JP2019508361A - バナジウムの分離のためのプロセス - Google Patents

バナジウムの分離のためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、溶解した鉄と溶解したバナジウムとを両方含有する溶液からのバナジウム酸化物、鉄バナジウム酸化物、または鉄バナジウムの形態のバナジウムの分離のためのプロセスに関し、1:1よりも上、好ましくは1:1よりも上かつ最大10000:1、より好ましくは5:1および1000:1の間、さらにより好ましくは5:1および100:1の間、最も好ましくは10:1および50:1の間の鉄対バナジウムのモル比の溶解した鉄およびバナジウム、ならびに任意に他の元素をもまた含有する水溶液が、酸化ステップにおいて気体の酸化媒体によって酸化され、水溶液中の酸の量は、二価鉄酸化の間に要求される酸の化学量論量よりも下に保たれ、このようにして形成された沈殿物が溶液から取り出される。

Description

本発明は、溶解した鉄と溶解したバナジウムとを両方含有する溶液からのバナジウム酸化物、鉄バナジウム酸化物、または鉄バナジウムの形態のバナジウムの分離のためのプロセスに関し、それらの溶液は種々の供給源に由来し得る。
バナジウム生成のために用いられる一般的な原材料は、チタノマグネタイト鉱、例えば銑鉄酸化からのバナジウムスラグ、石油燃焼残渣、使用済み触媒、および他のものを包含する。これらの原材料の大部分はいわゆる塩焙焼プロセスによって処理される。
塩焙焼プロセスにおいては、バナジウムスラグまたは他のバナジウム濃縮物がアルカリ塩と混合され、それから焙焼され、形成されたメタバナジン酸ナトリウムが水によってリーチングされる。それから、このバナジン酸塩はメタバナジン酸アンモニウムまたはポリバナジン酸アンモニウムとして沈殿させられる。
バナジウム採取のための別の可能性は酸処理であり、これに従うと、石油残渣などのバナジウム含有残渣が、硫酸によって、必要な場合にはSOによる還元条件下においてリーチングされる。バナジウムそれ自体は、例えばNaClOによる化学的酸化および中和後に沈殿させられる。
今日では、得られるバナジウムの最も大きい部分はフェロバナジウム生成のために用いられている。市販のフェロバナジウムは40〜80%のバナジウムからなり、アーク炉内におけるアルミニウム熱還元の手段によってバナジウム酸化物および鉄鋼から生成される(以下においてパーセンテージの参照がなされるときには、別様に指示されない限り、質量%が意味されている)。
低グレード資源からのバナジウムの分離のために、いくつかの新たなプロセスが提案されており、例えば、NaOHによるスラグ焙焼、次に水によるリーチング(以下においては/1/と称される参照文書1を参照);チタノマグネタイトの部分的還元、塩酸によるリーチング、次に鉄によるFe3+からFe2+への還元、バナジウムの溶媒抽出、ならびにNaClOおよびアンモニアによる酸化沈殿/2/であり、任意に還元に続いての磁気分離ステップ/3/または溶媒抽出によるFe3+の分離/4/がある。
第一鉄イオン(二価鉄イオン)は気体酸素によって第二鉄イオンに酸化され得る/5〜8/。より高いpH値においては、すなわち酸なしでは、酸化第二鉄も沈殿するであろう/7/。低いpH値の、すなわち酸(Hイオンとして指示されている)が存在する支配的な反応は、
Fe2++H+1/4O−>Fe3++1/2HO 酸化反応1
である。
酸が存在しない場合には、酸化第二鉄の形成によって鉄の加水分解が起こり、
2Fe3++3HO−>Fe+6H 加水分解反応2
式中、酸化鉄の具体的な形態(ここでは:Fe)は種々の条件に依存し、式中、加水分解の間に形成されたHイオンは翻って酸化反応1によって消費される。
