JP2013127940A - イオン注入方法及びイオン注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつウエハ生産性を向上することができるようにする。
【解決手段】 半導体ウエハ10へのイオン注入前に、イオンビームの2次元形状を測定し、測定された2次元ビーム形状を利用して2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、半導体ウエハ外周の少なくとも一部の領域について、上記楕円形のビーム外周と半導体ウエハ外周の共通接線を用いて、イオンビームの照射範囲を設定し、注入照射領域を調整する。
【選択図】 図7

Description

本発明はイオン注入に関し、より詳しくは、イオン注入装置におけるイオンビームによる注入照射領域の制御手法に関する。
半導体製造工程では、導電性を変化させる目的、半導体ウエハの結晶構造を変化させる目的などのため、半導体ウエハにイオンを照射、注入する工程が標準的に実施されている。この工程で使用される装置はイオン注入装置と呼ばれる。イオン注入装置は、イオン源で発生したイオンを加速し、加速したイオンビームを形成する機能と、そのイオンビームをビームスキャン、ウエハスキャン、またはそれらの組み合わせにより、半導体ウエハ全面に照射する機能を持つ。この場合、半導体ウエハにどの程度イオンを注入するかについては、半導体設計によって決まっており、一度半導体設計が決まった後には、それを変更することは困難である。
半導体製造工程で用いられる、イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送するイオン注入装置には種々の種類がある。その一種類として、ウエハのスロースキャンとイオンビームのファストスキャンとを組み合わせたイオン注入装置がある。ウエハのスロースキャンでは、ウエハをメカニカルにスロースキャンさせる方向がウエハスロースキャン方向として設定される。一方、イオンビームのファストスキャンでは、上記ウエハスロースキャン方向に直交する方向に、イオンビームをファストスキャンさせる方向がビームスキャン方向(又はファストスキャン方向)として設定される。これにより、ウエハスロースキャン方向に往復運動するように駆動されるウエハに対して、ビームスキャン方向に往復スキャンされたイオンビームが照射される。このようなイオン注入装置はハイブリッドスキャンイオン注入装置と呼ばれる。
また、別の一種類として、ウエハのスロースキャンとウエハのファストスキャンとを組み合わせた2次元のメカニカルウエハスキャンによるイオン注入装置がある。ウエハのメカニカルによるスロースキャンでは、ウエハをメカニカルにスロースキャンさせる方向がウエハスロースキャン方向として設定される。一方、ウエハのメカニカルによるファストスキャンでは上記ウエハスロースキャン方向に直交する方向に、ウエハをメカニカルにファストスキャンさせるウエハファストスキャン方向が、上記のハイブリッドスキャンイオン注入装置のビームスキャン方向と同じ方向として設定される。これにより、ウエハスロースキャン方向に往復運動しながら、ウエハスロースキャン方向に直交するウエハファストスキャン方向にも往復運動するように駆動されるウエハに対して、イオンビームが照射される。このようなイオン注入装置は、2次元メカニカルウエハスキャンイオン注入装置と呼ばれる。
後述されるように、本発明は、ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置のいずれにも適用され得る。
半導体製造工程では、当然ながら半導体ウエハ生産性(以下、ウエハ生産性と略称する)が重要視される。既に説明したように、ある半導体製造工程で半導体ウエハに注入しなければならないイオン注入量は決まっている。それゆえ、ウエハ生産性を上げるためには、半導体ウエハへ輸送されるイオン量を増大させるか、あるいは半導体ウエハへ効率よくイオンを注入する必要がある。
後述されるように、本発明は、半導体ウエハへの効率良いイオン注入に関する。
但し、半導体ウエハへ効率良くイオン注入を行う際には、ウエハ面内で同一品質(特性)の半導体デバイスを製造するために、通常、半導体ウエハの全面に同量のイオン注入を行わなければいけない。言い換えると、イオン注入量のウエハ面内均一性が確保されなければならない。従って、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつウエハ生産性を向上することが求められる。
ハイブリッドスキャンイオン注入装置では、既に説明したように、イオンビームをビームスキャン方向に往復スキャンし、ビームスキャン方向に直交するウエハスロースキャン方向に半導体ウエハをメカニカルにスキャンして、イオンを半導体ウエハに注入する。ここで、半導体ウエハへの効率良いイオン注入を考える際には、後で詳しく説明するように、半導体ウエハを固定し、イオンビームの相対的な挙動を考えればよい。これは、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置でも同様である。この場合、半導体ウエハへの効率良いイオン注入の一手法として、半導体ウエハの形状に合わせて、イオンビームのスキャン範囲(照射範囲)を制御する手法が考えられる。
ここで、ハイブリッドスキャンイオン注入装置において、半導体ウエハの形状に合わせて、イオンビームのスキャン範囲を制御する手法として、半導体ウエハを超えた保持部材上でのスキャン範囲が等しくなるように制御する手法が提案されている(特許文献1)。保持部材は半導体ウエハを保持するためのものであり、半導体ウエハを保持した状態でウエハスロースキャン方向に往復運動するように駆動される。
特開2009−146757号公報
特許文献1の手法は、保持部材上からの二次電子供給によるイオン注入の注入角度ばらつきを低減する目的で採用されており、半導体ウエハへのイオン注入効率を上げる目的とは異なっている。従って、ウエハ生産性向上の目的としては、不十分である。
特許文献1の手法では、イオンビームの注入照射領域が2次元的形状をなしていることについて考慮されていないので、半導体ウエハの左右方向端部でのイオン注入量のウエハ面内均一性が悪化する。また、このようなイオン注入量のウエハ面内均一性の悪化を避けるために、半導体ウエハを超えた保持部材上でのイオンビームのスキャン範囲を広げた場合には、ウエハ生産性向上の目的は達成されなくなる。
特許文献1の手法では、ハイブリッドスキャンイオン注入装置で、基準となるビーム位置が半導体ウエハの上下方向中心位置からシフトする場合があることについて、考慮されておらず、半導体ウエハ上下方向端部でのイオン注入量の面内均一性が悪化してしまう。また、このイオン注入量の面内均一性悪化を避けるために、半導体ウエハを超えた保持部材上のイオンビームのスキャン範囲を広げた場合には、ウエハ生産性向上の目的は達成されなくなる。
特許文献1の手法では、ハイブリッドスキャンイオン注入装置において、半導体ウエハの保持部材上でのイオンビームのスキャン面積が等しくなるように制御している。しかし、半導体ウエハへのイオン注入効率を上げるためには、上記のスキャン面積一定の制御では目的を達成できず、2次的に半導体ウエハへのイオン注入効率が上がる場合があるに留まる。
本発明の課題は、ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置において、イオンビームの注入照射領域の2次元形状に対応しながら、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつ半導体ウエハの生産性を向上させることである。
本発明は、上記ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置に適用される。
本発明に係るイオン注入方法の一つは、ウエハへのイオン注入前に、イオンビームの2次元ビーム形状をあらかじめ測定し、得られた2次元ビーム形状を利用して2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線を用いて、上記イオンビームの照射範囲を設定し、注入照射領域を規定することを特徴としている。
本発明に係るイオン注入方法の一つは、ウエハ外周の全領域において、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線を用いて、イオンビームの注入照射領域を規定することを特徴としている。
本発明に係るイオン注入方法の別の一つは、ウエハへのイオン注入中にイオン電流量微少変動が発生した場合でも、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、ウエハ生産性を向上するために、ウエハスロースキャン方向のウエハ直径を含む直線で2分割される注入照射領域の片側が四角形形状であり、他の片側の注入照射領域が、上記共通接線によって規定される形状である、イオン注入方法であることを特徴としている。
また、ビームスキャン方向(またはウエハファストスキャン方向)のスキャン終端位置を段階的に複数個設定し、ウエハへのイオン注入を中断することなく、ウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置に即して、上記スキャン終端位置の設定値を段階的に切り替えることによって、ウエハ全面にわたってイオン注入を行うこともまた、特徴の一つである。
ここで、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を段階的に切り替えるウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置のうち、少なくとも一つは、ウエハスロースキャン方向のビーム重心の位置がウエハの内部に存在するようなウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置であり、かつ、少なくとも別の一つは、ウエハスロースキャン方向のビーム重心の位置がウエハの外部に存在するようなウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置であることもまた、特徴の一つである。
