JP2005297310A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャネル溝を微細なピッチで形成しても、圧電性材料基板の表面に対して強固に接合し得る引き出し用のめっき電極を備えたインクジェットヘッドを提供すること。
【解決手段】圧電性材料基板の表面に、多数のチャネル溝12と、チャネル溝12に連続して各チャネル溝12よりも浅い浅溝部15とがそれぞれ凹設され、各チャネル溝12内から各浅溝部15内に亘って繋がるめっき電極がそれぞれ形成されていると共に、各チャネル溝12と各浅溝部15の一部に亘って、インク供給路21を残してその上部を覆うカバー基板20が設けられ、各浅溝部15は、カバー基板20との間で封止材17によってインク漏れを防止する封止部を有し、駆動信号を印加するための配線41が表面にパターン形成されたフレキシブルプリント基板40の各配線41が、各浅溝部15内のめっき電極と電気的に接続された状態で圧電性材料基板の表面に接合される。
【選択図】 図1
【解決手段】圧電性材料基板の表面に、多数のチャネル溝12と、チャネル溝12に連続して各チャネル溝12よりも浅い浅溝部15とがそれぞれ凹設され、各チャネル溝12内から各浅溝部15内に亘って繋がるめっき電極がそれぞれ形成されていると共に、各チャネル溝12と各浅溝部15の一部に亘って、インク供給路21を残してその上部を覆うカバー基板20が設けられ、各浅溝部15は、カバー基板20との間で封止材17によってインク漏れを防止する封止部を有し、駆動信号を印加するための配線41が表面にパターン形成されたフレキシブルプリント基板40の各配線41が、各浅溝部15内のめっき電極と電気的に接続された状態で圧電性材料基板の表面に接合される。
【選択図】 図1
Description
本発明はインクジェットヘッド及びその製造方法に関し、詳しくは、各チャネル溝内の電極と駆動回路との電気的接続が容易且つ確実に行えるインクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
圧電性材料基板の表面に、その前端から後端側の中途部に亘って並設された多数のチャネル溝を有し、該チャネル溝間の側壁を構成する圧電性材料をせん断変形させることにより駆動して、チャネル溝内に満たされたインクをノズルから吐出するタイプのインクジェットヘッドでは、各チャネル溝内の側壁に形成された電極に駆動回路からの駆動信号を印加するため、電極を各チャネル溝の後端側から圧電性材料基板の表面にまで引き出す必要がある。この圧電性材料基板の表面に引き出された電極を駆動回路とそれぞれ電気的に接続するには、駆動回路からの配線がパターン形成されたフレキシブルプリント基板を用いて、その各配線と圧電性材料基板の表面に引き出された各電極とを接合することが、作業の簡略化、電気的接続の確実性等の観点から望ましい。
このような電極を圧電性材料基板の表面に引き出し形成するには、電極形成領域以外の領域を被覆するようにパターン形成されたマスクを圧電性材料基板の表面に被覆した後、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等によって電極形成領域のみに金属膜を選択的に形成することで、各チャネル溝内の電極と共に引き出し用の電極を同時に形成する方法が知られている。
しかしながら、このようにして形成される金属膜は、基板材料に起因する表面粗さによって表面均一な膜に形成することが困難である。また、深く凹設されたチャネル溝内の側壁に金属膜を形成させる必要上、一般に、圧電性材料基板表面に対して斜め方向から金属粒子を照射する方法が採られるため、照射時に影が形成されて金属膜の形成不良部位が発生し易い。このため、これらが原因となって、電極に部分的な導通不良を発生させるおそれがある。
一方、このような電極をめっきにより形成する方法が知られている(特許文献1)。この場合、一般に無電解めっきが使用されるが、このようなめっき電極によれば、圧電性材料基板の表面粗さの影響を受けにくく、均一な金属膜を容易に形成でき、また、上述したような影の発生による金属膜の導通不良部位が発生するおそれもないと考えられる。
この従来のめっき電極の形成方法の概略を、図9を用いて説明する。
まず、底板101の上に2層の圧電性材料基板102、103を接着することにより3層構造の基板100を形成する(図9(a))。次に、この基板100の圧電性材料基板103の表面から、ダイシングソー等を用いて、圧電性材料基板102まで達する複数のチャネル溝104と、その間の側壁105とを平行に並設する。各チャネル溝104は、基板100の前端(図中左手前)から後端(図中右奥)側の中途部に亘って研削加工される(図9(b))。無電解めっきに先立ち、圧電性材料基板103の表面全面にドライフィルム200を貼り付けた後(図9(c))、ドライフィルム200の上に所定のパターンを形成したレジスト用マスク300を載せて露光、現像処理を行い(図9(d))、電極形成領域以外の領域がマスクされた所定のレジスト層201を形成する(図9(e))。レジスト層201の形成後、所定の無電解めっき処理工程に従って、レジスト層201でマスクされていない電極形成領域にめっきの触媒核となるPdを吸着させた後、基板100を無電解めっき液に浸漬し、電極形成領域に吸着されたPd上にNi等のめっき膜を析出させることで、各チャネル溝104内に駆動用のめっき電極106と、圧電性材料基板103の表面に引き出し用のめっき電極107をパターン形成し、その後、レジスト層201を除去する(図9(f))。
