JP2013128418A - 栄養強化用粉末食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】70〜100℃の水に難溶解性の乳清たんぱく質を高含有しても「ままこ」や「だま」になることなく溶解し、経口的に栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などが温かな食事として経口摂取しやすい高栄養強化用粉末食品を提供すること。
【解決手段】70〜100℃の水に難溶解性の乳清たんぱく質に、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して0.002〜0.02質量部を含有させることにより、70〜100℃の水に「ままこ」や「だま」になることなく溶解することができ、実質的に脂質および食物繊維を含有しないことから、経口的に栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などが温かな食事として経口摂取しやすい栄養強化用粉末食品に関するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態などの患者がたんぱく質、糖質、ビタミンB1、ビタミンB6、亜鉛、および銅を経口摂取で補給することを目的とした栄養強化用粉末食品に関する。さらに詳しくは、本発明は、70〜100℃の水に難溶解性の乳清たんぱく質に、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して0.002〜0.02質量部を含有させることにより、「ままこ」や「だま」になることなく溶解することを可能とし、たんぱく質、糖質、ビタミンB1、ビタミンB6、亜鉛、および銅を含有しても風味に影響せずに、温かな食事として経口摂取しやすい栄養強化用粉末食品に関するものである。
消化器外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態などの患者では、たんぱく質、糖質、ビタミン、あるいは微量元素などの摂取不足状態が長く続くと、免疫機能の低下や新たな疾患の発症を誘引することがある。たんぱく質は、生命を維持し、健康的な生活を営むために、必要不可欠な栄養素の一つであり、外科手術患者や高齢者あるいは経口摂取が不十分な低栄養状態などの患者は、良質のたんぱく質を摂取することが重要となる。このため、余病の併発防止や体力の増強のために、このような患者は、多量に良質のたんぱく質が必要とされる。そこで、たんぱく質を効率よく摂取させるために、日常の食事に追加して与えるたんぱく質原料として、アミノ酸バランスに優れた良質の乳たんぱくである乳清たんぱくが適している。さらに、ビタミンB1はエネルギーの産生、ビタミンB6はたんぱく質の代謝、亜鉛はたんぱく質の代謝、銅は体内酵素の正常な働きに必要な栄養素であるが、消化器外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態などの患者において、これらの栄養素が不足している場合も少なくない。
たんぱく質は、患者などに投与するために、通常、水、牛乳、ジュースなどの飲料に溶解させたり、あるいは、ゼリー、プリンなどのデザート、味噌汁、スープなどの食事に混ぜることが行われている。しかしながら、この場合、粉末状のものは、たんぱく質を高含有できるものの、溶解しにくく、調製に非常に手間がかかるのを免れないという問題がある。また、従来より、難溶解性のたんぱく質原料の多くは乾燥させた粉末原料である場合が多いが、これらを水に添加した場合、粉末自身が水中に分散しながら溶解するよりも、水との接触面で表面だけが水和する方が早く、粉末の表面だけが濡れて内部まで水が浸透しない、いわゆる「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊が発生して溶解し難いという問題があった。さらに、温かな食事として提供するために、温湯または熱湯で調製した場合、熱変性によってたんぱく質が凝固あるいは凝集するといった問題もあった。
上記の課題を解決するために、HLBが13〜18である、ラウリン酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでなる、乳清たんぱく含有顆粒(特許文献1)によって、25℃の水に「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊になることなく溶解することが可能であるが、温湯または熱湯に「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊になることなく溶解するかは開示されていない。また、水に難溶解性の乳清たんぱくに、デカグリセリンと炭素数12〜14の脂肪酸とのモノエステルの中から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を添加することによって、水に容易に溶解することを可能とした水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物(特許文献2)が開示されているが、それに基づいて製造した高たんぱく栄養組成物は、温かな食事として提供するために、温湯または熱湯で調製した場合、完全に分散せず、調整後いわゆる「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊が残ってしまうという問題が生じた。このように、外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などが、たんぱく質、糖質、ビタミンB1、ビタミンB6、亜鉛、および銅を補給するために、温湯または熱湯に難溶解性の乳清たんぱくを容易に溶解でき、温かな食事として経口摂取しやい栄養組成物が望まれている。
WO2007/123113公報 特開2009−242308号公報