本発明に係るイオン注入装置の一つは、ウエハへのイオン注入前にスキャンされたイオンビームの2次元形状を測定する手段と、測定された2次元ビーム形状を利用して、2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線を用いて、イオンビームの照射範囲を設定し、注入照射領域を規定する制御手段とを備えることを特徴としている。
本発明に係るイオン注入装置の一つは、上記制御手段が、ウエハ外周の全領域において、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線を用いて、注入照射領域を規定することを特徴としている。
本発明に係るイオン注入装置の別の一つは、ウエハへのイオン注入中にイオン電流量微少変動が発生した場合でも、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、ウエハ生産性を向上するために、上記制御手段が、ウエハスロースキャン方向のウエハ直径を含む直線で2分割される注入照射領域の片側が四角形形状であり、他の片側の注入照射領域が、上記共通接線によって規定される形状である注入照射領域を規定することを特徴としている。
本発明によれば、ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置において、実際に注入されるイオンビームの2次元形状に基づくビーム外周とウエハ外周との関係に対応しながら、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつ半導体ウエハの生産性を向上させることができる。
本発明が適用され得るイオン注入装置の一例の概略構成を説明するための平面図(図a)及び側面図(図b)である。 図1に示されたイオン注入装置におけるメカニカルスキャン装置を説明するための概略図である。 ハイブリッドスキャンイオン注入装置のイオン注入動作を説明するための図である。 通常用いられるイオン注入方法の一例を説明するための図である。 通常用いられるイオン注入方法の別の例を説明するための図である。 本発明によるイオン注入の一例を説明するための図である。 本発明によるイオン注入の別の例を説明するための図である。 本発明によるイオン注入のさらに別の例を説明するための図である。 イオン注入方法の一つを説明するための図である。 本発明によるイオン注入を説明するための図である。 2次元メカニカルスキャンイオン注入装置におけるメカニカルスキャン装置を説明するための概略図である。 2次元メカニカルスキャンイオン注入装置のイオン注入動作を説明するための図である。
本発明の実施形態について説明する。本発明は、ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置のいずれにも適用され得る。はじめに、図1を参照して、より構造が複雑なハイブリッドスキャンイオン注入装置について説明する。図1(a)は平面図、図1(b)は側面図である。ハイブリッドスキャンイオン注入装置では、イオン源1で発生したイオンを引出電極2によりイオンビームとして引き出し、引き出したイオンビームを半導体ウエハ10に至るビームライン上を通るよう構成している。ビームラインに沿って、質量分析磁石装置3、質量分析スリット4、ビームスキャナー5、ウエハ処理室(イオン注入室)を配設している。ウエハ処理室内には、半導体ウエハ10を保持する保持機構を備えたメカニカルスキャン装置11が配設される。保持機構は半導体ウエハ10を保持するウエハホルダを含む。引出電極2を通して引き出されたイオンビームは、ビームラインに沿って輸送されウエハ処理室のイオン注入位置に配置されたウエハホルダ上の半導体ウエハ10に導かれる。
イオンビームは、ビームスキャナー5によってビームスキャン方向(又はファストスキャン方向)に往復スキャンされるが、パラレルレンズ6の機能によって平行化された後、半導体ウエハ10まで導かれる。ハイブリッドスキャンイオン注入装置では、ビームスキャン方向に直交するウエハスロースキャン方向に半導体ウエハ10をメカニカルに往復スキャンさせて、イオンを半導体ウエハ10に注入する。このようにスキャンされたイオンビームのことを以下では、スキャンドイオンビームと呼ぶことがある。図1では、パラレルレンズの下流側に配置した角度エネルギーフィルタ7によってイオンビームを下方に曲げ、イオンエネルギーの均一性を高めているが、これは例であって、角度エネルギーフィルタ7は省略されても良い。
本実施形態では、半導体ウエハ10に近い上流側で、イオンビームの計測を行う。イオンビームの計測のために、ウエハ領域ビーム測定装置9を用いる。図1(a)ではウエハ領域ビーム測定装置9は矢印で示す範囲を往復移動可能であるように描かれているが、ウエハ領域ビーム測定装置は非可動タイプのものでも良い。矢印で示す往復移動範囲はイオンビームのスキャン範囲(照射範囲)より広い。なお、以下では、説明を簡略にするために、可動タイプのウエハ領域ビーム測定装置9を用いて説明する。
半導体ウエハ10へのイオン注入中には、半導体ウエハ10と物理的に干渉するので、ウエハ領域ビーム測定装置9を使用することは出来ない。図1に示したハイブリッドスキャンイオン注入装置では、半導体ウエハ10へのイオン注入中には、注入時ビーム測定装置8を用いてスキャンドイオンビームの計測を行う。後で詳しく説明するが、ハイブリッドスキャンイオン注入装置においてわずかなビーム変動が発生した場合や、イオン源から半導体ウエハまでのビーム輸送用機器に放電が発生して、半導体ウエハにイオンが到達しなくなった場合などの非正常注入状態発生時に、注入時ビーム測定装置8の計測結果を用いてそれらに対応し、イオン注入量のウエハ面内均一性悪化を防ぐ場合がある。
図1では、半導体ウエハ10より上流側でイオンビームのスキャン範囲の最も外側となる2つの位置の一方に、1個の注入時ビーム測定装置8が示されている。しかし、これは一例であって、注入時ビーム測定装置8は半導体ウエハ10の横に配設しても良いし、半導体ウエハ10より下流側の位置に配設しても良いし、上記2つの位置の他方に配設しても良い。また、一般的にはハイブリッドスキャンイオン注入装置に複数個の注入時ビーム測定装置を配設する場合がある。これに対し、本実施形態では1個の注入時ビーム測定装置8を配設することで、その目的を達成することができるので、以下の説明では、1個の注入時ビーム測定装置8が配設された場合を説明する。
図2は、図1のハイブリッドスキャンイオン注入装置におけるメカニカルスキャン装置11の一例を拡大して示す概略図である。図2で示すように、メカニカルスキャン装置11は、概略的にウエハホルダ27、ウエハ回転装置12、ウエハ昇降装置13から構成されている。イオンビームは、ビームスキャナー5によって図面に対して垂直な方向(ビームスキャン方向)に関してスキャンされ、ウエハホルダ27上に保持されている半導体ウエハ10に照射される。ウエハホルダ27はウエハ昇降装置13によって図2の矢印方向に往復駆動され、その結果、ウエハホルダ27上に保持されている半導体ウエハ10も、図2の矢印方向(ウエハスロースキャン方向)に往復駆動される。このようにして、ハイブリッドスキャンイオン注入装置では、イオンビームのビームファストスキャンと半導体ウエハ10のウエハスロースキャンによって半導体ウエハ10の全面にイオンが注入される。
本発明は、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置にも適用され得るので、ハイブリッドスキャンイオン注入装置との違いを、図1及び図2を参照しながら、簡単に説明する。
2次元メカニカルスキャンイオン注入装置においても、イオン源1で発生したイオンを引出電極2によりイオンビームとして引き出し、引き出したイオンビームを半導体ウエハ10に至るビームライン上を通るよう構成している。ビームラインに沿って、質量分析磁石装置3、質量分析スリット4、ウエハ処理室(イオン注入室)を配設しているが、ビームスキャナー5やパラレルレンズ6は省略される。ビームスキャナー5やパラレルレンズ6が省略される代わりに、メカニカルスキャン装置11の構造が複雑になる。すなわち、ウエハホルダ27は、ウエハ昇降装置13による上下方向(ウエハスロースキャン方向)の動作に加え、ウエハ水平移動装置(図示せず)による水平方向(ビームスキャン方向と同じウエハファストスキャン方向)の動作により、半導体ウエハ10とともに2次元にメカニカルスキャンされる。
以下では、説明を簡単にするために、主に本発明をハイブリッドスキャンイオン注入装置に適用する場合について説明する。本発明を2次元メカニカルスキャンイオン注入装置に適用する場合については、その説明の必要性に応じて、適宜注釈を行う。
図3を参照して、半導体ウエハ10へのイオン注入時における、ハイブリッドスキャンイオン注入装置の動作をさらに詳しく説明する。図3において、イオンビームはビームスキャナー5によって横方向(ビームスキャン方向)にスキャンされる。一方、半導体ウエハ10はウエハホルダ27に保持され、昇降装置13によって上下(縦)方向(ウエハスロースキャン方向)にスキャンされる。図3では、半導体ウエハ10の最上位置と最下位置を示すことで、ハイブリッドスキャンイオン注入装置の動作を説明している。図3では、断面形状が横長(すなわち楕円形)のイオンビームがビームスキャナー5(図1)によってスキャンされ、スキャンドイオンビームの状態で半導体ウエハ10に照射される態様を示している。しかし、一般にはビームスキャナー5によってスキャンされるイオンビームは図3の様に断面形状が横長とは限らず、縦長の場合もあれば、円形に近い断面形状の場合もある。
