JP2013127287A - Vベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置 - Google Patents

Vベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】イナーシャトルクが発生する制動時に、プーリによるVベルトの挟圧力が、低μ路、緩制動時に、ベルトスリップ防止用の値に対し過剰になることのないようにする。
【解決手段】左端に示すプライマリプーリ入力トルクTpから、中央左寄りブロック内に示す高μ路基準イナーシャトルクTin_FHを差し引くことで、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHを、中央右寄りブロック内に示すように求める。上記のTpから、中央左寄りブロック内に示す低μ路基準イナーシャトルクTin_FLを差し引くことで、低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLを、中央右寄りブロック内に示すように求める。中央右寄りブロック内にある高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHおよび低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLのうち、絶対値の大きな方(Tbelt_FH)を選択し、これを、右端に示すように最終的なベルト伝達トルクTbeltと定めて、ベルト挟圧力制御に資する。
【選択図】図6

Description

本発明は、Vベルト式無段変速機に関し、特に、当該無段変速機のプーリV溝を画成するシーブ間でのVベルトの挟圧力を適切に制御するための装置に係わる。
Vベルト式無段変速機は、入力側のプライマリプーリおよび出力側のセカンダリプーリ間にVベルトを掛け渡して、エンジンやモータなどの動力源からの回転を伝達可能に構成する。
この伝動中に変速を行い得るようにするため、プライマリプーリおよびセカンダリプーリをそれぞれ、プーリV溝を形成する一方の固定シーブに対し他方の可動シーブが個々に軸線方向へストロークし得るように構成する。
変速に当たっては、これらプーリのうち一方のプーリの可動シーブを、対応する固定シーブに対し接近または遠ざかる軸線方向へストローク制御し、他方のプーリの可動シーブを、対応する固定シーブに対し遠ざかる軸線方向または接近する軸線方向へストローク制御することで、両プーリ間のプーリ回転比を目標変速比相当値に向け無段階に変化させ、これにより無段変速を行わせる。
一方でVベルト式無段変速機は、上記の動力伝達が可能となるよう軸線方向対向シーブ間でのVベルトの挟圧力を適切に制御する必要がある。
ベルト挟圧力が不足すると、Vベルトとプーリ(対向シーブ)との間にスリップを生じて、伝動効率が悪くなったり、Vベルトやプーリ(対向シーブ)が接触部において損傷する虞があり、ベルト挟圧力が過大だと、当該過大分の油圧を発生させる必要があって、エネルギー損失を招く。
そこで通常は、ベルト挟圧力が変速機への入力トルクに応じたものとなるよう制御するのが普通である。
しかし、変速機の出力回転を減速させる制動時は、変速機への入力トルクに加えて、この減速によるイナーシャトルクもVベルトに及ぶため、制動状態によってはVベルトがベルト挟圧力の不足によってスリップする虞がある。
この問題解決のため従来、例えば特許文献1に記載のように、制動時はベルト挟圧力を一律に増大させ、これによりVベルトがスリップすることのないようにする技術が提案されている。
しかし、制動時にベルト挟圧力を一律に増大させてベルトスリップの発生を防止するのでは、Vベルト式無段変速機の効率が悪化して、ハイブリッド車両のように回生制動との協調により制動を行う車両の場合、エネルギーの回生量を稼ぐことができなくなり、結果としてエネルギー効率の低下、ひいては燃費の悪化を招く。
従って、上記のイナーシャトルクが発生する制動時であっても、ベルト挟圧力は、Vベルトの伝達トルクに符合した過不足のないものであることが肝要である。
そこで従来、特許文献2に記載のごとく、制動時のベルト挟圧力制御技術として、制動時のイナーシャトルクがブレーキユニットと変速機入力軸との間における伝動系の回転イナーシャに変速機回転数の時間変化割合を乗じたものであることから、これら回転イナーシャおよび回転変化に基づきイナーシャトルクを求め、これに応じてベルト挟圧力を通常値から補正する技術も提案されている。
実開平04−074767号公報 特開昭61−132429号公報
しかし、特許文献2所載の制動時ベルト挟圧力制御技術を含めて、従来の制動時ベルト挟圧力制御技術はいずれも、路面摩擦係数(以下、路面μと称し、摩擦係数が大きな路面を高μ路と呼び、摩擦係数が小さな路面を低μ路と呼ぶ)に応じた制動時ベルト挟圧力制御に際し、普段は高μ路であることを前提にして制動時ベルト狭圧力制御を行い、低μ路進入時においては高μ路と比較して大きなイナーシャトルクの入力(回転変化)が発生したのを受けて制動時ベルト狭圧力制御を行うことにしていたため、ベルト狭圧力制御の応答遅れが大きくなるのを避けられず、この応答遅れの間にVベルトがスリップして回生制動によるエネルギー回収の低下を招く虞があった。
かかる応答遅れ中のベルトスリップを防止するために従来の場合、常に、最も条件の厳しい低μ路、急制動時のイナーシャトルクの入力を前提として制動時ベルト狭圧力制御を行わざるを得なかった。
そのため従来の場合、イナーシャトルクが比較的小さい高μ路において必要以上のベルト狭圧力をVベルトにかけることとなり、また低μ路であってもイナーシャトルクが比較的小さい緩制動時においては必要以上のベルト狭圧力をVベルトにかけることになる。
かかる必要以上のベルト狭圧力は、Vベルト式無段変速機の効率を悪化させ、更にハイブリッド車両のように回生制動との協調により制動を行う車両の場合、エネルギーの回生量を稼ぐことが困難になり、結果としてエネルギー効率の低下、ひいては燃費の悪化を招く。
本発明は、上記の問題に鑑み、制動時における路面μの高低にかかわらず、Vベルトのスリップが、過不足のない適切なベルト挟圧力により防止され得るようにしたベルト挟圧力制御装置を提案し、
もって上記従来技術の問題、つまり高μ路制動時や低μ路緩制動時においてベルト狭圧力が過剰になるという問題を解消することを目的とする。
この目的のため、本発明によるVベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず、本発明の前提となるVベルト式無段変速機を説明するに、これは、
プーリ間にVベルトを掛け渡して動力伝達可能に構成され、該プーリのV溝を画成する対向シーブのうち、一方の可動シーブを他方の固定シーブに対し軸線方向へ変位させることで無段変速が可能であり、前記対向シーブ間でのVベルト挟圧力をVベルトのベルト伝達トルクに応じ決定するようにしたものである。
本発明のベルト挟圧力制御装置は、かかるVベルト式無段変速機に対し、以下のような制動力演算手段と、高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段と、低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段と、ベルト伝達トルク選択手段とを設けた構成に特徴づけられる。
制動力演算手段は、変速機出力回転を減速させる制動力を演算するもので、また、
