本発明の一実施形態について図1〜図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(情報処理装置の構成)
本実施の形態の情報処理装置の構成について、図2〜図4に基づいて説明する。図2は本実施の形態の情報処理装置の構成を示す断面図であり、図3(a)(b)は上記情報処理装置の静電容量方式タッチパネルの構成を示す断面図であり、図4は上記情報処理装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の情報処理装置1は、表示面当接検出部としての感圧方式タッチパネルと表示面近接検出部としての静電容量方式タッチパネルとの両方を備えた検出部としての静電式感圧式併用タッチパネルを有している。
上記静電式感圧式併用タッチパネル10は、図2に示すように、表示部11と静電式検出部12と感圧式検出部13とをこの順に積層したものからなっている。
上記表示部11は、例えば、液晶表示装置からなっており、後述する表示制御部23からの制御命令により画面の表示を行う。
上記静電式検出部12は、静電式感圧式併用タッチパネル10の表面に、例えば指を近づけたときの、該指の位置の座標情報と高さ情報とを後述する処理部22に送るようになっている。
上記静電式検出部12は、図3(a)に示すように、ガラス基板12aと、電極パターン層12bと、絶縁体フィルムからなる保護カバー12cとがこの順に積層されてなっている。
電極パターン層12bは、図3(b)に示すように、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウムすず酸化物)からなるX方向の透明電極層(X)とY方向の透明電極層(Y)との縦横2層からなる多数のモザイク状電極パターンを構成している。
静電式検出部12は、投影型静電容量方式タッチパネルとなっており、指Fと上記透明電極層(X)及び透明電極層(Y)からなる導電膜との間での静電容量の変化を捉えて指Fの位置を検出するようになっている。すなわち、指Fが保護カバー12cに近づくと、その付近における電極の静電容量の変化を縦横2つの電極列から知ることによって、その位置を精密に判別できるようになっている。
この結果、静電式検出部12では、指Fと透明電極層(X)及び透明電極層(Y)との間の一定高さまでは、静電容量の変化を捉えることができるが、それ以上の高さになると検出することができない。尚、静電式検出部12では実際に該静電式検出部12に直接触れなくても、近づいた指Fの座標位置を検出することができる。したがって、本明細書では、静電式検出部12においては、指Fの座標位置を検出した状態を、「静電タッチ」という。
次に、感圧式検出部13は、例えば銀行のATM等に使用されているタッチパネルと同じ座標検出機構を有している。すなわち、感圧式検出部13では、マトリクス状に配列された電極スイッチが並んでおり、操作者がその面の一部を指Fで押さえると、その座標位置の上下2層の電極が接触することによって電気回路が構成され、縦と横との位置情報を検出する仕組みとなっている。尚、本明細書においては、感圧式検出部13に指Fを当接してその位置を検出した場合、「感圧タッチ」という。さらに、静電式検出部12と感圧式検出部13との両方の検出を示すときには、単に「タッチした」という。
上記静電式感圧式併用タッチパネル10を備えた情報処理装置1の制御装置20は、図4に示すように、状態管理手段としての状態管理部21、処理手段としての処理部22及び表示制御手段としての表示制御部23を備えている。
状態管理部21は、処理部22と連携してグラフィックユーザーインターフェース(GUI)に表示している内容や前回のタッチ座標等の状態管理を行う。
処理部22は、感圧式検出部13及び静電式検出部12からのタッチ情報を基に、状態管理部21との状態からGUIへの表示内容を処理し表示制御部23に送る。また、処理内容の結果、記憶内容に変更があれば記憶装置30の制御を行う。
表示制御部23は、処理部22から送られた画面情報を表示部11へ送る。
尚、本実施の形態の静電式感圧式併用タッチパネル10は静電式、感圧式複合型のタッチパネルとなっているが、本発明においては、必ずしもこれに限らず、タッチパネルに接触した状態での座標、高さ等の検知ができれば形式は問わない。このようなものとして、例えば、タッチパネルでは、光学式タッチパネル、物体近接検出装置(光変調パネル)が該当し、一般的なセンサでは、超音波式の非接触位置検出センサ技術が該当する。また、検出部として、例えば赤外線方式又はカメラ方式を採用することも可能である。特に、表示部がホログラム方式等の立体投影装置の場合には、タッチパネルが存在せず、赤外線方式又はカメラ方式によって指の空間座標を検出し、表示面への当接、近接が判定される。
(指操作の各種形態)
次に、上記構成の情報処理装置1における静電式感圧式併用タッチパネル10上に指Fが存在するときの各種基本形態について、図5(a)(b)、図1(a)(b)(c)、及び図7(a)(b)(c)に基づいて説明する。尚、図5(a)(b)、図1(a)(b)(c)、及び図6(a)(b)(c)において、静電式検出部12の下側に設けられている表示部11は省略している。また、Hは静電式検出部12での静電式検出範囲を示している。さらに、Dは検出座標間距離を示している。
まず、図5(a)は、第1の指としての第1指F1が感圧式検出部13に感圧タッチ状態となっており、第1指F1が感圧式検出部13によって該感圧タッチ座標にて感圧検出されている状態を表している。一方、第2の指としての第2指F2については、該第2指F2が感圧式検出部13から表示面近接検出範囲としての静電式検出範囲H内の静電式検出高さHX に存在することにより、第2指F2が静電式検出部12によって該静電タッチ座標にて静電検出されている状態を表している。上記静電式検出高さHXは、静電式検出範囲H内であれば、静電式検出部12にて検出した静電量にて求めることが可能である。
