JP2013129852A - 全芳香族ポリアミドフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フィルム面内の1方向およびこれと直交する方向について両方向共に、100℃〜200℃の熱膨張係数の平均が0ppm/℃以上10ppm/℃以下である方向が少なくとも1組存在し、かつ400nmから500nmまでの全ての波長の光の光線透過率が80%以上である、ポリマー構造中に塩素原子を含有しない全芳香族ポリアミドフィルムとする。
【選択図】 なし
Description
熱膨張係数が0ppm/℃以上10ppm/℃以下に制御されていることにより、シリコン、ガラスあるいはITOなど熱膨張係数が4〜6ppm/℃である材料と積層したときにカールや割れが生じないため好ましい。また、電気回路の微細化によって、加熱時に寸法が変化しない、即ち熱膨張係数が0ppm/℃の素材も切望されており、本発明のフィルムを好適に用いることができる。なお、熱膨張係数は基本的には積層する素材と同じであることが好ましいが、熱伝導率に差がある場合は、熱伝導率の小さい方の素材は熱膨張係数を大きく設計することが好ましい。熱膨張係数は好ましくは0ppm/℃以上8ppm/℃以下である。シリコンやガラスと積層する場合は4ppm/℃以上6ppm/℃以下がさらに好ましい。
また、熱膨張係数が一方向のみではなく、直交する両方向について制御されていることにより、カールや割れが少なくなる。熱膨張係数が制御された方向がフィルムの製膜方向(長手方向)と、その直交方向(幅方向)であることが好ましい。また、フィルム面内の1方向およびこれと直交する方向の熱膨張係数の差は5ppm/℃以下であることが好ましい。より好ましくは3ppm/℃以下、最も好ましくは1ppm/℃以下である。
熱膨張係数は250℃まで昇温した後に降温過程において測定する。25℃、75RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とするとT1からT2の熱膨張係数は以下の式で求められる。
=(((L2−L1)/L0)/(T2−T1))×106
従来の技術では、芳香族ポリアミドの光線透過率を大きくする目的で脂肪族基を導入した半芳香族ポリアミドとしたり、多くの屈曲構造を導入していたために熱膨張係数が大きくなってしまう問題があった。唯一、本発明者らが再公表特許WO2004/039863号公報に開示した2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニルを原料とする芳香族ポリアミドフィルムは、塩素原子を含むか、または、直交方向の熱膨張係数が本願発明の範囲外であり、塩素原子を含まずかつ熱膨張係数が本願規定の範囲内であるフィルムを開示していない。
同一構造のポリマーにおいて、固有粘度は分子量と相関があり、固有粘度が大きいと分子量も大きい。分子量が小さいポリマーは脆かったり、破断伸度が小さいことがある。このため分子量、即ち固有粘度を大きくすることが求められる。
固有粘度を大きくする方法として、たとえばジアミンとカルボン酸ジクロライドを原料とする低温重合法では原料の純度を向上する、ジアミンとカルボン酸ジクロライドの比率を100:100(mol%)に近づける、重合時に副反応が起こらないように低温で攪拌を十分に行う、等が挙げられる。
固有粘度を大きくしても溶解性を維持する方法としては、屈曲成分を導入する、塩素を導入する等が挙げられる。しかしながら、メタ結合やエーテル結合などの屈曲成分を導入した場合、溶解性の向上と共にヤング率の低下や、熱膨張係数の増大(悪化)という問題がある。また、塩素の導入は、環境への負荷が増大するという懸念がある。さらに、疎水性の塩素原子を含むことにより、他素材との密着強度が小さくなる懸念がある。
ここで、本発明の芳香族ポリアミドフィルムと密着する他素材および、その方法としては、例えば、ITO等の透明導電膜、ガスバリア膜などをスパッタや蒸着で形成する方法、反射防止膜などをコーティングで形成する方法、銅箔やシリコン、ガラスなどに接着剤や粘着剤で積層する方法などが挙げられる。
本発明においては、化学式(III)および化学式(IV)で示される構造単位を所定の割合で含むことにより、溶解性を付与している。
芳香族ポリアミドはアミド基が分子間水素結合するために見かけの分子鎖長が実際よりも長くなり、溶解性が悪くなると考えられている。化学式(III)および化学式(IV)で示される構造単位は共に剛直な塩素を含まない構造で、それぞれ単独では溶解性悪化の原因となる。しかし、化学式(III)および化学式(IV)で示される構造単位を共に含むことで、任意のアミド基と、隣接するアミド基間の分子鎖長が異なる。このため、アミド基が分子間で水素結合することを妨げることが可能となり、見かけの分子鎖長が短くなるため、溶解性が向上すると考えられる。さらに、化学式(I)で示される構造単位が化学式(III)で示される構造とホモポリマーを形成しない重合方法を用いることが好ましい。全体としては化学式(I)〜(IV)で示される構造単位からなる共重合体であっても、化学式(I)で示される構造単位と化学式(III)で示される構造とのホモポリマー部が多く存在するとポリマーが白濁したり、溶解性を失うことがある。
R5:Cl、Br、OHまたはF
化学式(VI)で示される原料と、化学式(VIII)で示される原料を重合せしめた後に他の原料を加える方法(ブロック共重合法)では化学式(VI)で示される原料と、化学式(VIII)で示される原料のモル比が100:90より大きいときにポリマー全体が白濁してしまうことがある。このため、ブロック共重合法を用いる場合に於いても原料のモル比を100:90よりも小さくしたブロック部を形成せしめ、他の原料を加えることが好ましい。
