JP7037126B2 - ビームプロファイルの判定方法およびイオンビーム照射装置 - Google Patents
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Description
このことから、基板面内で均一なイオンビーム照射処理を実現するために、基板へのイオンビーム照射処理に先立ってイオンビームの進行方向と基板走査方向とに直交する方向でのビームプロファイルを均一に調整することが行われてきた。
なお、ここでいうビームプロファイルとは、ビーム電流あるいはビーム電流密度の分布のことである。
近年ではより高精度にビームプロファイルを均一にすることが要求されており、ビームプロファイルの調整工程は、以前にも増して時間を要する工程とされている。
装置を立ち上げて基板処理ができる状態にするには、いくつかの調整作業が必要となる。この調整作業の一つに、ビームプロファイルの均一化調整も含まれている。
前述のごとく、近年ビームプロファイルの均一化調整は調整の複雑さから時間を要する工程とされており、この工程をいかにして短時間で済ませ、装置の立ち上げに要する時間を短縮するかの試行錯誤がなされている。
前記基板の走査方向と前記イオンビームの進行方向とに直交する方向で、前記イオンビームのビームプロファイルを測定し、
測定結果に基づいて前記基板が走査されたときに基板面に照射されるイオンビームの照射量分布の均一性を算出し、
算出された照射量分布の均一性を基準値と比較して、前記イオンビームのビームプロファイルの妥当性を判定する。
このことから、本発明では、イオンビームが基板に照射されたときの基板面内での照射量分布を算出し、算出結果を基準値と比較した上でビームプロファイルの妥当性を判定している。
このような判定方法を用いることで、ビームプロファイルの過度な調整が不要となり、装置を短時間で立ち上げることが可能となる。
前記基板を基板面の法線周りに所定角度回転させることと、所定角度回転させた後に前記基板へのイオンビーム照射処理を行うこととを1または複数回実施したときの前記基板面内での照射量分布の均一性を算出し、
算出された照射量分布の均一性を基準値と比較する。
イオンビームを横切って基板を走査することで基板全面にイオンビームを照射するイオンビーム照射装置で、
前記基板の走査方向と前記イオンビームの進行方向とに直交する方向で、前記イオンビームのビームプロファイルを測定するビームプロファイラと、
前記ビームプロファイラでの測定結果に基づいて前記基板が走査されたときに基板面に照射されるイオンビームの照射量分布の均一性を算出し、
算出された照射量分布の均一性を基準値と比較して、前記イオンビームのビームプロファイルの妥当性を判定する制御装置とを、具備した構成を採用してもよい。
Z方向は処理室7に輸送されるイオンビームIBの進行方向である。
X方向は基板8の走査方向と平行な方向である。
Z方向に垂直な平面(XY平面)でイオンビームIBを切断したとき、イオンビームIBの切断面は略長方形をしている。このような断面を有するイオンビームはリボンビームやシートビームとも呼ばれている。
Y方向でのイオンビームIBの寸法は、同方向における基板8の寸法よりも長いため、イオンビームIBを横切って基板8を走査することで基板全面へのイオンビーム照射処理が実現される。
プラズマが生成されるプラズマチェンバ1と、
プラズマチェンバ1からイオンビームIBを引き出す引出電極2と、
引き出されたイオンビームIBに含まれる不要なイオン種と所望のイオン種とを異なる旋回半径をもって偏向する質量分析電磁石3と、
質量分析電磁石3で分離された不要なイオン種の下流側への進行を妨げる分析スリット4と、
分析スリット4を通過した所望イオン種を含むイオンビームの長さ方向(Y方向)で、ビームプロファイルの調整に利用される均一化レンズ5と、
均一化レンズ5を通過したイオンビームIBが所定のエネルギーとなるように加減速させながら、加減速の過程で生じた不所望なエネルギー成分の除去を行う静電偏向加減速管6とを具備している。
ビームプロファイラ9は、例えば、Y方向に複数のファラデーカップが配列された多点ファラデーカップや単一あるいは複数のファラデーカップをY方向に移動させながらビームプロファイルの測定を行う移動式のファラデーカップである。
図2(A)と図2(B)では、各図の左側に描かれているビームプロファイルが相違しているが、各図の中央に描かれているようにビームプロファイルの全体を平均化したときの平均値や均一性の値は概略同じ値となる。
