JP2013136498A - 量子ドット含有チタン化合物及びその製造方法、並びに該量子ドット含有チタン化合物を用いた光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、量子ドット表面が保護されたエネルギー変換材料を提供することを目的とする。
【解決手段】量子ドットの少なくとも一部がチタンの酸化物でコートされている、量子ドット含有チタン化合物。当該量子ドット含有チタン化合物は、例えば、量子ドットを不活性雰囲気中でチタンアルコキシドを含有する疎水性有機溶媒中で攪拌する工程を含む方法により得られる。なお、攪拌後、量子ドットを水相に接触させて水相に移動させてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、量子ドット含有チタン化合物及びその製造方法と、該量子ドット含有チタン化合物の用途、特にエネルギー変換素子への応用に関するものである。
(1)量子ドットとそれを用いた各種の蛍光体
量子ドットは、直径2〜10nm程度の概略で球状の半導体結晶である。量子ドットは、「半導体ナノ粒子」又は「半導体超微粒子」と呼ばれることもあり、およそ10〜10個の原子からなる。量子ドットとしては、溶液法によって作られる場合は、水溶液法で作られる親水性の量子ドット(親水性の配位子が表面に付く)と、有機溶液法によって作られる疎水性の量子ドット(疎水性の配位子が表面に付く)がある。いずれの場合もアルコールが貧溶媒となるので、アルコールの添加によってサイズの大きいものから順に析出する。量子ドットの材料としては、2価の陽イオンになるZn、Cd、Hg、Pb等と2価の陰イオンになるO、S、Se、Te等との組み合わせ(セレン化カドミウムCdSe、硫化亜鉛ZnS等)、3価の陽イオンとなるGa、In等と3価の陰イオンとなるP、As、Sb等との組み合わせ(リン化インジウムInP、ヒ化ガリウムGaAs等)が知られている。また、カルコパイライト型化合物(CuInSe2等)からなる量子ドットも知られている。
量子ドットは、表面を不活性化して欠陥を除去することでサイズによって決まる波長の蛍光を発する。この表面の不活性化又は欠陥の除去のためには、バンドギャップの広い別の半導体で表面を覆うことが有効である。一般に、軽い(原子番号の小さい)原子ほど半導体にしたときにバンドギャップが広がる性質が見られる。このため、表面保護のために、量子ドット表面をバンドギャップの広い(内側の量子ドットを構成する原子よりも原子番号が小さい)別の半導体で覆うことがよく行われる。疎水性のCdSe量子ドットの表面にZnSをコートする(CdSeコアとZnSシェルのコアシェル構造、CdSe/ZnSと略記)方法、親水性のCdTe量子ドットの表面にチオール化合物を配位させる(CdSができる)方法等が知られている。これらの方法により、光を吸収したときに出来る励起子中の電子はコアの中又はその近傍に閉じ込められ、表面の影響を受けにくくなる。このように、コアよりもバンドギャップの広い半導体で表面を覆った量子ドットをタイプIの量子ドットと呼ぶ。これに対して、コアよりもバンドギャップの狭い半導体で表面を覆った量子ドットは、タイプIIの量子ドットと呼ばれる。これら2つのタイプの量子ドットについては、非特許文献1に詳しく記載されている。
量子ドットを用いた蛍光体は、耐久性、演色性及び輝度に関して、既存の蛍光体(遷移元素イオン分散無機材料及び有機色素)にない特徴を持つ。このため、ディスプレイ及び照明用蛍光体以外に、生体分子に結合させて蛍光試薬として生命の仕組みの解明、病気の診断等に用いる応用分野が大きく発展しようとしている。
量子ドットは、サイズが小さいので場合によって半分以上の原子が表面に配置されているため、表面をうまく不活性化することで発光効率が大きく上昇する。また、量子ドットは、表面エネルギーを下げようとして容易に凝集する。このため、量子ドットの表面を適切なマトリックスで覆うことが応用のためには必要になる。このマトリックスとしては、透明な非晶質が好ましく、ポリマーとガラスの2つが用いられる。ガラスはポリマーに比べて化学的耐久性、耐光性が高く、内容物を保護する性質に優れている。我々はこのガラスの特性に注目し、数々の材料を作製した。
(2)量子ドットを用いたエネルギー変換
ところで量子ドットは、色素に比べておおよそ一桁、モル吸光係数(構成原子1モルあたりではなく、量子ドット1モルあたりの吸光係数)が大きい。また、サイズが大きくなるにつれて徐々に長波長側に吸収端が伸びてゆく。このため、各種波長の光を効率的に吸収して電子のエネルギーに変えることが出来るため、エネルギー変換素子として用いることが可能であるとされる。
一方で、昨今の社会情勢によって、エネルギー変換素子のなかでも太陽光エネルギーを電力に変換する太陽電池が最も注目を集めている。太陽電池と認められるものは、1955年にアメリカのベル研究所から初めて発表されている(非特許文献2)。その後、改良が進み、いくつものタイプが登場した。現状では、シリコン半導体を使うもの(Si結晶、多結晶Si、アモルファスSi)が主流であるが、他に化合物半導体を使うもの、導電性有機物を使うもの、色素を吸着した酸化チタンを使うものの4タイプに大きく分けられる。それぞれに短所、長所があり、時代の要請に応じて今後益々、改良が進むと見通されている。
色素を吸着した酸化チタンを使う太陽電池では、照射した光が色素に吸収されることで、励起された電子が負極に接した酸化チタンに注入される。一方で色素に触れている電解質液によって、光吸収で生じたホールが正極に輸送される。このタイプの太陽電池は、この一連の動作によって発電する。酸化チタンの伝導帯内に電子準位を持つ色素を使うことで、励起された電子が負極へ注入される。ここで酸化チタンは紫外領域に吸収端があるので、太陽光をほとんど吸収しない。しかし、色素が効率よく太陽光を吸収し、そのエネルギーを酸化チタンに渡すので、このタイプの太陽電池は、色素増感太陽電池と呼ばれる。このタイプの太陽電池で実用的なものは、スイスのグレッツェルによって1991年に発表されており(非特許文献3)、グレッツェルセルと呼ばれることがある。安価で製造できるのが特長である。