高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段は、該制動力に基づいて演算した変速機入力軸上の高μ路時におけるイナーシャトルクおよび変速機入力軸への入力トルクから高μ路基準のベルト伝達トルクを演算するものである。
低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段は、前記制動力に基づいて演算した変速機入力軸上の低μ路時におけるイナーシャトルクおよび変速機入力軸への入力トルクから低μ路基準のベルト伝達トルクを演算するもので、また、
ベルト伝達トルク選択手段は、前記演算された高μ路基準ベルト伝達トルクおよび低μ路基準ベルト伝達トルクのうち、絶対値の大きなベルト伝達トルクを選択して前記のVベルト挟圧力制御に資するものである。
かかる本発明によるVベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置によれば、
制動力に基づいて演算した高μ路基準ベルト伝達トルクおよび低μ路基準ベルト伝達トルクのうち、絶対値の大きなベルト伝達トルクに応じVベルト挟圧力を決定するため、以下の効果を奏し得る。
つまり、制動力に基づいて演算した高μ路基準ベルト伝達トルクおよび低μ路基準ベルト伝達トルクのうち、絶対値の大きなベルト伝達トルクに応じVベルト挟圧力を決定するため、
路面μに応じてベルト伝達トルクが変化しても、常に絶対値が大きい方の高μ路基準ベルト伝達トルクまたは低μ路基準ベルト伝達トルクがVベルト挟圧力制御に供されることとなる。
このため、制動時における路面μの高低にかかわらず、Vベルトのスリップを、過不足のない適切なベルト挟圧力により防止することができ、
高μ路制動時や低μ路緩制動時においてベルト狭圧力が過剰になるのを防止し得て、この過剰なベルト狭圧力でVベルト式無段変速機の効率が悪化するという前記の問題や、回生制動によるエネルギー回生量が少なくなって燃費の悪化を招くという前記の問題を解消することができる。
本発明の第1実施例になるベルト挟圧力制御装置を具えたVベルト式無段変速機搭載車のパワートレーンを、その制御系と共に略示するシステム図である。 図1における変速機コントローラが実行するベルト挟圧力制御の機能別ブロック線図である。 図2におけるベルト伝達トルク算出部の詳細を示す機能別ブロック線図である。 図3の機能別ブロック線図を制御プログラムとして示した、ベルト伝達トルク算出要領のフローチャートである。 図3,4のベルト伝達トルク算出要領を、低μ路で急制動が行われた場合につき示す機能説明用の棒グラフである。 図3,4のベルト伝達トルク算出要領を、低μ路で緩制動が行われた場合につき示す機能説明用の棒グラフである。 図1におけるVベルト式無段変速機の推力比マップを例示する特性線図である。 図1におけるVベルト式無段変速機の変速線を示す変速パターン図である。 本発明の第2実施例になるベルト挟圧力制御装置のベルト伝達トルク算出部を示す、図3と同様な機能別ブロック線図である。 本発明の第3実施例になるベルト挟圧力制御装置のベルト伝達トルク算出要領を、図6と同じ条件のもと、低μ路で緩制動が行われた場合につき示す機能説明用の棒グラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になるベルト挟圧力制御装置を具えたVベルト式無段変速機搭載車(ハイブリッド車両)のパワートレーンを、その制御系と共に略示するもので、1は、Vベルト式無段変速機(CVT)を示す。
このVベルト式無段変速機1はプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3を、両者のプーリV溝が軸直角面内に整列するよう配して具え、これらプーリ2,3のV溝に無終端Vベルト4を掛け渡して概ね構成する。
プライマリプーリ2に同軸に第1動力源としてのエンジン5を配置し、このエンジン5およびプライマリプーリ2間に、エンジン5の側から順に第1クラッチC1、第2動力源としてのモータ/ジェネレータ6、および第2クラッチCL2を、同軸に配置して介在させる。
モータ/ジェネレータ6は、固定の円環状ステータ6sと、その内部に同心に配置されて回転可能なロータ6rと、該ロータ6rの中心に貫通して固設したロータ軸6hとから成り、電動モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するものとする。
第1クラッチC1は、モータ/ジェネレータ6(ロータ軸6h)およびエンジン5(エンジンクランクシャフト5a)間を切り離し可能に結合するものとする。
ここで第1クラッチC1は、伝達トルク容量を連続的もしくは段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的もしくは段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
第2クラッチC2は、モータ/ジェネレータ6(ロータ軸6h)およびプライマリプーリ2(プライマリプーリシャフト2s)間を切り離し可能に結合するものとする。
第2クラッチC2も第1クラッチC1と同様、伝達トルク容量を連続的もしくは段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的もしくは段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
セカンダリプーリ3は、中間歯車組7、終減速歯車組8およびディファレンシャルギヤ装置9を順次経て左右駆動車輪(前輪)11に駆動結合する。
上記した図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチCL1を解放し、第2クラッチCL2を締結する。
この状態でモータ/ジェネレータ6を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ6からの出力回転のみがプライマリプーリ2に達することとなり、Vベルト式無段変速機1は当該プライマリプーリ2への回転をVベルト4によりセカンダリプーリ3に伝達し、セカンダリプーリ3の回転がその後、中間歯車組7、終減速歯車組8およびディファレンシャルギヤ装置9を経て左右駆動車輪(前輪)11に至り、車両をモータ/ジェネレータ6のみによる電気走行(EV)モードで走行させることができる。
高速走行時や大負荷走行時などで用いられるハイブリッド走行(HEV)モードが要求される場合、第2クラッチC2を締結したまま、第1クラッチC1をも締結させる。
この状態では、エンジン5からの出力回転およびモータ/ジェネレータ6からの出力回転の双方がプライマリプーリ2に達することとなり、Vベルト式無段変速機1は当該プライマリプーリ2への回転をVベルト4によりセカンダリプーリ3に伝達し、セカンダリプーリ3の回転がその後、中間歯車組7、終減速歯車組8およびディファレンシャルギヤ装置9を経て左右駆動車輪(前輪)11に至り、車両をエンジン5およびモータ/ジェネレータ6の双方によるハイブリッド走行(HEV)モードで走行させることができる。
かかるHEVモード走行中において、エンジン5を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ6を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、
この発電電力をモータ/ジェネレータ6のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
