JP2013128983A - レベリング制御装置、およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
仕上圧延機1の出側での被圧延材Zのウェッジ比率(WD100/Hstd)に応じた各圧延スタンド(F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7)のレベリングの修正量(レベリング修正量)(ΔSWD[1]、ΔSWD[2]、ΔSWD[3]、ΔSWD[4]、ΔSWD[5]、ΔSWD[6]、ΔSWD[7])を算出する。そして、算出されたレベリング修正量(ΔSWD[1]、ΔSWD[2]、ΔSWD[3]、ΔSWD[4]、ΔSWD[5]、ΔSWD[6]、ΔSWD[7])に基づいて各圧延スタンド(F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7)のレベリング制御量(ΔSP[1]、ΔSP[2]、ΔSP[3]、ΔSP[4]、ΔSP[5]、ΔSP[6]、ΔSP[7])を修正する。
【選択図】図1
Description
この従来技術では、複数段の圧延スタンドを有する仕上圧延機において、被圧延材の板厚が幅方向にわたって同一となるように、一部の圧延スタンドのレベリングを制御していた。これにより、この従来技術では、被圧延材のウェッジを低減し、被圧延材の曲がりが発生することを防止して、絞り等の通板トラブルが発生することを防止していた。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、仕上圧延機の出側での被圧延材のウェッジを低減しつつ、被圧延材の通板性を向上可能とすることを目的としている。
被圧延材を圧延する複数段の圧延スタンドを有する仕上圧延機の各圧延スタンドのレベリングを制御するレベリング制御装置であって、前記仕上圧延機の出側での前記被圧延材のウェッジを検出するウェッジ検出部と、前記ウェッジ検出部で検出されたウェッジに基づいて前記被圧延材のウェッジ比率を算出するウェッジ比率算出部と、前記ウェッジ比率算出部で算出されたウェッジ比率に応じた各圧延スタンドのレベリングの修正量を算出するレベリング修正量算出部と、前記レベリング修正量算出部で算出された修正量に基づいて各圧延スタンドのレベリングを修正するレベリング量修正部と、を備えたことを特徴とする。
被圧延材を圧延する複数段の圧延スタンドを有する仕上圧延機の各圧延スタンドのレベリングを制御するレベリング制御装置の制御方法であって、前記仕上圧延機の出側での前記被圧延材のウェッジ比率に応じた各圧延スタンドのレベリングの修正量を算出し、算出した修正量に基づいて各圧延スタンドのレベリングを修正することを特徴とする。
前記レベリング修正量算出部は、前記ウェッジ比率算出部で算出されたウェッジ比率に各圧延スタンドにおける目標板厚と予め設定した設定値とを乗算した値を当該圧延スタンドのレベリングの修正量として算出することを特徴とする。
このように、本発明では、仕上圧延機の出側での被圧延材のウェッジ比率に各圧延スタンドにおける目標板厚と予め設定した設定値とを乗算した値を当該圧延スタンドのレベリングの修正量として算出する。それゆえ、各圧延スタンドにおける被圧延材のウェッジ比率の変化を一定とすることができる。それゆえ、各圧延スタンド間における被圧延材のウェッジ比率の変化をより確実に抑制できる。
(構成)
まず、本実施形態の仕上圧延機1の構成について説明する。
図1は、仕上圧延機1の構成を模式的に表す側面図である。
図1に示すように、仕上圧延機1は、熱間圧延工程において、粗圧延機が圧延したスラブ等の被圧延材Zを予め設定した目標厚さに圧延するための装置である。
仕上圧延機1は、7段の圧延スタンド2を備える。7段の圧延スタンド2のそれぞれは、上流側のものから順に、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7とも呼ぶ。
図2に示すように、圧延スタンド2は、被圧延材Zが移動する通路の左右(以下、作業側、駆動側とも呼ぶ)に配設された一対のハウジング3を備える。
ハウジング3の中央部には、上ワークロール4と、上ワークロール4の下方に配設された下ワークロール5とが配設されている。
上ワークロール4と下ワークロール5とは、回転軸が被圧延材Zの移動方向と直交する方向に配され、両軸端部がハウジング3に回転自在に支持されている。これにより、上ワークロール4と下ワークロール5とは、互いに対向するとともに上ワークロール4と下ワークロール5との間に被圧延材Zを通過可能な状態で配設されている。それゆえ、上ワークロール4と下ワークロール5とは、被圧延材Zを圧延可能となっている。
