JP2013134294A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで表示ムラの無いHtVA型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】誘電異方性が正の液晶組成物を用いたVA型の液晶表示装置であって、液晶表示素子の両側に、アセチル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であり、Mw/Mn(数平均分子量に対する重量平均分子量の比の値)が3〜8の範囲内であるセルロースエステルを含有する位相差フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶表示装置に関し、特に、誘電異方性が正の液晶分子を垂直配向させ、片側基板に駆動電極を設けることで、画面に平行な電場を与え、駆動する液晶表示装置に関する。
近年、多く市場に出ているVA型液晶表示装置は誘電率異方性が負の液晶組成物を有する液晶表示素子を用い、液晶表示素子の両面に電極を設けて駆動している。しかし、近年、省電力及び低コスト化の要求が高まっており、誘電率異方性が正の液晶組成物を用い、電極を液晶表示素子の片側だけに設けることで、駆動部の製造費用を節減し、視認側の駆動部配線を省くことにより開口部を拡大し、光透過率を向上させることができるVA型液晶表示装置(HtVA型液晶表示装置ともいう。)が提案されている(特許文献1参照)。
従来のVA型液晶表示装置は、負の誘電異方性を有する液晶組成物の層を有し、電圧を掛けないとき(黒表示時)には液晶分子の長軸は画面に垂直の方向に配向しており、電圧を掛けることにより電場の方向と垂直(画面と平行)になる。これに対し、HtVA型液晶表示装置は、正の誘電異方性を有する液晶組成物を有し、電圧を掛けないとき(黒表示時)には、上記と同様に、液晶分子の長軸は画面に垂直の方向に配向しているが、電圧を掛けると液晶分子の長軸が、電場の方向(画面と平行)に配向する。
従来のVA型液晶表示装置及びHtVA型表示装置において、前記液晶表示素子の黒表示時のバックライトの透過率をゼロにすることはできない。この理由の一つは、液晶分子が全て画面に垂直に配向しているわけではなく、揺らいでおり、液晶層に入射した光が散乱され、偏光状態が変化し、視認側の偏光子を透過するためであることが知られている。このようにして透過した光は表示ムラとして観察者に視認される。そのため、VA型表示装置の表示ムラを防止するために、大きなRt(厚さ方向のリターデーション値)を有する位相差フィルムを備えることが必要であった。
一方、HtVA型液晶表示装置では、新たな課題が発生している。例えば、液晶表示素子の光透過率の向上による液晶表示装置の輝度上昇のためか、従来のVA型液晶表示装置では気付かれなかった表示ムラが認識されるようになり、問題となっている。
大きなRtを有するフィルムとして、非セルロースエステル系フィルムが知られている。これまでに、従来の液晶表示装置の偏光板に用いる光学補償フィルム(位相差フィルムともいう。)として、非セルロースエステル系フィルムを用い、光学特性と光弾性率を制御する技術、及び、アクリル系樹脂フィルム又はPETフィルムを用いることにより反りを防止する技術、等により表示ムラが改善することが知られている。
しかし、本発明者らが検討を行った結果、上記技術ではHtVA型液晶表示装置の表示ムラを完全には解決できなかった。
一方、偏光板に用いる光学補償フィルムとして、セルロースエステル系フィルムも、広く用いられてきている。従来、偏光子としてPVAにヨウ素錯体を吸着させたものが用いられてきており、この偏光子の両面を光学補償フィルムと保護フィルムで挟み、偏光板を製造している。この偏光子と光学補償フィルムとの密着性や偏光板の偏光子を乾燥させる際の透湿性等の観点から、光学補償フィルムとして、セルロース系フィルムは優れており、また、現行偏光板製造プロセスへの適性、コスト等の点からも、セルロース系フィルムが好ましく用いられてきている。しかし、セルローストリアセテート等の一般的に使用されているセルロースエステルフィルムは、Rtが小さいので、HtVA型液晶表示装置用の位相差フィルムとしては十分な性能といえない。
一方、大きなリターデーション値を有するセルロース系フィルムとしては、セルロースフィルムにディスコティック液晶を塗布して作製された積層型の位相差フィルムも知られているが、フィルム設計の自由度が低く、複数層構成のため薄膜化の点で不利であり、塗布工程を有するためコスト等の点でも好ましくない。
大きな位相差を有するセルロースエステル系フィルムを作製する方法として、位相差発現剤を添加することが知られているが、位相差が逆波長分散性を有しないため、ムラ状に漏れた光が赤色であり、表示ムラが目立ち好ましくない。
特許文献2では、VA型液晶表示装置用の高いRtを有する位相差フィルムに関し、低アシル基置換度のセルロースエステルを用いた一層構成の位相差フィルムが高温高湿下の液晶表示装置の表示ムラを改善することが開示されている。
しかし、HtVA型液晶表示素子の表示ムラは、従来のVA型液晶表示素子よりも大きいため、特許文献2に記載された、低アシル基置換度のセルロースエステルを有する位相差フィルムを用いても、HtVA型液晶表示装置の表示ムラは無くならなかった。
