JP2010170128A - セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Nobutaka Fukagawa
伸隆 深川
亮介 ▲高▼田
Ryosuke Takada
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【課題】逆分散性が大きく、環境湿度による性能変化が小さく、ヘイズが低いセルロースアシレートフィルムを提供すること。
【解決手段】アセチル基及び炭素数が3あるいは4のアシル基Bを含むセルロースアシレートと、特定のポリスチレン系化合物とを含み、下記式を満たし、逆分散性を有するセルロースアシレートフィルム。0.10≦アセチル基の置換度≦2.00 式(1)、0.10≦アシル基Bの置換度≦1.50 式(2)、1.90≦総てのアシル置換基の置換度の和≦2.50 式(3)、30nm≦Re(548)≦80nm 式(4)、70nm≦Rth(548)≦200nm 式(5)。
【選択図】なし

Description

本発明は、逆分散性が大きく、環境湿度による性能変化が小さく、ヘイズが低いセルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。従来、液晶表示装置は表示画像の視野角依存性が大きいことが大きな欠点であったが、VAモード等の広視野角液晶モードが実用化されており、これによってテレビ等の高品位の画像が要求される市場でも液晶表示装置の需要が急速に拡大しつつある。VAモード液晶表示装置は他の液晶表示モードに比べてコントラストが高いというメリットがあるが、視角によるコントラスト及び色味の変化が大きいという問題を有している。この問題の解決法として、波長が大きくなるにつれて位相差が大きくなる逆分散性(正の波長分散特性と称することもある)を有する位相差フィルムを用いる方法が有力であり、例えば、特許文献1には、面内レターデーション(Re)及び厚み方向のレターデーション(Rth)がともに逆分散性を有する2枚の2軸フィルムを用いる方法が、また特許文献2にはReが逆分散性、Rthが順分散性を有する2枚の2軸フィルムを組み合わせる方法が開示されている。
セルロースアシレートフィルムはフィルムを構成するポリマーが単体の場合にはRe、Rthともに逆分散性を有しており上記目的に適しているが、親水性が高く環境湿度による性能変化が大きいという問題を有している。セルロースアシレートの環境湿度を低減する方法としては、芳香環を有する低分子化合物をフィルムに添加することが一般的である。しかし、芳香環を有する低分子化合物を添加したフィルムを延伸処理した場合、低分子化合物自体が位相差を発現するため逆分散性が低下してしまう問題があり、改良が求められていた。
国際公開第08/102647号 特開2006−291192号公報
本発明の目的は、逆分散性が大きく、環境湿度による性能変化が小さく、ヘイズが低いセルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、特定の置換基及び置換度を有するセルロースアシレートと特定のポリスチレン系化合物とを組み合わせることにより、良好な相溶性が確保でき、Re、Rthともに大きな逆分散性が得られ、ヘイズが低く、環境湿度によるレターデーション変化の小さいフィルムが得られることを見出した。
本発明は、上述の点から、更に前記課題を解消すべく検討した結果完成されたものである。すなわち、本発明の課題は、以下の手段によって解決される。
〔1〕
アセチル基及び炭素数が3又は4のアシル基Bを含み、アセチル基の置換度及びアシル基Bの置換度が下記式(1)〜(3)の関係を満たすセルロースアシレートと、250nm以上400nm以下の波長範囲に吸収極大を有する質量平均分子量が1000以上8000以下のポリスチレン系化合物とを含み、測定波長550nmにおけるRe及びRthが下記式(4)及び(5)の関係を満たし、かつRe及びRthがともに測定波長が大きくなるにつれて大きくなる逆分散性を有するセルロースアシレートフィルム。
0.10≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・式(1)
0.10≦アシル基Bの置換度≦1.50 ・・・式(2)
1.90≦総てのアシル置換基の置換度の和≦2.50 ・・・式(3)
30nm≦Re(548)≦80nm ・・・式(4)
70nm≦Rth(548)≦200nm ・・・式(5)
(式(4)及び(5)において、Re(λ)は測定波長λnmにおける面内レターデーションを表し、Rth(λ)は測定波長λnmにおける厚み方向レターデーションを表す。)
〔2〕
アシル基Bがプロピオニル基であり、アセチル基の置換度とプロピオニル基の置換度が下記式(6)、(7)の関係を満たす〔1〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
0.50≦アセチル基の置換度≦1.80 ・・・式(6)
0.50≦プロピオニル基の置換度≦1.50 ・・・式(7)
〔3〕
アシル基Bがブチリル基であり、アセチル基の置換度とブチリル基の置換度が下記式(8)、(9)の関係を満たす〔1〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
1.00≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・式(8)
0.20≦ブチリル基の置換度≦1.00 ・・・式(9)
〔4〕
ポリスチレン系化合物が芳香環に電子供与性の親水性基を有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
〔5〕
波長250nm〜700nmにおいて、芳香環に電子供与性の親水性基を有するポリスチレン系化合物の吸収極大よりも長波長領域におけるモル吸光係数が2000以下であり、少なくとも一つの芳香環を有するレターデーション発現剤を含有する請求項4に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔6〕
ヘイズが0.1以上0.8以下であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
〔7〕
環境湿度によるRe変化とReの逆分散性の関係が下記式(10)を満たす〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
0.0≦|Re(10%RH)−Re(80%RH)|/[Re(629)−Re(446)]≦3 ・・・式(10)
(式(10)において、Re(10%RH)は25℃10%RHの環境下で波長548nmで測定したReを表し、Re(80%RH)は25℃80%RHの環境下で波長548nmで測定したReを表し、Re(629)は25℃60%RHの環境下で波長629nmで測定したReを表し、Re(446)は25℃60%RHの環境下で波長446nmで測定したReを表す。)
〔8〕
偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
〔9〕
液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が〔8〕に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
〔10〕
表示モードがVAモードであることを特徴とする〔9〕に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、逆分散性が大きく、環境湿度による性能変化が小さく、ヘイズが低いセルロースアシレートフィルム、偏光板、及びコントラストが高く、視角による色味変化の小さい液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図である。 本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、特定の置換基及び置換度を有するセルロースアシレートと特定のポリスチレン系化合物とを組み合わせることにより、逆分散性が大きく、環境湿度による性能変化が小さく、ヘイズが低いセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、アセチル基及び炭素数が3又は4のアシル基Bを含み、アセチル基の置換度及びアシル基Bの置換度が下記式(1)〜(3)の関係を満たすセルロースアシレートと、250nm以上400nm以下の波長範囲に吸収極大を有する質量平均分子量が1000以上8000以下のポリスチレン系化合物とを含み、測定波長550nmにおけるRe及びRthが下記式(4)及び(5)の関係を満たし、かつRe及びRthが共に測定波長が大きくなるにつれて大きくなる逆分散性を有する。ここで「測定波長が大きくなるにつれてレターデーションが大きくなる」とは、レターデーション値の測定誤差を±1nmとし、この範囲でスムージングしたときの挙動をいう。
0.10≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
0.10≦アシル基Bの置換度≦1.50 ・・・・・・・・・・・・・・・式(2)
1.90≦総てのアシル置換基の置換度の和≦2.50 ・・・式(3)
30nm≦Re(548)≦80nm ・・・・・・・・・・・・・・・・・式(4)
70nm≦Rth(548)≦200nm ・・・・・・・・・・・・・・・式(5)
(式(4)及び(5)において、Re(λ)は測定波長λnmにおける面内レターデーションを表し、Rth(λ)は測定波長λnmにおける厚み方向レターデーションを表す。)
以下、セルロースアシレート、添加剤、製膜方法の順に説明する。
(セルロースアシレート)
本発明のセルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートの原料綿は、公知の原料を用いることができる(例えば、発明協会公開技法2001−1745)。また、セルロースアシレートの合成も公知の方法で行なうことができる(例えば、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年))。
本発明のセルロースアシレートは、アセチル基及び炭素数が3あるいは4のアシル基を含む。
本発明においては、アセチル基及アシル基Bの置換度が下記式(1)〜(3)の関係を満たす。置換度がこの範囲であれば、環境湿度によるフィルムの性能変化低減と位相差発現を両立できる点で好ましい。
0.10≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・式(1)
0.10≦アシル基Bの置換度≦1.50 ・・・式(2)
1.90≦総てのアシル置換基の置換度の和≦2.50 ・・・式(3)
アセチル基の置換度は、好ましくは0.5以上1.85以下であり、より好ましくは0.75以上1.70以下である。
全アシル基の置換度は1.90〜2.50が好ましく、2.00〜2.40が更に好ましく、2.10〜2.35が特に好ましい。本明細書において、全アシル基の置換度とは、ASTM D817に従って算出した値である。
アセチル基及びアシル基Bの各々の置換度は、セルロースアシレートの残存水酸基をアセチル基及びアシル基Bとは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res., 273(1995)83-91)に記載がある。
アシル基Bがプロピオニル基の場合、アセチル基の置換度とプロピオニル基の置換度は下記式(6)、(7)の関係を満たすことが大きなレターデーションを発現させつつレターデーションの湿度依存性を小さくする観点から好ましい。