特許文献1は使用済み触媒からの五価バナジウムの分離のための2段階酸化プロセスを開示している。第1の酸化ステップにおいては、0.7−1.4Pから2.3−1.4PのpH(PはMPaでの酸素分圧を言う)、0.05から1.0MPaの酸素分圧、および15から70℃の温度が稼働条件として見出された;第2の酸化ステップにおいては、pHはわずかに高く、3.2−1.4Pから2.3−1.4Pであり、酸素分圧は0.07から0.5MPaであり、プロセス温度は70から110℃の範囲である。両方のステップにおいて、好ましくは、pHは塩基の追加によって一定に保たれる。この文献に従うと、溶液の濾過性は、第二鉄イオンが少なくとも第2の酸化ステップに存在する場合に最適化される。それゆえに、既存ではない場合には、1:200から1:1の鉄対バナジウムのモル比をもたらすように第二鉄または第一鉄化合物が追加され、一方で、1:50から1:3が好ましい。例1のランbおよびcにおいては、鉄対バナジウムの比は1:32である;バナジウムの97〜99%は固体の五価バナジウムとして沈殿させられる。
欧州特許出願公開第0255674号明細書
本発明の目的は、溶解した鉄と溶解したバナジウムとを両方含有する溶液からのバナジウムの分離のための新たなプロセスを提供することであり、それらの溶液は種々の供給源に由来し得る。かかるプロセスは、1:1よりも上、好ましくは1:1よりも上かつ最大10000:1、より好ましくは5:1および1000:1の間、さらにより好ましくは5:1および100:1の間、最も好ましくは10:1および50:1の間の鉄対バナジウムのモル比の溶解した鉄およびバナジウム、ならびに任意に他の元素をもまた含有する水溶液が、酸化ステップにおいて気体の酸化媒体によって酸化され、水溶液中の酸の量は、二価鉄酸化の間に要求される酸の化学量論量よりも下に保たれ、このようにして形成された沈殿物が溶液から取り出されることを特徴とする。「1:1よりも上の鉄対バナジウムのモル比」によって、本発明に従って処理されるべき溶液中には常に、溶解したバナジウムよりも多くのモル量の溶解した鉄があるということが理解される。対照的に、上述の通り、EP0255674A2に従うプロセスは、1:200から1:1の鉄対バナジウムのモル比の溶液を処理するために設計されており、かかる溶液中には常に、溶解したバナジウムよりもかなり少ない溶解したイオンが存在するということを意味する。
本発明の核心は、酸化プロセスと、前記酸化プロセスの間の溶液中に存在する酸の量である。一般的に言って、酸が酸化反応1の間に存在しない場合には、溶液のバナジウムの実質的に全てと二価鉄含量の約三分の一とが沈殿するであろう。他方で、酸の化学量論的余剰分が酸化プロセスの間に存在する場合には、沈殿は全く起こらないであろう。ここで、驚くべきことに、水溶液中の酸の量が、二価鉄酸化の間に要求される酸の化学量論量よりも下に保たれる場合には、存在するいずれの酸も酸化反応1に従ってFe3+の形成によって消費され、溶液のバナジウムのうち大量が沈殿するであろうが、鉄含量のうち小量のみが沈殿するであろうということが見いだされた。水溶液中の酸の量は、本発明に従うと、酸化プロセスの間に要求される酸の化学量論量よりも下に、すなわち酸化プロセスの間に要求される酸の化学量論量の0およびほぼ100%(すなわち99.9%)の間に、好ましくは10%およびほぼ100%の間に、20%およびほぼ100%の間に、30%およびほぼ100%の間に、40%およびほぼ100%の間に、50%およびほぼ100%の間に、60%およびほぼ100%の間に、70%およびほぼ100%の間に、80およびほぼ100%の間に、ならびに90%およびほぼ100%の間に保たれる。このようにして、溶解した鉄、バナジウム、および任意に他の元素をもまた含有する水溶液は、気体の酸化媒体、例えば空気または純粋な酸素によって酸化され得、バナジウムが分離され得る。
本発明の好ましい実施形態に従うと、形成された沈殿物は固液分離プロセスによって溶液から取り出される。かかる取り出しのためには、技術水準において公知のほぼいずれのプロセスも好適であり得、好ましくは、取り出しは濾過または遠心によって行われる。
好ましくは、溶解した鉄とバナジウムと他の元素とを含有する溶液が酸化される前記酸化ステップでは、反応温度は400℃よりも下、好ましくは100および300℃の間、より好ましくは120および200℃の間である。
本発明のさらなる実施形態に従うと、気体の酸化媒体は、例えば空気のような種々の量の酸素と一緒に不活性気体を含む気体混合物、空気と酸素との混合物、および純粋な酸素から選択される。
