JP2013135027A - 露光装置、露光方法、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、第1液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するようにカバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、第1処理において射出面側に供給された第1液体の少なくとも一部を回収し、第2処理において射出面側に供給された第2液体の少なくとも一部を回収する回収口と、を備える。第2処理における回収口に対する気体の流入が、第1処理における回収口に対する気体の流入よりも抑制される。
【選択図】図10
Description
本発明は、露光装置、露光方法、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
半導体デバイス、電子デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が使用される。
例えば液浸露光装置の部材が汚染されると、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生し、その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するようにカバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、第1処理において射出面側に供給された第1液体の少なくとも一部を回収し、第2処理において射出面側に供給された第2液体の少なくとも一部を回収する回収口と、を備え、第2処理における回収口に対する気体の流入が、第1処理における回収口に対する気体の流入よりも抑制される露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するようにカバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、カバー部材の上面において第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させる液体制御装置と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するようにカバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、第2処理において射出面側に供給された第2液体の少なくとも一部を回収する回収口と、第2処理において下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制する抑制装置と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するようにカバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、カバー部材をリリース可能に保持する保持部を有し、保持機構に対して移動可能な可動部材と、カバー部材を保持機構から保持部へ渡す前に、可動部材の少なくとも一部をクリーニングする第1クリーニング装置と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するようにカバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、カバー部材をリリース可能に保持する保持部を有し、保持機構に対して移動可能な可動部材と、カバー部材を保持機構から保持部へ渡す前に、カバー部材の少なくとも一部をクリーニングする第2クリーニング装置と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、第1〜第5のいずれか一つの露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給するとともに、第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給するとともに、回収口に対する気体の流入を第1処理よりも抑制しつつ、第2液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材の上面において第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させることと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第9の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給するとともに、第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給するとともに、第2液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、第2処理において、下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第10の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材を保持機構から保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、可動部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第11の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材を保持機構から保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、カバー部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第12の態様に従えば、第7〜第11のいずれか一つの露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第13の態様に従えば、コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給するとともに、第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給するとともに、回収口に対する気体の流入を第1処理よりも抑制しつつ、第2液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第14の態様に従えば、コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材の上面において第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させることと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第15の態様に従えば、コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給するとともに、第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給するとともに、第2液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、第2処理において、下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制することと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第16の態様に従えば、コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材を保持機構から保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、可動部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第17の態様に従えば、コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材を保持機構から保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、カバー部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第18の態様に従えば、第13〜第17のいずれか一つのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、そのXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。
本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間とは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
また、本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号明細書、及び欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板ステージ2Pと計測ステージ2Cとを備えた露光装置である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2Pと、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)Cを搭載して移動可能な計測ステージ2Cと、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、基板Pに照射される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように基板Pとの間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成する液浸部材3と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置400と、制御装置400に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置500とを備えている。記憶装置500は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置500には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。露光処理を含むフォトリソグラフィ工程により、基板Pの少なくとも一部からデバイス(製品デバイス、最終製品)が製造される。例えば図2に示すように、基板Pは、半導体ウエハのような基材Wと、その基材W上に形成された感光膜Rgとを含む。感光膜Rgは、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜Rgに加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜Rgを保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
また、本実施形態の露光装置EXは、部材をリリース可能に保持する保持機構4を備えている。本実施形態において、保持機構4は、例えば図3に示すようなカバー部材CPをリリース可能に保持する。本実施形態において、カバー部材CPは、プレート状である。本実施形態において、カバー部材CPの外形は、基板Pの外形と近似している。本実施形態において、カバー部材CPの外形は、基板Pの外形と実質的に同一である。なお、カバー部材CPの外形が、基板Pの外形と異なってもよい。例えば、カバー部材CPの外形が、基板Pの外形よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
カバー部材CPには、感光膜Rgが存在しない。カバー部材CPからは、デバイス(製品デバイス、最終製品)が製造されない。すなわち、カバー部材CPは、デバイスの製造に寄与しない。カバー部材CPからデバイスを製造することは不可能である。本実施形態においては、カバー部材CPに対して、マスクM及び投影光学系PLを介して露光光ELは照射されない。カバー部材CPは、例えば基材Wと同一の材料を含んでもよいし、基材Wと同一でもよい。例えば、カバー部材CPが半導体ウエハを含んでもよいし、ガラス基板を含んでもよい。また、カバー部材CPが、所謂ベアウエハでもよいし、半導体ウエハと酸化膜とを含んでもよいし、半導体ウエハと金属膜(配線パターン)とを含んでもよい。また、カバー部材CPが、基材Wと、その基材W上に形成された膜とを含んでもよい。カバー部材CPの上面を形成する膜は、例えばフッ素を含んでもよい。例えば、液体LQに対するカバー部材CPの上面が、撥液性でもよい。例えば、液体LQに対するカバー部材CPの上面の接触角が、90度よりも大きくてもよいし、100度よりも大きくてもよいし、110度よりも大きくてもよい。また、液体LQに対するカバー部材CPの上面が、親液性でもよい。例えば、液体LQに対するカバー部材CPの上面の接触角が、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。例えば、液体LQに対するカバー部材CPの上面の接触角が、基板Pの上面の接触角よりも、大きくてもよいし、小さくてもよいし、基板Pの上面の接触角と実質的に等しくてもよい。
本実施形態において、カバー部材CPは、基板Pよりも異物(汚染物)を放出し難い。例えばカバー部材CPと液体LQとが接触したときのカバー部材CPから液体LQへ溶出する異物の量は、基板Pと液体LQとが接触したときの基板Pから液体LQへ溶出する異物の量よりも抑制される。
また、図1に示すように、本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書に開示されているような、基板ステージ2Pが有するスケール部材Tを用いてその基板ステージ2Pの位置を計測するエンコーダシステム5を備えている。エンコーダシステム5は、スケール部材Tが対向可能な位置に配置され、スケール部材Tの格子(スケール)を計測可能な複数のエンコーダヘッド6Aと、それらエンコーダヘッド6Aを保持する保持部材6Bとを有する。以下の説明において、複数のエンコーダヘッド6A及び保持部材6Bを合わせて適宜、ヘッドユニット6、と称する。
また、本実施形態において、露光装置EXは、マスクステージ1、基板ステージ2P、及び計測ステージ2Cの位置を計測する干渉計システム8を備えている。なお、露光装置EXが、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書に開示されているような、基板Pの表面の位置を検出する第1検出システム、及び基板Pのアライメントマークを検出する第2検出システムの少なくとも一方を備えてもよい。
また、本実施形態において、露光装置EXは、基板Pを搬送する搬送システム9を備えている。搬送システム9は、基板ステージ2Pに基板Pを搬入する処理、及び基板ステージ2Pから基板Pを搬出する処理を含む基板交換処理を実行可能である。
また、露光装置EXは、少なくとも投影光学系PLを支持するボディ10を備えている。また、露光装置EXは、露光光ELが進行する空間CSを形成するチャンバ装置11を備えている。チャンバ装置11は、空間CSを形成するチャンバ部材11Aと、その空間の環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度)を調整する環境制御装置11Bとを有する。本実施形態において、空間CSは、空間CS1及び空間CS2を含む。空間CS2は、基板Pが処理される空間である。環境制御装置11Bは、空間CSに気体を供給する給気部を有する。環境制御装置11Bは、給気部から空間CSに気体を供給して、その空間CSの環境を制御する。
本実施形態においては、マスクステージ1、及び照明系ILの少なくとも一部が、空間CS1に配置される。また、本実施形態においては、基板ステージ2P、計測ステージ2C、及び投影光学系PLの少なくとも一部が、空間CS2に配置される。マスクステージ1は、空間CS1を移動する。基板ステージ2P及び計測ステージ2Cは、空間CS2を移動する。
ボディ10は、空間CSに配置される。ボディ10は、支持部10Aを有する。本実施形態において、支持部10Aは、ベース部材12を支持する。ベース部材12は、マスクステージ1を支持する。支持部10Aは、例えば防振装置を含む。本実施形態において、また、支持部10Aは、支持装置13を介して、投影光学系PLを支持する。支持装置13は、例えば米国特許出願公開第2007/0097367号に開示されているような柔構造を含んでもよい。
また、本実施形態において、支持部10Aは、支持装置14を介して、支持部材15を支持する。支持部材15は、ヘッドユニット6を支持する。本実施形態において、支持部材15は、連結部材16を介して、ヘッドユニット6を支持する。本実施形態において、支持部材15とヘッドユニット6との間に空間が形成される。なお、支持部材15とヘッドユニット6との間に空間が形成されなくてもよい。例えば、支持部材15とヘッドユニット6とが接触してもよい。
