図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。図1において、10は画像形成装置、10Aは画像形成装置本体、100は画像形成装置本体10Aの上面に設けられた自動原稿給送装置(ADF)である。また、500は画像形成装置本体10Aに接続されたシート処理装置であるフィニッシャ、400は操作表示装置である。
なお、図1において、200は原稿を画像データに変換するイメージリーダ部(画像入力装置)である。300は画像形成装置本体10Aに設けられ、複数種類のシートカセット114,115、手差し給紙部125を有し、プリント命令により画像データをシート上に可視像として出力する画像形成部である。
そして、このような構成の画像形成装置10において、原稿画像を読み取ってシートPに画像を形成する場合、まず自動原稿給送装置100上に上向きに積載された原稿Dを先頭頁から順に1枚ずつ左方向へ給紙する。この後、湾曲したパスを介してプラテンガラス102上を左から流し読取り位置を経て右へ搬送し、この後、外部の排紙トレイ112に向けて排出する。
ここで、このように原稿Dがプラテンガラス102上の流し読取り位置を左から右へ向けて通過するときに、原稿画像は流し読取り位置に対応する位置に保持されたスキャナユニット104により読み取られる。この読取り方法は、一般的に、原稿流し読みと呼ばれる方法である。
具体的には、原稿Dが流し読取り位置を通過する際に、原稿Dの読取り面がスキャナユニット104のランプ103の光で照射され、その原稿からの反射光がミラー105,107を介してレンズ108に導かれる。このレンズ108を通過した光は、イメージセンサ109の撮像面に結像する。
このように流し読取り位置を左から右へ通過するように原稿Dを搬送することにより、原稿Dの搬送方向に対して直交する方向である幅方向を主走査方向とし、搬送方向を副走査方向とする原稿読取り走査が行われる。即ち、原稿Dが流し読取り位置を通過する際に主走査方向に原稿画像を1ライン毎にイメージセンサ109で読み取りながら、原稿を副走査方向に搬送することによって原稿画像全体の読取りが行われる。
この後、光学的に読み取られた原稿画像はイメージセンサ109によって画像データに変換されて出力される。そして、このようにイメージセンサ109から出力された画像データは、所定の処理が施された後に画像形成部300の露光制御部110にビデオ信号として入力される。
なお、イメージリーダ部200は、自動原稿給送装置100により原稿をプラテンガラス102上に搬送して所定位置に停止させ、この状態でスキャナユニット104を左から右へ走査させることにより原稿画像を読み取ることも可能である。この読み取り方法は、所謂原稿固定読みと呼ばれる方法である。
そして、このように自動原稿給送装置100を使用しないで原稿画像を読み取るときには、先ず自動原稿給送装置100を持ち上げてプラテンガラス102上に原稿Dを載置する。この後、スキャナユニット104を左から右へ走査させることにより、原稿画像の読取りを行う。即ち、自動原稿給送装置100を使用しないで原稿画像を読み取るときには、原稿固定読みが行われる。
次に、画像形成部300の露光制御部110は、入力されたビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力する。そして、このレーザ光はポリゴンミラー110aにより走査されながら、予め表面が帯電されている感光ドラム111上に照射され、これにより感光ドラム111上には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。ここで、露光制御部110は、原稿固定読み時には、正しい画像(鏡像でない画像)が形成されるようにレーザ光を出力する。次に、このように感光ドラム111上に形成された静電潜像は、この後、現像器113から供給されるトナーによってトナー像として可視像化される。
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、各シートカセット114,115、手差し給紙部125又は両面搬送パス124からシートPが給紙され、このシートPは感光ドラム111と転写帯電器116とにより構成される転写部に搬送される。そして、この転写部を通過する際、感光ドラム111に形成されたトナー像は転写帯電器116によりシート上に転写される。
次に、トナー像が転写されたシートPは定着部117に搬送され、定着部117において加熱及び加圧されることにより、トナー像がシート上に定着される。そして、このように現像剤像が定着された後、シートPは切換部材121及び排出ローラ118を経て画像形成装置本体10Aからフィニッシャ500に向けて排出される。
