JP2013132535A - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】おむつ交換の際に外装シート表面に勝手にくっついたファスニングテープのフック材を剥がすことによる外装シートの毛羽立ちや破れを防止する。
【解決手段】上記課題は、外面を覆う外装シート12を、目付け15〜50g/m2、厚み0.5〜3.0mm、繊度1〜5dtex、かつ繊維長1〜51mmの短繊維不織布で構成するとともに、外装シート12における係止領域以外の外面に、多数の線状又は点状のエンボス凹部14を形成することにより、エンボス凹部14に対して相対的に突出する多数の凸部15を形成することにより解決される。
【選択図】図2

Description

本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに関するものである。
テープタイプ使い捨ておむつは、透液性トップシートと、その裏面側に位置する液不透過性シートと、これら透液性トップシートと液不透過性シートとの間において、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部まで延在する吸収体と、背側の両側部に設けられたファスニングテープとを備え、ファスニングテープを腹側外面に係止することで装着を行うものである(例えば特許文献1、2参照)。
特に、おむつの内面における幅方向両側部にはいわゆる立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在されるとともに、外面が不織布からなる外装シートにより覆われている構造が一般的となっており、またファスニングテープの係止手段としてはメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を用いることが一般的となっている。
このようなテープタイプ使い捨ておむつでは、外装シートにエアスルー不織布等の短繊維不織布を用いることにより、外面の肌触りを柔軟なものとすることができる。
しかし、外装シートに短繊維不織布を用いると、おむつ交換の際にファスニングテープのフック材が外装シート表面に勝手にくっついたとき、これを剥がすと外装シートが毛羽立ったり、破れたりするおそれがある。この問題は一見些細なことではあるが、ユーザーを苛々させ、ストレスをもたらすものであり、解決する必要がある。
特開2005−319142号公報 特開2007−167368号公報 特開平10−76592号公報 特願2006−110025号公報 特開平11−115080号公報
そこで、本発明の主たる課題は、おむつ交換の際に外装シート表面に勝手にくっついたファスニングテープのフック材を剥がすことによる外装シートの毛羽立ちや破れを防止することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
身体側表面を形成する透液性トップシートと、その裏面側に位置する液不透過性シートと、これら透液性トップシートと液不透過性シートとの間に配置され、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部まで延在する吸収体と、前記液不透過性シートの外面を覆う不織布からなる外装シートと、背側の両側部に設けられたファスニングテープと、このファスニングテープに設けられたフック材とを備え、前記ファスニングテープのフック材が腹側外面における係止領域に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートは、目付け15〜50g/m2、厚み0.5〜3.0mm、繊度1.0〜5.0dtex、かつ繊維長1〜51mmの短繊維不織布からなり、
前記外装シートにおける前記係止領域以外の外面に、多数の線状又は点状のエンボス凹部が形成されることによって、エンボス凹部に対して相対的に突出する多数の凸部が形成されている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、外装シートとして柔軟で嵩高な不織布を用いても、外装シートにおける係止領域以外の外面に、多数の線状又は点状のエンボス凹部が形成されることによって、エンボス凹部に対して相対的に突出する多数の凸部が形成されていると、表面の接触面積が減少することによりファスニングテープのフック材がくっつき難くなる。つまり、おむつ交換の際にファスニングテープのフック材が外装シート表面に勝手にくっつき難くなり、その結果外装シートの毛羽立ちや、破れが発生し難くなる。また、エンボス凹部では繊維が圧縮されて強固に固定されるため、仮に凸部にフック材がくっつきこれを剥がしたとしても、毛羽立ちや破れは発生し難い。しかも、凸部に適度な弾力性が生まれるため、柔軟な肌触りが損なわれることもない。
<請求項2記載の発明>
前記外装シートにおける前記凸部の厚みが1〜5mmとされ、
前記外装シートにおける前記エンボス凹部の底部の厚みが0.1〜1.0mmとされ、
前記多数のエンボス凹部の形成領域の面積に対するエンボス凹部の底部の総面積の割合が10〜50%とされている、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装シートにおける凸部の厚み、エンボス凹部の底部の厚み、エンボス凹部の底部の面積率(多数のエンボス凹部の形成領域の面積に対するエンボス凹部の底部の総面積の割合)は、この範囲とするのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記エンボス凹部は前後方向に沿う線状凹部であり、かつこの線状凹部の底部の幅は0.1〜2.0mmとされ、隣接する線状凹部の底部の幅方向間隔は1.0〜5.0mmとされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
エンボス凹部の形状は適宜定めることができるが、このような縦縞状パターンであると、縦方向の摩擦係数が減少し、肌ざわりが滑らかになるため好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記外装シートは前記液不透過性シートに対してホットメルト接着剤により接着されており、