別のブロック共重合として、化学式(VII)で示される原料と化学式(IX)で示される原料を重合せしめた後に他の原料を加える方法においても、反応後期に化学式(VI)で示される原料と、化学式(VIII)で示される原料のブロック部が形成されてしまうためにポリマー全体が白濁してしまうことがある。
そこで、化学式(VI)および化学式(VII)で示される化合物の混合物(A)をまず得た後、この混合物(A)に化学式(VIII)および/または(IX)で示される化合物を反応せしめることが好ましい。この方法であれば、化学式(VI)で示される原料と、化学式(VIII)で示される原料のブロック部が形成されてしまう可能性を小さくでき、ポリマーが白濁したり、溶解性を失うことがない。
本発明では、さらに溶解性を向上する目的で化学式(II)で示す屈曲成分の構造単位を含むが、このモル分率を低く抑えることで、高い溶解性と低い熱膨張係数を両立している。
40≦a≦45 ・・・(1)
30≦c≦50 ・・・(2)
0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(3)
化学式(I)で示される2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル残基は低い熱膨張係数と高い光線透過率に寄与するが、これと化学式(III)で表される構造単位および化学式(IV)で表される構造単位から成るポリマーは熱膨張係数が負の値となる問題がある。そこで熱膨張係数の制御を目的として、屈曲成分を共重合することが好ましい。屈曲成分としては化学式(X)で示される構造単位が例示できる。
このなかでも屈曲成分としては化学式(II)で表される構造単位であることが好ましい。化学式(II)で表される構造単位は高い光線透過率を維持したまま、熱膨張係数を制御することが可能である。化学式(II)において、R1はSO2、 C(CF3)2、またはO-Ph-SO2-Ph-Oが好ましく用いられる。延伸によって非常に大きな複屈折を得る目的ではO-Ph-SO2-Ph-Oが選ばれ、吸湿率を小さくする目的ではC(CF3)2が選ばれる。さらに好ましくは化学式(II)において、R1がSO2で示されるスルホン酸基の場合である。この場合、溶解性、熱膨張係数と機械強度の全てが良好となるため好ましい。
化学式(IV)で示される4,4‘−ビフェニルジカルボニルクロライド残基は化学式(III)で示される置換または非置換テレフタル酸クロライド残基と同様に剛直構造であるため、低い熱膨張係数と大きいヤング率に寄与し、さらに分子長が化学式(III)で示される構造と異なるために分子間のパッキングを阻害し、溶媒に対する溶解性を向上する効果があると考えられる。ここで化学式(III)のR1はHまたはFである。Hは原料が安価という利点がある。また、より溶解性を向上し吸水率を低減する目的ではFが好ましい。
さらに本発明は、化学式(I)〜(V)で示される構造単位を以下に示す所定割合で含むポリマーを用い、ポリマーの末端を化学式(V)で示す成分を用いて末端封止していることが好ましい。末端封止を行わない場合、特に膜厚の大きいフィルムを得る場合や、フィルムを屋外で使用する場合などは不安定な末端部位が加熱などによって着色することがある。
化学式(I)〜(V)で示される構造単位について、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をd、化学式(V)で表される構造単位のモル分率をeとしたとき、a、b、c、dおよびeが次式(4)〜(8)を満足することが好ましい。
a+b+c+d+e=100 ・・・(4)
40≦a<50 ・・・(5)
30≦c≦50 ・・・(6)
0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(7)
0<e≦1 ・・・(8)
化学式(V)で示される構造はポリマーの末端封止に寄与する。芳香族ポリアミドの末端封止については、着色防止を目的に重合後にアミノ基末端を封止する技術の開示が特開昭62−230823号公報にある。また、本発明者らも重合後の末端封止技術について特開2006−213788号公報に開示した。一方で、重合前の末端封止は、得られるポリマーの粘度が十分に上がらない等の問題があった。
従来、開示されている芳香族ポリアミドは屈曲成分を多く含み、分子量を十分に大きくしても有機溶媒に溶解する。一方で本発明の芳香族ポリアミドは主として剛直成分から成るため分子量が大きくなりすぎると有機溶媒に不溶になり有機溶媒から析出、あるいはゲル状の不溶物を生じる等の問題があった。本発明者らは鋭意検討の結果、重合の前にジアミン成分の末端を封止することにより、重合時に重合度が上がりすぎて有機溶媒に不溶になる問題が無く、また酸化による着色が防止できることを見出した。
本発明で用いる末端封止剤としては種々のものを用いることが可能である。例えば、塩化ベンゾイル、置換塩化ベンゾイルや無水酢酸が好ましく、塩化ベンゾイルや置換塩化ベンゾイルがより好ましい。塩化ベンゾイルを用いた場合、化学式(V)のR3がフェニル基となる。置換塩化ベンゾイルの置換基としてはフッ素、トリフルオロメチルなどのフッ素化合物や、t−ブチル、アダマンタンなどのバルキーな炭化水素基が好ましい。末端封止剤として最も好ましくは置換塩化ベンゾイルの置換基がフッ素である、4−フルオロ塩化ベンゾイルである。4−フルオロ塩化ベンゾイルを用いると、溶解性向上の効果とともに吸湿率低減の効果があり、好ましい。末端封止剤の添加量は全体を100モル%とした時に1.0モル%以下であることが好ましい。1.0モル%を超えると固有粘度が十分に大きくならず、得られるフィルムが脆くなることがある。