ここで、第1指F1は、感圧式検出部13に感圧タッチ状態となっていると共に、静電式検出範囲H内の静電式検出高さHX に存在する。このため、第1指F1は静電式検出部12に静電タッチされた状態にもなっている。しかし、第1指F1が静電式検出部12に静電タッチされている静電タッチ座標は、感圧式検出部13の感圧タッチ座標と同じである。
ここで、第1指F1は定常的にタッチパネル操作に用いられる指を想定しており、大抵の場合は人差し指であることを想定している。また、第2指F2は、本実施の形態のつまみ操作を実現する場合の利用者の指を想定しており、大抵の場合は親指であることを想定している。
次に、図5(b)は、図5(a)の状態から、第2指F2が第1指F1に近づくように移動し、その結果、検出座標間距離Dが閾値以下の短い距離になり、つまむ状態つまり選択状態となったことを示している。すなわち、つまむ状態とは、従来のパソコン等におけるアイコンの選択状態を想定しており、ブラウザ等であれば1点を選択した状態を想定している。
次に、図1(a)は、図5(b)の状態から第1指F1と第2指F2とを上方に移動させたことにより、第1指F1が静電式検出範囲H内の静電式検出高さHX に存在し、第2指F2が静電式検出範囲H外に存在する状態を示している。この結果、第1指F1のみが該静電タッチ座標にて静電タッチした状態となっている。
次に、図1(b)は、図1(a)の状態から、第1指F1が静電式検出範囲H内で移動し、移動先の静電タッチ座標にて静電タッチした状態を示している。この結果、第1指F1はタッチ状態で元の静電タッチ座標から移動先の静電タッチ座標まで移動したことになる。この操作は、従来のパソコン等におけるアイコンの移動操作、又はブラウザ等における画面のスクロール操作を示している。
さらに、図1(c)は、図1(b)の状態から、第2指F2が静電式検出範囲Hにおいて第1指F1への閾値内の近接位置である静電タッチ座標にて静電タッチした状態を示している。さらに、図1(d)は、図1(c)の状態から、第2指F2が静電式検出範囲Hにおいて第1指F1への閾値よりも大きくなる静電タッチ座標にて静電タッチした状態を示している。すなわち、この操作は、静電式検出範囲Hに存在する第1指F1及び第2指F2を閾値内の距離から閾値外の距離へと広げたことにより、アイコンのドラッグを解除した操作を示している。
また、図6(a)(b)(c)は、第1指F1及び第2指F2の他の操作形態を示している。
まず、図6(a)は、第1指F1のみが感圧式検出への感圧タッチ検知をしており、第2指F2は感圧タッチ検出座標及び静電タッチ検出座標がない状態を示している。
また、図6(b)は、図6(a)の状態から、第1指F1が静電タッチ位置P1を静電検出すると共に、第2指F2が静電タッチ位置P2を静電検出している状態となっている。尚、図6(b)が図1(a)と異なる点は、図6(b)の方が、第1指F1と第2指F2との距離が大きいことにある。
さらに、図6(c)は、第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H外に存在し、静電式感圧式併用タッチパネル10ではタッチ位置を検出できない状態を示している。
(アイコン表示される待ち受け画面におけるアイコンの各種表示状態)
次に、上記構成の静電式感圧式併用タッチパネル10におけるアイコンの移動操作における各種表示状態について、図7、図8(a)(b)(c)に基づいて説明する。
まず、図7は本実施の形態の表示部11に表示されているアイコンの配置状態を示している。すなわち、図7においては、例えば9個のアイコンが配されている。
上記表示部11における9個のアイコンが配された図8の状態から1個のアイコンIをドラッグするときの表示部11の各状態を図8(a)(b)(c)に基づいて説明する。
まず、図8(a)は、図8に示す左上隅のアイコンIをドラッグするために、つまんだ状態つまり選択した状態を示している。このように、本実施の形態では、アイコンIをつまんだ状態つまり選択した状態となった場合には、「×」マークが付される。
また、図8(b)は、画面左上隅のアイコンIを、画面右下隅にドラッグつまり移動した状態を示している。
さらに、図8(c)は、画面右下隅のアイコンIをドラッグ解除つまり画面右下隅にアイコンIの移動確定をした状態を示している。
次に、上記表示部11における9個のアイコンが配された図7の状態から2個のアイコンIをドラッグするときの表示部11の各画面を図9(a)(b)(c)(d)に基づいて説明する。
まず、図9(a)は、図8(a)に示す左上隅のアイコンIをドラッグするためにつまんだ状態つまり選択した状態から、他のアイコンIの上まで座標を移動したときの表示部11の画面を表している。
図9(b)は、アイコンIが追加でドラッグ状態となったときの表示部11の画面を表している。
図9(c)は、2つのアイコンIをドラッグして、表示部11の右下隅まで移動した状態を表している。
図9(d)は、2つのアイコンIのドラッグ解除により、表示部11の右下隅に2つのアイコンIが再配置された状態を表している。
(アイコン表示される待ち受け画面におけるアイコンのドラッグ操作の流れ)
上記構成を備えた静電式感圧式併用タッチパネル10において、アイコンIをドラッグするときの制御流れを、図10〜図15に基づいて説明する。ここで、図10〜図15はアイコンのドラッグ操作を示すフローチャートである。
