JP2013134826A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に優れ、高容量な非水電解質二次電池を生産性高く提供する。
【解決手段】帯状の正極板と、帯状の負極板と、前記正極板と前記負極板を離隔するセパレータと、が巻回されてなる巻回電極体と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記セパレータは、ポリオレフィン製微多孔膜と、前記微多孔膜の両面に設けられた、無機粒子を含む第1及び第2の多孔質層と、を有し、前記第1の多孔質層の厚みが、前記第2の多孔質層の厚みよりも厚く、前記第1の多孔質層の厚みが、2μm以上であり、前記第2の多孔質層の厚みが、0.3μm以上であり、前記第1の前記多孔質層の厚みと、前記第2の多孔質層の厚みとの差が、0.3μm以上であり、且つ、前記第1の多孔質層の厚みと、前記第2の多孔質層の厚みとの和が、4μm未満であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、詳しくは非水電解質二次電池のセパレータに関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末の高機能化・小型化および軽量化が急速に進展している。これらの端末の駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が広く利用されている。
非水電解質二次電池のセパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が用いられている。このセパレータは、電池温度が異常に上昇した場合にはその材料が溶融して空孔を閉塞する、いわゆるシャットダウン機能を有しており、これにより電池の安全性が確保されている。
ところで、良質なセパレータを製造する際に、延伸が行われるが、電池温度が異常に上昇した場合には、延伸の残留応力によってセパレータが収縮してしまうという問題がある。セパレータが熱収縮すると、正負極板間の一部にセパレータが存在していない内部短絡した部分が生じてしまうため、このような内部短絡を防止することが求められている。
この問題を解決するため、特許文献1は、微多孔質膜の両面に多孔質層を設け、セパレータの熱収縮を抑制する技術を提案している。
特開2011-65850号公報
特許文献1は、ポリオレフィン製微多孔質膜の片面に、塊状の無機微粒子Aを主体として含む多孔質膜Aを有し、かつポリオレフィン製微多孔質膜の他面に、板状の無機微粒子Bを主体として含む多孔質膜Bを有するセパレータを用いる技術である。この技術によると、異常過熱時における安全性および負荷特性に優れたリチウム二次電池が得られるとされる。
しかしながら、上記特許文献1にかかる技術では、充放電反応に直接寄与しない多孔質膜によって放電容量が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、安全性が高く、負荷特性やサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を、生産性高く提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、帯状の正極板と、帯状の負極板と、前記正極板と前記負極板を離隔するセパレータと、が巻回されてなる巻回電極体と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記セパレータは、ポリオレフィン製微多孔膜と、前記微多孔膜の両面に設けられた、無機粒子を含む第1及び第2の多孔質層と、を有し、前記第1の多孔質層の厚みが、前記第2の多孔質層の厚みよりも厚く、前記第1の多孔質層の厚みが、2μm以上であり、前記第2の多孔質層の厚みが、0.3μm以上であり、前記第1の前記多孔質層の厚みと、前記第2の多孔質層の厚みとの差が、0.3μm以上であり、且つ、前記第1の多孔質層の厚みと、前記第2の多孔質層の厚みとの和が、4μm未満であることを特徴とする。
ポリオレフィン製の微多孔膜上に多孔質層を形成すると、この多孔質層が微多孔膜の熱収縮を抑制するように作用し、微多孔膜の熱収縮によって正負電極板が内部短絡することを防止できる。
ところで、微多孔膜上への多孔質層の形成は、微多孔膜上に無機粒子と溶媒とを含むスラリーを塗布し、乾燥することにより行われる。この乾燥工程において、溶媒の揮発によって多孔質層の体積は収縮するが、微多孔膜の体積は収縮しない。このため、微多孔膜の一方面にのみ多孔質層を形成する場合、体積収縮のアンバランスによって完成したセパレータが湾曲し、その後の積層や巻取り工程においてセパレータの折れや巻ズレが生じ易くなり、生産効率や歩留まりが悪くなるとともに、正負極の対向状態が悪くなって放電特性の低下を引き起こすおそれがある。
これに対し、微多孔膜の両面に多孔質層を形成する場合、微多孔膜両面での体積収縮のバランスが保たれるので、セパレータの湾曲は防止できる。しかしながら、充放電反応に寄与しない多孔質層の合計厚みが大きくなって放電容量が低下するとともに、セパレータのイオン透過性が低下して負荷特性の低下を招くおそれがある。
上記本発明の構成では、多孔質層の厚みが、厚みの厚いほう(第1の多孔質層)では2μm以上と十分に確保されているので、微多孔膜の不要な溶融・収縮を防止できる。また、微多孔膜の両面に多孔質層が形成されているので、セパレータの湾曲を防止できる。そして、第2の多孔質層の厚みを、第1の多孔質層の厚みよりも0.3μm以上薄くし、且つ、第1の多孔質層の厚みと第2の多孔質層の厚みの和を4μm未満として、合計厚みの増大による放電容量や負荷特性の低下を防止している。これらの作用によって、安全性が高く、高容量で負荷特性に優れた非水電解質二次電池を高効率で生産することができる。
