JP2013136996A - 火花点火内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室に連通する容積可変の副室を具備し、燃焼圧力が制御圧力に達すると副室の容積を大きくして燃焼室内の圧力上昇を抑制する火花点火内燃機関において、特定の場合には、さらに点火時期を進角して熱効率を高める。
【解決手段】燃焼室5の圧力低下に伴って副室60の容積を小さくするときに、副室の容積減少速度が設定減少速度以上の場合には、副室の容積減少速度が設定減少速度未満の場合に比較して点火プラグ10の点火時期を進角させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃焼圧力を制御するために燃焼室に連通する副室を具備する火花点火内燃機関に関する。
自着火内燃機関において、過早着火のような異常燃焼時に、燃焼圧力が異常に高まることを抑制するために、制御圧力で開弁する圧力調整弁を介して副室を燃焼室と連通させ、燃焼圧力が制御圧力を超えるときに、燃焼室内の圧力を副室へ逃がすことが提案されている(特許文献1参照)。
容積可変の副室を燃焼室へ連通させ、燃焼圧力が制御圧力に達すると副室の容積を大きくして燃焼室内の圧力上昇を抑制することは、火花点火内燃機関においても、燃焼圧力が異常に高まることを抑制するのに有効である。
特開2000−230439 特開平07−229431 特開2005−291065 特開2003−254216 特開2010−048094
前述のような容積可変の副室を具備する火花点火内燃機関において、燃焼圧力が異常に高まることが抑制されるために、点火時期を進角して熱効率を高めることが可能となる。しかしながら、特定の場合において、さらに点火時期を進角する余地が残されている。
従って、本発明の目的は、燃焼室に連通する容積可変の副室を具備し、燃焼圧力が制御圧力に達すると副室の容積を大きくして燃焼室内の圧力上昇を抑制する火花点火内燃機関において、特定の場合には、さらに点火時期を進角して熱効率を高めることである。
本発明による請求項1に記載の火花点火内燃機関は、燃焼室に連通する容積可変の副室を具備し、燃焼圧力が制御圧力に達すると前記副室の容積を大きくして燃焼室内の圧力上昇を抑制する火花点火内燃機関において、前記燃焼室の圧力低下に伴って前記副室の容積を小さくするときに、前記副室の容積減少速度が設定減少速度以上の場合には、前記副室の容積減少速度が前記設定減少速度未満の場合に比較して点火プラグの点火時期を進角させることを特徴とする。
本発明による請求項2に記載の火花点火内燃機関は、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、前記副室はピストンにより容積が可変とされ、前記副室の容積を小さくするときに、前記ピストンの移動速度が設定移動速度以上の場合には、前記副室の容積減少速度が前記設定減少速度以上であるとすることを特徴とする。
本発明による請求項3に記載の火花点火内燃機関は、請求項1又は2に記載の火花点火内燃機関において、前記副室の前記燃焼室への連通位置から前記点火プラグより遠くに位置するもう一つの点火プラグが設けられ、前記点火プラグの点火時期より前記もう一つの点火プラグの点火時期を進角させることを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の火花点火内燃機関によれば、燃焼室に連通する容積可変の副室を具備し、燃焼圧力が制御圧力に達すると副室の容積を大きくして燃焼室内の圧力上昇を抑制する火花点火内燃機関において、燃焼室の圧力低下に伴って副室の容積を小さくするときには副室内の混合気が燃焼室内へ噴出して燃焼中の燃焼室内に乱れを発生させる。副室の容積減少速度が設定減少速度以上の場合には、副室の容積減少速度が設定減少速度未満の場合に比較して、混合気の噴出速度が速くなって燃焼後半の燃焼室内に強い乱れを発生させることができ、燃焼速度が速くなって燃焼後半にもノッキングが発生し難くなるために、点火時期を進角させて熱効率を高めるようになっている。
本発明による請求項2に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、副室はピストンにより容積が可変とされ、副室の容積を小さくするときに、ピストンの移動速度が設定移動速度以上の場合には、副室の容積減少速度が設定減少速度以上であるとするようになっており、容易に副室の容積減少速度が設定減少速度以上であると判断して点火時期を進角させることができる。
