JP2013133233A - 浸出液の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】浸出工程においてモリブデンやバナジウムが還元されても、廃触媒からモリブデンおよび/またはバナジウムを回収する回収率を向上できる浸出液の処理方法を提供する。
【解決手段】バナジウムおよび/またはモリブデンを含む有価金属を含有する廃触媒をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属とともに焙焼して、焙焼により得られる焙焼物を浸出する浸出工程において得られた浸出液を処理する方法であって、浸出工程で得られた浸出液を中和する中和工程と、中和工程で得られた中和ろ液を酸化する酸化工程と、を備えている。浸出工程において、モリブデン、バナジウムが還元されていても、中和工程ではリン・アルミニウム等を除去でき、さらに、酸化工程においてモリブデンおよびバナジウムを酸化することができる。溶媒抽出において、クラッドの発生を防止し、モリブデンやバナジウムの抽出率の低下を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、浸出液の処理方法に関する。さらに詳しくは、石油精製所における脱硫に使用される脱硫触媒等の有価金属を有する廃触媒からモリブデンおよびバナジウムを回収する浸出液の処理方法に関する。
石油精製所における脱硫塔では、脱硫触媒によって石油が脱硫される。
かかる脱硫触媒による脱硫は、石油を高圧水素と脱硫触媒上で反応させ、硫黄化合物を硫化水素に変えて除去する水素化脱硫によって行われる。しかし、かかる水素化脱硫作業を行うにつれ、脱硫触媒はその触媒活性が低下するので、触媒活性を失った脱硫触媒(廃触媒)は新しい脱硫触媒と交換される。
ここで、水素化脱硫の反応によって、石油中に含まれていたバナジウム等の有価金属が石油から脱硫触媒に移動する。また、脱硫触媒は、もともとモリブデン等の有価金属を含有している。つまり、廃触媒には、バナジウムやモリブデン等の有価金属が含まれているので、廃触媒から有価金属を回収して有価金属を再利用することが行われている。
上記のごとき廃触媒から有価金属を回収する方法として、有価金属を水に溶解する可溶性塩としてから回収することが行われている(例えば、特許文献1)。
具体的には、廃触媒とアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩とを酸素が存在する雰囲気において、ロータリーキルンによって焙焼する。すると、廃触媒中のモリブデンやバナジウム等の有価金属は、酸化しかつアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩と反応して可溶性塩となる。この可溶性塩となった有価金属を含む焙焼物を、浸出すると、モリブデン、バナジウムの水溶液が得られるので、この水溶液に塩析・酸沈法や溶媒抽出法(例えば特許文献2)を適用すれば、三酸化モリブデン(MoO)、五酸化バナジウム(V)を得ることができる。
ところで、これら有価金属をソーダ化することによって可溶性塩を得る場合、焙焼条件によっては、廃触媒中に存在していたニッケル(Ni)やコバルト(Co)の一部が還元されてメタルとなる可能性がある。すると、メタルとなったニッケルやコバルトの影響により、浸出工程において、モリブデン(Mo6+)、やバナジウム(V5+)が還元されて、モリブデン(Mo5+)、やバナジウム(V4+)となる場合がある。かかる還元されたモリブデンやバナジウムが浸出液中に存在していると、浸出工程後の溶媒抽出において、各成分の抽出率低下等の問題が生じ、モリブデンやバナジウムの回収率が低下するという問題が生じる。
特開2005−262181号公報 特許第3835148号公報
本発明は上記事情に鑑み、浸出工程においてモリブデンやバナジウムが還元されても、廃触媒からモリブデンおよび/またはバナジウムを回収する回収率を向上できる浸出液の処理方法を提供することを目的とする。