特開平8−281957号公報
インクジェットヘッドは、記録画像の高精細化の要請を満たすため、インク室を構成するためのチャネル溝がより微細なピッチで形成される傾向にあり、これに伴って圧電性材料基板の表面に引き出される各電極間のピッチも極めて微細になってきている。従って、引き出し用の電極をめっきにより形成する場合、隣接する電極との短絡を避けるため、めっき膜の膜厚を薄く、幅を狭小に形成する必要がある。その結果、引き出し用のめっき電極は、圧電性材料基板の表面に対して極めて狭小な接合面積しか持つことができない。めっき膜は、圧電性材料基板の表面に吸着されためっき触媒であるPd上に析出するため、このPdの圧電性材料基板の表面に対する吸着面積が、めっき膜の接合面積となるが、チャネル溝のピッチが狭くなる程、引き出し用の電極を形成するためのPdの吸着面積も極めて狭小となるため、このPd上に析出するめっき膜の圧電性材料基板表面に対する接合強度が弱くなって、部分的なめっき膜の剥離等の導通不良部位が発生するおそれがあった。
一方、上記したように、圧電性材料基板の表面にレジスト層201を形成してめっき電極を選択的に形成する方法では、図9(d)に示すように、ドライフィルム200の上に所定のパターンを形成したレジスト用マスク300を載せて露光、現像処理を行い、電極形成領域以外の領域がマスクされた所定のレジスト層201を形成する際、電極形成領域内に、露光、現像処理によって除去しきれないレジスト残りが発生するおそれがあった。電極形成領域内にレジスト残りが発生すると、部分的なめっき膜の形成不良となって所謂めっき抜けが発生し、導通不良部位や高抵抗化が発生する問題がある。
そこで、本発明の課題は、チャネル溝を微細なピッチで形成しても、圧電性材料基板の表面に対して強固に接合し得る引き出し用のめっき電極を備えたインクジェットヘッドを提供することにある。
また、本発明の他の課題は、レジスト残りによるめっき抜けの発生がなく、圧電性材料基板の表面に確実にめっき膜による引き出し用の電極を形成することのできるインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記各課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、圧電性材料基板の表面に、その前端から後端側の中途部に亘って並設された多数のチャネル溝と、該チャネル溝に連続して各チャネル溝の後端から圧電性材料基板の後端に亘ってチャネル溝よりも浅い浅溝部とがそれぞれ凹設され、各チャネル溝内から各浅溝部内に亘って繋がるめっき電極がそれぞれ形成されていると共に、各チャネル溝と各浅溝部の一部に亘って、各チャネル溝内へインク供給するためのインク供給路を残してその上部を覆うカバー基板が設けられ、各浅溝部は、上記カバー基板との間で封止材によってインク漏れを防止するための封止部を有しており、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線が表面にパターン形成されたフレキシブルプリント基板の各配線が、各浅溝部内のめっき電極と電気的に接続された状態で圧電性材料基板の表面に接合されていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項2記載の発明は、前記浅溝部の深さが、50μm以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドである。
請求項3記載の発明は、前記めっき電極の膜厚が、3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドである。
請求項4記載の発明は、前記フレキシブルプリント基板は、各配線間の基板表面がエッチング処理されることにより、各配線部分が突出形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッドである。
