JP2013136072A - 抜き加工用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】滓上がりの確実な防止を簡便に行うことができるものとする。
【解決手段】パンチ1と、パンチ1が嵌入する抜き孔20を備えたダイ2とからなる。上記ダイ2の抜き孔20の内壁面には打ち抜き方向に沿った凹溝部21を備える。上記凹溝部21はこの凹溝部21の幅Wよりも細く且つ打ち抜き方向Aと平行でない部分を含んでいる溝22を上記幅W内において打ち抜き方向Aに沿って設けたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、抜き加工を行うための金型に関するものである。
抜き加工用の金型は、雄型であるパンチと、雌型であるダイとからなり、パンチが嵌入する抜き孔を備えたダイ上に位置するワークは、パンチが上記抜き孔に挿入される時、パンチの外周形状(ダイの抜き孔の形状)に沿って打ち抜かれる。
この時にワークから打ち抜かれた滓(スクラップ)は、抜き孔内に留まり、次の打ち抜きに際して新たに発生した滓で押し下げられ、最終的には抜き孔から抜け落ちてダイの下方に排出される。
しかし、打ち抜かれた滓が打ち抜き後のパンチの上昇に伴って上昇してしまう事象(通称、滓上がり)が生じることがあり、このような事象は不良品を発生させてしまうことになる。
上記滓上がりを防止するために、ダイの抜き孔の内壁面に打ち抜き方向に沿った凹溝を設けることが従来よりなされている。また、上記凹溝が一定断面形状で且つ打ち抜き方向と平行なものであると、滓上がりの防止を十分に果たせないことから、凹溝の深さを漸次変化させたり、凹溝を打ち抜き方向に対して傾いた傾斜溝として設けることなどが行われているが、抜き孔の形状や大きさ、ワークの厚みに応じて、上記凹溝の深さ変化や、傾斜角等を適宜変更しなくては滓上がりを確実に防ぐことができない。また、深さが漸次変化する凹溝の的確な加工にはコストがかかる。
特開2008−68317号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、滓上がりの確実な防止を簡便に行うことができる抜き加工用金型を提供することを課題とする。
本発明にかかる抜き加工用金型は、パンチと、パンチが嵌入する抜き孔を備えたダイとからなり、上記ダイの抜き孔の内壁面には打ち抜き方向に沿った凹溝部を備えているとともに、上記凹溝部はこの凹溝部の幅よりも細く且つ打ち抜き方向と平行でない部分を含んでいる溝を上記幅内において打ち抜き方向に沿って設けたものであることに特徴を有している。
凹溝部の溝は打ち抜き方向において断続的に形成されていることも好ましい。また、凹溝部における溝の一端がダイの上面に至ってダイの上面に開口していることも好ましい。
本発明においては、ダイの抜き孔の内壁面には、打ち抜き方向と平行でない部分を含んでいる溝によって打ち抜き方向において凹凸が並ぶことになる凹溝部があるために、打ち抜かれた滓がパンチの上昇に伴って上昇する滓上がりは上記凹凸によって阻止されるものであり、このために滓上がりが生じてしまうことはなく、しかも溝としては一定深さのもので何ら問題はないために、凹溝部を設けることも簡便に行うことができる。
本発明の実施の形態の一例における抜き孔の内面の拡大正面図である。 同上のパンチ及びダイの断面図である。 (a),(b)は夫々他の実施例における凹溝部の正面図である。 (a),(b)は夫々更に他の実施例における凹溝部の正面図である。 (a),(b)は夫々別の実施例における凹溝部の正面図である。
以下、本発明を実施形態の一例に基づいて詳述すると、図2において、1はパンチ、2はダイ、3はこれらパンチ1とダイ2とによって打ち抜き加工がなされる平板状のワークである。ダイ2はパンチ1が嵌入する抜き孔20を備えており、パンチ1が下降して抜き孔20内に入る時、ワーク3はパンチ1の外周形状(ダイ2の抜き孔20の形状)に沿って打ち抜かれ、打ち抜かれた滓30は抜き孔20の内壁面との間の摩擦抵抗によって抜き孔20内に留まるとともに、打ち抜き加工が繰り返されることで、滓30は順次押し下げられ、最終的には抜き孔20から抜け落ちてダイ2の下方に落下する。