少なくとも腹側部分における前記外装シートの両側部ではその間の部分よりも前記ホットメルト接着剤の塗布量が多く、かつこのホットメルト接着剤の塗布量が多い領域に前記エンボス凹部が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装シートは腹側部分の両側部にファスニングテープのフック材がくっつきやすい。よって、この部分の毛羽立ちや破れを防止するために、外装シートを固定するための接着剤塗布量を中間部よりも多くするのが好ましい。ただし、そのままではホットメルト接着剤による硬さが目立つようになるため、この多量塗布領域に前述のエンボス凹部を形成し、外装シートに弾力性を持たせ、硬さを隠蔽するのが好ましい。
<請求項5記載の発明>
少なくとも腹側部分における前記外装シートの両側部及びその間の中間部に、多数の線状又は点状のエンボス凹部がそれぞれ形成されており、
前記多数のエンボス凹部の形成領域の面積に対するエンボス凹部の底部の総面積の割合が、前記中間部よりも前記両側部の方が高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装シートは腹側部分の両側部にファスニングテープのフック材がくっつきやすい。よって、この部分におけるエンボス凹部の底部の面積率(多数のエンボス凹部の形成領域の面積に対するエンボス凹部の底部の総面積の割合)を相対的に大きくすることにより、フック材をよりくっつき難くするのが好ましい。
<請求項6記載の発明>
前記外装シートにおける少なくとも前記ファスニングテープの付け根部と重なる領域には前記エンボス凹部が形成されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装シートにおける少なくともファスニングテープの付け根部と重なる領域にエンボス凹部が形成されていると、ファスニングテープの取付強度が低下することがあるため、この部分にはエンボス凹部を設けないことが望ましい。
<請求項7記載の発明>
前記液不透過性シートの前記吸収体側に、尿との接触により排尿があったことを表示するインジケータが設けられており、前記エンボス凹部はこのインジケータを避けるように配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
使い捨ておむつにはインジケータを設けることが一般的となっているが、エンボス凹部がインジケータと重なると、インジケータの見え具合に影響を及ぼすおそれがあるため、インジケータを避けてエンボス凹部を設けるのが好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、おむつ交換の際に外装シート表面に勝手にくっついたファスニングテープのフック材を剥がすことによる外装シートの毛羽立ちや破れを防止できる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 図1の9−9線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 要部拡大断面図である。 他のテープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 他のテープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<吸収性物品の例>
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
このテープタイプ使い捨ておむつは、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収要素50が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFとを有するものである。
また、このテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SF,SFを有しており、背側におけるサイドフラップ部SF,SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられている。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに各サイドフラップ部SF,SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、およびトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60,60が設けられており、この側部立体ギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SF,SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
この側部立体ギャザー60は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向に沿って伸張状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64がそれぞれ設けられている。
脚周りにおいては、側部立体ギャザー60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が糸ゴム63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム63の収縮力が作用するので、糸ゴム63の収縮力により側部立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図5に示されるように、ファスニングテープ13は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるシート基材の端部が付け根部13Cとしておむつに取り付けられており、おむつ側縁から突出する先端側部分であるテープ本体部13Bには腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材13Aが設けられている。ファスニングテープ13の付け根部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザーシート62及び外側層をなす外装シート12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,30に接着されている。また、フック材13Aはシート基材13Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