最初に、図7に示す表示部11における左上隅のアイコンIを選択するために、アイコンIをつまむ操作について説明する。
まず、図10に示すように、第1指F1が静電式感圧式併用タッチパネル10における感圧式検出部13に感圧タッチされているかを検出する(S1)。指操作としては、図5(a)に示す状態となる。尚、指操作は、厳密には、図5(a)に示す状態の前に図6(a)に示す状態となるが、本実施の形態の静電式感圧式併用タッチパネル10では、何も操作していない状態からは、感圧式検出部13での感圧タッチを契機とする。
次いで、第1指F1がアイコンIを感圧タッチしているかを判断する(S2)。具体的には、第1指F1における感圧タッチ座標に基づいて、表示部11に現在表示されている画面状態に基づいて、第1指F1がアイコンIを感圧タッチしているかを判断する。表示部11に現在表示されている画面状態としては、図7に示すアイコンI上を感圧タッチしているかを判定する。
そして、第1指F1が図7に示すアイコンI上を感圧タッチしていると判断したときには、第2指F2における静電式感圧式併用タッチパネル10の静電式検出部12での静電タッチを検出する(S3)。すなわち、S3では、アイコンIをつまむ操作を検出するために静電式検出部12での静電タッチ座標の検出を行う。指操作としては、図5(a)又は図5(b)に示す状態となる。
次いで、第2指F2の静電タッチ座標が、第1指F1の感圧タッチ座標に近接しているかどうかを判定する(S4)。詳細には、第2指F2の静電タッチ座標と第1指F1の感圧タッチ座標とが閾値よりも小さいか否かを判断する。そして、第2指F2の静電タッチ座標と第1指F1の感圧タッチ座標とが閾値よりも小さい場合には、つまむ操作と認識する(S5)。そのときの表示部11の画面は、図7の表示を維持している。すなわち、つまむ操作と認識するだけでは画面に変化はない。
次いで、つまんだアイコンIをドラッグする。このドラッグ方法については、一般的な第1指F1の感圧タッチを維持した状態でドラッグする第1ドラッグ操作と、第1指F1の感圧タッチを解除し、かつ静電タッチを維持した状態でドラッグする第2ドラッグ操作とが存在する(S6)。
最初に、つまんだアイコンIを第1ドラッグ操作にてドラッグする場合の流れについて、図11に基づいて説明する。図11は第1ドラッグ操作を示すフローチャートである。
すなわち、第1ドラッグ操作は、利用者が感圧式検出部13から第1指F1を離さず座標移動をするドラッグ操作である。
まず、第1指F1の感圧式検出部13での感圧タッチを維持した状態にて第1指F1を移動することにより、感圧タッチ座標の移動を行う(S11)。
次いで、表示部11における画面において、アイコンIの移動を行う(S12)。画面操作としては、図7に示す画面から、図8(c)に示す画面へと遷移する。
次に、つまんだアイコンIを第2ドラッグ操作にてドラッグする場合の流れについて、図12に基づいて説明する。図12は第2ドラッグ操作を示すフローチャートである。
すなわち、第2ドラッグ操作は、利用者が感圧式検出部13から第1指F1を離した場合のドラッグ操作である。
図12に示すように、まず、静電式感圧式併用タッチパネル10の感圧式検出部13での第1指F1の感圧タッチが解除され、第1指F1は静電式検出部12のみにて静電タッチが検出される(S21)。指操作としては、図1(a)若しくは図6(b)、又は図1(c)の状態である。すなわち、第1指F1が静電式検出範囲H内に存在していればよい。したがって、第2指F2は静電式検出範囲H外となっていてよく、又は第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H内に存在し、かつ第1指F1と第2指F2が閾値内に近接している状態であってもよい。
このとき、表示部11の画面において、つまむ操作によるホールド状態としての画面表示を行う(S22)。具体的には、図8(a)に示すように、つまんだアイコンIに対して例えば「×」の表示を行う。尚、この「×」の表示はこれに限るものではない。尚、アイコンIをホールド状態としたときには、第1指F1の静電タッチ座標は空の状態となる。
次いで、その後、静電式検出部12において第1指F1の静電タッチ座標の移動が行われたか否かが判断される(S23)。そして、S23において、第1指F1における静電タッチ座標の移動の検出が行われたときには、アイコンIをホールドした状態での画面操作が行われる(S24)。具体的には、アイコンIの複数選択又はアイコンIのホールド解除である。尚、S24の後、S23に戻って、静電式検出部12における第1指F1の静電タッチ座標の移動検出待ちとなる。
一方、S23において、静電式検出部12における第1指F1の静電タッチ座標の移動検出が行われなかったときには、アイコンIのホールド状態を維持し、画面は、図8(a)を維持し、その後、例えばアイコンIの移動操作を行う(S25)。
次に、S24におけるアイコンIをホールドした状態での画面操作として、アイコンIを複数選択する操作について、図13に基づいて説明する。図13は、アイコンIの複数選択操作の流れを示すフローチャートである。
まず、静電式感圧式併用タッチパネル10における感圧式検出部13において、第1指F1の再度の感圧タッチを行う(S31)。すなわち、指操作においては、図1(a)に示す状態から、第1指F1における静電式検出範囲H内の位置を維持した状態で、図1(b)に示すように、第1指F1及び第2指F2の移動を行う。これにより、表示部11では、図9(a)の画面状態に遷移する。このとき、その位置で、図6(a)に示すように、第1指F1の再度の感圧タッチを行う。