ここでは、説明を簡略化するために、基板走査速度が一定であることが想定されているため、基板面内での照射量分布において図の左右方向での照射量に変動はないものとしている。
一方、図2(B)の右側に描かれている照射量分布をみれば、上下方向に縞状の濃淡がついており、図2(A)の照射量分布に比べると明らかに均一であるとは言い難い。
このように、ビームプロファイルの均一性がほぼ同じだとしても、照射量分布の均一性が大きく異なっている場合もある。
このことから、本発明では、最終目的である基板面内での照射量分布を考慮して、ビームプロファイルの調整要否を判定し、過度なビームプロファイルの均一性の調整を避けて、装置の立ち上げ時間の短縮を図っている。
本発明の照射量分布の均一性は、基板面内の各場所に対応するイオンビームを投影して、投影されたイオンビームのビーム電流密度の値を平均化して算出されている。以下に、この算出方法についての具体例を述べる。
次に、ビームプロファイルの測定結果をもとに、各領域に照射されるイオンビームのビーム電流密度を算出し、算出されたビーム電流密度の平均値を計算する。この平均値と各領域に対応するビーム電流密度の値をもとに標準偏差を算出して、照射量分布の均一性を求めている。
ステップ注入とは、従来から知られているイオン注入の手法であり、注入処理の途中で基板にイオンビームが照射されていない位置で基板のツイスト角度を変更して、イオン注入処理を再開する手法である。
また、上記実施形態では、イオン注入装置IMを例に説明したが、イオンビームを用いて基板へのイオンビーム照射処理を行うイオンビーム照射装置で、ビームプロファイルの調整手段を備えた装置であれば、本発明を適用することができる。
さらに、ステップ注入を用いた手法は、イオン注入装置にのみ適用されるものではなく、他のイオンビーム照射装置についても適用することができる。
例えば、円形の基板が図4のごとくX軸周りに回転されてチルト角度が設定されている場合、中央に描かれているビーム電流の領域ごとの平均値を表すグラフにおいて、ハッチングされている部分のイオンビームは基板に照射されない領域であるため、この領域でのビームプロファイルの調整を行わないようにしてもよい。
このような場合には、チルト角度を設定したときの例と同じく、基板に照射されない領域のビームプロファイルの調整を省略し、ビームプロファイルの調整に用いるパラメーターの数を減らすようにしてもよい。
9 ビームプロファイラ
10 制御装置
Claims (4)
- イオンビームを横切って外形が円形の基板を走査することで基板全面に前記イオンビームを照射するイオンビーム照射装置で用いられるビームプロファイルの判定方法で、
前記基板の走査方向と前記イオンビームの進行方向とに直交する方向で、前記イオンビームのビームプロファイルを測定し、
前記測定結果と前記ビームプロファイルを測定した方向で連続的に変化する前記基板面への照射に利用される前記イオンビームの割合に基づいて、前記基板面内での前記イオンビームの照射量分布の均一性を算出し、
算出された前記照射量分布の均一性を基準値と比較して、前記ビームプロファイルの妥当性を判定するビームプロファイルの判定方法。 - 前記照射量分布の均一性が前記基準値を上回る場合には、前記ビームプロファイルを再調整する、請求項1記載のビームプロファイルの判定方法。
- 前記照射量分布の均一性が前記基準値を上回る場合には、
前記基板を前記基板面の法線周りに所定角度回転させることと、前記所定角度回転させた後に前記基板面へ前記イオンビームを照射することとを1または複数回実施する処理を行ったときの前記基板面内での前記イオンビームの当該処理時の照射量分布の均一性を算出し、
算出された前記処理時の照射量分布の均一性を前記基準値と比較する請求項1記載のビームプロファイルの判定方法。 - イオンビームを横切って外形が円形の基板を走査することで基板全面に前記イオンビームを照射するイオンビーム照射装置において、
前記基板の走査方向と前記イオンビームの進行方向とに直交する方向で、前記イオンビームのビームプロファイルを測定するビームプロファイラと、
前記ビームプロファイラでの測定結果と前記ビームプロファイルを測定した方向で連続的に変化する前記基板面への照射に利用される前記イオンビームの割合に基づいて、前記基板面内での前記イオンビームの照射量分布の均一性を算出し、
算出された前記照射量分布の均一性を基準値と比較して、前記ビームプロファイルの妥当性を判定する制御装置とを、具備したイオンビーム照射装置。
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