JP2013127559A - マスク基板、フォトマスク、露光方法、デバイス製造方法、マスク基板の製造方法、フォトマスクの製造方法、及び製造システム - Google Patents

マスク基板、フォトマスク、露光方法、デバイス製造方法、マスク基板の製造方法、フォトマスクの製造方法、及び製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】露光光の照射によるフォトマスクの熱変形で発生する露光不良を抑制できるマスク基板を提供する。
【解決手段】マスク基板は、マスクパターンが形成される第1部材101と、第1部材の少なくとも一部に接合され、第1部材とは熱膨張係数が異なる第2部材102と、を備える。第1部材101は、二酸化ケイ素(SiO2)を含む。本実施形態において、第1部材101は、石英ガラスを含む。本実施形態において、第1部材101は、石英ガラスを主成分とする。なお、第1部材101が、二酸化ケイ素と、二酸化ケイ素とは別の物質とを含んでもよい。第2部材102は、第1部材101よりも熱膨張係数が大きい。本実施形態において、第2部材102は、フッ化カルシウム(CaF2)を含む。本実施形態において、第2部材102は、蛍石を含む。本実施形態において、第2部材102は、フッ化カルシウムを主成分とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスク基板、フォトマスク、露光方法、デバイス製造方法、マスク基板の製造方法、フォトマスクの製造方法、及び製造システムに関する。
デバイスの製造工程において、例えば下記特許文献に開示されているような、フォトマスクを露光光で照明し、そのフォトマスクからの露光光で感光基板を露光する露光装置が使用される。
米国特許出願公開第2010/0271602号明細書
例えば露光光の照射により、フォトマスクの温度が変化し、そのフォトマスクが熱変形する可能性がある。その結果、露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できるマスク基板、フォトマスク、露光方法、デバイス製造方法、マスク基板の製造方法、フォトマスクの製造方法、及び製造システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、マスクパターンが形成される第1部材と、第1部材の少なくとも一部に接合され、第1部材とは熱膨張係数が異なる第2部材と、を備えるマスク基板が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、マスクパターンが形成される第1面、及び第1面の反対方向を向く第2面を有する第1部材と、第2面の少なくとも一部に接合される第2部材と、を備えるマスク基板が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1、第2の態様のマスク基板と、マスク基板に形成されたマスクパターンと、を備えるフォトマスクが提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様のフォトマスクを露光光で照明することと、フォトマスクからの露光光で感光基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第4の態様の露光方法を用いて感光基板を露光することと、露光された感光基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、マスクパターンが形成される第1部材の少なくとも一部に、第1部材とは熱膨張係数が異なる第2部材を接合することを含むマスク基板の製造方法が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、マスクパターンが形成される第1面及び第1面の反対方向を向く第2面を有する第1部材の第2面に、第2部材を接合することを含むマスク基板の製造方法が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、第6、第7の態様のマスク基板の製造方法でマスク基板を製造することと、製造されたマスク基板にマスクパターンを形成することと、を含むフォトマスクの製造方法が提供される。
本発明の第9の態様に従えば、通信装置からの情報に基づいて、第1厚さの第1部材、及び第2厚さの第2部材を生成する生成装置と、生成装置からの第1部材と第2部材とを接合して、マスク基板を製造する接合装置と、を備える製造システムが提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生が抑制される。また、本発明の態様によれば、不良デバイスの発生が抑制される。
第1実施形態に係るフォトマスクの一例を示す断面図である。 第1実施形態に係るフォトマスクの一例を示す平面図である。 第1実施形態に係るフォトマスクに露光光が照射されている状態の一例を示す図である。 第1実施形態に係るフォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 比較例に係るフォトマスクに露光光が照射されている状態の一例を示す図である。 第1実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る露光装置の一部を示す図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第2実施形態に係るフォトマスクの一例を示す断面図である。 第3実施形態に係るフォトマスクの一例を示す断面図である。 第4実施形態に係るフォトマスクの一例を示す断面図である。 第5実施形態に係るフォトマスクの一例を示す断面図である。 第7実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第9実施形態に係る製造システムの一例を示す図である。 露光装置の一例を示す模式図である。 デバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るフォトマスクMの一例を示す断面図、図2は、本実施形態に係るフォトマスクMの一例を示す平面図である。
図1において、フォトマスクMは、マスク基板Mbと、マスク基板Mbに形成されたマスクパターンMpとを備えている。フォトマスクMは、レチクルを含む。マスク基板Mbは、マスクブランクスを含む。マスクパターンMpは、デバイスパターンを含む。本実施形態において、フォトマスクMは、透過型マスクである。以下の説明において、フォトマスクMを適宜、マスクM、と称する。また、マスクパターンMpを適宜、パターンMp、と称する。
マスク基板Mbは、パターンMpが形成される第1部材101と、第1部材101の少なくとも一部に接合される第2部材102とを備えている。本実施形態において、第1部材101の熱膨張係数と、第2部材102の熱膨張係数とは、異なる。
本実施形態において、第1部材101は、パターンMpが形成される第1面C1と、第1面C1の反対方向を向く第2面C2とを有する。第2部材102は、第1部材101の第2面C2の少なくとも一部に接合される。本実施形態において、第2部材102は、第1部材101の少なくとも一部と対向する第3面C3と、第3面C3の反対方向を向く第4面C4とを有する。本実施形態において、第2面C2の少なくとも一部に、第3面C3が接合される。
本実施形態において、第1部材101は、二酸化ケイ素(SiO)を含む。本実施形態において、第1部材101は、石英ガラスを含む。本実施形態において、第1部材101は、石英ガラスを主成分とする。なお、第1部材101が、二酸化ケイ素と、二酸化ケイ素とは別の物質とを含んでもよい。例えば、第1部材101が、二酸化ケイ素とチタニア(TiO:酸化チタン)とを含んでもよい。すなわち、第1部材101が、所謂、チタニアドープ石英ガラスでもよい。本実施形態において、第1部材101の熱膨張係数は、例えば約5.0×10−7/℃程度である。
本実施形態において、第2部材102は、第1部材101よりも熱膨張係数が大きい。 本実施形態において、第2部材102は、フッ化カルシウム(CaF)を含む。本実施形態において、第2部材102は、蛍石を含む。本実施形態において、第2部材102は、フッ化カルシウムを主成分とする。なお、第2部材102が、フッ化カルシウムと、フッ化カルシウムとは別の物質とを含んでもよい。本実施形態において、第2部材102の熱膨張係数は、例えば約2.4×10−5/℃程度である。