特開2009−301010号公報 特開2007−93897号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、省電力化が可能なHtVA型液晶表示装置の上記問題を解決し、低コストで表示ムラの無いHtVA型液晶表示装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、位相差発現性に優れ、かつ強い逆波長分散性を有する低アシル基置換度のセルロースエステルからなる逆波長分散性の位相差フィルムを用いた場合、順波長分散性の位相差フィルムを用いた場合と比較して斜め方向の色味が青色になることが分かった。人の視感度は青<赤<緑であり、漏れ光を青領域にすることで赤領域よりも視感的な輝度ムラ、色ムラを改善し、表示ムラを防止できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.誘電異方性が正の液晶組成物を用いたVA型の液晶表示装置であって、液晶表示素子の両側に、アセチル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であり、Mw/Mn(数平均分子量に対する重量平均分子量の比の値)が3〜8の範囲内であるセルロースエステルを含有する位相差フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
2.前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長630nmnmで測定したときの面内方向のリターデーション値に対する、光波長450nmで測定したときの面内方向のリターデーション値の比の値Ro(450)/Ro(630)が0.88〜0.98の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の液晶表示装置。
3.前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長589nmで測定したときの厚さ方向のリターデーション値Rt(589)が100〜300nmの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の液晶表示装置。
4.前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長589nmで測定したときの厚さ方向のリターデーション値Rt(589)が140〜200nmの範囲内であり、面内リターデーション値Ro(589)が40〜130nmの範囲内であることを特徴とする第1項〜第3項のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
5.前記位相差フィルムの膜厚が、30〜80μmの範囲内であることを特徴とする第1項〜第4項のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
本発明の上記手段により、表示ムラのないHtVA型の液晶表示装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
誘電異方性が正の液晶組成物を用いたHtVA型液晶表示装置は、駆動電極が片側にしかなく、液晶層に均一で強い電場を掛けることができないため、動かない液晶分子が存在する。このため、HtVA型液晶表示装置は、誘電異方性が負の液晶組成物を用いたVA型液晶表示装置より液晶層を厚くする必要があり、揺らぎの影響が大きいと考えられる。
また、液晶層中で散乱した光は、HtVA型の液晶層が厚く、液晶層中を斜めに透過する距離が長くなるため、偏光状態の変化が大きくなり、一層、光漏れによる表示ムラが大きくなる。この表示ムラは、光波長依存性があり、長波の光ほど漏れが大きく、赤色の表示ムラになる。
また、HtVA型液晶表示装置は、液晶表示素子を片側で駆動しているので、部材が片側に集中して、反りが生じる。これにより、斜め方向に透過する光が増大し、新たな表示ムラを発生させると推定している。
従って、HtVA型液晶表示装置の表示ムラを防止するためには、用いられる位相差フィルムが、従来のVA型液晶表示装置の場合より、大きなRtを有する必要があると考えられる。
本発明に係る位相差フィルムは、大きなRtを有することにより、偏光状態を正常な状態にし、更に、強いRtの逆波長分散性により、漏れる光を人間の目が感じにくい短い波長の光にして、表示ムラを改善したと推定している。
本発明の液晶表示装置の層構成の一例を示す図である。 本発明の実施例に係るHtVA型液晶表示装置のブロック図である。 本発明の実施例に係るHtVA型液晶表示装置の1つの画素を示す構造と等価回路の図である。 本発明の実施例に係るHtVA型液晶表示装置の1つの画素の等価回路図である。
本発明の液晶表示装置は、誘電異方性が正の液晶組成物を用いたVA型の液晶表示装置であって、液晶表示素子の両側に、アセチル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であり、Mw/Mn(数平均分子量に対する重量平均分子量の比の値)が3〜8の範囲内であるセルロースエステルを含有する位相差フィルムを有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項5までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長630nmで測定したときの面内方向のリターデーション値に対する、光波長450nmで測定したときの面内方向のリターデーション値の比の値Ro(450)/Ro(630)が0.88〜0.98の範囲内であることが好ましい。
