JP2013138472A - 送信方法、受信方法、送信装置、受信装置、送受信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信側では、信号作成部において、複数の仮想チャネルのそれぞれを別々のデータが通過したと想定した信号を加算した信号を信号作成部の出力として作成し、受信側では、オーバサンプリングを行い、サンプリングしたデータを配分して複数の仮想受信アンテナの出力と想定して信号検出を行う送信装置及び受信装置。
【選択図】図9
Description
(DFT行列と送信信号)
先ず、N次のDFT(Discrete Fourier Transform)行列について説明する。
FN=[fN(i、j)] ・・・(1)
とする。なお、N次逆DFT行列FN −1は、DFT行列FNの複素共役である。
である。
このWNを用いると、DFT行列FNは、図2に示すようになる。
WN N−k=WN 2N−k=・・・=WN −k
・・・(5)
図2に示すように、N次のDFT行列FNは、ベクトルfN、0、ベクトルfN、1・・・ベクトルfN、N−1のN個の行ベクトルを有している。この行ベクトル同士は、周期相互相関が全てのシフトにおいて、ゼロである。
(マッチドフィルタ)
長さMのベクトルIM(1、0、・・・・、0)を定義する。
≦ N − 1)としたときの信号Sgを
(擬周期信号)
信号S0から信号SN−1までを足し合わせた信号をSsumとする。信号Ssumは長さMNの有限長系列であるため、マルチパスチャネル通過の際に、DFT行列によって得られた周期性を失ってしまう。すると、マッチドフィルタ出力からデータXk(0≦k≦N−1)を得ることができなくなる。
また、直接経路信号が存在しなかったり、極めて小さな電力レベルである場合、最大振幅信号に対する遅延時間がマイナスであることがある。その時間を考慮した値をL1とする。
このL1,L2を使って図4のような擬周期信号を作り送信する。
(パイロット信号)
データ列X0を長さをMとして以下のように決める。
ただし、(p0,p1,p2,p3,...,pk,...,p(L2−1)
)は、時間kだけ遅れて到達したパスに乗算される複素係数であり、送信装置内の伝送特性、伝搬空間の伝送特性及び受信装置内の伝送特性を含む伝送特性であり、時間軸上のチャネル特性を表している。
pk=rk・ejθk ・・・・(12)
と表される。
(連立方程式)
パイロット信号の挿入によってマルチパス特性を含む時間軸上のチャネル特性を知ることができることを示した。
パイロット以外のデータ信号部分Xk(1<k<N−1)の、それぞれのマッチドフィルタ出力の中心のM個の部分(dk0〜dk(M−1))は、データとマルチパス特性が以下の式のような関係を示す。
+(0,p0,p1,...,pL2−2,pL2−1,0,...,0,0)・xk1
+(0,0,p0,p1,...,pL2−2,pL2−1,0,...,0)・xk2
・
・
・
+(0,0,0,...,0,0,0,0,p0,p1)・xk(M−2)
+(0,0,0,0,...,0,0,0,0,p0)・xk(M−1)
=(dk0,dk1,dk2,...,dk(M−2),dk(M−1)) ・・・・(13)
これを行列を用いて表現すると次の式(14)のようになる。
=tXk ・・・・(18)
前記受信ステップで受信された信号に対して、U(但し、U≧Rである。)倍のオーバサンプリングを行うオーバサンプリングステップと、
P×U個のチャネルに係る時間軸上のチャネル特性を検出するチャネル特性検出ステップと、
M×U個の受信信号を検出する信号検出ステップと、
P×U個のチャネルに係る時間軸上のチャネル特性と、M×U個の受信信号に基づいて、M×R個の連立方程式を生成する連立方程式生成ステップと、
前記連立方程式生成ステップで生成された連立方程式を解く復号ステップと、
を有するように構成することができる。
前記受信部で受信された信号に対して、U(但し、U≧Rである。)倍のオーバサンプリングを行うオーバサンプリング部と、
P×U個のチャネルに係る時間軸上のチャネル特性を検出するチャネル特性検出部と、
M×U個の受信信号を検出する信号検出部と、
P×U個のチャネルに係る時間軸上のチャネル特性と、M×U個の受信信号に基づいて、M×R個の連立方程式を生成する連立方程式生成部と、
前記連立方程式生成ステップで生成された連立方程式を解く復号部と、
を有するように構成することができる。
なお、異なる前記仮想チャネル生成用データの一つで、データをたたみ込んで、送信することにより、仮想チャネルが生成される。なお、この仮想的なチャネルは、送信側で生成されるので、仮想送信チャネル又は仮想送信アンテナとも言える。
(送信装置)
ここで、図5〜図7において、実アンテナが1つで、Pが「3」の場合(パイロット信号が3個の場合であって、仮想チャネル(仮想送信チャネル、仮想送信アンテナ)が3つの場合である。)の送信装置について、図9を用いて説明する。
(受信装置)
送信側仮想チャネルによって、(N−P)倍の送信データ量となった、図9の送信装置から送信され信号を受信する受信装置について説明する。
・
同様に、仮想チャネル#P−1からは、行ベクトルfP−1とクロネッカ積が取られてパイロット信号#P−1が送信される。同時に、仮想チャネル#P−1からは、N−P個の送信データ(XP−10、XP−11、・・・、XP−1(N−P)が、行ベクトルf0、行ベクトルf1・・・行ベクトルfN−1のそれぞれとクロネッカ積が取られて送信データ信号#N−1として送信される。
(1)送信側で、別々のP通りの送信側仮想チャネルを通した後に、加算して得た信号を実際の伝送チャネルに送信し、受信側で、受信した信号をU(U≧P)通りの別々の仮想チャネルを通す。
(受信装置(その1))
図9の送信装置から送信された信号について、オーバサンプリングによる受信装置について、図12を用いて説明する。なお、図12では、R(P)=3でなく、一般的に図示した。
(オーバサンプリング)
