JP2013129782A - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度で、低温での結晶の発生がなく液状安定性に優れ、耐熱性、耐湿性に優れた硬化物を与える、エポキシ樹脂の提供。
【解決手段】一般式(1)で表され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラム上のAで示されるピーク面積(式(1)のn=0体)の全体に対するピーク面積比が90%以上、98.5%以下でありエポキシ当量が169g/eq以上、178g/eq以下である、特定のエポキシ樹脂(a)を必須成分とする液状エポキシ樹脂組成物。
Figure 2013129782

(但し、Gはグリシジル基を示す。nは0〜10を示す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、主として半導体封止材用途をはじめとした電気絶縁材料等の電気電子産業用に好適な、低粘度で、低温での液状安定性に優れ、耐熱性の高い、ビスヒドロキシメチルビフェニルのグリシジルエーテルを必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物、ならびにその硬化物に関するものである。
エポキシ樹脂は液状から固形まで様々なものがあり、またエポキシ樹脂は硬化剤との反応性に優れていることから取り扱い易く、硬化剤により架橋させた場合に大きな架橋密度を有する硬化樹脂となり、優れた耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気特性等を示すものであり電気・電子分野に多く使用されている。
エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、近年、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズが大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、より半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。
また最近では、高集積化、高密度実装化の技術動向により、従来の金型を利用したトランスファー成形によるパッケージに変わり、ハイブリッドIC、チップオンボード、テープキャリアパッケージ、プラスチックピングリッドアレイ、プラスチックボールグリッドアレイ等、金型を使用しないで液状材料を用いて封止し、実装する方式が増えてきている。しかし、一般に液状材料はトランスファー成形に用いる固形材料に比べて信頼性が低い欠点がある。これは、液状材料に粘度の上限があり、用いるエポキシ樹脂、硬化剤、充填剤等に制約があるからである。
これらの問題点を克服するため、主剤となるエポキシ樹脂及び硬化剤には、低粘度化、低揮発化、高耐熱化、低弾性化が望まれている。電子材料用途で使用される低粘度液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の分子蒸留品が一般に広く知られているが、低粘度性の点で十分ではない。低粘度性に優れるエポキシ樹脂としてアルコール原料のエポキシ樹脂が挙げられるが、一般にアルコール原料のエポキシ樹脂は塩素量が多く、硬化物の耐熱性、吸湿性でも性能が低いのが現状である。またアルコール原料としては、特許文献1にはビスヒドロキシメチルビフェニルのグリシジルエーテルが開示されており、低粘度で、耐熱性の低下が少ないことが知られているが、低温での結晶性を有するなど液状安定性が低い欠点があった。
特開平08−134173号公報
本発明者らは、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させたものであり、本発明の目的は、低粘度でありながら、低温での結晶の発生がなく液状安定性に優れ、かつ耐熱性、耐湿性に優れた硬化物を与える、エポキシ樹脂組成物、ならびにその硬化物を提供することである。
即ち、本発明は、
(1)下記一般式(1)で表され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラム上のAで示されるピーク面積(式(1)のn=0体)の全体に対するピーク面積比が90%以上、98.5%以下でありエポキシ当量が169g/eq以上、178g/eq以下である、エポキシ樹脂(a)を必須成分とする液状エポキシ樹脂組成物、
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定条件)
東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL×2本+TSKgel G1000HXL×1本を直列に備えたものを使用し、カラム温度は40℃とし、溶離液にはテトラヒドロフランを用い、1.0ml/minの流速とし、検出器はRI(示差屈折計)検出器を用いる。サンプルは、一般式(1)で示される化合物のテトラヒドロフランの1%溶液を調製して測定する。
Figure 2013129782
(但し、Gはグリシジル基を示す。nは0〜10を示す。)
(2)上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)と1分子中に2個以上のエポキシ基を有するその他のエポキシ樹脂(b)とを必須として含有する液状エポキシ樹脂組成物、
(3)上記(2)に記載のエポキシ樹脂(a)およびエポキシ樹脂(b)の合計のエポキシ基1当量に対して、硬化剤の官能基が0.3〜1.5当量となる範囲で硬化剤を配合してなる硬化性液状エポキシ樹脂組成物、
(4)上記(3)記載の硬化性液状エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