また、多孔質層は、セパレータの熱収縮を抑制する作用とともに、非水電解質を保持し、電極板へ供給する作用を有するので、正負電極板の非水電解質が抑制され、サイクル特性が高まるという効果も得られる。
なお、均質な多孔質層の形成を容易とするために、第2の多孔質層(厚みの薄い多孔質層)の厚みは、0.3μm以上とする。
上記構成において、前記第1の多孔質層が、前記負極板と対向し、前記第2の多孔質層が、前記正極板と対向している構成とすることができる。
上述したように、多孔質層は、非水電解質を保持し、電極板へ供給する作用を有するが、この作用は、多孔質層の厚みが増大に伴い大きくなる。ここで、負極板への非水電解質の供給能を高める方が、正極板への非水電解質の供給能を高めるよりも、サイクル特性をより向上できる。よって、厚みの厚い第1の多孔質層が、負極板と対向している構成を採用することが好ましい。
ここで、多孔質層には、無機粒子が必須成分として含まれるが、これに加えて結着剤やその他の添加剤を含んでいてもよい。また、無機粒子、結着剤、その他の添加剤等の多孔質層の構成材料は、いずれも絶縁性材料であることが好ましい。
無機粒子としては、アルミニウム、ケイ素、チタンの酸化物や窒化物を用いることができ、これらを複数種混合して用いることもできる。
結着剤としては、アクリロニトリルを含むゴム系高分子や、ポリビニリデンフルオライドを用いることが好ましい。
また、微多孔膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの混合ないし積層した材料等を用いることが好ましい。微多孔膜の厚みは、3〜25μmであることが好ましい。
また、セパレータ(微多孔膜+多孔質層)の空隙率は30〜60%とすることが好ましい。
本発明によると、セパレータの不要な熱収縮とセパレータの湾曲とを抑制し、これにより安全性に優れた非水電解質二次電池を生産性高く提供することができる。
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池における、正負電極板とセパレータの積層構造を説明する模式図である。
以下に、本発明を実施するための形態を、実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)と、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)と、を質量比1:1で混合した正極活物質と、導電剤としての炭素粉末と、結着剤としてのポリビニリデンフルオライド(PVdF)とを、質量比96:2:2の割合で混合し、これらをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質スラリーを調製した。
次に、ドクターブレードを用いて、帯状のアルミニウム箔(厚さが15μm)からなる正極芯体の両面に、この正極活物質スラリーを均一な厚みで塗布した。この極板を乾燥機内に通して、スラリー調製時に用いた有機溶媒(NMP)を除去し、乾燥極板を作製した。この乾燥極板を、ロールプレス機を用いて圧延し、所定のサイズに裁断して、正極板を得た。この正極板に、幅3mm、厚み0.15mmの、アルミニウム製の正極集電タブを取り付けた。
<負極の作製>
負極活物質としての人造黒鉛粉末と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴムと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを、質量比98:1:1の割合で混合し、これらを水と混合し、負極活物質スラリーを調製した。
次に、ドクターブレードを用いて、帯状の銅箔(厚さが12μm)からなる負極芯体の両面に、この負極活物質スラリーを均一な厚さで塗布した。この極板を乾燥機内に通して、スラリー調製時に用いた水分を除去し、乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機を用いて圧延し、所定のサイズに裁断して、負極板を得た。この負極板に、幅3mm、厚み0.15mmの、Cu−Niクラッド材製の負極集電タブを取り付けた。
<セパレータの作製>
アルミナ粉末(平均粒径0.2μm)と、アクリロニトリル構造を有する共重合体の分散液(固形分濃度40質量%)と、を固形分質量比95:5で、混錬機(特殊機化製Filmics)内に投入し、混合分散して、分散スラリーを得た。
ポリエチレン製の微多孔膜(厚み16μm)の両面に、上記分散スラリーをグラビアコート方式により塗布し、乾燥させて、微多孔膜の両面に多孔質層を形成した。このとき、多孔質層の厚みは、第1の多孔質層で2μm、第2の多孔質層で0.5μmとなるようにした。
<電極体の作製>
正極板と負極板と上記セパレータとを、第1の多孔質層が負極板と対向するように重ね合わせ、巻き取り機により巻回し、絶縁性の巻き止めテープを設けて、巻回電極体を完成させた。
この時の電極体における正負電極板とセパレータの積層構造は、図1に示すように、微多孔膜1aに設けられた厚みの厚い第1の多孔質層1bが負極板2と対向し、厚みの薄い第2の多孔質層1cが正極板3と対向した構造となる。
<非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比15:10:75の割合(1気圧、25℃と換算した場合における)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてのLiPFを1.2M(モル/リットル)の割合で溶解して非水電解質となした。
<電池の組み立て>
