能であり、他の方法では得られない高い精度が得られる。しかも、この方法によれば、一面に形成されている金属膜の存在によって、絶縁層31の接着時の加熱、加圧によって該絶縁層31に伸びが発生しても、その後に各金属膜層を所定位置にパターニングするので、位置ずれが生ずるおそれがない利点がある。
次に、このヘッドチップ1の後面に対してドライエッチングを行い、不要な絶縁層31を除去する。具体的なドライエッチングの手段としては、絶縁層31に用いられる樹脂に応じて適宜選択できる。例えば本実施形態のようにポリイミドフィルムを用いた場合は酸素プラズマを用いてドライエッチングすることが可能である。ここでは酸素プラズマ装置として平行平板型RFプラズマ装置を用い、真空排気後、酸素ガスを50sccm導入し、バルブを調整して圧力を10Paにした。周波数13.56MHz、パワー500Wの高周波を投入し、発生する酸素プラズマによりポリイミドを分解し除去した。約10分でポリイミドを除去することができる。このとき、表面の各金属膜層は酸素プラズマによっては分解されないため、これら金属膜層がマスクとなって、その下側の絶縁層31はエッチングされないで残存する。
エッチングにはウェットエッチングも使用可能であるが、一般にウェットエッチング液は酸性やアルカリ性であり、駆動電極14を侵すおそれがあるため、ドライエッチングが好ましい。しかも、万一、絶縁層31の接着時に接着剤の滲み出し等が発生しても、ドライエッチングする際に同時に不要な接着剤も分解除去できるので、余剰の接着剤がチャネルを塞いだり、電極表面を覆ったりする問題も解消する。
また、金属膜層でマスクされた部位以外の絶縁層31はドライエッチングによって全て除去されるため、ヘッドチップ1の後面に対して接着する段階では、絶縁層31の外形はヘッドチップ1の後面よりも大きくすることが可能であり、格段に作業性に優れる利点がある。
更に、ドライエッチング方法は以上の方法に限定されず、適宜選択することができる。
かかるドライエッチングにより、ヘッドチップ1の後面には、残存した絶縁層31と各金属膜層とにより、図1に示すように、各積層体3A、3B、3Cがそれぞれ個別に形成され、ヘッドチップ1の下端部において幅Lに亘って、A列用の第2の接続電極16A及びB列用の第2の接続電極16Bが交互に並列し、配線基板4との電気的接続を行うための接続領域が形成される。
この後、更にヘッドチップ1の後面には、図示しないインクマニホールド等を接合することによって各吐出チャネル12内にインクを供給する。
このように本発明によれば、A列、B列の2列のチャネル列の各吐出チャネル12内の駆動電極14から引き出し形成されるA列用の第2の接続電極16A、B列用の第2の接続電極16Bを、ヘッドチップ1の後面の一方端部に一列に配列させることができるので、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線基板4の配線41との電気的接続を、ヘッドチップ1の一方端部のみで容易に行うことが可能となる。
しかも、配線41との接続領域は、ヘッドチップ1の後面におけるA列のチャネル列とヘッドチップ1の端部との間の幅Lの全域に確保することができるため、配線41との電気的接続の確実性を高く維持することができると共に、広い接続領域の全面で配線基板4を強固に接合することができる。
ところで、ヘッドチップ1において、吐出チャネル12内の駆動電極14は、インクと直に接触するため、水系のインクを使用する場合は駆動電極14の表面に保護膜が必要となる。また、共通電極15A、15Bや積層体3A、3BのA列用の第2の接続電極16A、B列用の第2の接続電極16Bも直にインクと接触するため、溶剤系のインクを使用する場合には、これらを溶剤から保護するために保護膜が必要となる。そこで、ヘッドチップ1の後面に積層体3A〜3Cを接着した後は、ヘッドチップ1の全面、すなわち各駆動電極14の表面、共通電極15A、15Bや積層体3A、3B、3CのA列用の第2の接続電極16A、B列用の第2の接続電極16B、金属膜層33の表面に対して保護膜を形成することが好ましい。
保護膜としては、ポリパラキシリレン又はその誘導体からなる被膜(以下、パリレン膜という。)を用いてコーティングすることが好ましい。パリレン膜は、ポリパラキシリレン樹脂及び/又はその誘導体樹脂からなる樹脂被膜であり、固体のジパラキシリレンダイマー又はその誘導体を蒸着源とする気相合成法(Chemical Vaper Deposition:CVD法)により形成する。すなわち、ジパラキシリレンダイマーが気化、熱分解して発生したパラキシリレンラジカルが、ヘッドチップ1の表面に吸着して重合反応し、被膜を形成する。