ここで、上記ダイ2の抜き孔20は、パンチ1側となる上面側よりも下面側のほうがわずかに広くなる角度α(たとえば0.1°)の逃げを有するものとなっているとともに、図1に示す凹溝部21が設けられたものとなっている。この凹溝部21はX字状の溝22を打ち抜き方向Aと平行な方向に微小間隔を置いて並べたものとして形成されている。なお、凹溝部21は、その幅Wが0.1mm、溝22の深さが0.003mm程度のものであるが、この値に限定されるものではない。
また、ここでは凹溝部21をX字状の溝22を並べたものとしているが、図3に示すように、菱形や○形状の溝22を打ち抜き方向Aと平行な方向に微小間隔を置いて並べたものとしてもよく、並ぶ間隔も等間隔でなくてもよい。また、図4に示すように、打ち抜きに方向Aにおいて上記の溝22がつながっていてもよい。更には図5に示すように、波型の溝22が連続もしくは断続的に形成されたもので凹溝部21を構成してもよい。
従来の滓上がり防止用の凹溝は、一定幅のものが打ち抜き方向Aと平行もしくは打ち抜き方向Aに対して傾いた状態で直線状に連続するものであったのに対して、本発明における凹溝部21は、その幅Wよりもかなり細く且つ打ち抜き方向Aと平行でない部分が大半である溝22を打ち抜き方向Aに沿って形成したものであり、このために、凹溝部21の長手方向における凹溝部21の断面は、微小な凹凸が並んだものとなる。また、凹溝部21の幅W内における凹部と凸部の位置は打ち抜き方向Aにおいて常に変化していることになる。このような凹凸の存在は、いったん抜き孔20内に入った滓30がパンチ1の上昇に伴って上昇してしまう滓上がりの発生を確実に抑制する。
凹溝部21における溝22は、ダイ2の上面に至るものとしておくことが好ましい。ワーク3の打ち抜きに際して、打ち抜かれた滓30の側面には溝22に相当する分だけ突起が生じることになり、この突起が滓上がりの防止について有効に働くためである。ただし、溝22がダイ2の上面に至っていなくても、剪断面となっている滓30の側面には剪断時に微小凹凸が存在して、上記凹溝部21との間で滓上がりを防ぐことになるために、溝22がダイ2の上面に至っていなくてもよい。
また、上記実施例では、凹溝部21を打ち抜き方向Aと平行なものとして形成しているが、打ち抜き方向Aに対して傾いた角度を持つものであってもよい。もっとも、本発明に係る凹溝部21は、打ち抜き方向Aと平行なものであっても滓上がりの防止を的確に行うことができるために、上記角度を持たせなくてもよい。
さらには、ワーク3の厚みが変化しても、滓上がり防止効果は常に発揮されるために、凹溝部21の幅や溝22の深さ、打ち抜き方向において並んでいる溝22の間隔等は、ワーク3の厚みにかかわらず一定でよいが、これらをワーク3の厚みに応じて変化させてもよい。
凹溝部21の溝22はレーザー加工で形成することが好ましいが、放電加工等の他の加工方法で形成してもよいのはもちろんである。
1 パンチ
2 ダイ
3 ワーク
20 抜き孔
21 凹溝部
22 溝
30 滓

Claims (3)

  1. パンチと、このパンチが嵌入する抜き孔を備えたダイとからなり、上記ダイの抜き孔の内壁面には打ち抜き方向に沿った凹溝部を備えているとともに、上記凹溝部はこの凹溝部の幅Wよりも細く且つ打ち抜き方向Aと平行でない部分を含んでいる溝22を上記幅W内において打ち抜き方向Aに沿って設けたものであることを特徴とする抜き加工用金型。
  2. 上記凹溝部の溝は打ち抜き方向において断続的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の抜き加工用金型。
  3. 上記凹溝部の溝の一端がダイの上面に至ってダイの上面に開口していることを特徴とする請求項1または2記載の抜き加工用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114904957A (zh) * 2022-05-10 2022-08-16 中国铁建重工集团股份有限公司 一种冲头结构

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JPS62107831A (ja) * 1985-11-07 1987-05-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 打ち抜き金型のカス上がり防止構造
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