ここで、シートPを、その画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)でフィニッシャ500に排出するときには、まず定着部117を通過したシートPを切換部材121の切換動作により一旦反転パス122内に導く。次に、シート後端が切換部材121を通過した後、シートPをスイッチバックさせて排出ローラ118により画像形成装置本体10Aから排出する。
また、手差し給紙部125からOHPシート等の硬いシートPが給紙され、このシートPに画像を形成するときには、シートPを反転パス122に導くことなく、画像形成面を上向きにした状態(フェイスアップ)で排出ローラ118により排出する。なお、このような反転排紙は、自動原稿給送装置100を使用して読み取った画像を形成するとき、またはコンピュータから出力された画像を形成するとき等のように先頭頁から順に画像形成するときに行われ、その排紙後のシート順序は正しい頁順になる。
更に、シートPの両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合には、切換部材121の切換動作によりシートPを反転パス122に導いた後に両面搬送パス124へ搬送する。そして、両面搬送パス124へ導かれたシートPを、既述したタイミングで転写部に再度搬送する制御が行われる。
一方、画像が形成されたシートPが送り込まれるフィニッシャ500は、画像形成装置本体10Aからのシートを取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つのシート束として束ねる処理、ソート処理、ノンソート処理を行うものである。また、シート束の後端側をステイプルするステイプル処理(綴じ処理)、製本処理等の処理を行うものであり、シートをステイプルするステイプル部500A及びシート束を二つ折りにして製本する製本部であるサドルステッチ部500Bを備えている。
そして、このフィニッシャ500は、図2に示すように、画像形成装置本体10Aから排出されたシートを入口ローラ対501により内部に取り込むようにしている。なお、この入口ローラ対501の下流には第1切換部材551が配置されており、この第1切換部材551により、シートは例えば、搬送ローラ対502を介してバッファローラ503に向けて送られる。なお、この時、入口センサ570によりシートの受渡しタイミングも同時に検知される。
ここで、このバッファローラ503は、その外周に搬送ローラ対502を介して送られたシートを所定枚数積層して巻き付けることが可能なローラである。そして、このようなバッファローラ503に達した後、シートは各押下コロ504〜506により、回転中のバッファローラ503の外周に巻き付けられ、巻き付けられたシートはバッファローラ503の回転方向に搬送される。
なお、各押下コロ505,506の間には、第2切換部材507が配置され、押下コロ506の下流側には、第3切換部材508が配置されている。ここで、第2切換部材507はバッファローラ503に巻き付けられたシートをバッファローラ503から剥離してノンソートパス509またはソートパス510に導くためのものである。第3切換部材508はバッファローラ503に巻き付けられたシートを、バッファローラ503から剥離してソートパス510に、または巻き付けられたシートを、そのままの状態でバッファパス511に導くためのものである。
なお、バッファローラ503に巻き付けられたシートをノンソートパス509に導くときには、第2切換部材507が動作してバッファローラ503から、巻き付けられたシートが剥離され、ノンソートパス509に導かれる。また、このようにノンソートパス509に導かれたシートは、排出ローラ対512を介してサンプルトレイ590上に排紙される。なお、このノンソートパス509の途中には、パスセンサ571が設けられている。
一方、バッファローラ503に巻き付けられたシートをバッファパス511に導くときには、バッファローラ503に所定枚数のシートを重ねて巻き付けるまでは第2切換部材507及び第3切換部材508はともに動作しない。これにより、シートはバッファローラ503に巻き付けられた状態でバッファパス511に送られる。そして、この動作は、バッファローラ503に所定枚数のシートを重ねて巻き付けるまで行われる。なお、バッファパス511には、バッファパス511上のシートを検出するためのパスセンサ572が設けられている。
この後、バッファローラ503に所定枚数のシートが重ねて巻き付けられると、第2切換部材507は動作せず、第3切換部材508が動作し、これによりバッファローラ503に巻き付けられたシートがバッファローラ503から剥離される。そして、このシートはソートパス510に導かれる。
ソートパス510に導かれたシートは、搬送ローラ対513,514を介して中間トレイ(以下、処理トレイという)520上に束状に積載される。次に、処理トレイ520上に束状に積載されたシートは、必要に応じて手前側と奥側に設けられた整合部材521による整合処理、ステイプル処理などが施された後、束排出ローラ対522a,522bによりスタックトレイ591上に排出される。