本実施形態において、保持機構4の少なくとも一部は、支持部材15に支持される。すなわち、本実施形態において、支持部材15は、保持機構4及びヘッドユニット6の両方を支持する。なお、保持機構4を支持する部材とヘッドユニット6を支持する部材とが別の部材でもよい。なお、投影光学系PLを支持する部材と保持機構4を支持する部材とが別の部材でもよいし、同じ部材でもよい。なお、投影光学系PLを支持する部材とヘッドユニット6を支持する部材とが別の部材でもよいし、同じ部材でもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材12のガイド面12G上を移動可能である。本実施形態において、ガイド面12GとXY平面とは実質的に平行である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システム7の作動により移動する。駆動システム7の平面モータは、マスクステージ1に配置された可動子と、ベース部材12に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ1は、駆動システム7の作動により、ガイド面12G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム7は、平面モータでなくてもよい。例えば、駆動システム7が、リニアモータを含んでもよい。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXは、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELが射出される射出面18を有する。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子19が、射出面18を有する。投影領域PRは、射出面18から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面18は、−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面18は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。終端光学素子19の光軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、射出面18から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。
基板ステージ2Pは、基板Pを保持した状態で、終端光学素子19、液浸部材3、及び保持機構4に対して移動可能である。本実施形態において、基板ステージ2Pは、射出面18からの露光光ELが照射可能な位置EPを含むXY平面内を移動可能である。射出面18からの露光光ELが照射可能な位置EPは、投影光学系PLの投影領域PRを含む。本実施形態において、基板ステージ2Pは、ベース部材20のガイド面20G上を移動可能である。本実施形態において、ガイド面20GとXY平面とは実質的に平行である。
計測ステージ2Cは、計測部材C(計測器)を搭載した状態で、終端光学素子19、液浸部材3、及び保持機構4に対して移動可能である。本実施形態において、計測ステージ2Cは、射出面18からの露光光ELが照射可能な位置EP(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。本実施形態において、計測ステージ2Cは、ベース部材20のガイド面20G上を移動可能である。
本実施形態において、計測部材Cは、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号明細書等に開示されているような投影光学系PLの空間像(結像特性)を計測可能な空間像計測システムの一部を構成する。なお、計測部材Cが、例えば米国特許第4465368号明細書等に開示されているような露光光ELの照度むらを計測可能な照度むら計測システムの一部を構成してもよい。また、計測部材Cが、例えば米国特許第5493403号明細書等に開示されているような基板Pのアライメントマークを計測可能なアライメントシステムによって計測される基準マークを構成してもよい。なお、計測部材Cが、例えば米国特許出願公開第2002/0061469号明細書等に開示されているような照射量計測システム(照度計測システム)、例えば欧州特許第1079223号明細書等に開示されているような波面収差計測システム等、露光光ELの露光光ELを計測する計測システムの一部を構成してもよい。
基板ステージ2P及び計測ステージ2Cは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システム17の作動により移動する。駆動システム17の平面モータは、基板ステージ2P及び計測ステージ2Cのそれぞれに配置された可動子と、ベース部材20に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、基板ステージ2P及び計測ステージ2Cのそれぞれは、駆動システム17の作動により、ガイド面20G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム17は、平面モータでなくてもよい。例えば、駆動システム17が、リニアモータを含んでもよい。
基板ステージ2Pは、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部21を有する。また、本実施形態において、基板ステージ2Pは、第1保持部21の周囲の少なくとも一部に配置され、射出面18が対向可能なスケール部材Tを有する。本実施形態において、スケール部材Tは、プレート状の部材である。基板ステージ2Pが移動することによって、スケール部材Tも移動する。例えば基板ステージ2Pがガイド面20Gに沿ってXY平面内を移動することによって、スケール部材Tも移動する。
本実施形態において、基板ステージ2Pは、第1保持部21の周囲の少なくとも一部に配置され、スケール部材Tをリリース可能に保持する第2保持部22を有する。第2保持部22に保持されるスケール部材Tは、第1保持部21に保持される基板Pの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、スケール部材Tは、開口を有する。スケール部材Tの開口の内側に基板Pが配置される。本実施形態において、スケール部材Tは、基板Pの周囲に配置される。
本実施形態において、基板Pの表面(上面)は、実質的に平坦である。スケール部材Tの表面(上面)は、実質的に平坦である。本実施形態において、第1保持部21は、基板Pの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、基板Pの裏面(下面)を保持する。第2保持部22は、スケール部材Tの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、スケール部材Tの裏面(下面)を保持する。
本実施形態において、第1保持部21に保持された基板Pの表面(上面)と、第2保持部22に保持されたスケール部材Tの表面(上面)とは、実質的に同一平面内に配置される(面一である)。
なお、第1保持部21に保持された基板Pの表面(上面)と第2保持部22に保持されたスケール部材Tの表面(上面)とが同一平面内に配置されてなくてもよいし、基板Pの表面の少なくとも一部及びスケール部材Tの表面の少なくとも一部の一方又は両方がXY平面と非平行でもよい。
なお、例えばスケール部材Tの表面(上面)の少なくとも一部が平坦でなくてもよい。例えば、スケール部材Tの表面(上面)の少なくとも一部が曲面を含んでもよい。
以下の説明において、基板ステージ2P(第2保持部22)に保持されたスケール部材Tの表面(上面)を適宜、上面23、と称する。上面23は、第1保持部21に保持された基板Pの表面の周囲に配置される。スケール部材Tの上面23は、射出面18と対向可能である。
なお、本実施形態においては、スケール部材Tは、基板ステージ2Pからリリース可能であるが、リリース可能でなくてもよい。その場合、第2保持部22は省略可能である。
次に、図4を参照して、搬送システム9について説明する。図4は、搬送システム9、基板ステージ2P、及び計測ステージ2Cの一例を示す平面図である。
本実施形態において、搬送システム9は、基板ステージ2Pに基板Pを搬入(ロード)する第1搬送部材9Aと、基板ステージ2Pから基板Pを搬出(アンロード)する第2搬送部材9Bとを有する。第1搬送部材9Aは、例えば露光前の基板Pを基板ステージ2Pの第1保持部21に搬入する。第2搬送部材9Bは、例えば露光後の基板Pを基板ステージ2Pの第1保持部21から搬出する。
本実施形態において、基板ステージ2Pは、少なくとも一部が射出面18と対向する位置EPと、射出面18と対向しない位置CP1と、射出面18と対向しない位置CP2との間を移動可能である。
本実施形態においては、位置EPに配置された物体に、射出面18から射出された露光光ELが照射可能である。本実施形態においては、位置CP1において、露光前の基板Pを第1保持部21に搬入する処理が実行される。位置CP2において、第1保持部21から露光後の基板Pを搬出する処理が実行される。
以下の説明において、位置EPを適宜、露光位置EP、と称する。また、以下の説明において、位置CP1を適宜、第1基板交換位置CP1、と称し、位置CP2を適宜、第2基板交換位置CP2、と称する。
本実施形態において、第1、第2基板交換位置CP1、CP2は、露光位置EPに対して+Y側の位置である。本実施形態において、第1基板交換位置CP1は、第2基板交換位置CP2に対して−X側の位置である。
第1保持部21に基板Pを搬入するとき、制御装置400は、基板ステージ2Pを第1基板交換位置CP1に移動する。制御装置400は、第1搬送部材9Aを用いて、第1基板交換位置CP1に配置された基板ステージ2Pの第1保持部21に、基板Pを搬入する。
第1保持部21から基板Pを搬出するとき、制御装置400は、基板ステージ2Pを第2基板交換位置CP2に移動する。制御装置400は、第2搬送部材9Bを用いて、第2基板交換位置CP2に配置された基板ステージ2Pの第1保持部21から、基板Pを搬出する。
次に、図5を参照して、液浸部材3、保持機構4、及び基板ステージ2Pについて説明する。図5は、液浸部材3、保持機構4、及び基板ステージ2Pの一部を示す側断面図である。
液浸部材3は、射出面18から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される。液浸部材3は、下面24を有する。下面24の少なくとも一部は、−Z方向を向く。下面24は、光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される。また、本実施形態において、液浸部材3は、終端光学素子19の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、下面24は、射出面18よりも−Z側(下側)に配置される。
本実施形態において、液浸部材3は、環状の部材である。本実施形態において、液浸部材3の一部は、射出面18から射出される露光光ELの光路Kの周囲に配置される。また、本実施形態において、液浸部材3の一部は、終端光学素子19の周囲に配置される。
なお、液浸部材3が、射出面18から射出される露光光ELの光路Kの周囲に配置されなくてもよい。例えば、液浸部材3が、光路Kの周囲に配置されず、終端光学素子19(投影光学系PL)の周囲にのみ配置されてもよい。また、下面24が、終端光学素子19(投影光学系PL)の周囲に配置されてもよい。換言すれば、下面24が、射出面18よりも+Z側に配置されてもよい。
液浸部材3は、露光光ELの光路Kの少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸空間LSは、射出面18側に形成される。液浸空間LSは、射出面18から射出される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。射出面18から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。射出面18は、露光光ELの進行方向(−Z方向)を向く。本実施形態において、射出面18は、XY平面とほぼ平行な平面である。なお、射出面18がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
本実施形態において、射出面18及び下面24は、射出面18から射出される露光光ELが照射可能な露光位置EP(投影領域PR)に配置される物体との間で液体LQを保持することができる。液浸空間LSは、射出面18及び下面24の少なくとも一部と投影領域PRに配置される物体との間に保持された液体LQによって形成される。液浸空間LSは、射出面18と、露光位置EPに配置される物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。液浸部材3は、終端光学素子19と物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように物体との間で液体LQを保持可能である。
本実施形態において、露光位置EPに配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子19の射出面18側)で露光位置EPに対して移動可能な物体を含む。その物体は、終端光学素子19及び液浸部材3に対して移動可能である。その物体は、射出面18及び下面24の少なくとも一方と対向可能な上面(表面)を有する。物体の上面は、射出面18との間に液浸空間LSを形成可能である。本実施形態において、物体の上面は、射出面18及び下面24の少なくとも一部との間に液浸空間LSを形成可能である。一方側の射出面18及び下面24と、他方側の物体の上面(表面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子19と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、その物体は、基板ステージ2P(スケール部材T)、基板ステージ2Pに保持された基板P、及び計測ステージ2C(計測部材C)の少なくとも一つを含む。例えば、基板ステージ2P(スケール部材T)の上面23、及び基板ステージ2Pに保持されている基板Pの表面(上面)は、−Z方向を向く終端光学素子19の射出面18、及び−Z方向を向く液浸部材3の下面24と対向可能である。もちろん、露光位置EPに配置可能な物体は、基板ステージ2P(スケール部材T)、基板ステージ2Pに保持された基板P、及び計測ステージ2C(計測部材C)の少なくとも一つに限られない。
また、本実施形態において、その物体は、カバー部材CPを含む。保持機構4は、カバー部材CPの上面が射出面18及び下面24の少なくとも一部と対向するように、カバー部材CPを保持することができる。
本実施形態においては、基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置400は、終端光学素子19及び液浸部材3と基板Pとを対向させ、終端光学素子19と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸部材3は、終端光学素子19と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように基板Pとの間で液体LQを保持可能である。本実施形態においては、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材3の下面24と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。液浸空間LSの液体LQは、基板Pの表面の一部だけを覆うように形成される。XY平面内における液浸空間LSの大きさは、基板Pの表面(外形)の大きさよりも小さい。制御装置400は、基板Pを露光するために、照明系ILから露光光ELを射出し、マスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して射出面13からの露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
なお、図5は、露光位置EP(終端光学素子19の射出面18と対向する位置)に、第1保持部21に保持されている基板Pが配置されている状態を示す。図5において、液浸空間LSは、終端光学素子19及び液浸部材3と、基板Pとの間に形成されている。
図5に示すように、液浸部材3は、少なくとも一部が終端光学素子19と基板P(物体)との間に配置され、基板P(物体)が対向可能な対向部31と、少なくとも一部が終端光学素子19の周囲に配置される本体部32とを含む。本実施形態において、対向部31の少なくとも一部は、プレート状である。なお、対向部31の少なくとも一部が対向部でなくてもよい。対向部31は、射出面18と対向する位置に孔(開口)3Kを有する。射出面18から射出された露光光ELは、開口3Kを通過して、基板Pに照射可能である。
また、液浸部材3は、液体LQを供給可能な供給口33と、液体LQを回収可能な回収口34とを有する。供給口33は、射出面18側(投影光学系PLの像面側)に液体LQを供給する。回収口34は、射出面18側に供給された液体LQの少なくとも一部を回収する。供給口33は、例えば基板Pの露光時において液体LQを供給する。回収口34は、例えば基板Pの露光時において液体LQを回収する。
供給口33は、射出面18から射出される露光光ELの光路の近傍において、その光路に面するように配置されている。本実施形態において、供給口33は、対向部31の上面と射出面18との間の空間に液体LQを供給する。供給口33から供給された液体LQは、対向部31の上面と射出面18との間の空間を流れた後、開口3Kを介して、基板P(物体)上に供給される。
供給口33は、流路33Rを介して、液体供給装置と接続されている。液体供給装置は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。流路33Rは、液浸部材3の内部に形成された供給流路33P、及びその供給流路33Pと液体供給装置とを接続する供給管で形成される流路を含む。なお、流路33Rの少なくとも一部が、例えば支持部材15に形成されてもよい。液体供給装置から送出された液体LQは、流路33Rを介して供給口33に供給される。少なくとも基板Pの露光において、供給口33は、液体LQを供給する。