上記の走行中(Vベルト式無段変速機1の動力伝達中)にプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3間におけるプーリ回転比(変速比)を変更可能にするため、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3のV溝を形成する対向シーブのうち一方を固定シーブ2a,3aとし、他方のシーブ2b,3bを軸線方向へ変位可能な可動シーブとする。
これら可動シーブ2b,3bの背面にはそれぞれ油圧シリンダ2c,3cを設け、これら油圧シリンダ2c,3cに、後述のごとく指令されるプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psを供給することにより、対応するプーリ推力で可動シーブ2b,3bを固定シーブ2a,3aに向かう軸線方向に附勢する。
これによりVベルト4を対向シーブ2a,2b間および3a,3b間に挟圧して、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3間での前記動力伝達を可能にする。
そして、指令するプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psの変更によりプライマリプーリ2の可動シーブ2bを固定シーブ2aに対し接近させてプーリV溝幅を狭くすると同時に、セカンダリプーリ3の可動シーブ3bを固定シーブ3aから遠ざけてプーリV溝幅を広くするにつれ、
無終端Vベルト4は、プライマリプーリ2に対する巻き掛け径を増大されると共に、セカンダリプーリ3に対する巻き掛け径を小さくされ、無段変速機1は最ロー変速比選択状態から最ハイ変速比選択状態に向け無段変速下にアップシフト可能である。
指令するプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psの逆方向への変更により、プライマリプーリ2の可動シーブ2bを固定シーブ2aから遠ざけてプーリV溝幅を広くすると同時に、セカンダリプーリ3の可動シーブ3bを固定シーブ3aに対し接近させてプーリV溝幅を狭くするにつれ、
無終端Vベルト4は、プライマリプーリ2に対する巻き掛け径を小さくされると共に、セカンダリプーリ3に対する巻き掛け径を増大され、無段変速機1は最ハイ変速比選択状態から最ロー変速比選択状態に向け無段変速下にダウンシフト可能である。
なお変速比ipは、プライマリプーリ回転数Npをセカンダリプーリ回転数Nsにより除算した値(ip=Np/ Ns)で、ロー側変速比ほど大きな値となる。
エンジン5は、エンジンコントローラ21により通常通りに制御され、モータ/ジェネレータ6は、第1クラッチC1および第2クラッチC2と共に、ハイブリッドコントローラ22により前記したモード選択と所定のモータ駆動力調整が行われるよう制御されるものとする。
またVベルト式無段変速機1は、変速機コントローラ23から指令されるプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psによりコントロールバルブボディー24を介して、上記の変速が行われるよう、そして本発明が狙いとする後述のベルト挟圧力調整が行われるよう制御されるものとする。
これらコントローラ21〜23間で相互に内部情報をやり取りし合うほか、
エンジン5の要求負荷であるアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ25からの情報、運転者が操作するVベルト式無段変速機1のセレクトレバー位置(P,R,N,Dレンジ)を検出するインヒビタスイッチ26からの情報、プライマリプーリ2の回転数Npを検出するプライマリ回転センサ27からの情報、セカンダリプーリ3の回転数Nsを検出するセカンダリ回転センサ28からの情報、およびVベルト式無段変速機1の作動油温Tempを検出する油温センサ29からの情報をもやり取りし合うものとする。
なおコントロールバルブボディー24は、モータ/ジェネレータ6のロータ軸6hにより駆動されるオイルポンプ31からの作動油をライン圧ソレノイド32で調圧して得られたライン圧PLを供給され、このライン圧PLを元圧としてVベルト式無段変速機1の変速制御およびベルト挟圧力制御を行うものである。
そのためコントロールバルブボディー24はプライマリプーリ圧ソレノイド24pおよびセカンダリプーリ圧ソレノイド24sを内蔵する。
プライマリプーリ圧ソレノイド24pは、変速機コントローラ23から指令されたプライマリプーリ圧Ppに応動し、ライン圧PLを当該プライマリプーリ圧Ppに調圧してプライマリプーリ2の油圧シリンダ2cへ供給する。
セカンダリプーリ圧ソレノイド24sは、変速機コントローラ23から指令されたセカンダリプーリ圧Psに応動し、ライン圧PLを当該セカンダリプーリ圧Psに調圧してセカンダリプーリ3の油圧シリンダ3cへ供給する。
図1におけるハイブリッド車両は更に、ブレーキペダル41、ブレーキ液圧ブースタ42、マスターシリンダ43およびホイールシリンダ44からなる液圧ブレーキ装置を具え、このブレーキ装置により車輪11を制動して車両の減速および停車が可能なものである。
また図1におけるハイブリッド車両は、VDCコントローラ45を主たる構成要素とする車両挙動制御装置をも具え、ブレーキペダル41の踏み込みストロークStrokeを検出するストロークセンサ46からの情報、および図示せざるセンサで検出した操舵情報や車輪速情報および車両挙動情報を基に、上記の液圧ブレーキ装置を介した自動的な各輪制動制御による車両挙動制御や、車輪制動スリップ防止用のアンチスキッド制御(ABS制御)を遂行されるものとする。
変速機コントローラ23は、VDCコントローラ45から、ブレーキストロークStrokeに関する情報を取得し、後述するベルト挟圧力制御に用いる。
<変速制御およびベルト挟圧力制御>
Vベルト式無段変速機1の変速制御は、Vベルト4のスリップを防止しつつ目標変速比Dip(後で詳述する)を実現するよう、後述のごとくに制御したプライマリプーリ圧Ppと、セカンダリプーリ圧Psとにより、両プーリ2,3のV溝幅を決定すると共に、プーリシーブ2a,2b間および3a,3b間でのVベルト4の挟圧力を決定して遂行する。
これらプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psの制御指令を求めるため変速機コントローラ23は、図1につき前述した各種の入力情報を基に図2〜6につき以下に説明する処理を行い、目標とするプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psをそれぞれ図1に示すごとくプーリ圧指令としてコントロールバルブボディー24内における対応するソレノイド24p,24sに供給する。
ソレノイド24p,24sはそれぞれ、これらプーリ圧指令に応動して、目標である上記演算値通りのプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psを油圧シリンダ2c,3cに向かわせ、これらを基にVベルト式無段変速機1が所定の伝動作用および変速制御を行う。
図2〜6の処理を説明する前に、先ず、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3の推力(固定シーブ2a,3aに向かう方向への可動シーブ2b,3bの押し付け力、つまりベルト挟圧力)について、その設定方法を説明する。
なお以下では、油圧シリンダ2cがプライマリプーリ2に加える推力をプライマリ推力と称することとし、また油圧シリンダ3cがセカンダリプーリ3に加える推力をセカンダリ推力と称することにする。