オーバサンプリング部28は、受信部22でベースバンド信号に変換された受信信号をU倍のオーバサンプリングを行う。
信号A(1、−1、1、1)が、信号B(1、1、1、1、−1、−1、−1、−1、1、1、1、1、1、1、1、1)となる。
サンプリング#1の系列 a0―1 a1―1 ・・・・a(M−1)―1
・・・・
サンプリング#U−1の系列 a0―(U−1) a1―(U−1) ・・・ a(M−1)−(U−1)
これによれば、サンプリングの系列毎に、送信信号に対応する信号系列が存在しており、換言すれば、サンプリングの系列毎に、仮想的なチャネルが存在していると言える。なお、この仮想的なチャネルは、受信側で生成されるので、仮想受信アンテナとも言える。
U≧R
である。
(信号の分離)
信号分離部29は、オーバサンプリング部28から出力されたサンプリング系列毎に、ベクトルfN、0、ベクトルfN、1・・・ベクトルfN、N−1のN個の行ベクトルのそれぞれとベクトルIMとのクロネッカ積に整合するマッチドフィルタを通す。信号分離部29は、ベクトルfN、0、ベクトルfN、1・・・ベクトルfN、N−1のN個の行ベクトルのそれぞれとベクトルIMとのクロネッカ積に整合するマッチドフィルタ毎に信号を分離する。
(チャネル特性検出)
本発明は、次に示すように、仮想チャネル(仮想送信アンテナ)毎に、1つのパイロット信号が挿入されている。
ベクトルf0とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタ、
ベクトルf1とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタ、
・
・
ベクトルfP−1とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタ、
を持っている。
換言すれば、
仮想受信アンテナ#0〜#(U−1)のそれぞれが
ベクトルf0とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタ、
ベクトルf1とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタ、
・
・
ベクトルfP−1とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタ、
を持っている。
ところで、仮想受信アンテナ#i(0≦i≦U−1)からの信号を、ベクトルfj(0≦j≦P−1)とベクトルIMとのクロネッカ積の為の整合フィルタに入力したときの出力は、仮想送信アンテナjから仮想受信アンテナiのへの仮想チャネルの特性である。
(連立方程式の生成)
連立方程式生成部26は、オーバサンプリングで生成された受信信号と、チャネル特性検出部25で検出された時間軸上のチャネル特性とに基づいて、式(17)のような連立方程式を生成する。
(復号)
連立方程式生成部26は、チャネル分離部29で分離された3個の仮想チャネルの受信信号と、チャネル特性検出部25で検出された時間軸上のチャネル特性とに基づいて、式(17)のような連立方程式を生成する。
(受信装置(その2))
(受信側でたたみ込みにより、仮想チャネルを生成する方法)
次いで、受信側で、仮想チャネルを生成する方法として、受信信号を仮想チャネル生成用データでたたみ込む方法について、図44を用いて説明する。
受信信号をRSと、仮想チャネル生成用データE1〜EU1とがたたみ込まれ、受信側仮想チャネル用たたみ込み部38の出力として、
受信信号をRSと、仮想チャネル生成用データE1とがたたみ込まれた信号#1、
受信信号をRSと、仮想チャネル生成用データE12とがたたみ込まれた信号#2、
・
・
受信信号をRSと、仮想チャネル生成用データEU1とがたたみ込まれた信号#U1
とが、別々に出力される。
なお、上記説明では、送信アンテナが一つ、受信アンテナが一つの場合であって、仮想チャネルの送信アンテナ数R及び仮想チャネルの受信アンテナ数Uの場合について説明した。
典型的システムでは
仮想チャネル数R=仮想チャネルの受信アンテナ数U
であり、
現実の送信アンテナ数TA=現実の受信アンテナ数RA=1
の場合である。
送信側:現実の送信アンテナ数R
受信側:現実の受信アンテナ数1で、仮想チャネルの受信アンテナ数R
の場合
(2) ケース2
送信側:現実の送信アンテナ数1で、仮想チャネルの送信アンテナ数R
受信側:現実の受信アンテナ数R
の場合
(3) ケース3
送信側:現実の送信アンテナ数R
受信側:現実の受信アンテナ数R
の場合
(4) ケース4
送信側:現実の送信アンテナ数TA
仮想チャネルの送信アンテナ数(R−TA)
受信側:現実の受信アンテナ数RA
仮想チャネルの受信アンテナ数(R−RA)
上記実施の形態では、仮想送信アンテナ数をRが「3」の場合について説明する。
の場合は、受信側で、式(17)と同様の連立方程式が一つ生成することになる。
(パイロット信号)
(送信データ)
図5〜図7の信号構成は、仮想チャネル0において、N−P個の送信データX0、P(x0、P、0、x0、P、1、・・・、x0、P、(M−1))・・・X0、N−1(x0、(N−1)、0、x0、(N−1)、1、・・・、x0、(N−1)、(M−1)が送信され、仮想チャネル1において、N−P個の送信データX1、P(x1、P、0、x1、P、1、・・・、x1、P、(M−1))・・・X1、N−1(x1、(N−1)、0、x1、(N−1)、1、・・・、x1、(N−1)、(M−1)が送信され、
仮想チャネル2において、N−P個の送信データX2、P(x2、P、0、x2、P、1、・・・、x2、P、(M−1))・・・X2、N−1(x2、(N−1)、0、x2、(N−1)、1、・・・、x2、(N−1)、(M−1)が送信される。
(A)送信側が多数ユーザ、即ち、複数の実アンテナ
(B)受信側がベースステーション(単一ユーザ)で複数又は単数の実アンテナ
の場合は、
本願発明は、仮想チャネル生成用データを用いて、仮想チャネル(仮想送信チャネル、仮想送信アンテナ)を生成しているので、遠近問題を避けるために、送信側でパワーコントロールを行うと、受信雑音の発生を抑えることができる。