本発明の目的は、上述の状況を鑑みてなされたもので、70〜100℃の水に難溶解性の乳清たんぱく質にレシチンを含有させることにより、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊になることなく溶解することができ、実質的に脂質および食物繊維を含有しないことから、経口的に栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などがたんぱく質、糖質、ビタミンB1、ビタミンB6、亜鉛、および銅を補給するために、経口摂取しやすい栄養強化用粉末食品を提供するものである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、70〜100℃の水に難溶解性の乳清たんぱく質に、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して、0.002〜0.02質量部を含有させることにより、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊になることなく溶解することができ、実質的に脂質および食物繊維を含有しないことから、経口的に栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などが経口摂取しやすい栄養強化用粉末食品が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)に示したものである。
(1)乳清たんぱく質を32〜42質量%、糖質を36〜56質量%、ビタミンB1を0.1〜20mg/100g、ビタミンB6を0.1〜20mg/100g、亜鉛を1〜100mg/100g、銅を0.1〜10mg/100g、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して、0.002〜0.02質量部を含有し、実質的に脂質および食物繊維を含有しない栄養強化用粉末食品。
(2)乳清たんぱく質10gあたり70〜100℃の水100mLを加え、回転数500rpm、30秒間攪拌した後、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊の加熱乾燥後の質量が0.1g以下となる(1)に記載の栄養強化用粉末食品。
(3)さらに、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKからなる群のうち1種以上のビタミンを含有する(1)または(2)に記載の栄養組成物。
(4)さらに、鉄、マンガン、セレン、ヨウ素、クロム、およびモリブデンからなる群のうち1種以上のミネラルを含有する(1)ないし(3)のいずれかに記載の栄養組成物。
以上述べたように、本発明の栄養強化用粉末食品は、温湯または熱湯に難溶解性の乳清たんぱく質に、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して0.002〜0.02質量部を含有させることにより、70〜100℃の水に容易に「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊になることなく溶解することが可能となり、実質的に脂質および食物繊維を含有しないことから、経口的に栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などが摂取しやい栄養強化用粉末食品を提供することができる。
以下、本発明の栄養強化用粉末食品を詳細に説明する。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する乳清たんぱく質は、市販されている脱乳糖ホエイ、低乳糖ホエイ、脱塩ホエイ、乳清たんぱく濃縮物、乳清たんぱく単離物、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンなどこれらの中から1種類ないし数種類の原料の組み合わせて用いることができるが、最も好ましくは、原料の最終乾燥製品におけるたんぱく質含量が85%以上である乳清たんぱく単離物を使用する。
本発明に使用することのできる乳清たんぱく質として、具体的には、WPI 895(フォンテラジャパン株式会社)、Lacprodan DI−9224(アーラフーズイングレディエンツジャパン株式会社)などが挙げられる。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する乳清たんぱく質の含有量は、32〜42質量%、好ましくは34〜40質量%、より好ましくは36〜38質量%(←実施例が37%のみであるため、さらに狭い(好ましい)範囲を入れました。)である。乳清たんぱく質の含有量が、32質量%より少ないと、必要なたんぱく質の量が確保できため、好ましくない。また、42質量%より多いと、たんぱく質の量が過多となるため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する糖質としては、従来から、食品に慣用されるものでよく、例えば、澱粉、デキストリンやブドウ糖および果糖などの単糖類、マルトースおよび乳糖などの二糖類、砂糖、グラニュー糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖など)、粉飴、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトールなど)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)などが挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する糖質の含有量は、36〜56質量%、好ましくは38〜56質量%、より好ましくは45〜56質量%である。糖質の含有量が、36質量%より少ないと、エネルギー生産が十分でないため、好ましくない。また、56質量%より多いと、エネルギー過多となるため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用するビタミンB1は、従来から、食品に慣用されるものでよく、例えば、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、ベンゾイルチアミンなどが挙げられる。