回収口34は、液浸部材3の下面24と対向する物体上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。回収口34は、露光光ELが通過する孔3Kの下端の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態においては、回収口34は、対向部31の下面31Bの周囲の少なくとも一部に配置される。回収口34は、物体の表面と対向する液浸部材3の所定位置に配置されている。少なくとも基板Pの露光において、回収口34に基板Pが対向する。基板Pの露光において、回収口34は、基板P上の液体LQを回収する。
本実施形態において、本体部32は、基板P(物体)に面する開口3Pを有する。開口3Pは、対向部31の下面31Bの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材3は、開口3Pに配置された多孔部材36を有する。本実施形態において、多孔部材36は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、開口3Pに、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。
本実施形態において、多孔部材36は、基板P(物体)の上面が対向可能な下面36Bと、下面36Bの反対方向を向く上面36Uと、上面36Uと下面36Bとを結ぶ複数の孔とを有する。多孔部材36の下面36Bは、対向部31の下面31Bの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材3の下面24の少なくとも一部は、対向部31の下面31B及び多孔部材36の下面36Bを含む。本実施形態において、回収口34は、下面24の少なくとも一部に配置される。
本実施形態において、回収口34は、多孔部材36の孔を含む。本実施形態において、基板P(物体)上の液体LQは、多孔部材36の孔(回収口34)を介して回収される。なお、多孔部材36が配置されなくてもよい。
回収口34は、流路34Rを介して、液体回収装置と接続される。液体回収装置は、回収口34を真空システムに接続可能であり、回収口34を介して液体LQを吸引可能である。流路34Rは、液浸部材3の内部に形成された回収流路34P、及びその回収流路34Pと液体回収装置とを接続する回収管で形成される流路を含む。なお、流路34Rの少なくとも一部が、例えば支持部材15に形成されてもよい。回収口34から回収された液体LQは、流路34Rを介して、液体回収装置に回収される。
本実施形態において、制御装置400は、供給口33からの液体LQの供給動作と並行して、回収口34からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子19及び液浸部材3と、他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
なお、液浸部材3として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
本実施形態において、液浸部材3は、支持部材15に支持される。本実施形態において、液浸部材3は、支持機構37を介して、支持部材15に支持される。本実施形態においては、流路33R、34Rの少なくとも一部が、支持機構37に配置される。なお、支持機構37が、例えば液浸部材3を移動するアクチュエータを含む駆動システムを有してもよい。例えば、液浸部材3が、駆動システムの作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向の少なくとも一つの方向に移動してもよい。なお、支持機構37が、例えばバネ部材及びベローズ部材等、液浸部材3を移動可能に支持する弾性部材(可撓性部材)を有してもよい。
なお、本実施形態においては、支持部材15が、液浸部材3及び保持機構4の両方を支持することとするが、液浸部材3を支持する部材と保持機構4を支持する部材とが別の部材でもよい。なお、投影光学系PLを支持する部材と液浸部材3を支持する部材とが別の部材でもよいし、同じ部材でもよい。なお、液浸部材3を支持する部材とヘッドユニット6を支持する部材とが別の部材でもよいし、同じ部材でもよい。
基板ステージ2Pは、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部21を有する。本実施形態において、第1保持部21は、所謂ピンチャック機構を含み、基板Pの裏面が対向可能な支持面25と、支持面25に配置され、基板Pの裏面が対向可能な上面を有する壁部材26と、基板Pの裏面を支持する複数の支持部材27と、支持面25に配置され、気体を吸引する吸引口28とを含む。XY平面内において、壁部材26は、環状である。支持部材27は、ピン状の部材である。複数の支持部材27は、壁部材26の内側に配置される。また、吸引口28も、壁部材26の内側に配置される。吸引口28は、流路を介して真空システムに接続可能である。支持面28と基板Pの裏面と壁部材26とで形成される空間の気体が吸引口28から吸引されることによって、基板Pが支持部材27の上面に吸着される。また、吸引口28の吸引動作が解除されることによって、基板Pが第1保持部21からリリースされる。
また、基板ステージ2Pは、スケール部材Tをリリース可能に保持する第2保持部22を有する。本実施形態において、第2保持部22は、所謂ピンチャック機構を含む。第2保持部22についての詳細な説明は省略する。
また、基板ステージ2Pは、基板Pの裏面を支持可能な上面38を有する支持部材39と、その支持部材39をZ軸方向に移動可能な駆動システム40とを含む移動装置41を有する。支持部材39は、複数のロッド部を有する。支持部材39は、複数のロッド部のそれぞれの上面38で、基板Pの裏面の複数の位置(例えば3か所)を支持可能である。基板ステージ2P(第1保持部21)は、支持部材39の少なくとも一部が配置される開口(孔)42を有する。支持部材39の少なくとも一部は、開口42を移動可能である。
本実施形態において、移動装置41は、上面38に配置され、流体(気体及び液体の一方又は両方)を吸引可能な吸引口29を有する。吸引口29は、真空システムに接続可能である。制御装置400は、上面38と基板Pの裏面とが接触した状態で、吸引口29の吸引動作を実行することによって、基板Pを上面38に吸着させることができる。すなわち、本実施形態において、支持部材39は、基板Pの裏面を吸着保持することができる。また、吸引口29の吸引動作が解除されることによって、基板Pが支持部材39(上面38)からリリースされる。
移動装置41は、支持部材39で基板Pの裏面を支持した状態で、その支持部材39を+Z方向に移動することにより、基板Pと第1保持部21とを離すことができる。また、移動装置41は、支持部材39で基板Pの裏面を支持した状態で、その支持部材39を−Z方向に移動することにより、基板Pと第1保持部21とを近づけることができる。
次に、保持機構4について説明する。保持機構4は、カバー部材CPを保持可能な保持部材43を備えている。また、保持機構4は、保持部材43を移動可能な駆動システム44を備えている。駆動システム44は、例えばボイスコイルモータ等の電磁アクチュエータを含み、保持部材43を少なくともZ軸方向に移動可能である。本実施形態において、駆動システム44は、保持部材43を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能である。なお、保持部材43は、X軸、Y軸、θX、θY、及びθZの方向のうちの少なくとも一つの方向に動かなくてもよい。また、後述する保持部材43の保持面45を、液浸部材3の下面24より低い位置、すなわち液浸部材3の下面24より−Z側に配置できる場合には、保持部材43がZ軸方向に移動可能でなくてもよい。
本実施形態において、保持機構4は、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、保持部材43及びその保持部材43を移動可能な駆動システム44は、液浸部材3の周囲において複数配置される。例えば、図5に示すように、保持部材43及び駆動システム44は、液浸部材3の+Y側及び−Y側のそれぞれに配置されてもよいし、+X側及び−X側のそれぞれに配置されてもよい。また、保持部材43及び駆動システム44が、液浸部材3の周囲の3か所に配置されてもよい。なお、保持部材4及び駆動システム44が、液浸部材3の周囲の1か所に配置されてもよい。
保持部材43は、カバー部材CP等の物体の上面が対向可能な保持面45を有する。保持面45の少なくとも一部は、−Z方向を向く。保持面45とカバー部材CPの上面とは接触可能である。保持機構4は、保持部材43の保持面45で、カバー部材CPの上面の少なくとも一部を保持することができる。
本実施形態において、保持機構4は、保持面45に配置され、流体(気体及び液体の一方又は両方)を吸引可能な吸引口46を有する。吸引口46は、真空システムに接続可能である。制御装置400は、保持面45とカバー部材CPの上面とが接触した状態で、吸引口46の吸引動作を実行することによって、カバー部材CPを保持面45に吸着させることができる。すなわち、本実施形態において、保持部材43は、カバー部材CPPの上面を吸着保持することができる。また、吸引口46の吸引動作が解除されることによって、カバー部材CPが保持部材43(保持面45)からリリースされる。
本実施形態において、保持部材43の保持面45は、保持部材43の最も−Z側に配置される。液浸部材3の下面24は、液浸部材3の最も−Z側に配置される。例えば基板Pの露光において、保持面45は、下面24よりも+Z側に配置される。換言すれば、基板Pの露光において、保持面45は、下面24よりも基板P等の物体から離れる。制御装置400は、保持面45が下面24よりも+Z側に配置されるように、例えば駆動システム44を制御して、液浸部材3に対する保持部材43の位置を調整することができる。なお、支持機構37が、液浸部材3の位置を調整可能な駆動システムを備えている場合、制御装置400は、保持面45が下面24よりも+Z側に配置されるように、支持機構37の駆動システムを制御して、保持部材43に対する液浸部材3の位置を調整してもよいし、駆動システム44及び支持機構37の駆動システムの両方を制御して、Z軸方向に関する保持部材43と液浸部材3との相対位置を調整してもよい。
また、本実施形態においては、基板Pの露光において、基板P等の物体が対向可能なヘッドユニット6の下面は、液浸部材3の下面24よりも+Z側に配置される。また、本実施形態においては、基板Pの露光において、ヘッドユニット6の下面は、保持部材43の保持面45よりも+Z側に配置される。なお、基板Pの露光において、ヘッドユニット6の下面が、保持部材43の保持面45よりも−Z側に配置されてもよいし、Z軸方向に関して保持面45とほぼ同じ位置(高さ)に配置されてもよい。
次に、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例について説明する。本実施形態においては、図6に示すように、基板Pの露光を含む露光シーケンス(ステップST1)と、メンテナンスシーケンス(ステップST2)とが実行される。
露光シーケンス(ST1)について説明する。制御装置400は、基板ステージ2Pを第1基板交換位置CP1に移動し、その第1基板交換位置CP1に配置された基板ステージ2Pに露光前の基板Pを搬入(ロード)する。なお、基板ステージ2Pに露光後の基板Pが保持されている場合、制御装置400は、第2基板交換位置CP2に配置された基板ステージ2Pから露光後の基板Pを搬出(アンロード)した後、その基板ステージ2Pを第1基板交換位置CP1に移動して、その基板ステージ2Pに露光前の基板Pをロードする。
基板ステージ2Pから基板Pを搬出する処理及び基板ステージ2Pに基板Pを搬入する処理を含む基板交換処理が実行されている間、露光位置EPに計測ステージ2Cが配置される。制御装置400は、計測ステージ2C上に液浸空間LSが形成されている状態で、その計測ステージ2Cに配置されている計測部材C(計測器)を用いる計測処理を実行してもよい。例えば、制御装置400は、終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Cとの間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、射出面18から露光光ELを射出してもよい。これにより、露光位置EPに計測ステージ2Cが配置されている状態において、射出面18と計測ステージ2Cの計測部材Cとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされた状態で、射出面18からの露光光ELが計測ステージ2Cの計測部材Cに照射され、計測ステージ2Cに配置されている計測部材C(計測器)は、液体LQを介して露光光ELを受光することができる。
基板Pの交換処理が終了した後、制御装置400は、露光位置EPから計測ステージ2Cを退かすとともに、露光位置EPに基板ステージ2Pを配置する。制御装置400は、液浸空間LSが形成されている状態で、露光位置EPに配置されるステージを、計測ステージ2Cから基板ステージ2Pに交換する。制御装置400は、例えば米国特許出願公開第2006/0023186号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているように、基板ステージ2Pの上面と計測ステージ2Cの上面とを接近又は接触させた状態で、終端光学素子19及び液浸部材3と基板ステージ2P及び計測ステージ2Cの少なくとも一方とを対向させつつ、終端光学素子19及び液浸部材3に対して、基板ステージ2P及び計測ステージ2CをXY平面内において移動させる。これにより、液体LQの漏出が抑制されつつ、液浸空間LSが終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Cとの間に形成される状態から、終端光学素子19及び液浸部材3と基板ステージ2Pとの間に形成される状態へ変化する。また、制御装置400は、液浸空間LSが、終端光学素子19及び液浸部材3と基板ステージ2Pとの間に形成される状態から、終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Cとの間に形成される状態へ変化させることもできる。
以下の説明において、基板ステージ2Pの上面と計測ステージ2Cの上面とを接近又は接触させた状態で、露光位置EPに基板ステージ2Pの少なくとも一部が配置される状態、及び露光位置EPに計測ステージ2Cの少なくとも一部が配置される状態の一方から他方へ変化するように、終端光学素子19及び液浸部材3に対して基板ステージ2Pと計測ステージ2CとをXY平面内において同期移動させる動作を適宜、スクラム移動動作、と称する。
制御装置400は、基板Pの露光を開始するために、終端光学素子19の射出面18、及び射出面18から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材3の下面24の少なくとも一部と対向するように基板Pが配置された状態で、供給口33から射出面18側に液体LQを供給するとともに、その液体LQの少なくとも一部を回収口34から回収して、基板P上に液体LQの液浸空間LSを形成する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。
本実施形態においては、基板Pに露光対象領域であるショット領域がマトリクス状に複数配置される。例えば基板Pの最初のショット領域(第1ショット領域)を露光するために、制御装置400は、基板P(第1ショット領域)を投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して第1ショット領域に露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pの第1ショット領域に投影され、その第1ショット領域が射出面18から射出された露光光ELで露光される。
第1ショット領域の露光が終了した後、制御装置400は、次の第2ショット領域の露光を開始するために、液浸空間LSが形成されている状態で、基板PをXY平面内における所定方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向等)に移動し、第2ショット領域を露光開始位置に移動する。その後、制御装置400は、第2ショット領域の露光を開始する。
制御装置400は、投影領域PRに対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光する動作と、そのショット領域の露光が終了した後、次のショット領域を露光開始位置に移動するための動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域を順次露光する。
このように、本実施形態においては、制御装置400は、基板ステージ2PをXY平面内で移動しながら、液浸空間LSの液体LQを介して基板Pの複数のショット領域を順次露光する。
基板Pの複数のショット領域のうち、最後のショット領域の露光が終了した後、制御装置400は、基板ステージ2Pを露光位置EPから第2基板交換位置CP2へ移動する。すなわち、制御装置400は、第1保持部21から露光後の基板Pを搬出するために、基板ステージ2PをXY平面内で移動して、第2基板交換位置CP2に配置する動作を開始する。