本発明による請求項3に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項1又は2に記載の火花点火内燃機関において、副室の燃焼室への連通位置からより遠くに位置するもう一つの点火プラグが設けられ、このもう一つの点火プラグ近傍は、連通位置の近くに位置する点火プラグ近傍より、副室から流出する混合気による乱れが弱くなって燃焼後半の燃焼速度が遅くなるために、点火時期を進角して先に着火させることにより、両方の点火プラグ近傍の混合気を略同時に燃焼完了させることができる。
本発明による火花点火内燃機関の実施形態を示す概略図である。 図1の火花点火内燃機関が具備する副室の構造を示す概略図である。 図1の火花点火内燃機関の燃焼室圧力の変化と副室内のピストンの変位の変化を示すグラフである。 ガス室の圧力上昇値と点火時期進角量との関係を示すマップである。 本発明による火花点火内燃機関のもう一つの実施形態を示すシリンダヘッドの気筒内底面図である。
図1は、本発明による火花点火内燃機関の実施形態を示す概略図である。同図において、1は機関本体である。機関本体1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド4とを具備している。シリンダブロック2に形成されたシリンダボア内には、ピストン3が配置されている。5はシリンダボア内にピストン3により形成される燃焼室である。
シリンダヘッド4には吸気ポート7及び排気ポート9が形成され、吸気ポート7は吸気弁6を介して燃焼室5へ通じており、排気ポート9は排気弁8を介して燃焼室5へ通じている。10は燃焼室5の上部略中心に配置された点火プラグである。
各気筒の吸気ポート7は、対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結されている。サージタンク14は、吸気ダクト15及びエアフローメータ16を介してエアクリーナ(図示せず)に連結されている。吸気ダクト15の内部には、ステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置されている。一方、各気筒の排気ポート9は、排気マニホルド19を介して触媒コンバータ21に連結されている。触媒コンバータ21内には三元触媒装置20が配置されている。触媒コンバータ21の下流側は、排気管22を介して大気へ通じるマフラ(図示せず)に接続されている。
燃焼室5に燃料を供給するための燃料噴射弁11は、吸気ポート7に燃料を噴射するように配置されている。燃料噴射弁11は、燃焼室5に直接的に燃料を噴射するものでも良い。
燃料噴射弁11は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ29を介して燃料タンク28に接続されている。燃料タンク28内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ29によって燃料噴射弁11に供給される。燃料ポンプ29と各気筒の燃料噴射弁11との間に各気筒共通のコモンレールを配置することも可能である。
本火花点火内燃機関は、電子制御ユニット31を具備している。電子制御ユニット31は、デジタルコンピュータを有している。電子制御ユニット31は、双方向バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36及び出力ポート37を有している。
エアフローメータ16は、燃焼室5に吸入される吸入空気量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。アクセルペダル40には、負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41は、アクセルペダル40の踏込量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
クランク角センサ42は、クランクシャフトが、例えば所定の角度を回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスは入力ポート36に入力される。クランク角センサ42の出力により、機関回転数を検出することができる。また、クランク角センサ42の出力により、クランク角度を検出することができる。たとえば、第1気筒の圧縮上死点を0°としたときのクランク角度を検出することができる。すなわち、クランクシャフトの回転角度を検出することができる。
電子制御ユニット31の出力ポート37は、それぞれの対応する駆動回路39を介して燃料噴射弁11及び点火プラグ10に接続されている。また、出力ポート37は、対応する駆動回路39を介して、スロットル弁18を駆動するステップモータ17及び燃料ポンプ29に接続されている。