(本願発明の技術的根拠−OSDMの理論)
本願発明の技術的根拠として、OSDMの理論を説明する。
1.(第1章) まえがき
近年における高度情報化社会の進展とともに電気通信に関する社会的ニーズはますます広域化・多様化しており、中でも無線技術を使って移動しながら通信が行えるモバイル情報通信は社会基盤の一つとして欠くことのできない重要な要素となっている。
独立に変調された搬送波が重畳されているために, ピーク電力対平均電力比(Peak to Average Power Ratio;PAPR)が高くなるといった問題が指摘されている。OSDM方式はOFDM方式と同様に、周波数利用効率を改善することにより他の通信方式と比較して抜本的に通信路容量を拡充すべく考案された通信方式であるが、従来は不可能であった通信路環境をリアルタイムに把握することが可能になっている。また、OFDM方式と比較してPAPRがほぼフラットであることが報告されている。この特徴を複数アンテナを用いた通信システムに適用することで、通信路容量が送受信アンテナ数に対してほぼ比例的に増加することが期待される。ここでは、OSDM方式の基礎からその拡張である複数アンテナOSDM方式に至るまで、その性能を適宜OFDM方式と比較しながらシミュレーションの結果を基に評価する。
2.基礎理論
本章では、OSDM方式の理論を以下の4つの節に分けて紹介する。まず、第1節では送信系に着目し、データから送信信号を形成するプロセスを紹介する。次に第2節では受信系に着目し、受信された信号から通信路環境を得るとと共に、得られた通信路環境からデータを推定するプロセスを紹介する。最後に、第3節ではOSDM方式の特徴を、OFDM方式と比較する形で考察する。
2.1 (第2章第1節) 送信系
送信系は図23のようなプロセスで構成される。以下にその詳細を示す。
長さがMのデータベクトルx0、x1、・・・、xN−1各々以下のように定義する。
x1=(x10、x11、・・・、x01(M−1))
・
・
xN−1=(x(N−1)0、x(N−1)1、・・・、x0、(N−1)(M−1))
・・・(25)
また、WN≡exp(2π√−1)/Nの元でN次逆DFT行列F−1及びその行ベクトル、行ベクトルfN、0、行ベクトルfN、1・・・行ベクトルfN、N−1(ここでは、「行ベクトルf0、行ベクトルf1・・・行ベクトルfN−1」又は「f0、f1・・・fN−1」と言う。)を図4のように定義する。
に長さL−1のサイクリックプレフィクスを付加した信号
S=(SMN−L+1、・・・、SMN−1、S0、S1、・・・、SMN−1) ・・(28)
が実際に通信路に送信される信号である。
2.2 受信系
受信系は図24のようなプロセスで構成される。以下にその詳細を示す。
× MNの右巡回シフト行列Tを用いて、以下の式で表記できる。
3. シミュレーション結果
本章では、前章の内容を基にOSDM方式の性能をシミュレートした結果を紹介する。第1節ではシミュレーションの諸定義を、第2節ではシミュレーションの結果を紹介する。最後に第3節で検証を行う。
3.1 諸定義
前章の内容を元に、ベースバンドに於けるOSDM方式、並びにOFDM方式の性能シミュレーションを実施した。以下にシミュレーション時のパラメータは、
M=13
N=64
L=8
である。
3.2 シミュレーション結果
本節では、前節の定義に基づいて実施したシミュレーションの結果を紹介する。
3.3 検討
本節では、前節で紹介したシミュレーションの結果について、検討を行う。
4. 複数アンテナOSDM方式の理論
本章では、OSDM方式の応用として、複数アンテナを用いそれらが同一周波数帯で独立にデータを送受信する複数アンテナOSDM方式の理論を以下の4つの節に分けて紹介する。まず、第1節では送信系に着目し、データから送信信号を形成するプロセスを紹介する。次に、第2節では受信系に着目し、受信された信号から通信路環境を得ると共に、得られた通信路環境からデータを推定するプロセスを紹介する。最後に第3節では複数アンテナOSDM方式の特徴を、OSDM方式と比較する形で紹介する。
4.1 送信系
送信系は図29のようなプロセスで構成される。以下にその詳細を示す。
4.2 受信系
受信系は図32のようなプロセスで構成される。以下にその詳細を示す。
Wをマッチドフィルタとすると、マッチドフィルタの出力Yとインパルス応答hが得られたとき、Hを基に連立方程式を解くことによって送信データベクトルが得られることがわかる。
4.3 特徴
複数アンテナOSDM方式は、MIMO−OFDM方式に代表される複数アンテナを用いたOFDM方式と比較して以下のような特徴を持つ。
5. シミュレーション結果
本章では、前章の内容を基に複数アンテナOSDM方式の性能をシミュレートした結果を紹介する。第1節ではシミュレーションの諸定義を、第2節ではシミュレーションの結果を紹介する。最後に第3節で検証を行う。
5.1 諸定義
前章の内容を元に、ベースバンドに於ける複数アンテナOSDM方式の性能シミュレーションを実施した。
した。
5.2 シミュレーション結果
本節では、前節の定義に基づいて実施したシミュレーションの結果を紹介する。
図33及び図34は、複数アンテナOSDM方式のQPSK及び16QAMの各変調に於ける、ビットあたりの電力密度対雑音電力密度比(Eb/No)対ビット誤り率(BER)のグラフである。なお、第3章2節と同じく、グラフに用いられているビットあたりの電力密度は直接波だけでなく、全ての反射波のエネルギーを図23のQPSK変調時のBER特性図34の16QAM変調時のBER特性含んでいることに注意されたい。また、受信側は通信路の環境をノイズの影響がない、理想的な形で把握しているものとする。
次に図35及び図36はQPSK、16QAM各変調に於いて、信号対雑音電力比(SNR)を5,10,20〔dB〕,及び10,20,30〔dB〕とした時の、タイムスロットが1〔μs〕に於ける送受信アンテナ本数対定常接続状態でのスループットのグラフである。なお、グラフに用いられている信号電力は直接波だけでなく、全ての反射波のエネルギーを含んでいることに注意されたい。また、スループットの算出には以下の近似式を用いている