また、位相差フィルムを、光波長589nmで測定したときの厚さ方向のリターデーション値Rt(589)が100〜300nmの範囲内であることが、表示ムラ及び視野角特性に優れた液晶表示装置が得られることから、好ましい。
さらに、本発明においては、位相差フィルムの前記Rt(589)が140〜200nmの範囲内であり、23℃・55%RH環境下、光波長589nmで測定したときの面内リターデーション値Ro(589)が40〜130nmの範囲内であることが好ましい。これにより、表示ムラ及び視野角特性に優れた効果が得られる。
また、本発明の効果発現の観点から、前記位相差フィルムの膜厚を、30〜80μmの範囲内とすることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(HtVA型の液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置(HtVA型液晶表示装置とも言う。)の構成の典型的例について図を参照して説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す概念図である。図1に示す液晶表示装置10においては、吸収軸を直交させた一対の偏光子2及び7の間に、位相差フィルム3、液晶表示素子4、カラーフィルター5、位相差フィルム6、の順で設置されている。
偏光子2の偏光透過軸11と偏光子7の偏光透過軸12は直交している。偏光子2の位相差フィルム3と反対側に保護フィルム1が接着されている。偏光子7の位相差フィルム6と反対側に保護フィルム8が接着されている。保護フィルム1が偏光子2の視認側に配置され、保護フィルム8が偏光子7のバックライト9側に配置される。
保護フィルム1、偏光子2及び位相差フィルム3を積層した部材、並びに、保護フィルム8、偏光子7及び位相差フィルム6を積層した部材を偏光板と呼び、偏光板を作製してから、液晶表示素子と接合することにより液晶表示装置を製造することが好ましい。
(液晶表示素子)
本発明に係る液晶表示素子は、誘電異方性が正の液晶組成物を2枚の透明基板で挟み、該透明基板の1つに液晶を駆動するための電極を設けた構成を有する。液晶表示装置においては、該電極を設けた透明基板をバックライト側に配置することにより、より明るい画像が得られ好ましい。
(誘電異方性が正の液晶組成物)
誘電異方性が正の液晶組成物を構成する誘電異方性が正の液晶化合物としては、TN型液晶化合物が用いられる。本発明の液晶表示装置において、駆動電圧を掛けない黒表示のとき、正の誘電異方性を有する液晶化合物は、画面に対して垂直に配向するように液晶層を設ける。電極を液晶層の片側だけに設け、画面と平行に電場が発生するように電圧を掛けると、正の誘電異方性を有する液晶化合物は電場の方向に配向し、画面と平行になる。このように液晶化合物の配向が変わることにより、液晶層を通過した光の偏光の軸が変化し、視認側の偏光子を透過する。
(位相差フィルム)
本発明に係る位相差フィルムは、アセチル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であり、Mw/Mn(数平均分子量に対する重量平均分子量の比の値)が3〜8の範囲内であるセルロースエステルを含有する。
HtVAの偏光の揺らぎを補償し、表示ムラを更に改善する観点から、膜厚は30μm以上であることが好ましく、表示装置の薄くできる観点から膜厚は80μm以下であることが好ましい。即ち、前記位相差フィルムの膜厚が、30〜80μmの範囲内であることが好ましく、55〜70μmの範囲内であることが更に好ましい。
(セルロースエステル)
本発明にかかるセルロースエステルのアセチル基置換度は2.2〜2.6の範囲内であるが、目的に叶う光学特性を得るために、置換度の異なる樹脂を混合して用いてもよい。その際の混合比としては、100:0〜50:50(質量比)の範囲内が好ましい。
また、前記アセチル基以外の置換基により置換されていてもよく、このような樹脂としては、特にセルロースアセテートプロピオネートが挙げられる。セルロースアセテートプロピオネートでは、プロピニル基置換度が0〜0.5の範囲内であり、かつ、総アシル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であることが好ましい。なお、アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に準じて測定されうる。
セルロースエステルの数平均分子量Mnは、60000〜300000の範囲であると、得られるフィルムの機械的強度が強くなるため、好ましい。より好ましくは、数平均分子量Mnが70000〜200000の範囲内のセルロースエステルが用いられる。
前記セルロースエステルのMw/Mn(数平均分子量に対する重量平均分子量の比の値)が3〜8の範囲内である。Mw/Mnが大きいほど、分子量分布が広くなる。Mw/Mnが3未満であると表示ムラの改善が見られず、また、Mw/Mnが8を超えるセルロースエステルの製造は困難である。