この色素増感太陽電池の色素の代わりに量子ドットを使えば、吸光係数が大きくなってエネルギー変換効率が大きくなることが期待される。このため、近年、幾つかの方法が発表されている(非特許文献4〜6)。しかしながら、このときに用いる量子ドットは、電子を酸化チタンに効率よく受け渡すためにコアシェル構造のシェルをなくしたり(つまり、上述のタイプI及びII以外のもの)、コアシェル構造のシェルを薄くしたりする手法がとられる。これにより、量子ドット表面には欠陥が増え、励起子電子が失活し易くなる。これがエネルギー変換効率の低下に繋がっている。
さらに、量子ドットは、バンドギャップエネルギーの2倍以上のエネルギーの光子を吸収した場合等に、1個の量子ドット中に2個の励起子が形成される場合がある。太陽光は広いエネルギー幅のスペクトルを持つので、エネルギー変換効率の点から最も有利となる大きさのバンドギャップを持つ1種類の半導体量子ドットを用いた場合、それよりも数倍のエネルギーを持った太陽光エネルギーの成分も量子ドットに照射される。このような場合に、1個の量子ドット中に2個の励起子が形成されることがあるが、それら2個の励起子から2個の電子を外に取り出す方法がなく、界面の制御が必要である(非特許文献7)。
L. Esaki, IEEE ジャーナル オブ クワンタム エレクトロニクス、QE−22巻、1611ページ(1986年) M. B. Prince、ジャーナル オブ アプライド フィジクス、26巻、534ページ(1955年) B. O’Regan, M. Gratzel, ネーチャー、353巻、737ページ(1991年) I. Robel, V. Subramanian, M. Kuno, P. V. Kamat, ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ、128巻、2385ページ(2006年) J. Chen, J. L. Song, X. W. Sun, W. Q. Deng, C. Y. Jiang, W. Lei, J. H Huang, R.S. Liu、アプライド フィジクス レターズ、94巻、153115ページ(2009年) T. Toyoda, K. Oshikane, D. Li, Y. Luo,Q. Meng, Q. Shen、ジャーナル オブ アプライド フィジクス、108巻、114304ページ(2010年) M. C. Beard, A. G. Midgett, M. Law, O. E. Semonin, R. J. Ellingson, A. J. Nozik, ナノ レターズ、9巻、836ページ(2009年)
量子ドットを用いた光エネルギー変換における現状の技術では、量子ドットにできた励起子中の電子を負極中の酸化チタンに注入するために、量子ドット表面の保護を充分に行わずに酸化チタン表面に付着させている。このため、励起子が量子ドット表面の欠陥によって失活しエネルギーを失う。そこで、本発明は、量子ドット表面が保護されたエネルギー変換材料を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明者らは、疎水性有機溶媒に精製した量子ドットを分散させ、さらに高純度のチタンアルコキシドを添加することで、量子ドットの表面がチタンの酸化物で置換されること、この材料を光エネルギーの効率的な変換に用いることができることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成させたものである。
即ち、本発明は以下の量子ドット含有チタン化合物及びその製造方法、並びに該量子ドット含有チタン化合物を用いた光電変換素子を包含する。
項1.量子ドットの少なくとも一部がチタン酸化物でコートされている、量子ドット含有チタン化合物。
項2.前記量子ドットの少なくとも一部が前記チタン酸化物で直接にコートされている、項1に記載の量子ドット含有チタン化合物。
項3.チタン酸化物が、チタンアルコキシドの加水分解生成物である、項1又は2に記載の量子ドット含有チタン化合物。
項4.前記量子ドットが、II-VI族、及びIII-V族の疎水性量子ドットから選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
項5.量子ドットの平均直径が2〜10nmである、項1〜4のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
項6.チタン酸化物によるコート厚みが平均で2nm以下である、項1〜5のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
項7.前記量子ドットをコートしているチタン酸化物の上に、さらに、シリカガラス層が形成されている、項1〜6のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
項8.量子ドットを不活性雰囲気中でチタンアルコキシドを含有する非水溶媒中で攪拌する工程
を備える、項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物の製造方法。
請9.さらに量子ドットを水相に接触させ、水相に移動させる工程
を備える、項8に記載の量子ドット含有チタン化合物。
項10.項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物を用いた光電変換素子。
項11.前記量子ドット含有チタン化合物が、透明導電膜上に設けた酸化チタン層に担持されている、項10に記載の光電変換素子。
項12.光照射による疾病治療に用いる、項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
項13.光電変換素子に用いる、項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
項14.1光子の吸収で量子ドット内に生じた複数個の励起子がチタニアに移動する、項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