乳幼児用おむつにおいては、付け根部13Cの寸法のうち、おむつの幅方向の長さX1は10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さY1は、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、テープ本体部13Bの寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ13の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ13の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。フック材13Aは、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。
おむつの装着に際しては、背側のサイドフラップ部SFを腹側のサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側F外面の適所に係止する。この係止領域の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止領域は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
ファスニングテープ13は、背側のエンドフラップ部EFと吸収要素50の境界線上にファスニングテープ13の付け根部13Cが重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ13の取り付け部分が、おむつの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の付け根部13C間に働く張力がおむつの背側端部にまで及ばないため、おむつの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側のエンドフラップ部EFの前後方向長さは、ファスニングテープ13の付け根部13Cの前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
(ターゲットシート)
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、フック材13Aの係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたもの等を用いることができる。また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部EFであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部EFである。
背側エンドフラップEFの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ13間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部EFと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62の上に設けても良い。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
(インジケータ)
排泄物の液分と接触する可能な部位には、排泄物の液分により呈色又は消色するインジケータ80を設けることができる。インジケータ80は、体液などの水分との接触により呈色反応を示すような着色剤及び/又は水分中のpHを検知して呈色反応を示すような着色剤、或いは体液との反応により着色が消失する反応、着色剤が尿により溶解(分散)して滲んだり消失したりする反応、その他の視覚的変化を示す薬剤が含有されたインク又は接着剤、或いは水分又は体液との接触により視覚的変化を示す薬剤(インジケータ反応手段)を含有するシート状部材により構成されている。例えば、体液などの水分との接触により呈色反応を示すような着色剤として、水溶性、水分解性染料又はロイコ染料と該ロイコ染料を発色させるフェノール性化合物、酸性物質、電子受容性物質等の顕色剤とからなる着色剤を使用することが可能である。
呈色により現れる色は特に限定されないが、おむつ外面と同じ色(通常は白色)であると紛れて見え難くなるため、おむつ外面と異なる色に呈色するものが好適である。
上述のインク又は接着剤により構成されたインジケータ80は、図2及び図3に示されるように、所定の塗布領域に塗布される。なお、図2及び図3に示されるインジケータ80は、前述のインク又は接着剤の塗布領域を示したものである。この領域は、吸収体56の配置範囲に含まれるのが好ましく、幅方向中央部に位置し、幅が0.3〜14.0cm程度、好ましくは0.5〜2.0cm程度で、長さがおむつ全長Lの60〜90%の領域であり、吸収体56に吸収された排泄物との接触が効率よく行われる領域である。インジケータ80は、おむつ内面から視認できるような位置や、脚周りの立体ギャザー部から視認できるような位置に設けられていても良いが、おむつ外面から視認できるように、吸収体56の裏面と液不透過性シート11との間、具体的には液不透過性シート11の吸収体56側面、または包装シート58の内面又は外面に、インジケータ80を構成するインク又は接着剤を塗布することにより形成するのが望ましい。塗布パターンは特に限定されず、図示例のような多数の筋状に塗布する他、面状、帯状等に塗布することができる。もちろん、インジケータ80を形成したシートを別途製造し、このシート状のインジケータ80をおむつ内に内蔵させることもできる。
インジケータ80の成分は、インジケータ80がインクから構成される場合、インクに着色剤が添加されたものであり、インジケータ80が接着剤から構成される場合、水溶性ポリマーあるいは親水性ポリマーに樹脂などからなる非水溶性成分および着色剤が添加されたものである。接着剤から構成される場合の具体例は、ポリエチレングリコール分子量100〜500と、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルコポリマーと、水溶性ポリエステルとからなる水溶性ポリマーに、高極性粘着付与樹脂および可塑剤の非水溶性成分と、接触する液体の酸性・アルカリ性の程度(pH)を変色によって指示する着色剤とで構成されている。