更に、パネルの反りを低減して、表示ムラを改善できることから、Mw/Mnは4〜7の範囲内であることが好ましく、5〜6の範囲内であることが更に好ましい。
セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される。測定条件は以下の通りである。なお、本測定方法は、本発明における他の重合体の測定方法としても使用することができる。
溶媒:メチレンクロライド;
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工株式会社製)を3本接続して使用する;
カラム温度:25℃;
試料濃度:0.1質量%;
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製);
ポンプ:L6000(日立製作所株式会社製);
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー株式会社製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
セルロースエステルのアセチル基置換度としては、平均置換度を用いることが適当であり、常法により高速液体クロマトグラフィによって置換度分布を示すチャートの面積比から平均置換度を測定することができる。
セルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で0.1〜45質量ppmの範囲であることが好ましい。これらは塩の形で含有していると考えられる。残留硫酸含有量が45質量ppmを超えると、熱延伸時や熱延伸後でのスリッティングの際に破断しやすくなる傾向がある。なお、残留硫酸含有量は、1〜30質量ppmの範囲がより好ましい。残留硫酸含有量は、ASTM D817−96に規定の方法により測定することができる。
また、セルロースエステル中の遊離酸含有量は、1〜500質量ppmの範囲内であることが好ましい。上記の範囲であると、上記と同様に破断しにくいため、好ましい。なお、遊離酸含有量は、1〜100質量ppmの範囲であることが好ましく、さらに破断しにくくなる。特に1〜70質量ppmの範囲が好ましい。遊離酸含有量はASTM D817−96に規定の方法により測定することができる。
合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、さらに十分に行うことによって、残留アルカリ土類金属含有量、残留硫酸含有量、および残留酸含有量を上記の範囲とすることができ好ましい。
また、セルロースエステルは、フィルムにしたときの輝点異物が少ないものであることが好ましい。輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間に光学フィルム等を置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)を意味する。輝点異物は、直径0.01mm以上の輝点の個数が200個/cm以下であることが好ましく、100個/cm以下であることがより好ましく、50個/cm以下であることがさらに好ましく、30個/cm以下であることがいっそう好ましく、10個/cm以下であることが特に好ましく、皆無であることが最も好ましい。
また、直径0.005〜0.01mmの範囲内の輝点についても、200個/cm以下であることが好ましく、100個/cm以下であることがより好ましく、50個/cm以下であることがさらに好ましく、30個/cm以下であることがいっそう好ましく、10個/cm以下であることが特に好ましく、皆無であることが最も好ましい。
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分によっても影響を受ける。これらの微量金属成分は、製造工程で使われる水に関係していると考えられるが、不溶性の核となりうるような成分は少ない方が好ましく、特に、鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンは、有機の酸性基を含んでいる可能性のあるポリマー分解物等と塩形成することにより不溶物を形成する場合があり、少ないことが好ましい。また、カルシウム(Ca)成分は、カルボン酸やスルホン酸等の酸性成分と、また多くの配位子と配位化合物(すなわち、錯体)を形成しやすく、多くの不溶なカルシウムに由来するスカム (不溶性の澱、濁り)を形成する虞があるため、少ないことが好ましい。
具体的には、鉄(Fe)成分については、セルロースエステル中の含有量が1質量ppm以下であることが好ましい。また、カルシウム(Ca)成分については、セルロースエステル中の含有量が好ましくは60質量ppm以下であり、より好ましくは0〜30質量ppmの範囲内である。さらに、マグネシウム(Mg)成分については、やはり多過ぎると不溶分を生ずるため、セルロースエステル中の含有量が0〜70質量ppmの範囲内であることが好ましく、特に0〜20質量ppmの範囲内であることが好ましい。
なお、鉄(Fe)成分の含有量、カルシウム(Ca)成分の含有量、マグネシウム(Mg)成分の含有量などの金属成分の含有量は、絶乾したセルロースエステルをマイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析することができる。