Throughput〜α×(1−BER)/β・・・(41)
ここでαは1シンボルあたりのビット数、βはシンボルタイムである。
5.3 検証
本節では、前節で紹介したシミュレーションの結果について、検討を行う。
まず図33及び図34より、複数アンテナOSDM方式はアンテナ数を増加させても、ビットあたりの電力密度対雑音電力密度比(Eb/No)の劣化が僅かであることが確認できる。特にEb/Noが十分大きい時、t=8の複数アンテナOSDM方式は第2章で紹介したt=1の単一アンテナOSDM方式と比較して理論上7.1倍の情報伝送容量を誇るにもかかわらず、Eb/Noの劣化は約3〜6〔dB〕に収まっている点は特筆に値する。
(複数仮想アンテナOSDM方式)
複数仮想アンテナの実施例を説明する。
本実施例は、携帯通信機器に用いることを主要な目的として、送信側・受信側ともに単数のアンテナを用いるにも拘わらず、恰も送信側・受信側ともに複数のアンテナを用いたかのような高い無線周波数利用効率の実現を可能にする「仮想アンテナの理論」である。
6. 送信側の仮想アンテナの理論
図39のように仮想送信アンテナ#0、仮想送信アンテナ#1、・・・、仮想送信アンテナ#(K−1)を仮想し、仮想チャネル特性#0、仮想チャネル特性#1、・・・、仮想チャネル特性#(K−1)をチャネル特性が互いになるべく異なるように設定する。
6.2 受信側の仮想アンテナの理論
図40のように、各タイムスロットにK個ずつのサンプル点を設定し、各タイムスロットのサンプル点#0は等間隔に、各タイムスロットのサンプル点#1も等間隔に、・・、各タイムスロットのサンプル点#(K−1)も等間隔になるようにする。
6.3 送信系
送信系は図41のようなプロセスで構成される。以下にその詳細を示す。
と同様に定義する。また、図31のようにxi iにはパイロットシグナルを、それ以外の行には零行列をそれぞれ適用する。
6.4 受信系
受信系は図42のようなプロセスで構成される。以下にその詳細を示す。
Wをマッチドフィルタとすると、マッチドフィルタの出力Yとインパルス応答hが得られたとき、Hを基に連立方程式を解くことによって送信データベクトルが得られることがわかる。
6.5 送信側が単数送信者、受信側が複数受信者の場合の複数仮想アンテナOSDMの例
例えば、セルラー移動通信におけるダウンリンクのように、送信側が単数の送信者(ダイバーシチ送受信等の為に、実アンテナ数が複数の場合もある。)、受信側が複数の受信者(各受信者の実アンテナは、単数が典型であるが、ダイバーシチ送受信等の為に、実アンテナ数が複数の場合でもよい。)の場合は、次のようになる。
6.6 送信側が複数送信者、受信側が単数受信者の場合の複数仮想アンテナOSDMの例
例えば、セルラー移動通信におけるアップリンクのように、送信側が複数の送信者(各送信者の実アンテナは、単数が典型であるが、複数の場合でもよい。)、受信側が単数の受信者の場合は、次のようになる。
6.7 送信側が複数送信者、受信側が複数受信者の場合の複数仮想アンテナOSDMの例)
例えば、セル間干渉のあるセルラー移動通信のように、送信側、受信側ともに、複数の送受信者の場合は、全ての仮想送信アンテナのパイロット信号用の行ベクトルとして、N次元のDFT行列の行ベクトルの内、別々の行ベクトルを用いる必要がある。
6.8 パイロット信号
ここまでは、全ての仮想送信アンテナのパイロット信号用の行ベクトルとして、N次元のDFT行列の行ベクトルの内、別々の行ベクトルを用いる必要があると説明した。
7.検証
複数仮想アンテナOSDM方式に関して、以下の条件において、検証を行った。
N=64
L=8
なお、実マルチパスはレイリーフェージング、仮想マルチパスは一様ランダムな、16ビットの信号であり、等化方法はMMSEを用いた。
該信号作成部が作成した信号を送信する送信装置。
前記複数の受信機では、それぞれ、オーバサンプリングしてサンプリング結果を分配して複数の仮想受信アンテナとみなすことにより、送信データを推定できる連立多元1次方程式を得、該連立多元1次方程式を解くことにより送信データを推定する送受信システム。
受信した信号をオーバサンプリングした結果を分配して、複数の仮想受信アンテナ出力とみなすことにより、送信機・受信機間のチャネル特性の多様性を多元連立一次方程式が解けるように、チャネル特性による送信機分離を行って送信データを推定する受信装置。
(本発明の技術的意義)
なお、シャノンは、誤り率をいくらでもゼロに近づける方法が存在するためには、情報伝送速度が
C=Wlog2(S+N/N)
を超えてはいけないことを示したが、本発明は、「有限誤り率を許容すれば、帯域幅が有限でも、情報伝送速度に限界は存在しない」ことを示すものである。
12 仮想チャネル1用(仮想送信チャネル1用)の送信信号作成部
13 仮想チャネル2用(仮想送信チャネル2用)の送信信号作成部
15 仮想チャネル生成用データたたみ込み・加算部
17、172 送信部
18、181、182、183、184、185 送信アンテナ
21、211、212、213、214、215 受信アンテナ
22 受信部
151、381 仮想チャネル生成用データ記憶部
152、153、154 たたみ込み部
155、1551 加算部
221、222、223、224、225 受信部
25 チャネル特性検出部
26 連立方程式生成部
27 復号部
28 オーバサンプリング部
29 信号分離部
38 受信側仮想チャネル用たたみ込み部
Claims (26)
- 異なる複数の信号を送信する送信方法において、
前記異なる複数の信号を信号処理し、当該信号処理で得られた各信号を加算し、加算した信号を送信する方法であって、
前記複数の信号の一つの信号に対して、任意の時間遅れだけ遅延させると共に、任意の実数の実数乗算、または、任意の複素数の複素乗算を施す処理を、前記時間遅れと、前記乗算に用いる実数または複素数を異ならせて行うことによって一つの信号から複数の時間遅れ信号を形成する処理を時間遅れ信号形成処理とし、