図13に示すフローチャートでは、このとき、第1指F1の感圧式検出部13での感圧タッチ座標が2つ目のアイコンI上を感圧タッチしているかを判断する(S32)。第1指F1が2つ目のアイコンI上を感圧タッチしているときには、2つ目のアイコンIもホールド状態となる(S33)。すなわち、アイコンIの複数選択状態となる。表示部11においては、図9(a)から図9(b)の画面状態に遷移し、2つ目のアイコンIの位置に、例えば「×」マークが2個付される。そして、S34が終了すると、図12のS23に戻る。したがって、第1指F1による感圧式検出部13での感圧タッチを繰り返すと、さらに例えば隣のアイコンIが複数ホールド状態となる。また、感圧式検出部13での検出がなくなり、静電式検出部12での検出になれば、図12に示すS25の操作へと遷移する。
尚、図13のS32において、第1指F1が2つ目のアイコンI上を感圧タッチしていないときには、終了し、図12のS23に戻る。
次に、図12のS24におけるアイコンIをホールドした状態での画面操作として、アイコンIのホールドを解除する操作について、図14に基づいて説明する。図14は、アイコンIのホールドを解除する操作の流れを示すフローチャートである。
まず、アイコンIをホールドした状態での第1指F1及び第2指F2は、前述したように、図1(b)若しくは図6(b)、又は図1(c)に示す状態となっている。したがって、図1(c)に示す状態から、アイコンIのホールドを解除するには、静電式検出範囲H内に存在する2つの第1指F1と第2指F2との距離が閾値よりも大きいことを検出する(S41)。指操作においては、図1(c)に示す状態から図1(d)に示す状態、つまり第1指F1及び第2指F2との間隔が閾値よりも離れた状態である。
尚、図1(b)又は図6(b)に示す状態から、アイコンIのホールドを解除するには、図1(c)に示すように、一旦、第2指F2を第1指F1との距離が閾値内になるように静電式検出範囲H内に存在させる。その後、上述したように、指操作を、図1(c)に示す状態から図1(d)に示す状態、つまり第1指F1及び第2指F2との間隔が閾値よりも離れた状態にする。
上記の操作により、アイコンIをつまむ操作が解除されたことを検出し、アイコンIのホールド状態が解除される(S42)。このときの表示部11の表示は、図8(c)及び図9(d)となっており、「×」マーク又は「××」マークが元のアイコンIの表示となる。
すなわち、本実施の形態では、静電式検出範囲H内の2つの第1指F1及び第2指F2が、閾値よりも離れたときに、ホールド状態を解除するようになっている。
次に、前記図12のS25におけるアイコンIのホールド状態を維持して、その後、アイコンIの所望位置への移動操作を行う操作について、図15に基づいて説明する。図15はドラッグ状態のアイコンIの所望位置への移動操作を示すフローチャートである。
まず、アイコンIのホールド状態を維持している状態においては、指操作は図1(a)若しくは図6(b)、又は図1(c)の状態となっている。すなわち、第1指F1の感圧式検出部13での感圧タッチが離れ、かつ第1指F1が静電式検出範囲H内に存在している状態つまりホールド状態となっている。この状態で、第1指F1を所望の位置まで移動させ、図15に示すように、アイコンIの移動を行う(S51)。表示部11においては、図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態に遷移する。また、2つのアイコンIをドラッグしているときには、図9(b)に示す状態から図9(c)に示す状態に遷移する。
次いで、第1指F1の所望位置への移動が完了したときに、図15に示すように、第1指F1が感圧式検出部13での感圧タッチから離れ、かつ第1指F1が静電式検出部12における静電タッチのみの状態を確認すべく検出する(S52)。
次いで、静電式検出部12での検出座標が2つ未満か否か、又は静電式検出部12での検出座標が2つである場合には、その距離が閾値内であるか否かを判断する(S53)。すなわち、静電式検出部12での検出座標が2つ未満ということは、図1(b)又は図6(b)に示すように、第1指F1による1つの静電タッチが検出され、第2指F2が静電式検出範囲H外となっている状態を示す。また、静電式検出部12での検出座標が2つである場合にはその距離が閾値内であるということは、図1(c)の状態であることを示す。
そして、本実施の形態では、これ以外の状態については、誤動作として2つの座標を破棄し、ホールド状態を維持するようになっている(S54)。
次いで、S53の条件を満たす場合には、その後、時系列で静電式検出範囲H内での静電タッチ座標の検出が、時系列で1点から2点になったことを検出する。このときの指操作は、図1(c)に示すように、第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H内に存在している状態であり、かつ、第1指F1と第2指F2との距離は閾値内となっている。尚、図1(c)の状態で移動した場合には、静電タッチ座標は最初から2点であることを検出している。
このときの表示部11での表示は、図8(b)又は図9(c)となっている。
その後、静電式検出範囲H内の2つの第1指F1及び第2指F2が、閾値よりも離れたことを検出する(S55)。指操作は、図1(d)に示すように、第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H内に存在し、かつ第1指F1と第2指F2との距離が閾値よりも大となっている。これにより、アイコンIのホールド状態が解除される(S56)。表示部11の表示においては、図8(c)又は図9(d)となっている。すなわち、表示部11の左下隅にドラッグして移動されたアイコンIが表示されたものとなっている。