請求項5記載の発明は、圧電性材料基板の表面に被覆層を形成した後、該被覆層の上から、圧電性材料基板の前端から後端側の中途部に亘る多数のチャネル溝と、該チャネル溝に連続して各チャネル溝の後端から圧電性材料基板の後端に亘ってチャネル溝よりも浅い浅溝部をそれぞれ並設し、その後、圧電性材料基板をめっき液に浸漬して、被覆層が除去された各チャネル溝及び各浅溝内にめっき電極を形成した後、残留する被覆層を除去し、各チャネル溝と各浅溝部の一部に亘って、各チャネル溝内へインク供給するためのインク供給路を残してその上部を覆うカバー基板を設けると共に、各浅溝部を、上記カバー基板との間で封止材によってインク漏れを防止するための封止部を設け、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線が表面にパターン形成されたフレキシブルプリント基板の各配線を、前記各浅溝部内のめっき電極と電気的に接続した状態で前記圧電性材料基板の表面に接合することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項1〜4記載の発明によれば、チャネル溝を微細なピッチで形成しても、圧電性材料基板の表面に対して強固に接合し得る引き出し用のめっき電極を備えたインクジェットヘッドを提供することができる。
また、請求項5記載の発明によれば、レジスト残りによるめっき抜けの発生がなく、圧電性材料基板の表面に確実にめっき膜による引き出し用の電極を形成することのできるインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、インクジェットヘッド組立体の一例を示す断面図、図2は、図1のII−II線に沿う断面図、図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。
アクチュエータ10は、チャネル溝12が多数並設された圧電性材料基板を主体として構成され、このアクチュエータ10の上面にカバー基板20及びマニホールド30が接合され、また、アクチュエータ10の後端側(図1の右端側)にフレキシブルプリント基板(以下、FPCという。)40が接合されている。
アクチュエータ10は、長尺状の非圧電性のセラミック基板10a上に圧電性材料基板10b、10cを積層してなり、チャネル溝12内部のインクに与える圧力変化を発生させる部材である。このアクチュエータ10には、ダイシングブレード等により切削加工された複数のチャネル溝12が平行に並設されている。本実施形態では、非圧電性のセラミック基板10aの上面に分極方向が相反するPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる2枚の圧電性材料基板10b、10cを積層し、圧電性材料基板10cの上面から圧電性材料基板10bに亘って研削加工を施すことにより、多数列のチャネル溝12を平行に並設している。なお、本実施形態では、6本のチャネル溝12が並設されているが、チャネル溝12の数は何ら限定されない。
個々のチャネル溝12は、圧電性材料基板10b、10cの前端(図1の左端)から後端(図1の右端)側の中途部に亘って直線状の細長い深溝形状に切削されて、削り残した圧電性材料基板10b、10cが隣接するチャネル溝12と12との間の側壁13を構成している(図2参照)。各チャネル溝12は、図1において右に進むにつれて徐々に浅くなり、その浅くなった部位が傾斜部12aとされている。
チャネル溝12の内面には駆動電極14が無電解めっきにより形成されている(図2参照)。各駆動電極14は、チャネル溝12の内面からそれぞれ傾斜部12aを通って、アクチュエータ10における後端側に引き出され、この後端側においてFPC40によって図示しない駆動回路と電気的に接続されている。
FPC40が接合されるアクチュエータ10の後端側の上面には、各チャネル溝12に対応するピッチで、該チャネル溝12よりも十分に浅い浅溝部15が、各チャネル溝12の後端の傾斜部12aに連続して平行に凹設されており、該浅溝部15内に、各チャネル溝12内に設けられている駆動電極14が傾斜部12aを通って引き出されることで引き出し電極16が設けられている。
各引き出し電極16は、各駆動電極14と同様、無電解めっきにより形成されており、図4に拡大して示すように、浅溝部15の底面15aに沿って形成されるめっき膜底面16aと、浅溝部15の両側面15b、15bに沿ってそれぞれ形成されるめっき膜側面16b、16bとを有している。これにより、引き出し電極16は、圧電性材料基板表面の平坦面上に引き出される同じ幅の引き出し電極に比べて、めっき膜側面16b、16bの分だけ、圧電性材料基板10cの表面に対する接合面積が大きくなるため、該圧電性材料基板10cの表面に対してより強固な接合が可能となる。
また、各引き出し電極16は浅溝部15によって明確に区画形成されるため、隣接する引き出し電極16同士は隔絶され、微細ピッチに形成しても電気的な短絡を発生させるおそれが少ない。
各浅溝部15の深さは、引き出し電極16との接合面積を大きくする上では深く形成することが望ましいが、後述するFPC40の各配線41を収容して引き出し電極16との電気的接続を容易にする点から、50μm以下とすることが好ましく、より好ましくは30μm以下とすることである。
各浅溝部15の深さの下限は、引き出し電極16との接合面積を確保する点及び機械的加工精度を確保する点から、20μm以上とすることが好ましい。