0.50≦アセチル基の置換度≦1.80 ・・・・・・・・・式(6)
0.50≦プロピオニル基の置換度≦1.50 ・・・・・式(7)
アシル基Bがブチリル基の場合、アセチル基の置換度とブチリル基の置換度は下記式(8)、(9)の関係を満たすことが大きなレターデーションを発現させつつレターデーションの湿度依存性を小さくする観点から好ましい。
1.00≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・式(8)
0.20≦ブチリル基の置換度≦1.00 ・・・式(9)
セルロースアシレートは、250〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、300〜600の質量平均重合度を有することが更に好ましい。またセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することが更に好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
また質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2.0以上4.0以下が好ましく、2.0以上3.5以下が更に好ましい。
〔ポリスチレン系化合物〕
本発明のセルロースエステルフィルムが含有する250nm以上400nm以下の波長範囲に吸収極大を有する質量平均分子量が1000以上8000以下のポリスチレン系化合物ついて、以下に説明する。
ポリスチレン系化合物は、250nm以上400nm以下の波長範囲に吸収極大を有する。好ましくは260nm以上370nm以下であり、より好ましくは270nm以上350nm以下である。該吸収特性を有することにより着色がなく逆分散性の大きいフィルムを得ることが容易となり好ましい。
ポリスチレン系化合物は、芳香環に親水性基を有することが好ましく、芳香環に電子供与性の親水性基を有することがより好ましい。本発明において電子供与性とは分子の特定の位置に置換して電子密度を増加させる効果を持つ性質のことである。
ポリスチレン系化合物は、芳香環に親水性基が置換したスチレンモノマーを重合させたポリマーであって、ポリマー中における該スチレンモノマーの重合比(A)が、30%≦A≦100%を満たすことが、逆分散性の付与及び環境湿度による性能変化の抑制の観点から好ましい。該重合比は、好ましくは40%≦A≦100%である。
ポリスチレン系化合物は、単独重合体であっても、他のモノマーとの共重合体であってもよい。また、ポリスチレン系化合物が共重合体である場合はブロック共重合体であっても、ランダム重合体であってもよい。
(芳香環に親水性基を有するポリスチレン系化合物)
芳香環に親水性基を有するポリスチレン系化合物の例として、具体的には、東邦化学社製PHSC20A30S(質量平均分子量2000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=70/30(モル比))、東邦化学社製PHSC40A30S(質量平均分子量4000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=70/30(モル比))、東邦化学社製PHSC60A10S(質量平均分子量6000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=90/10(モル比))、マルカリンカーM−S1P(質量平均分子量1900、吸収極大波長279nm、ヒロドキシスチレン単独)、マルカリンカーM−S2P(質量平均分子量5000、吸収極大波長279nm、ヒロドキシスチレン単独)、BASF社製JONCRYL682(質量平均分子量1700、吸収極大波長244nm)、BASF社製JONCRYL586(質量平均分子量4600、吸収極大波長244nm)、東邦化学社製PHSC100A15S(質量平均分子量10000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=70/30(モル比))等を挙げることができる。
(芳香環に親水性基が置換したスチレンモノマー)
前記芳香環に親水性基が置換したスチレンモノマーについてより詳しく説明する。
本発明において、親水性基としては、電子供与性の親水性基が好ましく、ヒドロキシ基、アミノ基、アセトキシ基などのカルボキシル基、アルコキシ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基が好ましい。なかでも、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基は芳香環に由来する吸収を長波化できるため、250nm以上400nm以下の波長範囲に吸収極大を持たせる観点から好ましく、中でもヒドロキシ基がもっとも好ましい。また、置換基の置換位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでも可能だが、芳香環由来の吸収を長波化する観点からはオルト位及びパラ位が特に好ましい。なお、前記置換基は単独であっても、2以上であってもよい。更に前記置換基は更に置換基を有していても有していなくてもよい。
本発明におけるポリスチレン系化合物を得るためのスチレンモノマーとしては、スチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、ビニルベンジルアニリン、及びエトキシスチレンが好ましく、スチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−アセトキシスチレン、o−アセトキシスチレン、p-メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、及びp−ビニルベンジルアニリンがより好ましい。
また、ヒドロキシスチレン中のヒドロキシル基をカルボン酸により誘導体化した化合物も本発明におけるスチレンモノマーとして好ましく用いることができる。前記カルボン酸としては、安息息酸やナフトエ酸等の芳香族カルボン酸に前記親水性基が更に置換した化合物が好ましく、具体的には4−メトキシ安息香酸、4−エトキシ安息香酸、2,3−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,5−ジメトキシ安息香酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、2,3,4−トリメトキシ安息香酸、2,3,6−トリメトキシ安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、2,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−メトキシー1−ナフトエ酸、2−エトキシー1−ナフトエ酸、3−メトキシー2−ナフトエ酸、3−エトキシー2−ナフトエ酸ベラトルム酸、アニス酸、等が吸収を長波化する点から好ましい。
前記スチレンモノマーは更にフェニル基とその他の芳香環とが縮合したものでもよく、また、置換基がフェニル基以外の環を形成するようなインデン類、インダン類であってもよく、架橋環を有する構造であってもよい。
(その他のモノマー)
前記その他のモノマーとしては特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のアルキルエステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート等)、メタクリル酸のアルキルエステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等)、アクリル酸のアミノアルキルエステル(ジエチルアミノエチルアクリレート等)、メタクリル酸のアミノアルキルエステル、アクリル酸とグリコールとのモノエステル、メタクリル酸とグリコールとのモノエステル(ヒドロキシエチルメタクリレート等)、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ金属塩、アクリル酸のアンモニウム塩、メタクリル酸のアンモニウム塩、アクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体、メタクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体、ジエチルアミノエチルアクリレートとメチルサルフェートとの第4級アンモニウム化合物、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸のアンモニウム塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩、酢酸ビニル、ビニルステアレート、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリコールジアリルエーテル等などをあげることができる。
(芳香環に親水性基を有するポリスチレン系化合物の組成)
本発明におけるポリスチレン系化合物の組成は重合時のモノマーの混合比の変更、あるいは重合後の誘導体化する量の変更、のいずれによっても調整することができる。本発明におけるポリスチレン系化合物は芳香環に親水性基を有するポリスチレン系化合物に由来するユニットを10モル%以上100モル%以下の比率で含有することが好ましく、更に好ましくは30モル%以上100モル%であり、最も好ましくは50モル%以上100モル%以下である。上記組成に調整することにより、セルロースアシレートとの良好な相溶性を確保することができる。
(質量平均分子量)
本発明のポリスチレン系化合物の質量平均分子量は1000以上8000以下であり、1,000以上5,000以下であることが好ましい。更に好ましくは1,500以上4000以下である。分子量が小さすぎると逆分散性を大きくする効果が小さく、分子量が大きすぎるとセルロースアシレートとの相溶性が不十分となり、ヘイズが上昇してしまう。
(添加量)
本発明のポリスチレン系化合物の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.5〜30質量部とすることが好ましく、1〜20質量部とすることがより好ましく、2〜15質量部とすることが更に好ましい。添加量が30質量部以下であればヘイズが上昇しないという利点があり、添加量が1質量部以上であれば逆分散性向上効果が大きいという利点がある。
(合成法)
本発明におけるポリスチレン系化合物は公知の方法で合成することができる。公知の方法としては、例えば、特開2001−316418号公報、特許2862720号公報、特開平7−268030号公報、特開2000−7600号公報、特開2000−7729号公報に記載されている。
〔添加剤〕
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ポリスチレン系化合物以外にレターデーション発現剤、可塑剤等の添加剤を含有してもよい。本発明のセルロースアシレートフィルムに添加される添加剤は、波長250nm〜700nmにおいて、芳香環に電子供与性の親水性基を有するポリスチレン系化合物の吸収極大よりも長波長側に吸収を有さないことが逆分散性を大きくする点から好ましい。具体的には、250nm〜700nmの波長範囲のモル吸光係数が2000以下の添加剤が好ましい。更に好ましくは1000以下である。吸収極大を持たない化合物が逆分散性を大きくする上で好ましい。
(レターデーション発現剤)
本発明のレターデーション発現剤は前述のように長波長側に吸収を有さないことが逆分散性を大きくする点から好ましい。
本発明のレターデーション発現剤としては、下記一般式(i)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(i):Ar1−L2−X−L3−Ar2