パリレン膜には、種々のパリレン膜があり、必要な性能等に応じて、各種のパリレン膜やそれら種々のパリレン膜を複数積層したような多層構成のパリレン膜等を所望のパリレン膜として適用することもできる。
このようなパリレン膜の膜厚は、1μm〜10μmとすることが好ましい。
パリレン膜は微細な領域にも浸透し、被膜を形成することができるので、ノズルプレート2を接合する前のヘッドチップ1に対して被覆形成することで、駆動電極14はもちろんのこと、共通電極15A、15Bや積層体3A、3BのA列用の第2の接続電極16A、B列用の第2の接続電極16Bもパリレン膜によって被覆されてインクから保護される。
このように、ノズルプレート2の接合は、パリレン膜の形成工程の後に行うとチャネル内の駆動電極14への被膜形成がし易くなり好ましい。
このパリレン膜の形成により、各積層体3A〜3Cは両面から保護され、その耐久性を大きく向上させることができる。
このようにしてパリレン膜を形成する場合は、その後にノズルプレート2を接合する。
また、図2のように、ヘッドチップ1の後面に配線基板4を接合する場合は、ノズルプレート2をヘッドチップ1に接合する前であって、配線基板4をヘッドチップ1に接合した後に、上述したパリレン膜を形成することが好ましい。これにより、各電極同士の電気的接続を確保できると共に、配線基板4とヘッドチップ1の接着層を保護することができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの背面図、図8(a)は、図7の(iii)−(iii)線断面図、図8(b)は図7の(iv)−(iv)線断面図である。なお、断面図において接着剤層は図示省略している。図1、図2と同一符号は同一構成を示しているため、詳細な説明は省略する。
このヘッドチップ1’において、A列及びB列の各チャネル列のチャネル12は全てインクを吐出する吐出チャネルであり、A列の各チャネル12とB列の各チャネル12は、ピッチが互いに半ピッチずれて配列されている。すなわち、ヘッドチップ1’を図示上下方向に見た場合、A列のチャネル12とB列のチャネル12は同一線上にはなく、A列の各チャネル12の間とB列の各チャネル12又はA列の各チャネルとB列の各チャネル12の間とが同一線上に配置される関係となっている。
A列の各チャネル12内の駆動電極14と導通するA列用の第1の接続電極16A及び第2の接続電極16Aの構成は、第1の実施形態と同一であるが、全てのチャネル12が吐出チャネルであるため、B列の各チャネル12内の駆動電極14から引き出されたB列用の第1の接続電極16Bに導通するB列用の第2の接続電極16Bは、該B列用の第1の接続電極16BからA列の各チャネル12の間を通って該A列側のヘッドチップ1’の端部に亘って形成され、A列用の第2の接続電極16Aと交互に並列するように配列され、表面に各接続電極16A、16Bが露出する接続領域が、A列のチャネル列とヘッドチップ1’の下端部との間の幅Lに亘って確保される。
従って、この第2の実施形態では、A列及びB列の全てのチャネル12内の駆動電極14に駆動回路からの駆動信号を印加するための配線基板4の配線41との電気的接続を、ヘッドチップ1’の下端部のみで、且つ、A列のチャネル列からヘッドチップ1’の下端部に亘る幅Lの広い接続領域において行うことができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの背面図である。図1と同一符号は同一構成を示しているため、詳細な説明は省略する。
このヘッドチップ1は、第1の実施形態と同一であるが、ヘッドチップ1の後面の積層体3は、エッチングによって個別に分離する工程を経ておらず、絶縁層31が一枚の大判状のままの状態で接着されている。
