JP2013129618A - 防腐効力および物性を向上させたレボフロキサシン含有水性液剤 - Google Patents
防腐効力および物性を向上させたレボフロキサシン含有水性液剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 レボフロキサシン含有水性液剤であって、防腐効力を向上させるとともに、水性液剤の製造時におけるろ過性能を高めたものを提供すること。
【解決手段】 レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩に、ホウ酸およびグリセリンを配合してなる水性液剤によって達成される。このとき、レボフロキサシンの濃度が5mg/mL〜30mg/mLであり、ホウ酸の濃度が1mg/mL〜18mg/mLであり、グリセリンの濃度が1mg/mL〜20mg/mLであることが好ましい。また、pHが5.0〜8.0に調整されていることが好ましい。更に、水性液剤が点眼剤であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩に、ホウ酸およびグリセリンを配合してなる水性液剤によって達成される。このとき、レボフロキサシンの濃度が5mg/mL〜30mg/mLであり、ホウ酸の濃度が1mg/mL〜18mg/mLであり、グリセリンの濃度が1mg/mL〜20mg/mLであることが好ましい。また、pHが5.0〜8.0に調整されていることが好ましい。更に、水性液剤が点眼剤であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、防腐効力を向上させるとともに、水性液剤の製造時におけるろ過性能を高めることによって生産効率を飛躍的に改善したことを特徴とするレボフロキサシン含有水性液剤に関する。
レボフロキサシンは、キノロン系抗菌化合物であり、他のキノロン系抗菌化合物、例えばモキシフロキサシン、ロメフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、トスフロキサシン、ノルフロキサシン等ともに極めて優れた抗菌活性を有し、これを主剤とした製剤、とりわけ眼科用製剤が多く開発され、これらの製剤に汎用されている。
しかし、レボフロキサシンを含むキノロン系抗菌剤は光に対して安定性が悪く、着色変化や分解し易く、そのために抗菌活性が低下してしまい、防腐効力が劣化してしまうという欠点があった。このため、ニューキノロン系抗菌薬については光安定性を向上させるとともに、防腐効力を高めるための技術の開発が主流となっている。
しかし、レボフロキサシンを含むキノロン系抗菌剤は光に対して安定性が悪く、着色変化や分解し易く、そのために抗菌活性が低下してしまい、防腐効力が劣化してしまうという欠点があった。このため、ニューキノロン系抗菌薬については光安定性を向上させるとともに、防腐効力を高めるための技術の開発が主流となっている。
例えば、特許第4758893号において、1.0〜3.0%w/vの濃度のレボフロキサシンに、多価アルコールとして実質的に等浸透圧にする濃度(2〜2.5v/v%)のグリセリンを配合することにより、抗菌防腐の効力を向上させることが記載されている。
また、キノロンを含む眼科用組成物に関する特開2009−209069において、レボフロキサシンに緩衝剤としてホウ酸を配合することは実施例中に記載されており、その他先行する特許の明細書中においても、レボフロキサシンに緩衝剤としてホウ酸を配合してもよいこと、pH調整剤としてホウ酸を配合してもよいことが示唆されている。
また、キノロンを含む眼科用組成物に関する特開2009−209069において、レボフロキサシンに緩衝剤としてホウ酸を配合することは実施例中に記載されており、その他先行する特許の明細書中においても、レボフロキサシンに緩衝剤としてホウ酸を配合してもよいこと、pH調整剤としてホウ酸を配合してもよいことが示唆されている。
しかしながら、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩にホウ酸とグリセリンを組み合わせて配合することにより防腐効力を向上させた水性液剤、とりわけ点眼剤は存在しない。
また、レボフロキサシン含有水性液剤、とりわけ点眼剤を製造する過程において、通常用いる従来の方法として、点眼容器に充填するときに菌の混入または侵入を防止するためにフィルター等を用いて無菌ろ過する方法があるが、この方法では使用するフィルターの目詰まりを起すなどの欠点があり、生産効率に少なからず影響を与えていた。
これら従来の技術を用いても満足できる防腐効力を得るには乏しく、また、製剤の製造工程における無菌ろ過の段階において、フィルターの目詰まりを起こすなど、ろ過性能に問題があった。
また、レボフロキサシン含有水性液剤、とりわけ点眼剤を製造する過程において、通常用いる従来の方法として、点眼容器に充填するときに菌の混入または侵入を防止するためにフィルター等を用いて無菌ろ過する方法があるが、この方法では使用するフィルターの目詰まりを起すなどの欠点があり、生産効率に少なからず影響を与えていた。
これら従来の技術を用いても満足できる防腐効力を得るには乏しく、また、製剤の製造工程における無菌ろ過の段階において、フィルターの目詰まりを起こすなど、ろ過性能に問題があった。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レボフロキサシン含有水性液剤であって、防腐効力を向上させるとともに、水性液剤の製造時におけるろ過性能を高めたものを提供することである。