上記一般式(i)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基であり、L2及びL3は、それぞれ独立に、−O−CO−又はCO−O−基より選ばれる二価の連結基であり、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基及び置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることが更に好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子が更に好ましい。
芳香族基の芳香環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環及びピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基)、ニトロ基、スルホ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基)、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基)、ウレイド基、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N,N,N’−トリメチルウレイド基)、アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(例、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基)、アルキニル基(例、エチニル基、ブチニル基)、アシル基(例、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、ラウリル基)、アシルオキシ基(例、アセトキシ基、ブチリルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ラウリルオキシ基)、アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基)、アリールオキシ基(例、フェノキシ基)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基)、アリールチオ基(例、フェニルチオ基)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基)、アミド基(例、アセトアミド基、ブチルアミド基、ヘキシルアミド基、ラウリルアミド基)及び非芳香族性複素環基(例、モルホリル基、ピラジニル基)が含まれる。
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基及びアルキル基が好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、更に置換基を有していてもよい。アルキル部分及びアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分及びアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基が好ましい。
一般式(i)において、L2及びL3は、それぞれ独立に、−O−CO−又はCO−O−及びそれらの組合せからなる基より選ばれる二価の連結基である。
一般式(i)において、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基又はエチニレン基である。
以下に、一般式(i)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2010170128
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具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−cis)とを、以下に示す。
Figure 2010170128
本発明のレターデーション上昇剤は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
具体例(2)及び(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。
具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
本発明のレターデーション発現剤は、文献記載の方法により合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
本発明におけるレターデーション発現剤の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部が更に好ましく、1〜15質量部が最も好ましい。
本発明におけるレターデーション発現剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒にRe発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加してもよいし、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
(可塑剤)
本発明のセルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムに用いられる可塑剤は200nm以上700nm以下の波長範囲におけるモル吸光係数が1000以下であることが好ましい。可塑剤のモル吸光係数は更に好ましくは500以下である。
可塑剤としては、非りん酸系化合物であることが好ましく、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体(以下、多糖若しくは炭水化物系可塑剤という)が特に好ましい。
炭水化物系可塑剤を構成する単糖又は多糖は、分子中の置換可能な基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基など)が置換されていることを特徴とする。置換基の例としては、エーテル基、エステル基、アミド基、イミド基などを挙げることができる。
単糖又は2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
好ましくは、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、スクラロース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールであり、更に好ましくは、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンであり、特に好ましくは、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、キシリトール、ソルビトールである。
また、炭水化物系可塑剤の置換基の例としては、エーテル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキルエーテル基、例えば、メチルエーテル基、エチルエーテル基、プロピルエーテル基、ヒドロキシエチルエーテル基、ヒドロキシプロピルエーテル基、2−シアノエチルエーテル基、フェニルエーテル基など)、エステル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアシルエステル基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基など)、アミド基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアミド、例えばホルムアミド基、アセトアミド基など)、を挙げることができる。
これらの中で、更に好ましいものはエーテル基又はエステル基であり、特に好ましくはエステル基である。
炭水化物系可塑剤の好ましい例としては、以下のものを挙げることができる。ただし、本発明で用いることができる炭水化物系可塑剤は、これらに限定されるものではない。
すなわち、サッカロースオクタアセテート、キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラブチレート、グルコースペンタブチレート、フルクトースペンタブチレート、マンノースペンタブチレート、ガラクトースペンタブチレート、マルトースオクタブチレート、セロビオースオクタブチレート、スクロースオクタブチレート、キシリトールペンタブチレート、ソルビトールヘキサブチレート、などが好ましく、サッカロースオクタアセテート、キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、などが更に好ましく、サッカロースオクタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、などが特に好ましく、サッカロースオクタアセテートが最も好ましい。
本発明の炭水化物系可塑剤は市販品((株)東京化成製、アルドリッチ製等)を入手可能、若しくは市販の炭水化物を既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678等に記載の方法)により合成可能である。
本発明において、炭水化物系可塑剤は、単独で配合してもよいし、2種以上併用してもよい。また、他の可塑剤と併用してもよい。カルボン酸エステル類、多価アルコールの脂肪酸エステル類などが好ましく用いることができる。
本発明に用いられる可塑剤としては、波長200nm〜700nmにおいてモル吸光係数が1000以下、好ましくは500以下である非りん酸系可塑剤が特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して0.1〜25質量部とするのが好ましく、1〜20質量部とするのが更に好ましく、3〜15質量部とするのが最も好ましい。
(マット剤としての微粒子)
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。これらの微粒子の中ではケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子サイズが1nm〜20nmであり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径は1nm〜20nmであることが好ましく、5nm〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズをより下げることができて、より好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットルが好ましく、100〜200g/リットルが更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子サイズが0.05〜2.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.05〜2.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子サイズは0.05μm〜1.0μmが好ましく、0.1μm〜0.7μmが更に好ましく、0.1μm〜0.4μmが最も好ましい。1次、2次粒子サイズはフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒子サイズとした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子サイズとする。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子サイズが20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明で用いるマット剤は以下の方法により調製することが好ましい。すなわち、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意したセルロースアシレート濃度が5質量%未満で分子量200〜2000の第1の添加剤溶液に加えて攪拌溶解した後、更に第2の添加剤溶液を加えて攪拌溶解した後、更にメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法が好ましい。