第1発明の浸出液の処理方法は、バナジウムおよび/またはモリブデンを含む有価金属を含有する廃触媒をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属とともに焙焼し得られた焙焼物を浸出する浸出工程において得られる浸出液を処理する方法であって、該浸出工程で得られた浸出液を中和する中和工程と、該中和工程で得られた中和ろ液を酸化する酸化工程と、を備えていることを特徴とする。
第2発明の浸出液の処理方法は、第1発明において、前記酸化工程において、前記浸出液のpHが8以上の状態で、前記浸出液中の有価金属を空気酸化することを特徴とする。
第3発明の浸出液の処理方法は、第1または第2発明において、前記浸出工程において、前記焙焼物をpH6未満の液によって浸出・ろ過した場合において、前記酸化工程を行う前に、前記中和工程では、前記浸出液のpHを6〜8に調整してその状態を所定の期間保持することを特徴とする。
第1発明によれば、浸出液や中和ろ液中のモリブデン、バナジウムが還元されてモリブデン(Mo5+)やバナジウム(V4+)となっていても、酸化工程において、モリブデンおよびバナジウムを、モリブデン(Mo6+)やバナジウム(V5+)の状態とすることができる。このため、後工程の溶媒抽出において、モリブデンやバナジウムの抽出率が低下することを防ぐことができる。しかも、中和工程ではリン・アルミニウム等を除去でき、さらに、酸化工程では、ニッケル・コバルト・鉄を低レベルまで除去することができるので、溶媒抽出工程において不純物(ニッケル・コバルト・鉄の水酸化物)に起因するクラッドの発生を低減することができる。
第2発明によれば、浸出液のpHが8以上の状態で浸出液中の有価金属を空気酸化するので、モリブデンやバナジウムの酸化反応が進み易く、モリブデンやバナジウムを確実に酸化させることができる。
第3発明によれば、中和工程で生成された沈殿を分離除去することで、浸出ろ液中に存在するリン・アルミニウム等の不純物の量を低減することができる。また、pH6〜8の条件において中和工程で生成された沈殿を分離除去するので、酸化工程でpHを8以上に調整した場合にリン及びアルミニウムが沈殿から溶出するのを防ぐことができる。
本実施形態の浸出液の処理方法を採用したモリブデンおよびバナジウムを回収するフローの概略説明図である。 本発明の酸化工程に使用する空気酸化装置1の一例を示した図である。 実施例1の実験結果を示した図である。 実施例2の実験結果を示した表である。 実施例2の実験結果を示した図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の浸出液の処理方法は、バナジウムおよび/またはモリブデンを含む有価金属を含有する廃触媒からバナジウムおよび/またはモリブデンを回収する方法であって、浸出液中のモリブデンおよび/またはバナジウムの一部が還元された状態のまま溶媒抽出工程が行われることを防止するようにしたことに特徴を有している。
なお、本発明のモリブデンおよびバナジウムの回収方法(以下、単に本発明の方法という)において、その処理対象となる廃触媒は、モリブデンおよびバナジウムを含み、かつ、ニッケル、コバルト、リンなどの有価金属を含有する廃触媒である。かかる廃触媒としては、例えば、石油精製所等において使用される脱硫触媒、硫酸製造用の使用済触媒等をあげることができるが、上記の物質を1つ以上含有する廃触媒であれば、とくに限定されない。
以下では、使用済の脱硫触媒を処理してモリブデンおよびバナジウムを回収する場合を代表として説明する。
(回収フロー全体の説明)
まず、本発明の浸出液の処理方法(以下、本発明の方法という)の特徴を説明する前に、廃触媒からバナジウムおよび/またはモリブデンを回収するフローの概略を、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、廃触媒からモリブデン・バナジウムを回収する場合、まず、廃触媒とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属とを混合して、例えば、ロータリーキルンにおいて焙焼(ソーダ焙焼)を行う(焙焼工程)。