前記時間遅れ信号形成処理を、前記異なる複数の信号の各信号について行って、複数の各信号についてそれぞれ複数の時間遅れ信号を形成し、
前記複数の各信号から形成した複数の時間遅れ信号を加算し、
前記加算によって得られた信号を送信信号として送信することを特徴とする、送信方法。 - 受信信号から複数の出力信号を形成し、当該複数の出力信号をそれぞれ個別に出力する受信方法において、
受信信号を任意の時間遅れだけ遅延させるとともに、任意の実数の実数乗算または任意の複素数の複素乗算を施すことによって時間遅れ信号を形成する時間遅れ形成処理を、前記時間遅れと前記乗算に用いる実数または複素数を任意に異ならせることによって一つの受信信号から複数の時間遅れ信号を形成し、得られた複数の時間遅れ信号を加算することにより一つの出力信号を形成する信号処理を有し、
同じ受信信号に対して、前記信号処理を複数回実行して複数の出力信号を形成し、形成した複数の出力信号をそれぞれ個別に出力するものであり、
複数回の信号処理において、各信号処理で行う時間遅れ信号形成処理の時間遅れおよび実数または複素数を異ならせることによって異なる複数の出力信号を形成することを特徴とする、受信信号処理方法。 - 送信側では、異なる複数の信号をそれぞれ加工し、加工して得られるそれぞれの加工信号を加算して送信信号を形成して送信し、受信側では、受信信号から複数の出力信号を形成し、当該複数の出力信号をそれぞれ異なる複数の出力装置から出力する送受信方法において、
送信側において、複数の仮想送信アンテナを仮想的に設定すると共に、当該複数の仮想送信アンテナのそれぞれと実の送信アンテナとの間にそれぞれ別の仮想送信チャネルおよびそのチャネル特性を仮想的に設定し、前記異なる複数の信号のそれぞれをそれぞれ別の前記仮想送信アンテナからそれぞれ別の、前記仮想送信チャネルの1つに入力して、それぞれの仮想チャネル特性を経て仮想的に出力し、
仮想的に出力された複数の加工信号を、前記仮想送信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、算出した前記複数の加工信号を加算して送信信号を形成し、前記送信信号を実の送信アンテナから実チャネルに送信し、
受信側において、複数の仮想受信アンテナを仮想的に設定すると共に、実の受信アンテナと前記複数の仮想受信アンテナのそれぞれとの間にそれぞれ別の仮想受信チャネルおよびそのチャネル特性を仮想的に設定し、前記実チャネルを経て送信される送信信号を実の受信アンテナで受信し、前記実の受信アンテナで受信した受信信号を、前記各仮想受信チャネルのそれぞれに仮想的に入力し、前記各仮想受信チャネルを経て前記各仮想受信アンテナに仮想的に出力される複数の出力信号を、前記各仮想受信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、前記算出したそれぞれの複数の出力信号を、それぞれの出力装置から出力することを特徴とする、送受信方法。 - 送信側では、異なる複数の信号をそれぞれ加工し、加工して得られるそれぞれの加工信号を形成して送信し、
受信側では、受信信号から複数の出力信号を形成し、当該複数の出力信号をそれぞれ異なる複数の出力装置から出力する送受信方法において、
送信側において、
複数の仮想送信アンテナを仮想的に設定するとともに、当該複数の仮想送信アンテナのそれぞれと実の送信アンテナとの間にそれぞれ別の仮想送信チャネルのチャネル特性を仮想的に設定し、
異なる複数の信号のそれぞれを前記仮想送信アンテナのそれぞれから、それぞれ別の前記仮想送信チャネルの1つに入力し、それぞれの仮想チャネルの仮想チャネル特性を経て仮想的に出力される複数の信号を、前記仮想送信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、
算出した前記複数の信号を加算して送信信号を形成し、
前記送信信号を実の送信アンテナから実チャネルに送信し、
受信側において、
前記実チャネルに送信された送信信号が実チャネルを経た信号を実の受信アンテナで受信し、
受信した受信信号(a0、a1、・・・、a(M−1))をオーバーサンプリングし、
前記受信信号に含まれる信号成分a0に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa0―0とし、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa0−1とし、・・・、
信号成分a0に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa0―(U−1)とし、
同受信信号に含まれる次の信号成分a1に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値を
a1―0とし、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa1−1とし、・・・、
信号成分a1に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa1―(U−1)とし、
・・・・、
同受信信号に含まれる更に別の信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa(M−1)−0とし、
信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa(M−1)−1とし、・・・、
信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa(M−1)―(U−1)とし、
異なる信号成分に対して施した各オーバーサンプリングにおいて、
同じオーバーサンプリング#0のサンプル値を配列してなる系列a0−0、a1−0、・・・、
a(M−1)−0を仮想受信アンテナ#0の出力信号とし、