ここで、図1に示すように、7段の圧延スタンド2(F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7)のうち、下流側の圧延スタンドF5、F6、F7には、上ワークロール4と上バックアップロール6との間、および下ワークロール5と下バックアップロール7との間にさらに中間ロール8、9が配設されている。
図3は、ウェッジ計12aを表す図である。
ウェッジ検出部12は、最終段の圧延スタンドF7の下流に配設されている。そして、ウェッジ検出部12は、最終段の圧延スタンドF7の出側(仕上圧延機1の出側)での被圧延材Zのウェッジを検出する。具体的には、ウェッジ検出部12は、図3に示すように、被圧延材Zの作業側端部の予想位置から中央方向に100mmの位置(以下、作業側エッジ100mm位置とも呼ぶ)、および駆動側端部の予想位置から中央方向に100mmの位置(以下、駆動側エッジ100mm位置とも呼ぶ)のそれぞれにウェッジ計12aを備える。そして、ウェッジ検出部12(ウェッジ計12a)は、最終段の圧延スタンドF7の出側での被圧延材Zの作業側エッジ100mm位置の板厚(以下、作業側板厚TOP100とも呼ぶ)、および駆動側エッジ100mm位置の板厚(以下、駆動側板厚TDr100とも呼ぶ)を検出する。続いて、ウェッジ検出部12は、検出した作業側板厚TOP100から駆動側板厚TDr100を減算し、減算結果をウェッジWD100としてレベリング制御部13に出力する。
なお、本実施形態では、被圧延材Zの作業側端部から中央方向に100mmの位置(作業側エッジ100mm位置)、および駆動側端部から中央方向に100mmの位置(駆動側エッジ100mm位置)のそれぞれにウェッジ計12aを備える例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、図4に示すように、被圧延材Zの幅方向に沿って隙間なく配設した複数のX線板厚検出器12bを有するマルチセンサー板厚計12cを備える構成としてもよい。これにより、マルチセンサー板厚計12cは、走査型のプロファイル計と異なり、X線板厚検出器12bを走査せずに、被圧延材Zの幅方向に沿った各位置の板厚を測定できる。そのため、マルチセンサー板厚計12cは、被圧延材Zの全長にわたって被圧延材Zの幅方向に沿った各位置の板厚を測定できる。この場合、マルチセンサー板厚計12cは、最終段の圧延スタンドF7の下流に配設される。そして、マルチセンサー板厚計12c(複数のX線板厚検出器12b)は、最終段の圧延スタンドF7の出側(仕上圧延機1の出側)での被圧延材Zの幅方向に沿った各位置の板厚を検出する。続いて、マルチセンサー板厚計12cは、検出した各位置の板厚に基づいて被圧延材Zの駆動側端部および作業側端部を検出する。続いて、マルチセンサー板厚計12cは、検出結果に基づき、検出した各位置の板厚のうちから、駆動側端部から中央方向に100mmの位置の板厚(駆動側板厚)TDr100、および作業側端部から中央方向に100mmの位置の板厚(作業側板厚)TOP100を抽出する。続いて、マルチセンサー板厚計12cは、検出した作業側板厚TOP100から駆動側板厚TDr100を減算し、減算結果をウェッジWD100としてレベリング制御部13に出力する。これにより、マルチセンサー板厚計12cは、被圧延材Zが蛇行した場合にも、駆動側板厚TDr100および作業側板厚TOP100をより適切に判定できる。また、マルチセンサー板厚計12cは、複数のX線板厚検出器12bのうちの1、2個が故障した場合に、他のX線板厚検出器12bが検出した板厚に基づいて該故障したX線板厚検出器12bの検出結果を補完できる。
レベリング制御部13は、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、中央演算処理装置およびメモリ等から構成した集積回路を備える。レベリング制御部13は、被圧延材Zが長手方向に設定距離(例えば、2m)移動するたびに、ロードセル11およびウェッジ検出部12の検出結果に基づき、メモリが格納するプログラムに従って演算処理を実行する。この演算処理では、レベリング制御部13は、各圧延スタンド2の出側での被圧延材Zのウェッジ比率に応じた各圧延スタンド2のレベリングの修正量を算出する。そして、レベリング制御部13は、算出した修正量に基づいて各圧延スタンド2のレベリングを修正する制御信号を各圧延スタンド2の圧下モータ10bに出力する。ウェッジ比率とは、ウェッジを板厚で除算した除算結果である。これにより、レベリング制御部13は、同一のコイルに巻き取られる被圧延材Zにおける、下流側の部分のウェッジWD100に基づいて上流側の部分のウェッジWD100が低減するように、各圧延スタンドF1、F2、F3、F4、F5、F6、F7のレベリングの制御を行う。