(セルロースエステルの製造方法)
本発明に係る位相差フィルム用セルロースエステルは、例えば、活性化工程(前処理工程)、アセチル化工程、アセチル化反応の停止工程、熟成工程(加水分解工程)、及び熟成反応の停止工程により製造できる。
(原料セルロース)
原料セルロースとしては、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、リンターパル
プ(コットンリンターパルプなど)などの種々のセルロース源を用いることができる。
[活性化工程]
活性化工程(又は前処理工程)では、セルロースをアセチル化溶媒(アセチル化工程の溶媒)で処理し、セルロースを活性化させる。アセチル化溶媒としては、通常酢酸が用いられるが、酢酸以外の溶媒(塩化メチレンなど)を用いたり、酢酸と酢酸以外の溶媒(塩化メチレンなど)の混合溶媒を用いることもできる。通常、原料セルロースはシート状の形態で供給される場合が多いため、セルロースを乾式で解砕処理し、活性化処理(又は前処理)する。
活性化工程の時間(処理時間)は、例えば、少なくとも10hr(600分)以上、好ましくは20hr以上、より好ましくは50hr以上、より良く好ましくは60hr程度である。
前処理(活性化工程)の時間を長くする(少なくとも10hrとする)ことにより、酢化反応前のセルロースの重合度(分子量)を低下させる効果が得られる。重合度の低いセルロースを使うことで、酢酸セルロースを目的の重合度(粘度)とするための酢化時間を短縮できる。分散度は、酢化反応における均一解重合の進行に伴い、狭くなるので、前処理時間を長くしたセルロースを原料として、短い酢化反応時間で、目的の重合度(粘度)の酢酸セルロースを調製することで、通常の方法よりもMw/Mnの大きい(分散度の広い)酢酸セルロースを得ることが出来る。
[アセチル化工程]
前記活性化処理により活性化されたセルロースを用いて、アセチル化溶媒中、アセチル化触媒の存在下、アセチル化剤でアセチル化されたセルロースアセテートを生成することができる。なお、アセチル化工程に付す活性化されたセルロースは、前処理条件の異なるパルプをブレンドした混合物であってもよい。混合物を用いることにより、最終的に得られるセルロースジアセテートの分散度を広くすることができ、伸度の高いフィルムを得ることができる。
アセチル化剤としては、酢酸クロライド等の酢酸ハライドであってもよいが、通常、無水酢酸が使用される。
アセチル化触媒としては、強酸、特に硫酸が使用できる。
アセチル化溶媒としては、前記のように、酢酸、塩化メチレンなどが使用される。2種以上の溶媒(例えば、酢酸と塩化メチレン)を混合して用いてもよい。
[アセチル化反応の停止工程]
アセチル化反応の終了後、反応系に残存するアセチル化剤を失活(クエンチ)させるため、反応系に反応停止剤を添加する。この操作により、少なくとも前記アセチル化剤(特に酸無水物)が失活させられる。前記反応停止剤は、アセチル化剤を失活可能であればよく、通常、少なくとも水を含んでいる場合が多い。
[熟成工程(加水分解工程)]
前記アセチル化反応を停止した後、生成したセルロースアセテートを酢酸中で熟成[加水分解(脱アセチル化)]することにより、アセチル総置換度及び置換度分布を調整したセルロースジアセテートを得ることができる。
[熟成反応の停止工程]
所定のセルロースジアセテートを生成させた後、熟成反応を停止させる。すなわち、前記熟成(加水分解反応、脱アセチル化)の後、必要により前記中和剤(好ましくは前記アルカリ土類金属化合物、特に、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物)を添加してもよい。
(可塑剤)
本発明に係る位相差フィルムは、可塑剤を含有することができる。
可塑剤は特に限定されないが、本発明の効果を得る上で燐酸エステルが好ましい。
リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
(リターデーション値)
位相差フィルムの面内のリターデーションをRo、厚さ方向のリターデーションをRtで表す。
Ro(589)の測定では、23℃、55%RHの環境下、光波長589nmで面内の遅相軸方向と進相軸方向の屈折率差を求める。面内のリターデーションRoは、得られた屈折率差にフィルム膜厚さを乗じた値であり、下記の式(1)で求められる。
式(1):Ro=(n−n)×d
(式中、nはフィルムの面内の最大の屈折率(遅相軸方向の屈折率ともいう。)で、nはフィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。)
前記Roは自動複屈折率計を用いて測定することができる。自動複屈折率計Axometric社製のAxoScanを用いて、23℃、55%RHの環境下で、各波長での複屈折率測定によりRoを算出する。
フィルムの厚さ方向のリターデーションRt(589)は、上記と同様の装置を用い23℃、55%RHの環境下、光波長589nmで測定し、厚さ方向の複屈折を求めこれにフィルム膜厚さを乗じた値であり、下記の式(2)で求められる。
式(2):Rt={(n+n)/2−n}×d
(式中、nは、厚さ方向の屈折率であり、n、n及びdは式(1)と同義である。)