基板ステージ2Pが露光位置EPから離れるとき、スクラム移動動作が実行され、露光位置EPには計測ステージ2Cが配置され、終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Cとの間に液浸空間LSが形成される。
以下、上述の処理が繰り返され、複数の基板Pが順次露光される。
本実施形態においては、スクラム移動動作が実行されることにより、露光シーケンスにおいて液浸空間LSが形成され続ける。
次に、メンテナンスシーケンス(ST2)について、図7〜図11を参照して説明する。メンテナンスシーケンスにおいては、基板Pの露光処理は実行されない。メンテナンスシーケンスにおいては、カバー部材CPの上面が射出面18及び下面24の少なくとも一部と対向するように、カバー部材CPが保持機構4で保持される。
図7に示すように、メンテナンスシーケンスは、保持機構4にカバー部材CPを搬送(搬入)する処理(ステップSA1)と、保持機構4でカバー部材CPを保持する処理(ステップSA2)と、露光装置EXの部材の少なくとも一部をメンテナンスする処理(ステップSA3)と、保持機構4からカバー部材CPを搬送(搬出)する処理(ステップSA4)とを含む。
本実施形態においては、保持機構4に対して基板ステージ2Pがカバー部材CPを搬送する。本実施形態において、基板ステージ2Pの第1保持部21は、カバー部材CPを保持可能である。第1保持部21は、カバー部材CPをリリース可能に保持することができる。
本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおいて、カバー部材CPが、露光装置EX(チャンバ装置11)の外部から、露光装置EX(チャンバ装置11)の内部に搬入される。本実施形態においては、露光装置EX(チャンバ装置11)にFOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれる基板収容装置が接続される。基板収容装置には、例えば1ロット分(例えば25枚)の基板Pが収容される。カバー部材CPは、その基板収容装置と露光装置EXとの接続部から、露光装置EXの内部に搬入される。なお、露光装置EXと接続されるコータ・デベロッパ装置等の基板処理装置を介して、露光装置EXの内部にカバー部材CPが搬入されてもよい。
露光装置EXの外部から内部に搬入されたカバー部材CPは、第1搬送部材9Aに保持される。制御装置400は、第1搬送部材9Aを用いて、第1基板交換位置CP1に配置されている基板ステージ2Pの第1保持部21にカバー部材CPを搬入する。なお、第1保持部21にカバー部材CPを搬入するとき、第1保持部21に基板P等、カバー部材CP以外の部材が保持されている場合、その部材が第1保持部21から除かれた後、第1保持部21にカバー部材CPが搬入される。第1保持部21は、第1搬送部材9Aから搬送されたカバー部材CPを保持する。
本実施形態においては、第1基板交換位置CP1に配置されている基板ステージ2Pの第1保持部21にカバー部材CPを搬送する動作が実行されているとき、露光位置EPに計測ステージ2Cが配置され、終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Cとの間に液浸空間LSが形成される。本実施形態においては、露光シーケンスからメンテナンスシーケンスへ移行するときも、液浸空間LSが形成され続ける。
第1保持部21にカバー部材CPが保持された後、制御装置400は、基板ステージ2Pを露光位置EPに移動する。すなわち、例えば図8に示すように、制御装置400は、第1保持部21に保持されたカバー部材CPの上面と、射出面18及び下面24の少なくとも一部とが対向するように、基板ステージ2Pの位置を制御する。制御装置400は、スクラム移動動作を実行して、終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Pとの間に液浸空間LSが形成されている状態から、終端光学素子19及び液浸部材3と基板ステージ2P(第1保持部21に保持されているカバー部材CP)との間に液浸空間LSが形成される状態へ変化させる。すなわち、本実施形態においては、カバー部材CPが射出面18及び下面24と対向しない状態から対向する状態へ変化するときにおいても、液浸空間LSが形成され続ける。液浸空間LSは、カバー部材CP上に局所的に形成される。XY平面内における液浸空間LSの大きさ(寸法)は、カバー部材CPの上面の大きさ(寸法)よりも小さい。
次に、制御装置400は、カバー部材CPを基板ステージ2P(第1保持部21)から保持機構4へ渡す動作を開始する。図9に示すように、制御装置400は、第1保持部21の吸引口28の吸引動作を解除して、第1保持部21からカバー部材CPをリリースするとともに、移動装置41を制御して、支持部材39を+Z方向に移動する。支持部材39の上面38とカバー部材CPの下面(裏面)とが接触し、吸引口29の吸引動作が開始されることにより、カバー部材CPの下面が支持部材39の上面38に吸着保持される。制御装置400は、カバー部材CPの下面を吸着保持した支持部材39を、+Z方向に移動する。これにより、カバー部材CPが第1保持部21から離れる。
また、制御装置400は、駆動システム44を制御して、保持部材43を−Z方向に移動する。制御装置400は、保持部材43の保持面45が、液浸部材3の下面24よりも下側(−Z側)に配置されるように、駆動システム44を用いて保持部材43を移動する。すなわち、制御装置400は、保持部材43でカバー部材CPを保持するために、保持面45が下面24よりも+Z側に配置されている状態から、−Z側に配置される状態へ変化するように、保持部材43の位置を制御する。
これにより、図9に示すように、保持部材43の保持面45と、支持部材43に支持されているカバー部材CPの上面とが接触する。制御装置400は、保持面45とカバー部材CPの上面とが接触している状態で、吸引口29の吸引動作を解除し、保持部材43に設けられている吸引口46の吸引動作を開始する。これにより、カバー部材CPは、支持部材43からリリースされるとともに、保持部材43(保持面45)に吸着保持される。すなわち、カバー部材CPは、基板ステージ2Pから保持機構4へ渡される。保持機構4は、カバー部材CPの上面が射出面18及び下面24の少なくとも一部と対向するように、カバー部材CPを保持する。カバー部材CPは、終端光学素子19の少なくとも一部、及び液浸部材3の少なくとも一部を覆うように配置される。
本実施形態において、保持機構4は、保持面45が下面24よりも−Z側に配置された状態で、カバー部材CPを保持する。本実施形態において、保持機構4は、カバー部材CPの上面の少なくとも一部を保持する。本実施形態において、カバー部材CPの上面の外形は、液浸部材3の下面24の外形よりも大きい。保持機構4は、液浸部材3の外側で、カバー部材CPを保持する。本実施形態においては、保持機構4に保持されているカバー部材CPの上面と、射出面18及び下面24とが対向している状態において、カバー部材CPの上面のエッジは、液浸部材3の下面24のエッジよりも外側に配置される。
例えば図10に示すように、カバー部材CPが保持機構4に保持された後、基板ステージ2Pは、露光位置EPから退避してもよい。本実施形態においては、カバー部材CPが保持機構4に保持されている状態において、基板ステージ2P及び計測ステージ2Cのそれぞれは、カバー部材CPの下方の空間を移動可能である。
本実施形態においては、カバー部材CPが基板ステージ2Pから保持機構4に渡されるときにおいても、液浸空間LSが形成され続ける。すなわち、本実施形態においては、制御装置400は、終端光学素子19及び液浸部材3とカバー部材CPとの間に液浸空間LSが形成されている状態で、基板ステージ2Pから保持機構4へカバー部材CPを渡す動作を実行する。
また、図10に示すように、保持機構4にカバー部材CPが保持された状態で、終端光学素子19及び液浸部材3とカバー部材CPとの間に液浸空間LSが形成される。制御装置400は、保持機構4にカバー部材CPが保持された状態で、供給口33から液体LQを供給するとともに、回収口34から液体LQを回収する。
本実施形態においては、保持機構4にカバー部材CPが保持されている状態で、例えば基板ステージ2Pのメンテナンスが実行される。基板ステージ2Pのメンテナンスは、基板ステージ2Pのクリーニングを含む。基板ステージ2Pのメンテナンスは、基板ステージ2Pが露光装置EX(チャンバ装置11)の内部に配置されている状態で実行されてもよい。例えば、第1保持部21が、所定のクリーニング装置でクリーニングされてもよいし、研磨されてもよい。また、基板ステージ2Pのメンテナンスは、基板ステージ2Pが露光装置EX(チャンバ装置11)の外部に配置されている状態で実行されてもよい。すなわち、保持機構4にカバー部材CPが保持されている状態で、すなわち、一方側の終端光学素子19及び液浸部材3と他方側のカバー部材CPとの間に液浸空間LSが形成されている状態で、チャンバ装置11を開放し、基板ステージ2Pが露光装置EX(チャンバ装置11)の外部に搬出されてもよい。基板ステージ2Pを露光装置EXの外部に搬出するとき、チャンバ装置11が有するドアが操作され、基板ステージ2Pを搬出するための開口が形成されてもよい。同様に、保持機構4にカバー部材CPが保持されている状態で、例えば計測ステージ2Cのメンテナンス(例えばクリーニング等)が実行されてもよい。計測ステージ2Cのメンテナンスは、露光装置EXの内部で実行されてもよいし、チャンバ装置11を開放し、外部で実行されてもよい。また、保持機構4にカバー部材CPが保持されている状態で、例えばエンコーダシステム5や干渉計システム8等、露光装置EXが有する各種の計測システムがメンテナンスされてもよい。また、マスクステージ1がメンテナンスされてもよいし、投影光学系PLがメンテナンスされてもよい。
本実施形態においては、露光装置EXのメンテナンスが実行されるとき、カバー部材CPの上面が射出面18及び下面24の少なくとも一部と対向するようにカバー部材CPが保持機構4に保持されるため、例えば終端光学素子19及び液浸部材3を保護しつつ、メンテナンスを実行することができる。また、本実施形態においては、終端光学素子19及び液浸部材3と保持機構4に保持されたカバー部材CPとの間に、終端光学素子19及び液浸部材3の少なくとも一部と液浸空間LSの液体LQとが接触するように、液浸空間LSが形成されるため、終端光学素子19の乾燥、及び液浸部材3の乾燥を抑制することができる。また、液浸空間LSが形成され続けるため、液体LQの気化に伴う気化熱の発生(温度変化の発生)を抑制することができる。
また、本実施形態においては、液浸部材3のメンテナンスも実行される。例えば、液浸空間LSの液体LQで、終端光学素子19及び液浸部材3の少なくとも一部がクリーニングされる。例えば、供給口33から供給され、終端光学素子19及び液浸部材3の少なくとも一部と接触した液体LQが回収口34から回収されることによって、例えば射出面18及び下面24の少なくとも一部が液体LQでクリーニングされる。なお、液浸部材3のメンテナンスを実行しなくてもよい。
本実施形態においては、保持機構4に保持されたカバー部材CPの上面と下面24との間に間隙Gmが形成される。間隙Gmの寸法は、露光シーケンスにおいて下面24と第1保持部21に保持された基板Pの上面との間の間隙Geの寸法よりも小さい。また、本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおいて供給口33から供給される単位時間当たりの液体LQの量は、露光シーケンスにおいて供給口33から供給される単位時間当たりの液体LQの量よりも少ない。なお、間隙Gmの寸法と間隙Geの寸法とは、実質的に等しくてもよいし、間隙Gmの寸法が間隙Geの寸法よりも大きくてもよい。また、メンテナンスシーケンスにおいて供給口33から供給される単位時間当たりの液体LQの量は、露光シーケンスにおいて供給口33から供給される単位時間当たりの液体LQの量と実質的に等しくてもよいし、異なっていてもよい(例えば多くてもよい)。なお、回収口34から回収される単位時間当たりの液体LQの量は、供給口33から供給される液体LQの量に基づいて定められてもよい。
上述のように、本実施形態において、回収口34は、露光シーケンスにおいて射出面18側に供給された液体LQの少なくとも一部を回収するとともに、メンテナンスシーケンスにおいても射出面18側に供給された液体LQの少なくとも一部を回収する。本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおける回収口34に対する気体の流入が、露光シーケンスにおける回収口34に対する気体の流入よりも抑制される。
本実施形態においては、露光シーケンスにおいて、回収口34は、流路34R(回収流路34P)に対して、液体LQとともに気体も回収(吸引)する。すなわち、露光シーケンスにおいて、回収口34に対して、液浸部材3と物体(基板P等)との間の液体LQ及び気体が流入する。一方、メンテナンスシーケンスにおいて、回収口34は、回収流路34Pに対して、実質的に液浸部材3とカバー部材CPとの間の液体LQのみを回収(吸引)する。すなわち、メンテナンスシーケンスにおいて、回収口34に対して、実質的に気体が流入しない。
図11は、回収口34を有する多孔部材36の一部を拡大した断面図であって、多孔部材36が液体LQのみを回収している状態の一例を説明するための模式図である。
多孔部材36は、カバー部材CPの上面が対向可能な下面36Bと、下面36Bの反対方向を向く上面36Uと、上面36Uと下面36Bとを結ぶ複数の孔36Hとを有する。回収口34は、多孔部材36の孔36Hを含む。
本実施形態においては、カバー部材CPの上面と下面36Bとの間の液体LQが回収口34(孔36H)から回収され、回収口34(孔36H)に対する気体の流入が抑制されるように、下面36Bが面する空間(下面36Bとカバー部材CPの上面との間の空間)SPの圧力Pa、及び上面36Uが面する空間(回収流路34P)の圧力Pbの一方又は両方が調整される。本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおいて、回収口34に対して、実質的に液体LQのみが流入し、気体は流入しないように、圧力Pa及び圧力Pbの一方又は両方が調整される。なお、圧力Paは、チャンバ装置11が調整可能である。圧力Pbは、回収流路34Pに接続される液体回収装置が調整可能である。回収口34から実質的に液体LQのみを回収し、気体を回収しない技術の一例は、例えば米国特出願公開第2006/0152697号等に開示されている。
なお、メンテナンスシーケンスにおいて、回収口34が、流路34R(回収流路34P)に対して、液体LQとともに気体も回収(吸引)してもよい。すなわち、メンテナンスシーケンスにおいて、回収口34に対して、液浸部材3とカバー部材CPとの間の液体LQ及び気体が流入してもよい。ただし、メンテナンスシーケンスにおいて、回収口34から回収流路に流入する気体の量は、露光シーケンスにおいて、回収口34から回収流路に流入する気体の量よりも少ない方がよいが、同じでもよい。
本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおける回収口34に対する気体の流入が、露光シーケンスにおける回収口34に対する気体の流入よりも抑制されるため、例えば液浸部材3の下面24の少なくとも一部に異物が接近することが抑制される。例えば、回収口34が気体を回収(吸引)すると、下面24(34B)とカバー部材CPとの間において気体の流れが生成される可能性がある。例えば、液浸部材3の外側の空間(液浸部材3とカバー部材CPとの間の外側の空間)GPから、下面24が面する空間SPに向かって気体が流れ込むように、気体の流れが生成される可能性がある。なお、空間GPは、空間CSを含む。これにより、例えば空間GP(CS)に存在する異物が、下面24の少なくとも一部に接近したり、下面24の少なくとも一部に付着したり、回収口34を介して流路34Rに流入したりする可能性がある。特にチャンバ装置11が開放されている場合には、空間GPに異物が存在する可能性が高くなるが、本実施形態においては、回収口34に対する気体の流れが抑制されるため、下面24に対する異物の接近等が抑制される。
メンテナンスが終了した後、保持機構4からカバー部材CPを搬送する動作が実行される。チャンバ装置11を開放した場合には、メンテナンス終了時には、チャンバ装置11が閉じられている。本実施形態において、カバー部材CPは、保持機構4から基板ステージ2Pへ渡される。制御装置400は、カバー部材CPを保持機構4から基板ステージ2P(第1保持部21)へ渡すために、基板ステージ2Pを露光位置EPに配置する。換言すれば、制御装置400は、保持機構4に保持されたカバー部材CPの下面(裏面)が対向する位置に基板ステージ2P(第1保持部21)を配置する。
制御装置400は、カバー部材CPの下面と第1保持部21とが対向している状態で、移動装置41を制御して、支持部材39を+Z方向に移動する。支持部材39の上面38とカバー部材CPの下面とが接触し、吸引口29の吸引動作が開始されることにより、カバー部材CPの下面が支持部材39の上面38に吸着保持される。また、制御装置400は、吸引口46の吸引動作を解除し、保持面45からカバー部材CPをリリースする。
制御装置400は、カバー部材CPの下面を吸着保持した支持部材39を、−Z方向に移動する。これにより、カバー部材CPが第1保持部21に近づく。制御装置400は、カバー部材CPを第1保持部21で保持する。これにより、カバー部材CPが保持機構4から基板ステージ2P(第1保持部21)に渡される。また、制御装置400は、カバー部材CPが保持機構4から基板ステージ2Pに渡された後、保持面45が下面24よりも+Z側(上側)に配置されるように、駆動システム44を制御して、保持部材43を移動する。