同じオーバーサンプリング#1のサンプル値を配列してなる系列a0−1、a1−1、・・・、
a(M−1)−1を仮想受信アンテナ#1の出力信号とし、・・・・、
同じオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値を配列してなる系列a0−(U−1)、a1−(U−1)、・・・、a(M−1)−(U−1)を仮想受信アンテナ#(U−1)の出力信号とすることを特徴とする送受信方法。 - 送信側の信号作成部にX個の仮想送信アンテナを仮想的に設定し、
受信側の信号検出部にY個の仮想受信アンテナを仮想的に設定し、
X個の仮想送信アンテナとx個(x≦X)の実送信アンテナとの間に複数の仮想送信チャネルを仮想的に設定し、
y個の実受信アンテナとY個(y≦Y。ただし、x=Xのときy<Y)の仮想受信アンテナとの間に複数の仮想受信チャネルを設定し、
送信側において、前記仮想送信アンテナから前記仮想送信チャネルを経て仮想的に送信される複数の信号を、前記仮想送信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し
受信側において、前記実の受信アンテナで受信した受信信号が、前記仮想受信チャネルを経て前記仮想受信アンテナに仮想的に受信される複数の信号を、前記仮想受信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出することによって、
送受信間において、少なくとも現実のx個の送信アンテナと現実のy個の受信アンテナによる通信容量以上の通信容量を有することを特徴とする、送受信方法。 - 送信側にx個の実送信アンテナとX個の仮想送信アンテナを有し、
受信側にy個の実送信アンテナとY個の仮想送信アンテナを有し、
X個の仮想送信アンテナがx個の実送信アンテナを用いて同一周波数帯域で独立に信号を送信し、
Y個の仮想受信アンテナがy個の実受信アンテナを用いて同一周波数帯域で独立に信号を受信することを特徴とする、請求項5に記載の送受信方法。 - 送信側において、
複数の仮想送信アンテナを仮想的に設定すると共に、当該複数の仮想送信アンテナと実の送信アンテナとの間に複数の仮想送信チャネルを仮想的に設定し、
前記仮想送信アンテナから前記仮想送信チャネルを経て仮想的に送信される複数の信号を、前記仮想送信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、
算出した前記複数の信号を加算して送信信号を形成し、
前記送信信号を実の送信アンテナから実チャネルに送信することを特徴とする、送信方法。 - 複数の仮想受信アンテナを仮想的に設定すると共に、実の受信アンテナと前記複数の仮想受信アンテナとの間に複数の仮想受信チャネルを仮想的に設定し、
実の受信アンテナで受信し、
前記実の受信アンテナで受信した受信信号を入力信号として前記仮想受信チャネルの各チャネル特性の入出力応答を算出して各仮想受信チャネルについてそれぞれ出力信号を取得し、
前記各出力信号を前記複数の各仮想受信アンテナの仮想的な受信信号として出力することを特徴とする、受信方法。 - 異なる複数の信号の各信号をそれぞれ仮想的に設けた複数の仮想チャネルを通すことによって複数の仮想チャネル信号を形成するものであり、
複数の仮想チャネルが、複数の異なる仮想チャネル生成用データを備えるステップと、
前記複数の信号の各信号に対して前記複数の仮想チャネル生成用データの内の一つの仮想チャネル生成用データを用いてたたみ込み演算を行うステップと、
前記たたみ込み演算を行うことによって仮想チャネル信号を形成するステップと、
を備えることを特徴とする、仮想チャネル信号の形成方法。 - 実チャネルを経て送信される送信信号を実の受信アンテナで受信し、
受信した受信信号(a0、a1、・・・、a(M−1)) をオーバーサンプリングし、
前記受信信号に含まれる信号成分a0に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa0−0とし、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa0−1とし、・・・、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa0―(U−1)とし、
同受信信号に含まれる他の信号成分a1に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa1−0とし、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa1−1とし、・・・、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa1―(U−1)とし、
・・・・、
同受信信号に含まれる更に別の信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値を、a(M−1)−0とし、信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa(M−1)−1とし、・・・、信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa(M−1)―(U−1)とし、
異なる信号成分に対して施した各オーバーサンプリングにおいて、
同じオーバーサンプリング#0のサンプル値を配列してなる系列a0−0、a1−0、・・・、a(M−1)−0を仮想受信アンテナ#0の出力信号とし、
同じオーバーサンプリング#1のサンプル値を配列してなる系列a0−1、a1−1、・・・、a(M−1)−1を仮想受信アンテナ#1の出力信号とし、
・・・・、
同じオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値を配列してなる系列a0−(U−1)、a1−(U−1)、・・・、a(M−1)−(U−1)を仮想受信アンテナ#(U−1)の出力信号とすることを特徴とする送受信方法。 - 送信側に複数の送信アンテナを有し、