すると、廃触媒に含まれるモリブデンやバナジウムは、アルカリ金属化合物などと反応て、水などに溶解する可溶性塩となる。
そして、可溶性塩となったモリブデンおよびバナジウムを含む焙焼物を、水などによって浸出すれば、焙焼物中のモリブデンおよびバナジウムの可溶性塩が浸出され、モリブデンおよび/またはバナジウムを含有する浸出液が得られる(浸出工程)。
なお、廃触媒に含まれているその他の有価金属の一部(例えば、ニッケルやコバルトなど)は、浸出液中にわずかに浸出するが多くは残渣中に残留する。
また、浸出液のpHはとくに限定されないが、焙焼物中に不純物としてリンが含まれている場合には、残渣中のリン低減のために、pH6以下の酸性液を使用して焙焼物を浸出することが好ましい。
浸出工程において得られた浸出液はこれをろ過してニッケル含有残渣と浸出ろ液に分離し、浸出ろ液がpH6以下の酸性液の場合には、中和工程に供給され、この液に含まれる不純物がさらに除去される。そして、不純物が除去された液(中和ろ液)は、酸化工程に供給される。
なお、中和工程の詳細は後述するが、浸出ろ液のpHが中和工程のpHと同じ場合には、中和工程を行わず酸化工程を行なってもよい。
中和工程において得られた中和ろ液は、酸化工程に供給され、この液に含まれるモリブデン(Mo5+)、やバナジウム(V4+)が酸化され、また、不純物がさらに除去される。そして、不純物が除去された液(溶媒抽出始液)は、溶媒抽出工程に供給される。なお、酸化工程の詳細は後述する。
溶媒抽出工程では、酸化工程から供給された溶媒抽出始液に含まれるモリブデンとバナジウムが溶媒抽出法等によって分離され、分離されたモリブデンおよびバナジウムは、それぞれ、V製品化工程およびMo製品化工程において、五酸化バナジウムフレークや三酸化モリブデン(粉末)として回収される。
(本発明の特徴となる工程の説明)
本発明の浸出液の処理方法は、上述した工程おいて、モリブデンとバナジウムを溶媒抽出工程で処理する前に、酸化工程を行うようにしたことに特徴を有している。つまり、一部のモリブデン(Mo5+)および/またはバナジウム(V4+)が浸出液中に存在していても、モリブデンおよび/またはバナジウムを酸化して、モリブデン(Mo6+)やバナジウム(V5+)とする酸化工程を行うようにしたことに特徴を有している。
本発明の浸出液の処理方法を、図1に基づいて説明する。
(中和工程)
残渣中のリン低減の為、pH6以下の酸浸出を行った場合には、これをろ過してニッケル含有残渣と浸出ろ液に分離する。浸出ろ液にはリンが含まれているので、この浸出ろ液のpHを6〜8の間に調整して液中のリン及びアルミニウム等を中和沈殿させる。そして、この液をろ過すれば、中和ろ液とアルミニウム及びリン含有澱物を得ることができる。
以上のごとく、中和工程を行えば、空気酸化処理を行う前の段階で酸化始液に含まれる不純物を少なくできる。また、アルミニウム及びリン含有澱物を除去した中和ろ液を酸化工程に供給するので、空気酸化時にpHを上げても、リンやアルミニウムが沈殿から溶出することが無くなる。
中和工程において、浸出液のpHを調整する方法はとくに限定されない。例えば、中和槽を設けて浸出液を供給し、中和槽に収容されている浸出液に対して水酸化ナトリウムを供給することによって、酸化始液のpHを上記範囲に調整することができる。
(酸化工程)
図1に示すように、中和工程で得られた中和ろ液は酸化工程に供給され、酸化工程では、この中和ろ液に対して、pH調整処理と空気酸化処理とが行われる。
以下、酸化工程における各処理を、図1に基づいて説明する。
(pH調整処理)
図1に示すように、酸化工程に供給された浸出ろ液は、空気酸化処理を行ったときにモリブデンおよび/またはバナジウムの酸化が進みやすくなるようにpH調整される。
具体的には、pH調整処理によって、pHが8以上となるように酸化始液がpH調整される。これは、酸化始液のpHが8よりも低い場合には、空気酸化処理を行っても、モリブデンおよび/またはバナジウムの酸化が遅く、または、反応が十分に進まない可能性があるからである。
なお、酸化始液のpHは8以上であれば、モリブデンおよび/またはバナジウムの酸化を進行させることができるので、モリブデンおよび/またはバナジウムの酸化だけを考えれば、酸化始液のpHは高い方が好ましい。