本発明の量子ドット含有チタン化合物は、チタン酸化物が配位子の役割を果たすので、光照射によって量子ドット中に出来た励起子の電子を失活させることなく取り出して負極に注入することができる。また、量子ドット中に複数の励起子ができた場合でも、同様に効率よく電子を取り出すことができる。このため、エネルギー変換効率の良い光電変換素子を提供できる。さらに、酸化チタンには光触媒作用があって強い酸化作用を示すので、作製した量子ドット含有チタン化合物を生体内の癌細胞に隣接させて光照射することで、癌細胞を酸化、分解させることができる。つまり、光照射による疾病治療に用いることができる。量子ドット含有SiO2ガラスビーズの場合には、その表面にCOOH基、SH基、NH2基などの官能基を取り付けることで、各種の生体物質に接着させることができる。同様の方法で、酸化チタン表面にこれら官能基を取り付けることができるので、適切な抗体を介して特定の癌細胞に選択的に量子ドット含有チタン化合物を接着させることができる。また、コートされたチタン酸化物の上にシリカガラス層を付けたり、量子ドットをチタン酸化物とシリカの混合組成物でコートすることや、その混合組成物の各成分の割合が量子ドットの半径方向で変わる傾斜組成とすることもできる。さらに、半導体として電気を流せるので、本発明の量子ドット含有チタン化合物を発光素子として利用することも可能である。
実施例1で測定された、トルエン中の量子ドット表面がチタンアルコキシドで置換されることによる相対的な発光効率の時間変化を示すグラフである。 実施例1で得られたチタン酸化物コート量子ドットの集合体の透過電子顕微鏡像である。 実施例2で得られたチタン酸化物コート量子ドットの高分解能透過電子顕微鏡像である。 実施例5〜7で得た量子ドット含有チタン化合物について、発光効率の経時変化を示すグラフである。 実施例8で得た量子ドット含有チタン化合物について、チタンテトライソプロポキシド量に対するTi/Cd比を示すグラフである。
本発明の量子ドット含有チタン化合物とその用途について、以下、1.量子ドットの作製、2.量子ドットのチタン酸化物によるコート、3.光電変換素子化と評価の順に説明する。
1.量子ドットの作製
量子ドットは、先に述べたように、2価の陽イオンになるZn、Cd、Hg、Pb等と2価の陰イオンになるO、S、Se、Te等との組み合わせ、3価の陽イオンとなるGa、In等と3価の陰イオンとなるP、As、Sb等との組み合わせ、カルコパイライト型化合物等を好適に用いることができる。カルコパイライト型化合物としては、CuAlS2、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2、CuGaSe2、AgAlS2、AgGaS2、AgInS2、AgAlSe2、AgGaSe2、AgInSe2、AgAlTe2、AgGaTe2、AgInTe2、Cu ( In, Al ) Se2、Cu ( In, Ga ) (S, Se ) 2、Ag ( In, Ga ) Se2、Ag ( In, Ga ) ( S, Se ) 2等が挙げられる。また、カルコパイライト型化合物(例えばAgInS2)とZnSとの固溶体(ZnSがカルコパイライト量子ドットに溶けて均一固相になっている)も知られる。これらの量子ドットのなかでも、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、InP、InAs、ZnSe、カルコパイライト型化合物(CuInSe2等)等が好ましい。また、これらの合金組成(例えばCdSxSeyTe1-x-y. 0<x, y <1)も好ましい。
これらのなかでも、量子ドットとしては、CdSe、InP等を含む上記の量子ドットのようにコア−シェル構造を有さない量子ドット、CdSe/ZnS、CdTe/CdSe、InP/ZnS、CdSe/CdXZn1-XS(0≦x≦1)等のようにコアよりもバンドギャップの広い半導体で表面を覆った量子ドット(タイプI)、ZnS/CdS、CdSe/CdTe等のようにコアよりもバンドギャップの狭い半導体で表面を覆った量子ドット(タイプII)の3種類のうちのいずれの量子ドットでも使用可能である。量子ドットとしては、CdSe/ZnSのように半径方向に急に組成が変わる量子ドット、CdSe/CdXZn1-XS(0≦x≦1)のように半径方向に徐々に組成が変わるいわゆる傾斜組成の量子ドット等でもよい。なかでも、光を吸収したときに出来る励起子中の電子がコアからシェルへ移動して、さらにその外側のチタニア層に移動しやすくなるという観点から、タイプIIの量子ドットが好ましい。TiO2及び関連の半導体のバルク体(十分に大きなサイズの半導体)のバンド位置は、例えば文献(M. Gratzel, ネーチャー、414巻、338ページ(2001年))のFig.2に図示されている。伝導帯の最下部(バンドエッジ)と価電子帯の最上部(バンドエッジ)との差がバンドギャップエネルギーになる。量子サイズ効果を示している半導体の伝導帯の最下部が、TiO2の伝導帯の最下部よりも上にあることが、電子をTiO2に渡すためには好ましい。
また、本発明の量子ドット含有チタン化合物を製造する際には、後述のように、チタンアルコキシドを用いることができる。このチタンアルコキシドは、加水分解速度が速いため、反応系中の水の量は少ないほうが好ましい。つまり、本発明では、量子ドットは疎水性溶媒に分散する疎水性量子ドットが好ましい。さらに疎水性量子ドットは、沸点の高い有機溶媒中で合成するので結晶性が高く、親水性の量子ドットに比較して欠陥が少ない点でも、好適である。
以上のような観点から、本発明で使用する量子ドットは、CdSe、CdSe/ZnS、InP/ZnS、傾斜組成のCdSe/CdxZn1-xS(0≦x≦1)CdS/CdSe、CdSe/CdTe等が好ましく、タイプIIで伝導帯のバンドエッジがTiO2よりも上にあるCdS/CdSeがより好ましい。
例えばCdSe、CdSe/ZnS、傾斜組成のCdSe/CdXZn1-XS(0≦x≦1)については、様々な公知の作製方法が知られている。
1.Dmitri V. Talapin, Andrey L. Rogach, Ivo Mekis, Stephan Haubold, Andreas Kornowski, Markus Haase, Horst Weller, Colloids and Surfaces A, 202, 145(2002).