既に説明したように、半導体製造工程では、特段の理由がない限り、ウエハ面内で同一品質(特性)の半導体デバイスを製造するために、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保することが求められる。イオン注入量のウエハ面内均一性確保のためにはまず、半導体ウエハ10の全面にイオンが注入される必要がある。
半導体ウエハ10の全面にイオンを注入するために、スキャンドイオンビームのスキャン範囲は、半導体ウエハ10の面積範囲を超える必要がある。但し、後で詳しく説明するが、上記の制限は、スキャンドイオンビームのスキャン範囲(ビームスキャン長)が、常に半導体ウエハ10の直径よりも大きくなければならないことを意味するわけではない。
また、半導体ウエハ10の全面にイオンを注入するためには、ウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10のスキャン範囲が、半導体ウエハ10の直径を超える必要がある。
上記のスキャン範囲の制限によれば、半導体ウエハ10の全面にイオンを注入することができる。しかし、上記のスキャン範囲の制限のみでイオン注入量のウエハ面内均一性が確保できるわけではない。すなわち、上記のスキャン範囲において、半導体ウエハ10の単位面積あたりのイオン注入量が一定になるように、ビームスキャン方向のイオン注入量均一性及びウエハスロースキャン方向のイオン注入量均一性を確保しなければならない。
ハイブリッドスキャンイオン注入装置では、必要に応じてウエハ領域ビーム測定装置9を用いてイオン注入前にスキャンドイオンビームの計測を行い、さらにまた必要に応じてビームスキャナー5を微調整することにより、ビームスキャン方向のイオン注入量均一性を確保する。ウエハスロースキャン方向のイオン注入量均一性に関しては、ビーム変動が発生していない場合には、メカニカルスキャン装置11を用いて半導体ウエハ10を等速度でスキャンすることによって、イオン注入量均一性を確保している。これら2次元のイオン注入量均一性を確保することで、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保している。
しかし、実際には、半導体ウエハ10を等速度でスキャンすることで、イオン注入量のウエハ面内均一性が確保できない場合もある。例えば、ハイブリッドスキャンイオン注入装置ではわずかなビーム変動が発生することがある。このような場合には半導体ウエハ10を等速度でスキャンしたのでは、イオン注入量のウエハ面内均一性は確保できない。また、例えば半導体製造工程で半導体ウエハ10にイオンを注入すると、半導体ウエハ10の表面に形成されているレジスト膜と呼ばれる薄膜から気体が発生し、半導体ウエハ10に注入されようとしているイオンと衝突することで、ウエハまで到達するイオン注入量が変化することがある。このような場合にも半導体ウエハ10を等速度でスキャンしたのでは、イオン注入量のウエハ面内均一性は確保できない。さらに、例えば、ハイブリッドスキャンイオン注入装置において、イオン源から半導体ウエハまでのビーム輸送用機器に放電が発生し、半導体ウエハにイオンが到達しなくなることがある。このような場合にも半導体ウエハ10を等速度でスキャンしたのでは、イオン注入量のウエハ面内均一性は確保できないことは言うまでもない。以下では、上記のような場合をまとめて非正常注入状態と呼ぶことがある。
このような、非正常注入状態によるイオン注入量のウエハ面内均一性低下(以下では、これをウエハ面内均一性低下と縮めて呼ぶこととする)に対しては、イオン注入条件によって、その頻度や最終半導体デバイス製品の性能に対する影響度合いが異なり、必ずしも対応が必須という訳ではない。しかし逆に言えば、ウエハ面内均一性低下に対して、対応が必要なイオン注入条件も多い。この場合、イオン注入中のイオン電流量を測定することで、これら要因に対応し、メカニカルスキャン装置11を適切に制御して、半導体ウエハ10のスキャン速度を制御することにより、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保することが重要となる。
そこで、本発明が適用され得るハイブリッドスキャンイオン注入装置では、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン速度を制御するしくみが盛り込まれている。具体的には、メカニカルスキャン装置11は、制御を司るCPU(Central Processing Unit)(制御手段)14と半導体ウエハ10の上下方向(ウエハスロースキャン方向)の位置を記憶するRAM(Random Access Memory)15とを備えている。イオン注入中のイオン電流量は、注入時ビーム測定装置8によって測定され、CPU14に送られる。CPU14は、必要に応じてRAM15に記憶されたウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10の位置を読み出しながら、上記測定されたイオン電流量に合わせて、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン速度を適切に制御する。
具体的なメカニカルスキャン装置11の制御方法は、注入時ビーム測定装置8によって測定されるビーム電流量の絶対値や、その時間的変化の度合いによって異なる。例えば、ハイブリッドスキャンイオン注入装置でわずかなビーム変動が発生した場合には、CPU14は、そのビーム変動にゆるやかに対応して、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン速度を連続的に変更し、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保することができるような制御を実行する。
また例えば、イオン源から半導体ウエハまでのビーム輸送用機器に放電が発生し、半導体ウエハにイオンが到達しなくなった場合には、CPU14は以下のような制御を実行する。CPU14は、一旦半導体ウエハ10のウエハスロースキャンを止める。そして、上記ビーム輸送用機器の放電が解消された後、CPU14はウエハスロースキャン停止の直前にRAM15に記憶されたウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10の位置を読み出し、その読み出した位置から再度イオン注入を開始させる。これによって、イオン注入量のウエハ面内均一性が確保される。
ここまでのスキャン範囲についての説明は、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置についても、概念的にはほぼ成り立つ。このことを図11、図12を参照して簡単に説明する。図11、図12において、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置におけるメカニカルスキャン装置11’では、昇降装置13’によりウエハファストスキャン装置30が上下方向、すなわちウエハスロースキャン方向に駆動される。ウエハファストスキャン装置30では、ウエハホルダ(図示省略)が半導体ウエハ10を保持した状態で横方向、すなわちウエハファストスキャン方向に駆動されるように構成されている。ウエハスロースキャンとウエハファストスキャンの組み合わせにより、半導体ウエハ10は、ウエハスロースキャン方向に関しては図11に破線で示される最上位置と最下位置の間を往復し、ウエハファストスキャン方向に関しては図11に破線で示される最右位置と最左位置の間を往復する。半導体ウエハ10の最上位置と最下位置の範囲は図4で説明したウエハスロースキャン長に対応し、最右位置と最左位置の範囲は図4で説明したビームスキャン長に対応する。静止イオンビームとして示したイオンビームは静止状態にあり、可動式のビーム測定装置9’が、必要に応じて静止イオンビームとして示した位置まで移動して測定を行うように構成されている。
但し、ビームスキャン方向における、イオンビームのビームファストスキャン速度と半導体ウエハをメカニカルにスキャンさせるウエハスロースキャン速度を比較すると、上記イオンビームのビームファストスキャン速度のほうが大きい場合が多い。このことは、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置では、ハイブリッドスキャンイオン注入装置に比べ、イオン注入中のイオン電流量の測定間隔が長くなる場合が多いことを示す。従って、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置では、ウエハ面内均一性低下に対する対処がより難しい点には、注意が必要である。
ここで図4を参照して、ハイブリッドスキャンイオン注入装置にて、従来行われてきたイオン注入について説明する。図3に示したように、本発明が適用されうるハイブリッドスキャンイオン注入装置においては、イオンビームをビームスキャン方向にスキャンし、ビームスキャン方向に直交するウエハスロースキャン方向に半導体ウエハ10をメカニカルにウエハスロースキャンして、イオンを半導体ウエハ10に打ち込む。半導体ウエハ10へのイオン注入を考える際には、イオンビームと半導体ウエハ10との相対運動が問題となるので、理解の便宜上、半導体ウエハ10が静止していると仮定し、イオンビームの仮想的な注入照射領域(以下、仮想注入照射領域16と呼ぶ)を考えればよい。すなわち、仮想注入照射領域16の全体に対して、スキャンドイオンビームを構成するイオンビームの重心が到達する。また、仮想注入照射領域16の境界線は、スキャンドイオンビームを構成するイオンビームの重心が到達する、上下方向及び左右方向の限界線であると見なすことが出来る。図4では、上下方向、すなわちウエハスロースキャン方向の上下の限界線で規定される範囲がウエハスロースキャン長として示され、左右方向、すなわちビームスキャン方向の左右の限界線で規定される範囲がビームスキャン長として示されている。これは、後述される図5〜図10でも同様である。さらに、半導体ウエハ10を静止させて考える場合には、注入時ビーム測定装置8は、ウエハスロースキャン方向に引き延ばされた位置に存在すると仮定することができる。そこで、以下では、この仮想的な測定装置を仮想注入時ビーム測定装置17と呼ぶ。