なお、ステイプル処理は、ステイプル部500Aに設けられ、処理トレイ520の外周に沿って移動可能に構成されたステイプラ523により行われる。このステイプラ523は、処理トレイ520に積載されたシート束を、シート搬送方向に対してシートの最後尾位置(後端)で綴じることが可能である。
また、排出ローラ522bは揺動ガイド524に支持され、揺動ガイド524は不図示の揺動モータにより排出ローラ522bを処理トレイ520上の最上部のシートに当接させるように揺動する。そして、排出ローラ522bが処理トレイ520上の最上部のシートに当接された状態にあるときには、排出ローラ522bは排出ローラ522aと協働して処理トレイ520上のシート束をスタックトレイ591に向けて排出することが可能である。
なお、図2において、580はフィニッシャ500の上部に設けられたインサータである。このインサータ580は、シート束の先頭頁、最終頁、または画像形成装置本体10Aにて画像が形成されたシート間に通常のシートとは別のシート(インサートシート)を挿入するためのものである。そして、このインサータ580は、インサートシートを、画像形成装置本体10Aを通すことなくサンプルトレイ590、処理トレイ520、サドルステッチ部500Bのいずれかに搬送するようにしている。
一方、シートを製本処理する場合は、第1切換部材551を製本パス550側へ切り換える。これにより、シートは製本パス550に導かれ、この後、搬送ローラ対552により、先端が製本処理トレイ560の下端に設けられた可動式の位置決め部材554に接するまで搬送される。
なお、製本パス550の途中にはパスセンサ574が設けられている。また、製本処理トレイ560には中間ローラ553と、製本処理トレイ560に搬送されたシートに対して中綴じ処理を行うステイプラ555と、ステイプラ555と対向する位置に配置された不図示のアンビルが設けられている。そして、このステイプラ555とアンビルにより、シート束の折り曲げ位置、例えばシート束の中央部に対して綴じ処理を行う綴じ部561が構成される。なお、本実施の形態において、フィニッシャ500は、選択的に綴じ処理を行うようになっている。
さらに、このステイプラ555の下流位置には、折りローラ対556と、折りローラ対556の対向位置に配置された突き出し部材557とにより構成されるシート束の折り曲げ位置に対して折り曲げ処理を行う折り曲げ部562が設けられている。そして、この折り曲げ部562において、突き出し部材557を、ステイプラ555により綴じ処理を施されたシート束の中央部に向けて突出することにより、シート束を折りローラ対556間に押し込んでシート束を折り曲げる折り曲げ処理が施される。
なお、折りローラ対556は、シート束を折り曲げた後、折り搬送ローラ558へとシート束を搬送し、折り搬送ローラ558はシート束をプレスユニット559に搬送する。なお、折り搬送ローラ558の下流にはパスセンサ575が設けられている。
ここで、このプレスユニット559は、折り曲げられたシート束の折り曲げ端部の、シート束の表裏両面を押圧して増し折りを行うことにより、シート束の折り曲げ端部に対して仕上げ処理を行うものである。この仕上げ処理部であるプレスユニット559は、図3に示すように上部プレスローラ559aと、上部プレスローラ559aと接離可能に圧接すると共に、一体的にシート束PAの折り曲げ端部Paに沿って移動する不図示の下部プレスローラを備えている。
そして、シート束PAに対して増し折りを行う場合は、折り曲げ端部をシート束の表裏両面から押圧する押圧部材である上部プレスローラ559a及び下部プレスローラを図3の(a)及び(b)に示すように折り曲げ端部Paに沿って移動させる。これにより、折り曲げられたシート束PAの折り曲げ端部Paのシート束の表裏両面が押圧され、折り曲げ端部Paの折りの品位が向上、すなわちシート束の開きを防止される。
なお、このように折り曲げ端部Paに対して増し折りを行う場合、折りローラ対556及び折り搬送ローラ558は停止している。そして、増し折りを行った後、プレスユニット559は、シート束PAと干渉しない位置へ退避し、この後、折りローラ対556及び折り搬送ローラ558は回転を再開し、シート束PAを製本トレイ595へ排出する。
図4は、画像形成装置10の制御ブロック図であり、図4において、900は画像形成装置10の動作を制御するCPU回路部である。このCPU回路部900は、後述する画像信号制御部922、プリンタ制御部931等を総括的に制御するものである。そして、このCPU回路部900は、不図示のCPU、制御プログラム等を格納したROM901、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM902を有している。