インジケータ80を接着剤により構成した場合、接着剤には、公知の各種接着剤を使用することが可能である。その一例として、ホットメルト接着剤を使用した場合について詳述すると、インジケータ80として着色剤を含有したホットメルト接着剤を使用することにより、着色剤の拡散や浸出などが防止できるとともに、シート状のインジケータを設ける場合に比べると、インラインで簡単に実施できるためインジケータの付設作業工程が大幅に省力化できるようになる。この際、インジケータホットメルト接着剤の塗布量は、15〜40g/m2であることが好ましい。15g/m2より少量であるとインジケータとしての機能が損なわれ、40g/m2より多いと接着剤の硬化によるゴワ付き感が生じる。
一方、シート状部材からなるインジケータ80を使用する場合には、このシート状部材を液不透過性シート11と吸収体56との間、具体的には吸収体56と包装シート58内面との間又は包装シート58の裏面と液不透過性シート11との間に配置するようにする。なお、このシート状のインジケータ80を使用した場合には、液体性のインジケータ80を塗布して設ける場合と比べて、部材点数は増えるが、必要部位に必要量だけ使用することが容易に行えるようになり、インジケータ反応手段を含むシート状部材の使用面積の低減を図ることにより低コスト化できるようになる。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚回りに沿う部位となる。
外装シート12としては、柔軟で嵩高な感触を得るために、目付け15〜50g/m2(より好ましくは25〜30g/m2)、厚み0.3〜3.0mm(より好ましくは0.8〜1.5mm)、繊度1.0〜5.0dtex(より好ましくは1.5〜3.0dtex)、かつ繊維長1〜51mm(より好ましくは30〜51mm)の短繊維不織布を用いる。繊維の材質は特に限定されず、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンボンド法、ポイントボンド法、エアスルー法等を用いることができる。このうちエアスルー不織布が特に好ましい。
特徴的には、外装シート12における係止領域(図示例ではターゲットシート12T)以外の外面に、多数のエンボス凹部14が形成されることによって、エンボス凹部14に対して相対的に突出する多数の凸部15が形成されている。なお、「係止領域以外の外面に…エンボス凹部が形成される」とは、図示形態のように係止領域と重なる位置にエンボス凹部14が形成されているものの、ターゲットシート12T等で覆われている形態も含む。このように、外装シート12として柔軟で嵩高な不織布を用いても、外装シート12における係止領域以外の外面に、多数の線状又は点状のエンボス凹部14が形成されることによって、エンボス凹部14に対して相対的に突出する多数の凸部15が形成されていると、表面の接触面積が減少することによりファスニングテープ13のフック材13Aがくっつき難くなる。つまり、おむつ交換の際にファスニングテープ13のフック材13Aが外装シート12表面に勝手にくっつき難くなり、その結果外装シート12の毛羽立ちや、破れが発生し難くなる。また、エンボス凹部14では繊維が圧縮されて強固に固定されるため、仮に凸部15にフック材13Aがくっつきこれを剥がしたとしても、毛羽立ちや破れは発生し難い。しかも、凸部15に適度な弾力性が生まれるため、柔軟な肌触りが損なわれることもない。
エンボス凹部14は、エンボス加工やギア加工(加熱を伴う加工が好ましいが、非加熱でも良い)により局所的に圧縮された部分を意味し、その底部が加工時の圧縮部(エンボスロールの凸部)と略同じ寸法になる。
エンボス凹部14の寸法は適宜定めることができるが、通常の場合、外装シート12における凸部15の厚み15tは1.0〜5.0mm(特に1.0〜2.0mm)とするのが好ましく、エンボス凹部14の底部16の厚み14tは0.1〜1.0mm(特に0.3〜0.5mm)とするのが好ましく、また、エンボス凹部14の底部16の面積率(多数のエンボス凹部14の形成領域の面積に対するエンボス凹部14の底部16の総面積の割合)は、10〜50%(特に20〜30%)とするのが好ましい。
特に、外装シート12は腹側部分Fの両側部SPにファスニングテープ13のフック材13Aがくっつきやすい。よって、図2に示すように、この部分におけるエンボス凹部14の底部16の面積率(多数のエンボス凹部14の形成領域の面積に対するエンボス凹部14の底部16の総面積の割合)を相対的に中間部MPよりも大きくすることにより、フック材13Aをよりくっつき難くするのが好ましい。具体的にはエンボス凹部14の底部16の面積率は両側部SPでは10〜40%とし、中間部MPでは5〜30%とするのが好ましい。
エンボス凹部14の形状は、図2に示すような線状の他、図9に示すような点状とすることができる。エンボス凹部14の形状を線状とする場合、図示形態のような直線状とする他、波線状等にすることもでき、またその方向も図示形態のように前後方向に沿わせる他、幅方向やこれらと交差する斜め方向に沿わせることもできる。また、エンボス凹部14の形状を点状とする場合、図示形態のような円形状とする他、楕円形状や多角形状とすることができる。
エンボス凹部14を線状とする場合、その寸法は適宜定めることができるが、通常の場合、線状凹部の底部16の幅16wは0.1〜2.0mm(特に0.4〜1.0mm)とするのが好ましく、また、隣接する線状凹部の底部16の幅方向間隔16dは1.0〜5.0mm(特に2.0〜3.0mm)とするのが好ましい。また、点状とする場合は、前後方向及び幅方向の間隔を1.0〜5.0mm(特に2.0〜3.0mm)とするのが好ましい。
また、使い捨ておむつにはインジケータ80を設けることが一般的となっているが、エンボス凹部14がインジケータ80と重なると、インジケータ80の見え具合に影響を及ぼすおそれがあるため、図2に示すように、インジケータ80を避けてエンボス凹部14を設けるのが好ましい。