一方、酸化始液のpHが高すぎると(pH10より高くなると)、酸化工程終了後、空気酸化処理が行われた液(溶媒抽出始液)のpHを低くする処理が必要になる。なぜなら、溶媒抽出始液のpHが高くなりすぎるとバナジウムの抽出率が低下するからである。
したがって、バナジウムの酸化が進みやすくし、バナジウムの抽出率を高く維持する上では、pH調整処理において調整される酸化始液のpHは、pH8〜10が好ましく、pH8〜9がより好ましい。
なお、pH調整処理において、酸化始液のpHを調整する方法はとくに限定されない。例えば、pH調整槽を設けて中和ろ液を供給し、pH調整槽に収容されている中和ろ液に対して水酸化ナトリウムを供給することによって、酸化始液のpHを上記範囲に調整することができる。あるいは、酸化槽に、水酸化ナトリウムを直接供給することによって、酸化始液のpHを上記範囲に調整することができる。
(空気酸化)
pH調整処理によって調整された酸化始液は、酸化始液中のモリブデンイオンおよび/またはバナジウムイオンが、6価のモリブデンおよび/または5価のバナジウムとなるように、空気酸化装置などによる空気酸化処理が行われる。具体的には、空気酸化装置などによって微細な気泡が酸化始液に供給される。すると、酸化始液中のモリブデン(Mo5+)および/またはバナジウム(V4+)は、微細な気泡との接触などによって、モリブデン(Mo6+)および/またはバナジウム(V5+)に酸化される。同時に、ニッケルやコバルト、鉄なども酸化され、これらの金属は水酸化物となって析出して沈殿する。この酸化された液(酸化液)を濾過して酸化液から沈殿物を除去すれば、不純物がさらに少なく、しかも、モリブデン(Mo5+)および/またはバナジウム(V4+)が殆ど無い酸化ろ液、つまり、溶媒抽出始液を得ることができる。
以上のごとく、pH調整処理および空気酸化処理からなる酸化工程を行えば、浸出工程後の浸出液中に還元されたモリブデン(Mo5+)および/またはバナジウム(V4+)が存在していても、これらのモリブデンおよび/またはバナジウムを酸化することができる。つまり、酸化工程後の溶媒抽出始液中に存在するモリブデンやバナジウムを、モリブデン(Mo6+)やバナジウム(V5+)の状態とすることができる。
すると、溶媒抽出始液を溶媒抽出したときに、モリブデンやバナジウムの抽出率が低下することを防ぐことができる。
しかも、空気酸化によって酸化始液中に微量残留したニッケルやコバルト、鉄などの不純物も酸化され、これらの不純物を水酸化物として沈殿除去することができる。このため、溶媒抽出始液中に含まれる不純物濃度をさらに低下させることができる。具体的には、溶媒抽出始液中に含まれる、クラッドの発生原因となる不純物(Fe、Co、Ni等)の濃度をさらに低レベルにすることができる。すると、溶媒抽出の際に、クラッドに起因する水相と有機相の相分離不良および有価金属の抽出率の低下が生じることを防ぐことができる。
(空気酸化装置)
上述した空気酸化処理おける酸化始液の空気酸化は、空気酸化装置などによって行うことができるが、使用する空気酸化装置はとくに限定されない。例えば、図2に示すような、自給式の空気酸化装置1を使用して空気酸化を行うことができる。
図2に示すように、空気酸化装置1は、酸化始液Lを収容する酸化槽2と、この酸化槽2内に配設された撹拌手段10と、を備えている。撹拌手段10は、中空な管状部材である筒状部材11内に回転軸12が回転可能に挿通されており、この回転軸12の先端には、複数枚の撹拌翼16を備えた撹拌部材15が設けられている。なお、筒状部材11内部は、吸気通路11cによって外部と連通されている。
以上のごとき構造であるので、空気酸化装置1の酸化槽2に酸化始液Lを入れて、回転軸12を回転させれば、回転軸12の先端に取り付けられた撹拌部材15の回転により、酸化槽2内に酸化始液Lの旋回流を発生させることができる。また、酸化始液Lに旋回流が発生するとその影響で筒状部材11の内部には吸気通路11cを通して空気が吸引されるので、吸引された空気を酸化始液Lと接触させることができる。
