JP4781970B2 - 栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法 - Google Patents

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本発明は、特定の栄養素を含有する栄養補助飲料が有する、不快臭と不快な味を改善するためのマスキング方法に関する。詳細には、高濃度の栄養素を複数含有した栄養補助飲料に関し、栄養素が持つ機能性を損なうことなく且つ様々な栄養素特有の不快臭と不快な味を改善するマスキング方法に関する。
ヒトが生命維持活動を行う上で必要な栄養素には、糖質、脂質、蛋白質、無機塩類、ビタミン類、食物繊維などがあり、これらの物質はエネルギー源として、また補充栄養素として重要な物質として知られている。しかし現代の生活においては、食事の簡便化、食事時間の短縮化などによって摂取する栄養素のバランスに問題が生じるようになっており、係る現代人の栄養状態の問題の改善策として種々の栄養補助飲料が市販されている。しかし、ここで蛋白質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養素は蛋白素材臭、苦味、渋味、薬臭さなどそれぞれ特有の不快臭、不快な味を有しており、これら栄養素を含有した飲料もまた独特の不快臭や不快な味を有し、栄養補助飲料の味は好ましいとは言えなかった。
こうした問題点に鑑み、従来より、栄養素を含有する食品に対する様々なマスキング方法が検討されてきた。例えば、不快な風味を有する水溶性ビタミンのマスキングを目的として、水溶性ビタミンと共にアセスルファムカリウムを添加した組成物(特許文献1)、ビタミンB2として知られているリボフラビン及びその誘導体の苦味抑制を目的として、リボフラビンと共にアセスルファムカリウムを含み、更に高甘味甘味料としてステビア、ステビア抽出物、アスパラテーム、スクラロース、ソーマチン、グリチルリチンの1種以上の甘味料を添加した組成物がある(特許文献2)。しかし、アセスルファムカリウムはビタミンにはマスキング効果を示すものの、単独では、蛋白質及びミネラルといった他成分のマスキング効果が不十分であり、更にはある一定以上の量を添加するとアセスルファムカリウム自体が持つ苦味が飲料に影響を与えるといった問題が生じていた。また、特許文献2には、アセスルファムカリウムに更に高甘味甘味料としてステビア、ステビア抽出物、アスパラテーム、スクラロース、ソーマチン、グリチルリチンの1種以上の甘味料を添加しても良い旨が記載されているが、その目的はあくまで甘味の改質の為であって、高甘味度甘味料の後味及び苦味を低減しつつ、ビタミン、蛋白質、ミネラルといった栄養素を高濃度含有する飲料に対してマスキング効果を示すことについては一切記載されていない。
また、ソーマチンも薬剤の一種であるブロムへキシン又はその塩を含有する液剤の苦味をマスキングすることが知られている。(特許文献3)しかし、ソーマチンはショ糖の約3000倍といった高い甘味度を有する反面、ソーマチンのみで甘味をつけた飲料では味全体のバランスを損ねる、トップの不快臭に対するマスキングが不十分などマスキングを目的として使用する場合に、ソーマチンは単独では使用しづらいものがあった。
また、渋味、酸味を呈する製品に1種又は2種以上の高甘味度甘味剤を甘味の閾値以下で使用することによる、渋味、酸味のマスキング方法があり、高甘味度甘味剤としてステビア、スクラロース、アスパルテームが開示されている(特許文献4、特許文献5)。しかしここで問題としている渋味、酸味の具体的対象は紅茶、緑茶又は缶コーヒー等の飲料であり、閾値以下量の添加量では、本発明が対象とする複数の高濃度栄養素に対するマスキング効果には限度があった。
一方で、製薬学的に活性な薬剤および味をマスクする組成物を含んでなる、味をマスクした液体製薬学的組成物があり、味をマスクする組成物として味をマスクする有効量の人工甘味料があり、人工甘味料としてアスパルテーム、アセスルファムカリウム、シクラメート、サッカリン、サッカリンナトリウムおよびスクラロースまたはそれらの混合物が開示されている(特許文献6)。しかし、これら人工甘味料も薬剤の苦味にはマスク効果を示すものの、栄養素が持つ特有の不快臭には効果を示さないものであった。更には、特許文献6はこれら人工甘味料を混合物として使用する旨が記載してあるのみであって、特定の人工甘味料を特定比含有することによって、複数栄養素を高濃度含有する飲料に対するマスキング効果を示すことに関しては一切記載されていない。
また、スクラロースは各種生薬、蛋白質、アミノ酸又はペプチド、コラーゲンまたはビタミン等の食品素材と併用することにより、これらが本来有する機能を損なうことなく、これらを飲食した時に感じる不快味を緩和もしくはマスキングすることができる旨が知られている(特許文献7)。そして、スクラロースは苦味や金属味を呈さず、後味を残さないためマスキング剤として良好な性質を有することが知られている。(後半部分を削除させて頂きました。)