ビタミンB1の含有量としては、栄養強化用粉末食品100gあたり、0.1〜20mg、好ましくは0.5〜10mgが適当である。ビタミンB1の含有量が、100gあたり、0.1mgより少ないと、糖質からエネルギー生産を助けるビタミンB1の効果が十分発揮できないため、好ましくない。また、20mgより多いと、ビタミンB1の風味が強くなるため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用するビタミンB6は、従来から、食品に慣用されるものでよく、例えば、ピリドキシン塩酸塩が挙げられる。ビタミンB6の含有量としては、100gあたり、0.1〜20mg、好ましくは0.5〜10mgが適当である。ビタミンB6の含有量が、栄養強化用粉末食品100gあたり、0.1mgより少ないと、たんぱく質の代謝に関与するビタミンB6の効果が十分発揮できないため、好ましくない。また、20mgより多いと、ビタミンB6の風味が強くなるため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する亜鉛は、供給源としては、従来から、食品に慣用されるものでよく、例えば、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、および亜鉛酵母が挙げられる。亜鉛の含有量としては、100gあたり、0.1〜100mg、好ましくは0.5〜50mgが適当である。亜鉛の含有量が、栄養強化用粉末食品100gあたり、0.1mgより少ないと、たんぱく質の代謝に関与する亜鉛の効果が十分発揮できないため、好ましくない。また、100mgより多いと、亜鉛の風味が強くなるため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する銅は、供給源としては、従来から、食品に慣用されるものでよく、例えば、グルコン酸銅、硫酸銅、および銅酵母が挙げられる。銅の含有量としては、栄養強化用粉末食品100gあたり、0.1〜10mg、好ましくは0.5〜5mgが適当である。銅の含有量が、100gあたり、0.1mgより少ないと、多くの体内酵素の正常な働きを助ける銅の効果が十分発揮できないため、好ましくない。また、10mgより多いと、亜鉛の吸収と拮抗するため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用するレシチンは、乳化性、可溶化性、分散性を示すため食品、化粧品、医薬品をはじめ幅広い分野で使用されているものであればよい。レシチンの由来としては、油糧種子または動物があり、代表的には大豆、菜種、卵黄があるが、いずれの由来でもよいが、特に大豆レシチンが好ましい。大豆レシチンは、ペースト状のクルード品でもよいが、油分を除きリン脂質含量を高めた高純度精製レシチン、粉末レシチン、酵素分解レシチンの機能性改質レシチンが好ましい。具体的には、サンレシチンA−1(太陽化学株式会社)、レシオンP、レシオンLP−1、レシマールEL(理研ビタミン株式会社)、ソレックR、ソレックF、ソレックFP40(株式会社光洋商会)などがある。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用するレシチンの含有量は、乳清たんぱく質1質量部に対して、0.002〜0.02質量部、好ましくは、0.0025〜0.015質量部が適当である。レシチンの含有量が、乳清たんぱく質1質量部に対して0.002質量部より少ないと、粉末の溶解性を改善する効果が不十分となるため、好ましくない。また、0.02質量部より多いと、経口摂取する栄養強化用粉末食品として風味が悪くなるため、好ましくない。
また、本発明の栄養強化用粉末食品で使用する乳清たんぱく質とレシチンは、たんぱく質1質量部に対して0.002〜0.02質量部の範囲でレシチンが予め添加された市販の乳清たんぱく質でも良い。具体的には、エンラクトSAT(日本新薬株式会社)などがある。
本発明の栄養強化用粉末食品は、実質的に脂質および食物繊維を含有しないが、各原料由来の夾雑物など、少量の脂質および食物繊維の含有を排除するものではなく、従来の栄養強化用食品として使用されているものはいずれも本発明の主旨を逸脱しない範囲で許容される。脂質および食物繊維を含有すると、消化器外科手術患者では手術後の腸閉塞の原因となり、手術後の回復が遅れる可能性がある。
本発明の栄養強化用粉末食品は、乳清たんぱく質10gあたり70〜100℃の水100mLを用いて攪拌する。70℃より低い水100mLを用いると、温かな食事として経口摂取しやすい栄養強化用食品を提供できないため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品は、乳清たんぱく質10gあたり70〜100℃の水100mLを用いて、回転数500rpm、30秒間攪拌した後、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊の加熱乾燥後の質量が0.1g以下である。「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊の加熱乾燥後の質量が0.1gより多いと、ざらつきが多く、経口摂取しにくいため、好ましくない。
本発明の栄養強化用粉末食品を製造する際には、ビタミンB1、ビタミンB6以外のビタミン、亜鉛、銅以外の微量元素を必要に応じて適宜含有することが出来る。
本発明の栄養強化用粉末食品に用いるビタミンとしては、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKなどが挙げられ、これら複数をできる限り組み合わせて含有するのが好ましい。