上記目的を達成するため、発明者らは鋭意研究の結果、意外にもレボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩にホウ酸とグリセリンの組合わせを水性液剤としたときに、該水性液剤の防腐効力を向上させるとともに、該水性液剤を製造する工程で行う点眼容器等への充填段階での無菌ろ過に優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする水性液剤、とりわけ点眼剤を処方するときに、可溶化剤として用いたポリソルベート80にホウ酸を配合すると、ろ過性能は向上するが、防腐効力が悪いといった問題に直面した。この問題を解決するために、ポリソルベート80の代わりにポビドンを配合すると、防腐効力とろ過性能は向上するが、安定性が十分ではないという次の問題に直面した。
即ち、本発明者らは、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする水性液剤、とりわけ点眼剤を処方するときに、可溶化剤として用いたポリソルベート80にホウ酸を配合すると、ろ過性能は向上するが、防腐効力が悪いといった問題に直面した。この問題を解決するために、ポリソルベート80の代わりにポビドンを配合すると、防腐効力とろ過性能は向上するが、安定性が十分ではないという次の問題に直面した。
次に、この処方において、ホウ酸を配合しない方法で試みたが、ポリソルベート80を配合した場合、及びポビドンを配合した場合のいずれにおいても防腐効力は担保できなかった。
そこで、ポリソルベート80やポビドンの代わりにグリセリンを配合すると、意外にもホウ酸との組み合わせがよく、防腐効力を向上させるとともに、該製剤の製造時において懸念されるろ過性能についても優れた効果を発揮したので、製造工程管理および品質管理を確実に行うことができることを見出したのである。
こうして、本願発明に係る水溶製剤は、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩に、ホウ酸およびグリセリンを配合してなることを特徴とする。
そこで、ポリソルベート80やポビドンの代わりにグリセリンを配合すると、意外にもホウ酸との組み合わせがよく、防腐効力を向上させるとともに、該製剤の製造時において懸念されるろ過性能についても優れた効果を発揮したので、製造工程管理および品質管理を確実に行うことができることを見出したのである。
こうして、本願発明に係る水溶製剤は、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩に、ホウ酸およびグリセリンを配合してなることを特徴とする。
このとき、レボフロキサシンの濃度が、5mg/mL〜30mg/mLであることが好ましく、10mg/mL〜20mg/mLであることが更に好ましく、14mg/mL〜16mg/mLであることが更に好ましい。また、ホウ酸の濃度が、1mg/mL〜18mg/mLであることが好ましく、5mg/mL〜15mg/mLであることが更に好ましく、7mg/mL〜10mg/mLであることが更に好ましい。また、グリセリンの濃度が、1mg/mL〜20mg/mLであることが好ましく、5mg/mL〜18mg/mLであることが更に好ましく、10mg/mL〜14mg/mLであることが更に好ましい。また、該水性液剤のpHが5.0〜8.0であることが好ましい。
上記のように調製された水性液剤は、防腐力が高められると共に、製造時におけるろ過性能が高まるので、生産効率を飛躍的に向上させられる。
上記のように調製された水性液剤は、防腐力が高められると共に、製造時におけるろ過性能が高まるので、生産効率を飛躍的に向上させられる。
本発明によれば、防腐効力を向上させるとともに、水性液剤の製造時におけるろ過性能を飛躍的に高めたレボフロキサシン含有水性液剤を提供できる。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶ。
本発明におけるレボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩にホウ酸およびグリセリンを組合わせた水性液剤とは、好ましくは点眼剤への応用であるが、これに限定されず、例えば、点鼻剤、点耳剤等への応用を挙げることができる。
本発明におけるレボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩にホウ酸およびグリセリンを組合わせた水性液剤とは、好ましくは点眼剤への応用であるが、これに限定されず、例えば、点鼻剤、点耳剤等への応用を挙げることができる。
本発明の水性液剤に使用されるレボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩の濃度は5mg/mL〜30mg/mL、好ましくは10mg/mL〜20mg/mL、更に好ましくは14mg/mL〜16mg/mLの範囲内での配合である。
また、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩の配合量を上記のとおりとしたときに、ホウ酸の濃度が1mg/mL〜18mg/mL、好ましくは5mg/mL〜15mg/mL、更に好ましくは、7mg/mL〜10mg/mLであり、更にグリセリンの濃度が1mg/mL〜20mg/mL、好ましくは5mg/mL〜18mg/mL、更に好ましくは10mg/mL〜14mg/mLであることが好適な条件である。
さらに、本発明の水性液剤のpHとしては、通常許容される範囲内であれば特に限定されないが、pH5.0〜8.0に調整することが好ましい。
本発明の水性液剤には、その他の添加剤として、pH調整剤、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤が添加されてもよい。