このように、各種栄養素の不快臭、不快な味を改善する目的として、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン等の高甘味度甘味料を含有させることが従来より検討されてきたが、いずれのマスキング方法も、特定の1種若しくは2種の栄養素に対するマスキング効果が示されているのみであって、高濃度の栄養素を複数含有した飲料に対して使用した場合、その効果は不十分なものであった。また、複数の高甘味度甘味料を使用して不快臭、不快な味を改善する方法も上記文献によって開示されているが、アセスルファムカリウム及びソーマチンを特定重量比で組み合わせることによって高濃度の栄養素を複数含有した飲料に添加した場合に、高濃度栄養補助飲料の不快臭、不快な味が改善できる旨については一切開示されていない。更には、アセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースを必須成分として含有させることにより、顕著に高濃度栄養補助飲料の不快臭、不快な味が改善できる旨についても一切開示されていない。
特開2002−60339号公報 特開2002−3380号公報 特開平10−306038号公報 特開平10−248501号公報 特開平10−215793号公報 特表2004−535370号公報 国際公開第00/24273号パンフレット
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、高濃度の栄養素を複数含有した飲料に対して栄養素の機能を損なうことなく、蛋白質、ビタミン、ミネラルといった様々な栄養素の不快臭、不快な味を改善するマスキング方法を提供することを目的とする。更には、手軽に摂取でき飲用し易い、総合的に栄養バランスのとれた栄養補助飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、高濃度の栄養素を複数含有した栄養補助飲料に対し、(1)ソーマチン及びアセスルファムカリウムを必須成分として飲料100ml中に合計重量で0.0003〜0.05重量%含有させ、(2)それらの重量比をアセスルファムカリウム:ソーマチン=5:1〜1000:1とすることにより、栄養素の機能を損なうことなく、様々な栄養素の不快臭、不快な味を改善することができることを見いだした。更には、アセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースを必須成分として含有させることにより、顕著に蛋白質、ビタミン、ミネラルといった様々な栄養素の不快臭、不快な味を改善することができることを見いだした。
本発明は以下の態様を有する栄養補助飲料のマスキング方法及び栄養素が持つ不快臭、不快な味がマスキングされた栄養補助飲料に関する;
項1.飲料100ml中に下記栄養成分(a)〜(c)を下記量含有する飲料に対し、(1)ソーマチン及びアセスルファムカリウムを必須成分として飲料100ml中に合計重量で0.0003〜0.05重量%含有させ、(2)それらの重量比をアセスルファムカリウム:ソーマチン=5:1〜1000:1とすることを特徴とする栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
(a)蛋白質;5〜30g
(b)ミネラル;500〜3000mg
(c)ビタミン類;20〜200mg
項2.更にスクラロースを含有することを特徴とする項1に記載の栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
項3.アセスルファムカリウム100重量部に対して、ソーマチンを0.1〜20重量部及びスクラロースを5〜200重量部含有することを特徴とする項2記載の栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
項4.飲料100ml中にアセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースを合計重量で0.0003〜0.1重量%含有することを特徴とする、項2又は3に記載の栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
項5.項1〜4のいずれかに記載の方法によって栄養成分の不快臭と不快な味が改善された栄養補助飲料。