なお、第2部材102が、フッ化バリウム(BaF)を含んでもよい。第2部材102は、フッ化バリウムを主成分としてもよいし、フッ化バリウムとフッ化バリウムとは別の物質とを含んでもよい。また、第2部材102の熱膨張係数が、約1.8×10−5/℃程度でもよい。
なお、第2部材102が、フッ化マグネシウム(MgF)を含んでもよい。第2部材102が、フッ化マグネシウムを主成分としてもよいし、フッ化マグネシウムとフッ化マグネシウムとは別の物質とを含んでもよい。また、第2部材102の熱膨張係数が、約1.3×10−5/℃程度でもよい。
なお、第2部材102が、フッ化リチウム(LiF)を含んでもよい。第2部材102は、フッ化リチウムを主成分としてもよいし、フッ化リチウムとフッ化リチウムとは別の物質とを含んでもよい。また、第2部材102の熱膨張係数が、約3.7×10−5/℃程度でもよい。
本実施形態において、第1部材101は、プレート状である。本実施形態において、第1面C1と第2面C2とは、実質的に平行である。すなわち、本実施形態において、第1部材101は、平行平板である。
本実施形態において、第2部材102は、プレート状である。本実施形態において、第3面C3と第4面C4とは、実質的に平行である。すなわち、本実施形態において、第2部材102は、平行平板である。
本実施形態において、第1部材101の厚さD1と第2部材102の厚さD2とは異なる。厚さD1は、第1面C1と第2面C2との距離を含む。厚さD2は、第3面C3と第4面C4との距離を含む。
本実施形態において、第1部材101は、第2部材102よりも厚い。すなわち、厚さD1の寸法が、厚さD2の寸法よりも大きい。
本実施形態において、第1部材101と第2部材102とは、光学接合(オプティカルコンタクト)される。本実施形態において、第1部材101の第2面C2と、第2部材102の第3面C3とがオプティカルコンタクトされる。
以下の説明において、第1面C1を適宜、マスク基板Mbの下面C1、と称し、第4面C4を適宜、マスク基板Mbの上面C4、と称する。
本実施形態において、上面C4と下面C1とは実質的に平行である。本実施形態において、マスク基板Mbの厚さ(上面C4と下面C1との距離)Dtは、約6.35mmである。本実施形態において、厚さD1が、約6.33mmであり、厚さD2が、約0.02mmである。なお、厚さD1が、約6.15〜6.25mmであり、厚さD2が、約0.2〜0.1mmでもよい。例えば、厚さD1が、約6.15mmであるとき、厚さD2が、約0.2mmでもよい。また、厚さD1が、約6.25mmとしたとき、厚さD2が、約0.1mmでもよい。なお、厚さD1が、約5.85〜6.25mmであり、厚さD2が、約0.5〜0.1mmでもよい。
なお、厚さDtは、6.35mmよりも厚くてもよいし、薄くてもよい。また、厚さD1が、6.35mm以上でもよい。また、厚さD2が、0.1mm以上でもよい。
本実施形態において、厚さD1及び厚さD2は、第1部材101の熱膨張係数及び第2部材102の熱膨張係数の一方又は両方に基づいて定められる。本実施形態においては、厚さD1と厚さD2との比率が、第1部材101の熱膨張係数及び第2部材102の熱膨張係数の一方又は両方に基づいて定められている。
また、図2に示すように、本実施形態において、XY平面内におけるマスクMの外形は、四角形である。本実施形態において、マスクMの一辺の寸法は、約15.24mmである。なお、マスクMの一辺の寸法は、15.24mmよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。なお、マスクMの外形は、例えば六角形、八角形、十二角形等の多角形でもよいし、円形でもよい。
本実施形態においては、第2面C2と外形と第3面C3の外形とは実質的に等しい。第2面C2は、第3面C3で覆われる。第3面C3は、第2面C2で覆われる。本実施形態においては、第2面C2及び第3面C3が露出しないように、第2面C2と第3面C3とが接合される。なお、第2面C2の外形と第3面C3の外形とが異なってもよい。例えば、XY平面内における第2部材102の外形(大きさ)が第1部材101の外形(大きさ)よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
パターンMpは、下面(第1面)C1の少なくとも一部に形成される。本実施形態において、パターンMpは、下面C1の中央領域ARに形成される。下面C1の周縁領域ERには、パターンMpは形成されない。周縁領域ERとは、中央領域ARの周囲の領域をいう。以下の説明において、下面C1のうち、パターンMpが形成される領域を適宜、パターン形成領域AR、と称する。
パターンMpは、遮光膜で形成される。本実施形態において、遮光膜は、例えばクロム(Cr)を含む。なお、遮光膜が、例えばタングステン(W)を含んでもよいし、モリブデンシリサイド(MoSi)を含んでもよい。なお、遮光膜の表面(下面)の少なくとも一部が、反射防止膜で覆われてもよい。
図3に示すように、本実施形態においては、マスクMが露光光ELで照明される。本実施形態において、露光光ELは、第1部材101及び第2部材102を透過可能である。すなわち、第1部材101及び第2部材102のそれぞれは、露光光ELに対して透過性である。本実施形態において、マスク基板Mbの上面C4に、露光光ELが照射される。上面C4に照射された露光光ELは、第1部材102及び第2部材102を通過して、マスク基板Mpの下面C1の少なくとも一部から射出される。下面C1にはパターンMpが形成されている。第1部材101及び第2部材102を介して、パターンMpが露光光ELで照明される。
本実施形態においては、下面C1の周縁領域ERの少なくとも一部がマスク保持部5に保持された状態で、そのマスクMに露光光ELが照射される。マスク保持部5は、下面C1が−Z方向を向き、上面C4が+Z方向を向くように、マスクMの少なくとも一部を保持する。本実施形態において、マスク保持部5は、上面C4及び下面1が実質的にXY平面と平行となるように、マスクMを保持する。
次に、本実施形態に係るマスクMの製造方法の一例について説明する。図4は、本実施形態に係るマスクMの製造方法の一例を説明するための模式図である。
図4(A)に示すように、第1部材101と第2部材102とが用意される。第2面C2及び第3面C3は、オプティカルコンタクトされるように、高い平坦度(平面度、平滑度)を有する。また、第2面C2及び第3面C3は、オプティカルコンタクトされるように、洗浄されている。
図4(B)に示すように、第1部材101の第2面C2の少なくとも一部に、第2部材102が接合される。第2面C2と第3面C3とは、オプティカルコンタクト(光学接合)される。
第2面C2と第3面C3とが接合された後、図4(C)に示すように、第1面C1及び第4面C4の少なくとも一方が、研磨装置300によって研磨される。本実施形態においては、研磨装置300による研磨処理によって、第1部材101の厚さD1及び第2部材102の厚さD2の一方又は両方が調整される。本実施形態において、厚さD1と厚さD2との比率は、第1部材101の熱膨張係数及び第2部材102の熱膨張係数の一方又は両方に基づいて定められる。また、研磨装置300による研磨処理によって、第1面C1及び第4面C4の一方又は両方の平坦度(平面度、平滑度)が調整される。
研磨処理が終了した後、図4(D)に示すように、検査装置301によって、厚さD2(厚さD2の分布)が検査される。検査装置301は、例えばレーザ変位計を含む。また、検査装置301によって、厚さD1(厚さD1の分布)が検査されてもよい。検査装置301による検査によって、厚さD1、D2の寸法が目標値(目標範囲)に達していないと判断された場合、再び研磨処理が行われてもよい。
以上により、マスク基板Mbが完成する。その後、図4(E)に示すように、マスク基板Mbの下面C1にパターンMpが形成されることによって、マスクMが完成する。
なお、パターンMpを保護するための保護部材がマスクMに設けられてもよい。保護部材は、例えばペリクルフレーム及びペリクルフィルムを含む。