また、レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩の配合量を上記のとおりとしたときに、ホウ酸の濃度が1mg/mL〜18mg/mL、好ましくは5mg/mL〜15mg/mL、更に好ましくは、7mg/mL〜10mg/mLであり、更にグリセリンの濃度が1mg/mL〜20mg/mL、好ましくは5mg/mL〜18mg/mL、更に好ましくは10mg/mL〜14mg/mLであることが好適な条件である。
さらに、本発明の水性液剤のpHとしては、通常許容される範囲内であれば特に限定されないが、pH5.0〜8.0に調整することが好ましい。
本発明の水性液剤には、その他の添加剤として、pH調整剤、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤が添加されてもよい。
上記pH調整剤としては、本発明の目的であるホウ酸の配合量に影響を与えない範囲内で更にホウ酸を増量してもよく、上記ホウ酸の配合量でpHの調整領域を補えない場合は適宜他のpH調整剤、例えば、ホウ砂、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸、酢酸等の酸・塩基類のほか、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トロメタモール等の有機アミン類を添加することができる。これら他のpH調整剤は単独で用いてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記緩衝剤としては、本発明の目的であるホウ酸の配合量に影響を与えない範囲内で他の緩衝剤、例えば、ホウ砂、リン酸系緩衝剤(リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど)、クエン酸系緩衝剤(クエン酸、クエン酸ナトリウムなど)、酢酸系緩衝剤(酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トロメタモール等の有機アミン類等を配合することができる。これらの緩衝剤は単独で用いてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記緩衝剤としては、本発明の目的であるホウ酸の配合量に影響を与えない範囲内で他の緩衝剤、例えば、ホウ砂、リン酸系緩衝剤(リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど)、クエン酸系緩衝剤(クエン酸、クエン酸ナトリウムなど)、酢酸系緩衝剤(酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トロメタモール等の有機アミン類等を配合することができる。これらの緩衝剤は単独で用いてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記可溶化剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールなどを挙げることができる。これらの可溶化剤は単独で用いてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
等張化剤としては、本発明の目的で配合するグリセリンの量に影響を与えない範囲内において他の等張化剤、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、D−マンニトールなどを挙げることができる。これらの等張化剤は単独で用いてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、クエン酸などを挙げることができる。
等張化剤としては、本発明の目的で配合するグリセリンの量に影響を与えない範囲内において他の等張化剤、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、D−マンニトールなどを挙げることができる。これらの等張化剤は単独で用いてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、クエン酸などを挙げることができる。
本発明のレボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩にホウ酸とグリセリンを配合した水性液剤によれば、防腐効力が保たれるばかりか、該製剤の製造時におけるろ過性能を飛躍的に向上させることができるといったメリットがある。
本発明の水性液剤を点眼剤として用いる場合は、抗菌作用を有し、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、角膜炎、角膜潰瘍、術後感染症などの予防、治療に有効で、限定されるものではないが、好ましくは1回1滴、1日3回程度点眼すればよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
本発明の水性液剤を点眼剤として用いる場合は、抗菌作用を有し、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、角膜炎、角膜潰瘍、術後感染症などの予防、治療に有効で、限定されるものではないが、好ましくは1回1滴、1日3回程度点眼すればよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
<試験方法>
・防腐効力試験方法