本発明により、蛋白質、ミネラル、ビタミン類といった様々な栄養素特有の不快臭と不快な味を改善する栄養補助飲料のマスキング方法、及び様々な栄養素特有の不快臭がマスキングされた飲用し易い栄養補助飲料が提供できるようになった。また、該マスキング方法では栄養素特有の機能を損なうことがなく、かつ複数の栄養素の不快臭、不快な味をマスキングすることができる為、手軽にかつ総合的に栄養バランスのとれた栄養補助飲料を提供することが可能となった。
本発明は、(1)ソーマチン及びアセスルファムカリウムを必須成分として飲料100ml中に合計重量で0.0003〜0.05重量%含有させ、(2)それらの重量比をアセスルファムカリウム:ソーマチン=5:1〜1000:1とすることを特徴とする、蛋白質、ミネラル類及びビタミンなどの栄養素を含有する栄養補助飲料の不快臭と不快な味をマスキングする方法である。
蛋白質は卵、小麦及び大豆等に含有される栄養素であり必須栄養素の一種であるが、その含有量が高くなると、蛋白質自体が持つ独特の蛋白臭が飲料の美味しさを損なうこととなる。
本発明において蛋白質とは、蛋白質またはその分解物を広く意味するものであり、具体的にはアルブミン等の卵黄蛋白質、又はビリテン等の卵白蛋白といった卵蛋白質及びその分解物、カゼイン若しくはその塩や乳アルブミンや乳グロブリンといった乳清蛋白質等の乳蛋白質及びその分解物などの動物性蛋白質;グリシニン等の大豆蛋白質及びその分解物、グルアジンやグルテニン等の小麦蛋白質及びその分解物、オリゼニン等の米蛋白質及びその分解物などの植物性蛋白質が挙げられるが、これらに制限されることはない。
なお、栄養補助飲料中における上記蛋白質の含有量は、蛋白質特有の不快臭である蛋白臭が顕著に現れることから、栄養補助飲料100ml中、蛋白質を5〜30g含有していることを特徴とする。更には、栄養補助飲料100ml中、蛋白質の含有量が7〜20gである飲料では、本発明におけるマスキング効果がより顕著に現れるためより好ましい。
不快臭と不快な味を有する栄養素の一種であるミネラルは、人間の体内構成成分として体内に4%ほど存在し骨や歯、血液、ホルモン、酵素の成分として、また血液や体液の浸透圧、酸アルカリの平衡、水分平衡の保持などの働きを担っている物質である。本発明におけるミネラルの種類としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、塩素、鉄、銅、カリウム、リン、亜鉛、マンガン、ヨウ素、コバルト、イオウ、モリブデン、クロム等が挙げられ、本発明においてミネラルとは、上記の無機質の1種若しくは2種以上をいい、好ましくは鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リンが挙げられる。また、上記ミネラルは、最終的に飲料中に上記ミネラルが含有されていればよく、添加形態は精製ミネラル、有機酸塩や無機酸塩など、特に限定されない。なお、例としてカルシウムを挙げてみれば有機酸塩としては乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、無機酸塩としては、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
なお、栄養補助飲料中における上記ミネラルの含有量は、ミネラル特有の不快臭である苦味やえぐみが顕著に現れることから、栄養補助飲料100ml中、ミネラルを500〜3000mg含有していることを特徴とする。更には、栄養補助飲料100ml中、ミネラル類の含有量が700〜2000mgである飲料では、本発明におけるマスキング効果がより顕著に現れるため好ましい。
ビタミン類は、栄養素の一つであり人間の正常な発育と栄養を保つ上で、微量で重要な作用とする有機化合物であるが、一方で通常体内では生成されない為、医薬品、医薬部外品及び食品等によって摂取することが必要とされている。しかしながら各種ビタミン類は薬臭さや苦味、エグ味などそれぞれ特有の不快臭および不快な味を有しており、ビタミン類を含有することによって飲料はその風味や美味しさを損なわれることが多かった。本発明におけるビタミン類とは、水溶性及び油溶性の別、並びに天然及び合成の別を問わず、ビタミン製剤として用いられるあらゆるものが包含される。例えば天然の水溶性ビタミンとしては、ビタミンB1,B2,B3,B6,B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、リポ酸、イノシトール、ビタミンC等を例示することができる。また天然の油溶性ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等を例示することができる。また、これらビタミン類は合成されたものでもよく、また飲料に含有されるビタミンは単独でも上記ビタミン類が複数含有されたものであってもよい。