マット剤の表面は疎水化処理されているため、疎水的な添加剤が添加されると、マット剤の表面に添加剤が吸着され、これを核として、添加剤の凝集物が発生しやすい。相対的に親水的な添加剤を予めマット剤分散液と混合したのち、疎水的な添加剤を混合することにより、マット剤表面での添加剤の凝集を抑制することができ、ヘイズが低く、液晶表示装置に組み込んだ際の黒表示における光漏れが少なく好ましい。
マット剤の分散剤と添加剤溶液の混合、及びセルロースアシレート液との混合にはインラインミキサーを使用することが好ましい。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が同量の添加量に対する濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤の添加量は0.001〜1.0質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%が更に好ましく、0.01〜0.1質量%が最も好ましい。
〔セルロースアシレートフィルムの製造〕
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造するのが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上記した好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることが更に好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
本発明において有機溶媒はメチレンクロリドとアルコールを混合して用いることが好ましく、メチレンクロリドに対するアルコールの比率は1質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下が好ましく、12質量%以上30質量%以下が最も好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−ブタノールが好ましく、2種類以上のアルコールを混合して使用してもよい。
0℃以上の温度(常温又は高温)で処理することからなる一般的な方法で、セルロースアシレート溶液を調製することができる。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に溶液全体量に対して10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることが更に好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、前述の任意の添加剤を添加しておいてもよい。
セルロースアシレート溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。
加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、更に好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、又は取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にも、セルロースアシレートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアシレートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロースアシレートの量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることが更に好ましい。更に、混合物中には前述の任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、更に好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。冷却によりセルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることが更に好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を、冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
更に、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、更に好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアシレートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよく、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることが更に好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造する。ドープにはレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35質量%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2336310号、同第2367603号、同第2492078号、同第2492977号、同第2492978号、同第2607704号、同第2739069号及び同第2739070号の各明細書、英国特許第640731号及び同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号の各公報に記載がある。バンド又はドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行うことができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムのバンド又はドラム上の乾燥はできるだけ低温でおこなうことが好ましい。残量溶剤含量が30質量%以上における乾燥温度は150℃以下が好ましく、120℃以下が更に好ましく、90℃以下が最も好ましい。
上記範囲で乾燥を行うことにより、フィルム中の微結晶の生成を低減することができる。
調整したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて二層以上の流延を行いフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
[延伸処理]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムの搬送方向(長手方向)及び/又はこれと垂直な方向(幅方向)に延伸処理を行うことにより得ることが好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、一定以下の残留溶媒含量で一定の延伸速度で延伸することが好ましい。延伸開始時の残留溶媒含量は通常1質量%以上80質量%以下であり、1質量%以上70質量%以下が好ましく、1質量%以上60質量%以下が更に好ましい。
また延伸温度は、120℃〜180℃の範囲が好ましい。
フィルムの延伸倍率は、1%〜100%が好ましく、5%〜90%が更に好ましい。なお本発明においてフィルムの延伸倍率とは、下記数式(22)で求められる数値を指すものとする。
数式(22):{(延伸後の寸法/延伸前の寸法)−1}×100(%)
(幅方向の延伸倍率/長手方向の延伸倍率)の比は1以上10以下が好ましく2以上8以下が更に好ましい。
〔セルロースアシレートフィルムの特性〕(フィルムの厚み)
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚みは例えば30μm以上70μm未満であり、好ましくは40μm以上60μm以下であり、更に好ましくは40μm以上55μm以下である。
上記範囲にフィルムの厚みを設定することにより、配向度が高く、かつ取り扱い性に優れたセルロースアシレートフィルムが得られる。詳細には、フィルム厚みが30μm未満では製長尺ロール製造時の搬送が不安定となり、クニックや傷等の故障が多くなり、70μm以上であると、配向度を充分に向上することが困難となる。
(フィルムのレターデーション)
本明細書において、Re、Rthは各々、面内レターデーション及び厚み方向レターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、正面の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する。:
セルロースアシレート(1.48)、
シクロオレフィンポリマー(1.52)、
ポリカーボネート(1.59)、
ポリメチルメタクリレート(1.49)、
ポリスチレン(1.59)。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
本発明においてレターデーションの波長分散が逆分散性であるとは測定波長が大きくなるにつれてレターデーションの値が大きくなることを表す。
本発明のセルロースアシレートフィルムのレターデーションは、下記式(4)及び(5)の関係を満たす。
30nm≦Re(548)≦80nm ・・・式(4)
70nm≦Rth(548)≦200nm ・・・式(5)
また、下記式(11)及び(12)を満たすことが好ましい。
0.7≦Re(446)/Re(548)≦0.95 ・・・式(11)
0.7≦Rth(446)/Rth(548)≦0.95 ・・・式(12)
式(4)は更に好ましくは、下記式(4−b)であり、最も好ましくは、下記式(4−c)である。
30nm≦Re(548)≦70nm ・・・式(4−b)
35nm≦Re(548)≦65nm ・・・式(4−c)
式(5)は更に好ましくは、下記式(5−b)であり、最も好ましくは、下記式(5−c)である。
90nm≦Rth(548)≦180nm ・・・式(5−b)
100nm≦Rth(548)≦160nm ・・・式(5−c)
式(11)は更に好ましくは、下記式(11−b)であり、最も好ましくは、下記式(11−c)である。
0.70≦Re(446)/Re(548)≦0.90 ・・・式(11−b)
0.75≦Re(446)/Re(548)≦0.85 ・・・式(11−c)
式(12)は更に好ましくは、下記式(12−b)であり、最も好ましくは、下記式(12−c)である。
0.75≦Rth(446)/Rth(548)≦0.95 ・・・式(12−b)
0.7≦Rth(446)/Rth(548)≦0.90 ・・・式(12−c)
上記範囲にレターデーションを調製することにより光学補償シート部材として液晶表示装置に組み込んだ際に、視角による色味変化の小さい液晶表示装置が得られる。