まず、日本薬局方の参考情報にある保存効力試験法に従って、保存効力試験を実施した。該保存効力試験を次のとおり簡単に説明する。保存効力試験では,被験菌株として Candida albicans(NBRC 1594)と Aspergillus brasiliensis(NBRC 9455)を用いた.この被験菌株をサブロー・ブドウ糖寒天培地で培養し,菌苔を滅菌食塩水に希釈し試験菌液とした。この試験菌液の一定量を表1に記載の各処方の水溶液を含む被験容器検体内に約106CFU/mLとなるように添加した。菌を添加した検体は一定期間保存し,保存14,28日後の検体内の生菌数を測定した.保存効力試験結果の評価は,保存14日後の生菌数が添加菌数の50%以上であった場合を×,保存14日後の生菌数が添加菌数の10%以上50%未満であった場合を△,保存14日後の生菌数が添加菌数の0.5%以上10%未満であった場合を○,保存14日後の生菌数が添加菌数の0.5%未満であった場合を◎とした。さらに,保存28日後の生菌数が保存14日後の生菌数以上であった場合には保存14日目の評価によらず×とした。さらに外観について次の方法により観察した。すなわち,保存14,28日目に,検体内の変化を目視で観察した。外観の評価は,保存0日目からあきらかな外観の悪化(例えば、沈殿の発生)が見られたときを×とした.防腐効力全体の評価として,外観の評価が×であった場合は×とし,それ以外は保存効力試験の評価に従うこととした。
防腐効力試験の全体の評価は、表2に示した。
・ろ過性能試験方法
水性液剤を無菌ろ過する際に用いる一般的なフィルター(0.2μm)で、送液ポンプにより一定の回転数で水性液剤をろ過した時のろ過時間を比較した。ろ過性能試験結果の評価は,水と比較して同程度以上のろ過時間であった場合を○,水と比較して長いろ過時間となった場合を×とした。
・安定性試験方法
常法に従い調製したレボフロキサシン点眼液を点眼容器に充填し、60℃で4週間保存した後の安定性試験(性状、含量、pH、純度)を実施した。
<試験結果>
試験結果を図1及び表2に示した。
・防腐効力試験方法
まず、日本薬局方の参考情報にある保存効力試験法に従って、保存効力試験を実施した。該保存効力試験を次のとおり簡単に説明する。保存効力試験では,被験菌株として Candida albicans(NBRC 1594)と Aspergillus brasiliensis(NBRC 9455)を用いた.この被験菌株をサブロー・ブドウ糖寒天培地で培養し,菌苔を滅菌食塩水に希釈し試験菌液とした。この試験菌液の一定量を表1に記載の各処方の水溶液を含む被験容器検体内に約106CFU/mLとなるように添加した。菌を添加した検体は一定期間保存し,保存14,28日後の検体内の生菌数を測定した.保存効力試験結果の評価は,保存14日後の生菌数が添加菌数の50%以上であった場合を×,保存14日後の生菌数が添加菌数の10%以上50%未満であった場合を△,保存14日後の生菌数が添加菌数の0.5%以上10%未満であった場合を○,保存14日後の生菌数が添加菌数の0.5%未満であった場合を◎とした。さらに,保存28日後の生菌数が保存14日後の生菌数以上であった場合には保存14日目の評価によらず×とした。さらに外観について次の方法により観察した。すなわち,保存14,28日目に,検体内の変化を目視で観察した。外観の評価は,保存0日目からあきらかな外観の悪化(例えば、沈殿の発生)が見られたときを×とした.防腐効力全体の評価として,外観の評価が×であった場合は×とし,それ以外は保存効力試験の評価に従うこととした。
防腐効力試験の全体の評価は、表2に示した。
・ろ過性能試験方法
水性液剤を無菌ろ過する際に用いる一般的なフィルター(0.2μm)で、送液ポンプにより一定の回転数で水性液剤をろ過した時のろ過時間を比較した。ろ過性能試験結果の評価は,水と比較して同程度以上のろ過時間であった場合を○,水と比較して長いろ過時間となった場合を×とした。
・安定性試験方法
常法に従い調製したレボフロキサシン点眼液を点眼容器に充填し、60℃で4週間保存した後の安定性試験(性状、含量、pH、純度)を実施した。
<試験結果>
試験結果を図1及び表2に示した。
保存効力試験について A.brasiliensis を用いて試験を行ったところ、図1に示すように、処方例9(実施例2)において、処方例11よりも保存効力を高めることができた。検体の外観について C.albicans を用いた試験を行ったところ、処方例11において観察された保存14日目の外観不良が、処方例9で改善した。
表2に示すように、処方例8(実施例1)〜処方例10(実施例3)に示す処方、すなわち、グリセリンにホウ酸を配合した処方が防腐効力試験においてもろ過性能試験においても優れた効果を示した。
また、安定性試験において、処方例1から処方例3、処方例7、処方例9(実施例2)および処方例11において効果が得られたが、これら3つの試験を最も良く満足するものは処方例9(実施例2)であったことが示された。
表2に示すように、処方例8(実施例1)〜処方例10(実施例3)に示す処方、すなわち、グリセリンにホウ酸を配合した処方が防腐効力試験においてもろ過性能試験においても優れた効果を示した。
また、安定性試験において、処方例1から処方例3、処方例7、処方例9(実施例2)および処方例11において効果が得られたが、これら3つの試験を最も良く満足するものは処方例9(実施例2)であったことが示された。
このように本実施形態によれば、防腐効力を向上させるとともに、水性液剤の製造時におけるろ過性能を飛躍的に高めたレボフロキサシン含有水性液剤を提供できた。
Claims (5)
- レボフロキサシンまたはその薬理学的に許容される塩に、ホウ酸およびグリセリンを配合してなる水性液剤。
- レボフロキサシンの濃度が5mg/mL〜30mg/mLである請求項1記載の水性液剤。
- ホウ酸の濃度が1mg/mL〜18mg/mLであり、グリセリンの濃度が1mg/mL〜20mg/mLである請求項1または2に記載の水性液剤。
- pHが5.0〜8.0に調整されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の水性液剤。
- 点眼剤である請求項1〜4のいずれか一つに記載の水性液剤。
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