本発明において、Rt(589)は、100〜300nmの範囲内であることが好ましく、140〜200nmの範囲内であることが更に好ましい。100nm以上であると、表示ムラが一層改善され、300nm以下であれば、製造が容易で、液晶表示装置の光漏れが生じにくいためである。
Ro(450)及びRo(630)は、光波長をそれぞれ、450nm及630nmとした他は、前記Ro(589)と同様に測定し、求められる。
(Ro(450)/Ro(630))
液晶表示装置の表示ムラが視認されにくくするために、本発明に係る位相差フィルムは大きな逆波長分散性を有することが好ましく、それによって、漏れる光が青色になることが好ましい。青色は赤色よりも視認されにくいので、わずかに発生する表示ムラの漏れ光を青色にシフトさせることにより、表示ムラが改善されると推定している。具体的には、23℃・55%RHにおいて、光波長630nmで測定したときの面内方向のリターデーション値に対する、光波長450nmで測定したときの面内方向のリターデーション値の比の値Ro(450)/Ro(630)が0.88〜0.98の範囲内であることが好ましい。
セルロースエステルを用いて、Ro(450)/Ro(630)が0.88未満の位相差フィルムを作製することは困難であり、Ro(450)/Ro(630)が0.95以下であれば、表示ムラが、更に視認されにくくなるためである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(セルロースエステル1〜9の作製)
αセルロース含量98.4質量%の広葉樹前加水分解クラフトパルプをディスクリファイナーで綿状に解砕した。100質量部の解砕パルプ(含水率8%)に26.8質量部の酢酸を噴霧し、良くかき混ぜた後、前処理として60時間静置し活性化した。活性化したパルプを、323質量部の酢酸、245質量部の無水酢酸、13.1質量部の硫酸からなる混合物に加え、40分かけて5℃から40℃に調整し、Mw/Mnが表1に示した値になるように、アセチル化工程で40℃で時間を調整して酢化した。中和剤として24%酢酸マグネシウム水溶液を、硫酸量(熟成硫酸量)が2.5質量部に調整されるように3分間かけて添加しアセチル化反応を停止した。さらに、反応浴を75℃に昇温した後、水を添加し、反応浴水分を56モル%の熟成水分濃度となるようにした。なお、熟成水分濃度は、反応浴水分の酢酸に対する割合をモル比で表わしたものに100を乗じてmol%で示した。その後、熟成温度85℃で表1のアセチル基置換度となるように、熟成時間を調整し熟成を行ない、酢酸マグネシウムで硫酸を中和することで熟成を停止し、セルロースエステルを含む反応混合物を得た。得られた反応混合物に希酢酸水溶液を加え、セルロースエステルを分離した後、水洗・乾燥・水酸化カルシウムによる安定化をしてセルロースエステル1〜9を得た。セルロースエステル1〜9のアセチル基置換度、数平均分子量Mn及びMw/Mnを表1に記す。
なお、セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、前記(セルロースエステル)の項に記載の方法により測定した。また、アセチル基置換度としては、平均置換度を用い、常法により高速液体クロマトグラフィによって置換度分布を示すチャートの面積比から平均置換度を測定した。
Figure 2013134294
《位相差フィルム1の作製》
〈微粒子分散液1〉
微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液1〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分攪拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液1 5質量部
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにアセチル置換度2.00のセルロースエステル1を攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル1(アセチル基置換度:2.4、Mw/Mn:5、Mn:73935) 100質量部
TPP(トリフェニルホスフェート、可塑剤) 6質量部
微粒子添加液1 1質量部
以上を密閉されている主溶解釜1に投入し、攪拌しながら溶解してドープ液を調製した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。剥離した位相差フィルムを、155℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に35%延伸した。延伸開始時の残留溶媒は15%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。以上のようにして、乾燥膜厚60μmの位相差フィルム1を得た。
《位相差フィルム2〜17の作製》
位相差フィルム1の作製において、セルロースエステル、可塑剤のTPPの添加量、延伸温度、延伸倍率及び膜厚を表2の様に代えたほかは同様にして、位相差フィルム2〜17を作製した。
(リターデーション値の測定)
前記(リターデーション値)に従って、位相差フィルム1〜17のRt(589)、Ro(450)、Ro(630)及びRo(589)を測定し、Rt(589)、Ro(589)及びRo(450)/Ro(630)を表2に記した。
《偏光板1〜17の作製》