本実施形態によれば、例えば図3に示す状態において、マスクMに露光光ELが照射された場合においても、その露光光ELの照射に起因するマスクMの熱変形を抑制することができる。本実施形態においては、パターンMpが形成される第1部材101の少なくとも一部に、その第1部材101とは熱膨張係数が異なる第2部材102が接合されているため、例えばZ軸方向に関するマスクMの変形を抑制することができる。
図5は、マスク基板Mbjが第1部材で形成され、第2部材を含まないマスクMJに露光光ELが照射されている状態の一例を示す模式図である。第1部材101に第2部材102が接合されない場合、図5に示すように、露光光ELの照射によって、マスクMJがZ軸方向(−Z方向)に撓むように変形する可能性がある。
本実施形態によれば、第1部材101に第2部材102が接合されているため、例えば図3に示したように、マスクMに露光光ELが照射されても、そのマスクMのZ軸方向に関する変形を抑制することができる。
本実施形態においては、第2部材102は、第1部材101よりも熱膨張係数が大きく、第1部材101は、第2部材102よりも厚い。本実施形態においては、第1部材101及び第2部材102の少なくとも一方の熱膨張係数に基づいて、第1部材101の厚さD1と第2部材D2の厚さD2との比率(D1/D2)が定められている。すなわち、本実施形態においては、マスクMに露光光ELが照射されても、Z軸方向に関するマスクMの変形が抑制されるように、第1部材101及び第2部材102の少なくとも一方の熱膨張係数に基づいて、第1部材101の厚さD1と第2部材D2の厚さD2との比率(D1/D2)が定められている。マスクMの熱変形を抑制できる厚さD1と厚さD2との比率は、例えば予備実験によって求められてもよいし、シミュレーションによって求められてもよい。
次に、本実施形態に係る露光装置EXの一例について説明する。図6は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間は、液体で満たされた部分(空間、領域)である。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
また、本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部5を有し、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ6と、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部7を有し、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ8と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)24を搭載して移動可能な計測ステージ23と、露光光ELで照明されたマスクMのパターンMpの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、マスクステージ6、基板ステージ8、及び計測ステージ23の位置を計測する計測システム16と、基板Pを搬送する搬送システム4と、基板Pに照射される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように基板Pとの間で液体LQを保持する液浸部材9と、基板Pが処理される内部空間14を形成するチャンバ装置15と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置1とを備えている。
露光装置EXは、基板処理装置CDと接続されている。本実施形態において、基板処理装置CDは、コータ・デベロッパ装置を含む。基板処理装置CDは、基板に所定の膜を形成可能な膜形成装置、及び露光後の基板Pを現像する現像装置を含む。膜形成装置は、例えば米国特許出願公開第2006/0068110号明細書等に開示されているような、感光材の溶液をスピンコーティング法に基づいて基板に塗布することによって、基板上に感光膜Rgを形成可能な塗布装置を含む。膜形成装置は、感光膜Rgのみならず、保護膜及び反射防止膜等、各種の膜を基板上に形成可能である。
本実施形態において、搬送システム4は、基板Pを、基板ステージ8(基板保持部7)と、基板処理装置CDとの間で搬送可能である。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ6は、マスク保持部5でマスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材18のガイド面18G上を移動可能である。マスクステージ6は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により、ガイド面18G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置(露光位置)を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面11を有する。射出面11は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子10に配置されている。投影領域PRは、射出面11から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面11は、−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面11は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
基板ステージ8は、基板保持部7で基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材20のガイド面20G上を移動可能である。基板保持部7は、射出面11から射出される露光光ELが照射可能な露光位置(投影領域PRの位置)において基板Pをリリース可能に保持する。基板ステージ8は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により、ガイド面20G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
本実施形態において、基板保持部7に保持された基板Pの表面と、その基板Pの周囲に配置される基板ステージ8の上面22とは、同一平面内に配置される(面一である)。上面22は、平坦である。本実施形態において、基板保持部7に保持された基板Pの表面、及び基板ステージ8の上面22は、XY平面とほぼ平行である。
なお、基板保持部7に保持された基板Pの表面と上面22とが同一平面内に配置されてなくてもよいし、基板Pの表面及び上面22の少なくとも一方がXY平面と非平行でもよい。
計測ステージ23は、計測器24(計測部材)を搭載した状態で、投影領域PRを含むベース部材20のガイド面20G上を移動可能である。計測ステージ23は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により、ガイド面20G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
図7は、本実施形態に係る液浸部材9の一例を示す側断面図である。液浸部材9は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸部材9の少なくとも一部は、射出面11から射出される露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態において、液浸部材9は、環状の部材である。本実施形態において、液浸部材9の少なくとも一部は、終端光学素子10及び露光光ELの光路の周囲に配置される。
液浸空間LSは、終端光学素子10と、終端光学素子10から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PRの位置)に配置される物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。液浸部材9は、その物体が対向可能な下面12を有する。射出面11と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように下面12と物体との間で液体LQが保持される。