ビタミンB1、ビタミンB6以外のビタミンの含有量としては、栄養強化用粉末食品100gあたり、ビタミンB2は、0〜20mg、好ましくは0.1〜12mg、ビタミンB12は、0〜100μg、好ましくは0.2〜60μg、ナイアシンは、0〜300mg、好ましくは1.5〜60mg、パントテン酸は、0〜55mg、好ましくは0.6〜30mg、葉酸は、0〜1000μg、好ましくは20〜200μg、ビオチンは、0〜1000μg、好ましくは3〜500μg、ビタミンCは、0〜2000mg、好ましくは10〜1000mg、ビタミンAは、0〜3000μg、好ましくは60〜600μg、ビタミンDは、0〜50μg、好ましくは0.3〜5μg、ビタミンEは、0〜800mg、好ましくは1〜150mg、ビタミンKは、0〜1000μg、好ましくは2〜700μgの範囲が適当である。
本発明の栄養強化用粉末食品に用いる微量元素としては、鉄、マンガン、セレン、クロム、ヨウ素、モリブデンなどが挙げられ、これら複数をできる限り組み合わせて含有するのが好ましい。
亜鉛、銅以外の微量元素の含有量としては、栄養強化用粉末食品100gあたり、鉄は、0〜55mg、好ましくは0.1〜10mg、マンガンは、0〜11mg、好ましくは0.01〜8mg、セレンは、0〜450μg、好ましくは0.1〜35μg、クロムは、0〜40μg、好ましくは0.1〜35μg、ヨウ素は、0〜3000μg、好ましくは0.1〜150μg、モリブデンは、0〜320μg、好ましくは0.1〜25μgの範囲が適当である。
以上、本発明の栄養強化用粉末食品について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、上記の成分の他に、製品の種類に応じて、通常食品の分野で広く用いられている成分を適宜使用することができる。例えば、糖類、甘味料、高甘味度甘味料、油脂、起泡性素材、酸味料、調味料、中和剤、カラメル、色素、香料、果汁、ピューレ、保存料、エキス、pH調整剤、糊料なども、本発明の効果を損なわない範囲で任意に添加することができる。
また、公知もしくは将来知られうる甘味成分も糖類の代わりに用いることができる。具体的には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末などの甘味成分を用いても良い。
本発明において得られる栄養強化用粉末食品は、その後に使用される水溶液での腐敗を考慮すると保存剤あるいは防腐剤などを添加することができる。保存剤あるいは防腐剤の添加方法としては、栄養強化用粉末食品の製造時にあらかじめ添加しておくか、あるいは本発明の造粒工程中でバインダー液中に添加することができ、水溶性のものであれば直接添加でよいが、水懸濁性のものであれば、栄養強化用粉末食品の製造工程中で懸濁するか懸濁液を添加する方法、あるいは、本発明の造粒工程におけるバインダー液調製段階でバインダー液に懸濁する方法が使用できる。また、揮発性を有するものや耐熱性に劣るものを使用する場合は、乳化させてマイクロカプセル化したものを懸濁させる方が好ましい。
保存剤あるいは防腐剤としては、エタノール、グリシン、グルコノデルタラクトン、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸、デヒドロ酢酸、次亜塩素酸およびその塩類、低級脂肪酸エステル、ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、芥子抽出物、ワサビ抽出物、晒粉、キトサンなどを用いるのが適当である。
また、穀粉・野菜パウダーのうち、穀粉としては、コーンパウダー、小麦粉などのように、穀物を粉砕し、乾燥して得られる粉末が挙げられ、食用のものであれば任意に使用することができる。野菜パウダーとしては、キャベツ、オニオン、ネギ、ニンジンなどのホールパウダーや各種エキスパウダー、さらにはパンプキンパウダー、ポテトパウダー、魚介エキス、魚介パウダー、チキンエキスなどを挙げることができる。
次に、本発明で用いる食塩や調味料などは、通常の料理・調理に使用されているものであれば、好みに応じて任意に使用することができる。また、これらの使用量も常法に従えば良い。
本発明に係る栄養強化用粉末食品の製造方法としては、常法により製造できる。例えば、流動層造粒法、流動層多機能型造粒法、噴霧乾燥造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法などがあり、乳清たんぱく質を含む原料にバインダー液を噴霧して、粉体にバインダー液成分を被覆できる方法が挙げられる。なかでも流動層造粒法により製造するのが好ましい。
流動層造粒法による製造方法として、以下の方法を例示することができる。例えば、たんぱく質含量が85%以上である乳清たんぱく質を造粒機にいれ、下方から熱風を送り込むことで、粉体を流動させる。この流動層にレシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して、0.002〜0.02質量部になるように溶解したバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一に界面活性剤液を付着させ、凝集粒をつくり、これを乾燥させる。これに、糖質、ビタミンなどを混合することにより栄養強化用粉末食品を製造する方法を挙げることができる。
バインダー液は、界面活性剤とこれらを溶解あるいは懸濁させる溶媒により構成される。使用される溶媒としては、水単独が好ましいが、エチルアルコールなどの水溶性の溶剤を添加してもよい。
該栄養強化用粉末食品にビタミンまたは微量元素を混合する方法としては、乳清たんぱく質と一緒に造粒機に入れ、混合したり、界面活性剤と一緒にバインダー液に溶解して、噴霧したり、また、バインダー液を噴霧後または乾燥後、混合する方法が挙げられる。