厚さ、120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。
これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光子を得た。
次いで、下記工程1〜5に従って偏光子の表面側には前記位相差フィルム1〜17を、裏面側にはコニカミノルタタックKC4UY(コニカミノルタオプト(株)製セルロースエステルフィルム)を貼り合わせて偏光板1〜17を作製した。
工程1:60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、次いで水洗し乾燥して、偏光子と貼合する側を鹸化した位相差フィルム1〜17とコニカミノルタタックKC8UYを得た。
工程2:前記偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理した位相差フィルム1〜17の上にのせて配置した。
工程4:工程3で位相差フィルム1〜17を積層した偏光子の裏面側に、コニカミノルタタックKC8UYを圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程5:80℃の乾燥機中に工程4で作製した偏光子と位相差フィルム1〜17とコニカミノルタタックKC8UYとを貼り合わせた試料を2分間乾燥し、それぞれ、位相差フィルム1〜17に対応する偏光板1〜17を作製した。
(液晶表示素子の作製)
以下に示すように、誘電異方性が正の液晶組成物を用いたVA型の液晶表示素子(以下の実施例では、単に液晶表示素子と呼ぶ。)を作製した。
実施例に用いる液晶表示素子について、図2〜4を用いて説明する。
図2は本発明の実施例に係る液晶表示素子のブロック図であり、図3は本発明の一実施例に係る液晶表示素子の構造とともに1つの画素を示す等価回路図であり、図4は本発明の一実施例に係る液晶表示素子の1つの画素の等価回路図である。
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る液晶表示素子は、液晶表示素子300、ゲート駆動部400、データ駆動部500、階調電圧生成部800及び信号制御部600を含む。
図2及び図4に示したとおり、液晶表示素子300は等価回路的に複数の信号線(G、D、Dj+1)と、これに接続されてほぼマトリクス状配列された複数の画素(pixel)(PX)を含む。これに対して、図2及び図3に示される構造において、液晶表示素子300は互いに対向する下部及び上部表示板(100、200)とその間に挟持された液晶層3を有する。
信号線(G、D、Dj+1)はゲート信号(走査信号ともいう)を伝達する複数のゲート線(G)とデータ電圧を伝達する複数対のデータ線(D、Dj+1)を含む。ゲート線(G)はほぼ行方向に延長されて互いにほぼ平行であり、データ線(D、Dj+1)はほぼ列方向に延長されて互いにほぼ平行である。
各画素(PX)、例えば、i番目(i=1、2、…、n)ゲート線(G)とj番目及びj+1番目(j=1、2、…、m)データ線(D、Dj+1)に接続される画素(PX)は、信号線(G、D、Dj+1)に接続される第1及び第2スイッチング素子(Qa、Qb)とこれに接続される液晶キャパシタ(Clc)及び第1及び第2ストレージキャパシタ(Csta、Qstb)を含む。第1及び第2ストレージキャパシタ(Csta、Cstb)は必要に応じて省略することができる。
第1/第2スイッチング素子(Qa/Qb)は、下部表示板100に設けられた薄膜トランジスタ等の三端子素子とすることができ、その制御端子はゲート線(G)に接続されており、入力端子はデータ線(D/Dj+1)に接続されており、出力端子は液晶キャパシタ(Clc)及び第1/第2ストレージキャパシタ(Csta/Cstb)に接続されている。
図3及び図4に示した通り、液晶キャパシタ(Clc)は、下部表示板100の第1画素電極(PEa)と第2画素電極(PEb)を2端子とし、第1及び第2画素電極(PEa、PEb)の間の液晶層3は誘電体として機能する。第1画素電極(PEa)は第1スイッチング素子(Qa)に接続され、第2画素電極(PEb)は第2スイッチング素子(Qb)に接続される。液晶層3は誘電率異方性を有し、液晶層3の液晶分子は電場のない状態でその長軸が2つの表示板の表面に対して垂直をなすように配向される。
第1及び第2画素電極(PEa、PEb)を含む画素電極(PE)及び共通電極(CE)はそれぞれ異なる層に形成されるか、同じ層に形成されている。液晶キャパシタ(Clc)の補助的な役割を果たす第1及び第2ストレージキャパシタ(Csta、Cstb)は、下部表示板100に設けられた別途の電極(図示せず)が第1及び第2画素電極(PEa、PEb)の各々と絶縁体を介在してオーバーラップして形成される。
図3は、色表示を実現するために各画素(PX)が基本色(primary color)のうちの1つを固有に表示する空間分割方式であり、基本色の例としては赤色、緑色、青色などの三原色がある。図3は空間分割の例であって、各画素(PX)が第1及び第2画素電極(PEa、PEb)に対応する上部表示板200の領域に基本色のうちの1つを表示するカラーフィルタ(CF)を備えている。
液晶表示板組立体300には少なくとも1つの偏光子(図示せず)が取り付けられている。