また、図4において、904は画像形成装置10と外部のコンピュータ903とのインタフェースである外部I/Fである。この外部I/F904はコンピュータ903からのプリントデータを受信すると、このデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部922へ出力する。また、921は、スキャナユニット104(図1参照)、イメージセンサ109(図1参照)等に対する駆動制御を行い、イメージセンサ109から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部922に出力するイメージリーダ制御部である。
そして、画像信号制御部922は、外部I/F904からのデータ及びイメージリーダ制御部921からのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部931へ出力する。また、プリンタ制御部931は、この画像信号制御部922からのデータを露光制御部(図1参照)へ出力する。
941は操作表示装置制御部であり、この操作表示装置制御部941は、操作表示装置400とCPU回路部900との間で情報のやり取りを行うものである。なお、操作表示装置400は、後述する図5に示すように画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザーにより各キーの操作が行われると、キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部900に出力すると共に、CPU回路部900からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
911は原稿給送装置制御部であり、この原稿給送装置制御部911は、自動原稿給送装置100をCPU回路部900からの指示に基づき駆動制御する。951はフィニッシャ制御部であり、このフィニッシャ制御部951は制御部としてフィニッシャ500に搭載され、CPU回路部900と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ全体の駆動制御を行う。この制御内容については後述する。
ここで、本実施の形態において、フィニッシャ制御部951はフィニッシャ500に搭載され、CPU回路部900と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ500の駆動制御を行う。なお、制御部としてのフィニッシャ制御部951をCPU回路部900と一体的に画像形成装置本体10A側に配設し、画像形成装置本体10A側から直接、フィニッシャ500を制御するようにしてもよい。
図5は、折り曲げ処理を行うシート束の枚数を設定する処理枚数設定手段である操作表示装置400を示す図である。操作表示装置400には、画像形成動作を開始するためのスタートキー402、画像形成動作を中断するためのストップキー403、置数設定等を行うテンキー404〜412,414、IDキー413、クリアキー415が配置されている。また、操作表示装置400には、リセットキー416、各種装置の設定を行う不図示のユーザーモードキーなどが配置されている。また、上部にタッチパネルが形成された液晶表示部420が配置されており、画面上にソフトキーを作成することができるようになっている。
なお、本画像形成装置10では、処理モードとしてノンソート、ソート、ステイプルソート(綴じモード)、製本モードなどの各処理モードを有する。そして、このような処理モードの設定等は操作表示装置400からの入力操作により行われる。
例えば、処理モードを設定する際には、図5に示す初期画面でソフトキーである「ソータ」を選択すると、メニュー選択画面が液晶表示部420に表示され、このメニュー選択画面を用いて処理モードの設定が行われる。
また、図6は、フィニッシャ500を駆動制御するフィニッシャ制御部951の制御ブロック図である。
フィニッシャ制御部951は、図6に示すように、CPU952、ROM953、RAM954などで構成される。そして、不図示の通信ICを介して画像形成装置本体10側のCPU回路部900との間でデータ交換を行い、CPU回路部900からの指示に基づきROM953に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ500の駆動制御を行う。
ここで、CPU952には、入口ローラ対501及び搬送ローラ対502を駆動する入口モータM1、バッファローラ503を駆動するバッファモータM2、排出ローラ対512及び搬送ローラ対513,514を駆動する排紙モータM3が接続されている。また、処理トレイ520の各種部材を駆動する手段としての束排出ローラ対522a,522bを駆動する束排紙モータM7、揺動ガイド524を昇降駆動する揺動ガイドモータM5、整合部材521を駆動する整合モータM6が接続されている。さらに、ステイプラ523を駆動する不図示のステープルモータ等の他、シートの通過を検知するための入口センサ570、パスセンサ571,572,573等が接続されている。