である。
本発明のエポキシ樹脂(a)は、優れた低粘度性、低温での結晶発生が無く液状安定性を有するとともに、エポキシ樹脂(a)を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、耐熱性、耐湿性に優れた性能を有するため、重防食塗料、粉体塗料、PCM塗料、缶塗料等の塗料用途や土木・建設用途、接着用途、電気絶縁用、半導体チップ仮止剤等の電気・電子部品用途及びプリント配線板や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を始めとする各種複合材料用途等に適し、特に、プリント配線板、半導体封止等の電気・電子分野の絶縁材料等に好適に使用することができる。
本発明の実施例1で得られたエポキシ樹脂Aのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムを示す。横軸に保持時間を示し、左縦軸に検出強度を示す。右縦軸に数平均分子量Mをlog(常用対数)で示す。白丸のプロットは、標準ポリスチレンによる数平均分子量の検量線である。Aで示すピークが一般式(1)のn=0体である。尚、Bで示すピークは内部標準物質として用いた化合物のピークであり、本発明の一般式(1)で示されるエポキシ樹脂成分のピークには含まれないものである。 本発明の比較例1で得られたエポキシ樹脂Bのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムを示す。横軸に保持時間を示し、左縦軸に検出強度を示す。右縦軸に数平均分子量Mをlog(常用対数)で示す。白丸のプロットは標準ポリスチレンによる数平均分子量の検量線である。Aで示すピークが式(1)のn=0体である。尚、Bで示すピークは内部標準物質として用いた化合物のピークであり、本発明の一般式(1)で示されるエポキシ樹脂成分のピークには含まれないものである。
本発明について詳細に述べる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)を必須成分とする。一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラム上のAで示されるピーク面積(式(1)のn=0体)の全体に対するピーク面積比が全体の90%以上98.5%以下であり、好ましくは93%以上98%以下である。n=0体の面積比が90%より少ない又は98.5%より多いと低温での結晶化が起こり、流動性が損なわれるためである。クロマトグラム上のAで示されるピーク面積を全体の90%以上98.5%以下にコントロールするためには、反応で使用するエピクロルヒドリンのモル比の調整、及び分子蒸留条件の調整を行うことにより対応できる。
一般的に使用されるビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂などではn=0成分が少ないほうが常温及び低温での結晶化が起こりにくい。これに対して一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)は特定のn=0含有量の範囲内でのみ結晶化が起こりにくいという特徴を示す。
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)においてエポキシ当量が169g/eq以上、178g/eq以下である。エポキシ当量が169g/eqより小さいものは工業的に製造するのが困難であり、178g/eqより大きいものは硬化物にしたときの耐熱性が低くなるためである。
本発明で用いる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)の全塩素量は0.3重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2重量%以下である。全塩素量が0.3重量%を超えると塩基性の硬化促進剤を用いた組成物の場合、硬化反応が阻害され、その結果硬化物の物性が低下する。また絶縁信頼性の低下が起こり、電気・電子分野での用途に好ましくない。
本発明で用いる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)の25℃での粘度は300mP・s以下であることが好ましく、さらに好ましくは200mP・s以下である。粘度が300mP・sを超えると希釈効果が低下し好ましくない。
本発明で用いる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)は、ビスヒドキシメチルビフェニルとエピクロルヒドリンを反応させることにより製造することが有利である。
ビスヒドキシメチルビフェニルとエピクロルヒドリンと反応させる反応は、ビスヒドキシメチルビフェニルの水酸基に対して過剰のエピクロルヒドリンを配合し溶解した後、アルカリ金属水酸化物の存在下に、40〜120℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この場合、加水分解性塩素低減の観点からは、50〜90℃で反応を行うことが好ましい。
上記反応において使用されるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられるが、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。アルカリ類は水溶液であっても固体であっても構わないが、取り扱いの容易さでは水溶液を用いることが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は通常アルコール性水酸基1当量に対して0.7〜3.0当量であり、好ましくは0.8〜2.0当量である。アルカリ金属水酸化物の使用量が多すぎると重合反応や副反応の促進につながり生産性が悪くなる。また、少なすぎると多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応が不十分となりグリシジルエーテル化されないクロルヒドリン体が残存する為末端エポキシ基純度が低下する。