したがって、本実施の形態では、ドラッグ状態でのアイコンIの移動は、第1指F1を感圧タッチ移動させる場合を除き、第1指F1が静電式検出範囲H内に存在すると共に、第2指F2は静電式検出範囲H外に存在した状態、又は第1指F1と第2指F2とが閾値よりも近接して静電式検出範囲内に存在した状態にて行う。いずれにしても、第1指F1を静電式検出範囲H内に存在させた状態にてアイコンIを移動する。そして、ドラッグ解除する場合には、静電式検出範囲H内に存在する第1指F1と第2指F2との距離を閾値内から閾値外に広げることによって、ドラッグ解除するようになっている。
このように、本実施の形態の情報処理装置1は、表示部11と、感圧方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルとを備える。表示部11には複数の対象物が表示される。
このような情報処理装置において、従来では、表示装置の裏面側から操作するので、操作し難いという問題、操作検知用のセンサを利用者が装着する必要があるという問題、タッチパネルから離れた状態でのドラッグを解除することができないという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、本実施の形態における情報処理装置1の入力方法では、第1指F1にて感圧方式タッチパネルを感圧タッチした状態で、静電容量方式タッチパネルの静電式検出範囲H内に、第1指F1との間隔が閾値距離内となるように第2指F2を配することにより対象物をドラッグ開始状態とするドラッグ開始工程と、第1指F1における感圧タッチを解除しかつ該第1指F1を静電式検出範囲H内に配し、さらに第2指F2を静電式検出範囲H外に配するか又は第2指F2を静電式検出範囲H内において第1指F1との間隔を閾値距離内に維持することにより対象物を移動可能状態とする移動可能工程と、移動可能工程における第1指F1及び第2指F2の配置を維持して該第1指F1及び第2指F2を移動することにより対象物を移動する移動工程と、移動先にて第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内に配し、かつ該第1指F1と第2指F2との間隔を該閾値距離内から閾値距離外となるように広げることにより対象物のドラッグを解除するドラッグ解除工程とを含んでいる。
すなわち、本実施の形態では、感圧方式タッチパネルの感圧タッチを離れるとドラッグ状態を固定し、再度、第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内に配することにより、対象物を落下可能状態とし、そのときの第1指F1と第2指F2との距離を閾値よりも大きくなったこと、つまり第1指F1と第2指F2との間隔が広がったことを検知したときに落下操作つまりドラッグ解除確定と認識する。
このため、情報処理装置1の表面側からの操作が可能となるので、操作感覚が表面側からの操作とは逆の感覚になり、操作し難いという問題が解消される。
また、操作検知用のセンサを利用者が装着する必要はない。さらに、ドラッグ解除工程においては、移動先にて第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内に配し、かつ該第1指F1と第2指F2との間隔を該閾値距離内から閾値距離外となるように広げることにより対象物のドラッグを解除する。したがって、ドラッグの解除においては、第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内から閾値距離外に配することにより、ドラッグの解除を確定することが可能となる。このため、ドラッグ中に静電式感圧式併用タッチパネル10から指が離れすぎて、対象物をうっかり落としてしまうということがない。さらに、対象物のドラッグ中に第1指F1と第2指F2との距離が離れたときに、ドラッグが解除されて、目的の位置以外に対象物の移動位置が決まってしまう、つまりドラッグ中に対象物を落としてしまうということがない。
したがって、特別な操作検知用のデバイスを利用者が装着せず、静電式感圧式併用タッチパネル10からの高さを認識して適切なドラッグ操作を行い得る情報処理装置1の入力方法を提供することができる。
また、本実施の形態の情報処理装置1の入力方法では、表示部11には対象物としての複数個のアイコンIが表示される。そして、ドラッグ開始工程においては、第1指F1にて感圧方式タッチパネルを感圧タッチした状態で、静電容量方式タッチパネルの静電式検出範囲H内に、第1指F1との間隔が閾値距離内となるように第2指F2を配することにより少なくとも1個のアイコンIが選択される。移動可能工程においては、第1指F1における感圧タッチを解除しかつ該第1指F1を静電式検出範囲H内に配し、さらに第2指F2を静電式検出範囲H外に配するか又は第2指F2を静電式検出範囲H内において第1指F1との間隔を閾値距離内に維持することによりアイコンIを移動可能状態とする。移動工程においては、第1指F1及び第2指F2の配置を維持して該第1指F1及び第2指F2を移動することによりアイコンIを移動する。ドラッグ解除工程においては、移動先にて第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内に配し、かつ該第1指F1と第2指F2との間隔を該閾値距離内から閾値距離外となるように広げることによりアイコンIのドラッグを解除することが可能である。
これにより、表示部11には対象物としての複数個のアイコンIが表示され、アイコンIのドラッグ操作を適切に行うことができる。
また、本実施の形態の情報処理装置1の入力方法では、ドラッグ開始工程において少なくとも1個のアイコンIを選択して移動可能工程及び移動工程を経た後、移動途中にて第1指F1を感圧タッチすることにより、アイコンIの追加選択を行う。