なお、レベリング制御部13は、被圧延材Zの尾端部の蛇行を抑制するための蛇行抑制制御が開始されると、この演算処理の実行を中止させる。
図5に示すように、レベリング制御部13が実行する演算処理の機能構成は、荷重偏差算出部14、レベリング制御量算出部15、レベリング修正量算出部16、およびレベリング量修正部17を含んで構成される。
ΔSP[i]=(1/Kwb+1/Kww)・(MOP―MDR)/(MOP+MDR)・ΔP[i] …(1)
レベリング修正量算出部16は、ウェッジ比率算出部18、およびレベリング修正量算出部19を備える。
次に、本実施形態の仕上圧延機1の動作について説明する。
まず、仕上圧延の実行中に、各圧延スタンドF1、F2、F3、F4、F5、F6、F7のロードセル11が、被圧延材Zに付与されている作業側および駆動側の圧下荷重POP、PDrを検出し、検出結果POP、PDrをレベリング制御部13に出力する。また、ウェッジ検出部12が、最終段の圧延スタンドF7の出側(仕上圧延機1の出側)での被圧延材ZのウェッジWD100を検出し、検出結果WD100をレベリング制御部13に出力する。
図7は、被圧延材Zのウェッジの抑制効果を表す図である。
図7に示すように、上記実施形態の仕上圧延機1では、仕上圧延機1の出側での被圧延材Zのウェッジが低減することが確認できた。また、比較例の仕上圧延機1では、仕上圧延機1の出側での被圧延材Zのウエッジ平均が25μmとなった。ここで、比較例としては、複数段の圧延スタンド2のうち、前段の圧延スタンドF1、F2、F3でのみ、被圧延材Zの板厚が幅方向にわたって同一となるようにレベリングを制御する仕上圧延機1を採用した。これに対し、上記実施形態の仕上圧延機1では、仕上圧延機1の出側での被圧延材Zのウエッジ平均が12.5μmになった。それゆえ、上記実施形態の仕上圧延機1では、被圧延材Zのウェッジ平均が低減することが確認できた。
このように、上記実施形態の仕上圧延機1では、被圧延材Zのウェッジ平均やウェッジばらつきが低減することで、仕上圧延後の板厚不良部カット工程(精整工程)、追加コイル工程、および耳切代工程を削減できる。
2 圧延スタンド(圧延スタンド)
3 ハウジング
4 上ワークロール
5 下ワークロール
6 上バックアップロール
7 下バックアップロール
8 中間ロール
9 中間ロール
10 圧下荷重付与機構
10a 圧下スクリュー
10b 圧下モータ
11 ロードセル
12 ウェッジ検出部(ウェッジ検出部)
13 レベリング制御部(レベリング制御部)
14 荷重偏差算出部
15 レベリング制御量算出部
16 レベリング修正量算出部(レベリング修正量算出部)
17 レベリング量修正部(レベリング量修正部)
18 ウェッジ比率算出部(ウェッジ比率算出部)
19 レベリング修正量算出部
Claims (3)
- 被圧延材を圧延する複数段の圧延スタンドを有する仕上圧延機の各圧延スタンドのレベリングを制御するレベリング制御装置であって、
前記仕上圧延機の出側での前記被圧延材のウェッジを検出するウェッジ検出部と、
前記ウェッジ検出部で検出されたウェッジに基づいて前記被圧延材のウェッジ比率を算出するウェッジ比率算出部と、
前記ウェッジ比率算出部で算出されたウェッジ比率に応じた各圧延スタンドのレベリングの修正量を算出するレベリング修正量算出部と、
前記レベリング修正量算出部で算出された修正量に基づいて各圧延スタンドのレベリングを修正するレベリング量修正部と、を備えたことを特徴とするレベリング制御装置。 - 前記ウェッジ比率算出部で算出されたウェッジ比率に各圧延スタンドでの目標板厚と予め設定した設定値とを乗算した値を当該圧延スタンドのレベリングの修正量として算出することを特徴とする請求項1に記載のレベリング制御装置。
- 被圧延材を圧延する複数段の圧延スタンドを有する仕上圧延機の各圧延スタンドのレベリングを制御するレベリング制御装置の制御方法であって、
前記仕上圧延機の出側での前記被圧延材のウェッジ比率に応じた各圧延スタンドのレベリングの修正量を算出し、算出した修正量に基づいて各圧延スタンドのレベリングを修正することを特徴とするレベリング制御装置の制御方法。
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