このようにして得られた栄養強化用粉末食品は、難溶解性の乳清たんぱく質を含有する栄養強化用粉末食品を70〜100℃の水に容易に溶解することを可能とし、栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態の患者などが経口摂取しやすくすることができる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示した配合で栄養強化用粉末食品を製造した。乳清たんぱく質(商品名:WPI 895、フォンテラジャパン株式会社、たんぱく質含有93%)10.76kgを流動造粒乾燥機にいれ、入口温度70℃、排風温度60℃、造粒時間5分間の条件下で、粉体を流動させる。この流動層にレシチン(商品名:サンレシチンA−1、太陽化学株式会社、レシチン含有33%)0.150kgを水1.5kgに溶解したバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一に界面活性剤液を付着させ、凝集粒をつくり、これを25分間乾燥処理を行った。その後、デキストリン、砂糖、ビタミンミックス(表2)、アスコルビン酸ナトリウム、食塩、L−グルタミン酸ナトリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、クロム酵母、モリブデン酵母、マンガン酵母、セレン酵母、ヨウ素酵母、酵母エキス、オニオンパウダー、チキンパウダー、香辛料粉末、カラメル色素、香料、表2に示すビタミンミックス、を流動造粒乾燥機にいれ、5分間混合処理を行った。1包当たりの内容量を26.8gとして充填後、コンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。このとき、乳清たんぱく質は37質量%、糖質は54質量%(糖質には、デキストリンと砂糖の他に、酵母エキス、オニオンパウダー及びチキンパウダー等の原料に由来するものも含む。)であった。
Figure 2013128418
Figure 2013128418
(実施例2)
表3に示した配合で栄養強化用粉末食品を製造した。乳清たんぱく質(商品名:Lacprodan DI−9224、アーラフーズイングレディエンツジャパン株式会社、たんぱく質含有88%)11.36kgおよび表2に示した配合でミネラルミックス(表2)を流動造粒乾燥機にいれ、入口温度70℃、排風温度60℃、造粒時間5分間の条件下で、粉体を流動させる。この流動層にレシチン(酵素分解レシチン製剤、商品名:レシオンP−1、理研ビタミン株式会社、レシチン含有70%)0.071kgを水1500gに溶解したバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一に界面活性剤液を付着させ、凝集粒をつくり、これを25分間乾燥処理を行った。その後、表1に示したデキストリン、砂糖、食塩、ビタミンミックス(表2)、粉末醤油、カツオブシエキス、酵母エキス、配合調味料、香料を流動造粒乾燥機にいれ、5分間混合処理を行った。1包当たりの内容量を26.8gとして充填後、コーンスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。このとき、乳清たんぱく質は37質量%、糖質は50質量%(糖質には、デキストリンと砂糖の他に、酵母エキス、オニオンパウダー及びチキンパウダー等の原料に由来するものも含む。)であった。
Figure 2013128418
(実施例3)
表4に示した配合で栄養強化用粉末食品を製造した。ポリ袋内で予め混合したデキストリン0.650kg、ビタミンミックス、アスコルビン酸ナトリウム、食塩、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、クロム酵母、モリブデン酵母、マンガン酵母、セレン酵母、ヨウ素酵母、酵母エキス、かつおぶしエキス、香料をデキストリン2.600kgの入った混合機に入れて、回転させる。次に、砂糖、グルタミン酸ナトリウム、粉末醤油、配合調味料を入れて、回転させる。さらに乳清たんぱく質(商品名:エンラクトSAT、日本新薬株式会社、たんぱく質含有89%、レシチン含有1%)11.24kgを入れて、回転させる。最後に、残りのデキストリンを入れて回転および前後振動で20分間混合する。1包当たりの内容量を26.8gとして充填後、おすまし風の栄養強化用粉末食品を得た。このとき、乳清たんぱく質は37質量%、糖質は54質量(糖質には、デキストリンと砂糖の他に、かつおぶしエキス及び酵母エキス等の原料に由来するものも含む。)%であった。
Figure 2013128418
(比較例1)
実施例1において、乳清たんぱく質をカゼインに変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例2)
実施例1において、乳清たんぱく質を卵白たんぱく質に変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例3)
実施例1において、乳清たんぱく質を大豆たんぱく質に変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例4)
実施例1において、酵素分解レシチンを無配合に変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例5)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノラウリン酸デカグリセリンエステルに変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例6)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノミリスチン酸デカグリセリンエステルにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例7)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノオレイン酸デカグリセリンエステルにした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例8)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノラウリン酸ペンタグリセリンエステルに変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例9)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノステアリン酸デカグリセリンエステルにした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例10)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノミリスチン酸ペンタグリセリンエステルにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例11)