他方、前述のとおり、外装シート12は腹側部分Fの両側部SPにファスニングテープ13のフック材13Aがくっつきやすい。よって、この部分の毛羽立ちや破れをより効果的に防止するために、外装シート12を液不透過性シート11及びギャザーシート62に貼り合わせるためのホットメルト接着剤の塗布量を均一とするのではなく、図2に示すように、外装シート12の両側部SPにおけるホットメルト接着剤塗布量を中間部MPよりも多くするのが好ましい。この多量塗布領域は図2に斜線模様で示されている。ただし、そのままではホットメルト接着剤による硬さが目立つようになるため、この多量塗布領域に前述のエンボス凹部14を形成し、外装シート12に弾力性を持たせ、硬さを隠蔽するのが好ましい。接着剤の塗布量に差を付ける場合、同じ塗布パターンで塗布量を変えるよりも、塗布パターンも含めて変える方が好ましく、例えば中間部MPについてはスパイラル塗布とし、両側部SPについてはベタ塗りとすることができる。なお、図示例では外装シート12の両側部SPの前後方向全体にわたり、ホットメルト接着剤の塗布量を多量にしているが、腹側部分Fのみとしても良い。両側部SPの多量塗布領域の幅は適宜定めることができるが、通常の場合、係止領域(図示例ではターゲットシート12T)の側縁近傍からおむつの側縁までとするのが好ましい。接着剤の塗布量は適宜定めることができるが、両側部SPの多量塗布領域においては0.05〜0.50g/m2(より好ましくは0.15〜0.30g/m2)程度とするのが好ましく、中間部MPの少量塗布領域においては0.1〜1.0g/m2(より好ましくは0.2〜0.5g/m2)程度とするのが好ましい。
また、外装シート12における少なくともファスニングテープ13の付け根部13Cと重なる領域にエンボス凹部14が形成されていると、ファスニングテープ13の取付強度が低下することがある。よって、図10に示すように、外装シート12における少なくともファスニングテープ13の付け根部13Cと重なる領域にはエンボス凹部14を形成しないのが好ましい。なお、図10に示す例では外装シート12の両側部SPの前後方向全体にわたり、エンボス凹部14を形成していないが、ファスニングテープ13の付け根部13Cと重なる領域以外にはエンボス凹部14を形成しても良い。
<用語の説明>
用語「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分と背側部分を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に幅方向と直交する方向を意味する。
また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
また、用語「厚み」は、圧力0.5gf/cm2における厚みを意味する。
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに利用可能なものである。
11…液不透過性シート、12…外装シート、13…ファスニングテープ、13A…フック材、13B…テープ本体部、13C…付け根部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、70…背側伸縮シート、12T…ターゲットシート、80…インジケータ、14…エンボス凹部、15…凸部、16…底部、SP…両側部、F…腹側部分、MP…中間部。

Claims (7)

  1. 身体側表面を形成する透液性トップシートと、その裏面側に位置する液不透過性シートと、これら透液性トップシートと液不透過性シートとの間に配置され、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部まで延在する吸収体と、前記液不透過性シートの外面を覆う不織布からなる外装シートと、背側の両側部に設けられたファスニングテープと、このファスニングテープに設けられたフック材とを備え、前記ファスニングテープのフック材が腹側外面における係止領域に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記外装シートは、目付け15〜50g/m2、厚み0.5〜3.0mm、繊度1〜5dtex、かつ繊維長1〜51mmの短繊維不織布からなり、
    前記外装シートにおける前記係止領域以外の外面に、多数の線状又は点状のエンボス凹部が形成されることによって、エンボス凹部に対して相対的に突出する多数の凸部が形成されている、
    ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記外装シートにおける前記凸部の厚みが1〜5mmとされ、
    前記外装シートにおける前記エンボス凹部の底部の厚みが0.1〜1.0mmとされ、
    前記多数のエンボス凹部の形成領域の面積に対するエンボス凹部の底部の総面積の割合が10〜50%とされている、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記エンボス凹部は前後方向に沿う線状凹部であり、かつこの線状凹部の底部の幅は0.1〜2.0mmとされ、隣接する線状凹部の底部の幅方向間隔は1.0〜5.0mmとされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記外装シートは前記液不透過性シートに対してホットメルト接着剤により接着されており、
    少なくとも腹側部分における前記外装シートの両側部ではその間の部分よりも前記ホットメルト接着剤の塗布量が多く、かつこのホットメルト接着剤の塗布量が多い領域に前記エンボス凹部が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  5. 少なくとも腹側部分における前記外装シートの両側部及びその間の中間部に、多数の線状又は点状のエンボス凹部がそれぞれ形成されており、
    前記多数のエンボス凹部の形成領域の面積に対するエンボス凹部の底部の総面積の割合が、前記中間部よりも前記両側部の方が高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記外装シートにおける少なくとも前記ファスニングテープの付け根部と重なる領域には前記エンボス凹部が形成されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  7. 前記液不透過性シートの前記吸収体側に、尿との接触により排尿があったことを表示するインジケータが設けられており、前記エンボス凹部はこのインジケータを避けるように配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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