具体的には、Re(548)が、30nm未満あるいは80nmより大きい場合は、視角によるコントラスト変化が大きくなる。
また、Rth(548)が、70nm未満あるいは200nmより大きい場合も視角によるコントラスト変化が大きくなる。
上記式(4)、(5)を満足したフィルムを得るには、セルロースアシレート材料を選択したり、ポリスチレン系化合物の添加量を調節したり、延伸条件を調節するなどすればよい。具体的には、実施例において詳述する。
(環境湿度によるレターデーション変化)
本発明によれば、特定の置換基/置換度を有するセルロースアシレートと特定のポリスチレン系化合物を組み合わせることにより、環境湿度によるレターデーション変化が小さく、逆分散性の大きいフィルムが得られる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの環境湿度によるRe変化とReの逆分散性の関係は下記式(10)を満たすことが好ましい。
0.0≦|Re(10%RH)−Re(80%RH)|/[Re(629)−Re(446)]≦2.0 ・・・式(10)
(式(10)において、Re(10%RH)は25℃10%RHの環境下で波長550nmで測定したReを表し、Re(80%RH)は25℃80%RHの環境下で波長550nmで測定したReを表し、Re(629)は25℃60%RHの環境下で波長630nmで測定したReを表し、Re(446)は25℃60%RHの環境下で波長450nmで測定したReを表す。)
式(10)は好ましくは式(10)'であり、より好ましくは式(10)''である。
0.0≦|Re(10%RH)−Re(80%RH)|/[Re(629)−Re(446)]≦1.5 ・・・式(10)'
0.0≦|Re(10%RH)−Re(80%RH)|/[Re(629)−Re(446)]≦1.0 ・・・式(10)''
セルロースアシレート単独フィルムでも延伸処理をおこないセルロースアシレートの配向度を大きくすることにより逆分散性を大きくすることは可能であるが、一方で、環境湿度によるレターデーション変化は大きくなってしまう。これはセルロースアシレート中のアシル基に水分子が配位することにより固有複屈折が変化することが原因である。芳香環に親水性基を有するポリスチレン系化合物をセルロースアシレートと組み合わせて用いると、ポリスチレン系化合物が逆分散性を大きくすると同時に、芳香環の疎水化効果によりセルロースアシレート中のアシル基への水の配位を抑制することができ、逆分散性を大きくしながら、環境湿度によるレターデーション変化を低減することが可能となる。
(ヘイズ)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ヘイズ値が0.1%以上0.8%以下であることが好ましい。更に好ましくは、0.1%以上0.7%以下であり、最も好ましくは0.1%以上0.6%以下である。ヘイズ値は、通常当該分野で使用されるヘイズ計の何れも用いて測定することができる。例えば、ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定できる。本発明では、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した値を用いた。前記範囲にヘイズを制御することにより、光学補償シートとして液晶表示装置に組み込んだ際に高コントラストの画像が得られる。
(セルロースアシレートフィルムの表面処理)
セルロースアシレートフィルムの表面エネルギーは55〜75mN/mであることが好ましい。この範囲にするには、表面処理を施すことが好ましい。表面処理の例として、ケン化処理、プラズマ処理、火炎処理、及び紫外線照射処理が挙げられる。ケン化処理には、酸ケン化処理及びアルカリケン化処理が含まれる。プラズマ処理にはコロナ放電処理及びグロー放電処理が含まれる。フィルムの平面性を保つために、これらの表面処理においては、セルロースアシレートフィルムの温度をガラス転移温度(Tg)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。これらの表面処理後のセルロースアセテートフィルムの表面エネルギーは55〜75mN/mであることが好ましい。
グロー放電処理は、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体は、上記のような条件においてプラズマ励起される気体であり、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000keV下で20〜500kGyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500keV下で20〜300kGyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、セルロースアシレートフィルムを鹸化液の槽に直接浸漬する方法又は鹸化液をセルロースアシレートフィルム塗布する方法で実施することが好ましい。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHが更に好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上が更に好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒〜5分が好ましく、5秒〜5分が更に好ましく、20秒〜3分が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
これらの方法で得られた固体の表面エネルギーは「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社
1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、及び吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種類の溶液をセルロースアシレートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
セルロースアシレートフィルムに上記の表面処理を実施することにより、フィルムの表面エネルギーが55〜75mN/mであるセルロースアシレートフィルムを得ることができる。このセルロースアシレートフィルムを偏光板の透明保護膜とすることにより、偏光膜とセルロースアシレートフィルムの接着性を向上させることができる。
[セルロースアシレートフィルムを用いた光学材料]
(光学補償シート)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学補償シートとして利用できる。すなわち、本発明のセルロースアシレートフィルムは、一枚だけでも光学補償シートとして機能するものである。このことから、本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学補償シートとして用いることが好ましい。また、本発明の光学補償シートは、上述の本発明のセルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を有してもよい。
(偏光板)
本発明の偏光板は、偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、上述の本発明のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする。
偏光板は、通常、偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、上記のセルロースアシレートフィルムを用いる。他方の保護膜は、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることもできるし、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
セルロースアシレートフィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
(反射防止層)
偏光板の、液晶セルと反対側に配置される透明保護膜には反射防止層を設けることが好ましい。特に本発明では、(1)透明保護膜上に少なくとも光散乱層と低屈折率層がこの順で積層した反射防止層、又は、(2)透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層が好適に用いられる。以下にそれらの好ましい例を順に記載する。
(1)透明保護膜上に光散乱層と低屈折率層を設けた反射防止層
光散乱層には、マット粒子が分散しており、光散乱層のマット粒子以外の部分の素材の屈折率は1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、低屈折率層の屈折率は1.20〜1.49の範囲にあることが好ましい。本態様において光散乱層は、防眩性とハードコート性を兼ね備えており、1層でもよいし、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。
反射防止層は、その表面凹凸形状として、中心線平均粗さRaが0.08〜0.40μm、10点平均粗さRzがRaの10倍以下、平均山谷距離Smが1〜100μm、凹凸最深部からの凸部高さの標準偏差が0.5μm以下、中心線を基準とした平均山谷距離Smの標準偏差が20μm以下、傾斜角0〜5度の面が10%以上となるように設計することで、十分な防眩性と目視での均一なマット感が達成され、好ましい。また、C光源下での反射光の色味がa*値−2〜2、b*値−3〜3、380nm〜780nmの範囲内での反射率の最小値と最大値の比0.5〜0.99であることで、反射光の色味がニュートラルとなり、好ましい。またC光源下での透過光のb*値が0〜3とすることで、表示装置に適用した際の白表示の黄色味が低減され、好ましい。また、面光源上と本発明の反射防止フィルムの間に120μm×40μmの格子を挿入してフィルム上で輝度分布を測定した際の輝度分布の標準偏差が20以下であると、高精細パネルに本発明のフィルムを適用したときのギラツキが低減され、好ましい。
本態様の反射防止層は、その光学特性として、鏡面反射率2.5%以下、透過率90%以上、60度光沢度70%以下とすることで、外光の反射を抑制でき、視認性が向上するため好ましい。特に鏡面反射率は1%以下がより好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。ヘイズ20%〜50%、内部ヘイズ/全ヘイズ値0.3〜1、光散乱層までのヘイズ値から低屈折率層を形成後のヘイズ値の低下が15%以内、くし幅0.5mmにおける透過像鮮明度20%〜50%、垂直透過光/垂直から2度傾斜方向の透過率比が1.5〜5.0とすることで、高精細LCDパネル上でのギラツキ防止、文字等のボケの低減が達成され、好ましい。
<低屈折率層>
反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であり、好ましくは1.30〜1.44の範囲にある。更に、低屈折率層は下記数式(VI)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(VI)(m/4)×0.7<n1d1<(m/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
本発明の低屈折率層を形成する素材について以下に説明する。