実施例1において、酵素分解レシチンをモノ・ジラウリン酸ペンタグリセリンエステルに変更した以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例12)
実施例1において、酵素分解レシチンをパルミチン酸シュガーエステルにした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例13)
実施例1において、酵素分解レシチンの含量を0.001%にした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(比較例14)
実施例1において、酵素分解レシチンの含量を0.05%にした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返してコンソメスープ風の栄養強化用粉末食品を得た。
(評価法1:溶解試験1)
実施例1〜3および比較例1〜14の栄養強化用粉末食品27g(たんぱく質10g含有)を70℃の水100mLに溶解し、攪拌機FEM600(東京硝子器械株式会社)にプロペラ型攪拌羽根を装着して回転数500rpmで30秒間攪拌した後、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊をスパテルで採取して、加熱乾燥式水分計MS−70(株式会社エー・アンド・デー)で加熱乾燥後の質量を測定した。結果を表5に示す。
(評価法2:風味試験)
実施例1〜3および比較例1〜14の栄養強化用粉末食品27gを70℃の水100mLに溶解し、10名の被験者に食してもらい、風味を官能評価した。評価は次に示す5点で行い、平均点を算出した。結果を表5に示す。
5点:たんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味がなく、おいしく食べられる。4点:たんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味があまりなく、食べられる。3点:どちらとも言えない。2点:たんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味がわずかにあり、あまり食べられない。1点:たんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味があり、食べられない。
実施例1において、溶解試験の評価は0.089gと溶解性に優れていた。また、風味試験の評価は4.8であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味がなく、おいしく食べられたと評価した。
実施例2において、溶解試験の評価は0.090gと溶解性に優れていた。また、風味試験の評価は4.6であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味がなく、おいしく食べられたと評価した。
実施例3において、溶解試験の評価は0.085gと溶解性に優れていた。また、風味試験の評価は4.8であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味がなく、おいしく食べられたと評価した。
比較例1は、乳清たんぱく質をカゼインに変更したため、溶解試験の評価は0.134gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は1.0であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味があり、食べられないと評価した。
比較例2は、乳清たんぱく質を卵白たんぱく質に変更したため、溶解試験の評価は0.897gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は1.0であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味があり、食べられないと評価した。
比較例3は、乳清たんぱく質を大豆たんぱく質に変更したため、溶解試験の評価は0.125gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は1.0であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味があり、食べられないと評価した。
比較例4は、酵素分解レシチンを無配合としたため、風味試験の評価は3.7であったが、溶解試験の評価は0.479gと溶解性に劣っていた。
比較例5は、酵素分解レシチンをモノラウリン酸デカグリセリンエステルに変更したため、風味試験の評価は3.5であったが、溶解試験の評価は0.117gと溶解性に劣っていた。
比較例6は、酵素分解レシチンをモノミリスチン酸デカグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.125gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は1.5であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤の臭味があり、食べられないと評価した。
比較例7は、酵素分解レシチンをモノオレイン酸デカグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.180gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は2.5であり、ほとんどの被験者はどちらとも言えないと評価した。