本実施形態においては、カバー部材CPを保持機構4から第1保持部21へ渡す動作においても、液浸空間LSが形成され続ける。すなわち、本実施形態においては、終端光学素子19及び液浸部材3とカバー部材CPとの間に液浸空間LSが形成されている状態で、カバー部材CPが保持機構4から第1保持部21へ渡される。
メンテナンスが終了した後、第1保持部21へ渡されたカバー部材CPは、例えば露光装置EXの外部に搬出される。本実施形態においては、制御装置400は、保持機構4から渡されたカバー部材CPを保持した基板ステージ2Pを、第2基板交換位置CP2へ移動する。なお、基板ステージ2Pを第2基板交換位置CP2へ移動するとき、スクラム移動動作が実行され、露光位置EPに計測ステージ2Cが配置される。液浸空間LSは、終端光学素子19及び液浸部材3と計測ステージ2Cとの間に形成される。
制御装置400は、第2搬送部材9Bを用いて、第2基板交換位置CP2に配置されている基板ステージ2Pから、カバー部材CPを搬出する。カバー部材CPは、露光装置ECの外部に搬出される。カバー部材CPが露光装置EXの外部に搬出された後、例えば露光シーケンスが実行されてもよい。
なお、本実施形態において、メンテナンスシーケンスから露光シーケンスへ移行するときも、液浸空間LSが形成され続ける。
以上説明したように、本実施形態によれば、メンテナンスシーケンスにおいて、カバー部材CPの上面が射出面18及び下面24の少なくとも一部と対向するようにカバー部材CPを配置するようにしたので、終端光学素子19及び液浸部材3をカバー部材CPで保護しつつ、露光装置EXの部材(機器)をメンテナンスすることができる。また、終端光学素子19及び液浸部材3とカバー部材CPとの間に液体LQで液浸空間LSを形成することができるため、例えば終端光学素子19及び液浸部材3の乾燥、あるいはその乾燥に伴う終端光学素子19及び液浸部材3の性能の低下を抑制することができる。また、液体LQの気化に伴う気化熱の発生(温度変化の発生)を抑制することができる。また、終端光学素子19及び液浸部材3とカバー部材CPとの間に形成される液浸空間LSの液体LQで、終端光学素子19及び液浸部材3の少なくとも一部をメンテナンスすることができる。したがって、露光装置EXの部材(機器)の汚染が抑制され、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
また、本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおける回収口34に対する気体の流入が、露光シーケンスにおける回収口34に対する気体の流入よりも抑制されるため、メンテナンスシーケンスにおいて、液浸部材3の下面24の少なくとも一部に、異物が接近することが抑制される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、メンテナンス(ステップSA3)の一例について説明する。
図12は、メンテナンスの一例を示す模式図である。制御装置400は、供給口33から射出面18側に液体LQを供給し、回収口34から射出面18及び下面24とカバー部材CPとの間に供給された液体LQの少なくとも一部を回収して、液浸空間LSを形成する。本実施形態において、制御装置400は、カバー部材CPの上面において液体LQで形成される液浸空間LSの面積を変化させる。液浸空間LSの面積は、XY平面内における液浸空間LSの大きさ(寸法)を含む。
制御装置400は、射出面18側に供給される液体LQの供給量を調整して、液浸空間LSの面積を調整することができる。例えば、供給口33から供給される単位時間当たりの液体LQの量を多くすることによって、液浸空間LSの面積を大きくすることができる。また、供給口33から供給される単位時間当たりの液体LQの量を少なくすることによって、液浸空間LSの面積を小さくすることができる。また、制御装置400は、射出面18側に供給された液体LQの回収量を調整して、液浸空間LSの面積を調整することができる。例えば、回収口34から回収される単位時間当たりの液体LQの量を多くすることによって、液浸空間LSの面積を小さくすることができる。また、回収口34から回収される単位時間当たりの液体LQの量を少なくすることによって、液浸空間LSの面積を大きくすることができる。もちろん、制御装置400は、液体LQの供給量及び回収量の両方を調整して、液浸空間LSの面積を変化させてもよい。
例えば、液浸空間LSの面積を変化させることによって、下面24とカバー部材CPの上面との間における液浸空間LSの界面LGが移動する。これにより、下面24が液体LQでクリーニングされる。
本実施形態においては、例えば図12に示すように、制御装置400は、液浸部材3の下面24のほぼ全域が液体LQと接触するように、液浸空間LSの面積を変化させる。これにより、下面24のほぼ全域が液体LQでクリーニングされる。
また、液浸空間LSの液体LQが下面24に接触することによって、下面24の乾燥が抑制される。また、液浸空間LSの液体LQによって、多孔部材36(下面36B、上面36U、及び孔36Hの内面)の乾燥が抑制される。下面24が乾燥すると、例えば下面24に付着している異物(汚染物)が、下面24から剥がれたり、下面24から放出されたりする可能性が高くなる。また、多孔部材36の少なくとも一部が乾燥すると、例えば回収口34(孔36H)から液体LQのみを回収することが困難となる可能性がある。本実施形態においては、下面24(多孔部材36)の乾燥が抑制されるので、異物の放出等の不都合を抑制することができる。
また、本実施形態においては、下面24が液浸空間LSで覆われるため、メンテナンス中に、例えば空間GS(CS)の異物が下面24に接近したり、下面24に付着したりすることが抑制される。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、メンテナンス(ステップSA3)の一例について説明する。
図13は、メンテナンスの一例を示す模式図である。制御装置400は、供給口33から射出面18側に液体LQを供給し、回収口34から射出面18側に供給された液体LQの少なくとも一部を回収して、液浸空間LSを形成する。
本実施形態において、制御装置400は、回収口34に気体が流入することを抑制して、下面24の少なくとも一部に異物が接近することを抑制する。本実施形態において、制御装置400は、下面24が面する空間SPの圧力を、その外側の空間GPの圧力よりも高くして、空間GPの異物が下面24の少なくとも一部に接近することを抑制する。また、本実施形態において、制御装置400は、下面24が面する空間SPから、その外側の空間GPに向かって気体を流すことによって、空間GPの異物が下面24の少なくとも一部に接近することを抑制する。
本実施形態においては、下面24が面する空間SPに気体を供給する給気口47(47A、47B)が配置されている。本実施形態においては、給気口47Aが、下面24の少なくとも一部に配置される。給気口47Aは、供給口33(光路K)に対して、回収口34の外側に配置される。また、本実施形態においては、給気口47Bが、カバー部材CPの上面の少なくとも一部に配置される。給気口47(47A、47B)は、空間SPに面するように配置される。給気口47(47A、47B)から空間SPに気体が供給されることによって、下面24が面する空間SPの圧力が、その外側の空間GPの圧力よりも高くなる。また、給気口47(47A、47B)の給気動作が実行されることによって、下面24が面する空間SPからその外側の空間GPに向かって気体が流れる。なお、本実施形態においては、給気口47A、47Bが配置されることとしたが、給気口47Aが省略されてもよいし、給気口47Bが省略されてもよい。給気口47から供給される気体は、環境制御装置11Bが空間CSに供給する気体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。給気口47から供給される気体は、空気であってもよいし、空気と異なる成分の気体であってもよい。
なお、例えば図14に示すように、給気部材48に設けられた給気口49から気体が供給されてもよい。給気部材48は、終端光学素子19に対して液浸部材3の外側に配置される。給気口49は、保持機構4に保持されたカバー部材CPの上面が対向するように配置される。給気口49からカバー部材CPの上面に向かって供給された気体の少なくとも一部は、下面24が面する空間SPに流れる。また、給気口49からカバー部材CPの上面に向かって供給された気体の少なくとも一部は、外側の空間GPに向かって流れる。これにより、下面24が面する空間SPの圧力が、その外側の空間GPの圧力よりも高くなる。また、下面24が面する空間SPからその外側の空間GPに向かって気体が流れる。
以上説明したように、本実施形態によれば、気体の力を使って、下面24の少なくとも一部に異物が接近したり、付着したりすることが抑制される。
なお、給気部材48の給気口49は、例えば露光シーケンスにおいて、液体LQを回収してもよい。すなわち、露光シーケンスにおいて、給気口49が液体LQを回収(吸引)する回収口(吸引口)として機能してもよい。例えば、露光シーケンスにおいて、回収口49は、下面24と基板Pとの間の空間の外側に流出した液体LQを回収してもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、保持機構4からカバー部材CPを搬送(搬出)する処理(ステップSA4)の一例について説明する。
本実施形態においては、カバー部材CPが保持機構4から第1保持部21へ渡される前に、カバー部材CPの少なくとも一部がクリーニング装置50によってクリーニングされる。また、本実施形態においては、カバー部材CPが保持機構4から第1保持部21へ渡される前に、基板ステージ2Pの少なくとも一部がクリーニング装置60によってクリーニングされる。
図15は、クリーニング装置50及びクリーニング装置60の一例を示す図である。本実施形態において、クリーニング装置50は、カバー部材CPに気体を供給する給気口50Sを有する給気部材50Mを含む。本実施形態において、クリーニング装置50は、カバー部材CPの下面(裏面)に、給気口50Sからの気体を吹き付ける。本実施形態においては、制御装置400は、カバー部材CPが保持機構4に保持された状態で、そのカバー部材CPの下面に気体を吹き付ける。これにより、例えばカバー部材CPの下面の異物が除去される。また、制御装置400は、カバー部材CPに対して給気部材50Mを移動しながら、カバー部材CPの下面に気体を吹き付けてもよい。
本実施形態において、クリーニング装置60は、基板ステージ2Pに気体を供給する給気口60Sを有する給気部材60Mを含む。本実施形態において、クリーニング装置60は、例えば第1保持部21に、給気口60Sからの気体を吹き付ける。また、クリーニング装置60は、例えば基板ステージ2Pの上面23に、給気口60Sからの気体を吹き付けることができる。これにより、例えば第1保持部21の異物、あるいは上面23の異物が除去される。また、制御装置400は、基板ステージ2Pに対して給気部材60Mを移動しながら、基板ステージ2Pに気体を吹き付けてもよい。
本実施形態においては、制御装置400は、カバー部材CPのクリーニング及び基板ステージ2Pのクリーニングの少なくとも一方が終了した後、カバー部材CPを保持機構4から第1保持部21へ渡す。
以上説明したように、本実施形態によれば、カバー部材CPを保持機構4から第1保持部21へ渡す前に、カバー部材CPの少なくとも一部をクリーニングするため、カバー部材CPを第1保持部21に渡した後、カバー部材CPに起因する基板ステージ2P(第1保持部21)の汚染が抑制される。
また、本実施形態によれば、カバー部材CPを保持機構4から第1保持部21へ渡す前に、基板ステージ2Pの少なくとも一部をクリーニングするため、カバー部材CPを第1保持部21に渡した後、基板ステージ2Pに起因する液浸部材3の汚染が抑制される。すなわち、カバー部材CPを第1保持部21に渡した後においては、液浸部材3はカバー部材CPで覆われず、空間CSに晒されることとなる。また、液浸部材3は、基板ステージ2Pと対向することとなる。基板ステージ2Pに異物が存在すると、カバー部材CPを第1保持部21に渡した後、基板ステージ2Pの異物が液浸部材3に付着する可能性がある。本実施形態によれば、基板ステージ2Pをクリーニングしておくことにより、液浸部材3の汚染が抑制される。
なお、例えば図16に示すように、カバー部材CPに気体を供給するための給気口51が、基板ステージ2Pに配置されてもよい。図16に示す例では、給気口51は、第1保持部21(支持面25)に配置される。なお、給気口51が、計測ステージ2Cに配置されてもよい。なお、移動装置41の吸引口29から、カバー部材CPに気体を供給してもよい。すなわち、吸引口29が、カバー部材CPに気体を供給するための給気口として機能してもよい。
なお、本実施形態においては、カバー部材CPに気体を吹き付けることとしたが、カバー部材CPと対向するように吸引口を配置し、カバー部材CPの異物を吸引口から吸引することによって、そのカバー部材CPをクリーニングしてもよい。同様に、基板ステージ2Pと対向するように吸引口を配置し、基板ステージ2Pの異物を吸引口から吸引することによって、その基板ステージ2Pをクリーニングしてもよい。例えば図17に示すように、カバー部材CPの異物を吸引するための吸引口52が、基板ステージ2Pに配置されてもよい。なお、吸引口(52)が、計測ステージ2Cに配置されてもよい。
なお、図18に示すように、カバー部材CPの下面(裏面)の下方の空間で、カバー部材CPに対して基板ステージ2PをXY平面内において移動させてもよい。基板ステージ2Pの移動により、カバー部材CPの下面が面する空間において、気流が生じる。その気流により、カバー部材CPの下面の異物が除去される。また、基板ステージ2Pを移動しつつ、基板ステージ2Pに配置されている給気口51から気体を吹き出してもよいし、基板ステージ2Pに配置されている吸引口52から異物を吸引してもよい。なお、カバー部材CPの下面の下方の空間で、計測ステージ2Cを移動させてもよい。また、計測ステージ2Cを移動しつつ、計測ステージ2Cに配置されている給気口51から気体を吹き出してもよいし、計測ステージ2Cに配置されている吸引口52から異物を吸引してもよい。
同様に、給気口60Sの替わりに吸引口を設けて、第1保持部21と基板ステージ2Pの上面23の少なくとも一方に付着している異物を吸引して除去してもよい。また、給気口60Sの近傍に吸引口を設けて、給気口60Sからの給気と吸引口から吸引とを並行して行い、第1保持部21及び基板ステージ2Pの上面23の少なくとも一方に付着している異物を吸引して除去してもよい。
なお、本実施形態の各例においても、給気口から供給される気体は、環境制御装置11Bが空間CSに供給する気体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。給気口から供給される気体は、空気であってもよいし、空気と異なる成分の気体であってもよい。
なお、カバー部材CPのクリーニングと、基板保持部21のクリーニングと、基板ステージ2Pの上面23のクリーニングとの少なくとも一つを省いてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、保持機構4からカバー部材CPを搬送(搬出)する処理(ステップSA4)の一例について説明する。
図19は、カバー部材CPのクリーニング装置53の一例を示す図である。本実施形態において、クリーニング装置53は、カバー部材CPの異物を除去可能な除去装置を含む。図19に示すように、クリーニング装置53は、カバー部材CPと対向する位置に配置される対向部材53Aと、正極性(プラス)及び負極性(マイナス)の電位を対向部材53Aに交互に加えることができる電力供給装置53Bとを備えている。クリーニング装置53は、カバー部材CPと対向部材53Aとを対向させた状態で、電力供給装置53Bにより対向部材53Aにプラス及びマイナスの電位を交互に印加することによって、カバー部材CPの異物を除去する。
例えば、図19(A)に示すように、カバー部材CPに付着している異物がプラスに帯電している場合、対向部材53Aがマイナスに帯電するように、電力供給装置53Bにより対向部材53Aに電位が印加される。対向部材53Aがマイナスに帯電すると、カバー部材CPの異物は、カバー部材CPから離れ、対向部材53Aに引き寄せられるように移動する。これにより、異物は、カバー部材CPから除去される。カバー部材CPから離れた異物は、例えば対向部材53Aに付着する。対向部材53Aは、その異物を保持する。
図19(B)に示すように、カバー部材CPに付着している異物がマイナスに帯電している場合、対向部材53Aがプラスに帯電するように、電力供給装置53Bにより対向部材53Aに電位が印加される。対向部材53Aがプラスに帯電すると、カバー部材CPの異物は、カバー部材CPから離れ、対向部材53Aに引き寄せられるように移動する。これにより、異物は、カバー部材CPから除去される。また、カバー部材CPから離れた異物は、例えば対向部材53Aの上面に付着する。対向部材53Aは、その異物を保持する。
クリーニング装置53は、対向部材53Aにプラス及びマイナスの電位を交互に加えることによって、マイナスに帯電しているカバー部材CPの異物、及びプラスに帯電しているカバー部材CPの異物の両方を、カバー部材CPから除去することができる。
図20は、カバー部材CPのクリーニング装置54の一例を示す図である。クリーニング装置54は、カバー部材CPの異物を除去可能な除去装置を含む。図20において、クリーニング装置54は、カバー部材CPの少なくとも一部に、プラス及びマイナスの電位を交互に加える電力供給装置54Bを備えている。カバー部材CPは、電力供給装置54Bによりカバー部材CPにプラス及びマイナスの電位を交互に印加することによって、カバー部材CPの異物を除去する。