このため、ヘッドチップ1の後面に開口する全ての吐出チャネル12も、各空気チャネル13と同様、大判状の積層体3の絶縁層31によって閉塞されることになるが、各吐出チャネル12内にインクを流入させるためのインク流入孔34が、レーザー加工、エッチング加工等によってA列及びB列の各吐出チャネル12毎に個別に開設されている。インク流入孔34の大きさ、形状は特に問わない。インク流入孔34の開口面積を吐出チャネル12の開口面積よりも小さくすることによって、吐出チャネル12内へのインクの流入を規制することができる。この場合のインク流入孔34は、吐出チャネル12内へのインクの流路を規制する流路規制孔としても機能させることができる。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、積層体3の絶縁層31を利用して、各吐出チャネル12へのインク流入を規制する流路規制孔を簡単に形成することができる利点がある。
このように積層体3の絶縁層31をヘッドチップ1の後面に対して大判状のまま接着し、インクの供給を必要とするチャネル12に対応する位置にのみ、インク流入孔34を開設する構成は、図7、図8に示す第2の実施形態に係るヘッドチップ1’に対しても同様に適用することができる。この場合、A列及びB列の全てのチャネル12が吐出チャネルであるため、全てのチャネル12に対応する位置にインク流入孔34を開設すればよい。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの背面図、図11は、図10の(v)−(v)線に沿う断面図である。図1、図2と同一符号は同一構成を示しているため、詳細な説明は省略する。また、断面図において接着剤層は図示省略している。
この第4の実施形態に係るインクジェットヘッドのヘッドチップ1’’は、第1の実施形態に係るインクジェットヘッドのヘッドチップ1のチャネル列が4列に構成された態様である。4列のチャネル列の場合、外側に位置する2つのチャネル列がそれぞれA列、これら2つのA列のチャネル列に挟まれた内側に位置する2つのチャネル列がそれぞれB列となり、ヘッドチップ1’’の上下両端部に、それぞれ積層体3A、3Bの表面に露出するA列用の第2の接続電極16A、B列用の第2の接続電極16Bが交互に並列するように配列される。
従って、各吐出チャネル12内の駆動電極に対する駆動回路からの駆動電圧を印加するための配線基板4の配線41の電気的接続は、ヘッドチップ1’’の上下両端部側でそれぞれ行うことができる。この場合、1枚の配線基板4には、ヘッドチップ1の上下から張り出す各張り出し部42、42にそれぞれ配線41を形成することで、FPC5との接続を配線基板4の上下両端部でそれぞれ行うことができる。
なお、この配線基板4には、ヘッドチップ1’’の全てのチャネルを囲むことができる程度の幅を持った凹部43が形成されており、この凹部43が共通インク室として機能している。また、この凹部43には開口44が設けられ、この開口44によって、配線基板4の背面側に接合されたインクマニホールド6からインクが供給されるようになっている。
なお、第2の実施形態に係るインクジェットヘッドについても、同様にして4列のチャネル列を構成することができる。
(積層体の他の形態)
図12は、積層体の他の実施形態を示す断面図であり、ここでは積層体3Bを示している。
この積層体3Bは、絶縁層31の表面にB列用の第2の接続電極16Bが積層形成されていると共に、裏面にも積層電極35が積層形成されている。貫通電極32は、これらB列用の第2の接続電極16Bと積層電極35とを導通させている。積層電極35は、ヘッドチップ1の後面のB列用の第1の接続電極16Bに対応する位置に形成されている。
従って、積層体3Bは、この積層電極35とB列用の第1の接続電極16Bとが面接触するように接合されるので、貫通電極32のみによってB列用の第1の接続電極16Bとの導通を図る場合に比べて導通の確実性を高めることができる。
このような積層体3Bは、絶縁層31の両面に金属膜層が形成された2層フレキを用いて、B列用の第2の接続電極16B及び積層電極35をパターニングすることによって得ることができる。
かかる積層電極35を有する積層体は、他の積層体3、3Aにも同様に適用することができる。
以上の各実施形態は、駆動壁11をせん断変形させることによりチャネル内のインクを吐出するシェアモードタイプのインクジェットヘッドについて説明したが、本発明は駆動壁11をせん断変形させるものに何ら限定されない。
1、1’、1’’ ヘッドチップ
11 駆動壁
12 チャネル(吐出チャネル)
121 前面側の開口部
122 後面側の開口部
13 チャネル(空気チャネル)
131 前面側の開口部
132 後面側の開口部
14 駆動電極
15A、15B 共通電極