本発明の低屈折率層には、低屈折率バインダーとして、含フッ素ポリマーを含む。フッ素ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.20、水に対する接触角90〜120°、純水の滑落角が70°以下の熱又は電離放射線により架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に装着した時、市販の接着テープとの剥離力が低いほどシールやメモを貼り付けた後に剥がれ易くなり好ましく、500gf以下が好ましく、300gf以下がより好ましく、100gf以下が最も好ましい。また、微小硬度計で測定した表面硬度が高いほど、傷がつき難く、0.3GPa以上が好ましく、0.5GPa以上がより好ましい。
低屈折率層に用いられる含フッ素ポリマーとしてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性付与のための構成単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
架橋反応性付与のための構成単位としてはグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、これらの構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
また上記含フッ素モノマー単位、架橋反応性付与のための構成単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号及び特開平10−147739号各公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
<光散乱層>
光散乱層は、表面散乱及び/又は内部散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。従って、ハードコート性を付与するためのバインダー、光拡散性を付与するためのマット粒子、及び必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを含んで形成される。
光散乱層の膜厚は、ハードコート性を付与する目的で、1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。薄すぎるとハード性が不足し、厚すぎるとカールや脆性が悪化して加工適性が不足となる。
散乱層のバインダーとしては、飽和炭化水素鎖又はポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることが更に好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。バインダーポリマーを高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むものを選択することもできる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、上記のエチレンオキサイド変性体、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止層を形成することができる。これらの光ラジカル開始剤等は公知のものを使用することができる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止層を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに又はそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
光散乱層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きく、平均粒子サイズが1〜10μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子が含有される。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋アクリルスチレン粒子、シリカ粒子が好ましい。
マット粒子の形状は、球状あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、粒子サイズの異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子サイズのマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子サイズのマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。
更に、上記マット粒子の粒子サイズ分布としては単分散であることが最も好ましく、各粒子の粒子サイズは、それぞれ同一に近ければ近いほど良い。例えば平均粒子サイズよりも20%以上粒子サイズが大きな粒子を粗大粒子と規定した場合には、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。このような粒子サイズ分布を持つマット粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布のマット剤を得ることができる。
上記マット粒子は、形成された光散乱層のマット粒子量が好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2となるように光散乱層に含有される。
マット粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
光散乱層には、層の屈折率を高めるために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒子サイズが0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
また逆に、マット粒子との屈折率差を大きくするために、高屈折率マット粒子を用いた光散乱層では層の屈折率を低目に保つためにケイ素の酸化物を用いることも好ましい。好ましい粒子サイズは前述の無機フィラーと同じである。
光散乱層に用いられる無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITOとSiO2等が挙げられる。TiO2及びZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーの添加量は、光散乱層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、このようなフィラーは、粒子サイズが光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
光散乱層のバインダー及び無機フィラーの混合物のバルクの屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.80である。屈折率を上記範囲とするには、バインダー及び無機フィラーの種類及び量割合を適宜選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験的に容易に知ることができる。
光散乱層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を防眩層形成用の塗布組成物中に含有する。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
(2)透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層
基体(ここでは透明保護膜、以下、本態様において、基体、基材及び透明支持体という場合、透明保護膜を指す。また、反射防止膜とは、基体上に反射防止層を有するものを言う。)上に少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成から成る反射防止層は、以下の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
又、透明支持体と中屈折率層の間に、ハードコート層を設けてもよい。更には、中屈折率ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層からなってもよい。
例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等が挙げられる。又、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例えば、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
反射防止膜のヘイズは、5%以下あることが好ましく、3%以下が更に好ましい。又膜の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
<高屈折率層及び中屈折率層>
反射防止膜の高い屈折率を有する層は、平均粒子サイズ100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子及びマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜から成る。
高屈折率の無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物が挙げられ、好ましくは屈折率1.9以上のものが挙げられる。例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。
このような超微粒子とするには、粒子表面が表面処理剤で処理されること(例えば、シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造とすること(特開2001−166104号公報等)、特定の分散剤併用(例えば、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858号明細書、特開2002−2776069号公報等)等挙げられる。
マトリックスを形成する材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等が挙げられる。
更に、ラジカル重合性及び/又はカチオン重合性の重合性基を少なくとも2個以上含有の多官能性化合物含有組成物、加水分解性基を含有の有機金属化合物及びその部分縮合体組成物から選ばれる少なくとも1種の組成物が好ましい。例えば、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の化合物が挙げられる。
又、金属アルコキドの加水分解縮合物から得られるコロイド状金属酸化物と金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜も好ましい。例えば、特開2001−293818号公報等に記載されている。
高屈折率層の屈折率は、一般に1.70〜2.20である。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることが更に好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。また、厚さは5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることが更に好ましい。
<低屈折率層>
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層して成る。低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55である。好ましくは1.30〜1.50である。
耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等から成る薄膜層の手段を適用できる。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含む架橋性若しくは重合性の官能基を含む化合物が好ましい。
例えば、特開平9−222503号公報段落[0018]〜[0026]、同11−38202号公報段落[0019]〜[0030]、特開2001−40284号公報段落[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報等に記載の化合物が挙げられる。
シリコーン化合物としてはポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造を有するものが好ましい。例えば、反応性シリコーン(例えば、サイラプレーン(チッソ(株)製等)、両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報等)等が挙げられる。
架橋又は重合性基を有する含フッ素及び/又はシロキサンのポリマーの架橋又は重合反応は、重合開始剤、増感剤等を含有する最外層を形成するための塗布組成物を塗布と同時又は塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
また、シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化するゾルゲル硬化膜も好ましい。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物又はその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報記載等記載の化合物)、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
低屈折率層は、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有することができる。
低屈折率層が最外層の下層に位置する場合、低屈折率層は気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されても良い。安価に製造できる点で、塗布法が好ましい。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることが更に好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
(3)反射防止層の他の層
更に、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
<ハードコート層>
ハードコート層は、反射防止層を設けた透明保護膜に物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。
硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。
これらの化合物の具体例としては、高屈折率層で例示したと同様のものが挙げられる。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものが挙げられる。
高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。このような場合、高屈折率層で記載した手法を用いて微粒子を微細に分散してハードコート層に含有させて形成することが好ましい。
ハードコート層は、平均粒子サイズ0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。又、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
<帯電防止層>
帯電防止層を設ける場合には体積抵抗率が10-8(Ωcm-3)以下の導電性を付与することが好ましい。吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の界面活性剤、カチオンポリマー、アニオンポリマー、コロイダルシリカ等の使用により10-8(Ωcm-3)の体積抵抗率の付与は可能であるが、温湿度依存性が大きく、低湿では十分な導電性を確保できない問題がある。そのため、導電性層素材としては金属酸化物が好ましい。金属酸化物には着色しているものがあるが、これらの金属酸化物を導電性層素材として用いるとフィルム全体が着色してしまい好ましくない。着色のない金属酸化物を形成する金属としてZn,Ti,Al,In,Si,Mg,Ba,Mo,W,又はVをあげることができ、これを主成分とした金属酸化物を用いることが好ましい。具体的な例としては、ZnO,TiO2,SnO2,Al23,In23,SiO2,MgO,BaO,MoO3,V25等、あるいはこれらの複合酸化物がよく、特にZnO,TiO2,及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl,In等の添加物、SnO2に対してはSb,Nb,ハロゲン元素等の添加、またTiO2に対してはNb,TA等の添加が効果的である。更にまた、特公昭59−6235号公報に記載の如く、他の結晶性金属粒子あるいは繊維状物(例えば酸化チタン)に上記の金属酸化物を付着させた素材を使用しても良い。なお、体積抵抗値と表面抵抗値は別の物性値であり単純に比較することはできないが、体積抵抗値で10-8(Ωcm-3)以下の導電性を確保するためには、該導電層が概ね10-10(Ω/□)以下の表面抵抗値を有していればよく更に好ましくは10-8(Ω/□)である。導電層の表面抵抗値は帯電防止層を最表層としたときの値として測定されることが必要であり、本明細書に記載の積層フィルムを形成する途中の段階で測定することができる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が本発明の偏光板であることを特徴とする。
すなわち、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は、液晶表示装置に有利に用いられる。本発明の偏光板は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric
Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。このうち、OCBモード又はVAモードに好ましく、特にVAモードに好ましく用いることができる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置である。OCBモードの液晶セルは、米国特許第4,583,825号、同5,410,422号の各明細書に開示されている。棒状液晶分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモード及びVAモードの液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に二枚の偏光板を配置してもよいし、VAモードの場合、偏光板をセルのバックライト側に配置してもよい。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
以下に、本発明の液晶表示装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図であり、図2は、本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。
図1に示す液晶表示装置は、VAモード液晶セル31の片面に上側偏光板30を他面に下側偏光板32を貼り合わせてなる。両偏光板30、32は、それぞれ偏光膜34の両面側にセルロースアシレートフィルム33を貼り合わせてなる。
図2に示す液晶表示装置10は、液晶層7の両面に液晶セル上電極基板5及び液晶セル下電極基板8貼り合わせて液晶セルを形成してなり、更に液晶セルの両面に上側偏光板1及び下側偏光板12を貼り合わせてなる。そして、上側偏光板吸収軸の方向2、上基板の配向制御方向6、下基板の配向制御方向9、下側偏光板吸収軸の方向13は、それぞれ図に示す方向となっている。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1] セルロースアシレートフィルム101の作製
<セルロースアセテート溶液の調製>
下記組成の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液01を調製した。
(セルロースアシレート溶液01の組成)
セルロースアセテートプロピオネート 100.0質量部
(アセチル基の置換度1.35、プロピオニル基の置換度0.80)
ポリスチレン系化合物 6.3質量部
サッカロースオクタアセテート(可塑剤)(波長200nm〜700nmの波長範囲におけるモル吸光係数が1000未満) 2.0質量部
一般式(i)で表されるレターデーション発現剤(8)
(波長250nm〜700nmの波長範囲におけるモル吸光係数が2000未満)
2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
エタノール(第2溶媒) 60.0質量部
<マット剤溶液11の調製>
下記組成の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を分散混合し、マット剤溶液を調製した。
(マット剤溶液11の組成)
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
エタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液01 10.3質量部
上記マット剤溶液を1.3質量部とセルロースアシレート溶液01を98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合した後、バンド流延機を用いて流延した。100℃で残留溶剤含量40%まで乾燥し、フィルムを剥ぎ取った。140℃の雰囲気温度でフィルムを幅方向に30%の倍率で延伸したのち、140℃で30秒間保持した。延伸開始時の残留溶剤含量は18%であった。その後、クリップを外して130℃で30分間乾燥させ、セルロースアシレートフィルム101を製造した。作製されたセルロースアシレートフィルム101の残留溶剤量は0.1%であり、フィルム厚みは55μmであった。
[実施例2〜19] セルロースアシレートフィルム102〜119の作製
セルロースアシレートの種類、ポリスチレン系化合物の種類/量、延伸温度及び延伸倍率を表1のものに変更した以外はセルロースアシレートフィルム101と同様にしてセルロースアシレートフィルム102〜119を作製した。
[比較例1〜12] セルロースアシレートフィルム201〜212の作製
セルロースアシレートの種類、ポリスチレン系化合物の種類/量、延伸温度及び延伸倍率を表1のものに変更した以外はセルロースアシレートフィルム101と同様にしてセルロースアシレートフィルム201〜212を作製した。
Figure 2010170128
ポリスチレン系化合物A:東邦化学社製PHSC20A30S、質量平均分子量2000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=70/30(モル比)
ポリスチレン系化合物B:東邦化学社製PHSC40A30S、質量平均分子量4000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=70/30(モル比)
ポリスチレン系化合物C:東邦化学社製PHSC60A10S、質量平均分子量6000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=90/10(モル比)