最初に滑り限界推力について説明するに、プライマリ推力およびセカンダリ推力の少なくとも一方が、Vベルト4のベルト伝達トルクに応じた基準推力を下回ると、実質的なスリップが発生し、Vベルト4およびプーリ2,3間における摩擦面の損耗による表面状態の悪化でVベルト4の耐久性が損なわれる虞がある。
そこで、Vベルト4およびプーリ2,3間でトルクを伝達するときに、実質的な滑りを発生させないために必要な基準推力を滑り限界推力と称する。
なお、ここで「実質的な滑り」と称するは、Vベルト4は正常なトルク伝達中もプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に対してそれぞれ極微小な滑りを生じており、滑りが0になることがないからである。
従って、以下「実質的な滑り」は、トルク伝達に支障を来すようなVベルト4のスリップを意味するものとする。
プライマリプーリ2およびVベルト4間と、セカンダリプーリ3とVベルト4との間の双方で滑りが発生しないようにするためには、プライマリ推力およびセカンダリ推力をともに滑り限界推力よりも大きくする必要がある。
次いでバランス推力について説明するに、バランス推力とは、目標変速比Dipを実現するためのプライマリ推力およびセカンダリ推力間の推力比を満たすプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3の推力である。
なお推力比とは、プライマリ推力Fpとセカンダリ推力Fsとの比(Fp/Fs)である。
プライマリプーリ2への入力トルクTpがゼロ、すなわちエンジン無負荷状態では、プライマリ推力Fpとセカンダリ推力Fsとを同等にすると変速比ip(プーリ回転比)は、ip=1となる。
プライマリ推力Fpをセカンダリ推力Fsよりも小さくすると、変速比ipはロー側の変速比になり、プライマリ推力Fpをセカンダリ推力Fsよりも大きくすると、変速比ipはハイ側の変速比になる。
プライマリプーリ2への入力トルクTpが正、すなわちVベルト4にエンジン負荷がかかる状態では、プライマリプーリ側のベルト入口の張力が、ベルト出口の張力より大きいことに基因して、プライマリ巻き付き半径が小さくなろうとする。
そのためプライマリ入力トルクTpが正であるときは、エンジン無負荷状態のときよりも、より大きなプライマリ推力が必要である。
したがって、目標変速比Dipを実現するために、プライマリ推力Fpおよびセカンダリ推力Fsは、それぞれ目標変速比DipやVベルト4にかかる負荷の状態により定まる推力比Fp/Fsを実現するようなバランス推力とする必要がある。
セカンダリ推力Fsおよびプライマリ推力Fpは、Vベルト4の滑りを起こさず、かつ目標変速比Dipを実現するために、それぞれが滑り限界推力よりも大きく、かつバランス推力となるように設定する必要がある。
ここで、滑り限界推力Fmin (滑り限界セカンダリ推力Fs_minおよび滑り限界プライマリ推力Fp_min)は、一般的に次式(1)で表される。
Fmin=Fs_min=Fp_min=|Tp|cosα/2μRp ・・・(1)
ただし、α:プーリシーブ角
μ:Vベルトおよびプーリ間の摩擦係数
Rp:プライマリプーリへのベルト巻き付き半径
また滑り限界セカンダリ推力Fs_minは、次式(2)によっても表すことができる。
Fs_min=|Ts|cosα/2μRs ・・・(2)
ただし、Ts:セカンダリプーリへの入力トルク
Rs:セカンダリプーリへのベルト巻き付き半径
通常、変速比ipと、プライマリプーリ入力トルクTpと、セカンダリプーリ入力トルクTsとの間には、次式(3)の関係式が成り立つ。
Ts=Tp×ip ・・・(3)
また、変速比ipと、プライマリプーリ2へのVベルト4の巻き付き半径Rpと、セカンダリプーリ3へのVベルト4の巻き付き半径Rsとの間には、次式(4)の関係式が成り立つ。
Rs=Rp×ip ・・・(4)
以上の関係から、式(1)と式(2)とは同等であり、セカンダリ滑り限界推力Fs_minとプライマリ滑り限界推力Fp_minとは、同じとすることができる。
部品の製造誤差などがあっても確実にVベルト4の滑りを回避するには、滑り限界推力を式(1)で得られる値よりも少し大きな値にするのが望ましい。
バランスセカンダリ推力Fsおよびバランスプライマリ推力Fpは、一般に、図7に示した推力比マップから求まる。
この図7において横軸は、Vベルト4の伝達トルク容量(Tbelt_max)に対するプライマリプーリ入力トルクTpの割合で表される入力トルク比(Tp/ Tbelt_max)を目盛ったものである。
ここでベルト伝達トルク容量(Tbelt_max)とは、Vベルト4が滑ることなくプライマリプーリ2からセカンダリプーリ3へ伝達可能な最大トルクのことを言い、換言すれば、ベルト伝達トルク容量は、式(1)から逆算される実際のセカンダリ推力Fsおよびプライマリ推力Fpのうち、低いほうを滑り限界推力としたときに、プライマリプーリ2へ入力されるトルク(実際のセカンダリ推力・プライマリ推力に対してVベルトの滑りを起こさない最大のプライマリプーリへの入力トルク)である。
図7における縦軸は、目標変速比Dipごとのバランスセカンダリ推力Fsに対するバランスプライマリ推力Fpの割合、すなわち推力比(Fp/Fs)を目盛ったものである。
以上からVベルト4の滑りを防止したうえで目標変速比Dipを実現するには、推力比(Fp/Fs)が1以上の領域では、セカンダリ推力Fsを少なくとも滑り限界推力Fminに設定するとともに、かかるセカンダリ推力Fsのもとでバランス推力になるようにプライマリ推力Fpを設定する必要がある。
一方、推力比(Fp/Fs)が1未満の領域では、プライマリ推力Fpを少なくとも滑り限界推力Fminに設定するとともに、かかるプライマリ推力Fpのもとでバランス推力になるようにセカンダリ推力Fsを設定する必要がある。
従って、まずセカンダリ推力Fsおよびプライマリ推力Fpの両方を滑り限界推力Fminよりも大きくする。
そして、プライマリ推力Fpとセカンダリ推力Fsとの比が、図7から求めた上記の推力比(Fp/Fs)となるのに必要な不足分の推力を、一方のプライマリ推力FpまたはFsに足し込んで増大させる。
このようにプライマリ推力を設定するが、かかる設定によれば、セカンダリ推力Fsおよびプライマリ推力Fpの両方が、滑り限界推力Fminを下回ることのないバランス推力となり得る。
上記した論理に基づき図1の変速コントローラ23は、図2の機能別ブロック線図で示す処理を行って、プライマリ推力Fpおよびセカンダリ推力Fsをそれぞれ決定し、これらプーリ推力Fp,Fsを発生させるためのプライマリプーリ圧Ppおよびセカンダリプーリ圧Psを求めて、これらプーリ圧Pp, Psを図1に示すごとくプーリ圧指令としてソレノイド24p,24sに供給する。
図2のベルト伝達トルク算出部B1においては、Vベルト式無段変速機1に向かうエンジントルクTengおよびモータ/ジェネレータトルクTm(これらトルクTeng,Tmはエンジンコントローラ21およびハイブリッドコントローラ22からの情報)の和値である変速機入力トルクTin、ブレーキペダル踏み込みストロークStroke、算出部B9で求めた実変速比ip(=Np/Ns)、プライマリプーリ回転数Npを基に、Vベルト4が高μ路および低μ路で伝達する2種類のベルト伝達トルクのうち、絶対値の大きい方のベルト伝達トルクを最終的なベルトトルクTbeltとして、図3の機能別ブロック線図、および図4のフローチャートに示す要領で、図5,6に示すごとくに求める。
図3の制動力算出部B1-1では、ブレーキペダル踏み込みストロークStrokeを基にマップ検索などにより制動力Tbrを算出する。