本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子10の射出面11側)で投影領域PRに対して移動可能な物体であり、射出面11及び下面12と対向する位置に移動可能な物体である。本実施形態において、射出面11及び下面12と対向する位置に移動可能な物体は、基板ステージ8、基板ステージ8に保持された基板P、及び計測ステージ23の少なくとも一つを含む。
液浸部材9の下面12は、物体の表面(基板ステージ8の上面22、基板ステージ8に保持された基板Pの表面、及び計測ステージ23の上面50の少なくとも一つ)との間で液体LQを保持可能である。液浸部材9は、射出面11と物体の表面(上面)との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、下面12と物体の表面との間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成する。一方側の射出面11及び下面12と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子10と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材9の下面12と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
ここで、図7を用いる説明においては、投影領域PR(終端光学素子10及び液浸部材9と対向する位置)に基板Pが配置される場合を例にして説明する。基板Pは、デバイスを製造するための基板である。図7に示すように、基板Pは、半導体ウエハ等の基材BPと、その基材BP上に形成された感光膜Rgとを含む感光基板である。感光膜Rgは、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜Rgに加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜Rgを保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
図7に示すように、液浸部材9は、射出面11と対向する位置に開口30を有する。射出面11から射出された露光光ELは、開口30を通過して、基板Pに照射可能である。また、液浸部材9は、開口30の周囲に配置され、基板Pの表面と対向可能な平坦面21を有する。平坦面21は、基板Pの表面との間で液体LQを保持する。液浸部材9の下面12の少なくとも一部は、平坦面21を含む。
液浸部材9は、液体LQを供給可能な供給口27と、液体LQを回収可能な回収口28とを備えている。供給口27は、基板Pの露光の少なくとも一部において、液体LQを供給する。回収口28は、基板Pの露光の少なくとも一部において、液体LQを回収する。
供給口27は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面するように配置されている。供給口27は、供給流路34を介して、液体供給装置31と接続されている。液体供給装置31は、クリーンで温度調整された液体LQを送出可能である。供給流路34は、液浸部材9の内部流路、及びその内部流路と液体供給装置31とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置31から送出された液体LQは、供給流路34を介して供給口27に供給される。
回収口28は、液浸部材9の下面12と対向する基板P(物体)上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。本実施形態においては、回収口28は、平坦面21の周囲に配置されている。回収口28は、基板Pの表面と対向する液浸部材9の所定位置に配置されている。回収口28には、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材29が配置されている。なお、回収口28に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。本実施形態において、液浸部材9の下面12は、多孔部材29の下面を含む。基板Pの露光の少なくとも一部において、多孔部材29の下面は、基板Pに面する。基板P上の液体LQは、多孔部材29の孔を介して回収される。
回収口28は、回収流路35を介して、液体回収装置33と接続されている。液体回収装置33は、回収口28を真空システムに接続可能であり、回収口28を介して液体LQを吸引可能である。回収流路35は、液浸部材9の内部流路、及びその内部流路と液体回収装置33とを接続する回収管で形成される流路を含む。回収口28から回収された液体LQは、回収流路35を介して、液体回収装置33に回収される。
本実施形態においては、制御装置1は、供給口27からの液体LQの供給動作と並行して、回収口28からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子10及び液浸部材9と、他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
なお、液浸部材9として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
次に、基板Pの露光時における露光装置EXの動作の一例について説明する。搬送システム4により露光前の基板Pが基板ステージ8に搬入(ロード)された後、制御装置1は、基板ステージ8を投影領域PRに移動して、射出面11から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、液浸部材9の下面12の少なくとも一部と基板Pの表面との間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成する。
射出面11から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、終端光学素子10及び液浸部材9と基板ステージ8(基板P)との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置1は、基板Pの露光処理を開始する。基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置1は、終端光学素子10及び液浸部材9と基板ステージ8とを対向させ、終端光学素子10と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。制御装置1は、照明系ILにより露光光ELで照明されたマスクMからの露光光ELを投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して基板Pに照射する。これにより、基板Pは、マスクMからの露光光ELで露光され、マスクMのパターンMpの像が基板Pに投影される。
図8は、基板ステージ8に保持されている基板Pの平面図である。基板Pの露光において、基板Pが基板保持部7に保持される。また、基板Pに照射される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸部材9と基板Pとの間に液体LQが保持される。図8に示すように、基板P上には、露光対象領域である複数のショット領域S1〜S21がマトリクス状に設定される。また、図8に示すように、本実施形態においては、投影領域PRは、X軸方向を長手方向とするスリット状である。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pのショット領域S1〜S21の露光時において、マスクM及び基板Pは、XY平面内の所定の走査方向に移動される。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置1は、マスクMを保持したマスクステージ6(マスク保持部5)と、基板Pを保持した基板ステージ8(基板保持部7)とを、露光光ELの光路に対してY軸方向に同期移動する。制御装置1は、マスクM及び基板Pを所定の走査速度で走査方向に同期移動する。