また、各駆動電極14及び各引き出し電極16を形成するめっき電極の膜厚は、引き出し電極16が浅溝部15内に形成されることによって圧電性材料基板10cの表面に対する接合強度を確保できることと、後述する製造方法に従って製造することで被覆層残りの問題はないことから、より薄く形成することができる。特に、製造コストを下げる観点から、各駆動電極14は薄く形成することが望まれることから、これらめっき電極の膜厚は3μm以下とすることが好ましい。
一方、FPC40は、その表面(図1及び図3における下面)に、各チャネル溝12内に圧力変化を発生させる駆動信号を生成するための駆動回路(図示せず)と電気的に接続された配線41が、上記引き出し電極16と同数及び同ピッチでパターン形成されている。FPC40の各配線41は、アクチュエータ10の各浅溝部15内に収容され、各引き出し電極16と配線41とが異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)等(いずれも図示せず)を用いて熱圧着されることによって接合されることにより電気的に接続される。
カバー基板20は、本実施形態において各チャネル溝12から各浅溝部15の一部に亘ってその上部を覆う部材であり、非圧電性のセラミック基板等からなり、各チャネル溝12及び各浅溝部15の一部に亘ってその上部を、傾斜部12aの上方にインク供給路となる開口21を残して塞いでいる。開口21は、その上部に設けられるマニホールド30内に形成されたインク供給室31と各チャネル溝12内とを連通させている。
このカバー基板20は、図1に示すように、圧電性材料基板10cの表面の前端から各浅溝部15の上部を一部覆う大きさに亘って形成されており、このカバー基板20によって覆われる各浅溝部15内は、インク漏れを防止するように封止材17によって封止され、この封止材17で各チャネル溝12内と各浅溝部15の後端側とが隔てられている。封止材17としては、カバー基板20をアクチュエータ10に接合する際に用いられる接着剤を利用してもよいし、その他、マイクロバルーン等の膨張剤を含有した熱可塑性樹脂を用いても良い。
また、アクチュエータ10の前端面には、カバー基板20の前端面に亘ってノズルプレート11が接着されている。ノズルプレート11には各チャネル溝12の位置に対応するノズル11aが設けられている。
このようにして構成されるインクジェットヘッド1は、図示しない駆動回路から供給される駆動信号がFPC40の各配線41、各引き出し電極16を介して各駆動電極14へ印加されることにより、各チャネル溝12の側壁13がくの字状にせん断変形し、チャネル溝12内のインクに圧力変化を与える。そして、その応力を受けたチャネル溝12内のインクはノズル11aから微小なインク滴として吐出され、チャネル溝12の長手方向に向かって飛翔して紙等の記録媒体に着弾する。
なお、FPCは、図5に示すように、各配線41が形成される部位に、各配線41間の基板表面40aから突出した突出部40bが各配線41と略同幅に形成され、その各突出部40bの表面にそれぞれ配線41が位置して設けられるようにしたFPC40Aを用いてもよい。
このようなFPC40Aによれば、各配線41は、アクチュエータ10の各浅溝部15内にFPC40Aの各配線41の形成部位(配線41及び突出部40b)が収容されて凹状の浅溝部15と凸状の配線41とが組合されることにより、各浅溝部15内の引き出し電極16と電気的に接続されるようになる。従って、各配線41と各引き出し電極16との位置合わせの際は、凹凸を組合せるだけで行うことができるようになり、微細ピッチでの位置合わせであっても、困難な画像認識に依存する必要なく、また、一旦位置合わせがなされると容易には位置ずれを生じることがなく、簡単且つ確実な位置合わせを行うことができる。
この場合、図6に示すように、アクチュエータ10に形成される浅溝部15内の引き出し電極16形成後の幅Dは、FPC40Aの配線41の形成部位(配線41及び突出部40b)の幅Cと同幅もしくは若干広幅とされている。また、FPC40Aの基板表面40aからの配線41の表面41aの突出高さAは、浅溝部15内の引き出し電極16形成後の深さBに対して、A>Bとなるように形成される。
この図5、図6に示すようなFPC40Aを作成するには、FPC40Aの表面に対して、各配線41の形成領域に対応するようにそれぞれ突出部40bを予め突出形成しておき、その各突出部40bの表面に対して配線41形成用の金属をパターン形成することによって、配線41を選択的に形成することもできるが、図7に示すように、FPC40Aの表面に予め各配線41をパターン形成しておき、その後、各配線41間をエッチング処理することによって凹設し、これによって相対的に各配線41の裏面に突出部40bが後加工されるようにすることが、配線41及び突出部40bの形成を容易に行うことができる点で好ましい。突出部40bの突出高さは、エッチング処理の時間によって容易にコントロールすることができる。