2.Dmitri V. Talapin, Andrey L. Rogach, Andreas Kornowski, Markus Haase, and Horst Weller, NANO LETTERS, 1, 207(2001).
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11.Ping Yang, Masanori Ando, Takahisa Taguchi, and Norio Murase Journal of Physical Chemistry C、DOI: 10.1021/jp201214k.
いずれの場合も、水を排除した有機溶液中での高温の反応を用いる。ここで作製した量子ドット表面の配位子を、後述するように加水分解したチタンアルコキシドに置き換える(チタンアルコキシドの加水分解物で覆う)ので、この工程の配位子は結合エネルギーが小さいものが望ましい。具体的な配位子として、アルキルアミン、アルキルチオール、アルキルカルボン酸、オレイン酸、トリオクチルフォスフィン、トリオクチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの方法で作製される量子ドットの平均粒径はおよそ2〜10nmである。さらに、球状の量子ドットだけでなく、ロッド状、テトラポット状等の量子ドットも作製できる。なお、量子ドットの平均粒径は、透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、X線回折等により測定できる。この中でも透過電子顕微鏡による観察が好ましく、20個程度の粒径を測定して平均することが挙げられる。ロッド状の量子ドットでは長軸と短軸の平均を粒径とする。
他の種類の量子ドットも、これらと同様の方法で作製でき、その平均粒径等も同程度である。親水性量子ドットの場合、水溶性のチタン化合物、例えばヘキサフルオロチタン酸アンモニウム等を用いることができる。
2.量子ドットのチタン酸化物によるコート
疎水性有機溶媒に分散した量子ドットをチタン酸化物でコートする場合は、水と酸素を含まない不活性雰囲気中(窒素中、アルゴン中等)で、チタンアルコキシドを適量加えて攪拌する工程を含む。これにより、量子ドットの表面に付着した疎水性配位子がチタンアルコキシドの加水分解生成物に置換され、直接覆う(直接にコートする)ことができる。これによって多くの場合、発光効率が低下するので、このコートが行われたことがわかる。また、量子ドットがチタン酸化物(チタンアルコキシドの加水分解生成物)で覆われていることは、電子顕微鏡による元素分析でチタンを検出して確認することができる。また、ICP発光分光分析によって、TiとCdのモル比を導出することで、厚みを見積もることができる。また、ここで得られる量子ドット含有チタン化合物は、粒子状のものが好ましい。具体的には、平均粒径を2〜12nm程度、チタン酸化物の層の厚さを2nm以下とすることが好ましい。層の厚みは、合成中の量子ドットとチタニアのモル比及び攪拌時間によって制御できる。
励起子が量子ドット表面の欠陥によりエネルギーを失うことを抑制するためには、チタン酸化物にリガンドの役割を持たせて量子ドット表面を覆うことが有効である。チタンアルコキシドの部分的加水分解生成物は、(R−O)−Ti−O(Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜8の分岐鎖を有していてもよいアルキル基である)の構造を持ちバンドギャップもCdS等に近いので、この配位子(リガンド)としての役割も果たす。このため、本発明の量子ドット含有チタン化合物を光電変換素子に用いた場合、チタン酸化物で量子ドット表面を被覆することで配位子として電子を受け取り、そのまま負極に電子を輸送させることが可能である。この目的のために、疎水性有機溶媒に精製した量子ドットを分散させ、さらにチタンアルコキシドを添加及び攪拌する。
具体的には、まず、作製した量子ドットを疎水性有機溶媒に添加して分散させる。疎水性有機溶媒は特に限定されないが、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、シクロヘキサン等が例示され、とくにトルエンとシクロヘキサンが好ましい。これらの疎水性有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。それぞれに市販の超脱水グレード(例えば、トルエンであれば純度99.8%程度、ヘキサンであれば純度99%程度、シクロヘキサンであれば純度99.9%程度)を用いるのが好ましい。このときの疎水性有機溶媒中の量子ドットの濃度は10ナノモル/リットル〜10マイクロモル/リットルが好ましく、50ナノモル/リットル〜1マイクロモル/リットルとするのがより好ましい。
次に、当該分散液に、チタンアルコキシドを添加する。4価のチタンアルコキシドを使用した場合、チタンアルコキシド中の1つのアルコキシ基が、溶媒に僅かに含まれる水によって部分的に加水分解される。その結果、(R−O)−Ti−O(Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜8の分岐鎖を有していてもよいアルキル基である)を生じ、量子ドットの表面に配位する。この配位は、量子ドットの発光効率の時間変化によってモニターすることが可能である。
チタンアルコキシドとしては、式(1):
Ti(OR)
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜8の分岐鎖を有していてもよいアルキル基である。]
で示されるチタンアルコキシドが好ましい。
上記式(1)において、Rは、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、エチル基、イソプロピル基等が好ましい。これらのRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