図2は、本火花点火内燃機関の燃焼室5に連通する副室の構造を示す概略図である。副室60は、各気筒において、例えば二つの吸気弁の間に配置された筒状部材51内に形成される。筒状部材51は、燃焼室5に連通する筒状部を構成する。本実施形態において、筒状部材51の内部は円筒状に形成されている。筒状部材51の内部には、筒状部材51内を軸線方向(矢印201の方向)に摺動する副室用ピストン55が配置されている。55bは副室用ピストン55の周囲と筒状部材51の内面との間の気密性を提供するためのピストンリングである。
筒状部材51の内部の燃焼室5に連通する空間は、副室用ピストン55により区画されて容積可変の副室60を形成する。また、筒状部材51の内部において、副室用ピストン55を境界として副室60と反対側には、ガス室61が形成されている。ガス室61内の気体は、副室用ピストン55に作用する気体ばね50として機能する。ガス室61には、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達したときに、副室60の容積を大きくする方向に副室用ピストン55が移動し始めるように、加圧された気体が封入されている。本実施形態においては、ガス室61には空気が封入されている。
筒状部材51は、燃焼室5側の端部に形成された係止部52を有する。係止部52は、副室用ピストン55を筒状部材51の端部で係止する。副室用ピストン55が係止部52に接触している状態が、副室用ピストン55が筒状部材51の内部で着底している状態である。
このように形成された副室60が燃焼室5に連通しているために、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達したときには、副室用ピストン55がガス室61の容積を小さくするように摺動して副室60の容積が大きくなり、燃焼室6の圧力上昇を抑制する。それにより、異常燃焼が発生しても、燃焼圧力が異常に高まることを抑制し、燃焼室5のシール部材が破損しないようにすることができる。
ここで、異常燃焼とは、たとえば、点火プラグ10により混合気を点火させて、点火位置から順次燃焼が伝搬する状態以外の燃焼であり、例えば、ノッキング現象、デトネーション現象及びプレイグニッション現象が含まれる。ノッキング現象は、スパークノック現象を含む。スパークノック現象は、点火プラグ10において点火し、点火プラグ10を中心に火炎が広がっているときに、点火プラグ10から遠い位置にある未燃燃料を含む混合気が自着火する現象である。この場合において、点火プラグ10から遠い位置にある混合気は、点火プラグ10の近傍の燃焼ガスにより圧縮されて高温高圧になって自着火する。混合気が自着火するときに衝撃波が発生する。
本実施形態の火花点火内燃機関では、燃焼室5内の圧力が制御圧力となると副室60の容積が増大して燃焼室5内の圧力上昇を抑制するために、自着火が起こり難く、ノッキング現象の発生を抑制することもできる。
デトネーション現象は、高温高圧の混合気の中を衝撃波が通過することにより、混合気が着火する現象である。この衝撃波は、たとえば、スパークノック現象によって発生する。プレイグニッション現象は、早期着火現象とも言われる。プレイグニッション現象は、点火プラグ10の先端の金属または燃焼室内に堆積するカーボンスラッジ等が加熱されて、所定の温度以上を維持した状態になり、この部分を火種として点火時期の前に混合気が着火して燃焼する現象である。
図2に示すように、本実施形態における火花点火内燃機関は、ガス室61の圧力を制御する圧力制御装置を備えている。圧力制御装置は、モータ71と、モータ71により駆動される圧縮機72とを有している。圧縮機72の吐出側は、空気供給経路75により逆止弁82を介してガス室61に連通している。逆止弁82は、ガス室61の気体が空気供給経路75を逆流して流出することを防止する。圧縮機72の吸入側は、逆止弁81及びフィルタ73を介して大気へ通じている。フィルタ73は、圧縮機72に吸入される空気から異物を除去する。逆止弁81は、圧縮機72から空気が逆流することを防止する。
圧縮機72の吐出側とガス室61とを連通する空気供給経路75の逆止弁82の下流側には、空気排出弁84が配置されている。また、空気供給経路75の空気排出弁84の下流側には、圧力調整弁85が配置されている。圧力調整弁85は、ガス室61に供給する空気の圧力を調整する。また、空気供給経路75の圧力調整弁85の下流側には、圧力センサ74が配置されている。圧力センサ74は、ガス室61内の圧力を検出するものであり、ガス室61に直接的に配置しても良い。