例えば、図20(A)に示すように、カバー部材CPに付着している異物がプラスに帯電している場合、カバー部材CPがプラスに帯電するように、電力供給装置54Bによりカバー部材CPに電位が印加される。カバー部材CPがプラスに帯電すると、カバー部材CPの異物は、カバー部材CPから離れる。これにより、異物は、カバー部材CPから除去される。
図20(B)に示すように、カバー部材CPに付着している異物がマイナスに帯電している場合、カバー部材CPがマイナスに帯電するように、電力供給装置54Bによりカバー部材CPに電位が印加される。カバー部材CPがマイナスに帯電すると、カバー部材CPの異物は、カバー部材CPから離れる。これにより、異物は、カバー部材CPから除去される。
なお、本実施形態のクリーニング装置を、第1保持部21及び基板ステージ2Pの上面23の少なくとも一方のクリーニングに用いてもよい。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、保持機構4からカバー部材CPを搬送(搬出)する処理(ステップSA4)の一例について説明する。
図21は、カバー部材CPのクリーニング装置55の一例を示す図である。クリーニング装置55は、カバー部材CPの異物を除去可能な除去装置を含む。本実施形態において、クリーニング装置55は、カバー部材CPを加熱して、カバー部材CPの異物を除去する。
図21において、クリーニング装置55は、カバー部材CPと対向する位置に配置される対向部材55Aと、対向部材55Aを加熱するヒータ部55Bとを有する。対向部材55Aは、カバー部材CPの下面と間隙を介して対向する。
ヒータ部55Bによって対向部材55Aが加熱されることによって、カバー部材CPに付着している異物も加熱される。異物は、その熱によって、焼却、あるいは溶解される。これにより、カバー部材CPから異物が除去される。
図22は、カバー部材CPのクリーニング装置56の一例を示す。クリーニング装置56は、カバー部材CPに光を照射して、カバー部材CPを加熱する照射装置56Aを含む。照射装置56Aは、例えば異物を同じ寸法の光(スポット高)を照射可能である。光の照射によって、異物が加熱される。異物は、その熱によって、焼却、あるいは溶解される。これにより、カバー部材CPから異物が除去される。
なお、本実施形態のクリーニング装置を、第1保持部21及び基板ステージ2Pの上面23の少なくとも一方のクリーニングに用いてもよい。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図23は、本実施形態に係るカバー部材CPのメンテナンス装置57の一例を示す図である。本実施形態において、メンテナンス装置57は、カバー部材CPに対する異物の付着を抑制する抑制装置を含む。例えばメンテナンスシーケンスにおいて、抑制装置を用いるメンテナンスを行うことによって、カバー部材CPに対する異物の付着が抑制される。
本実施形態において、メンテナンス装置57は、イオン化されたガスをカバー部材CPに供給するガス供給装置を含む。メンテナンス装置57は、所謂、イオナイザを含む。 メンテナンス装置57は、イオン化されたガスをカバー部材CPに供給して、カバー部材CPの静電気を除去する。
本実施形態において、メンテナンス装置57は、放電部材57Aと、放電部材57Aに電圧を印加する電源装置57Bとを有する。放電部材57Aに電圧が印加されることにより、イオン化したガスが生成される。生成されたガスは、開口57Cを介して、カバー部材CPに供給される。これにより、カバー部材CPの静電気が除去される。
本実施形態においては、カバー部材CPが保持機構4から第1保持部51に渡される前に、カバー部材CPの静電気が除去されるため、その静電気に起因するカバー部材CPに対する異物の付着が抑制される。これにより、カバー部材CPの汚染、及び基板ステージ2P(第1保持部21)の汚染が抑制される。
なお、本実施形態のメンテナンス装置を、第1保持部21及び基板ステージ2Pの上面23の少なくとも一方のメンテナンスに用いてもよい。
<第8実施形態>
次に、第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおいて、図24に示すように、保持機構4にカバー部材CPを搬送(搬入)する処理(ステップSA1)と、保持機構4でカバー部材CPを保持する処理(ステップSA2)と、露光装置EXの部材の少なくとも一部をメンテナンスする処理(ステップSA3)と、保持機構4からカバー部材CPを搬送(搬出)する処理(ステップSA4)とが行われた後、第1保持部21にカバー部材CPが保持された状態で、液浸部材3及び基板ステージ2Pの少なくとも一方をクリーニングする処理(ステップSA5)が行われる。
図25は、液浸部材3を上側(+Z側)から見た図である。液浸部材3は、液体LQを供給可能な供給口33を備えている。供給口33は、流路を介して、液体供給装置33Sと接続されている。また、液浸部材3は、光路Kに面するように配置される吸引口70を有する。なお、吸引口70は、射出面18と開口3Kとの間の空間及び終端光学素子19の少なくとも一方に面していればよい。吸引口70は、流体(気体及び液体の少なくとも一方)を吸引可能である。本実施形態において、吸引口70は、射出面18と対向部31の上面との間の空間に面するように配置される。吸引口70は、射出面18と対向部31の上面との間の空間に存在する流体の少なくとも一部を吸引可能である。本実施形態において、吸引口70は、光路Kに対して+X側及び−X側のそれぞれに配置されている。供給口33は、光路Kに対して+Y側及び−Y側のそれぞれに配置されている。なお、供給口33及び吸引口70の位置及び数は、図25に示す形態に限られない。
吸引口70は、流路を介して、吸引装置71と接続されている。吸引装置71は、吸引口70を真空システムに接続可能であり、吸引口70を介して流体を吸引可能である。吸引口70から吸引(回収)された流体は、流路を介して、吸引装置71に吸引(回収)される。
図26は、本実施形態に係るクリーニングの一例を示す図である。本実施形態においては、終端光学素子19及び液浸部材3と、第1保持部21に保持されたカバー部材CP及び基板ステージ2Pとが対向した状態で、液浸部材3の内部に形成された回収流路34Pに、液体供給装置33Sが接続される。回収流路34Pは、基板Pの露光において回収口34から回収された液体LQが流れる液浸部材3の内部空間を含む。
クリーニングにおいて、液体供給装置33Sから回収流路34Pに液体LQが供給される。回収流路34Pに供給された液体LQの少なくとも一部は、回収口34(多孔部材36の孔36H)を介して、下面24(下面36B)が面する空間SPに供給される。本実施形態においては、制御装置400は、回収口34から空間SPへの液体LQの供給と並行して、吸引口70からの吸引を実行する。本実施形態において、吸引口70は、露光光ELの光路Kに対する放射方向に関して、回収口34の内側に配置されている。これにより、空間SPにおいて、光路Kに対する放射方向に関して外側から内側へ向かう液体LQの流れが生成される。回収口34(多孔部材36の孔36H)を介して空間SPに流れた液体LQの少なくとも一部は、吸引口70より吸引(回収)される。
回収口34から空間SPに液体LQが供給されることにより、例えば回収口34(多孔部材36の孔36H)、あるいは多孔部材36の下面36Bに付着している異物は、その液体LQの流れによって回収口34(多孔部材36)から離れる。回収口34から離れた異物は、液体LQとともに、吸引口70より吸引(回収)される。また、下面31Bに異物が付着している場合、その下面31Bの異物も、液体LQとともに、吸引口70より吸引(回収)される。これにより、液浸部材3がクリーニングされる。
また、空間SPにおける液体LQの流れによって、液浸部材3の下面24と対向する基板ステージ2Pの上面23の異物も、液体LQとともに吸引口70より吸引(回収)される。これにより、基板ステージ2Pもクリーニングされる。
なお、クリーニングにおいて、回収口34から空間SPに液体LQを供給し、吸引口70から液体LQを吸引しているとき、供給口33から液体LQを供給してもよいし、供給しなくてもよい。
なお、液浸部材3の下面24と対向する位置に、第1保持部21に保持されたカバー部材CPが配置されている状態で、回収口34から液体LQが供給されてもよいし、計測ステージ2Cが配置されている状態で、回収口34から液体LQが供給されてもよい。
なお、図27に示すように、露光光ELの光路Kに対する放射方向に関して回収口34の外側に第2の回収口72が設けられてもよい。図27において、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に、回収口72を有する回収部材73が配置される。回収口72は、基板ステージ2P等の物体が対向可能な位置に配置されている。
制御装置400は、回収口34から空間SPへの液体LQの供給と並行して、回収口72からの液体LQの回収を実行する。図27に示す例において、回収口72は、露光光ELの光路Kに対する放射方向に関して、回収口34の外側に配置されている。これにより、空間SPにおいて、光路Kに対する放射方向に関して内側から外側へ向かう液体LQの流れが生成される。回収口34(多孔部材36の孔36H)を介して空間SPに流れた液体LQの少なくとも一部は、回収口72から回収される。なお、Z軸方向に関する回収口34の位置と回収口72の位置とは、同じでもよいし、異なってもよい。
図27に示す例においても、回収口34から空間SPに液体LQが供給されることにより、例えば回収口34(多孔部材36の孔36H)、あるいは多孔部材36の下面36Bに付着している異物は、その液体LQの流れによって回収口34(多孔部材36)から離れる。回収口34から離れた異物は、液体LQとともに、回収口72から回収される。これにより、液浸部材3がクリーニングされる。
また、空間SPにおける液体LQの流れによって、液浸部材3の下面24と対向する基板ステージ2P等の物体の上面の異物も、液体LQとともに回収口72から回収される。これにより、その物体(基板ステージ2P)もクリーニングされる。
なお、図27に示す例において、回収口34から空間SPに液体LQを供給し、回収口72から液体LQを回収しているとき、供給口33から液体LQを供給してもよいし、供給しなくてもよい。また、吸引口70より液体LQを吸引してもよいし、しなくてもよい。
<第9実施形態>
次に、第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、液浸部材3及び基板ステージ2Pの少なくとも一方をクリーニングする処理(ステップSA5)の一例について説明する。
図28は、本実施形態に係るクリーニングの一例を示す図である。図28においては、YZ平面と平行な断面図とXZ平面と平行な断面図とが一緒に示されている。すなわち、図28において、中心線Lの右側が、供給口33を含むYZ平面と平行な断面を示し、中心線Lの左側が、吸引口70を含むXZ平面と平行な断面を示す。
本実施形態においては、クリーニングにおいて、終端光学素子19及び液浸部材3と対向する位置に、第1保持部21でカバー部材CPを保持している基板ステージ2Pが配置される。なお、終端光学素子19及び液浸部材3と対向する位置に計測ステージ2Cが配置されてもよい。
クリーニングにおいて、供給口33から液体LQが供給され、吸引口70から液体LQの少なくとも一部が吸引される。これにより、終端光学素子19と基板ステージ2Pとの間に液体LQで液浸空間LSbが形成される。
本実施形態においては、供給口33から液体LQが供給され、吸引口70から液体LQの少なくとも一部が吸引されている状態において、回収口34からの回収動作が停止される。
また、本実施形態においては、下面31Bと基板ステージ2Pの上面23との間に液浸空間LSbの液体LQの界面LGbが形成されるように、供給口33からの液体LQの供給と、吸引口70からの液体LQの吸引とが実行される。すなわち、本実施形態においては、下面31Bの周囲の少なくとも一部に配置される回収口34(多孔部材36)に液体LQが接触しない。
供給口33から液体LQが供給され、吸引口70から液体LQの少なくとも一部が吸引されて、終端光学素子19と基板ステージ2Pとの間に液体LQで液浸空間LSbが形成されることにより、例えば基板ステージ2Pの上面23の異物が、液体LQとともに吸引口70から吸引される。これにより、基板ステージ2Pの上面23がクリーニングされる。
また、本実施形態においては、液体LQで液浸空間LSbが形成されている期間の少なくとも一部で、終端光学素子19及び液浸部材3に対して、基板ステージ2Pが移動する。これにより、基板ステージ2Pの上面23の広い範囲がクリーニングされる。
本実施形態においては、液浸空間LSbの液体LQで基板ステージ2Pの上面23をクリーニングしているとき、回収口34からの回収動作(吸引動作)が停止され、回収口34(多孔部材36)に液体LQが接触しない。これにより、基板ステージ2Pの上面23の異物が、回収口34(多孔部材36)に付着することが抑制される。なお、液体LQが吸われないように、回収口34からの吸引動作を実行してもよい。また、供給口33と異なる供給口から液体LQを供給してもよい。
<第10実施形態>
次に、第10実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第10実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、液浸部材3及び基板ステージ2Pの少なくとも一方をクリーニングする処理(ステップSA5)の一例について説明する。
図29は、第10実施形態に係るクリーニングの一例を示す図である。図29においては、YZ平面と平行な断面図とXZ平面と平行な断面図とが一緒に示されている。すなわち、図29において、中心線Lの右側が、供給口33を含むYZ平面と平行な断面を示し、中心線Lの左側が、吸引口70を含むXZ平面と平行な断面を示す。
また、本実施形態においては、露光光ELの光路Kに対する放射方向に関して回収口34の外側に第2の回収口72が配置される。図29において、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に、回収口72を有する回収部材73が配置される。回収口72は、基板ステージ2P等の物体が対向可能な位置に配置されている。
本実施形態においては、液浸部材3の内部に形成された回収流路34Pに、給気装置74が接続される。給気装置74は、回収流路34Pに気体を供給可能である。給気装置74が回収流路34Pに気体を供給することにより、その回収流路34Pに供給された気体の少なくとも一部は、回収口34(多孔部材36の孔36H)を介して、下面24(下面36B)が面する空間SPに供給される。本実施形態においては、クリーニングにおいて、液浸部材3の下面24と対向する位置に基板ステージ2Pが配置されるが、計測ステージ2Cが配置されてもよい。
クリーニングにおいて、制御装置400は、例えば供給口33から液体LQを供給する。供給口33からの液体LQは、回収口34と基板ステージ2Pとの間の空間SPに供給される。
また、本実施形態においては、制御装置400は、クリーニングにおいて、供給口33からの液体LQの供給動作と並行して、回収口72からの回収動作を実行する。回収口72は、空間SPからの液体LQを回収する。
また、本実施形態においては、制御装置400は、クリーニングにおいて、給気装置74を作動し、回収流路34Pに気体を供給する。これにより、図29に示すように、回収口34から、回収口34と基板ステージ2Pとの間の空間SPに供給された液体LQに気体が供給される。回収口34から気体が供給されることによって、空間SPの液体LQに気泡が生成される。
本実施形態においては、供給口33からの液体LQの供給と、回収口34からの液体LQに対する気体の供給と、回収口72からの液体LQ及び気体の回収とが並行して実行される。回収口72は、供給口33から空間SPに供給された液体LQ、及び回収口34から空間SPに供給された気体を回収する。すなわち、回収口72は、空間SPからの液体LQ及び気体を回収する。なお、回収口72は、気体を回収しなくてもよい。
本実施形態においては、供給口33は、光路Kに対する放射方向に関して回収口34の内側に配置され、回収口72は、光路Kに対する放射方向に関して回収口34の外側に配置されている。供給口33からの供給動作と回収口72からの回収動作とが実行されることにより、空間SPにおいて、光路Kに対する放射方向に関して内側から外側へ向かう液体LQの流れが生成される。
これにより、液浸部材3の下面24、及び基板ステージ2Pの上面23の異物は、液体LQとともに回収口72から回収される。また、回収口34から気体を供給することによって、例えば回収口34(多孔部材36)に付着している異物は、その気体の流れ、及び/又は気泡の作用によって、その回収口34(多孔部材36)から良好に除去される。また、基板ステージ2Pの上面23に付着している異物も、その気体の流れ、及び/又は気泡の作用によって、その基板ステージ2Pの上面23から良好に除去される。
本実施形態においては、制御装置400は、供給口33からの液体LQの供給、回収口34からの気体の供給、及び回収口72からの液体LQの回収が実行されている状態で、終端光学素子19及び液浸部材3に対して、基板ステージ2PをXY平面内において移動する。これにより、基板ステージ2Pの上面23の広い範囲がクリーニングされる。なお、基板ステージ2Pを移動しなくてもよい。
また、本実施形態においては、制御装置400は、供給口33からの液体LQの供給、回収口34からの気体の供給、及び回収口72からの液体LQの回収と並行して、吸引口70からの液体LQの吸引を実行する。吸引口70は、光路Kに対する放射方向に関して回収口34の内側に配置されている。これにより、例えば終端光学素子19の側面と液浸部材3の内側面との間における液体LQの表面の高さが調整される。なお、吸引口70からの液体LQの吸引が実行されなくてもよい。また、供給口33とは異なる供給口から液体LQが供給されてもよい。