従って制動力算出部B1-1は、本発明における制動力演算手段に相当する。
高μ路基準イナーシャトルク算出部B1-2では、上記のように算出した制動力Tbrから、高μ路での制動に伴って発生するイナーシャトルクを、高μ路制動時用イナーシャトルクマップの検索などにより求め、この高μ路制動時のイナーシャトルクと、実変速比ipとから、高μ路制動時にプライマリプーリシャフト上に発生する高μ路基準イナーシャトルクTin_FHを算出する。
低μ路基準イナーシャトルク算出部B1-3では、算出部B1-1で求めた制動力Tbrから、低μ路での制動に伴って発生するイナーシャトルクを、低μ路制動時用イナーシャトルクマップの検索などにより求め、この低μ路制動時のイナーシャトルクと、実変速比ipとから、低μ路制動時にプライマリプーリシャフト上に発生する低μ路基準イナーシャトルクTin_FLを算出する。
プライマリプーリ入力トルク算出部B1-4は、第2クラッチC2を経てプライマリプーリ2に入力されるプライマリプーリ入力トルクTpを算出するもので、このプライマリプーリ入力トルクTpは、エンジントルクTengとモータ/ジェネレータトルクTmとの和値である変速機入力トルクTinと同値である。
高μ路基準ベルト伝達トルク算出部B1-5では、算出部B1-2からの高μ路基準イナーシャトルクTin_FHと、算出部B1-4で求めたプライマリプーリ入力トルクTp(=Teng+Tm)とに基づき、Vベルト4が高μ路制動時に伝達する高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHを、Tbelt_FH=Tp−Tin_FHの演算により求める。
従って算出部B1-2,B1-4,B1-5は、本発明における高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段に相当する。
低μ路基準ベルト伝達トルク算出部B1-6では、算出部B1-3からの低μ路基準イナーシャトルクTin_FLと、算出部B1-4で求めたたプライマリプーリ入力トルクTpとに基づき、Vベルト4が低μ路制動時に伝達する低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLを、Tbelt_FL=Tp−Tin_FLの演算により求める。
従って算出部B1-3,B1-4,B1-6は、本発明における低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段に相当する。
ベルト伝達トルク選択部B1-7では、算出部B1-5,B1-6からの高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHおよび低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLのうち、絶対値の大きい方を選択して最終的なベルト伝達トルクTbeltと定め、これを図2での後述するプーリ推力Fs,Fp(プーリ圧Ps,Pp)の決定に資する。
従って選択部B1-7は、本発明におけるベルト伝達トルク選択手段に相当する。
図3の機能別ブロック線図を制御プログラムにより表すと、図4のごときものとなる。
図4のステップS11においては、ブレーキペダル踏み込みストロークStrokeを基にマップ検索などにより制動力Tbrを算出する。
従ってステップS12は、本発明における制動力演算手段に相当する。
ステップS12においては、ステップS11で求めた制動力Tbrから、高μ路での制動に伴って発生するイナーシャトルクを、高μ路制動時用イナーシャトルクマップの検索などにより求め、この高μ路制動時のイナーシャトルクと、実変速比ipとから、高μ路制動時にプライマリプーリシャフト上に発生する高μ路基準イナーシャトルクTin_FHを算出する。
ステップS13においては、ステップS11で求めた制動力Tbrから、低μ路での制動に伴って発生するイナーシャトルクを、低μ路制動時用イナーシャトルクマップの検索などにより求め、この低μ路制動時のイナーシャトルクと、実変速比ipとから、低μ路制動時にプライマリプーリシャフト上に発生する低μ路基準イナーシャトルクTin_FLを算出する。
ステップS14においては、エンジントルクTengおよびモータ/ジェネレータトルクTmを基に、プライマリプーリ入力トルクTp(=Teng+Tm)を算出する。
ステップS15においては、ステップS12で求めた高μ路基準イナーシャトルクTin_FHと、ステップS14で求めたプライマリプーリ入力トルクTpとに基づき、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FH(Tbelt_FH=Tp−Tin_FH)を演算する。
従ってステップS15は、本発明における高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段に相当する。
ステップS16においては、ステップS13で求めた低μ路基準イナーシャトルクTin_FLと、ステップS14で求めたプライマリプーリ入力トルクTpとに基づき、低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FL(Tbelt_FL=Tp−Tin_FL)を演算する。
従ってステップS16は、本発明における低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段に相当する。
ステップS17においては、ステップS15で求めた高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHの絶対値と、ステップS16で求めた低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLの絶対値とを大小比較する。
|Tbelt_FH|≧|Tbelt_FL|であればステップS18において、絶対値が大きい方の高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHを選択し、これを最終的なベルト伝達トルクTbeltと定めて、図2での後述するプーリ推力Fs,Fp(プーリ圧Ps,Pp)の決定に資する。
逆に|Tbelt_FH|<|Tbelt_FL|であればステップS19において、絶対値が大きい方の低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLを選択し、これを最終的なベルト伝達トルクTbeltと定めて、図2での後述するプーリ推力Fs,Fp(プーリ圧Ps,Pp)の決定に資する。
従ってステップS17〜ステップS19は、本発明におけるベルト伝達トルク選択手段に相当する。
図3,4につき上述した最終的なベルト伝達トルクTbeltの決定要領を以下、図5,6の棒グラフにより要約して説明する。
図5は、低μ路での急制動時などにおいて出現する事象で、イナーシャトルクTin_FLが車体の慣性移動分による減殺を殆ど受けることがないため、高μ路制動時のイナーシャトルクTin_FHに比べ遙かに大きくなる場合の事象を示す。
図6は、低μ路での緩制動時などにおいて出現する事象で、イナーシャトルクTin_FHが車体の慣性移動分による減殺を図5の場合よりも大きく受けるため、低μ路制動時のイナーシャトルクTin_FHに比べ大きいとは言っても、両者の差が図5よりも小さくなる場合の事象を示す。