本発明において、化学式(I)〜(V)で示される構造単位を含む全芳香族ポリアミドの製造工程に於いて、化学式(I)および/または(II)で示される構造単位と化学式(V)で表される構造単位との組合せ単位を得る工程(末端封止工程)が、化学式(I)および/または(II)で示される構造単位と、化学式(III)および/または(IV)で示される構造単位との組合せ単位を得る工程よりも先であることが好ましい。
すなわち、化学式(I)および/または(II)で示される構造単位と化学式(V)で示される構造単位とを組合せた構造単位を得る工程を経た後に、化学式(I)および/または(II)で示される構造単位と、化学式(III)および/または(IV)で示される構造単位とを組合せた構造単位を得る工程を行い、化学式(I)〜(V)で示される構造単位を含む全芳香族ポリアミドを製造することが好ましい。
例えば、化学式(I)を構成する前駆体として2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、化学式(II)を構成する前駆体として4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、化学式(III)を構成する前駆体としてテレフタル酸ジクロライド、化学式(IV)を構成する前駆体として4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド、化学式(V)を構成する前駆体として塩化ベンゾイルを用い、低温溶液重合法で重合を行う場合、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニルおよび/または4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンを溶媒に溶解した後に塩化ベンゾイルを滴下して反応せしめた後にテレフタル酸ジクロライドおよび/または4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライドを添加して重合せしめることが好ましい。本発明の全芳香族ポリアミドは重合度が大きくなりすぎると有機溶媒に不溶になり有機溶媒から析出、あるいはゲル状の不溶物を生じることがある。このため末端封止を行わない場合および重合後に末端封止を行う場合は粘度を観察しながらテレフタル酸ジクロライドおよび/または4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライドを少しずつ添加する必要がある。また、過剰にテレフタル酸ジクロライドおよび/または4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライドを添加すると製膜に不適当なポリマーとなるばかりでなく、流動性が無いために重合槽から抜き出すことが困難となり、重合槽の分解洗浄が必要となることがある。これに対し、本発明では常法では重合後に行う末端封止を重合前に行うことにより、重合度が上がりすぎることを未然に防止することに成功した。また重合後の末端封止では反応に寄与しなかった塩化ベンゾイルが製膜時に析出し、白濁の原因となることがあるが、本発明の方法では、その問題は少ない。また、本発明の全芳香族ポリアミドは剛直な構造を有するため、重合前に末端封止しても粘度が小さくなる問題もほとんど無い。
なお、全ジアミンと全酸ジクロライドのモル比は95〜105:105〜95が好ましく、この値を外れた場合、成形に適したポリマー溶液を得ることが困難となる。
本発明の芳香族ポリアミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。さらにはポリマーの溶解を促進する目的で溶媒には50質量%以下のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩を溶解助剤として添加することができる。この溶解助剤としては臭化リチウム、塩化リチウムなどが例示できる。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、エンドレスベルト、フィルム等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は例えば、室温〜220℃、60分以内の範囲で行うことができる。仮に溶解度の不十分なポリマー用液を用いると、この工程で白濁してしまう。またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルト、フィルム等の支持体の表面を平滑にすることにより表面の平滑な全芳香族ポリアミドフィルムが得られる、支持体の表面の一部または全部にマイクロレンズアレイやプリズムシートなど用の型を付与することで、マイクロレンズアレイやプリズムシートなど、形状を付与したフィルムを得ることができる。乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれて全芳香族ポリアミドフィルムとなる。
延伸は延伸倍率として面倍率で0.8〜8(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.3〜8である。また、熱処理としては200℃〜500℃、好ましくは250℃〜400℃の温度で数秒から数分間熱処理が好ましく実施される。さらに、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷することは有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却することが有効である。