またさらに、製本機能のための、図6の二点鎖線で囲まれている搬送ローラ対552を駆動する搬送モータM8、折りローラ対556を駆動する折りモータM9、突き出し部材557を駆動する突きモータM10が接続されている。また、位置決め部材554を昇降駆動する位置決めモータ、プレスユニット559を駆動するプレスモータM12、パスセンサ574,575等が接続されている。
また、フィニッシャ制御部951は、後述するように平坦処理ユニット700がフィニッシャ500に設けられた際には、画像形成装置本体10とは別に、不図示の通信ICを介して平坦処理ユニット700の制御を司る平坦処理制御部と通信を行う。
次に、上記フィニッシャの製本モードにおける制御ついて図7に示すフローチャートを用いて説明する。
操作表示装置400により製本モードが指定されると共に、スタートキー402が押下され、フィニッシャ500の動作が開始されると(S1000のY)、入口ローラ対501、搬送ローラ対552が入口モータM1、搬送モータM8により回転駆動される。これにより、画像形成装置10から排出されたシートPはフィニッシャ500内に取り込まれて搬送される。
この時、図8の(a)に示すように第1切換部材551は不図示のソレノイドによりシートPが製本パス550へ導かれるような状態で保持されており、これによりシートPは搬送ローラ対552により製本処理トレイ560に収納される。このとき、中間ローラ553が回転駆動されており、これにより製本処理トレイ560に収納されたシートPは先端が位置決め部材554に接するまで搬送される。
次に、このようにシート先端が位置決め部材554に達し、最初のシート、すなわちシート1枚の搬送が停止すると、シート1枚の積載完了したと判断する(S1001のY)。そして、このように判断した後、不図示の整合部材がシート搬送方向と直交方向に動作し、これによりシートPのシート搬送方向と直交方向の整合動作が行われる(S1002)。
この時の位置決め部材554の位置は、シートPのサイズに応じて切り替わり、シートPの後端が搬送ローラ対552を抜けた所定距離Xに位置するように移動している。すなわち、搬送ローラ対552から位置決め部材554までの距離Lは、シートPの搬送方向長さをL1とすると、L=L1+Xとなる。
次に、このような整合動作が終了すると、このシートが一束の最終のシートか否かを判断する(S1003)。そして、このシートが一束の最終シートでない場合は(S1003のN)、S1001に戻り、次のシートに対する積載動作が完了するのを待つ。
また、このシートが一束の最終シートの場合は(S1003のY)、後述する製本モードの設定に応じてステイプル処理を行うか否かを判断する(S1004)。ここで、ステイプル処理有りと判断されると(S1004のY)、位置決め部材554を下降させると同時に中間ローラ553を回転駆動させる。これにより、図8の(b)に示すように、所定枚数のシートにより形成された一つのシート束PAが一括して、ステイプラ555により中央にステイプル処理が行われるステイプル位置へ移動する(S1005)。そして、シート束の移動が終了すると、ステイプラ555により、上述したようにシート束の中央にステイプル処理(以下、中綴じという)が行われる(S1006)。
次に、中綴じが終了すると、位置決め部材554を下降させると同時に中間ローラ553を回転駆動し、図9の(a)に示すようにシート束PAの中央、即ちステイプル位置が折りローラ対556の中央ニップ位置になる折り位置まで移動する(S1007)。そして、この移動が終了すると、折り動作を行う(S1008)。即ち、折りモータM9をONして折りローラ対556を回転駆動させると同時に、突きモータM10をONすることにより図9の(b)に示すように突き出し部材557を突出させてシート束PAを折りローラ対556側に押し出す。
これにより、折りローラ対556に押し出されたシート束PAは、図10に示すように、折りローラ対556に折り込まれつつ下流へと搬送され、折り搬送ローラ558により搬送される。このとき、このように折り曲げられたシート束PAがステイプル処理されたものかを判断する。そして、ステイプル(処理)有りの場合(S1009のY)、シート束PAの後端が折りローラ対556を抜け、シート束PAの先端がプレスユニット559の位置に到達したところで折り搬送ローラ558を一旦停止させ、シート束PAを一旦停止させる。
この時、プレスユニット559は、搬送されてくるシート束PAと当たらないように、シート束搬送方向と直交方向のシート端部から離れた位置に退避している。そして、このようにシート束PAが停止した後、プレスユニット559を停止しているシート束PAの折り曲げ端部Paに沿って移動させてプレス処理を行う(S1010)。