さらに好ましい実施形態においては、酸化ステップは、選ばれた温度における溶液の蒸気圧よりも上の操作圧力で行われ、余剰分が酸化を可能にする。前記酸化プロセスにおける溶液の滞留時間は、例えば気液間物質移動だがそれに限定されない、いくつかの変数に依存する。それゆえに、酸化プロセスにおける溶液の要求される滞留時間は、選ばれたセットアップおよび具体的な反応条件に依存する。
好ましくは、水溶液は酸化ステップに先行して予備濃縮される。
添付の図1は、本発明に従うプロセスのフローチャートを示している。上流処理(これは酸リーチングプロセスであり得るが、それに限定されない)に由来する溶液(1)は、溶解した鉄とバナジウムと他の元素とを含有する。任意に、この溶液は、溶液の体積を縮減するように、かつ溶液が溶解した気体の形態の酸(例えばHClだが、それに限定されない)を含有する場合にはこの酸の少なくとも一部を蒸発させるように、温度を上昇および/または圧力を縮減することによる蒸発の手段によって、予備濃縮ステップ[1]において予備濃縮される。
次のプロセスステップ[2]においては、予備濃縮した溶液(3)の酸含量が、または予備濃縮ステップ[1]が用いられない場合には元の溶液(1)の酸含量が調整される。酸化を受ける溶液が少量のみの酸と多量の二価鉄とを含有し、それゆえに上で示されている反応2に従う多量の酸化鉄の沈殿が予想される場合には、さらなる酸(4)が、十分な酸を提供するように溶液に追加される。酸化を受ける溶液が少量のみの二価鉄を含有し、許容可能な少量の酸化鉄が上で示されている反応2に従って形成されることに至る場合には、追加の酸の追加もまた省かれ得る。溶液中に存在する酸の総量は、いずれのケースにおいても、上で示されている反応1によって要求される化学量論量よりも下である。酸化を受ける溶液が、鉄が反応1に従って沈殿しないような量の酸を含有する場合には、塩基または同等の手段が、反応1によって要求される化学量論量未満まで酸の量を縮減するように追加され得る。
それから、このようにして酸調整された溶液(6)は酸化ステップ[3]に送られる。この酸化ステップに用いられる酸化媒体(7)は、純粋な気体酸素、または酸素を含有するガスであり、例えば空気だがそれに限定されない。酸化媒体(7)が純粋な酸素ではない場合には、未反応の酸素と不活性な化合物と蒸気とを含有するオフ・ガス(8)が酸化ステップの間に生成される。好ましくは、酸化媒体(7)は酸調整した水溶液(6)と入念に接触させられ、好ましくは、酸化ステップは気液反応器内で起こり、これは加圧もまたされ得る。この酸化ステップの間に、鉄の酸化および酸化鉄としての部分的に沈殿、酸の消費、ならびにバナジウム酸化物または鉄バナジウム酸化物としてのバナジウムの沈殿が起こり、このようにして酸化ステップの生成物として流れ(9)を形成し、この流れ(9)は、酸化された溶液中の沈殿した粒子の懸濁物を含む。
それから、沈殿した粒子はステップ[4]において流れ(9)から取り出され、これは固液分離ステップ、例えば濾過または遠心だがそれに限定されない。流れ(9)から固体(11)が分離され、溶解した三価鉄イオンを尚含有する濾液(10)はさらなる処理ステップに送られるか、または上流プロセスにリサイクルされる。ステップ[4]においてこのようにして得られた固体(11)は、要求される場合には水によってさらに洗浄され得る。
所望の最終生成物に依存して、本発明のいくつかの応用がある:
本発明の1つの実施形態において、本発明のプロセスのステップ[4]において得られた洗浄された固体(11)は、それから、技術水準において公知の方法に従ってさらに処理され、例えば苛性ソーダによって抽出される。バナジウムは溶解し、酸化第二鉄(単数または複数)は固体のまま残るであろう。それから、溶解したバナジウムは、pH調整および溶液へのアンモニウム追加の手段によって沈殿させられ、このようにして得られたアンモニウム沈殿物は続いて乾燥され、アンモニアを飛ばし五酸化バナジウムを与えるために加熱され、それを商業的に許容される形態にするようにフレーク化される。