また上記エピクロルヒドリンの使用量は、分子蒸留を行わない場合は、多価アルコールの水酸基1当量に対して7〜20当量、好ましくは8〜15当量がよい。エピクロルヒドリンの使用量が7当量より少ないとクロマトグラム上のAで示されるピーク面積(式(1)のn=0体)の全体に対するピーク面積比が全体の90%以上にならない。また20当量より多いと全仕込み量に対する多価アルコール類の割合が少なくなり過ぎて生産性の低下となるため好ましくない。
本反応には反応を簡便に進行させるため、必要に応じて第四級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。用いることのできる第四級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。第四級アンモニウム塩の使用量としては使用する多価アルコール類の量に対し通常0.05〜10重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%である。
また、反応に際しては、エポキシ基とは反応しない溶媒中で行う事ができ、具体的にはトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂環式エーテル類、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それら2種以上混合して使用することもできる。これら溶媒の使用量は、エピハロヒドリン100重量部に対して、200重量部以下であり、好ましくは〜150重量部の範囲であり、より好ましくは10〜100重量部の範囲である。
前記反応により生じたグリシジルエーテル類を反応混合物から単離するには、例えば未反応エピクロルヒドリンおよび溶剤を減圧または常圧で留去、有機溶媒に溶解し反応混合物中に副生したアルカリ金属塩および過剰のアルカリ金属水酸化物を水洗、濾過などで分離し、次いで溶解に使用した有機溶媒を回収してグリシジルエーテル類を得る方法などがある。ここで使用する有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられるが、なかでもメチルイソブチルケトン、トルエン及びキシレンが好ましく、またこれらの混合溶媒でも良い。
反応終了後、過剰のエピハロヒドリンを留去し、溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより本発明で用いる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)を得ることができる。 加水分解性ハロゲン量が多すぎる場合は、加水分解性ハロゲン量低減の観点から、得られたエポキシ樹脂を更に、残存する加水分解性ハロゲン量に対して、1〜30倍量のアルカリ金属水酸化物を加え、60〜90℃の温度で10分〜2時間精製反応を行なった後、中和、水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副生塩を除去し、さらに溶媒を減圧留去すると、精製された本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
また、本発明で用いる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a)を得る第二の形態としては、1級アルコール性水酸基含有率の高い粗ビスヒドキシメチルビフェニルグリシジルエーテルを、分子蒸留を行うことによっても、目的とする特性値を有するエポキシ樹脂(a)を調整することができる。この場合には、粗ビスヒドキシメチルビフェニルグリシジルエーテルの1級水酸基含有率により圧力条件や温度条件が異なるものとなるが、圧力20pa以下、温度200〜250℃で分子蒸留を行うことができる。好ましい圧力は15pa以下であり、圧力が20paを超える場合には蒸留温度を250℃を超える分子蒸留が必要性な場合があり、エポキシ樹脂(a)が着色し易いものとなる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)に、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(b)及び硬化剤を必須成分として配合することができる。
Figure 2013129782
(但し、Gはグリシジル基を示す。nは0〜10を示す。)
本発明の一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)を必須成分とする場合の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。
具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキジフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類または、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤とから合成される多価フェノール性化合物等がある。