本発明の全芳香族ポリアミドフィルムは、単独で利用される形態の他、何らかの支持体上に膜状に形成されたものを含む。単独で利用されるフィルムとした場合、厚みが1μm〜100μmであることが好ましい。厚みが1μm未満の場合、製膜時や使用時の張力によって、破れることがある。また、100μmを超えると製膜工程において溶媒や溶解助剤の除去が困難になることがある。厚みは好ましくは1μm以上80μm以下、より好ましくは2μm以上60μm以下、最も好ましくは5μm以上30μm以下である。
膜は凹凸のあるCCD(電荷結合素子)のセンサー部位に充填して表面を平坦化する膜、いわゆるCCD平坦化膜のように、片面もしくは両面が凹凸形状をしていてもよい。
また、上述した全芳香族ポリアミドやそのコポリマーを含む層を少なくとも1層含む積層体とすることも好ましい。この場合、全芳香族ポリアミドやそのコポリマーを含む層以外の層としては、例えば銅箔、ステンレス箔などの金属箔、ガラス、シリコン、インジウムをドープした酸化スズ(ITO)などが挙げられる。また、上述した全芳香族ポリアミドやそのコポリマーを含む成形体とすることも好ましい。この場合、成形体としてはマイクロレンズアレイ、プリズムシートなどが挙げられる。
一般に表示材料基板としてはガラスが用いられているが、本発明の全芳香族ポリアミドフィルムを表示材料基板として用いると、薄膜化、軽量化、割れないという大きなメリットがある。本発明の表示材料の種類は特に限定は無いが、薄膜、軽量がメリットとなる薄膜ディスプレイ、あるいは薄膜表示体であることが好ましい。薄膜ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、電子ペーパーなどが例示できる。液晶ディスプレイの基板として用いる場合は、延伸により位相差を小さく制御することが好ましい。また、任意の位相差を付与して「位相差付き基板」とすることも好ましい。位相差付き基板として用いる場合は、波長550nmの光の位相差が137.5nmの整数倍±50nmの範囲であることが好ましい。これは波長550nmの光の位相差が波長の1/4すなわち、137.5nmや1/2すなわち275nmのものが、それぞれλ/4位相差板、λ/2位相差板として有用であるためである。また、位相差は組み合わされる液晶などによって正確にλ/4やλ/2ではなく、±50nmの範囲で調整されることも好ましい。さらに波長550nmの光の位相差が550nmや1,100nmなど波長の整数倍の場合は位相差無しと等価である。
さらには、液晶セルの内側に偏光板を配置した構成のインナーセル型液晶ディスプレイとすると、基板の位相差はディスプレイの品位に全く影響しないため好ましい。薄膜表示体としてはポスター、発光POP(Point of purchase advertising)広告、ネオンサインなどが例示できる。
回路基板として用いる場合、本発明の全芳香族ポリアミドフィルムは熱膨張係数が0ppm/℃以上10ppm/℃以下に制御されていることにより、シリコン、ガラスあるいはITOなど熱膨張係数が4〜6ppm/℃である材料と積層したときにカールや割れが生じないため好ましい。また、電気回路の微細化によって、加熱時に寸法が変化しない、即ち熱膨張係数が0ppm/℃の素材も切望されており、本発明のフィルムを好適に用いることができる。電気回路基板としては、本発明の全芳香族ポリアミドフィルムと金属箔をエポキシなどの接着剤で接着した3層フレキシブル回路基板(以下「FPC」という)や、本発明の全芳香族ポリアミドフィルムに金属を蒸着、スパッタやメッキした2層FPC、金属箔上に本発明の全芳香族ポリアミドフィルムを形成したものや、半導体チップを直接実装する基板、光導波路、光電複合回路、ITOなど透明導電基板などに好適に利用できる。
また、本発明の全芳香族ポリアミドフィルムの別の特徴である400nmから500nmまでの全ての波長の光の光線透過率が80%以上であることにより、透明な回路を作成することができる。このため、光導波路や光電複合回路では基板に貫通孔を設けることなく、基板の一方の面から他方の面へ光信号を通過させることが可能である。
さらには、本発明の全芳香族ポリアミドフィルムと他素材との積層体において、本発明の全芳香族ポリアミドフィルム側からを紫外光、可視光、レーザー光などを照射し、積層された他方の素材のみを加工することが可能である。例えば紫外光硬化や、可視光硬化の接着剤を本発明の全芳香族ポリアミドフィルムと半導体や金属箔などの間に挟み、これを紫外光や可視光で硬化せしめる作成方法も適用可能となる。
なお、芳香族ポリアミドの構造は、その原料であるジアミンとカルボン酸ジクロライドによって決定される。原料が不明である場合は芳香族ポリアミド組成物から構造分析を行うが、この手法としては、質量分析、核磁気共鳴法による分析、分光分析などを用いることができる。
(1)平均熱膨張係数
平均熱膨張係数はJIS K7197−1991に準拠して250℃まで昇温した後の降温過程に於いて測定した。25℃、75RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とするとT1からT2の平均熱膨張係数を以下の式で求めた。なお、T2=100(℃)、T1=200(℃)である。
昇温、降温速度:5℃/min
試料幅:4mm
荷重:フィルム厚み10μmの時44.5mN。フィルム厚みに比例して荷重は変更する。
(2)光線透過率
下記装置・条件にて測定した。計算式は以下の通りである。