このようなチタンアルコキシドとしては、具体的にはチタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)、チタニウムメトキシド(Ti(OCH34)、テトラエチルオルソチタネート(Ti(OC2H54)、チタニウム2−エチルヘキシルオキサイド(Ti(OCH2CH(C2H5)(CH2)3(CH3))4)、チタニウム ジイソプロポキシド ビス(アセチルアセトネート)(CH3COCOCH3)2Ti(OCH3CH3)等が例示されるが、重合体ではなく単体での分散が確認されているチタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)が好ましい。これらのチタンアルコキシドは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよいが、2種以上のチタンアルコキシドを使用する場合は、それぞれの反応速度に注意し、添加する量とタイミングを制御して量子ドット表面をうまく覆うように制御することが好ましい。またチタンアルコキシドの純度は、添加前に加水分解されるのを防ぐために、高純度(99.999%以上)が好ましい。
チタンアルコキシドの疎水性有機溶媒中の濃度は、1マイクロモル/リットル〜1ミリモル/リットルが好ましく、さらに5マイクロモル/リットル 〜0.5ミリモル/リットルがより好ましい。また、量子ドットに対するチタンアルコキシドのモル比(チタンアルコキシドの量/量子ドットの量)は、50〜50000とすればよく、500〜30000とするのがより好ましい。酸化チタンとシリカとの混合組成にする場合には、この段階でシリコンアルコキシドを併せて添加することができる。シリコンアルコキシドは、テトラエトキシシラン(TEOS)やテトラメトキシシラン(TMOS)等を用いることができる。シリコンアルコキシドの加水分解速度は、チタンアルコキシドの加水分解速度よりも遅い場合が多いので、予めアルコール中にTEOSやTMOSを分散、撹拌させて、加水分解を進めてから添加しても良い。その時のシリコンアルコキシドのチタンアルコキシドに対するモル比は、5%から50%とすれば良い。
さらに、この疎水性有機溶媒を攪拌し、溶媒に僅かに含まれる水でチタンアルコキシドを加水分解し、徐々に量子ドット表面を覆う。このときの攪拌時間は一般的に0.1〜10時間が好ましく、0.2〜7時間がより好ましい。シクロヘキサンの場合は、トルエンの場合に比較して、適切な撹拌時間が長くなる傾向にある。また、攪拌の雰囲気は、不活性雰囲気(窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等)下が好ましい。
本発明では、上記のように、チタンアルコキシドを添加して攪拌した後、量子ドットを水相に接触させて水相に移動させてもよい。具体的には、溶液中に水を添加することが挙げられる。これにより、疎水性有機溶媒中で量子ドットに配位した(R−O)−Ti−O(Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜8の分岐鎖を有していてもよいアルキル基である)の加水分解が進んで(R−O)−Ti−(OH)3−n−O(Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜8の分岐鎖を有していてもよいアルキル基;nは0、1又は2である)となり、親水性になって水に移動し、水が着色及び発光する。このことからも、量子ドットの表面がチタン酸化物で置換されたことがわかる。水の中でさらに量子ドットどうしの結合が進み、塊として析出してくることがある。エネルギー変換材料として用いるためには、大きさ数ナノメートル〜数十ナノメートルのチタニアの粒子(負極の透明導電膜上に積層されている)に吸着させる必要がある。このような塊は積層されたチタニア粒子中に入れなくなるので、好ましくない。
この段階で、量子ドットの分散液にアルコールを例えば2〜10mL程度添加して本発明の量子ドット含有チタン化合物を析出させ、量子ドットのサイズを揃えて精製することができる。これにより、より純度が高くて水の含有量が少ない溶媒に再分散させることができる。また、量子ドットのサイズを揃えてチタン酸化物コートの条件を均一にすることができる。
チタンコート量子ドットにさらにシリカ層を形成する場合には、いくつかの方法がある。例えば、チタンアルコキシドを被覆する際にシリコンアルコキシドを添加する方法がある。他に、水溶性の量子ドットをシリカコートする公知の方法を用いることができる。例えば、特許3644538号(村瀬ら、2001年出願)には、逆ミセル法(油相中に小さい水玉が分散している溶液を使う方法)を用いてCdTe量子ドットを小さい水玉中に分散させ、さらにケイ素アルコキシドを添加する手法が示されている。ケイ素アルコキシドは始めは疎水性であるが徐々に加水分解して親水性となり、小さい水玉中に移動して量子ドットの周りで脱水縮合してガラス相となる。これにより、シリカ層に包まれた量子ドットが形成される。もう一つの方法として、特許3755033号(村瀬ら、2002年出願)には水溶性のCdTe量子ドット上に加水分解したケイ素アルコキシドを徐々に降り積もらせる方法が記載されている。これはストーバ法と呼ばれている。
3.光電変換素子化と評価
上記で作製した本発明の量子ドット含有チタン化合物は、1光子の吸収で量子ドット内に生じた複数個の励起子をチタニアに移動させることができる。これは、従来から色素増感太陽電池に使用される有機色素には見られない現象であり、後述の色素増感太陽電池を作製した際に光電変換効率の向上が見込まれる。
また、上記で作製した本発明の量子ドット含有チタン化合物を用いて、色素増感太陽電池等の光電変換素子を作製することができる。本発明の光電変換素子は、例えば、透明導電膜、酸化チタン層及び対向電極(正極)を含んでおり、本発明の量子ドット含有チタン化合物は、酸化チタン層において色素として使用し、酸化チタン微粒子に吸着(担持)させて電子を注入することができる。