これにより、アイコンIのドラッグ操作を行う場合に、アイコンIの複数選択によるドラッグ操作を適切に行うことができる。
また、本実施の形態の情報処理装置1の入力方法では、ドラッグ開始工程において少なくとも1個のアイコンが選択されたときには、表示部11には、アイコンIが選択されていることを示すアイコン選択マークとしての「×」マークが付される。
これにより、ドラッグ操作において、アイコンIを選択していることが、表示部11における「×」マークにて容易に認識することができる。
また、本実施の形態の情報処理装置1は、第1指F1又は第2指F2の感圧方式タッチパネルでの感圧タッチ座標を検知し、かつ第1指F1又は第2指F2の静電容量方式タッチパネルでの静電タッチ座標を検知する状態管理部21と、状態管理部21での感圧タッチ座標の検知又は静電タッチ座標の検知に基づいて、対象物のドラッグ処理を行う処理部22と、処理部22でのドラッグ処理に基づいて表示部11での表示を制御する表示制御部23とが設けられている。
これにより、特別な操作検知用のデバイスを利用者が装着せず、静電式感圧式併用タッチパネル10からの高さを認識して適切なドラッグ操作を行い得る情報処理装置1の入力方法を使用した情報処理装置1を提供することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図16〜図22に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1では、表示部11においてアイコン表示される待ち受け画面の該アイコンIのドラッグについて説明した。しかし、本実施の形態では、表示部11においてブラウザ等のビューアの画面表示におけるスクロールについて説明する。
尚、情報処理装置の構成、及び指操作の各種形態は、実施の形態1と同一であるので、その説明を省略する。
(ブラウザ等のビューアにおける画面表示の形態)
最初に、ブラウザ等のビューアにおける画面表示の各種形態について、図16及び図17(a)〜(d)に基づいて説明する。
まず、図16は、ビューア画面で表示する内容の全体イメージを表している。便宜上、表示エリアA1〜表示エリアA6までの表示エリアAの配置があるが、利用者の可読性を保った表示サイズでは、表示エリアA1〜表示エリアA6は静電式感圧式併用タッチパネル10の1画面に収まらない表示エリアであるとしている。
図17(a)は、図16の全体イメージにおいて、実際に表示をしたときの初期画面を表している。
図17(b)は、図17(a)からホールド操作を実行し、画面が拡大された状態を表している。
図17(c)は、 図17(b)に示すホールド状態において、静電タッチ座標が移動したときの状態を表している。
図17(d)は、図17(c)に示す状態からホールド状態を解除したときの表示される画面を表している。
(ブラウザ等のビューアにおける画面表示のスクロール操作の流れ)
上記構成を備えた静電式感圧式併用タッチパネル10において、ブラウザ等のビューアにおける画面表示をスクロールするときの制御流れを、図18〜図22に基づいて説明する。ここで、図18〜図22は画面表示のスクロール操作を示すフローチャートである。尚、前記図11〜図15の同じ内容の操作については、同一のステップ名を記載して説明する。
最初に、図16に示す静電式感圧式併用タッチパネル10の表示部11における表示エリアA1を選択するために該表示エリアA1をつまむ操作について説明する。
まず、図18に示すように、第1指F1が静電式感圧式併用タッチパネル10における感圧式検出部13に感圧タッチされているかを検出する(S1)。指操作としては、図5(a)に示す状態となる。尚、指操作は、厳密には、図5(a)に示す状態の前に図6(a)に示す状態となるが、本実施の形態の静電式感圧式併用タッチパネル10では、何も操作していない状態からは、感圧式検出部13での感圧タッチを契機とする。
次いで、第1指F1が例えば表示エリアA1等の表示エリアAを感圧タッチしているかを判断する(S2’)。具体的には、第1指F1における感圧タッチ座標に基づいて、表示部11に現在表示されている画面状態に基づいて、第1指F1が表示エリアAを感圧タッチしているかを判断する。表示部11に現在表示されている画面状態としては、図16に示す表示エリアA上を感圧タッチしているかを判定する。
そして、第1指F1が図16に示す表示エリアA上を感圧タッチしていると判断したときには、第2指F2における静電式感圧式併用タッチパネル10の静電式検出部12での静電タッチを検出する(S3)。すなわち、S3では、表示エリアAをつまむ操作を検出するために静電式検出部12での静電タッチ座標の検出を行う。指操作としては、図5(a)又は図5(b)に示す状態となる。
次いで、第2指F2の静電タッチ座標が、第1指F1の感圧タッチ座標に近接しているかどうかを判定する(S4)。具体的には、第2指F2の静電タッチ座標と第1指F1の感圧タッチ座標とが閾値よりも小さいか否かを判断する。そして、第2指F2の静電タッチ座標と第1指F1の感圧タッチ座標とが閾値よりも小さい場合には、つまむ操作と認識する(S5)。そのときの表示部11の画面は、図17(a)の表示を維持している。すなわち、つまむ操作と認識するだけでは画面に変化はない。
次いで、つまんだ表示エリアA1等の表示エリアAをスクロールする。このスクロール方法については、一般的な第1指F1の感圧タッチを維持した状態でスクロールする第1スクロール操作と、第1指F1の感圧タッチを解除し、かつ静電タッチを維持した状態でスクロールする第2スクロール操作とが存在する(S6’)。