ポリスチレン系化合物D:マルカリンカーM−S1P、質量平均分子量1900、吸収極大波長279nm、ヒロドキシスチレン単独
ポリスチレン系化合物E:マルカリンカーM−S2P、質量平均分子量5000、吸収極大波長279nm、ヒロドキシスチレン単独
ポリスチレン系化合物F:BASF社製JONCRYL682、質量平均分子量1700、吸収極大波長244nm、
ポリスチレン系化合物G:BASF社製JONCRYL586、質量平均分子量4600、吸収極大波長244nm、
ポリスチレン系化合物H:東邦化学社製PHSC100A15S、質量平均分子量10000、吸収極大波長279nm、ヒドロキシスチレン/スチレン=70/30(モル比)
ポリスチレン系化合物I:質量平均分子量2200、吸収極大波長300nm、下記構造及び組成のポリスチレン誘導体。市販のヒドロキシポリスチレンと市販の酸から公知の方法(例えば特許第2862720号)により合成。
Figure 2010170128
ポリスチレン系化合物J:質量平均分子量2500、吸収極大波長330nm、下記構造及び組成のポリスチレン誘導体。市販のヒドロキシポリスチレンと市販の酸から公知の方法(例えば特許第2862720号)により合成。
Figure 2010170128
ポリスチレン系化合物K:質量平均分子量2000、吸収極大波長270nm、下記構造及び組成のポリスチレン誘導体。特開2000−7600号に記載の方法によりにより合成。
Figure 2010170128
ポリスチレン系化合物L:質量平均分子量800、吸収極大波長279nm、市販のビニルフェノールから公知の方法(例えば特開2000−7600号公報)により合成。
[レターデーションの測定]
作製した各セルロースアセテートフィルムについて、KOBRA(WR、王子計測機器(株)製)を用いて、相対湿度25℃60%の環境下で波長446nm、548nm、629nmにおけるReレターデーション値及びRthレターデーション値を測定した。また、相対湿度25℃10%の環境下及び相対湿度25℃80%の環境下についても波長548nmにおけるReレターデーション値及びRthレターデーション値を測定した。[ヘイズの測定]
フイルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2010170128
表2の結果から、本発明のポリスチレン系化合物を使用したフィルム101〜119はポリスチレン系化合物を添加していない比較例のフィルム208に対して、Re湿度依存性を小さくしたまま、Re逆分散を大きくでき、好ましいことがわかる。また、本発明のポリスチレン系化合物を含み、セルロースアシレートの置換度が制御された本発明のフィルム101〜119は比較例のフィルム201〜207及び209〜211に対して、ヘイズを低く抑えられており好ましいことがわかる。
[実施例20]偏光板101の作製
(セルロースアシレートフィルムの鹸化処理)
実施例1で作製されたセルロースアシレートフィルム101を、1.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬し、次いで室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した後、再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、更に100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルム101の表面を鹸化し、以下の偏光板試料作製に供した。
また、市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)を同条件で鹸化し、以下の偏光板試料作製に供した。
(偏光膜の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で鹸化処理したセルロースアシレートフィルム101を偏光膜の片側に透明保護膜としてセルロースアシレートフィルム101からなる光学補償シートを貼り付けた。偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。
更に上記で鹸化処理したセルローストリアセテートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板101を作製した。
[実施例21] 偏光板102〜119の作製
セルロースアシレートフィルム102〜119についても偏光板101と同様にして偏光板102〜119を作製した。
[比較例12] 偏光板201〜212の作製
セルロースアシレートフィルム201〜212についても偏光板101と同様にして偏光板201〜212を作製した。
[実施例22] VA液晶表示装置の作製と評価1
(液晶セルの作製)
ポリビニルアルコール3質量%水溶液100質量部に、オクタデシルジメチルアンモニウムクロリド(カップリング剤)を1質量部添加した。これを、ITO電極付のガラス基板上にスピンコートし、160℃で熱処理した後、ラビング処理を施して、垂直配向膜を形成した。ラビング処理は、2枚のガラス基板において反対方向となるようにした。セルギャップ(d)が5μmとなるように2枚のガラス基板を向かい合わせた。セルギャップに、エステル系とエタン系を主成分とする液晶性化合物(Δn:0.08)を注入し、垂直配向液晶セルを作製した。Δnとdとの積は410nmであった。
上記で作製した垂直配向液晶セルの両面に、偏光板101を粘着シートを用いて貼り付けて、液晶表示装置101を作製した。
更に、本発明の偏光板102〜119及び比較例の偏光板201〜212についても液晶表示装置101の作製と同様にして、液晶表示装置(102)〜(119)及び(201)〜(212)を作製した。
(色味視野角の変化)
上記で作製した液晶表示装置(101)〜(119)及び(201)〜(212)について極角60°において、方位角0°と方位角80°との色味変化をELDIM社製Ezcontrastにより測定し、正面コントラスト及びxy色度図上での色味変化の絶対値Δx,Δyを求めたところ、本発明の液晶表示装置(101)〜(119)は比較例の液晶表示装置(201)〜(212)に対して正面コントラストが高くかつ視角による色味変化が小さく好ましかった。
本発明は、ヘイズが低く、レターデーションの波長分散特性に優れ、環境湿度による性能変化が小さいセルロースアシレートフィルムを提供する。
偏光板の保護膜は、一般にセルロースアセテートフィルムからなるが、本発明のフィルムを偏光板の一方の保護膜として用いると、偏光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光学補償機能を追加することができる。
本発明のセルロースアセテートフィルムを保護膜として用いた偏光板は、VAモードの液晶表示装置に、特に有利に用いることができる。
1 上側偏光板
2 上側偏光板吸収軸の方向
5 液晶セル上電極基板
6 上基板の配向制御方向
7 液晶層
8 液晶セル下電極基板
9 下基板の配向制御方向
10 液晶表示装置
12 下側偏光板
13 下側偏光板吸収軸の方向
30 上側偏光板
31 VAモード液晶セル
32 下側偏光板
33 セルロースアシレートフィルム
34 偏光膜

Claims (10)

  1. アセチル基及び炭素数が3又は4のアシル基Bを含み、アセチル基の置換度及びアシル基Bの置換度が下記式(1)〜(3)の関係を満たすセルロースアシレートと、250nm以上400nm以下の波長範囲に吸収極大を有する質量平均分子量が1000以上8000以下のポリスチレン系化合物とを含み、測定波長550nmにおけるRe及びRthが下記式(4)及び(5)の関係を満たし、かつRe及びRthがともに測定波長が大きくなるにつれて大きくなる逆分散性を有するセルロースアシレートフィルム。
    0.10≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・式(1)
    0.10≦アシル基Bの置換度≦1.50 ・・・式(2)
    1.90≦総てのアシル置換基の置換度の和≦2.50 ・・・式(3)
    30nm≦Re(548)≦80nm ・・・式(4)
    70nm≦Rth(548)≦200nm ・・・式(5)
    (式(4)及び(5)において、Re(λ)は測定波長λnmにおける面内レターデーションを表し、Rth(λ)は測定波長λnmにおける厚み方向レターデーションを表す。)
  2. アシル基Bがプロピオニル基であり、アセチル基の置換度とプロピオニル基の置換度が下記式(6)、(7)の関係を満たす請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
    0.50≦アセチル基の置換度≦1.80 ・・・式(6)
    0.50≦プロピオニル基の置換度≦1.50 ・・・式(7)
  3. アシル基Bがブチリル基であり、アセチル基の置換度とブチリル基の置換度が下記式(8)、(9)の関係を満たす請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
    1.00≦アセチル基の置換度≦2.00 ・・・式(8)
    0.20≦ブチリル基の置換度≦1.00 ・・・式(9)
  4. ポリスチレン系化合物が芳香環に電子供与性の親水性基を有するポリスチレン系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 波長250nm〜700nmにおいて、芳香環に電子供与性の親水性基を有するポリスチレン系化合物の吸収極大よりも長波長領域におけるモル吸光係数が2000以下であり、少なくとも一つの芳香環を有するレターデーション発現剤を含有する請求項4に記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. ヘイズが0.1%以上0.8%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
  7. 環境湿度によるRe変化とReの逆分散性の関係が下記式(10)を満たす請求項1〜6のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
    0.0≦|Re(10%RH)−Re(80%RH)|/[Re(629)−Re(446)]≦3 ・・・式(10)
    (式(10)において、Re(10%RH)は25℃10%RHの環境下で波長548nmで測定したReを表し、Re(80%RH)は25℃80%RHの環境下で波長548nmで測定したReを表し、Re(629)は25℃60%RHの環境下で波長629nmで測定したReを表し、Re(446)は25℃60%RHの環境下で波長446nmで測定したReを表す。)
  8. 偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、請求項1〜7のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
  9. 液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が請求項8に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 表示モードがVAモードであることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
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