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、これら硬化剤の1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることができる1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(b)としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキジフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、またはテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等アルコール類のポリグリシジルエーテル類等、ジアミノジフェニルメタン等のポリグリシジルアミン類等、脂環式エポキシ樹脂等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して用いることができる。そして、本発明のエポキシ樹脂(a)を必須成分とするエポキシ組成物の場合、エポキシ樹脂(a)の配合量はエポキシ樹脂組成物中、5〜100%、好ましくは20〜100%の範囲であることがよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマーまたは高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充填剤、顔料、難燃剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合してもよい。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナまたは水和アルミナ等が挙げられる。顔料としては、有機系または無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。チクソ性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。また更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
更に、必要に応じて本発明の樹脂組成物には、公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類、イミダゾール化合物のトリアジン塩、シアノエチル塩、シアノエチルトリメリット酸塩などの各種塩類、酢酸亜鉛、酢酸ナトリウムなどの金属系化合物類、テトラエチルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウム塩類、アミド化合物類、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物類などを挙げることができる。これら硬化促進剤の配合割合は、本発明のエポキシ樹脂100質量部に対し、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記のエポキシ樹脂組成物を加熱することにより得ることができる。硬化物を得るための方法としては注型、注入、ポッティング、ディッピング、ドリップコーティング、トランスファー成形、圧縮成形等が好適に用いられ、その際の温度としては通常、100℃〜300℃の範囲である。
以下に本発明の実施例および比較例を挙げ詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお例中の部は質量部、%は質量%を意味する。また、物性値は次の方法により測定した。
エポキシ当量はJIS K 7236の規定に従い測定した。
全塩素量はJIS K 7243−3の規定に従い測定した。
粘度は、JIS K-7233、単一円筒回転粘度計法により測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定は以下の条件で行った。
装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel G2000HXL×2 + TSKgel G1000HXL×1 (東ソー社製)
温度:40℃
溶離液:THF
流量:1.0ml/min
検出器:示差屈折計(RI検出器)
実施例1
撹拌噐、温度計、窒素ガス導入装置、滴下装置、冷却管及び油水分離装置を備えた内容量1Lのガラスフラスコにビスヒドロキシメチルビフェニル(BHMB)50部、エピクロルヒドリン432部、ジエチレングリコールジメチルエーテル43部、水4.3部を仕込み、窒素ガスを流しながら80℃まで加熱して溶解した。99%水酸化ナトリウム28.3部を投入し同温度で6時間反応を行った。濾過により生成した塩を除き、エピクロロヒドリンを留去し、トルエン175部に溶解した。80℃迄昇温後、49.1%水酸化ナトリウム水溶液2.1部および温水3.0部を加えて同温度で1時間精製反応を実施した。その後温水25部を加えて攪拌、分液し樹脂溶液を脱水濾過、トルエンを蒸留して除去して、69gのエポキシ樹脂Aを得た。この樹脂のエポキシ当量は175g/eq、粘度170mPa・s/25℃、全塩素0.14%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定結果、式(1)で示されるn=0体のピーク面積比は全体の面積に対し93.5%であった。この樹脂を5℃の冷蔵庫に1週間保存しても結晶を析出しなかった。得られた樹脂の性状を表1に記載した。
比較例1