ここで、プレスユニット559を移動させると、既述した図3に示すように、上部プレスローラ559a及び下部プレスローラがシート束PAの折り曲げ端部Paの表裏両面を押圧しながら移動する。これにより、シート束PAの折り曲げ端部Paに対する増し折りが行われる。
なお、このようなプレス動作により増し折りを行った後、プレスユニット559をシート束PAと当たらない退避位置まで移動させる。そして、このようにプレスユニット559を退避位置まで移動させた後、再度折りモータM9を駆動することによって折り搬送ローラ558により、シート束PAを製本トレイ595へと排出する排出動作を行う(S1011)。
ところで、製本モードにおいて、ステイプラ555による中綴じを行わずに、シート束PAの折り曲げ処理のみを行う場合がある。この場合、一束分の所定枚数のシートが収納されるS1003までは上述した動作と同様である。しかし、S1004にてステイプル処理が無しと判断されると(S1004のN)、シート束PAを、中綴じのためのステイプル位置で停止することなく、折り曲げ処理を行う折り位置まで移動させて停止させ、この後、折り処理を行う(S1008)。
次に、このような折り処理の後、折り曲げられたシート束PAがステイプル処理されたものかを判断する。そして、ステイプル処理無しと判断されると(S1009のN)、プレスユニット559によるプレス動作を行うことなく、また折りモータM9の駆動を停止することなく、折り搬送ローラ558により製本トレイ595へとシート束を排出する(S1011)。
次に、操作表示装置400を用いた製本モードの設定動作について説明する。
製本モードを設定する場合は、まず図5に示す初期画面でソフトキーである「応用モード」を選択する。これにより、液晶表示部420が図11の(a)に示すような各種モードを選択する画面に切り替わる。ここで、「製本」を選択すると、図11の(b)に示すように、出力するシート(記録紙)を収納したカセットを選択可能なキーが表示される。この後、使用するサイズのシートが収納されたカセットを選択し「次へ」のソフトキーを押下すると、図11の(c)に示すように、製本束に対する処理を設定する画面となる。
製本モードを選択した場合、少なくとも中折りを行うが、中綴じを行うか否かはユーザーが選択可能であり、「中綴じする」と「中綴じしない」のいずれかを選択する。この後、「OK」キーが押されると設定が終了し初期画面へと戻り、スタートキー402が押下されて動作が開始するのを待つ状態となる。
以上説明したように、折り曲げ処理が行われたシート束PAが、綴じ処理が行われていないシート束PAの場合には、選択的に仕上げ処理を行わないように制御することにより、シート束PAに対して不要な仕上げ処理を行わないようにすることができる。これにより、綴じ処理が行われたシート束PAの折り曲げ端部に対する仕上げ処理が可能となると共に、見栄えの良くない無駄なシート束PAが出力されるのを未然に防止することができる。
なお、本実施の形態においては、綴じ処理が行われたかどうかを判断し、綴じ処理が行われない場合には仕上げ処理を行わないようにしたが、本実施の形態は、これに限らない。例えば、シート束PAを構成するシートが1枚であれば、折り曲げ処理でのシート毎のズレが発生しないことから、中綴じが行われたシート束と同様にプレスユニット559による増し折り(プレス処理)を行うようにしても良い。
この場合は、まずシート束PAが2枚以上かどうか、具体的には、処理枚数設定手段である操作表示装置400により設定されたシート束PAの枚数(シート束枚数情報)が1枚か否かを判断する。ここで、シート束PAが2枚以上であると、プレスユニット559によるプレス処理を行う際、シート束PAの各シート間にズレが発生している可能性がある。このため、シート束PAが2枚以上であれば、プレスユニット559によるプレス動作を行わない。
図12は、このようなフィニッシャの製本モードにおける他の制御を説明するフローチャートである。なお、図12において、S1009までは、既述した図7に示すフローチャートと同様の処理を行う。
そして、図12において、折り動作の後、折り曲げられたシート束PAがステイプル処理されたものかを判断し、ステイプル処理無しと判断されると(S1009のN)、次にシート束PAの枚数を判断する(S1012)。
ここで、本実施の形態においては、シート束PAが2枚以上かどうか、即ち操作表示装置400により設定されたシート束PAの枚数(シート束枚数情報)が1枚か否かを判断する(S1012)。そして、シート束PAが2枚以上であれば(S1012のN)、プレスユニット559によるプレス動作を行なうと、シート束PAの各シート間にずれが発生する。このため、シート束PAが2枚以上であれば(S1012のN)、プレスユニット559によるプレス動作を行なうことなく、また折りモータM9の駆動を停止することなく、折り搬送ローラ558により製本トレイ595へとシート束を排出する(S1011)。