透明導電膜としては、ITO(酸化インジウムと酸化スズの混合物)膜、FTO(酸化スズにフッ素をドープしたもの)膜等を用いることができる。熱処理温度が高い場合には、耐熱性の高いFTO膜を用いることが好ましい。
透明導電膜の膜厚は、FTOの場合で通常30〜300nm、好ましくは50〜200nm、ITOの場合で通常300〜3000nm、好ましくは500〜1500nmである。
この透明導電膜は、特に限定されないが、一例として、透明基板上に形成させることができる。使用できる透明基板としては、ガラスが好適に用いられる。このガラスは、導電性膜の劣化を防ぐためにアルカリ含有量が少ないほうが好ましく、また太陽光を透過させるために、無色であることが好ましい。また、網入りガラスであってもよい。さらに、基板は、常温において平滑な面を有していればよく、その面は平面でも曲面でもよい。
基板上に透明導電膜を形成する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜採用することができる。通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法等が用いられる。基板温度も通常行われる範囲とすることができる。
酸化チタン層は、透明導電膜上に接着させることができる。
透明導電膜上に酸化チタン層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、酸化チタンを含むペーストを調製し、透明導電膜上に塗布して焼成する方法等が挙げられる。この際、ペーストの溶媒としては、水、有機溶媒等を用いることができる。
有機溶媒としては、酸化チタンを分散できるものであれば特に限定はない。例えば、エタノール、メタノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができる。ペースト中の溶媒の割合は、特に制限はなく、従来から通常使用される量とすることができる。
上記ペースト中には、他にも、メチルセルロース、エチルセルロース等の増粘剤等を含んでいてもよい。ペースト中に増粘剤を含ませる場合の割合としても、特に制限はなく、通常使用される範囲とすることができる。
本発明では、当該量子ドット含有チタン化合物を従来例の有機色素の替りに用いることができるが、別途、従来から使用されるこれら色素を併用してもよい。併用できる色素としては、例えば、金属錯体色素、有機色素、天然色素等が使用できる。但し、量子ドットは、1個の光子を吸収して複数の励起子を作ることができる。これを効率よくチタニア電極に渡すことができれば、光電変換効率の大幅な上昇を見込める。この場合には、色素と併用しないことが望ましい。
なお、金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀等の錯体等が挙げられる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられる。
量子ドット含有チタン化合物を酸化チタン層に吸着させる方法としては、特に制限されないが、例えば、量子ドット含有チタン化合物を溶解させた溶液を、酸化チタン層上にスプレーコート、スピンコート等により塗布した後、乾燥する方法(塗布法)、酸化チタン層を量子ドット含有チタン化合物が分散した溶液に浸漬して吸着させる方法(浸漬法)等が挙げられる。浸漬法の場合、浸漬する時間は量子ドット含有チタン化合物が充分に吸着する時間とすることができる。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒、透明導電膜等を加熱してもよい。当該発明で使用する量子ドットは、好ましくは2〜10nmの大きさを持つ。粒径が大きくなると、透明電極上の従来のチタニア粒子(直径10〜40nm)の積層構造からなる酸化チタン層に入りにくくなる。このため、例えば400nm程度の大きなサイズのチタニア粒子(市販品も存在)を同時に添加して、量子ドット含有チタン化合物が積層構造中に拡散して入り込み易くすることで担持される量子ドット数を増やし、照射光の捕集割合を増やすことができる。
上記のような構成を有する負極に対して、正極はプラチナ、カーボン等を蒸着した基板を用いることができる。さらに、両方の板を、電解質液を挟んで対向させ、液が漏れないように密封することが好ましい。この電解質液としては、ヨウ素を含む電解質液、硫黄を含む電解質液等が例示されるが、従来から光電変換素子に使用される電解液であれば特に制限はない。また、焼結した酸化チタン層を介さずに直接に本発明の量子ドット含有チタン化合物を透明電極上に積層することも可能である。また、光が進行する方向に向かって短波長の光を吸収する量子ドットから長波長の光を吸収する量子ドットを並べることで、光電変換効率を上げることができる。
量子ドット含有チタン化合物は、このように酸化チタン層を経由して光吸収によって生成した励起子(電子とホールからなる)中の電子を負極に流し込むことができる。その一方で、ホールを正極に渡す必要がある。このため、当該量子ドット含有チタン化合物は、完全にチタン化合物に覆われているよりもむしろ、一部分が覆われておらず、そこからホールが出て電解質溶液を通して正極に受け渡される構造を持つのが好ましい。このためには、チタン化合物の厚みを薄くしてコートが完全でない状態を作る、量子ドット表面にタンパク質などの高分子を付けておき、チタン化合物の膜の形成後にタンパク質を取り除くなどの作製法がある。ホールの出る場所は1か所で良く、電子の失活を防ぐことが大切であるから、量子ドットは、その50%以上がチタン化合物で覆われていることが好ましく、さらに80%以上が覆われていることがより好ましい。
このようにして得られた光電変換素子に擬似太陽光を照射し、素子の抵抗を変化させて、電流電圧曲線を測定することができる。これによりエネルギー変換効率が測定できる。また、照射波長ごとの光電流密度を測定することも可能である。これはアクションスペクトルと呼ばれる。