ハイブリッドスキャンイオン注入装置のイオン注入では、実際には半導体ウエハ10がウエハスロースキャン方向にメカニカルにスキャンされている。しかし、図4のように半導体ウエハ10が静止していると仮定し、半導体ウエハ10への効率良いイオン注入の一つを考える際には、仮想注入照射領域16の面積に着目すればよい。すなわち、仮想注入照射領域16の面積が小さいということは、ハイブリッドスキャンイオン注入装置において、半導体ウエハ10に導かれたイオンビームを効率よく利用していることになる。これは、ウエハ生産性が向上できていることに相当する。以下、仮想注入照射領域16の面積に着目して説明していく。
既に説明したように、ウエハ面内均一性低下に対しては、イオン注入条件によって、その頻度や最終半導体デバイス製品の性能に対する影響度合いが異なり、必ずしも対応が必須という訳ではない。しかし、イオン注入量のウエハ面内均一性悪化に対して対応が必要なイオン注入条件では、イオン注入量のウエハ面内均一性を阻害する要因に対応し、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保するために、半導体ウエハ10へのイオン注入中に、注入時ビーム測定装置8によってイオン電流量を測定することが重要である。図4のように半導体ウエハ10が静止していると仮定し、イオンビームの仮想注入照射領域16を考える際には、半導体ウエハ10へのイオン注入中に、仮想注入時ビーム測定装置17の位置まで、スキャンドイオンビームが到達する必要がある。
ここで図5を参照して、ウエハ面内均一性低下に対して対応する必要がない場合に、ハイブリッドスキャンイオン注入装置で、従来行われてきたイオン注入について述べる。図5には、イオンビームの仮想注入照射領域16の一例を示している。この場合、半導体ウエハ10へのイオン注入中にはイオン電流量を測定する必要がないので、イオンビームの仮想注入照射領域16を考える際に、仮想注入時ビーム測定装置17の位置は全く連関しない。従って、議論上、仮想注入時ビーム測定装置17の位置は無視できる。
図4,図5に示したように、ハイブリッドスキャンイオン注入装置で従来行われてきたイオン注入は、その仮想注入照射領域16の形状が長方形形状である。ここで、半導体ウエハ10は円形形状であるから、仮想注入照射領域16の中に、必然的に不要な注入照射領域が生じてしまう。従って、他に必要の無い限り、上記不要な注入照射領域を排除することによって、ウエハ生産性を向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、ハイブリッドスキャンイオン注入装置において、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、かつウエハ生産性を向上するためには、図4、図5で示したように、半導体ウエハ10を静止させてイオンビームの仮想注入照射領域16を考え、その仮想注入照射領域16の面積をできるだけ小さくすればよい。ここで、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合と、不要な場合では、仮想注入照射領域16の面積の最小化に差が生じることは言うまでもない。すなわち、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合には、半導体ウエハ10へのイオン注入中にはイオン電流量を測定する必要がなく、議論上、仮想注入時ビーム測定装置17の位置は無視できる。しかし、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合には、半導体ウエハ10へのイオン注入中にはイオン電流量を測定する必要があり、仮想注入時ビーム測定装置17の位置が無視できない。このことは、必然的に、ウエハ面内均一性低下に対する対応の要・不要によって、最小化された仮想注入照射領域16の面積や、その形状が異なることを意味している。
以下、まず、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合について、本発明による仮想注入照射領域16の最小化について議論する。その後、非定常現象によるイオン注入量のウエハ面内均一性悪化に対する対応が必要な場合の、本発明による仮想注入照射領域16の最小化について議論する。
なお、上記の仮想注入照射領域についての説明は、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置についても、概念的には成り立つ。
ここで図6を参照して、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合の、本発明によるイオン注入方法について説明する。本発明では、仮想注入照射領域16の境界線の形状は、半導体ウエハ10へのイオン注入前に計測された、ウエハ平面上の2次元ビーム形状(断面形状)を楕円形に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、曲線状の形状となっている。すなわち、図6のように、半導体ウエハ10が静止していると仮定し、イオンビームの仮想的な注入照射領域を考える場合には、イオンビームの重心が到達する限界線は、以下のように定められる。すなわち、スキャンドイオンビームを構成するイオンビームの重心が到達する限界線の位置は、半導体ウエハ10のビームスキャン方向に直交する方向のそれぞれの位置に応じて、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだし、かつ、不必要に半導体ウエハ10以外の領域へのスキャンドイオンビームの照射がなされないように定められる。そして、定められた限界線の位置にスキャンドイオンビームのスキャン終端位置が来るような制御が行われる。この限界線を数学的に表現すると、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、曲線状の形状となる。
本発明の一形態はハイブリッドスキャンイオン注入装置に関する。この場合、実際にはイオンビームをビームスキャン方向にスキャンし、ビームスキャン方向に直交するウエハスロースキャン方向に半導体ウエハ10をメカニカルにスキャンしてイオンを半導体ウエハ10に打ち込んでいる。それゆえ、本発明の制御方法としては、CPU14とRAM15を用い、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン方向に関するウエハスキャン位置に応じて、スキャンドイオンビームのスキャン終端位置の設定値を切り替える。
本発明によるイオン注入方法においては、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、かつウエハ生産性を向上するために、半導体ウエハ10が静止していると仮定した場合のイオンビームの仮想注入照射領域16を統一的に考慮していることも特徴の一つである。すなわち、ハイブリッドスキャンイオン注入装置では、上記のように、実際にはイオンビームをビームスキャン方向にスキャンし、ビームスキャン方向に直交するウエハスロースキャン方向に半導体ウエハ10をメカニカルにスキャンしているが、一見異なるそれら二つのスキャン方向を統一的に考慮することによって、スキャン範囲を統一的に制御し、もって、仮想注入照射領域16を最小化し、ウエハ生産性を向上させている。後で詳しく説明するが、仮想注入照射領域16の境界線を円弧と定めてしまうと、この統一性が阻害され、ハイブリッドスキャンイオン注入装置の制御が困難となり、もってウエハ生産性の向上効果が薄れてしまう。
図6に示した仮想注入照射領域16の境界線は、円弧に似ているが、円弧そのものではない。寧ろ、仮想注入照射領域16の境界線の形状が円弧であっては、本発明の目的を満たさない。また、図6に示した仮想注入照射領域16の境界線は、ウエハ平面上の2次元ビーム形状(断面形状)を楕円形に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定されるので、ウエハ平面上の2次元ビーム形状によってその形状が異なる。また、ビームスキャン長(スキャンドイオンビームのスキャン範囲の長さ)についても、指摘すべき特徴を持っている。これらの特徴は、本発明によるイオン注入方法に共通する特徴であるから、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合の、本発明による仮想注入照射領域16の最小化について議論する際に、改めて詳しく説明する。
なお、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される仮想注入照射領域16の境界線が円弧であってはならない点については、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置についても、概念的に成り立つ。