なお、栄養補助飲料中における上記ビタミン類の含有量は、ビタミン類特有の不快臭である薬臭さや苦味が顕著に現れることから、栄養補助飲料100ml中、ビタミン類を20〜200mg含有していることを特徴とする。更には、栄養補助飲料100ml中、ビタミン類の含有量が40〜100mgである飲料では、本発明におけるマスキング効果がより顕著に現れるため好ましい。
なお、本発明において栄養補助飲料とは、上記栄養素を含有している飲料であれば特に限定されず、液状飲料、粉末飲料、シロップをはじめとした様々な形態の飲料が含まれる。
本発明のマスキング方法は、(1)ソーマチン及びアセスルファムカリウムを必須成分として飲料100ml中に合計重量で0.0003〜0.05重量%含有させ、(2)それらの重量比をアセスルファムカリウム:ソーマチン=5:1〜1000:1とすることを特徴とする。
本発明でいうアセスルファムカリウムとは、アセト酢酸エチルとフッ化スルホニルイソシアネートから合成され、甘味の立ち及びキレが非常に高く、更にpHおよび熱安定性が高いという特徴を示す高甘味度甘味料であって、砂糖の約200倍の甘味を有する。一方、ソーマチンとは、例えば、マランタセア科の熱帯植物であるソーマトコッカス・ダニエリの果実の仮種皮に含有される物質で、ショ糖の約3000倍の甘味を有するものとされているものである。なお、本発明で使用されるアセスルファムカリウム及びソーマチンは最終的に飲料にこれら高甘味度甘味料が含有された状態となっていれば、液状、粉末状、固体状、顆粒状いかなる形態のものを用いても良い。
そして、本発明ではこれら2種の高甘味度甘味料を必須成分として、飲料100ml中に合計重量で0.0003〜0.05重量%、好ましくは0.001〜0.03重量%添加することを特徴とする。ここで、飲料100ml中の添加量が0.0003重量%より少ないと、高濃度栄養素の不快臭および不快な味のマスキングが不十分となり、一方、添加量が0.05重量%を超えると、高甘味度甘味料特有の甘味及び呈味が栄養補助飲料の味に影響を与えてしまう。
本発明は、更にこれら2種の高甘味度甘味料の重量比をアセスルファムカリウム:ソーマチンを5:1〜1000:1とすることを特徴とする。ここで、アセスルファムカリウムの重量比がアセスルファムカリウム:ソーマチンで1000:1より大きくなると、アセスルファムカリウム独自の苦味が飲料に影響を与えてしまうと共に、口中でのマスキング効果が持続せず不快臭と不快な味の後味を抑制することができない。一方でアセスルファムカリウムの重量比がアセスルファムカリウム:ソーマチンで5:1より小さくなると、ビタミン、および蛋白臭のマスキング効果が不十分となり、かつ飲料を飲んだ際に最初に感じる不快臭および不快な味を抑制することができない。また、マスキング効果の観点から、更には、アセスルファムカリウム:ソーマチンを10:1〜500:1、より好ましくは25:1〜200:1とすることが好ましい。
本発明におけるマスキング方法は、更にスクラロースを含有することによって、より顕著なマスキング効果を示す。
本発明におけるスクラロースとは、ショ糖分子内のフルクトース残基の1、6位およびグルコース残基の4位の三つの水酸基を塩素分子で置換した構造をしており(4,1'、6'−トリクロロガラクトスクロース)、ショ糖の約600倍の良質の甘味を示すノンカロリー且つ非う蝕性の高甘味度甘味料であり(米国特許第1543167号)、高い熱安定性とpH安定性を備え持つと共に、良質な甘味を呈する。なお、本発明で使用できるスクラロースとしては、液状、粉末状、固体状、顆粒状いかなる形態のものを用いても良い。
ここで、スクラロースを添加した際のアセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースの配合割合は、特には限定されないが、アセスルファムカリウム100重量部に対し、ソーマチンを0.1〜20重量部、スクラロースを5〜200重量部含有することが好ましく、更には、アセスルファムカリウム100重量部に対し、ソーマチンを0.5〜10重量部、スクラロースを15〜100重量部含有させることが好ましい。スクラロースを更に併用することにより、各栄養素成分、及びそれら栄養素成分が複数含有することによって増強する不快臭及び不快な味を顕著にマスキングできること、及び高甘味度甘味料独自が有する独特の呈味が栄養補助飲料に影響を与えることを防止できること、更には飲料の飲み始めから後味までしっかりと栄養補助飲料の不快臭や不快な味をマスキングできる。また、これら三種の高甘味度甘味料は、製剤化された状態で栄養補助飲料に添加してもよく、また別個に添加しても良い。