16A A列用の第1の接続電極
16A A列用の第2の接続電極
16B B列用の第1の接続電極
16B B列用の第2の接続電極
17 高さ調整用金属膜
2 ノズルプレート
21 ノズル
3、3A、3B、3C 積層体
31 絶縁層
32 貫通電極
33 金属膜層
34 インク流入孔
35 積層電極
4 配線基板
41 配線
42 張り出し部
43 凹部
44 開口
5 FPC
51 FPCの配線
6 インクマニホールド

Claims (8)

  1. チャネルと圧電素子からなる駆動壁が交互に並設されたチャネル列を複数有し、前面及び後面にそれぞれ前記チャネルの開口部が配置されてなるヘッドチップを有し、前記チャネル内に形成された駆動電極に電圧を印加することによって前記駆動壁を変形させ、前記チャネル内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドであって、
    前記複数のチャネル列のうちの前記ヘッドチップの端部側に位置するいずれかのチャネル列をA列、該A列に隣接するチャネル列をB列とするとき、
    前記ヘッドチップの後面に、前記A列のチャネルの駆動電極と導通するA列用接続電極が該チャネルから前記ヘッドチップの端部にかけて配列されると共に、前記B列のチャネルの駆動電極と導通するB列用接続電極が該チャネルから前記A列のチャネル列を跨いで前記ヘッドチップの端部にかけて前記A列用接続電極と並列するように配列されており、
    前記A列用接続電極及び前記B列用接続電極は、絶縁層の表裏の一方の面に金属膜層が形成され該絶縁層の表裏の導通を取ることのできる積層体を用いて、前記A列のチャネル列と前記ヘッドチップの端部との間において前記金属膜層が表面に露出するように配列され、該金属膜層の露出部分が駆動回路からの駆動信号を印加するための配線の接続領域とされていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記接続領域に、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線が形成された配線基板が接着されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記チャネル列は4列であり、前記ヘッドチップの端部側に位置する2つのチャネル列をそれぞれA列、内側に位置する2つのチャネル列をそれぞれB列とすることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記A列及びB列の各チャネル列は、インクを吐出する吐出チャネルとインクを吐出しない空気チャネルとが交互に配置されると共に、前記A列のチャネル列と前記B列のチャネル列とで前記吐出チャネル及び前記空気チャネルが1ピッチずれて配置されており、
    前記A列用接続電極及び前記B列用接続電極は、前記吐出チャネル内の駆動電極とそれぞれ導通しており、
    前記B列用接続電極は、前記A列のチャネル列の前記空気チャネルの後面側の開口部を閉塞していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記チャネルは、全てインクを吐出する吐出チャネルであり、前記A列の各チャネルと前記B列の各チャネルとが半ピッチずれて配置されており、
    前記A列用接続電極及び前記B列用接続電極は、全ての前記チャネル内の駆動電極と導通しており、
    前記B列用接続電極は、前記A列のチャネルの間を通って前記A列用接続電極と並列するように配列されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記積層体は、前記絶縁層を貫通する貫通電極によって表裏の導通を取る構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記積層体の前記絶縁層は、ドライエッチング可能な有機フィルムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記積層体は、表面がポリパラキシリレン又はその誘導体による膜によってコーティングされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
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