ただしT1は試料を通過した光の強度、T0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
波長範囲:300nm〜800nm(うち、400〜500nmの値を利用)
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
なお、表には代表的な波長における光線透過率の値を示した。実施例においては、400〜500nmのいずれの波長においても光線透過率は80%以上であった。
(3)ヤング率、引張強度、破断点伸度
JIS−K7127−1999に準拠した測定において、ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて、温度23℃、相対湿度65%において測定した。試験片は製膜方向またはバーコーターの移動方向をMD方向、これと直交する方向をTD方向として、MD方向またはTD方向について幅10mmで長さ50mmの試料とした。引張速度は300mm/分である。但し、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
(4)溶解性
臭化リチウム5質量%含有のN−メチル−2−ピロリドンにポリマーを5質量%溶解し、25℃で2週間放置後も流動性を保つものを溶解性「○」と評価した。
(5)固有粘度
ウベローデ型粘度計を用い、臭化リチウム2.5質量%を含有するN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100ml中にサンプル0.5gを溶解し、温度30℃にて下記式より計算した。
固有粘度=ln(t/t0)/0.5 (dl/g)
t0:臭化リチウム5質量%含有のNMPの流下時間(秒)
t:サンプルを溶解した溶液の流下時間(秒)
(6)塩素含有の有無
原料組成が分かっている場合は分子構造から有無を判断する。この場合、芳香族ジカルボン酸クロライドの酸クロライド部位の塩素は反応時に分子構造から除去され、残らないとする。
(7)吸湿率
フィルムを約0.5g採取し、脱湿のため120℃で3時間の加熱を行った後、窒素気流下で25℃まで降温し、その降温後の質量を0.1mg単位まで正確に秤量する(この時の質量をW0とする)。次いで、25℃で75RH%の雰囲気下に48時間静置し、その後の質量を測定し、これをW1として、以下の式を用いて吸湿率を求めた。
(実施例1)
攪拌機を備えた200ml3つ口フラスコ中に無水臭化リチウム2.79gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)8.65g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.75g、N−メチル−2−ピロリドン151mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)4.20gと4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)2.51gの混合物を5回に分けて添加した。
さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。また、このポリマー溶液は2週間放置後も流動性を保っていた。
使用する溶解助剤、ジアミンや酸クロライドを以下に記載のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリマおよびフィルムを得た。各種物性を表1〜3に示す。
(実施例7)
ヘラ型攪拌機を備えた200ml丸底3つ口フラスコ中に無水塩化リチウム6.86gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)8.65g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.75g、N−メチル−2−ピロリドン189mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)1.67gを5回に分けて添加した。添加終了後冷却を外し、30℃で30分攪拌した。再度0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)4.81gを5回に分けて添加した。
さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。また、このポリマー溶液は2週間放置後も流動性を保っていた。
(実施例8)
ヘラ型攪拌機を備えた200ml丸底3つ口フラスコ中に無水塩化リチウム6.86gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)8.65g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.75g、N−メチル−2−ピロリドン159mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)4.81gを5回に分けて添加した。添加終了後冷却を外し、30℃で30分攪拌した。再度0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)1.67gを5回に分けて添加した。
さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。また、このポリマー溶液は2週間放置後も流動性を保っていた。
(実施例9)