本発明の栄養補助飲料中に含有されるアセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースの添加量は特には限定されないが、好適には飲料100ml中あたりアセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースの合計重量で0.0003〜0.1重量%、より好ましくは0.001〜0.05重量%を例示することができる。ここで、飲料100ml中の添加量が0.0003重量%より少ないと、高濃度栄養素の不快臭および不快な味のマスキングが不十分となり、一方、添加量が0.1重量%を超えると、高甘味度甘味料特有の甘味、呈味が栄養補助飲料の味に影響を与える為好ましくない。
なお、本発明におけるマスキング方法を使用すると、栄養素特有の機能を損なうことなく栄養素の不快臭及び不快な味をマスキングすることが可能となる。
また、本発明における栄養補助飲料には、上述する蛋白質、ビタミン類、ミネラル以外の栄養成分を含有することができる。例として、水溶性又は油溶性食物繊維、天然又は合成アミノ酸、各種ペプチド、コエンザイムQ10、α―リポ酸等、生薬、ハーブ等が挙げられる。また、本発明における栄養補助飲料には、発明の効果を損なわない程度に各種甘味料、増粘剤、乳化剤、香料、色素なども適宜添加することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部」、「%」は「重量%」を意味するものとする。文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実験例1:栄養補助飲料の調製
表1に示す処方に従って、各製剤を粉体混合し栄養補助粉末飲料を調製した。なお、この栄養補助粉末飲料中の各種栄養成分は表2に示すとおりである。
Figure 0004781970
Figure 0004781970
上記の栄養補助粉末飲料に対し、表3に記載の高甘味度甘味料を添加した後に、水400mlを加え栄養補助飲料を調製した。調製した栄養補助飲料は官能評価を行い、その結果を表3に示した。なお、表3の評価の基準を表4に示した
Figure 0004781970
Figure 0004781970
表3より、アセスルファムカリウム:ソーマチンを5:1〜1000:1といった特定配合比の範囲内にて用いることにより、高濃度の栄養素を含有する飲料であっても、栄養素が有する特有の不快臭、不快な味を顕著にマスキングすることができ、手軽に摂取しやすい栄養補助飲料を調製することができた(実施例1〜3)。更には、実施例1〜3の栄養補助飲料は、高甘味度甘味料自体の味も飲料に影響を与えることがなかった。一方、同じ高甘味度甘味料を用いた場合であっても、単独で用いた場合(比較例2)や上記特定配合比の範囲外で用いた場合(比較例3、4)、アセスルファムカリウムとソーマチンの組み合わせ以外の高甘味度甘味料を用いた場合は(比較例5)、マスキングが十分でない、また高甘味度甘味料特有の後味が栄養補助飲料に影響を与えてしまうなどといった問題があった。
本発明により、蛋白質、ビタミン類、ミネラルといった様々な栄養素を高濃度含有した栄養補助飲料の不快臭と不快な味を改善するマスキング方法を提供できる。更には該マスキング方法によって、手軽にかつ総合的に栄養バランスのとれた飲用し易い栄養補助飲料を提供できる。

Claims (5)

  1. 飲料100ml中に下記栄養成分(a)〜(c)を下記量含有する飲料に対し、(1)ソーマチン及びアセスルファムカリウムを必須成分として飲料100ml中に合計重量で0.0003〜0.05重量%含有させ、(2)それらの重量比をアセスルファムカリウム:ソーマチン=25:1〜200:1とすることを特徴とする栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
    (a)蛋白質;5〜30g
    (b)ミネラル;500〜3000mg
    (c)ビタミン類;20〜200mg
  2. 更にスクラロースを含有することを特徴とする請求項1に記載の栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
  3. アセスルファムカリウム100重量部に対して、ソーマチンを0.5〜4重量部及びスクラロースを5〜200重量部含有することを特徴とする請求項2記載の栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
  4. 飲料100ml中にアセスルファムカリウム、ソーマチン及びスクラロースを合計重量で0.0003〜0.1重量%含有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の栄養補助飲料の不快臭および不快な味のマスキング方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって栄養成分の不快臭と不快な味が改善された栄養補助飲料。
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