なお、色素増感型太陽電池の透明導電膜、電解質液等の様々な部品は、スイスのSOLARONIX社から市販されているので容易に揃えるこができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
公知の文献(Ping Yang, Masanori Ando, Takahisa Taguchi, and Norio Murase Journal of Physical Chemistry C、DOI: 10.1021/jp201214k)によって作製されたCdSe/ CdZn1-xS量子ドット(発光波長610nm、トルエン分散、濃度4.9マイクロモル/リットル、表面の配位子はオレイン酸)を2ミリリットル取り出し、エタノールを加えて遠心、沈殿を取り出すことでサイズ選択および精製を行った。
次に窒素雰囲気下のグローブボックスで、この量子ドット(2ミリリットル、3.4×10−10mol)に高純度(99.999%)のチタンイソプロポキシドを0.02マイクロリットル加えて攪拌した。
この溶液の吸収、蛍光スペクトルを測定し、発光効率の時間変化を求めた。なお、ここでの発光効率は、励起光を吸収した後に蛍光としてフォトンを放出する確率で表される内部量子収率のことであり、詳しくは公知の文献(ジャーナル オブ ルミネッセンス、128巻、1896ページ(2008年))によって求められる。始めの状態(精製後でチタンイソプロポキシドを加える直前)からの相対的な発光効率の時間変化を、図1に示す。通常は、配位子の交換によって発光効率が減少する。この量子ドットの場合、始め表面にはオレイン酸が配位している。これが加水分解したチタンアルコキシドに交換すると、発光効率が低下する。図1には、その様子がはっきりと現れている。添加から50分が過ぎて発光効率がほぼ一定になったところでは配位子の交換が終わっている。
この状態のトルエン溶液中の量子ドットを水に転換する場合は、溶液に純水を1ミリリットル添加し2日間、攪拌し続けた。これにより量子ドット表面のチタンアルコキシドの加水分解が進んで親水性となり、水相へ移動した。この水溶液中の分散物を透過電子顕微鏡(倍率10万倍)で観察すると、チタン酸化物でコートされた量子ドット(本発明の量子ドット含有チタン化合物)が集合体を形成しているのが認められた(図2)。他に、単分散した量子ドットも観察された。これらは、水相に移動しているので表面はチタン酸化物で置換されており、本発明の量子ドット含有チタン酸化物である。
本実施例は実験室レベルの実験であるから、各種薬品等の消費量を抑えるためにごく少量の量子ドットを用いた。現状の実験室でも、2ケタのスケールアップが容易に可能であると見積もられた。
実施例2
実施例1で作製した洗浄した量子ドット0.19ナノモルをトルエン溶液2mLに分散させた。これにチタンイソプロポキシドを1600ナノモル添加し、不活性雰囲気下で2時間撹拌した。さらに水2ミリリットルを添加して、撹拌するとさらに加水分解されて、量子ドットが水相に移動した。
水溶液中の試料を高分解能(100万倍)の透過電子顕微鏡で観察すると、図3に示したように、単分散の量子ドットが認められた。これらは、水相に移動しているので、表面はチタン酸化物で置換されており、本発明の量子ドット含有チタン酸化物である。
実施例3
実施例1と同様、公知の文献(Ping Yang, Masanori Ando, Takahisa Taguchi, and Norio Murase Journal of Physical Chemistry C、DOI: 10.1021/jp201214k)によって作製されたCdSe/CdS量子ドット(シェル作製時にZnの含有量をゼロとする、発光波長600nm)のトルエン溶液(濃度3マイクロモル/リットル)を作製した。これを0.1ミリリットル取り出し、シクロヘキサン溶液1.9ミリリットルに分散させた。さらに、チタンイソプロポキシドをシクロヘキサンで1/1000に薄めた溶液5マイクロリットルを添加し、20時間撹拌した。この段階で、実施例2の水相に移動する前の量子ドットが生成している。但し、チタンイソプロポキシドの量子ドットに対する割合が、56程度と小さいので、量子ドット表面の一部は、チタンの酸化物で覆われていない状態である。
別途、酸化チタンナノ粒子(直径400nm)を、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)被膜付きガラス板(25mm角)上に450℃で1時間の焼結により付着させた。さらに、上記で用意した量子ドットのシクロヘキサン溶液に4日間浸漬した後、溶液を蒸発させることで量子ドットを付着させた。厚さ30μmのスペーサーを介してプラチナ被膜付きガラス板を配置し、形成された空隙内にヨウ素電解質溶液(0.1Mヨウ素、0.1Mヨウ化リチウム、0.1Mのtertブチルピリジン、0.6Mの1− ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム イオダイド、それぞれメトキシアセトニトリル溶液)を注入した。この注入のために、FTO付きガラス板に小さい穴を2箇所開けておき、そのうちの1箇所からシリンジによって電解質液を充填した。その後、穴を接着剤によって封止した。
このようにして作製したセルにFTO被膜付きガラス板側からAM1.5(エアマス1.5、中緯度付近の太陽光の強度及びスペクトルに相当)の擬似太陽光を照射したところ、解放電圧で0.05Vが得られた。
実施例4
公知の文献(ケミストリ レターズ、37巻、856ページ(2008年))により、InP量子ドット(直径3ナノメートル、表面配位子ドデシルアミン)を作製した。この量子ドットを1ミリリットルのトルエン溶液に濃度500ナノモル/リットルで再分散した後、チタンイソプロポキシド0.03マイクロリットルを添加して5時間、窒素雰囲気下で攪拌した。その後、純水を0.5ミリリットル添加して攪拌すると、量子ドットは水相に移動し、着色した。これにより、量子ドット表面がチタンアルコキシドの加水分解生成物で覆われていることがわかった。これを、実施例2のCdSe量子ドットと同様の方法で酸化チタン層に担持させることができた。