受信側に複数の受信アンテナを有し、
複数の送信アンテナは同一周波数帯域を用いて、パイロット信号とデータを担う信号を含む直交信号分割多重方式信号をそれぞれ別々に送信し、
複数の受信アンテナは、同一周波数帯域でそれぞれ別々に直交信号分割多重方式信号を受信し、
受信信号に含まれるパイロット信号を用いてチャネル推定を行い、推定したチャネル特性を用いて送信アンテナを判別することを特徴とする、送受信システム。 - 送信側に一又は複数の送信アンテナを有し、
受信側に一又は複数の受信アンテナを有し、
送信側に複数の入力端子を有し、受信側に複数の出力端子を有し、
送信側の入力端子のそれぞれは仮想送信アンテナを有し、
受信側の出力端子のそれぞれは仮想受信アンテナを有し、
送信側仮想アンテナのそれぞれと少なくとも1個の実送信アンテナとの間にそれぞれ仮想送信チャネルを設定し、
少なくとも1個の実受信アンテナと仮想受信アンテナのそれぞれとの間にそれぞれ仮想受信チャネルを設定し、
それぞれの入力端子とそれぞれの出力端子との間のチャネル特性を推定する手段を有することを特徴とする送受信システム。 - 一又は複数の送信アンテナと複数の入力端子を有し、
入力端子のそれぞれは仮想送信アンテナを有し、
仮想送信アンテナのそれぞれと少なくとも1個の実送信アンテナとの間にそれぞれ仮想送信チャネルを設定してあることを特徴とする送信装置。 - 請求項13において、各入力端子から入力される信号のそれぞれに、チャネル特性を推定するためのパイロット信号を含むことを特徴とする送信装置。
- 請求項14において、それぞれの入力端子から入力される信号に含まれるパイロット信号がそれぞれ櫛の歯状スペクトラムになっていて互いに無干渉であることを特徴とする送信装置。
- 一又は複数の受信アンテナと
複数の出力端子を有し、
出力端子のそれぞれは仮想受信アンテナを有し、
少なくとも1個の実受信アンテナと仮想受信アンテナのそれぞれとの間にそれぞれ仮想受信チャネルを設定してあることを特徴とする受信装置。 - 請求項16において、それぞれの出力端子に対応する出力装置が、出力信号の経たチャネル特性を推定する手段を有することを特徴とする受信装置。
- 請求項16において、
受信側実アンテナの受信信号をオーバーサンプリングして、そのサンプル信号のサンプル値を各仮想受信アンテナに分配することによって、各仮想受信チャネルを設定することを特徴とする受信装置。 - 複数の仮想送信アンテナを仮想的に設定すると共に、当該複数の仮想送信アンテナのそれぞれと送信信号との間にそれぞれ別の仮想送信チャネルおよびそのチャネル特性を仮想的に設定し、前記異なる複数の入力信号のそれぞれをそれぞれ別の前記仮想送信アンテナからそれぞれ別の、前記仮想送信チャネルの1つに入力して、それぞれの仮想チャネル特性を経て仮想的に出力し、
仮想的に出力された複数の加工信号を、前記仮想送信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、算出した前記複数の加工信号を加算して送信信号を形成し、前記送信信号を送信する送信方法。 - 複数の仮想受信アンテナを仮想的に設定すると共に、受信信号と前記複数の仮想受信アンテナのそれぞれとの間にそれぞれ別の仮想受信チャネルおよびそのチャネル特性を仮想的に設定し、前記受信信号を、前記各仮想受信チャネルのそれぞれに仮想的に入力し、前記各仮想受信チャネルを経て前記各仮想受信アンテナに仮想的に出力される複数の出力信号を、前記各仮想受信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、前記算出したそれぞれの複数の出力信号を、それぞれの出力装置から出力することを特徴とする、受信方法。
- 受信した受信信号(a0、a1、・・・、a(M−1))をオーバーサンプリングし、前記受信信号に含まれる信号成分a0に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa0-0とし、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa0-1とし、・・・、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa0-(U−1)とし、同受信信号に含まれる次の信号成分a1に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa1-0とし、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa1-1とし、・・・、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa1-(U−1)とし、
・・・・、
同受信信号に含まれる更に別の信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa(M−1)-0とし、信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa(M−1)-1とし、・・・、信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa(M−1)-(U−1)とし、
異なる信号成分に対して施した各オーバーサンプリングにおいて、同じオーバーサンプリング#0のサンプル値を配列してなる系列a0−0、a1−0、・・・、a(M−1)−0を仮想受信アンテナ#0の出力信号とし、同じオーバーサンプリング#1のサンプル値を配列してなる系列a0−1、a1−1、・・・、a(M−1)−1を仮想受信アンテナ#1の出力信号とし、
・・・・
同じオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値を配列してなる系列a0−(U−1)、a1−(U−1)、・・・、a(M−1)−(U−1)を仮想受信アンテナ#(U−1)の出力信号とすることを特徴とする受信方法。 - 複数の仮想受信アンテナを仮想的に設定すると共に、入力信号と前記複数の仮想受信アンテナのそれぞれとの間にそれぞれ別の仮想受信チャネルおよびそのチャネル特性を仮想的に設定し、前記入力信号を、前記各仮想受信チャネルのそれぞれに仮想的に入力し、前記各仮想受信チャネルを経て前記各仮想受信アンテナに仮想的に出力される複数の出力信号を、前記各仮想受信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、前記算出したそれぞれの複数の出力信号を、それぞれの出力装置から出力することを特徴とする、入出力方法。
- 入力した入力信号(a0、a1、・・・、a(M−1))をオーバーサンプリングし、前記入力信号に含まれる信号成分a0に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa0-0とし、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa0-1とし、・・・、信号成分a0に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa0-(U−1)とし、
同入力信号に含まれる次の信号成分a1に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa1-0とし、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa1-1とし、・・・、信号成分a1に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa1-(U−1)とし、
・・・・、
同入力信号に含まれる更に別の信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#0のサンプル値をa(M−1)-0とし、信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#1のサンプル値をa(M−1)-1とし、・・・、信号成分a(M−1)に対するオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値をa(M−1)-(U−1)とし、
異なる信号成分に対して施した各オーバーサンプリングにおいて、同じオーバーサンプリング#0のサンプル値を配列してなる系列a0-0、a1-0、・・・a(M−1)-0を仮想受信アンテナ#0の出力信号とし、
同じオーバーサンプリング#1のサンプル値を配列してなる系列a0-1、a1-1、・・・、a(M−1)-1を仮想受信アンテナ#1の出力信号とし、
・・・・
同じオーバーサンプリング#(U−1)のサンプル値を配列してなる系列a0-(U−1)、a1-(U−1)、・・・、a(M−1)-(U−1)を仮想受信アンテナ#(U−1)の出力信号とすることを特徴とする入出力方法。 - 複数の仮想送信アンテナを仮想的に設定すると共に、当該複数の仮想送信アンテナのそれぞれと出力信号との間にそれぞれ別の仮想送信チャネルおよびそのチャネル特性を仮想的に設定し、前記異なる複数の入力信号のそれぞれをそれぞれ別の前記仮想送信アンテナからそれぞれ別の、前記仮想送信チャネルの1つに入力して、それぞれの仮想チャネル特性を経て仮想的に出力し、
仮想的に出力された複数の加工信号を、前記仮想送信チャネルの各チャネル特性の入出力応答から算出し、算出した前記複数の加工信号を加算して出力信号を形成し、前記出力信号を出力する入出力方法。 - 送信機側において、
長さMの送信データと、P個のパイロット信号と、P個の仮想チャネル数と、
行列のN行(またはN列)ベクトルを線形結合してなる行ベクトルまたは列ベクトルとを有し、
前記パイロット信号は、P個の行(または列)ベクトルとのクロネッカ積をとり、
前記送信データは、(N−P)の行(または列)ベクトルとのクロネッカ積をとって、受信信号において、他のパイロット信号及び送信データと干渉されずに受信することを可能とする送信信号を形成し、前記送信信号を、それぞれ異なる仮想チャネル生成用データの一つでたたみ込んで、別々のP通りの送信側仮想チャネルを通した後に、加算して得た信号を実際の伝送チャネルに送信して、送信データは、予め仮想チャネル毎に、パイロット信号と共に、(N−P)×M個のデータを送信し、
各受信側において、
U(U≧P)個の仮想チャネルを有し、実アンテナで受信した信号を、U個の仮想チャネル生成用データでたたみ込むことによって、U(U≧P)通りの別々の仮想チャネルを通してU個の仮想チャネルに分岐し、分岐されたU個の信号において、送信側のP通りの仮想チャネルおよび受信側のU通りの仮想チャネルによって形成さされるPU通りの仮想チャネルについて、当該PU通りの全ての仮想チャネル特性の内から少なくともP2通りの仮想チャネル特性を検出し、受信側で得たPU通りのチャネル特性と、送信側から送信されたデータが別々の受信側仮想チャネルを通った出力とを用いて、連立一次方程式を生成し、該連立一次方程式を解くことによって送信信号を受信することを特徴とする、受信方法。 - 送信機側において、
長さMの送信データと、P個のパイロット信号と、P個の仮想チャネル数と、
行列のN行(またはN列)ベクトルを線形結合してなる行ベクトルまたは列ベクトルとを有し、
前記パイロット信号は、P個の行(または列)ベクトルとのクロネッカ積をとり、
前記送信データは、(N−P)の行(または列)ベクトルとのクロネッカ積をとって、受信信号において、他のパイロット信号及び送信データと干渉されずに受信することを可能とする送信信号を形成し、前記送信信号を、それぞれ異なる仮想チャネル生成用データの一つでたたみ込んで、別々のP通りの送信側仮想チャネルを通した後に、加算して得た信号を実際の伝送チャネルに送信して、送信データは、予め仮想チャネル毎に、パイロット信号と共に、(N−P)×M個のデータを送信することを特徴とする、送信方法。
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