最初に、つまんだ表示エリアAを第1スクロール操作にてスクロールする場合の流れについて、図19に基づいて説明する。図19は第1スクロール操作を示すフローチャートである。
すなわち、第1スクロール操作は、利用者が感圧式検出部13から第1指F1を離さず座標移動をするスクロール操作である。
まず、第1指F1の感圧式検出部13での感圧タッチを維持した状態にて第1指F1を移動することにより、感圧タッチ座標の移動を行う(S11)。
次いで、表示部11における画面において、表示エリアAのスクロールを行う(S12’)。画面操作としては、図17(a)に示す画面から、例えば図17(c)に示す画面へと遷移する。
次に、つまんだ表示エリアAを第2スクロール操作にてスクロールする場合の流れについて、図20に基づいて説明する。図20は第2スクロール操作を示すフローチャートである。
すなわち、第2スクロール操作は、利用者が感圧式検出部13から第1指F1を離した場合のスクロール操作である。
図20に示すように、まず、静電式感圧式併用タッチパネル10の感圧式検出部13での第1指F1の感圧タッチが解除され、第1指F1は静電式検出部12のみにて静電タッチが検出される(S21)。指操作としては、図1(a)若しくは図6(b)、又は図1(c)の状態である。すなわち、第1指F1が静電式検出範囲H内に存在していればよい。したがって、第2指F2は静電式検出範囲H外となっていてよく、又は第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H内に存在し、かつ第1指F1と第2指F2が閾値内に近接している状態であってもよい。これにより、表示エリアAである表示エリアA1は、つまむ操作によりホールド状態となる(S22’)。このとき、表示部11の画面においては、図17(b)に示すように、表示エリアA1が表示部11の画面において、拡大して表示されるようになる。尚、表示エリアAをホールド状態としたときには、第1指F1の静電タッチ座標は空の状態となる。
次いで、その後、静電式検出部12において第1指F1の静電タッチ座標の移動が行われたか否かが判断される(S23)。そして、S23において、第1指F1における静電タッチ座標の移動の検出が行われたときには、表示エリアAをホールドした状態での画面操作が行われる(S24’)。具体的には、表示エリアAのホールド解除である。尚、S24’の後、S23に戻って、静電式検出部12における第1指F1の静電タッチ座標の移動検出待ちとなる。
一方、S23において、静電式検出部12における第1指F1の静電タッチ座標の移動検出が行われなかったときには、表示エリアAのホールド状態を維持し、画面は、図17(a)を維持し、その後、例えば表示エリアAのホールド状態解除を行う(S25’)。
次に、S24における表示エリアAをホールドした状態での画面操作として、表示エリアAのホールドを解除する操作について、図21に基づいて説明する。図21は、表示エリアAのホールドを解除する操作の流れを示すフローチャートである。
まず、表示エリアAをホールドした状態での第1指F1及び第2指F2は、前述したように、図1(b)若しくは図6(b)、又は図1(c)に示す状態となっている。したがって、図1(c)に示す状態から、表示エリアAのホールドを解除するには、静電式検出範囲H内に存在する2つの第1指F1と第2指F2との距離が閾値よりも大きいことを検出する(S41)。指操作においては、図1(c)に示す状態から図1(d)に示す状態、つまり第1指F1及び第2指F2との間隔が閾値よりも離れた状態である。
尚、図1(b)又は図6(b)に示す状態から、表示エリアAのホールドを解除するには、図1(c)に示すように、一旦、第2指F2を第1指F1との距離が閾値内になるように静電式検出範囲H内に存在させる。その後、上述したように、指操作を、図1(c)に示す状態から図1(d)に示す状態、つまり第1指F1及び第2指F2との間隔が閾値よりも離れた状態にする。
上記の操作により、表示エリアAをつまむ操作が解除されたことを検出し、表示エリアAのホールド状態が解除される(S42’)。このときの表示部11の表示は、図17(d)に示すように、表示エリアAのスクロールが完了した状態となっている。
すなわち、本実施の形態では、静電式検出範囲H内の2つの第1指F1及び第2指F2が、閾値よりも離れたときに、ホールド状態を解除するようになっている。
次に、前記図20のS25’における表示エリアAのホールド状態を維持して、その後、表示エリアA1のホールド状態を解除する操作について、図22に基づいて説明する。図22はドラッグ状態において画面をスクロールする操作を示すフローチャートである。
まず、表示エリアA1のホールド状態を維持している状態においては、指操作は図1(a)若しくは図6(b)、又は図1(c)の状態となっている。すなわち、第1指F1の感圧式検出部13での感圧タッチが離れ、かつ第1指F1が静電式検出範囲H内に存在している状態つまりホールド状態となっている。この状態で、第1指F1を所望の位置まで移動させ、図22に示すように、表示エリアAの移動を行う(S51’)。表示部11においては、図17(b)に示す状態から図17(c)に示す状態に遷移する。すなわち、ドラッグ状態によって、拡大表示された表示エリアA1の拡大率を維持した状態で図17(c)に遷移する。これにより、表示エリアA1の拡大率にて、表示エリアA3が表示される。
次いで、第1指F1の所望位置への移動が完了したときに、図15に示すように、第1指F1が感圧式検出部13での感圧タッチから離れ、かつ第1指F1が静電式検出部12における静電タッチしてのみの状態を確認すべく検出する(S52)。