エッチング処理としては、プラズマエッチング処理を好ましく用いることができる。このとき、金属からなる各配線41が形成されている部位はエッチングされずに、各配線41間に露出しているFPC40Aの有機基材(ポリイミド等)のみがエッチングされるため、各配線41の表面41aの突出高さが基板表面40aに対して相対的に高く形成されるようになる。
FPCは、一般に熱圧着することによって各引き出し電極16との接合作業を行うが、FPC40Aによれば、各配線41と各引き出し電極16との電気的接続は、凹状の浅溝部15と凸状の配線41の形成部位(配線41及び突出部40b)との凹凸による組合せによるものであるため、FPC40Aの加熱時の配線41の配列方向の動きは抑制され、熱膨張による伸びが抑えられる。従って、熱圧着による各配線41と各引き出し電極16との位置ずれが発生するおそれもない。
更に、図5に示すFPC40Aを用いることで、配線41のピッチが微細ピッチであっても、突出部40bの突出高さを適宜に設定することで、基板表面40aに対して各配線41の表面41aの突出高さを十分に高く形成することが容易に可能であることから、アクチュエータ10側の各浅溝部15の深さも、FPC40A側の配線41の形成部位(配線41及び突出部40b)の突出高さに合わせて深く形成することも可能となる。従って、配線41のピッチが微細となって厚みが極く薄く制限されるようになっても、深さの深い凹状の浅溝部15と組合せることが可能であり、これにより、各引き出し電極16の圧電性材料基板10cの表面に対する接合面積をより大きくすることができると共に、FPC40Aに熱膨張による伸びが生じた際にも、配線41の形成部位が浅溝部15を乗り越えてしまうようなことを確実に防止して、配線41の配列方向の動きの抑制効果を高めることが容易に可能である。
次に、かかるインクジェットヘッド1の製造方法について、図8を用いて説明する。
まず、非圧電性のセラミック基板10aの上に2層の圧電性材料基板10b、10cを接着することにより3層構造の基板10Aを形成する(図8(a))。
次に、この基板10Aの表面(圧電性材料基板10cの表面)に、被覆層50を設ける(図8(b))。被覆層50は、後述する無電解めっき処理時に基板10Aの表面にめっき膜が形成されるのを防止するための所謂レジスト層として機能する層であり、従来のように感光性を有するドライフィルムの他、単なるマスクを行うための感光性を有しない適宜のフィルムを用いることができる。
次に、この被覆層50の表面から、ダイシングソー等を用いて、圧電性材料基板10bまで達する複数の溝を平行に研削することにより、各チャネル溝12とその間の側壁13とを平行に並設する。各チャネル溝12は、基板10Aの前端(図中左手前)から後端(図中右奥)側の中途部に亘って研削加工されるが、後端に行くに従ってダイシングソー等を徐々に上に引き上げることによって次第に浅く研削した後、圧電性材料基板10cの表面よりも所定の深さとなる位置で、ダイシングソー等を基板10Aの後端に亘って移動させることで、各チャネル溝12と連続する浅溝部15を研削する。このようにチャネル溝12及び浅溝部15を連続状に研削することにより、被覆層50は各側壁13上面のみに残存し、それ以外の部位(電極形成領域)の被覆層50は研削加工時に除去される(図8(c))。
その後、所定の無電解めっき処理工程に従って、被覆層50でマスクされていない電極形成領域にめっきの触媒核となるPdを吸着させた後、基板10Aを無電解めっき液に浸漬し、電極形成領域に吸着されたPd上にNi等のめっき膜を析出させることで、各チャネル溝12内に駆動電極14と各浅溝部15内に引き出し電極16を同時に形成する(図8(d))。
その後、残存する被覆層50を除去し、アクチュエータ10を構成する(図8(e))。
このようにしてアクチュエータ10を構成した後は、図1に示すように、浅溝部15との隙間を封止材17で封止してカバー基板20及びマニホールド30を接着し、前端にノズルプレート11を接着し、更に後端にFPC40又は40Aを接合して、各浅溝部15内の引き出し電極16を各配線41と電気的に接合させる。
このような製造方法によれば、被覆層50を形成した後、無電解めっき処理に先立って、この被覆層50の上から各チャネル溝12と各浅溝部15の研削加工を行うので、この過程で、電極形成領域である各チャネル溝12と各浅溝部15に相当する部位の被覆層50は完全に除去されるため、従来のようにこれらの内部にめっき膜の析出を阻害する部材が残留するおそれは皆無となる。従って、その後の無電解めっき処理において、めっき抜けの発生がなく、導通不良の発生のおそれのない均一なめっき膜を確実に形成することができる。
また、従来のように露光、現像プロセスの必要がないため、工程の簡略化を図ることができる。
1:インクジェットヘッド
10:アクチュエータ
11:ノズルプレート
11a:ノズル
12:チャネル溝