次に、図7を参照して、本発明をハイブリッドスキャンイオン注入装置に適用する場合において、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合の、本発明によるイオン注入方法について説明する。既に説明したように、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合には、イオン注入量のウエハ面内均一性を阻害する要因に対応し、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保するために、半導体ウエハ10へのイオン注入中に、注入時ビーム測定装置8によってイオン電流量を測定することが重要である。従って、半導体ウエハ10が静止していると仮定し、イオンビームの仮想注入照射領域16を考える際には、半導体ウエハ10へのイオン注入中に、仮想注入時ビーム測定装置17の位置まで、スキャンドイオンビームが到達する必要がある。すなわち、図6に示した、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合の仮想注入照射領域16の形状、乃至設定方法では、仮想注入時ビーム測定装置17の位置までスキャンドイオンビームが到達しないので、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合のイオン注入方法としては適さない。
但し、イオン注入の生産性を向上させるためのイオンビームの重心が到達する限界線は、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、曲線状の形状であることは間違いない。従って、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合のイオンビームの仮想注入照射領域16の形状、乃至設定方法としては、半導体ウエハ10へのイオン注入中に、仮想注入時ビーム測定装置17の位置まで、スキャンドイオンビームが到達するという条件のもと、その目的以外の仮想注入照射領域16のイオンビームの重心が到達するその限界線を、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、曲線状の形状とすれば良いことになる。この条件を満たす仮想注入照射領域16の形状が、図7に破線で示した仮想注入照射領域16の形状である。
ここで、図7の仮想注入照射領域16の形状をさらに詳しく説明する。まず、ビームスキャン方向の注入照射領域について説明する。本発明では、半導体ウエハ10に対して、注入時ビーム測定装置8が配設されている側の注入照射領域は、通常良く用いられているイオン注入と同じような注入照射領域を用いる。あたかも半導体ウエハ10が静止しているように示している図7では、仮想注入時ビーム測定装置17がある側(図の左側)の注入照射領域が擬似長方形形状になっていることで、通常良く用いられているイオン注入と同様なイオン注入であることを表している。このことによって、イオン注入中も常に、注入時ビーム測定装置8によってイオン電流量が測定される。それによって、イオン注入量のウエハ面内均一性を阻害する要因に対応し、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保している。半導体ウエハ10に対して、注入時ビーム測定装置8が配設されていない側の注入照射領域(図の右側)は、既に図6を用いて説明したように、その境界線の形状は、半導体ウエハ10へのイオン注入前に計測された、ウエハ平面上の2次元ビーム形状を断面楕円形に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、曲線状の形状となっている。
図7の仮想注入照射領域16の形状において、ウエハスロースキャン方向の注入照射領域についても、イオンビームの重心が到達するその限界線が、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだすように、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定されている。ここで、スキャンドイオンビームを用いるため、ウエハスロースキャン方向のウエハ外周形状の共通接線は、必ずビームスキャン方向と平行になる。実際には、イオンビームをビームスキャン方向にスキャンし、ビームスキャン方向に直交するウエハスロースキャン方向に半導体ウエハ10をメカニカルにスキャンしてイオンを半導体ウエハ10に打ち込んでいるので、本発明の制御方法としては、CPU14とRAM15を用い、スキャンドイオンビームのウエハスロースキャン方向に関するスキャン終端位置を2点規定し、ウエハスロースキャン方向の注入照射領域を規定している。
既に説明したように、半導体ウエハ10の全面にイオンを注入するために、スキャンドイオンビームのスキャン範囲は、半導体ウエハ10の範囲を超える必要がある。しかし、上記の制限は、スキャンドイオンビームのスキャン範囲(ビームスキャン長)が、常に半導体ウエハ10の直径よりも大きくなければならないことを意味するわけではなく、図7から明らかなように、本発明によるイオン注入において、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン方向の中心位置のウエハ直径に比べて、最小ビームスキャン長のスキャン終端位置は、半導体ウエハ10の範囲内に入っている。しかし、本発明では、ウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置に応じて、スキャンドイオンビームのスキャン範囲、つまり照射範囲を制御するのであり、ウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置それぞれにおいて、少なくともスキャンドイオンビームのスキャン範囲が、半導体ウエハ10の範囲を超えれば良い。
上記のスキャンドイオンビームのスキャン範囲についての議論は、既に図6を用いて説明した、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合の、本発明によるイオン注入方法についても同様であることは、言うまでもない。
なお、既に説明したように、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置では、ウエハ面内均一性低下に対する対処がより難しいので、図7に示す仮想注入照射領域16より、図6に示す仮想注入照射領域16が用いられることが多い。
次に図8を参照して、本発明をハイブリッドスキャンイオン注入装置に適用する場合において、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合の、本発明によるイオン注入方法についてさらに詳しく説明する。図7と図8では、スキャンドイオンビームを構成するイオンビームの2次元形状(断面形状)が異なっている。本発明では、仮想注入照射領域16の境界線の形状は、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定されるので、イオンビームの2次元形状の異なる図7と図8では、仮想注入照射領域16の形状が異なっている。この差異は、ウエハ生産性を最も向上させるために、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだし、かつ、不必要に半導体ウエハ10以外の領域へのスキャンドイオンビームの照射がなされないように制御することに由来する。言い換えると、スキャンドイオンビームを構成するイオンビームの2次元形状が異なる場合、必然的に仮想注入照射領域16の形状も変えなければならない。
図7と図8を比較すると判るように、図7と図8では、ビームスキャン方向の注入照射領域もウエハスロースキャン方向の注入照射領域も、イオン注入前に測定されたスキャンドビームのビーム形状に関する情報に基づいて制御している。逆に言えば、本発明によるイオン注入方法では、ウエハ生産性を最も向上させるために、イオン注入前にスキャンされたイオンビームに対してあらかじめ測定を行い、2次元ビーム形状を得ることが必要であることが判る。
また、一般に、スキャンドイオンビームを構成するイオンビームに関しては、その2次元形状が変化する可能性があるのみならず、そのビーム重心位置が変化することも考えられる。この場合、仮想注入照射領域16の境界線の形状は変わらないが、後で詳しく述べるように、実際のハイブリッドスキャンイオン注入装置での制御手法が異なる。この場合でも、イオン注入前にスキャンされたイオンビームに対してあらかじめ測定を行い、2次元ビーム形状を得ることで、ビーム重心位置の変化をも測定し、対処できる。
仮に、半導体ウエハへのイオン注入前にスキャンされたイオンビームに対して測定を行わず、2次元ビーム形状を得ることなく、仮想注入照射領域16の境界線を定める場合には、考えられる2次元ビーム形状の内、もっとも大きな2次元ビーム形状を仮定して、制御を行わなければならない。この場合、図4で示した通常のイオン注入に比べるとウエハ生産性の向上が見込まれるが、本発明のウエハ生産性の向上効果に比べて、その効果が限定的である。この点からも、本発明の優位性は明らかである。
また、半導体ウエハ10へのイオン注入前にスキャンされたイオンビームに対して測定を行わず、2次元ビーム形状を得ることなく、仮想注入照射領域16の境界線を定める場合において、考えられるもっとも大きな2次元ビーム形状以外の不適切な2次元ビーム形状を仮定して制御を行った場合には、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだしているとは言えない。すなわち、たまたま実際の2次元ビーム形状が上記不適切な2次元ビーム形状に含まれる場合には、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだしていると言える。しかし、実際の2次元ビーム形状が上記不適切な2次元ビーム形状に完全には含まれない場合には、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだしているとは言えない。後者の場合、既に説明したように、半導体ウエハ10の全面にイオンを注入することができなくなり、イオン注入装置の目的から逸脱してしまう。