実施例1と同様の装置にビスヒドロキシメチルビフェニル(BHMB)を100部、エピクロルヒドリン432部、ジエチレングリコールジメチルエーテル43部、水4.3部を仕込み、窒素ガスを流しながら80℃まで加熱して溶解した。99%水酸化ナトリウム56.6部を投入し同温度で6時間反応を行った。濾過により生成した塩を除き、エピクロロヒドリンを留去し、トルエン350部に溶解した。80℃迄昇温後、49.1%水酸化ナトリウム水溶液4.1部および温水6.0部を加えて同温度で1時間精製反応を実施した。その後温水50部を加えて攪拌、分液し樹脂溶液を脱水濾過、トルエンを蒸留して除去して、132gのエポキシ樹脂Bを得た。この樹脂のエポキシ当量は180g/eq、粘度310mPa・s/25℃、全塩素0.15%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定結果、式(1)で示されるn=0体のピーク面積比は全体の面積に対し80.1%であった。この樹脂を5℃の冷蔵庫に保存すると翌日結晶が析出した。得られた樹脂の性状を表1に記載した。
実施例2
比較例1で得られたエポキシ樹脂(エポキシ樹脂B)をフィンテック社製 薄膜分子蒸留機KDL−4を使用して、圧力10pa、温度220℃で分子蒸留を行いエポキシ樹脂Cを得た。この樹脂のエポキシ当量は172g/eq、粘度150mPa・s/25℃、全塩素0.08%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定結果、式(1)で示されるn=0体のピーク面積比は全体の面積に対し97.1%であった。この樹脂を5℃の冷蔵庫に1週間保存しても結晶を析出しなかった。得られた樹脂の性状を表1に記載した。
比較例2
比較例1で得られたエポキシ樹脂(エポキシ樹脂B)をシリカゲルクロマトグラフィーにより、展開溶媒としてヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製してエポキシ樹脂Dを得た。この樹脂のエポキシ当量は167g/eq、粘度145mPa・s/25℃、全塩素0.05%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定結果、式(1)で示されるn=0体のピーク面積比は全体の面積に対し99.2%であった。この樹脂を5℃の冷蔵庫に保存すると翌日結晶が析出した。得られた樹脂の性状を表1に記載した。
実施例3、4比較例3,4
エポキシ樹脂成分として、YD−8125(ビスフェノールAグリシジルエーテル、新日化エポキシ製造製)を100重量部に対してエポキシ樹脂A〜エポキシ樹脂Dを混合粘度が1000mPa・s/25℃になるような割合で配合した。硬化剤として、カヤハードA−A(芳香族アミン、活性水素当量63.5g/eq、日本化薬製)、硬化促進剤として、2E4MZ(四国化成製)を用い、表2に示す配合でエポキシ樹脂組成物を得た。なお、表中の数値は配合における重量部を示す。
このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で2時間硬化させて、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を表2に示す。
(1)硬化物Tgは、熱機械測定装置(セイコー電子社製)を用いて10℃/分の昇温速度で測定した。
(2)吸水率は、直径50 mm、厚さ5 mmの円形の試験片を用いて、23℃、100% RHの条件で24時間吸湿させた後の重量増加変化率とした。
表1より本発明のエポキシ樹脂組成は、低温での貯蔵安定性が高い。 また表2より硬化物は、高い硬化物Tgと低い吸水率を示す。
Figure 2013129782
Figure 2013129782
本発明によるエポキシ樹脂を用いると、低粘度性、低温での液状安定性に優れるとともにTgが高く耐湿性に優れた硬化物が得られる。これは、通常の使用範囲において必要十分な耐熱性と耐湿性に優れた硬化物が製造可能になり、半導体素子に代表される電気・電子部品等の封止、コーティング材料、積層材料、複合材料等に有用な樹脂組成物が得られ、その技術上の意味に大きなものがある。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラム上のAで示されるピーク面積(式(1)のn=0体)の全体に対するピーク面積比が90%以上、98.5%以下でありエポキシ当量が169g/eq以上、178g/eq以下である、エポキシ樹脂(a)を必須成分とする液状エポキシ樹脂組成物、
    (ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定条件)
    東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL×2本+TSKgel G1000HXL×1本を直列に備えたものを使用し、カラム温度は40℃とし、溶離液にはテトラヒドロフランを用い、1.0ml/minの流速とし、検出器はRI(示差屈折計)検出器を用いる。サンプルは、一般式(1)で示される化合物のテトラヒドロフランの1%溶液を調製して測定する。
    Figure 2013129782
    (但し、Gはグリシジル基を示す。nは0〜10を示す。)
  2. 請求項1に記載の一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)と1分子中に2個以上のエポキシ基を有するその他のエポキシ樹脂(b)とを必須として含有する液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のエポキシ樹脂(a)およびエポキシ樹脂(b)の合計のエポキシ基1当量に対して、硬化剤の官能基が0.3〜1.5当量となる範囲で硬化剤を配合してなる硬化性液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載の硬化性液状エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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