再び図2を参照し説明すると、階調電圧生成部800は、画素(PX)の透過率に係る全体階調電圧又は限定数の階調電圧(以下、基準階調電圧という)を生成する。(基準)階調電圧は、共通電圧(Vcom)に対して正の値を有するものと、負の値を有するものを含む。
ゲート駆動部400は、液晶表示素子300のゲート線に接続されてゲートオン電圧(Von)とゲートオフ電圧(Voff)の組み合わせからなるゲート信号をゲート線に印加する。
データ駆動部500は、液晶表示素子300のデータ線に接続されており、階調電圧生成部800からの階調電圧を選択し、これをデータ電圧としてデータ線に印加する。階調電圧生成部800が階調電圧を全て提供するのではなく、限定数の基準階調電圧のみを提供する場合には、データ駆動部500は基準階調電圧を分圧して所望のデータ電圧を生成するように構成できる。
信号制御部600は、ゲート駆動部400及びデータ駆動部500等を制御する。
このような駆動装置(400、500、600、800)の各々は、少なくとも1つの集積回路チップの形態で液晶表示素子300上に直接装着するか、フレキシブルプリント回路フィルム(図示せず)の上に装着してTCP(tape carrier package)の形態で液晶表示素子300に取り付けるか、別途の印刷回路基板(図示せず)の上に取り付けることもできる。また、これら駆動装置(400、500、600、800)は、信号線及び薄膜トランジスタスイッチング素子等とともに液晶表示素子300に集積することもできる。さらに、駆動装置(400、500、600、800)は単一チップで集積することもでき、この場合、これらの少なくとも1つ又はこれらを構成する少なくとも1つの回路素子は単一チップの外側に位置してもよい。
《液晶表示装置1の作製》
図1に示したように、上記により作製した液晶表示素子の視認側の面に、前記偏光板1を、位相差フィルムが液晶表示素子側に向くように貼合し、液晶表示素子のバックライト側にカラーフィルターを設け、その上に偏光板1を、位相差フィルムがカラーフィルターに向くように貼合し、バックライトを配置して、液晶表示装置1を作製した。
《液晶表示装置2〜17の作製》
液晶表示装置1の作製において、偏光板1に代えて、偏光板2〜17を用いた他は同様にして、液晶表示装置2〜17を作製した。
〈表示ムラの評価〉
液晶表示装置を23℃、55%RH環境下において、バックライト点灯2時間後の黒表示での輝度ムラ及び画像表示での色相ムラを、下記基準に従って、目視で評価した。
(表示ムラの評価基準)
◎:輝度ムラ・色相ムラが共に見えない
○:弱い輝度ムラが見えるが、色相ムラは見られず、画像表示で気にならない
△:輝度ムラが強く、色相ムラが若干見られるが、画像表示でほとんど気にならない
×:輝度ムラ・色相ムラが共に強く、画像表示でも気になる
評価の結果を表2に示す。
Figure 2013134294
表2より、アセチル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であり、Mw/Mnが3〜8の範囲内であるセルロースエステルを用いた場合、表示ムラが改善されることが分かる。
更に、Ro(450)/Ro(630)が0.88〜0.98の範囲内であると、一層、表示ムラが改善されることが分かる。また、Rt(589)が100〜300nmの範囲内であると、一層、表示ムラが改善されることが分かる。
1 保護フィルム
2 偏光子
3 位相差フィルム
4 液晶表示素子
5 カラーフィルター
6 位相差フィルム
7 偏光子
8 保護フィルム
9 バックライト
10 液晶表示装置
11 偏光透過軸
12 偏光透過軸
300 液晶表示板組立体
400 ゲート駆動部
500 データ駆動部
800 階調電圧生成部
600 信号制御部
100、200 表示板

Claims (5)

  1. 誘電異方性が正の液晶組成物を用いたVA型の液晶表示装置であって、液晶表示素子の両側に、アセチル基置換度が2.2〜2.6の範囲内であり、数平均分子量に対する重量平均分子量の比の値Mw/Mnが3〜8の範囲内であるセルロースエステルを含有する位相差フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長630nmで測定したときの面内方向のリターデーション値に対する、光波長450nmで測定したときの面内方向のリターデーション値の比の値Ro(450)/Ro(630)が0.88〜0.98の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長589nmで測定したときの厚さ方向のリターデーション値Rt(589)が100〜300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記位相差フィルムは、23℃・55%RH環境下、光波長589nmで測定したときの、厚さ方向のリターデーション値Rt(589)が140〜200nmの範囲内であり、面内リターデーション値Ro(589)が40〜130nmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記位相差フィルムの膜厚が、30〜80μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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