以上の説明から容易に理解できるように、ウエハ生産性を最も向上させるために、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだし、かつ、不必要に半導体ウエハ10以外の領域へのスキャンドイオンビームの照射がなされないように制御するためには、本発明による以下の手法が必要である。すなわち、イオン注入前にスキャンされたイオンビームに対してあらかじめ測定を行い、2次元ビーム形状を得たうえで、ウエハ平面上の2次元ビーム形状を楕円形に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、仮想注入照射領域16の境界線を定めることが必要である。
上記のイオンビームの2次元形状によって仮想注入照射領域16を変える必要がある点、及びイオン注入前にイオンビームの2次元形状を予め測定することの重要性についての議論は、図6を用いて説明した、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合の、本発明によるイオン注入方法についても同様であることは、言うまでもない。
また、イオンビームの2次元形状によって仮想注入照射領域16を変える必要がある点、及びイオン注入前にイオンビームの2次元形状を予め測定することの重要性についての議論は、本発明を2次元メカニカルスキャンイオン注入装置に適用する場合においても、同様であることは言うまでもない。
ここまで、本発明によるイオン注入方法のうち、半導体ウエハ10へのイオン注入前にスキャンされたイオンビームに対してあらかじめ測定を行い、2次元ビーム形状を得て利用することが必要かつ重要である理由を説明してきた。本発明によるイオン注入方法のうち、測定されたビーム形状と基準ビーム位置から計算されるビーム情報とウエハ外周形状の共通接線によって規定される、仮想注入照射領域16の境界線を定めることが必要かつ重要である理由も同様である。以下に、詳しく説明する。
図9は、本発明をハイブリッドスキャンイオン注入装置に適用する場合において、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合において、仮想注入照射領域16の境界線の形状が円弧である場合のイオン注入方法を模式的に示した図である。この円弧形状はすなわち、半導体ウエハ10を超えた部分のスキャンドイオンビームのイオン重心位置のスキャン範囲が等しくなることに相当している。以下、このスキャン範囲の長さを仮想円弧注入領域ウエハ間距離18と呼ぶ。
図9から明らかなように、ウエハスロースキャン方向のウエハ直径を含む直線で2分割される注入照射領域の片側に規定される、仮想注入照射領域16の境界線の形状が円弧である場合、例えば半導体ウエハ10のビームスキャン方向のウエハ直径位置において、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜け出すよう、その仮想注入照射領域16の境界線を定めると、半導体ウエハ10の他の位置において、スキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだしているとは言えない。この場合、既に説明したように、半導体ウエハ10の全面にイオンを注入することができなくなり、イオン注入装置の目的から逸脱してしまう。実際、スキャンドイオンビームの2次元ビーム形状(断面形状)が充分小さく、その2次元ビーム形状を考慮しなくて良い場合を仮定すると、本発明における、ビーム形状と基準ビーム位置から計算されるビーム情報とウエハ外周形状の共通接線によって規定される、仮想注入照射領域16の境界線は円弧になる。すなわち、仮想注入照射領域16の境界線の形状を円弧として良い場合は、スキャンドイオンビームの2次元ビーム形状が充分小さい場合に限られるのであって、実際のイオン注入装置ではそういう場合は起こらない。
仮に、仮想注入照射領域16の境界線の形状を円弧とする場合には、半導体ウエハ10の全ての領域でスキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだすように、仮想円弧注入領域ウエハ間距離18を充分大きく設定し、制御を行わなければならない。この場合、図4で示した通常のイオン注入に比べるとウエハ生産性の向上が見込まれるが、本発明のウエハ生産性の向上効果に比べて、その効果が限定的である。この点からも、本発明の優位性は明らかである。なお、この場合では、既に説明したスキャン範囲の統一的制御が阻害され、後で説明するビームスキャン方向のイオン注入制御とウエハスロースキャン方向のイオン注入制御との間の連関に課題も発生する。
既に説明したように、ウエハ生産性を規定するのは、仮想注入照射領域16の面積であり、ビームスキャン方向のイオン注入制御と共に、ウエハスロースキャン方向のイオン注入制御をも考慮に入れる必要がある。図7、図8を用いて示したように、本発明においては、ビームスキャン方向の注入照射領域もウエハスロースキャン方向の注入照射領域も、イオン注入前に測定されたスキャンドイオンビームのビーム形状に関する情報に基づいて、統一的に制御される。すなわち、仮想注入照射領域16の境界線の形状は、ビームスキャン方向もウエハスロースキャン方向も、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって統一的に規定される、曲線状ないし略直線状の形状となっている。
ところが、図9のように、仮想注入照射領域16の境界線の形状を円弧とする場合には、ビームスキャン方向のイオン注入制御とウエハスロースキャン方向のイオン注入制御との間の連関に課題が発生する。すなわち、ビームスキャン方向の仮想注入照射領域16の円弧を常に維持してしまうと、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン方向の端部の仮想注入照射領域の境界線が、図9の上部に二点鎖線で示した境界線のようになる(以下、これを完全円弧制御時ウエハスロースキャン方向ウエハ端部境界線19と呼ぶ)。これは、ウエハスロースキャン方向に関してスキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだしているとは言えなくなり、半導体ウエハ10の全面にイオンを注入することができなくなる。すなわち、完全円弧制御時ウエハスロースキャン方向ウエハ端部境界線19を定めるようなイオン注入方法それ自身が、イオン注入装置の目的から逸脱してしまう。
ウエハスロースキャン方向に関してスキャンドイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだしている状況を実現するためには、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン方向の端部の仮想注入照射領域の境界線が、図9の下部に一点鎖線で示した境界線のようになる(以下、これを不完全円弧制御時ウエハスロースキャン方向ウエハ端部境界線20と呼ぶ)必要がある。ここで、不完全円弧制御時ウエハスロースキャン方向ウエハ端部境界線20はすでに円弧では無いことに注意が必要である。すなわち、仮想注入照射領域16の境界線の形状の中に円弧で規定される形状と不完全円弧制御時ウエハスロースキャン方向ウエハ端部境界線20の形状があり、連続的なスキャン範囲制御の基で、それらを繋ぐ必要がある。しかし、ハイブリッドスキャンイオン注入装置において、半導体ウエハ10をメカニカルにスキャンするウエハスロースキャン方向に応じて、仮想注入照射領域16の境界線をどこからどこまで円弧で制御し、どこからどこまで不完全円弧制御時ウエハスロースキャン方向ウエハ端部境界線20を形成するように制御するかを定めることは、非常に難しい。すなわち、ビームスキャン方向のイオン注入制御とウエハスロースキャン方向のイオン注入制御との間の連関に課題が発生する。
以上の説明から、実際のハイブリッドスキャンイオン注入装置におけるスキャンドビームの2次元形状を考慮に入れると、仮想注入照射領域16の境界線の形状は円弧であってはいけないことが明らかである。加えて、本発明による、半導体ウエハ10へのイオン注入前に計測された、ウエハ平面上の2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される、仮想注入照射領域16の境界線を定めることが必要かつ重要であることも明らかである。
上記の仮想注入照射領域16の境界線形状が円弧である場合の不具合点についての議論は、図6を用いて説明した、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合の、本発明によるイオン注入方法についても同様であることは、言うまでもない。
なお、本発明を2次元メカニカルスキャンイオン注入装置に適用する場合において、仮想注入照射領域16の境界線形状が円弧である場合の不具合点についての議論について、付言しておく。2次元メカニカルスキャンイオン注入装置では、ウエハスキャンのイオン注入制御のみを考えればよいので、イオン注入制御の連関に問題は発生しない。しかし、2次元メカニカルスキャンイオン注入装置においても、仮想注入照射領域16の境界線の形状を円弧とする場合には、半導体ウエハ10の全ての領域でイオンビームが半導体ウエハ10から必ず抜けだすように、仮想円弧注入領域ウエハ間距離18を充分大きく設定して制御を行わなければならず、本発明のウエハ生産性の向上効果に比べて、その効果が限定的である。従って、本発明の優位性は明らかである。
ここまで、ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置において、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、かつウエハ生産性を向上するために、本発明による仮想注入照射領域16の形状がその要請を満たすことを説明してきた。具体的には、半導体ウエハ10へのイオン注入前にイオンビームに対してあらかじめ測定を行い、そこで得られた2次元ビーム形状を利用して、ウエハ面内均一性低下に対する対応の要・不要に応じて、仮想注入照射領域16の一部ないし全部の形状を、ウエハ平面上の2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定する。これにより、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつウエハ生産性を向上することができる。