制御装置1は、マスクステージ6及び基板ステージ8を制御して、基板Pのショット領域S1〜S21を投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明領域IRに対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、基板保持部7に保持された基板Pのショット領域S1〜S21は、投影光学系PLの射出面11から射出される露光光ELで液体LQを介して露光され、マスクMのパターンの像が基板Pのショット領域S1〜S21に投影される。
各ショット領域S1〜S21を露光するときには、制御装置1は、基板ステージ8を制御して、投影領域PR(終端光学素子10)に対して基板PをY軸方向に移動する。また、あるショット領域(例えば第1ショット領域S1)の露光が終了した後、次のショット領域(例えば第2ショット領域S2)を露光するために、制御装置1は、終端光学素子10からの露光光ELの射出を停止した状態で、投影領域PRが次のショット領域の露光開始位置に配置されるように、基板ステージ8を制御して、終端光学素子10に対して基板PをXY平面内の所定方向に移動する。
本実施形態においては、制御装置1は、投影領域PRが、図8中、例えば矢印R1に沿って移動するように、終端光学素子10と基板P(基板ステージ8)を相対的に移動しつつ、終端光学素子10の射出面11から露光光ELを射出して、投影領域PRに露光光ELを照射して、基板P上の各ショット領域S1〜S21を順次露光する。
ショット領域S21の露光処理が終了し、基板Pの露光処理が終了した後、制御装置1は、基板ステージ8から露光後の基板Pを搬出し、露光前の基板Pを基板ステージ8に搬入する。
以下、制御装置1は、上述の処理を繰り返して、複数の基板Pを順次露光する。
以上説明したように、本実施形態によれば、パターンMpが形成される第1部材101の少なくとも一部に第2部材102を接合するようにしたので、マスクMの熱変形を抑制することができる。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、露光光ELの照射に起因するマスクMの熱変形が抑制されるため、マスクMの熱変形を抑制しつつ、高強度(高照度)の露光光ELをマスクMに照射することができる。したがって、スループットの低下が抑制される。例えば、高強度(高照度)の露光光ELが照射可能なので、マスクM及び基板Pの走査速度を高速化することができるため、スループットの低下が抑制される。また、マスクMの熱変形が抑制されるので、第1の基板Pの露光終了時点(第1の基板Pのショット領域S21の露光終了時点)から、次の第2の基板Pの露光開始時点(第2の基板Pのショット領域S1の露光開始時点)までの時間を短くすることができる。すなわち、マスクMに対して露光光ELを照射しない期間(露光光ELの非照射期間)を短くすることができる。したがって、スループットの低下が抑制される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第2実施形態に係るマスクM2の一例を示す図である。マスクM2は、パターンMpが形成される第1部材101Bと、第1部材101Bに接合される第2部材102Bとを含む。本実施形態において、第2部材102Bは、第1部材101Bよりも熱膨張係数が小さい。本実施形態において、第2部材102Bは、例えば二酸化ケイ素(石英ガラス)を含む。第1部材101Bは、例えば蛍石、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、及びフッ化カリウムの少なくとも一つを含む。
本実施形態において、第1部材101Bは、第2部材102Bよりも薄い。すなわち、第1部材101Bの厚さD1bの寸法は、第2部材102Bの厚さD2bの寸法よりも小さい。
本実施形態において、第1面C1bと第2面C2bとは、実質的に平行である。第3面C3bと第4面C4bとは、実質的に平行である。
本実施形態においても、マスクM2の熱変形が抑制される。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図10は、第3実施形態に係るマスクM3の一例を示す図である。マスクM3は、パターンMpが形成される第1部材101Cと、第1部材101Cに接合される第2部材102Cとを含む。第1部材101Cは、パターンMpが形成される第1面C1cと、第1面C1cの反対方向を向く第2面C2cとを有する。第2部材102Cは、第2面C2cと接合される第3面C3cと、第3面C3cの反対方向を向く第4面C4cとを有する。
本実施形態において、第1面C1cと第2面C2cとは、非平行である。本実施形態において、第1部材101Cの厚さD1cは、下面C1cを含む面内(XY平面内)において異なる。本実施形態において、第1面C1cは、実質的に平面(平坦面)である。第2面C2cの少なくとも一部は、曲面である。本実施形態において、第2面C2cは、+Z方向に対して窪む(凹である)。
本実施形態において、第3面C3cと第4面C4cとは、非平行である。本実施形態において、第2部材102Cの厚さD2cは、上面C4cを含む面内(XY平面内)において異なる。本実施形態において、第4面C4cは、実質的に平面(平坦面)である。第3面C3cの少なくとも一部は、曲面である。本実施形態において、第3面C3cは、−Z方向に突出する(凸である)。
また、第2面C2cと第3面C3cとがオプティカルコンタクトされるように、第2面C2c及び第3面C3cそれぞれの曲率(形状)が定められる。
本実施形態においては、下面C1c(上面C4c)を含む面内(XY平面内)において、厚さD1cの寸法が厚さD2cの寸法よりも大きい部分と小さい部分との両方が存在する。なお、厚さD1cの寸法が厚さD2cの寸法よりも大きい部分が存在しなくてもよいし、小さい部分が存在しなくてもよい。
また、本実施形態において、第1面C1cと第4面C4cとは、実質的に平行である。
本実施形態において、第2部材102Cは、第1部材101cよりも熱膨張係数が大きい。なお、第2部材102Cは、第1部材101Cよりも熱膨張係数が小さくてもよい。なお、第1部材101Cの熱膨張係数と第2部材102Cの熱膨張係数とが実質的に等しくてもよい。
以上説明したように、本実施形態においても、マスクM3の熱変形が抑制される。
なお、本実施形態においては、第2面C2cが+Z方向に対して窪むこととしたが、+Z方向に突出してもよい。また、第2面C2cが、+Z方向に対して窪む部分と突出する部分との両方を有してもよい。換言すれば、第2面C2cが、凹凸面でもよい。また、第2面C2cが、異なる方向を向く複数の面を有してもよいし、角部を有してもよい。第3面C3cが第2面C2cの形状に沿った形状を有することにより、第2面C2cと第3面C3cとがオプティカルコンタクトされる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、第4実施形態に係るマスクM4の一例を示す図である。マスクM4は、パターンMpが形成される第1部材101Dと、第1部材101Dに接合される第2部材102Dとを含む。第1部材101Dは、パターンMpが形成される第1面C1dと、第1面C1dの反対方向を向く第2面C2dとを有する。第2部材102Dは、第2面C2dと接合される第3面C3dと、第3面C3dの反対方向を向く第4面C4dとを有する。
本実施形態において、第1面C1dと第2面C2dとは、実質的に平行である。第3面C3dは、第1面C1d及び第2面C2dと実質的に平行である。第4面C4dは、第3面C3dとの距離が寸法D2d1である第1領域CR1と、第2面C3dとの距離が寸法D2d1とは異なる寸法D2d2である第2領域CR2とを含む。本実施形態において、寸法D2d2は、寸法D2d1よりも大きい。なお、寸法D2d2が、寸法D2d1よりも小さくてもよい。
第2領域CR2は、第1領域CR1の周囲に配置される。第1領域CR1は、第4面C4dの中央領域を含む。第2領域CR2は、第4面C4dの周縁領域を含む。