本圧力制御装置は、電子制御ユニット31により制御される。具体的には、電子制御ユニット31には、圧力センサ74の出力信号が入力され、電子制御ユニット31によって、モータ71と、電磁弁である空気排出弁84及び圧力調整弁85とが制御される。
圧力調整弁85を開弁しているときに、モータ71を作動制御すると共に空気排出弁84を開閉制御することにより、副室用ピストン55が着底しているときのガス室61内の空気圧力を所望の制御圧力に維持することができる。このようなガス室61内の空気圧力制御は、少なくとも燃焼圧が制御圧力以上となる間は禁止されるようになっており、例えば、上死点から膨張行程前半の間、又は、圧縮行程後半から膨張行程前半の間において禁止するようにすれば良い。空気圧力制御の禁止時には、圧力調整弁85を閉弁し、モータ71を作動停止すると共に吸気排出弁84を閉弁する。こうして、ガス室61から空気が漏れても、燃焼時においては、ガス室61内を制御圧力とすることが可能となる。もちろん、圧力制御装置によってガス室61内の制御圧力を、高く又は低く変更することも可能である。
図3に、本実施形態の火花点火内燃機関における燃焼室5の圧力変化のグラフを示す。横軸がクランク角度であり、縦軸が燃焼室5の圧力及び副室用ピストン55の変位である。図3には、燃焼サイクルのうち圧縮行程及び膨張行程のグラフが示されている。副室用ピストン55は、筒状部材51の底部に着底しているときの変位が零である。本実施形態において、ガス室61は制御圧力に維持されているために、燃焼サイクルの圧縮行程から膨張行程の期間中に、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達したときに、副室用ピストン55が副室60の容積を大きくすると共にガス室61の容積を小さくするように移動する。
図3に示す例では、クランク角度が0°(TDC)より僅か後に点火される。点火されることにより燃焼室5の圧力が急激に上昇する。燃焼室5の圧力が制御圧力に達したときに、副室60の容積が大きくなって、燃焼室5の圧力上昇が抑制される。図3に示す例では、燃焼室の圧力はほぼ一定に制御圧力に保たれる。なお、厳密には副室用ピストン55が移動することによりガス室61内の圧力が上昇するために、燃焼室5の圧力も僅かに上昇することとなる。
燃焼室5において、更に燃料の燃焼が進むと、副室用ピストン55の変位は最大になった後に小さくなる。ガス室61の圧力が減少して、副室用ピストン55の変位が零に戻る。すなわち、副室用ピストン55は着底する位置まで戻る。燃焼室5の圧力が制御圧力未満になった場合には、クランク角度の進行とともに燃焼室5の圧力が減少する。
このように、本実施形態における火花点火内燃機関では、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達したときに燃焼室の圧力上昇が抑制され、燃焼室の圧力が異常に高まることを抑制することができる。
図3には、比較例1及び比較例2の燃焼室の圧力のグラフが示されている。比較例1及び比較例2は、本実施形態のような副室60を有していない内燃機関である。内燃機関は、点火時期に依存して、燃焼室の圧力が変動する。内燃機関は、熱効率が最大となる点火時期θmaxを有する。点線で示す比較例1は、点火時期をθmaxより遅角させたときのグラフである。しかしながら、比較例1では、燃焼室の圧力が異常に高くなって燃焼室5のシールを破損させることがある。それにより、一点鎖線で示す比較例2のように、燃焼圧力が異常に高まることを抑制するためには、点火時期をθmaxよりもかなり遅角させなければならず、これでは熱効率がかなり悪化してしまう。
本実施形態における内燃機関は、実線で示すように、点火時期を比較例1より進角してθmaxに近づけているが、燃焼室6内の圧力はほぼ制御圧力に維持され燃焼圧力が異常に高まることを抑制することができるために、高い熱効率を実現することが可能となる。
ところで、本実施形態のように容積可変の副室を具備する火花点火内燃機関において、燃焼室5の圧力低下に伴って副室60の容積を小さくするときには副室60内の混合気が燃焼室5内へ噴出して燃焼中の燃焼室内に乱れを発生させる。この乱れを利用することにより、さらに点火時期を進角してθmaxへ近づけることができ、さらに熱効率を高めることが可能となる。
点火時期後に燃焼室5内の圧力が制御圧力となれば、副室60の容積が大きくなると共にガス室61の容積が小さくなってガス室61の圧力が上昇する。こうして、例えば、点火時期後に圧力センサ74によりガス室61の圧力を監視し、ガス室61の最大圧力上昇値ΔP(最高圧力−制御圧力)が高いほど、すなわち、副室用ピストン55の最大変位が大きいほど、燃焼室5の圧力低下に伴って、副室60の容積を小さくする際の副室用ピストン55の移動速度が高くなり、副室60の容積減少速度が高くなるために、副室60内から燃焼室5内へ噴出する混合気の噴出速度がより速くなると共に噴出する混合気の量も多くなり、燃焼後半の燃焼室内により強い乱れを発生させることができる。