なお、上述の第8、第9、及び第10実施形態においては、クリーニングに用いる液体として、露光用の液体LQ(水)を使用することとしたが、露光用の液体LQとは異なる液体(クリーニング用の液体)を用いてもよい。クリーニング用の液体として、例えばアルカリ性液体を用いてもよい。例えば、クリーニング用の液体が、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:tetramethyl ammonium hydroxide)を含んでもよい。また、クリーニング用の液体として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリの溶液、水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム等の有機アルカリの溶液を用いてもよい。また、クリーニング用の液体として、アルカリ性水溶液を用いてもよい。また、クリーニング用の液体として、アンモニア水を用いてもよい。
また、クリーニング用の液体として、酸性液体を用いてもよい。例えば、クリーニング用の液体が、過酸化水素を含んでもよい。また、クリーニング用の液体として、酸性水溶液を用いてもよい。また、クリーニング用の液体が、バッファードフッ酸及び過酸化水素を含む溶液でもよい。バッファードフッ酸(緩衝フッ酸)は、フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合物である。その混合比率は、40wt%フッ化アンモニウム溶液/50wt%フッ酸の体積比に換算して、5〜2000でもよい。また、バッファードフッ酸と過酸化水素との混合比率は、過酸化水素/フッ酸の重量比に換算して、0.8〜55でもよい。クリーニング用の液体として、オゾンを含むオゾン液体を用いてもよい。もちろん、過酸化水素とオゾンを含む溶液でもよい。
また、クリーニング用の液体が、アルコールを含んでもよい。例えば、クリーニング用の液体が、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、及びペンタノールの少なくとも一つを含んでもよい。
なお、露光用の液体LQとは異なるクリーニング用の液体を用いてクリーニングした場合、そのクリーニング後、部材に付着するクリーニング用の液体を露光用の液体LQで洗い流す処理(所謂、リンス処理)が実行されてもよい。
なお、上述の実施形態の各動作において、吸引口70が使用されない場合には、露光装置EXが吸引口70を備えてなくてもよい。
<第11実施形態>
次に、第11実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第11実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図30は、第11実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態においては、露光装置EXは、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に配置され、液体LQを回収する回収部材80を有する。本実施形態において、回収部材80は、多孔部材を含む。多孔部材は、ポーラス部材を含む。多孔部材は、例えば焼結法によって形成される。
回収部材80は、基板P等の物体が対向可能な下面を有する。光路Kに対して回収部材80の外側に、ヘッドユニット6が配置される。Z軸方向に関して、回収部材80の下面の位置(高さ)と、ヘッドユニット6の下面の位置(高さ)とは、ほぼ等しい。換言すれば、回収部材80の下面と基板P(物体)の上面との距離と、ヘッドユニット6の下面と基板P(物体)の上面との距離とは、実質的に等しい。なお、回収部材80の下面が、ヘッドユニット6の下面よりも低い位置に配置されてもよいし、高い位置に配置されてもよい。
露光シーケンスにおいて、液浸部材3と基板Pとの間の空間SPの外側に、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部が流出する可能性がある。本実施形態においては、その空間SPの外側に流出した液体LQは、回収部材80で回収される。回収部材80は、回収部材80の下面に接触した液体LQを吸収(回収)可能である。また、回収部材80は、空間SPの外側に流出した液体LQ(滴)と接触することにより、その空間SPの外側に流出した液体LQ(滴)の大きさ(体積、質量等)を小さくすることができる。
回収部材80が設けられていることにより、空間SPの液体LQが、ヘッドユニット6と基板Pとの間の空間HPに浸入することが抑制される。また、空間SPの液体LQが、ヘッドユニット6と基板Pとの間の空間HPに浸入したとしても、その空間HPに浸入する液体LQ(滴)の大きさは小さい。したがって、ヘッドユニット6の下面と基板P(物体)の上面との間に液体LQが捕捉される現象(留まる現象)が発生することを抑制することができる。なお、ヘッドユニット6等の第1の部材の下面と基板P等の第2の部材の上面との間に液体LQが捕捉される現象は、ブリッジ現象とも呼ばれる。本実施形態においては、回収部材80が設けられているため、ヘッドユニット6と基板Pとの間においてブリッジ現象が生じることが抑制される。したがって、ヘッドユニット6の熱変形を抑制でき、エンコーダシステム5の計測精度の低下を抑制できる。
次に、回収部材80をクリーニングする方法の一例について説明する。図31は、回収部材80をクリーニングするクリーニング装置90の一例を示す図である。
本実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおいて、保持機構4にカバー部材CPが保持された状態で、回収部材80のクリーニングが行われる。また、本実施形態においては、終端光学素子19及び液浸部材3とカバー部材CPとの間に液浸空間LSが形成された状態で、回収部材80のクリーニングが行われる。
本実施形態においては、回収部材80にクリーニング光が照射されることによって、その回収部材80のクリーニングが行われる。クリーニング光は、紫外光を含む。本実施形態において、クリーニング光は、射出面18から射出される露光光ELを含む。
本実施形態において、クリーニング装置90は、射出面18から射出される露光光ELを回収部材80へ導く導光部材91を含む。
図31に示すように、本実施形態において、導光部材91は、ベース部材20の内部空間に配置される。ベース部材20の内部空間の上端の開口には、露光光ELを透過可能な部材92が配置される。導光部材91は、射出面18と対向する位置に配置される。
本実施形態において、カバー部材CPは、露光光ELを透過可能である。本実施形態において、カバー部材CPの少なくとも一部は、石英ガラスによって形成される。なお、カバー部材CPの少なくとも一部が蛍石で形成されてもよい。
メンテナンスシーケンスにおいて、射出面18から射出された露光光ELは、液浸空間LSの液体LQ及びカバー部材CPを通過し、部材92を通過した後、導光部材91に入射する。本実施形態において、導光部材91は、反射面を有する反射部材を含む。導光部材91に入射した露光光ELは、導光部材91の反射面で反射し、部材92及びカバー部材CPを通過した後、回収部材80に照射される。これにより、回収部材80がクリーニング光でクリーニング(光洗浄)される。例えば、回収部材80に異物が付着した場合、その回収部材80の液体LQに対する親和性が低下する(撥液化する)可能性がある。回収部材80を光洗浄することによって、その回収部材80の液体LQに対する親和性を高める(新液化する)ことができる。したがって、回収部材80の液体吸収能力の低下を抑制(液体回収能力を回復)することができる。
図32は、回収部材80のクリーニング装置93の一例を示す図である。図32に示す例において、射出面18から射出される露光光ELを回収部材80へ導く導光部材94、95は、終端光学素子19及び回収部材80に対して移動可能な可動部材に配置される。その可動部材は、射出面18と対向する位置に移動可能である。本実施形態において、可動部材は、基板ステージ2P及び計測ステージ2Cの少なくとも一方を含む。本実施形態において、導光部材94は、基板ステージ2Pに配置される。導光部材95は、計測ステージ2Cに配置される。
本実施形態において、基板ステージ2Pの内部に、露光光ELが通過可能な通路(経路)96が形成されている。導光部材94は、通路96に配置される。また、本実施形態において、計測ステージ2Cの内部に、露光光ELが通過可能な通路(経路)97が形成されている。導光部材95は、通路97に配置される。
本実施形態においては、終端光学素子19及び液浸部材3と基板ステージ2Pとの間に液浸空間LSが形成された状態で、回収部材80のクリーニングが行われる。図32に示すように、本実施形態において、経路96の上端の開口には、露光光ELを透過可能な部材98が配置される。部材98は、射出面18と対向する位置に配置される。液浸空間LSの少なくとも一部は、部材98上に形成される。
メンテナンスシーケンスにおいて、射出面18から射出された露光光ELは、液浸空間LSの液体LQ及び部材98を通過した後、経路96に配置されている導光部材94に入射する。本実施形態において、導光部材94は、反射面を有する反射部材を含む。導光部材94に入射した露光光ELは、導光部材94の反射面で反射し、経路96を進行した後、経路97に入射する。経路97に入射した露光光ELは、経路97に配置されている導光部材95に入射する。本実施形態において、導光部材95は、反射面を有する反射部材を含む。導光部材95に入射した露光光ELは、導光部材95の反射面で反射し、経路97の上端の開口から射出される。経路97から射出された露光光ELは、回収部材80に照射される。これにより、回収部材80がクリーニング光でクリーニング(光洗浄)される。
導光部材95の反射面は、曲面でもよい。導光部材95の反射面は、凸面でもよいし、凹面でもよい。導光部材95が搭載されている計測ステージ2Cが移動することによって、導光部材95に入射し、その導光部材95の反射面で反射した露光光ELの進行方向(反射角度)を変えることができる。
なお、給気口(50S、29等)と回収部材80の下面とを対向させた状態で、給気口(50S、29等)から多孔部材80の下面に気体を吹き付けてもよい。これにより、多孔部材80の下面の異物は、下面から除去される。また、多孔部材80の下面に気体を吹き付けることにより、多孔部材80の下面の異物は、その多孔部材80の孔の内部に入り込む。これにより、その後に行われる露光シーケンスにおいて、多孔部材80の異物が基板P等に付着することが抑制される。
なお、本実施形態において、射出面18からの露光光ELを、導光部材を介して多孔部材36に照射してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、カバー部材CPが、基板ステージ2Pの第1保持部21に保持された状態で搬送され、第1保持部21及び保持機構4の一方から他方へ渡されることとしたが、第1保持部21とは異なる、カバー部材CPをリリース可能に保持する保持部を基板ステージ2Pに設けてもよい。また、例えば図33に示すように、計測ステージ2Cに、カバー部材CPをリリース可能に保持する保持部100及びカバー部材CPを昇降する移動装置101を設け、カバー部材CPを保持部100及び保持機構4の一方から他方へ渡すこととしてもよいし、計測ステージ2Cを用いてカバー部材CPを搬送してもよい。また、基板ステージ2P及び計測ステージ2Cとは異なるステージ装置を用いて、カバー部材CPを搬送してもよい。
なお、図34に示すような液浸部材300の下面240とカバー部材CPとを対向させてもよい。図34において、液浸部材300は、液体LQを供給する供給口330と、カバー部材CP等の物体が対向可能な位置に配置される回収口340と、回収口340から回収された流体が流れる回収流路340Pと、回収流路340Pに配置され、主に回収流路340Pの液体LQを回収し、気体の流入が抑制された回収口351と、回収流路340Pに配置され、主に回収流路340Pの気体を回収し、液体LQの流入が抑制された回収口352とを有する。図34に示す液浸部材300においても、メンテナンスシーケンスにおいて、下面240と対向するようにカバー部材CPを配置し、液浸空間LSを形成することによって、気化熱の発生を抑制しつつ、メンテナンスシーケンスを円滑に行うことができる。
なお、上述の各実施形態においては、カバー部材CPは、第1搬送部材9Aから基板ステージ2Pへ渡され、その基板ステージ2Pから保持機構4へ渡されることとしたが、第2搬送部材9Aから基板ステージ2Pへ渡され、その基板ステージ2Pから保持機構4へ渡されてもよい。また、メンテナンスの終了後、カバー部材CPが、保持機構4から基板ステージ2Pへ渡され、その基板ステージ2Pから第1搬送部材9Aへ渡されてもよい。すなわち、カバー部材CPは、基板Pが搬送される経路とは異なる経路(逆の経路)で搬送されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、メンテナンスシーケンスにおいてカバー部材CP上に供給される液体LQが、露光シーケンスにおいて基板P上に供給される液体LQと同じ液体であることとしたが、異なる液体でもよい。例えば、メンテナンスシーケンスでカバー部材CP上に供給される液体が、過酸化水素を含む液体(例えば水)でもよいし、アルコールを含む液体でもよい。
なお、上述の各実施形態において、エンコーダシステム5が、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号に開示されているような、基板ステージに配置されたエンコーダヘッドと、投影光学系PL(液浸部材3)の周囲に配置されたスケール板(グリッド板)とを備えてもよい。
なお、上述したように、制御装置400は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置400は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置500は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置500には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
なお、制御装置400に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
記憶装置500に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)4が読み取り可能である。記憶装置500には、制御装置400に、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する露光装置EXの制御を実行させるプログラムが記録されている。
記憶装置500に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置400に、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給するとともに、第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給するとともに、回収口に対する気体の流入を第1処理よりも抑制しつつ、第2液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、を実行させてもよい。
また、記憶装置500に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置400に、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材の上面において第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させることと、を実行させてもよい。
また、記憶装置500に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置400に、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給するとともに、第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給するとともに、第2液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、第2処理において、下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制することと、を実行させてもよい。
また、記憶装置500に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置400に、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材を保持機構から保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、可動部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を実行させてもよい。