本実施形態において、第1領域CR1は、第1面C1dと実質的に平行である。第2領域CR2は、第1面C1dと実質的に平行である。なお、第2領域CR2は、第1面C1dと非平行でもよい。
本実施形態において、露光光ELは、第1領域CR1に照射され、第2領域CR2には照射されない。第1領域CR1に照射された露光光ELは、第2部材102D及び第1部材101Dを介して、パターンMpに照射される。
本実施形態においても、マスクM4の熱変形が抑制される。
なお、本実施形態において、露光光ELが照射される第1面C1dの中央領域と第2面C2dとの距離と、露光光ELが照射されない第1面C1dの周縁領域と第2面C2dとの距離とが異なってもよい。例えば、第1面C1dの中央領域と第2面C2dとの距離が、第1面C1dの周縁領域と第2面C2dとの距離よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。また、露光光ELが照射されない第1面C1dの周縁領域が、第4面C4d(第1領域CR1)と非平行でもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、第5実施形態に係るマスクM5の一例を示す図である。マスクM5は、パターンMpが形成される第1部材101Eと、第1部材101Eの少なくとも一部に接合される第2部材102Eと、第2部材102Eの少なくとも一部に接合される第3部材103Eとを備えている。
第1部材101Eは、パターンMpが形成される第1面C1eと、第1面C1eの反対方向を向く第2面C2eとを有する。第2部材102Eは、第2面C2eと接合される第3面C3eと、第3面C3eの反対方向を向く第4面C4eとを有する。第3部材103Eは、第4面C4eと接合される第5面C5eと、第5面C5eの反対方向を向く第6面C6eとを有する。第2面C2eと第3面C3eとは、オプティカルコンタクトされる。第4面C4eと第5面C5eとは、オプティカルコンタクトされる。
本実施形態において、第1面C1eと第6面C6eとは、実質的に平行である。本実施形態において、第1面C1eと第2面C2eとは、実質的に平行である。本実施形態において、第3面C3eと第4面C4eとは、実質的に平行である。本実施形態において、第5面C5eと第6面C6eとは、実質的に平行である。なお、第1面C1eと第2面C2eとが非平行でもよいし、第3面C3eと第4面C4eとが非平行でもよいし、第5面C5eと第6面C6eとが非平行でもよい。
本実施形態において、露光光ELは、第6面C6eに照射される。第6面C6eに照射された露光光ELは、第3部材103E、第2部材102E、及び第1部材101Eを介して、パターンMpに照射される。
本実施形態においては、例えば第1部材101E、第2部材102E、及び第3部材103Eの少なくとも一つの熱膨張係数に基づいて、第1部材101Eの厚さと第2部材102Eの厚さと第3部材103Eの厚さとの比率が定められる。
本実施形態においても、マスクM5の熱変形が抑制される。
なお、本実施形態において、第1部材101Eの少なくとも一部に、第2部材102Eとは異なる部材が接合されてもよい。例えば、第1部材101Eの第1面C1eの周縁領域の少なくとも一部に、第2部材102Eとは異なる部材が接合されてもよい。また、第1面C1eの周縁領域の少なくとも一部に、第2部材102Eが接合されてもよい。
なお、上述の第1〜第5実施形態において、第1部材(101等)の第2面(C2等)に複数の第2部材(102等)が接合されてもよい。第2面に配置される接合される複数の第2部材は、間隔を開けて配置されてもよい。なお、第2面に接合される複数の第2部材の少なくとも2つが接するように配置されてもよい。また、第2部材は、プレート状でなくてもよく、例えばブロック状でもよい。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の実施形態においては、第1部材(101等)及び第2部材(102等)の少なくとも一方の熱膨張係数に基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率を定めることとした。第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率は、マスク基板Mbに形成されるパターンMpの情報に基づいて定められてもよい。
パターンMpの情報は、パターンMpの密度(パターン密度)、及びパターン形成領域ARの大きさの少なくとも一方を含む。パターン密度は、第1面(C1等)における単位面積当たりのパターンMpの割合を含む。
例えば、所定照度の露光光ELが照射されたとき、第1パターン密度のマスクMの温度と、第1パターン密度よりも大きい第2パターン密度のマスクMの温度とは、異なる可能性がある。例えば、第2パターン密度のマスクMの温度が、第1パターン密度のマスクMの温度よりも高くなる可能性がある。そのため、パターン密度に基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率を定めることによって、マスクMの熱変形が抑制される。
また、所定照度の露光光ELが照射されたとき、第1大きさのパターン形成領域ARのマスクMの温度と、第1大きさよりも大きい第2大きさのパターン形成領域ARのマスクMの温度とは、異なる可能性がある。例えば、第2大きさのパターン形成領域ARのマスクMの温度が、第1大きさのパターン形成領域ARのマスクMの温度よりも高くなる可能性がある。そのため、パターン形成領域ARの大きさに基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率を定めることによって、マスクMの熱変形が抑制される。
なお、基板Pのショット領域(S1〜S21)の大きさに基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率が定められてもよい。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態において、露光装置EXは、マスク保持部5に保持されたマスクM(マスク基板Mb)の温度調整を行う温度調整装置60を備えている。なお、以下の説明においては、マスク保持部5にマスクMが保持されている状態について説明するが、第2〜第5実施形態で説明したマスク(M2〜M5)でもよい。
温度調整装置60は、マスク保持部5に保持されているマスクMが露光光ELで照明されている期間の少なくとも一部において、マスクMの温度調整を行う。本実施形態において、温度調整装置60は、温度調整された気体をマスクMに供給して、そのマスクMの温度調整を行う。
本実施形態においては、露光光ELの照明において行われるマスクM(マスク基板Mb)の温度調整の情報に基づいて、第1部材(101等)の厚さと第2部材(102等)の厚さとの比率が定められる。温度調整の情報は、例えば温度調整装置60から供給される気体の温度を含む。また、温度調整の情報は、温度調整装置60が気体を供給する時間を含む。
例えば、所定照度の露光光ELが照射されたとき、第1温度の気体が供給されたときのマスクMの温度と、第1温度よりも高い第2温度の気体が供給されたときのマスクMの温度とは、異なる可能性がある。例えば、第2温度の気体が供給されたときのマスクMの温度が、第1温度の気体が供給されたときのマスクMの温度よりも高くなる可能性がある。そのため、温度調整装置60からマスクMに供給される気体の温度を含む温度調整の情報に基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率を定めることによって、マスクMの熱変形が抑制される。
また、所定照度の露光光ELが照射されたとき、第1時間だけ気体が供給されたときのマスクMの温度と、第1時間よりも短い第2時間だけ気体が供給されたときのマスクMの温度とは、異なる可能性がある。例えば、第2時間だけ気体が供給されたときのマスクMの温度が、第1時間だけ気体が供給されたときのマスクMの温度よりも高くなる可能性がある。そのため、温度調整装置60からマスクMに気体が供給される時間を含む温度調整の情報に基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率を定めることによって、マスクMの熱変形が抑制される。