図5,6のそれぞれにおいて、左端に示すプライマリプーリ入力トルクTpから、中央左寄りブロック内に示す高μ路基準イナーシャトルクTin_FHを差し引くことで、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FH(=Tp−Tin_FH)が、中央右寄りブロック内に示すように求められる。
また、左端に示すプライマリプーリ入力トルクTpから、中央左寄りブロック内に示す低μ路基準イナーシャトルクTin_FLを差し引くことで、低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FL(=Tp−Tin_FL)が、中央右寄りブロック内に示すように求められる。
中央右寄りブロック内にある高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHおよび低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLを絶対値比較して、絶対値の大きな方(図5では低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FL、図6では高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FH)を選択し、これを、図5,6の右端に示すように最終的なベルト伝達トルクTbeltと定めて、図2での後述するプーリ推力Fs,Fp(プーリ圧Ps,Pp)の決定に資する。
図2のベルト伝達トルク算出部B-1で、図3〜6につき上述のごとくに求めた最終的なベルト伝達トルクTbeltは、以下のようにして図2で、プーリ推力Fs,Fp(プーリ圧Ps,Pp)の決定に用いられる。
つまり当該ベルト伝達トルクTbeltは、算出部B9からの実変速比ip(=Np/Ns)と共に、滑り限界推力算出部B2に供給される。
この滑り限界推力算出部B2では、式(1)におけるTpをベルト伝達トルクTbeltに置き換えた式に基づいて、ベルト伝達トルクTbeltと、プライマリプーリ2へのベルト巻き付き半径Rp(実変速比ipから演算する)と、Vベルト・プーリ間摩擦係数μと、プーリシーブ角αとから、前記した滑り限界推力Fminを算出する。
なお滑り限界推力Fminは、Vベルト4の滑りを確実に防止するために、上記の算出結果にマージンを加算して、これよりも少し大きな値にするのがよい。
Vベルト伝達トルク容量算出部B3では、式(1)におけるTpをベルト伝達トルクTbeltに置き換えた式の逆算により、滑り限界推力Fminと、プライマリプーリ2へのベルト巻き付き半径Rp(実変速比ipから演算)と、Vベルト・プーリ間摩擦係数μと、プーリシーブ角αとから、図7につき前述したVベルト伝達トルク容量Tbelt_maxを算出する。
目標プライマリプーリ回転数算出部B4では、図8に実線で例示する変速線図を基に、アクセル開度APOおよびセカンダリプーリ回転数Ns(車速VSP)から、運転状態に好適な目標入力(プライマリプーリ)回転数DNpを求める。
目標変速比設定部B5では、算出部B4からの目標プライマリプーリ回転数DNpを、セカンダリプーリ回転数Nsで除算することにより、目標プライマリプーリ回転数DNpを実現するための目標変速比Dip(=DNp/Ns)を求める。
推力比算出部B6では、図7に示す推力比マップの横軸におけるプライマリプーリ入力トルクTpをベルト伝達トルクTbeltと読み替えた推力比マップを基に、目標変速比Dipと、ベルト伝達トルクTbeltと、Vベルト伝達トルク容量Tbelt_maxから、目標変速比Dipを達成するためのバランスセカンダリ推力Fsに対するバランスプライマリ推力Fpの推力比(Fp/Fs)をマップ検索して求める。
セカンダリバランス推力算出部B7は、Vベルト4の滑りを防止したうえで目標変速比Dipを実現するためのセカンダリバランス推力Fsを求めるもので、推力比(Fp/Fs)が1以上の場合はセカンダリバランス推力Fsに滑り限界推力Fminを設定し、推力比(Fp/Fs)が1未満の場合は、セカンダリバランス推力FsにFmin/(Fp/Fs)を設定して出力する。
プライマリバランス推力算出部B8は、Vベルト4の滑りを防止したうえで目標変速比Dipを実現するためのプライマリバランス推力Fpを求めるもので、推力比(Fp/Fs)が1以上の場合は、プライマリバランス推力FpにFmin/(Fp/Fs)を設定し、推力比(Fp/Fs)が1未満の場合は、プライマリバランス推力Fpに滑り限界推力Fminを設定して出力する。
セカンダリプーリ圧換算部B10では、算出部B7で求めたセカンダリバランス推力Fsを発生させるための目標セカンダリプーリ圧Psを、遠心圧による影響が排除されるようなマップ検索などにより求め、
プライマリプーリ圧換算部B11では、算出部B8で求めたプライマリバランス推力Fpを発生させるための目標プライマリプーリ圧Ppを、遠心圧による影響が排除されるようなマップ検索などにより求める。
図1のソレノイド24s,24pはそれぞれ、変速機コントローラ23から当該目標セカンダリプーリ圧Psおよび目標プライマリプーリ圧Ppに関するプーリ圧指令を受けてデューティー駆動され、セカンダリプーリ3の油圧シリンダ3cおよびプライマリプーリ2の油圧シリンダ2cへのセカンダリプーリ圧およびプライマリプーリ圧をそれぞれ上記の目標値Ps,Ppに調圧する。
かかるセカンダリプーリ圧Psおよびプライマリプーリ圧Ppによりセカンダリプーリ3およびプライマリプーリ2はそれぞれ、Vベルト4の滑りを防止したうえで目標変速比Dipを実現するようVベルト4を、軸線方向対向シーブ2a,2b間および3a,3b間に挟圧することができる。
<第1実施例の効果>
上記した本実施例のベルト挟圧力制御によれば、ブレーキストロークStrokeからマップ検索した制動力Tbrに基づき高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHおよび低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLを演算し、これらのうち絶対値の大きなベルト伝達トルクに応じVベルト挟圧力を決定するため、
路面μに応じてベルト伝達トルクが変化しても、つまり制動時における路面μの高低にかかわらず、Vベルトのスリップを、過不足のない適切なベルト挟圧力により防止することができ、
高μ路制動時や低μ路緩制動時においてベルト狭圧力が過剰になるのを防止し得て、この過剰なベルト狭圧力でVベルト式無段変速機の効率が悪化するという問題や、回生制動によるエネルギー回生量が少なくなって燃費の悪化を招くという問題を解消することができる。
図5,6につき更に付言する。
低μ路、急制動時は図5に示すように、絶対値が高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHよりも大きくなる低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLに基づきベルト挟圧力制御を行うこととなり、従来と同様にVベルトのスリップを防止することができる。
また同じ低μ路でも緩制動のため、図6に示すようにイナーシャトルクTin_FLが図5の場合よりも小さく、ベルト伝達トルクTbelt_FLが高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHよりも小さい場合は、
絶対値が大きい方のベルト伝達トルクTbelt=Tbelt_FHに基づきベルト挟圧力制御が行われることにより、従来の対策よりも小さなベルト挟圧力でVベルトのスリップを防止することができ、ベルト狭圧力が過剰になってVベルト式無段変速機の効率が悪化するという問題や、回生制動によるエネルギー回生量が少なくなって燃費の悪化を招くという問題を回避可能である。