上記巻回電極体の上下面にそれぞれ絶縁板を配置し、有底円筒形の外装缶内に上記電極体を挿入し、正極集電タブを封口板に、負極集電タブを外装缶にそれぞれ溶接した。こののち、上記非水電解質を外装缶内に注液した。こののち、絶縁ガスケットを用いて封口板をカシメ固定し、直径18mm、高さ65mmである実施例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
正極板と負極板と上記セパレータとを、第1の多孔質層が正極と対向するように重ね合わせ、巻き取り機により巻回したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る電池を作製した。
(実施例3)
第1の多孔質層の厚みを3μm、第2の多孔質層の厚みを0.9μmとなるようにしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る電池を作製した。
(比較例1)
多孔質層を設けていない微多孔膜をセパレータとして用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る電池を作製した。
(比較例2)
第1及び第2の多孔質層の厚みをともに1μmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る電池を作製した。
(比較例3)
第2の多孔質層を形成しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3に係る電池を作製した。
(比較例4)
第2の多孔質層の厚みを2μmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例4に係る電池を作製した。
(比較例5)
第1の多孔質層の厚みを4μmとし、第2の多孔質層を形成しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例5に係る電池を作製した。
〔外部短絡試験〕
上記実施例1〜3、比較例1〜5と同じ条件で電池をそれぞれ3個作製し、以下に示す条件で充電した。これらの電池に対し、10mΩの抵抗にて外部短絡させ、電圧が0Vとなるまで放電した。この試験後の電池を解体し、セパレータの溶融・収縮の有無を目視にて確認した。この結果を、溶融や収縮が全くなかったものを溶融無、溶融が一つ以上あったものを溶融有と評価して、下記表1に示す。なお、この試験は全て25℃条件で行った。
充電:定電流1It(1.5A)で電圧が4.3Vとなるまで、その後定電圧4.3Vで電流が0.02It(30mA)となるまで
〔耐圧試験〕
上記非水電解質を注液しなかったこと以外は上記実施例1〜3、比較例1〜5と同じ条件で、試験セルをそれぞれ10000個作製した。これらの電池に400Vの電圧を0.5秒印加した。このとき、漏れ電流が11mAより大きくなったものを不良と判定した。なお、この試験は全て25℃条件で行った。この結果(不良率)を下記表1に示す。
〔充放電サイクル試験〕
上記実施例1〜3、比較例1〜5と同じ条件で電池をそれぞれ3個作製し、これらの電池を下記条件で充放電し、放電容量が初期放電容量の60%未満となるまでのサイクル数を測定した。なお、この充放電は全て25℃条件で行った。この結果(平均値)を下記表1に示す。
充電:定電流1It(1.5A)で電圧が4.3Vとなるまで、その後定電圧4.3Vで電流が0.02It(30mA)となるまで
放電:定電流20で電圧が2.5Vとなるまで
〔負荷特性試験〕
上記実施例1〜3、比較例1〜5と同じ条件で電池をそれぞれ3個作製し、これらの電池を下記条件で充放電し、放電容量を測定した。下記式により負荷特性を算出した。なお、この充放電は全て25℃条件で行った。この結果(平均値)を下記表1に示す。
充電:定電流1It(1.5A)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が0.02It(30mA)となるまで
放電:定電流0.2It(300mA)で電圧が2.75Vとなるまで
充電:定電流1It(1.5A)で電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が0.02It(30mA)となるまで
放電:定電流20It(30A)で電圧が2.75Vとなるまで
負荷特性(%)=20It放電容量÷0.2It放電容量×100
上記表1から、セパレータに多孔質層を設けていない比較例1は、放電容量が初期放電容量の60%未満となるまでのサイクル数が550回であるのに対し、セパレータに多孔質層を設けた実施例1〜3、比較例2〜5では、700〜850回と優れていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。多孔質層は、電解液を保持し、電極へ供給する作用を有する。このため、多孔質層を設けたセパレータを用いた電池では、充放電サイクルを繰り返し行っても電解液が十分に供給されるので、サイクル特性が高まる。
また、上記表1から、セパレータに厚みが2μm以上の多孔質層を設けていない(第1の多孔質層の厚みが2μm未満である)比較例1、2は、外部短絡試験でセパレータ(微多孔膜)の溶融があったのに対し、第1の多孔質層の厚みが2μm以上である実施例1〜3、比較例3〜5では、外部短絡試験で微多孔膜の溶融がなく、安全性に優れていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。多孔質層は、微多孔膜の熱収縮を抑制する作用を有するが、この作用は、多孔質層の厚みの和ではなく、単独の多孔質層の厚みに依存する。そして、単独の多孔質層(厚みの厚い第1の多孔質層)の厚みが2μm未満であると、微多孔膜の熱収縮を十分に抑制できない。