<第8実施形態>
次に、第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の実施形態で説明したように、マスクM(マスク基板Mb)が露光光ELで照明され、そのマスクMからの露光光ELが終端光学素子10を介して基板Pに照射される。第1部材(101等)の厚さと第2部材(102等)の厚さとの比率は、露光光ELに対する基板Pの感光材(感光膜Rg)の感度に基づいて定められてもよい。
例えば、第1感度の感光膜Rgを露光するとき、第1強度(照度)の露光光ELでマスクMを照明する必要がある場合において、第1感度よりも低い第2感度の感光膜Rgを露光するとき、第1強度よりも高い第2強度の露光光ELでマスクMを照明する必要がある。その場合、第2強度の露光光ELで照明されたときのマスクMの温度が、第1強度の露光光ELで照明されたときのマスクMの温度よりも高くなる可能性がある。そのため、露光光ELに対する感光膜Rgの感度に基づいて、第1部材の厚さと第2部材の厚さとの比率を定めることによって、マスクMの熱変形が抑制される。
<第9実施形態>
次に、第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、マスクMの製造システム70の一例を示す図である。製造システム70は、通信装置71からの情報に基づいて、厚さD1の第1部材101、及び厚さD2の第2部材102を生成する生成装置72と、生成装置72からの第1部材101と第2部材102とを接合して、マスク基板Mbを製造する接合装置73とを備えている。また、製造システム70は、マスク基板MbにパターンMpを形成するパターン形成装置74を備えている。
本実施形態においては、マスクMを製造するマスクメーカー(第1の企業)が、製造システム70の少なくとも一部を保有する。本実施形態においては、マスクメーカーが、生成装置72、接合装置73、及びパターン形成装置74を保有する。なお、マスク基板Mbを製造するための生成装置72及び接合装置73を保有するメーカーと、マスク基板MbにパターンMpを形成するパターン形成装置74を保有するメーカーとが異なってもよい。また、生成装置72を保有するメーカーと、接合装置73を保有するメーカーとが異なってもよい。
本実施形態においては、デバイスを製造するデバイスメーカー(第2の企業)が、露光装置EXを保有する。デバイスメーカーは、露光装置EXのユーザーであり、その露光装置EXを用いてデバイスを製造する。また、本実施形態において、デバイスメーカーは、基板処理装置CDも保有する。
通信装置71は、マスクメーカーとデバイスメーカーとの間で情報を通信可能である。 本実施形態において、通信装置71は、ネットワークを含む。ネットワークは、有線通信による通信網でもよいし、無線通信による通信網でもよい。本実施形態において、ネットワークは、インターネットを含む。マスクメーカーとデバイスメーカーとは、インターネットを介してつながっている。マスクメーカーが有するコンピュータ(サーバ)75、及びデバイスメーカーが有するコンピュータ(サーバ)76が、インターネットに接続される。なお、通信装置71が、マスクメーカーとデバイスメーカーとで情報を通信可能な専用線を含んでもよい。
コンピュータ75、76は、記憶装置を有する。記憶装置は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置には、コンピュータ75、76を制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。コンピュータ75、76の記憶装置には、プログラムが記憶されている。
本実施形態において、マスクメーカーは、通信装置71を介して、デバイスメーカーから送信された情報を受信可能である。本実施形態において、マスクメーカーは、デバイスメーカーから送信され、通信装置71を介して取得したデバイスメーカーの情報に基づいて、マスクMを製造する。
通信装置71からの情報は、マスク基板Mbに形成されるパターンMpの情報を含む。パターンMpの情報は、パターン密度、及びパターン形成領域ARの大きさの少なくとも一方を含む。
マスクメーカーは、通信装置71からの情報に基づいて、第1部材101の厚さD1と第2部材102の厚さD2との比率を定める。第1部材101と第2部材102とは、熱膨張係数が異なる。これにより、マスクメーカーにおいて、熱変形が抑制されるマスクMが製造される。マスクメーカーで製造されたマスクMは、デバイスメーカーに提供される。デバイスメーカーは、そのマスクMを用いて露光処理を行い、デバイスを製造することができる。
なお、デバイスメーカーの露光装置EXが、例えば図13を参照して説明したような温度調整装置60を有する場合、通信装置71からの情報が、露光光ELの照明において行われるマスクM(マスク基板Mb)の温度調整の情報を含んでもよい。温度調整の情報は、例えば温度調整装置60から供給される気体の温度、及び温度調整装置60が気体を供給する時間の少なくとも一方を含む。
なお、通信装置71からの情報が、露光光ELに対する基板Pの感光材(感光膜Rg)の感度を含んでもよい。
なお、通信装置71からの情報が、露光光ELの非照射期間を含んでもよい。
なお、コンピュータ75の記憶装置に記録されているプログラムが、製造システム70に、通信装置71からの情報に基づいて、厚さD1の第1部材101、及び厚さD2の第2部材102を生成することと、生成された第1部材101と第2部材102とを接合して、マスク基板Mbを製造することと、を実行させてもよい。また、コンピュータ75の記憶装置に記録されているプログラムが、製造システム70に、マスク基板MbにパターンMpを形成することを実行させてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第1部材の熱膨張係数と第2部材の熱膨張係数とが異なることとしたが、第1部材の熱膨張係数と第2部材の熱膨張係数とが実質的に等しくてもよい。第1部材の熱膨張係数と第2部材の熱膨張係数とが実質的に等しくても、例えば第1部材の第2面の少なくとも一部に第2部材を接合することによって、マスクMの熱変形が抑制される。例えば、XY平面内における大きさが第1部材とは異なる第2部材を第1部材に接合したり、形状が第1部材とは異なる第2部材を第1部材に接合したりすることによって、マスクMの熱変形が抑制される。
また、上述の各実施形態においては、第1部材の厚さと第2部材の厚さとが異なることとしたが、第1部材の厚さと第2部材の厚さとが実質的に等しくてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第1部材と第2部材とがオプティカルコンタクトされることとしたが、例えば接着剤で接合されてもよい。また、例えば石英ガラスからなる第1部材上においてフッ化カルシウム(蛍石)の結晶を成長させることによって、第1部材上に第2部材を設けてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子10の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子19の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系PLを採用することができる。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQとして水を用いているが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、図15に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ8A、8Bを備えている場合、射出面11と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの基板保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの基板保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