また、吸引された空気は撹拌部材15の回転に伴って気泡となって酸化始液Lに混合し、回転撹拌翼16によって酸化始液L中の気泡の微細化が促進されるので、酸化始液Lと空気との接触界面を大きくするとができる。
したがって、図2に示すような自給式の空気酸化装置1を使用すれば、筒状部材11内での旋回流の形成や、酸化始液L中の気泡の微細化などによって、酸化始液Lと空気との接触界面が大幅に増大するから、酸化始液L中の金属イオンと酸素とを効率よく接触させることができ、酸化始液L中の金属イオンを効率よく酸化することができる。
実施例1では、モリブデンおよび/またはバナジウムを含む液について、液のpHが空気酸化処理に与える影響を確認した。なお、液に対する空気酸化処理は、図2に示す空気酸化装置を用いて、30分間行った。
実験では、モリブデンおよび/またはバナジウムを含む液として、廃触媒をソーダ焙焼して得られた焙焼物を浸出した浸出液を使用した。使用した浸出液のpH、および浸出液中の金属イオン濃度は以下のとおりである。
pH:5.0
モリブデン濃度 :14.9g/L
バナジウム濃度 :19.3g/L
ニッケル濃度 :0.27g/L
コバルト濃度 :0.024g/L
アルミニウム濃度 :0.11g/L
鉄濃度 :0.0331g/L
リン濃度 :0.5g/L
各液のpHはガラス球式水素イオン濃度計(東亜電波製:HM−20J)によって測定した。
なお、空気酸化処理される液(酸化始液)のpHは、浸出液に対して水酸化ナトリウム(30%)を供給することによって調整した。
結果を図3に示す。
まず、浸出直後の浸出液は濃い青色を呈しており、還元されたモリブデン(Mo5+)が存在している状態(モリブデンの平均酸化状態が(Mo5+)と(Mo6+)の中間の状態)であることが確認できた。
図3に示すように、浸出直後の浸出液をそのまま酸化始液として空気酸化処理を行った場合には、空気酸化処理後の液の色は濃い青色のままであり、モリブデンをほとんど酸化できていないことが確認できた(図3のpH5の例)。
浸出液に対してpHを調整する処理を行って、pH7に調整した酸化始液について空気酸化処理を行った場合には、空気酸化処理後の液は薄い黄色になった。このことから、5価のモリブデン(Mo5+)が酸化されてその割合が減り、6価のモリブデン(Mo6+)の割合が多くなったことが確認できる。
浸出液に対してpHを調整する処理を行って、pH9に調整した酸化始液について空気酸化処理を行った場合には、空気酸化処理後の液は無色透明になっており、5価のモリブデン(Mo5+)がほとんど存在していない状態となったと考えられる。つまり、酸化始液のpHをpH9に調整すれば、還元された5価のモリブデン(Mo5+)を、全て、6価のモリブデン(Mo6+)の状態にすることができたと考えられる。
以上の結果より、モリブデンおよび/またはバナジウムを含む液を空気酸化処理して、還元されたモリブデンを酸化する上では、空気酸化処理される液のpHは高い方が好ましいことが確認できる。
実施例2では、廃触媒をソーダ焙焼して得られた焙焼物を浸出した浸出液について、本発明の処理方法によって処理した場合における、液中の不純物濃度の変化を確認した。
使用した浸出液のpH、および液中の金属イオン濃度は以下のとおりである。
pH:5.0
モリブデン濃度 :19.7g/L
バナジウム濃度 :11.7g/L
ニッケル濃度 :0.89g/L
コバルト濃度 :0.38g/L
アルミニウム濃度 :0.061g/L
鉄濃度 :0.021g/L
リン濃度 :0.92g/L
実験では、まず、(1)pH7.5となるように上記の浸出液のpHを調整して不純物を析出沈殿させ、ついで、(2)この液から沈殿物を濾過して除去した後、この濾過液のpHが9.5となるように調整してさらに不純物を析出沈殿させ、(3)pHが9.5に調整された液(酸化始液)を空気酸化装置(液処理槽容積4L、図2参照)に供給して、この空気酸化装置によって30分間空気酸化処理を行った。
なお、(2)の工程では、pHが9.5となった液の一部をサンプリングして、そのサンプリング液を濾過した液(以下、サンプリング濾過液という)を使用して、液中の不純物濃度を測定した。