なお高μ路では、イナーシャトルクTin_FHが低μ路でのイナーシャトルクTin_FLよりも小さく、ベルト伝達トルクTbelt_FHが低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLよりも大きいため、
絶対値が大きい方のベルト伝達トルクTbelt=Tbelt_FHに基づきベルト挟圧力制御が行われることから、この場合も、従来の対策よりも小さなベルト挟圧力でVベルトのスリップを防止することができ、ベルト狭圧力が過剰になってVベルト式無段変速機の効率が悪化するという問題や、回生制動によるエネルギー回生量が少なくなって燃費の悪化を招くという問題を回避可能である。
<第2実施例>
図9は、本発明の第2実施例になるベルト挟圧力制御装置のベルト伝達トルク算出部B1を示すブロック線図である。
図9は、第1実施例における図3に対応するもので、第2実施例においては図9に示すごとく、図2におけるセンサ46からのブレーキペダル踏み込みストロークStrokeに代え、同図に破線で示すごとくに供給される、センサ27からのプライマリプーリ回転数Npを用いてベルト伝達トルクTbeltを算出するようにし、それ以外は第1実施例におけると同様に構成する。
具体的には図9に示すように、制動力算出部B1-1の前段に回転速度基準イナーシャトルク算出部B1-0を設ける。
この回転速度基準イナーシャトルク算出部B1-0は、プライマリプーリ回転数Npの時間変化割合(d/dt)Npを求め、制動ユニットおよびプライマリプーリシャフト間における伝動系の回転イナーシャJと、プライマリプーリ回転数Npの時間変化割合(d/dt)Npとの乗算により、回転速度基準イナーシャトルクTin_rpmを算出する。
Tin_rpm=J×(d/dt)Np ・・・(5)
制動力算出部B1-1は、前記第1実施例で用いたブレーキペダル踏み込みストロークStrokeに代え、上記算出部B1-0からの回転速度基準イナーシャトルクTin_rpmを用い、この回転速度基準イナーシャトルクTin_rpmから制動力Tbrを換算により求め、高μ路基準イナーシャトルク算出部B1-2での高μ路基準イナーシャトルクTin_FHの演算、および低μ路基準イナーシャトルク算出部B1-3での低μ路基準イナーシャトルクTin_FLの演算に供する。
<第2実施例の効果>
図9につき上述したようにベルト伝達トルク算出部B1を構成した第2実施例においても、制動力Tbrの演算に用いるデータが第1実施例と異なるのみで、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHおよび低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLのうち、絶対値の大きい方をベルト伝達トルクTbeltとしてベルト挟圧力制御に資するため、第1実施例と同様な効果を奏し得ることは言うまでもない。
ただし制動力Tbrの演算に際し、プライマリプーリ回転数Npの変化から求めた回転速度基準イナーシャトルクTin_rpmに基づき制動力Tbrを換算するため、プライマリプーリ回転数Npの変化が低μ路走行時のものである場合、プライマリプーリ回転数Npの時間変化割合(d/dt)Npが大きくなって、上記の式(5)に基づく回転速度基準イナーシャトルクTin_rpmが実際値よりも大きくなる。
これにより、算出部B1-1の演算結果である制動力Tbrが実際の制動力よりも大きくなり、最終的にはベルト伝達トルクTbeltが実際よりも大きくなる。
従って、これに基づきベルト挟圧力制御を行うと、低μ路走行時にベルト挟圧力が要求よりも過大になるが、高μ路走行時は上記した通り第1実施例と同様な効果が得られるし、低μ路走行時にベルト挟圧力が過大になるといっても、従来制御によると同程度のものであることから、第2実施例のような構成でもこれを可とし得る。
<第3実施例>
図10は、本発明の第3実施例になるベルト挟圧力制御装置のベルト伝達トルク算出要領を示す、図6と同条件での棒グラフである。
前記第1,2実施例においては図2,9に示すごとく、高μ路基準ベルト伝達トルク算出部B1-5で高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHを求めるに際し、算出部B1-2からの高μ路基準イナーシャトルクTin_FHと、算出部B1-4で求めたエンジン5からのプライマリプーリ入力トルクTpとに基づき、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHをTbelt_FH=Tp−Tin_FHの演算により、図5または図6に示す要領で求めることとしたが、
第3実施例においては、高μ路基準イナーシャトルクTin_FHを0とし、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHを、Tbelt_FH=Tpと設定し、最終的なベルト伝達トルクTbeltを図10に示す要領で求めることとする。
図10は、比較の都合上、条件を図6と同じにした場合の棒グラフで、左端に示すプライマリプーリ入力トルクTpから、中央左寄りブロック内に示す高μ路基準イナーシャトルクTin_FHを差し引くとき、Tin_FH=0として、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FH(=Tp)を、中央右寄りブロック内に示すように求める。
また、左端に示すプライマリプーリ入力トルクTpから、中央左寄りブロック内に示す低μ路基準イナーシャトルクTin_FLを差し引くことで、低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FL(=Tp−Tin_FL)を、中央右寄りブロック内に示すように求める。
中央右寄りブロック内にある高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHおよび低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLを絶対値比較して、絶対値の大きな方(図6の場合と同じく高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FH)を選択し、これを、右端に示すように最終的なベルト伝達トルクTbeltと定めて、図2での前述したプーリ推力Fs,Fp(プーリ圧Ps,Pp)の決定に資する。
<第3実施例の効果>
図10のごとく高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHを常にプライマリプーリ入力トルクTpと同じ値にする本実施例においても、図6の場合と同じく高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHが選択されて最終的なベルト伝達トルクTbeltに設定されるため、図6につき前述したと同様な効果を奏することができる。
本実施例においては更に、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHが最終的なベルト伝達トルクTbeltとして選択される場合に、高μ路基準イナーシャトルクTin_FH=0によりTbelt_FH=Tpにするため、以下の効果をも達成することができる。
つまり、第1実施例のようにブレーキペダル踏み込みストロークStrokeから制動力Tbrを算出しても、実際は応答遅れにより計算通りのイナーシャトルクが発生していないことがある。