12a:傾斜部
13:側壁
14:駆動電極(めっき電極)
15:浅溝部
16:引き出し電極(めっき電極)
17:封止材
20:カバー基板
30:マニホールド
31:インク供給室
40、40A:フレキシブルプリント基板
40a:基板表面
40b:突出部
41:配線
41a:配線の表面
10:アクチュエータ
11:ノズルプレート
11a:ノズル
12:チャネル溝
12a:傾斜部
13:側壁
14:駆動電極(めっき電極)
15:浅溝部
16:引き出し電極(めっき電極)
17:封止材
20:カバー基板
30:マニホールド
31:インク供給室
40、40A:フレキシブルプリント基板
40a:基板表面
40b:突出部
41:配線
41a:配線の表面
Claims (5)
- 圧電性材料基板の表面に、その前端から後端側の中途部に亘って並設された多数のチャネル溝と、該チャネル溝に連続して各チャネル溝の後端から圧電性材料基板の後端に亘ってチャネル溝よりも浅い浅溝部とがそれぞれ凹設され、各チャネル溝内から各浅溝部内に亘って繋がるめっき電極がそれぞれ形成されていると共に、各チャネル溝と各浅溝部の一部に亘って、各チャネル溝内へインク供給するためのインク供給路を残してその上部を覆うカバー基板が設けられ、各浅溝部は、上記カバー基板との間で封止材によってインク漏れを防止するための封止部を有しており、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線が表面にパターン形成されたフレキシブルプリント基板の各配線が、各浅溝部内のめっき電極と電気的に接続された状態で圧電性材料基板の表面に接合されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
- 前記浅溝部の深さが、50μm以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
- 前記めっき電極の膜厚が、3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
- 前記フレキシブルプリント基板は、各配線間の基板表面がエッチング処理されることにより、各配線部分が突出形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
- 圧電性材料基板の表面に被覆層を形成した後、該被覆層の上から、圧電性材料基板の前端から後端側の中途部に亘る多数のチャネル溝と、該チャネル溝に連続して各チャネル溝の後端から圧電性材料基板の後端に亘ってチャネル溝よりも浅い浅溝部をそれぞれ並設し、その後、圧電性材料基板をめっき液に浸漬して、被覆層が除去された各チャネル溝及び各浅溝内にめっき電極を形成した後、残留する被覆層を除去し、各チャネル溝と各浅溝部の一部に亘って、各チャネル溝内へインク供給するためのインク供給路を残してその上部を覆うカバー基板を設けると共に、各浅溝部を、上記カバー基板との間で封止材によってインク漏れを防止するための封止部を設け、駆動回路からの駆動信号を印加するための配線が表面にパターン形成されたフレキシブルプリント基板の各配線を、前記各浅溝部内のめっき電極と電気的に接続した状態で前記圧電性材料基板の表面に接合することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004115333A JP2005297310A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004115333A JP2005297310A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2005297310A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014077261A1 (ja) * | 2012-11-14 | 2014-05-22 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェットヘッドの製造方法、及び、インクジェットヘッド |
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2004
- 2004-04-09 JP JP2004115333A patent/JP2005297310A/ja active Pending
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WO2014077261A1 (ja) * | 2012-11-14 | 2014-05-22 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェットヘッドの製造方法、及び、インクジェットヘッド |
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