以下、この仮想注入照射領域16を具体的に実現するための、本発明による制御の一つを、さらに詳しく説明する。
ここで図10を参照して、本発明をハイブリッドスキャンイオン注入装置に適用する場合において、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合の、本発明による仮想注入照射領域16を具体的に実現するためのハイブリッドスキャンイオン注入装置の制御について説明する。これまで説明してきた仮想注入照射領域16を数学的に厳密に実現するためには、半導体ウエハ10のメカニカルスキャン方向の位置に応じて、ビームスキャンの一走査ごとに連続的なビームスキャン長の変更が無限段階に近い回数で求められることになる。しかし、図10に示すように、いくつかのビームスキャン長の変更を束ねて代表とするビームスキャン長の変更を行いその変更回数を減らして簡略化することによる段階的なビームスキャン長の変更が可能なハイブリッドスキャンイオン注入装置によれば、そこまでの数学的厳密性は不要である。このようなハイブリッドスキャンイオン注入装置では、上記仮想注入照射領域16を内側に含むような注入照射領域を図10に示すような階段状に変化する曲線として設定すればよい。本発明によるこの実際の注入照射領域を、以下では、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22と呼び、その境界線をウエハ生産性向上仮想注入照射領域境界線23と呼ぶ。言い換えると、本発明は、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の設定方法を定める手法とも言える。
ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の設定では、ビームスキャン長を削減する側のスキャン終端位置を段階的に複数個規定し、ビームスキャン長を削減する側の注入照射領域、図10では図上右側の注入照射領域を規定する。図10では、13個のスキャン終端位置を規定しているが、これは例であってより多く規定しても良いし、より少なく規定しても良い。しかし、そのスキャン終端位置が1個であれば、図4を用いて説明した、通常のハイブリッドスキャンイオン注入装置でのイオン注入と変わらなくなる。それゆえ、本発明では、複数個のスキャン終端位置の規定が必須である。また、図7、図8を用いて概念的に説明したが、図10からも明らかなように、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合の、本発明による、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22は、左右非対称な注入照射領域として設定される。
既に説明したように、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の設定において重要なことは、仮想注入照射領域16を内側に含むことである。すなわち、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の形状は、測定された2次元ビーム形状によって変化することは言うまでもない。従って、段階的に複数個設定されるスキャン終端位置もまた、測定された2次元ビーム形状によって設定変更される。
図7、図8と図10を比較すれば明らかであるが、図10のように、長方形形状でない片側の注入照射領域におけるスキャン終端位置を複数個規定する場合、最小ビームスキャン長をなすスキャン終端位置は、半導体ウエハ10の中心位置ではなくなる。
また、既に説明したように、図10では、イオンビームと半導体ウエハ10との相対運動に着目し、理解の便宜上、半導体ウエハ10が静止していると仮定し、仮想注入照射領域16を考えているが、実際にはハイブリッドスキャンイオン注入装置では半導体ウエハ10をメカニカルにスキャンしている。従って、図10のイオン注入状況は、半導体ウエハ10をメカニカルにスキャンするウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置に応じて、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を切り替えていることに相当する。
図10において、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22は上下対称に設定されている。すなわち、図10では、13個のスキャン終端位置を設定しているが、ビームスキャン長としては上下対称に7種類設定される訳である。また、図7を用いて概念的に説明したように、半導体ウエハをメカニカルにスキャンするウエハスロースキャン方向のウエハスキャン終端位置も、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって、上下それぞれに、合計2個規定され、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の形状の一環をなしている。
ここで、スキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置について、本発明の一つの特徴が図10に例示されている。本発明では、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を段階的に切り替えるウエハスキャン位置のうち、少なくとも一つは、ウエハをメカニカルにスキャンするウエハスロースキャン方向ビーム重心が半導体ウエハの内部に存在するようなウエハスキャン位置であり、かつ、少なくとも他の一つは、ウエハスロースキャン方向のビーム重心が半導体ウエハの外部に存在するようなウエハスキャン位置であるように設定される。図10では、13個のスキャン終端位置があるので、スキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置は12個存在する。そのうち8個のウエハスキャン位置については、ビーム重心が半導体ウエハの内部に存在するように設定され、4個のウエハスキャン位置P1,P2,P13,P14については、ビーム重心が半導体ウエハの外部に存在するように設定されている。
既に説明したように、ウエハ生産性を向上させるためには、ウエハ平面上の2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって仮想注入照射領域16の境界線を定め、それに即して、スキャンドビームを制御することが重要である。この状況を複数個設定されたスキャン終端位置の設定値及び、同じく複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置で実現化しようとすると、スキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置のうち、少なくとも一つはビーム重心が半導体ウエハの内部に存在するように設定し、かつ、少なくとも他の一つは、ビーム重心が半導体ウエハの外部に存在するように設定することが適切である。この設定手法は、スキャンドイオンビームのビーム2次元形状を考慮に入れると共に、既に説明してきた、楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって規定される仮想注入照射領域設定手法によってはじめて明らかになる手法である。すなわち、上記手法を考えない場合、ビーム重心が半導体ウエハの外部に存在する位置でスキャン終端位置の設定値を切り替える必要はないのであって、このビーム重心が半導体ウエハの外部に存在する位置でスキャン終端位置の設定値を切り替える点もまた、本発明の特徴の一つである。
上記のウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の設定についての議論は、図6を用いて説明した、ウエハ面内均一性低下に対する対応が不要な場合の、本発明によるイオン注入方法についても同様であることは、言うまでもない。
また、上記のウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の設定についての議論は、本発明を2次元メカニカルスキャンイオン注入装置に適用する場合においても、同様であることは言うまでもない。
以下、イオン注入装置の実際の動作に即して、本発明によるイオン注入制御をさらに詳しく説明する。説明の便宜のために、ハイブリッドスキャンイオン注入装置を例に取る。
既に説明したように、本発明が適用されうるイオン注入装置では、制御を司るCPU14と半導体ウエハ10の上下方向(ウエハスロースキャン方向)の位置を記憶するRAM15とが備えられている。また、CPU14は、必要に応じてRAM15に記憶されたウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10の位置を読み出すことができる。本発明では、CPU14により、RAM15に記憶されたウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10の位置を、常に読み出し、半導体ウエハ10が、スキャン終端位置の設定値を切り替えるべきウエハスキャン位置に達すると、スキャン終端位置の設定値を切り替える。すなわち、RAM15に記憶されているウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10の位置情報を用いた、CPU14による制御により、ウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ10の位置に応じて、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を段階的に切り替えている。