なお、上述の各実施形態において、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
上述の実施形態の露光装置EXは、各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、上述の実施形態においては、露光装置EXが、液体LQを介して基板Pを露光する液浸露光装置であることとしたが、液体を介さずに(気体を介して)基板Pを露光するドライ型露光装置でもよい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。露光シーケンス及びメンテナンスシーケンスは、例えば基板処理ステップ204において実行される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
5…マスク保持部、70…製造システム、71…通信装置、72…生成装置、73…接合装置、74…パターン形成装置、101…第1部材、102…第2部材、C1…第1面、C2…第2面、C3…第3面、C4…第4面、EL…露光光、EX…露光装置、M…マスク、Mb…マスク基板、Mp…マスクパターン、P…基板

Claims (33)

  1. マスクパターンが形成される第1部材と、
    前記第1部材の少なくとも一部に接合され、前記第1部材とは熱膨張係数が異なる第2部材と、を備えるマスク基板。
  2. 前記第1部材は、前記マスクパターンが形成される第1面、及び前記第1面の反対方向を向く第2面を有し、
    前記第2部材は、前記第2面の少なくとも一部に接合される請求項1に記載のマスク基板。
  3. マスクパターンが形成される第1面、及び前記第1面の反対方向を向く第2面を有する第1部材と、
    前記第2面の少なくとも一部に接合される第2部材と、を備えるマスク基板。
  4. 前記第1部材及び前記第2部材は、プレート状である請求項1〜3のいずれか一項に記載のマスク基板。
  5. 前記1部材と前記第2部材とは、厚さが異なる請求項4に記載のマスク基板。
  6. 前記第2部材は、前記第1部材よりも熱膨張係数が大きく、
    前記第1部材は、前記第2部材よりも厚い請求項4又は5に記載のマスク基板。
  7. 前記第2部材は、前記第1部材よりも熱膨張係数が小さく、
    前記第1部材は、前記第2部材よりも薄い請求項4又は5に記載のマスク基板。
  8. 前記第1部材と前記第2部材とは、オプティカルコンタクトされる請求項1〜7のいずれか一項に記載のマスク基板。
  9. 前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方に接合される第3部材を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載のマスク基板。
  10. 前記第1部材は、二酸化ケイ素を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のマスク基板。
  11. 前記第2部材は、蛍石、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、及びフッ化リチウムの少なくとも一つを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のマスク基板。
  12. 前記第1部材及び前記第2部材を介して、前記マスクパターンが露光光で照明される請求項1〜11のいずれか一項に記載のマスク基板。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のマスク基板と、
    前記マスク基板に形成されたマスクパターンと、を備えるフォトマスク。
  14. 請求項13に記載のフォトマスクを露光光で照明することと、
    前記フォトマスクからの露光光で感光基板を露光することと、を含む露光方法。
  15. 請求項14に記載の露光方法を用いて感光基板を露光することと、
    露光された前記感光基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  16. マスクパターンが形成される第1部材の少なくとも一部に、前記第1部材とは熱膨張係数が異なる第2部材を接合することを含むマスク基板の製造方法。
  17. 前記第1部材は、前記マスクパターンが形成される第1面、及び前記第1面の反対方向を向く第2面を有し、
    前記第2部材は、前記第2面の少なくとも一部に接合される請求項16に記載のマスク基板の製造方法。
  18. マスクパターンが形成される第1面及び前記第1面の反対方向を向く第2面を有する第1部材の前記第2面に、第2部材を接合することを含むマスク基板の製造方法。
  19. 前記第1部材及び前記第2部材は、プレート状である請求項16〜18のいずれか一項に記載のマスク基板の製造方法。
  20. 前記1部材と前記第2部材とは、厚さが異なる請求項19に記載のマスク基板の製造方法。
  21. 前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方の熱膨張係数に基づいて、前記第1部材の厚さと前記第2部材の厚さとの比率が定められる請求項19又は20に記載のマスク基板の製造方法。
  22. 前記マスク基板に形成される前記マスクパターンの情報に基づいて、前記第1部材の厚さと前記第2部材の厚さとの比率が定められる請求項19又は20に記載のマスク基板の製造方法。
  23. 前記マスクパターンの情報は、前記マスクパターンの密度、及び前記マスクパターンの形成領域の大きさの少なくとも一方を含む請求項22に記載のマスク基板の製造方法。
  24. 前記マスク基板が露光光で照明され、
    前記露光光の照明において行われる前記マスク基板の温度調整の情報に基づいて、前記第1部材の厚さと前記第2部材の厚さとの比率が定められる請求項19又は20に記載のマスク基板の製造方法。
  25. 前記マスク基板が露光光で照明され、前記マスク基板からの前記露光光が光学部材を介して感光基板に照射され、
    前記露光光に対する前記感光基板の感光材の感度に基づいて、前記第1部材の厚さと前記第2部材の厚さとの比率が定められる請求項19又は20に記載のマスク基板の製造方法。
  26. 請求項16〜25のいずれか一項に記載のマスク基板の製造方法でマスク基板を製造することと、製造された前記マスク基板にマスクパターンを形成することと、を含むフォトマスクの製造方法。
  27. 通信装置からの情報に基づいて、第1厚さの第1部材、及び第2厚さの第2部材を生成する生成装置と、
    前記生成装置からの前記第1部材と前記第2部材とを接合して、マスク基板を製造する接合装置と、を備える製造システム。
  28. 前記通信装置からの情報は、前記マスク基板に形成されるマスクパターンの情報を含む請求項27に記載の製造システム。
  29. 前記マスクパターンの情報は、前記マスクパターンの密度、及び前記マスクパターンの形成領域の大きさの少なくとも一方を含む請求項28に記載の製造システム。
  30. 前記マスク基板が露光光で照明され、
    前記通信装置からの情報は、前記露光光の照明において行われる前記マスク基板の温度調整の情報を含む請求項27に記載の製造システム。
  31. 前記マスク基板が露光光で照明され、前記マスク基板からの前記露光光が光学部材を介して感光基板に照射され、
    前記通信装置からの情報は、前記露光光に対する前記感光基板の感光材の感度を含む請求項27に記載の製造システム。
  32. 前記第1部材と前記第2部材とは、熱膨張係数が異なる請求項27〜31のいずれか一項に記載の製造システム。
  33. 前記マスク基板にマスクパターンを形成するパターン形成装置を備える請求項27〜32のいずれか一項に記載の製造システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016180798A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 アルバック成膜株式会社 マスクブランクス、フォトマスク、その製造方法

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