この場合、図5のように低μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FLの絶対値の方が高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHの絶対値よりも大きくて、最終的なベルト伝達トルクTbeltがTbelt =Tbelt_FLであれば問題にならないが、図6のように大小関係が逆である場合は、実際には未だ発生していないイナーシャトルクをプライマリプーリ入力トルクTpから差し引くことで、最終的なベルト伝達トルクTbeltが実際値よりも小さな値になって、Vベルト4が挟圧力不足によりスリップすることがある。
ところで本実施例においては、高μ路基準ベルト伝達トルクTbelt_FHが最終的なベルト伝達トルクTbeltとして選択される場合に、高μ路基準イナーシャトルクTin_FH=0によりTbelt_FH=Tpにするため、応答遅れにより計算通りのイナーシャトルクが発生していない場合においても、最終的なベルト伝達トルクTbeltが実際値よりも小さな値になることがなく、Vベルト4が挟圧力不足によりスリップするという上記の問題を解消することができる。
従って、応答遅れにより全くイナーシャトルクが発生していない状態と、低μ路で最も大きなイナーシャトルクが発生している状態との間の全ての領域において、Vベルト4が挟圧力不足によりスリップする不都合を回避することができる。
<その他の実施例>
なお第1実施例では、図3の算出部B1-1で制動力Tbrを求めるに際し、ブレーキペダル踏み込みストロークStrokeを用いたが、この代わりに当該ブレーキ操作により発生したマスターシリンダ液圧や、制動ユニットへのブレーキ液圧を用いてもよいのは言うまでもない。
また、図9の算出部B1-3で回転速度基準イナーシャトルクTin_rpmを求める際し、プライマリプーリ回転数Npの時間変化割合(d/dt)Npを用いたが、制動時のイナーシャトルクによる回転速度変化であれば、どこの回転速度変化を用いてもよい。
ただし、プライマリプーリ回転数Np以外の回転速度変化を用いる場合、最終的にプライマリプーリシャフト上のイナーシャトルクTin_rpmとなるよう適宜に換算する必要があること勿論である。
1 Vベルト式無段変速機
2 プライマリプーリ
3 セカンダリプーリ
4 Vベルト
5 エンジン
6 モータ/ジェネレータ
7 中間歯車組
8 終減速歯車組
9 ディファレンシャルギヤ装置
11 駆動車輪(前輪)
21 エンジンコントローラ
22 ハイブリッドコントローラ
23 変速機コントローラ
24 コントロールバルブボディー
24p,24s プーリ圧ソレノイド
25 アクセル開度センサ
27 プライマリプーリ回転センサ
28 セカンダリプーリ回転センサ
31 オイルポンプ
32 ライン圧ソレノイド
41 ブレーキペダル
43 マスターシリンダ
44 ホイールシリンダ
45 挙動制御コントローラ
46 ブレーキストロークセンサ
B1 ベルト伝達トルク算出部
B1-0 回転速度基準イナーシャトルク算出部
B1-1 制動力算出部(制動力演算手段)
B1-2 高μ路基準イナーシャトルク算出部(高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段)
B1-3 低μ路基準イナーシャトルク算出部(低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段)
B1-4 プライマリプーリ入力トルク算出部(高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段:低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段)
B1-5 高μ路基準ベルト伝達トルク算出部(高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段)
B1-6 低μ路基準ベルト伝達トルク算出部(低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段)
B1-7 ベルト伝達トルク選択部(ベルト伝達トルク選択手段)
B2 滑り限界推力算出部
B3 Vベルト伝達トルク容量算出部
B4 目標プライマリプーリ回転数算出部
B5 目標変速比設定部
B6 推力比算出部
B7 セカンダリバランス推力算出部
B8 プライマリバランス推力算出部
B10 セカンダリプーリ圧換算部
B11 プライマリプーリ圧換算部

Claims (4)

  1. プーリ間にVベルトを掛け渡して動力伝達可能に構成され、該プーリのV溝を画成する対向シーブのうち、一方の可動シーブを他方の固定シーブに対し軸線方向へ変位させることで無段変速が可能であり、前記対向シーブ間でのVベルト挟圧力をVベルトのベルト伝達トルクに応じ決定するようにしたVベルト式無段変速機において、
    変速機出力回転を減速させる制動力を演算する制動力演算手段と、
    該制動力に基づいて演算した変速機入力軸上の高μ路時におけるイナーシャトルクおよび変速機入力軸への入力トルクから高μ路基準のベルト伝達トルクを演算する高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段と、
    前記制動力に基づいて演算した変速機入力軸上の低μ路時におけるイナーシャトルクおよび変速機入力軸への入力トルクから低μ路基準のベルト伝達トルクを演算する低μ路基準ベルト伝達トルク演算手段と、
    前記演算された高μ路基準ベルト伝達トルクおよび低μ路基準ベルト伝達トルクのうち、絶対値の大きなベルト伝達トルクを選択して前記Vベルト挟圧力制御に資するベルト伝達トルク選択手段とを具備してなることを特徴とするVベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置。
  2. 請求項1に記載された、Vベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置において、
    前記制動力演算手段は、変速機出力回転を減速させるブレーキ装置の操作状態に基づいて前記制動力を求めるものであることを特徴とするVベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置。
  3. 請求項1に記載された、Vベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置において、
    前記制動力演算手段は、前記変速機の回転速度変化に基づいて演算したイナーシャトルクから前記制動力を求めるものであることを特徴とするVベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された、Vベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置において、
    前記高μ路基準ベルト伝達トルク演算手段は、前記高μ路時におけるイナーシャトルクを0と見なし、前記高μ路基準のベルト伝達トルクに前記変速機入力軸への入力トルクを設定するものであることを特徴とするVベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御装置。
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