また、上記表1から、第1の多孔質層を設け、且つ、第2の多孔質層を設けていない比較例3、5は、耐圧試験での不良率が0.7%、0.6%であったのに対し、第1及び第2の多孔質層を設けた実施例1〜3、比較例2、4は、耐圧試験での不良率が0.01〜0.02%と、不良発生を抑制できることがわかる。
このことは、次のように考えられる。微多孔膜上への多孔質層の形成は、セパレータ上に無機粒子を有するスラリーを塗布し、乾燥することにより行わったが、この乾燥工程において、多孔質層は体積収縮するが、微多孔膜は体積収縮が起こらない。このため、微多孔膜の一方面にのみ多孔質層を形成する場合、体積収縮によってセパレータが湾曲し、セパレータの折れや巻ズレが生じ易くなり、電池性能の低下を引き起こすリスクが高まる。これに対し、微多孔膜の両面に多孔質層を形成する場合、微多孔膜の両面での体積収縮が均一化され、これによりセパレータの湾曲を防止でき、電池性能の低下を抑制できる。
また、上記表1から、第1の多孔質層と第2の多孔質層の厚みの和が4μmである比較例4、5は、負荷特性が90.4%、90.0%であったのに対し、第1の多孔質層と第2の多孔質層の厚みの和が2.5〜3.9μmである実施例1〜3は、耐圧試験での負荷特性が91.0〜92.1%と、負荷特性に優れることがわかる。
このことは、次のように考えられる。多孔質層の厚みの和が大きくなるに伴い、リチウムイオンのセパレータの透過性が悪くなり、ハイレート放電時の放電容量を低下させてしまう。このため、第1の多孔質層の厚みと第2の多孔質層の厚みの和は、4μm未満とする。より好ましくは3.9μm以下とし、さらに好ましくは3.0μm以下とする。
また、上記表1から、実施例1〜3の中でも、多孔質層の厚みが、負極側>正極側である実施例1、3では、放電容量が初期放電容量の60%未満となるまでのサイクル数が850回、760回、負荷特性が92.1%、91.2%と、負極側<正極側である実施例2の700回、91.0%よりも優れていることが分かる。
このことは、負極板と対向する多孔質層の厚みを大きくし、負極板への電解液の供給能を高める方が、正極板への電解液の供給能を高める場合よりもサイクル特性を高める効果が大きいためと考えられる。
(追加事項)
正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物や、これらの化合物に含まれる遷移金属元素の一部を他の金属元素(Zr,Mg,Ti,Al等)に置換した化合物が好ましい。また、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物としては、リン酸鉄リチウムが好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。
負極活物質としては、黒鉛等の炭素質物、ケイ素、スズ等の合金や酸化物等の、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる物質を用いることが好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジノルマルブチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル類、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネート等のカルボン酸エステル類、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のアミド類、スルホラン等の含硫黄化合物等を一種又は複数種混合して用いることが好ましい。
電解質塩としては、LiClO、LiCFSO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO等を一種又は複数種混合して用いることが好ましい。また、電解質塩の濃度は、0.5〜2.0M(モル/リットル)とすることが好ましい。
以上説明したように、本発明によると、安全性が高く、負荷特性やサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を実現できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
1a 微多孔膜
1b 第1の多孔質層
1c 第2の多孔質層
2 負極板
3 正極板

Claims (2)

  1. 帯状の正極板と、帯状の負極板と、前記正極板と前記負極板を離隔するセパレータと、が巻回されてなる巻回電極体と、非水溶媒及び電解質塩を有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記セパレータは、ポリオレフィン製微多孔膜と、前記微多孔膜の両面に設けられた、無機粒子を含む第1及び第2の多孔質層と、を有し、
    前記第1の多孔質層の厚みが、前記第2の多孔質層の厚みよりも厚く、
    前記第1の多孔質層の厚みが、2μm以上であり、
    前記第2の多孔質層の厚みが、0.3μm以上であり、
    前記第1の前記多孔質層の厚みと、前記第2の多孔質層の厚みとの差が、0.3μm以上であり、且つ、前記第1の多孔質層の厚みと、前記第2の多孔質層の厚みとの和が、4μm未満である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
    前記第1の多孔質層が、前記負極板と対向し、前記第2の多孔質層が、前記正極板と対向している、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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