比較例8は、酵素分解レシチンをモノラウリン酸ペンタグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.179gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は3.0であり、ほとんどの被験者はどちらとも言えないと評価した。
比較例9は、酵素分解レシチンをモノステアリン酸デカグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.226gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は2.5であり、ほとんどの被験者はどちらとも言えないと評価した。
比較例10は、酵素分解レシチンをモノミリスチン酸ペンタグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.252gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は3.0であり、ほとんどの被験者はどちらとも言えないと評価した。
比較例11は、酵素分解レシチンをモノ・ジオレイン酸ジグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.389gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は2.0であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味がわずかにあり、あまり食べられないと評価した。
比較例12は、酵素分解レシチンをパルミチン酸シュガーエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.456gと溶解性に劣っていた。また、風味試験の評価は2.3であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味がわずかにあり、あまり食べられないと評価した。
比較例13は、酵素分解レシチンの含量を0.001質量部に変更したため、風味試験の評価は3.0であったが、溶解試験の評価は0.455gと溶解性に劣っていた。
比較例14は、酵素分解レシチンの含量を0.05質量部に変更したため、溶解試験の評価は0.050gと溶解性に優れていたが、風味試験の評価は2.0であり、ほとんどの被験者はたんぱく質、ビタミン、界面活性剤などの臭味がわずかにあり、あまり食べられないと評価した。
Figure 2013128418
(評価法3:溶解試験2)
実施例1〜3および比較例5〜6の栄養強化用粉末食品27g(たんぱく質10g含有)を100℃の水100mLに溶解し、攪拌機FEM600(東京硝子器械株式会社)にプロペラ型攪拌羽根を装着して回転数500rpmで30秒間攪拌した後、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊をスパテルで採取して、加熱乾燥式水分計MS−70(株式会社エー・アンド・デー)で加熱乾燥後の質量を測定した。結果を表6に示す。
実施例1において、溶解試験の評価は0.092gと溶解性に優れていた。
実施例2において、溶解試験の評価は0.094gと溶解性に優れていた。
実施例3において、溶解試験の評価は0.091gと溶解性に優れていた。
比較例5は、酵素分解レシチンをモノラウリン酸デカグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.135gと溶解性に劣っていた。
比較例6は、酵素分解レシチンをモノミリスチン酸デカグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.148gと溶解性に劣っていた。
比較例7は、酵素分解レシチンをモノオレイン酸デカグリセリンエステルに変更したため、溶解試験の評価は0.207gと溶解性に劣っていた。
Figure 2013128418
本発明は、70〜100℃の水に難溶解性の乳清たんぱく質に、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して0.002〜0.02質量部を含有させることにより、「ままこ」や「だま」になることなく溶解することを可能とし、実質的に脂質および食物繊維を含有しないことから、経口的に栄養補給を必要とする外科手術患者や高齢者あるいは低栄養状態などの患者が温かな食事として摂取しやすい栄養強化用粉末食品に関するものであって、産業上十分に利用できるものである。
本発明の栄養強化用粉末食品で使用する乳清たんぱく質の含有量は、32〜42質量%、好ましくは34〜40質量%、より好ましくは36〜38質量%である。乳清たんぱく質の含有量が、32質量%より少ないと、必要なたんぱく質の量が確保できため、好ましくない。また、42質量%より多いと、たんぱく質の量が過多となるため、好ましくない。

Claims (4)

  1. 乳清たんぱく質を32〜42質量%、糖質を36〜56質量%、ビタミンB1を0.1〜20mg/100g、ビタミンB6を0.1〜20mg/100g、亜鉛を1〜100mg/100g、銅を0.1〜10mg/100g、レシチンを乳清たんぱく質1質量部に対して、0.002〜0.02質量部を含有し、実質的に脂質および食物繊維を含有しない栄養強化用粉末食品。
  2. 前記乳清たんぱく質10gあたり70〜100℃の水100mLを加え、回転数500rpm、30秒間攪拌した後、「ままこ」や「だま」と呼ばれる塊の加熱乾燥後の質量が0.1g以下となる請求項1に記載の栄養強化用粉末食品。
  3. さらに、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKからなる群のうち1種以上のビタミンを含有する請求項1または2に記載の栄養強化用粉末食品。
  4. さらに、鉄、マンガン、セレン、ヨウ素、クロム、およびモリブデンからなる群のうち1種以上のミネラルを含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の栄養強化用粉末食品。
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