本発明の別の実施形態においては、本発明のプロセスのステップ[4]において得られた固体(11)はフィルターケーキを形成し、このフィルターケーキは、技術水準において公知の塩焙焼プロセスのためのフィード材料として用いられる。
本発明の別の実施形態においては、本発明のプロセスのステップ[4]において得られた固体(11)はフィルターケーキを形成し、これが洗浄および乾燥される。それから、洗浄および乾燥されたフィルターケーキは、鉄対バナジウムの比を調整するためにバナジウム酸化物(単数または複数)と混合される。それから、得られた混合物は、例えばアーク炉内におけるアルミニウムによる従来のプロセスによって、または他の手段によって還元され、フェロバナジウムと例えば酸化アルミニウムを含有するスラグとを形成する。
本発明に従うプロセスのフローチャートである。
ここで、本発明を以下の例の手段によって説明する。しかしながら、本発明はこれらの例に限定されない。具体的には、これは下の例においては酸としてHClの使用を考え、この塩酸は例えば硫酸または硝酸のような異なる好適な酸によってもまた代替され得る。
例1(比較例)
34wt%のFeClと9wt%のFeClと10wt%のHClと2wt%のMgClと0.2wt%のVClと0.9wt%の他の塩化物とを含有する水溶液を調製した(鉄対バナジウムのモル比=255:1)。溶液をオートクレーブによって150℃に加熱し、酸素ガスを酸化ステップのための酸化媒体として導入した。およそ3.5bar(g)という選ばれた温度における水溶液の初期蒸気圧に対して、オートクレーブ内の全圧はおよそ5bar(g)であった。bar(g)は、ここおよび以下においては大気圧よりも上のbarを言う。酸化ステップの終わりに、酸化された溶液中に固体は見出されず、塩化第一鉄FeClの全量が塩化第二鉄FeClに変換されており、バナジウムは沈殿しなかった。モル量を考えると、FeClの初期濃度は100gの溶液あたり0.27molであり、HClの初期濃度は100gの溶液あたり0.28molであった(すなわち、要求される化学量論量の102%の酸)。酸化物は酸化ステップの間に溶液から沈殿しなかった。
例2
31wt%のFeClと8wt%のHClと1wt%のMgClと0.8wt%のVClと0.5wt%のAlClとを含有する水溶液を調製した(鉄対バナジウムのモル比=48:1)。この溶液をオートクレーブによって150℃に加熱し、酸素ガスを酸化ステップのための酸化媒体として導入した。およそ2.6bar(g)という選ばれた温度における水溶液の初期蒸気圧に対して、オートクレーブ内の全圧はおよそ5bar(g)であった。出発溶液中に存在するHClのモル量はFeClのモル量よりも下であり(要求される化学量論量の90%の酸)、それゆえに、酸化ステップの終わりおよび濾過後に、沈殿物によって形成されたフィルターケーキが酸化された溶液から分離され得た。このフィルターケーキを水によって洗浄し、それから乾燥した。乾燥したフィルターケーキは29wt%のFeと26wt%のVと0.9wt%のAlと0.01wt%のMgとを含有した。フィルターケーキの相分析は、固体含量の過半量がバナジン酸鉄(三斜晶FeVO)の形態で存在していることを明らかにした。
この例に用いた水溶液は初期には5.7gの溶解したバナジウムを含有した。このバナジウムの過半量はフィルターケーキ中に入った;濾液中および洗浄水中には、それぞれ0.09g(すなわち5.7gの2%)および0.006g(すなわち5.7gの0.1%)のバナジウムが見出された。
例3
33wt%のFeClと5wt%のFeClと0.6wt%のHClと1wt%のMgClと0.8wt%のVClと0.5wt%のAlClとを含有する水溶液を調製した(鉄対バナジウムのモル比=48:1)。溶液をオートクレーブによって150℃に加熱し、酸素ガスを酸化ステップのための酸化媒体として導入した。およそ1.5bar(g)という選ばれた温度における水溶液の初期蒸気圧に対して、オートクレーブ内の全圧はおよそ5bar(g)であった。出発溶液中に存在するHClのモル量はFeClのモル量よりも下であり(要求される化学量論量の42%の酸)、それゆえに、酸化ステップの終わりおよび濾過後に、沈殿物によって形成されたフィルターケーキが酸化された溶液から分離され得た。このフィルターケーキを水によって洗浄し、それから乾燥した。乾燥したフィルターケーキは29wt%のFeと27wt%のVと1.5wt%のAlと検出限界よりも下のMgとを含有した。走査型電子顕微鏡像は、上の例2からのフィルターケーキに類似の外観を明らかにした。