実施例5
実施例1と同様の方法で作製した量子ドット0.2ナノモル(発光波長612nm、平均粒径6.6nm)のシクロヘキサン溶液2mLに不活性雰囲気中でチタンテトライソプロポキシドを27.8ナノモル添加した。これは、QD表面の金属イオン(Cd又はZn)の数に対して、0.5層だけのチタンイソプロポキシドが付く量である。
実施例6
実施例1と同様の方法で作製した量子ドット0.2ナノモル(発光波長612nm、平均粒径6.6nm)のシクロヘキサン溶液2mLに不活性雰囲気中でチタンテトライソプロポキシドを55.5ナノモル添加した。これは、QD表面の金属イオン(Cd又はZn)の数に対して、それぞれ1層だけのチタンイソプロポキシドが付く量である。
実施例7
実施例1と同様の方法で作製した量子ドット0.2ナノモル(発光波長612nm、平均粒径6.6nm)のシクロヘキサン溶液2mLに不活性雰囲気中でチタンテトライソプロポキシドを139ナノモル添加した。これは、QD表面の金属イオン(Cd又はZn)の数に対して、それぞれ2層だけのチタンイソプロポキシドが付く量である。
実施例5〜7で得た量子ドット含有チタン化合物を撹拌しつつ発光効率の時間変化を測定した。始めの発光効率に対する相対値を図4に示す。シクロヘキサン中の僅かな水分で加水分解し、表面のオレイン酸と置換した後、脱水縮合する。表面のチタニアが多くなるほど、電子がチタニアに移動しやすくなり、発光効率が低下する。
別途作製したFTO被膜付きガラス板(チタニアナノ粒子が焼結)を、6時間の撹拌後の実施例5の試料に2日間浸漬したところ、量子ドットがチタニアに吸着した。これを用いて実施例3と同様にセルを作製し、疑似太陽光を照射したところ、起電力が観察された。
実施例8
シクロヘキサン8ミリリットルにイゲパル1gを溶かした溶液を用意した。これに、実施例5〜7でチタンテトライソプロポキシドを添加後、6時間撹拌してチタンコートした量子ドットを添加し、さらにアンモニア水(6.25重量%)0.3ミリリットルを加えたのち、1時間撹拌した。さらに、テトラエトキシシラン(TEOS)を2.2マイクロリットル加えて、24時間撹拌、フィルターで沈殿物を取り除いてから遠心、洗浄した。これにより、量子ドット表面のチタニアにシリカガラスがついて、直径約20nmのガラスビーズが生成した。チタニア層はシリカ層で保護されているので、遠心・洗浄過程でも剥離しない。これを元素分析(ICP発光分光分析)することで、Cdに対するTiのモル比を求めたところ、図5のようになった。ここで、図の点線はすべてのチタンイソプロポキシドが量子ドットに付いた場合で、実線が分析結果である。加えたチタンテトライソプロポキシドの量にほぼ比例して量子ドット表面のチタンの量が増えているので、量子ドット表面がチタニアで覆われていることがわかった。
実施例9
既報の方法(ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ、130巻、5974ページ、2008年)で作製したPbSe量子ドットを用いた場合も、同様にチタニアでコートすることができた。粒径3.7nmの場合、波長330nmの光を照射するとバンドギャップpの4倍のエネルギーが与えられる。これによって複数個の励起子ができることが、過渡吸収スペクトルの時間変化から確かめられた。チタニアと量子ドット間にエネルギー障壁がないので、励起子は効率的にチタニアへと移動できる。

Claims (14)

  1. 量子ドットの少なくとも一部がチタン酸化物でコートされている、量子ドット含有チタン化合物。
  2. 前記量子ドットの少なくとも一部が前記チタン酸化物で直接にコートされている、請求項1に記載の量子ドット含有チタン化合物。
  3. チタン酸化物が、チタンアルコキシドの加水分解生成物である、請求項1又は2に記載の量子ドット含有チタン化合物。
  4. 前記量子ドットが、II-VI族、及びIII-V族の疎水性量子ドットから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
  5. 量子ドットの平均直径が2〜10nmである、請求項1〜4のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
  6. チタン酸化物によるコート厚みが平均で2nm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
  7. 前記量子ドットをコートしているチタン酸化物の上に、さらに、シリカガラス層が形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
  8. 量子ドットを不活性雰囲気中でチタンアルコキシドを含有する疎水性有機溶媒中で攪拌する工程
    を備える、請求項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物の製造方法。
  9. さらに量子ドットを水相に接触させ、水相に移動させる工程
    を備える、請求項8に記載の量子ドット含有チタン化合物の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物を用いた光電変換素子。
  11. 前記量子ドット含有チタン化合物が、透明導電膜上に設けた酸化チタン層に担持されている、請求項10に記載の光電変換素子。
  12. 光照射による疾病治療に用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
  13. 光電変換素子に用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
  14. 1光子の吸収で量子ドット内に生じた複数個の励起子がチタニアに移動する、請求項1〜7のいずれかに記載の量子ドット含有チタン化合物。
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