次いで、静電式検出部12での検出座標が2つ未満か否か、又は静電式検出部12での検出座標が2つである場合には、その距離が閾値内であるか否かを判断する(S53)。すなわち、静電式検出部12での検出座標が2つ未満ということは、図1(b)又は図6(b)に示すように、第1指F1による1つの静電タッチが検出され、第2指F2が静電式検出範囲H外となっている状態を示す。また、静電式検出部12での検出座標が2つである場合にはその距離が閾値内であるということは、図1(c)の状態であることを示す。
そして、本実施の形態では、これ以外の状態については、誤動作として2つの座標を破棄し、ホールド状態を維持するようになっている(S54)。
次いで、S53の条件を満たす場合には、その後、時系列で静電式検出範囲H内での静電タッチ座標の検出が、時系列で1点から2点になったことを検出する。このときの指操作は、図1(c)に示すように、第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H内に存在している状態であり、かつ、第1指F1と第2指F2との距離は閾値内となっている。尚、図1(c)の状態で移動した場合には、静電タッチ座標は最初から2点であることを検出している。
このときの表示部11での表示は、図17(c)となっている。
その後、静電式検出範囲H内の2つの第1指F1及び第2指F2が、閾値よりも離れたことを検出する(S55)。指操作は、図1(d)に示すように、第1指F1と第2指F2との両方が静電式検出範囲H内に存在し、かつ第1指F1と第2指F2との距離が閾値よりも大となっている。これにより、表示エリアAのホールド状態が解除される(S56’)。表示部11の表示においては、図17(d)となっている。すなわち、表示エリアA3を表示した状態で、ドラッグ解除されたので、表示エリアA3が表示部11の左上隅に表示され、かつこの拡大率は、図17(a)に示す表示と同じ拡大率となっている。
したがって、本実施の形態では、ドラッグ状態での表示エリアAの移動は、第1指F1を感圧タッチ移動させる場合を除き、第1指F1が静電式検出範囲H内に存在すると共に、第2指F2は静電式検出範囲H外に存在した状態、又は第1指F1と第2指F2とが閾値よりも近接して静電式検出範囲内に存在した状態にて行う。いずれにしても、第1指F1を静電式検出範囲H内に存在させた状態にて表示エリアAを移動する。そして、ドラッグ解除する場合には、静電式検出範囲H内に存在する第1指F1と第2指F2との距離を閾値内から閾値外に広げることによって、ドラッグ解除するようになってる。
このように、本実施の形態の情報処理装置1は、表示部11と、感圧方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルとを備える。表示部11には複数の対象物が表示される。
そして、本実施の形態の情報処理装置1の入力方法は、第1指F1にて感圧方式タッチパネルを感圧タッチした状態で、静電容量方式タッチパネルの静電式検出範囲H内に、第1指F1との間隔が閾値距離内となるように第2指F2を配することにより対象物をドラッグ開始状態とするドラッグ開始工程と、第1指F1における感圧タッチを解除しかつ該第1指F1を静電式検出範囲H内に配し、さらに第2指F2を静電式検出範囲H外に配するか又は第2指F2を静電式検出範囲H内において第1指F1との間隔を閾値距離内に維持することにより対象物を移動可能状態とする移動可能工程と、移動可能工程における第1指F1及び第2指F2の配置を維持して該第1指F1及び第2指F2を移動することにより対象物を移動する移動工程と、移動先にて第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内に配し、かつ該第1指F1と第2指F2との間隔を該閾値距離内から閾値距離外となるように広げることにより対象物のドラッグを解除するドラッグ解除工程とを含んでいる。
したがって、特別な操作検知用のデバイスを利用者が装着せず、静電式感圧式併用タッチパネル10からの高さを認識して適切なドラッグ操作を行い得る情報処理装置1の入力方法を提供することができる。
また、本実施の形態の情報処理装置1の入力方法では、表示部11には対象物としての複数個の表示エリアAが表示される。そして、ドラッグ開始工程においては、第1指F1にて感圧方式タッチパネルを感圧タッチした状態で、静電容量方式タッチパネルの静電式検出範囲H内に、第1指F1との間隔が閾値距離内となるように第2指F2を配することにより少なくとも1個の表示エリアAが選択される。移動可能工程においては、第1指F1における感圧タッチを解除し、かつ該第1指F1を静電式検出範囲H内に配し、さらに第2指F2を静電式検出範囲H外に配するか又は第2指F2を静電式検出範囲H内において第1指F1との間隔を閾値距離内に維持することにより表示エリアAをスクロール可能状態とする。移動工程においては、第1指F1及び第2指F2の配置を維持して該第1指F1及び第2指F2を移動することにより表示エリアAをスクロールする。ドラッグ解除工程においては、移動先にて第1指F1及び第2指F2を静電式検出範囲H内において閾値距離内に配し、かつ該第1指F1と第2指F2との間隔を該閾値距離内から閾値距離外となるように広げることにより表示エリアAのスクロールを終了する。
これにより、表示部11には対象物としての複数個の表示エリアAが表示され、表示エリアAのドラッグ操作としてのスクロールを適切に行うことができる。
また、本実施の形態の情報処理装置1の入力方法では、移動可能工程においては、表示部11の表示エリアAが拡大表示される。これにより、ドラッグ操作において、表示エリアAを選択していることが、表示部11における表示エリアAの拡大表示にて容易に認識することができる。