そして、(1)、(2)、(3)の各工程終了後において、上記金属イオンの液中濃度を測定した。
また、空気酸化処理において、酸化始液の酸化状況を確認するために、空気酸化処理を行っている酸化始液のORP(酸化還元電位)を、5分ごとに測定した。
各液体および沈殿物中の金属イオン濃度は、ICP法(エスアイアイ ナノテクノロジー社製:ICP発光分光分析装置SPS3100)、pHはガラス球式水素イオン濃度計(東亜電波製:HM−20J)、によって測定した。
なお、空気酸化処理される液(酸化始液)のpHは、浸出液に対して水酸化ナトリウム(30%)を供給することによって調整した。
(実験結果)
結果を図4および図5に示す。なお、図5は片対数グラフとなっている。つまり、不純物濃度(縦軸)は対数目盛で表されている。
図5(A)に示すように、(1)の工程後の濾過液では、浸出直後の浸出液に含まれていたアルミニウム、コバルト、鉄、ニッケルの濃度が全て低くなっていることが確認できる。また、図4によりリンの濃度が低くなっていることも確認できる。
さらに、(2)の工程後のサンプリング濾過液(酸化始液)では、(1)の工程後の濾過液から、ニッケルおよびコバルトの濃度をさらに低くすることができていることが確認できる。
そして、図5(B)に示すように、(3)酸化始液について空気酸化処理を行うことによって、コバルトおよび鉄は、測定装置で検出できない程度まで濃度を低くすることができ、ニッケルも若干ではあるが濃度を低くすることができていることが確認できる。つまり、(2)の工程後のサンプリング濾過液と(3)の工程後の液は、pHは同じ9.5であるが、空気酸化処理を行うことによって、(3)の工程後の液では、(2)の工程後のサンプリング濾過液に比べて、コバルト、鉄、ニッケルの濃度をさらに低下させることができることが確認できた。
以上のごとく、モリブデンやバナジウムを含む浸出液を空気酸化処理する前に、pHが高くなるように調整することによって、溶媒抽出のときにクラッドの発生の原因となる不純物(Fe、Ni、Co等)を液から除去することができることが確認できた。
また、モリブデンやバナジウムを含む液について、pHが高い状態で空気酸化処理を行えば、モリブデンやバナジウムを空気酸化処理する際にも、不純物を液から除去することが可能であることも確認できた。
なお、図4に示すように、(3)の工程における空気酸化処理では、処理開始直後から酸化還元電位の上昇が開始し、約15分程度でほぼ酸化が完了していることが確認できた。
本発明の浸出液の処理方法は、石油精製所における脱硫に使用される脱硫触媒等の有価金属を有する廃触媒からモリブデンおよびバナジウムを回収する際における方法として適している。
1 空気酸化装置
2 酸化槽
10 撹拌手段
11 筒状部材
11c 吸気通路
12 回転軸
13 撹拌部材
L 酸化始液

Claims (3)

  1. バナジウムおよび/またはモリブデンを含む有価金属を含有する廃触媒をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属とともに焙焼して、焙焼により得られる焙焼物を浸出する浸出工程において得られた浸出液を処理する方法であって、
    該浸出工程で得られた浸出液を中和する中和工程と、
    該中和工程で得られた中和ろ液を酸化する酸化工程と、を備えている
    ことを特徴とする浸出液の処理方法。
  2. 前記酸化工程において、
    前記浸出液のpHが8以上の状態で、前記浸出液中の有価金属を空気酸化する
    ことを特徴とする請求項1記載の浸出液の処理方法。
  3. 前記浸出工程において、前記焙焼物をpH6未満の液によって浸出・ろ過した場合において、
    前記中和工程では、前記浸出液のpHを6〜8に調整してその状態を所定の期間保持する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の浸出液の処理方法。
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