この際、半導体ウエハ10へのイオン注入は一切中断せず、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン方向に関するウエハスキャン位置に応じて、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を切り替えるのみである。このスキャン終端位置設定値を複数個切り替え、ウエハ全面にわたってイオン注入を行うことにより、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、ウエハ生産性を向上させている。
既に説明したように、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置のうち、少なくとも一つは、スキャンドイオンビームのビーム重心がウエハスロースキャン方向に関して半導体ウエハの内部に存在するようなウエハスキャン位置であり、かつ、少なくとも他の一つは、スキャンドイオンビームのビーム重心がウエハスロースキャン方向に関して半導体ウエハの外部に存在するようなウエハスキャン位置であることは言うまでもない。
この際、半導体ウエハ10へのイオン注入は、一切中断せず、半導体ウエハ10のウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置に応じて、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を切り替えるのみである。このスキャン終端位置の設定値を複数個切り替え、ウエハ全面にわたってイオン注入を行うことにより、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、ウエハ生産性を向上させている。
ここで、複数個設定されたスキャン終端位置の設定値は、ウエハスキャン位置によって切り替えられるのであるが、既に説明したように、実際のスキャンドイオンビームを構成するイオンビームに関しては、そのウエハスロースキャン方向のビーム重心位置が変化することも考えられる。この場合、仮想注入照射領域16の境界線の形状及び、ウエハ生産性向上仮想注入照射領域22の境界線の形状は、ビーム2次元形状のみで規定されているので、変化しないが、スキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置は変化させなければならない。しかし、この場合でも、半導体ウエハ10へのイオン注入前にスキャンされたイオンビームに対してあらかじめ測定を行い、2次元ビーム形状を得ることで、ビーム重心位置の変化をも測定し、スキャン終端位置の設定値を切り替えるウエハスキャン位置を適切に変更することによって対処できる。
以上説明してきたように、本発明によって、ハイブリッドスキャンイオン注入装置及び2次元メカニカルスキャンイオン注入装置において、実際に注入されるイオンビームの2次元形状に対応しながら、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつウエハ生産性を向上することができる。また、ウエハ面内均一性低下に対する対応が必要な場合には、それに対応するようにビームスキャン方向(ファストスキャン方向)のスキャン方法を制御することによって、わずかなビーム変動が発生した場合や、イオン源から半導体ウエハまでのビーム輸送用機器に放電が発生し、半導体ウエハにイオンが到達しなくなった場合においても、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保し、かつウエハ生産性を向上することができる。
ここまで、少なくとも一つの例示的実施形態を説明してきたが、上記説明は、単なる一例であって、これに限定されることを意味しない。
1 イオン源
2 引出電極
3 質量分析磁石装置
4 質量分析スリット
5 ビームスキャナー
6 パラレルレンズ
7 角度エネルギーフィルタ
8 注入時ビーム測定装置
9 ウエハ領域ビーム測定装置
10 半導体ウエハ
11 メカニカルスキャン装置
12 ウエハ回転装置
13 ウエハ昇降装置
14 CPU
15 RAM
16 仮想注入照射領域
17 仮想注入時ビーム測定装置

Claims (9)

  1. イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、
    上記ウエハをメカニカルにウエハスロースキャンさせると共に、ウエハスロースキャン方向に直交する方向に、上記イオンビームをビームファストスキャンさせる、または、メカニカルに上記ウエハをウエハファストスキャンさせるように構成し、
    また上記ウエハスロースキャン方向へのウエハスロースキャンと、上記ウエハスロースキャン方向に直交する方向へのイオンビームのビームファストスキャンまたはウエハのウエハファストスキャンを用いて、イオンビームを上記ウエハに照射するように構成し、
    上記ウエハへのイオン注入前にイオンビームの2次元ビーム形状を測定し、測定された2次元ビーム形状を利用して、イオンビームの注入照射領域を定めるイオン注入方法であって、
    上記2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線を用いて、上記イオンビームの照射範囲を設定し、注入照射領域を規定するイオン注入方法。
  2. 請求項1において、
    上記ウエハ外周の全領域において、上記楕円形のビーム外周と上記ウエハ外周の共通接線を用いて、上記注入照射領域を規定するイオン注入方法。
  3. 請求項1において、
    上記ウエハへのイオン注入中にイオン電流量微少変動が発生した場合でも、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、ウエハ生産性を向上するために、
    上記ウエハスロースキャン方向のウエハ直径を含む直線で2分割される上記注入照射領域の片側が四角形形状であり、
    他の片側の上記注入照射領域が、上記共通接線によって規定される形状である、イオン注入方法。
  4. 請求項2または3において、
    上記ウエハスロースキャン方向に直交する方向のスキャン終端位置を段階的に複数個設定し、上記ウエハへのイオン注入を中断することなく、上記ウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置に即して、上記スキャン終端位置の設定値を段階的に切り替えることによって、ウエハ全面にわたって、イオン注入を行うイオン注入方法。
  5. 請求項4において、
    複数個設定されたスキャン終端位置の設定値を切り替える上記ウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置のうち、少なくとも一つは、上記ウエハスロースキャン方向のビーム重心の位置がウエハの内部に存在するようなウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置であり、かつ、少なくとも他の一つは、上記ウエハスロースキャン方向のビーム重心の位置がウエハの外部に存在するようなウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置であるイオン注入方法。
  6. イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、上記ウエハをメカニカルにウエハスロースキャンさせると共に、ウエハスロースキャン方向に直交する方向に、上記イオンビームをビームファストスキャンさせる、または、メカニカルに上記ウエハをウエハファストスキャンさせるように構成し、また上記ウエハスロースキャン方向へのウエハスロースキャンと、上記ウエハスロースキャン方向に直交する方向へのイオンビームのビームファストスキャンまたはウエハのウエハファストスキャンを用いて、イオンビームを上記ウエハに照射するように構成したイオン注入装置であって、
    上記ウエハへのイオン注入前にイオンビームの2次元ビーム形状を測定する手段と、測定された2次元ビーム形状を利用して、イオンビームの注入照射領域を定める制御手段とを備え、
    上記制御手段は、上記測定された2次元ビーム形状を楕円形状に近似し、上記楕円形のビーム外周とウエハ外周の共通接線によって、上記イオンビームの照射範囲を設定し、注入照射領域を規定することを特徴とするイオン注入装置。
  7. 請求項6において、
    上記制御手段は、上記ウエハ外周の全領域において、上記楕円形のビーム外周と上記ウエハ外周の共通接線を用いて、上記注入照射領域を規定することを特徴とするイオン注入装置。
  8. 請求項6において、
    上記ウエハへのイオン注入中にイオン電流量微少変動が発生した場合でも、イオン注入量のウエハ面内均一性を確保しながら、ウエハ生産性を向上するために、上記制御手段は、上記ウエハスロースキャン方向のウエハ直径を含む直線で2分割される上記注入照射領域の片側が四角形形状であり、他の片側の上記注入照射領域が上記共通接線によって規定される形状である、注入照射領域を規定することを特徴とするイオン注入装置。
  9. 請求項7または8において、
    上記ウエハスロースキャン方向に直交する方向のスキャン終端位置が段階的に複数個設定され、
    上記制御手段は、上記ウエハへのイオン注入を中断することなく、上記ウエハスロースキャン方向のウエハスキャン位置に即して、上記スキャン終端位置の設定値を段階的に切り替えることによって、ウエハ全面にわたってイオン注入を行うことを特徴とするイオン注入装置。
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