また、記憶装置500に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置400に、基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように基板が配置された状態で、射出面側に第1液体を供給して、第1液体を介して基板を露光することと、第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が射出面及び下面の少なくとも一部と対向するように、カバー部材を保持機構で保持することと、第2処理において、射出面側に第2液体を供給することと、カバー部材を保持機構から保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、カバー部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を実行させるプログラムが提供される。
記憶装置500に記憶されているプログラムが制御装置400に読み込まれることにより、基板ステージ2P、計測ステージ2C、液浸部材3、及び保持機構4等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間LSが形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理を実行する。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子19の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子19の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系PLを採用することができる。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQとして水を用いているが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、図35に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2Pa、2Pbを備えている場合、射出面18と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの第1保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの第1保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
なお、上述の各実施形態において、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いて各ステージの位置を計測することとしたが、エンコーダシステムがなくてもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
上述の実施形態の露光装置EXは、各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図36に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。露光シーケンス及びメンテナンスシーケンスは、例えば基板処理ステップ204において実行される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2P…基板ステージ、2C…計測ステージ、3…液浸部材、4…保持機構、5…エンコーダシステム、6…ヘッドユニット、15…第1保持部、18…射出面、19…終端光学素子、33…供給口、34…回収口、36…多孔部材、50…クリーニング装置、60…クリーニング装置、400…制御装置、500…記憶装置、CP…カバー部材、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板、T…スケール部材
Claims (47)
- 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、
前記基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように前記カバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、
前記第1処理において前記射出面側に供給された前記第1液体の少なくとも一部を回収し、前記第2処理において前記射出面側に供給された第2液体の少なくとも一部を回収する回収口と、を備え、
前記第2処理における前記回収口に対する気体の流入が、前記第1処理における前記回収口に対する気体の流入よりも抑制される露光装置。 - 前記第2処理において、前記回収口に対して実質的に気体が流入しない請求項1に記載の露光装置。
- 前記カバー部材の上面が対向可能な第1面、前記第1面の反対方向を向く第2面、及び前記第1面と前記第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材を備え、
前記回収口は、前記多孔部材の孔を含む請求項1又は2に記載の露光装置。 - 前記カバー部材の上面と前記第1面との間の前記第2液体が前記回収口から回収され、前記回収口に対する気体の流入が抑制されるように、前記第1面が面する第1空間の圧力及び前記第2面が面する第2空間の圧力の一方又は両方が調整される請求項3に記載の露光装置。
- 前記カバー部材の上面において前記第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させる液体制御装置を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記液体制御装置は、前記第2液体の供給量及び回収量の一方又は両方を調整して、前記液浸空間の面積を変化させる請求項5に記載の露光装置。
- 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、
前記基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように前記カバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、
前記カバー部材の上面において第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させる液体制御装置と、を備える露光装置。 - 前記液体制御装置は、前記下面のほぼ全域が前記第2液体と接触するように、前記液浸空間の面積を変化させる請求項5〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記射出面及び前記下面と前記カバー部材との間に供給された前記第2液体の少なくとも一部を回収する回収口を備え、
前記液体制御装置は、前記第2液体の供給量及び回収量の一方又は両方を調整して、前記液浸空間の面積を変化させる請求項7又は8に記載の露光装置。 - 前記回収口は、前記下面の少なくとも一部に配置される請求項9に記載の露光装置。
- 前記下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制する抑制装置を備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
- 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、
前記基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように前記カバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、
前記第2処理において前記射出面側に供給された第2液体の少なくとも一部を回収する回収口と、
前記第2処理において前記下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制する抑制装置と、を備える露光装置。 - 前記回収口は、前記下面の少なくとも一部に配置される請求項12に記載の露光装置。
- 前記抑制装置は、前記回収口に気体が流入することを抑制して、前記異物の接近を抑制する請求項12又は13に記載の露光装置。
- 前記抑制装置は、前記下面が面する空間の圧力を、その外側の空間の圧力よりも高くする請求項12〜14のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記抑制装置は、前記下面が面する空間からその外側の空間に向かって気体を流す請求項12〜15のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記カバー部材をリリース可能に保持する保持部を有し、前記保持機構に対して移動可能な可動部材を備え、
前記カバー部材は、前記可動部材及び前記保持機構の一方から他方へ渡される請求項1〜16のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記カバー部材を前記保持機構から前記保持部へ渡す前に、前記可動部材の少なくとも一部をクリーニングする第1クリーニング装置を備える請求項17に記載の露光装置。
- 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、
前記基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように前記カバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、
前記カバー部材をリリース可能に保持する保持部を有し、前記保持機構に対して移動可能な可動部材と、
前記カバー部材を前記保持機構から前記保持部へ渡す前に、前記可動部材の少なくとも一部をクリーニングする第1クリーニング装置と、を備える露光装置。 - 前記カバー部材を前記保持機構から前記保持部へ渡す前に、前記カバー部材の少なくとも一部をクリーニングする第2クリーニング装置を備える請求項17〜19のいずれか一項に記載の露光装置。
- 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、下面を有する液浸部材と、
前記基板の露光を含む第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように前記カバー部材をリリース可能に保持する保持機構と、
前記カバー部材をリリース可能に保持する保持部を有し、前記保持機構に対して移動可能な可動部材と、
前記カバー部材を前記保持機構から前記保持部へ渡す前に、前記カバー部材の少なくとも一部をクリーニングする第2クリーニング装置と、を備える露光装置。 - 前記可動部材は、前記基板を保持して移動可能である請求項17〜21のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記保持部は、前記基板をリリース可能に保持する請求項22に記載の露光装置。
- 前記カバー部材が前記保持機構に保持されている状態において、前記可動部材は、前記カバー部材の下方の空間を移動可能である請求項17〜23のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記保持機構は、前記液浸部材の周囲の少なくとも一部に配置される請求項1〜24のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記保持機構は、前記カバー部材の上面の少なくとも一部を保持する請求項1〜25のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記カバー部材の上面の外形は、前記液浸部材の下面の外形よりも大きい請求項1〜26のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記液浸部材の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1液体及び前記第2液体の一方又は両方を回収する回収部材を有する請求項1〜27のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記回収部材は、多孔部材を含む請求項28に記載の露光装置。
- 前記回収部材をクリーニングする第3クリーニング装置を備える請求項28又は29に記載の露光装置。
- 前記第3クリーニング装置は、前記回収部材にクリーニング光を照射する請求項30に記載の露光装置。
- 前記クリーニング光は、前記射出面から射出される前記露光光を含む請求項31に記載の露光装置。
- 前記第3クリーニング装置は、前記射出面から射出される前記露光光を前記回収部材へ導く導光部材を含む請求項32に記載の露光装置。
- 前記導光部材は、前記射出面と対向する位置に移動可能である請求項33に記載の露光装置。
- 請求項1〜34のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給するとともに、前記第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給するとともに、前記回収口に対する気体の流入を前記第1処理よりも抑制しつつ、前記第2液体の少なくとも一部を前記回収口から回収することと、を含む露光方法。 - 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給することと、
前記カバー部材の上面において前記第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させることと、を含む露光方法。 - 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給するとともに、前記第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給するとともに、前記第2液体の少なくとも一部を前記回収口から回収することと、
前記第2処理において、前記下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制することと、を含む露光方法。 - 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給することと、
前記カバー部材を前記保持機構から前記保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、前記可動部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を含む露光方法。 - 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給することと、
前記カバー部材を前記保持機構から前記保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、前記カバー部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を含む露光方法。 - 請求項36〜40のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給するとともに、前記第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給するとともに、前記回収口に対する気体の流入を前記第1処理よりも抑制しつつ、前記第2液体の少なくとも一部を前記回収口から回収することと、を実行させるプログラム。 - コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給することと、
前記カバー部材の上面において前記第2液体で形成される液浸空間の面積を変化させることと、を実行させるプログラム。 - コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給するとともに、前記第1液体の少なくとも一部を回収口から回収して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給するとともに、前記第2液体の少なくとも一部を前記回収口から回収することと、
前記第2処理において、前記下面の少なくとも一部に異物が接近することを抑制することと、を実行させるプログラム。 - コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給することと、
前記カバー部材を前記保持機構から前記保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、前記可動部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を実行させるプログラム。 - コンピュータに、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
前記基板の露光を含む第1処理において、光学部材の射出面、及び前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材の下面の少なくとも一部と対向するように前記基板が配置された状態で、前記射出面側に前記第1液体を供給して、前記第1液体を介して前記基板を露光することと、
前記第1処理とは異なる第2処理において、カバー部材の上面が前記射出面及び前記下面の少なくとも一部と対向するように、前記カバー部材を保持機構で保持することと、
前記第2処理において、前記射出面側に第2液体を供給することと、
前記カバー部材を前記保持機構から前記保持機構に対して移動可能な可動部材の保持部へ渡す前に、前記カバー部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、を実行させるプログラム。 - 請求項42〜46のいずれか一項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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