この例に用いた水溶液は、初期には4gの溶解したバナジウムを含有した。このバナジウムの過半量はフィルターケーキ中に入った;濾液中および洗浄水中には、それぞれ0.2g(すなわち4gの5%)および0.01g(すなわち4gの0.3%)のバナジウムが見出された。
例4
例3からの洗浄および乾燥したフィルターケーキの1.7gを、100℃において12.8gの苛性ソーダ(25wt%のNaOH)によってリーチングした。残りの固体(「酸化鉄」)を遠心機によって分離し、水によって洗浄し、それから、この洗浄水を濾液に追加した。それから、組み合わせた濾液を塩酸(37wt%のHCl)によってゆっくり中和し、11のpHにおいて、およそ2mLのアンモニア(32wt%のNH)を追加した。それから、さらなる塩酸を追加し、7.8のpHにおいて、酸の追加を止めた。このようにして形成された沈殿物を濾別し、乾燥した(「バナジウム生成物」)。
鉄およびバナジウムの含量を考えると、例4において遠心機によって分離された固体(「酸化鉄」)は43wt%のFeと0.2wt%のVとを含有したのに対して、中和後の濾液から得られた生成物(「バナジウム生成物」)は56wt%のVと0.2wt%のFeとを含有した。酸化鉄の相分析は、主にヘマタイトが形成されたということを明らかにした。
例5
例2を異なる操作条件で繰り返した:酸化ステップを130℃かつおよそ3.5bar(g)の全圧において行った。選ばれた温度における水溶液の初期蒸気圧はおよそ1.3bar(g)であった。沈殿物によって形成されたフィルターケーキは34wt%のFeと26wt%のVと0.02wt%のAlと0.00wt%のMgとを含有した。
この例では、水溶液は初期には3.9gの溶解したバナジウムを含有した。2.9gのバナジウムがフィルターケーキ中に入った(3.9gの73%)。
例6
39wt%のFeClと3.5wt%のHClと0.07wt%のVClと微量の他の金属塩化物とを含有する水溶液を調製した(鉄対バナジウムのモル比=8500:1)。溶液をオートクレーブによって150℃に加熱し、酸素ガスを酸化ステップのための酸化媒体として導入した。オートクレーブ内の全圧はおよそ7bar(g)であった。出発溶液中に存在するHClのモル量はFeClのモル量よりも下であり(要求される化学量論量の31%の酸)、それゆえに、酸化ステップの終わりおよび濾過後に、沈殿物によって形成されたフィルターケーキが酸化された溶液から分離され得た。バナジウムのほぼ全量がフィルターケーキ中に入った;水溶液中では、これはその定量限界よりも下であることが見いだされた。
参照
1.Desheng Chen,Longsheng Zhao,Yahui Liu,Tao Qi,Jianchong Wang,and Lina Wang.A novel process for recovery of iron, titanium, and vanadium from titanomagnetite concentrates:NaOH molten salt roasting and water leaching processes.Journal of Hazardous Materials,244−245:588−595,2013.
2.Desheng Chen,Hongxin Zhao,Guoping Hu,Tao Qi,Hongdong Yu,Guozhi Zhang,Lina Wang,and Weijing Wang.An extraction process to recover vanadium from low−grade vanadium−bearing titanomagnetite.Journal of Hazardous Materials,294:35−40,2015.