それにより、燃焼速度がより速くなって燃焼後半にもノッキングがより発生し難くなるために、図4に実線で示すマップのように、最大圧力上昇値ΔPが高いほど点火時期進角量Δθを大きくすれば、点火時期をより進角させてθmaxへ近づけることにより熱効率を高めることができる。
点火時期進角量Δθは、段階的に設定しても良い。例えば、図4に点線で示すように、点火時期進角量Δθは、少なくとも二段階に設定することができ、最大圧力上昇値ΔPが設定値ΔP’以上のときには、副室60の容積を小さくする際の副室用ピストン55の移動速度が設定移動速度以上となり、副室60の容積減少速度が設定減少速度以上となるために、最大圧力上昇値ΔPが設定値ΔP’より低いとき(副室用ピストン55の移動速度が設定移動速度未満であって副室60の容積減少速度が設定減少速度未満であるとき)に比較して副室60内から燃焼室5内へ噴出する混合気の噴出速度が速くなって、ノッキングが発生し難くなるために、点火時期進角量Δθを0からΔθ’へ大きくして点火時期を進角するようにしても良い。
このような点火時期の制御は、制御気筒に対して、点火順序が直前の他気筒の燃焼時において、又は、前回のサイクルの同一気筒の燃焼時において測定された最大圧力上昇値ΔPに基づき制御されることとなる。また、副室用ピストン55の位置センサが設けられている場合には、点火順序が直前の他気筒の燃焼時において、又は、前回のサイクルの同一気筒の燃焼時において、位置センサにより副室60の容積が小さくなる際の実際の副室用ピストン55の移動速度を測定し、測定された移動速度が速いほど、点火時期進角量Δθを大きくするようにしても良い。また、測定された移動速度が設定移動速度以上の場合にだけ点火時期進角量をΔθ’とするようにしても良い。
図5は、本発明による火花点火内燃機関のもう一つの実施形態を示すシリンダヘッドの底面図である。図1及び2に示す実施形態との違いは、二つの排気弁8の間には、もう一つの点火プラグ100が配置されていることである。
このように二つの点火プラグ10及び100により点火を実施することにより、点火から燃焼完了までの時間を短縮して燃焼速度の速い良好な燃焼を実現することが可能となる。ところで、気筒上部略中心に配置された点火プラグ10は、副室60の燃焼室5への連通位置に比較的近いために、点火プラグ10の近傍では、副室60から流出する混合気により発生する乱れが比較的強くなり、燃焼後半の燃焼速度が速くなる。一方、二つの排気弁8の間に配置されたもう一つの点火プラグ100は、副室60の燃焼室5への連通位置から比較的遠いために、もう一つの点火プラグ100の近傍では、副室60から流出する混合気により発生する乱れが比較的弱くなり、点火プラグ10の近傍に比較して、燃焼後半の燃焼速度が遅くなる。
それにより、副室60の燃焼室5への連通位置から遠いもう一つの点火プラグ100の点火時期を副室60の燃焼室5への連通位置に近い点火プラグ10の点火時期より進角することにより、もう一つの点火プラグ100の近傍の混合気が点火プラグ10の近傍の混合気より先に着火され、両方の点火プラグ近傍の混合気を略同時に燃焼完了させて全体的な燃焼速度を良好に速めることができる。
1 機関本体
5 燃焼室
31 電子制御ユニット
55 副室用ピストン
60 副室
61 ガス室

Claims (3)

  1. 燃焼室に連通する容積可変の副室を具備し、燃焼圧力が制御圧力に達すると前記副室の容積を大きくして燃焼室内の圧力上昇を抑制する火花点火内燃機関において、前記燃焼室の圧力低下に伴って前記副室の容積を小さくするときに、前記副室の容積減少速度が設定減少速度以上の場合には、前記副室の容積減少速度が前記設定減少速度未満の場合に比較して点火プラグの点火時期を進角させることを特徴とする火花点火内燃機関。
  2. 前記副室はピストンにより容積が可変とされ、前記副室の容積を小さくするときに、前記ピストンの移動速度が設定移動速度以上の場合には、前記副室の容積減少速度が前記設定減少速度以上であるとすることを特徴とする請求項1に記載の火花点火内燃機関。
  3. 前記副室の前記燃焼室への連通位置から前記点火プラグより遠くに位置するもう一つの点火プラグが設けられ、前記点火プラグの点火時期より前記もう一つの点火プラグの点火時期を進角させることを特徴とする請求項1又は2に記載の火花点火内燃機関。
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