一方、シート束が1枚であれば、即ち1枚束であれば(S1012のY)、折り曲げ処理でのシート毎のずれが発生しないことから、中綴じが行われたシート束と同様にプレスユニット559による増し折り(プレス動作)を行う(S1010)。
また、シートの厚さや剛性等により、シート束のズレが少ない場合は、2枚以上のシートの束の場合でも、増し折りを行うようにしても良い。このように、シートの厚さや剛性等により、シート束のズレが許容できる所定枚数が決定され、処理されるシート束PAを構成するシートの枚数が所定枚数を超える場合、仕上げ処理を行わないように制御するようにしても良い。
ところで、これまでの説明においては、仕上げ処理部としてプレスユニット559を用いた場合について説明したが、本発明は、これに限らず仕上げ処理部として平坦処理ユニット700を用いるようにしても良い。
次に、仕上げ処理部として平坦処理ユニット700を用いるようにした本発明の第2の実施の形態に係るフィニッシャ(シート処理装置)について説明する。
図13は、本実施の形態に係るフィニッシャの構成を示す図である。なお、図13において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図13において、700は平坦処理ユニットであり、この平坦処理ユニット700は、シート束PAの厚み方向と平行な側面である折り曲げ端部の頂部Pbを押圧する押圧部材である平坦ローラ700aを有している。
そして、本実施の形態においても、既述した第1の実施の形態と同様、図13に示すようにシート束PAの後端が折りローラ対556を抜け、シート束PAの先端が平坦処理ユニット700の位置に到達したところでシート束PAを一旦停止させる。この後、図14に示すように、平坦ローラ700aがシート束PAの折り曲げ端部の頂部Pbに沿って圧をかけながら移動することで、シート束PAの折り曲げ端部の頂部Pbが平坦化される。
次に、このような平坦処理ユニット700を備えたフィニッシャ500における製本モードの設定について図15に示すフローチャートを用いて説明する。
製本モードを設定する場合は、まず図5に示す初期画面でソフトキーである「応用モード」を選択する。これにより、液晶表示部420が図11の(a)に示すような各種モードを選択する画面に切り替わる。ここで、「製本」を選択すると、次に図11の(b)に示すように、出力するシート(記録紙)を収納したカセットを選択可能なキーが表示される。そして、このキーを操作して使用するシートサイズを設定する(S1100)。
次に、このようなシートサイズの設定が終わった後、「次へ」のソフトキーを押下すると、図16の(a)に示すように、製本束に対する処理を設定する画面となる。ここで、製本モードを選択した場合、少なくとも中折りを行うが、中綴じを行うか否かはユーザーが選択可能であり、「中綴じする」と「中綴じしない」のいずれかを選択する。また、平坦処理ユニット700による製本束の折り曲げ端部の頂部に対して、「平坦処理する」と「平坦処理しない」のいずれかを選択する。
そして、「中綴じする」のキーが選択されているか否かを判断し(S1101)、「中綴じする」が選択されていれば(S1101のY)、平坦処理をする(S1102)。ここで、このように平坦処理が許可された場合、「平坦処理する」と「平坦処理しない」のキーの選択が可能となる。
また、「中綴じする」が選択されず(S1101のN)、即ち「中綴じしない」のキーが選択されていた場合は、平坦処理をしない(S1103)。この場合には、図16の(b)に示すように「平坦処理する」および「平坦処理しない」のキーをマスクして、ユーザーが選択出来ないようにする。
その後、「OK」キーが押されて設定が終了するまでは(S1104のN)、S1101に戻る。また、「OK」キーが押されて設定が終了すると(S1104のY)、設定が終了したとして初期画面へと戻り、スタートキー402が押下されて動作が開始するのを待つ状態となる。
なお、本実施の形態においては、綴じ処理の有無によって平坦処理を選択的に行うようにしたが、第1の実施の形態と同様に、シートの厚さや剛性等により、シート束がズレを生じない所定枚数のシートからなる場合には平坦処理を行うようにしても良い。所定の枚数は処理枚数設定手段である操作表示装置400により設定されたシート束PAの枚数(シート束枚数情報)によって判断される。
以上説明したように、本実施の形態においては、折り曲げ処理が行われたシート束PAが、綴じ処理が行われていないシート束PAの場合には、平坦処理を行わないよう平坦処理ユニット700を制御している。これにより、綴じ処理が行われたシート束PAの折り曲げ端部に対する仕上げ処理が可能となると共に、見栄えの良くない、品位の低下したシート束PAが出力されるのを未然に防止することができる。