ヘラ型攪拌機を備えた300ml丸底3つ口フラスコ中に無水臭化リチウム3.67gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)11.53g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.99g、N−メチル−2−ピロリドン238mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら塩化ベンゾイル9.22μlを添加する(末端封止)。5分間攪拌後から30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)6.50gと4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)2.23gの混合物を5回に分けて添加した。
さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。また、このポリマー溶液は2週間放置後も流動性を保っていた。
(実施例10)
ダブルヘリカルリボン型攪拌機を備えた筒型1,000ml3つ口フラスコ中に乾燥した無水臭化リチウム16.09g、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)50.72g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)4.37g、N−メチル−2−ピロリドン875mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)28.23gと4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)9.83gの混合物を10回に分けて添加した。さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和し、粘度が大きくなったため、N−メチル−2−ピロリドン80mlで希釈してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液は2週間放置後も流動性を保っていた。
使用する溶解助剤、ジアミンや酸クロライドを以下に記載のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリマおよびフィルムを得た。各種物性を表1〜3に示す。
(参考例1)
実施例7および実施例8と同一の構造単位を同一のモル分率有し、重合方法のみ異なる(ジアミン1と酸1のブロック重合)ポリマーについて、参考例として示す。
攪拌機を備えた300ml3つ口フラスコ中に無水臭化リチウム5.50gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)11.53g、N−メチル−2−ピロリドン287mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)6.46gを5回に分けて添加した。添加終了後冷却を外し、30℃で30分攪拌した。4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.99gを添加し、再度0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)2.23gを5回に分けて添加した。
さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。また、このポリマー溶液は10時間静置後ゲル状に固化したため製膜できなかった。得られたポリマーの物性を測定し、表1、3に示した。フィルムが得られなかったためフィルム物性は測定できなかった。
(参考例2)
実施例7および実施例8と同一の構造単位を同一のモル分率有し、重合方法のみ異なる(ジアミン2と酸3のブロック重合)ポリマーについて、参考例として示す。
攪拌機を備えた300ml3つ口フラスコ中に無水臭化リチウム5.50gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.99g、N−メチル−2−ピロリドン327mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)1.00gを5回に分けて添加した。添加終了後冷却を外し、30℃で30分攪拌した。
2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)11.53gを添加し、再度0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)6.50gと4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)1.23gの混合物を5回に分けて添加した。
さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。また、このポリマー溶液は10時間静置後ゲル状に固化したため製膜できなかった。得られたポリマーの物性を測定し、表1、3に示した。フィルムが得られなかったためフィルム物性は測定できなかった。
(実施例19)
実施例2で得たフィルムを315℃で1.1倍延伸し、550nmの光の位相差が1348nmの位相差付き基板を得た。
(実施例20)
実施例2で得たフィルムを315℃で1.01倍延伸し、550nmの光の位相差が143nmの位相差付き基板を得た。
(実験例1)