3.Longsheng Zhao,Lina Wang,Tao Qi,Desheng Chen,Hongxin Zhao,and Ya−hui Liu.A novel method to extract iron,titanium,vanadium,and chromium from high−chromium vanadium−bearing titanomagnetite concentrates.Hydrometallurgy,149:106−109,2014.
4.Yiqian Ma,Xuewen Wang,Mingyu Wang,Changjun Jiang,Xiaoyan Xiang,and Xiaolin Zhang.Separation of V(IV) and Fe(III) from the acid leach solution of stone coal by D2EHPA/TBP.Hydrometallurgy,153:38−45,2015.
5.Werner Stumm and G. Fred Lee.Oxygenation of ferrous iron.Industrial and Engineering Chemistry,53(2):143−146,1961.
6.R.Z.Vracar and K.P.Cerovic.Kinetics of oxidation of Fe(II) ions by gaseous oxygen at high temperatures in an autoclave.Hydrome,44:113−124,1997.
7.K.Swaminathan,C.Subramanian,and Ch.Sridhar Rao.The pressure oxidation of acidic FeCl solution with oxygen.Hydro,6:339−346,1981.
8.Barak Morgan and Ori Lahav.The effect of pH on the kinetics of spontaneous Fe(II) oxidation by O in aqueous solution−basic principles and a simple heuristic description.Chemosphere,68(11):2080−2084,2007.
9.Jansz,Just Jan Christiaan,Vanadium recovery process.EP 0 225 674 A2(SHELL INT RESEARCH[NL]).16 June 1987(1987−06−16).
[1] 任意の予備濃縮ステップ
[2] 酸含量調整ステップ
[3] 酸化ステップ
[4] 固液分離ステップ
(1) 溶解した鉄とバナジウムと他の元素とを含有する溶液
(3) 予備濃縮した溶液
(4) 十分な酸を提供するように溶液に追加されるさらなる酸
(6) 酸調整された溶液
(7) 酸化媒体
(8) 未反応の酸素と不活性な化合物と蒸気とを含有するオフ・ガス
(9) 酸化された溶液中の沈殿した粒子の懸濁物を含む流れ
(10) 濾液
(11) 固体

Claims (8)

  1. 1:1よりも上、好ましくは1:1よりも上かつ最大10000:1、より好ましくは5:1および1000:1の間、さらにより好ましくは5:1および100:1の間、最も好ましくは10:1および50:1の間の鉄対バナジウムのモル比の溶解した鉄およびバナジウム、ならびに任意に他の元素をもまた含有する水溶液が、酸化ステップにおいて気体の酸化媒体によって酸化され、
    水溶液中の酸の量が、二価鉄酸化の間に要求される酸の化学量論量よりも下に保たれ、
    このようにして形成された沈殿物が溶液から取り出される、
    ことを特徴とする、
    溶解した鉄と溶解したバナジウムとを両方含有する溶液からのバナジウム酸化物、鉄バナジウム酸化物、または鉄バナジウムの形態のバナジウムの分離のためのプロセス。
  2. 形成された沈殿物が固液分離プロセスによって溶液から取り出されることを特徴とする、
    請求項1に記載のプロセス。
  3. 酸化ステップが、400℃よりも下、好ましくは100および300℃の間、より好ましくは120および200℃の間の反応温度において行われることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 気体の酸化媒体が、種々の量の酸素と一緒に不活性気体を含む気体混合物から選択されることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 気体の酸化媒体が、空気、空気と酸素との混合物、および純粋な酸素から選ばれることを特徴とする、
    請求項1〜4に記載のプロセス。
  6. 酸化ステップが、選ばれた温度における水溶液の蒸気圧よりも上の操作圧力で行われることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 水溶液が酸化ステップに先行して予備濃縮されることを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 水溶液中の酸の量が、水溶液に塩基を追加することによって、鉄酸化の間に要求される化学量論量未満まで酸の量を縮減するようにコントロールされることを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
JP2018565459A 2016-03-01 2017-02-28 バナジウムの分離のためのプロセス Active JP6671517B2 (ja)

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