攪拌機を備えた200ml3つ口フラスコ中に無水臭化リチウム2.79gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)8.65g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.75g、N−メチル−2−ピロリドン151mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)4.20gと4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)2.51gの混合物を5回に分けて添加した。
使用する溶解助剤、ジアミンや酸クロライドを以下に記載のものに変更する以外は、実験例1と同様にしてポリマおよびフィルムを得た。各種物性を表1〜3に示す。
ヘラ型攪拌機を備えた200ml丸底3つ口フラスコ中に無水塩化リチウム6.86gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)8.65g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.75g、N−メチル−2−ピロリドン189mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)1.67gを5回に分けて添加した。添加終了後冷却を外し、30℃で30分攪拌した。再度0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)4.81gを5回に分けて添加した。
ヘラ型攪拌機を備えた200ml丸底3つ口フラスコ中に無水塩化リチウム6.86gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら120℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製「TFMB」)8.65g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)0.75g、N−メチル−2−ピロリドン159mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)4.81gを5回に分けて添加した。添加終了後冷却を外し、30℃で30分攪拌した。再度0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)1.67gを5回に分けて添加した。
使用する溶解助剤、ジアミンや酸クロライドを以下に記載のものに変更する以外は、実験例1と同様にしてポリマおよびフィルムを得た。各種物性を表1〜3に示す。
参考例7および参考例8と同一の構造単位を同一のモル分率有し、重合方法のみ異なる(ジアミン1と酸1のブロック重合)ポリマーについて、参考例として示す。
参考例7および参考例8と同一の構造単位を同一のモル分率有し、重合方法のみ異なる(ジアミン2と酸3のブロック重合)ポリマーについて、参考例として示す。
Claims (14)
- フィルム面内の1方向およびこれと直交する方向について両方向共に、100℃〜200℃の熱膨張係数の平均が0ppm/℃以上10ppm/℃以下である方向が少なくとも1組存在し、かつ400nmから500nmまでの全ての波長の光の光線透過率が80%以上である、ポリマー構造中に塩素原子を含有しない全芳香族ポリアミドフィルム。
- 少なくとも1方向のヤング率が7.0GPa以上である、請求項1に記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
- 少なくとも1方向の破断点伸度が10%以上である、請求項1または2に記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
- 臭化リチウムを5質量%含むN−メチル−2−ピロリドン溶液に5質量%以上溶解可能である、請求項1〜3のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
- 固有粘度が2.0(dl/g)以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
- 化学式(I)〜(V)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をd、化学式(V)で表される構造単位のモル分率をeとしたとき、a、b、c、dおよびeが次式(4)〜(8)を満足する、請求項1〜6のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
a+b+c+d+e=100 ・・・(4)
40≦a<50 ・・・(5)
30≦c≦50 ・・・(6)
0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(7)
0<e≦1 ・・・(8) - 波長550nmの光の位相差が137.5nmの整数倍±50nmの範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
- 少なくとも片面にレンズまたはプリズム形状を付与した、請求項1〜8のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルムを用いた表示材料。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルムを用いた回路基板。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の全芳香族ポリアミドフィルムを用いた光電複合回路基板。
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