JP2013125807A

JP2013125807A - 筐体

Info

Publication number: JP2013125807A
Application number: JP2011272989A
Authority: JP
Inventors: Takemi Matsumoto; 武巳松本; Takeshi Tashiro; 剛田代; Keiji Uehara; 啓嗣上原
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2011-12-14
Filing date: 2011-12-14
Publication date: 2013-06-24

Abstract

【課題】防水通気膜やそのいたずら防止構造といったものを用いることなく、また扉や筐体の構造を複雑化することなく、また日除け板や風除け板を備えていない場合においても防水性と通気性を確保した筐体を提供する。
【解決手段】呼吸構造を有する筐体１であって、筐体本体１１の上部内部空間に開口された上部通気口２ａと、上記筐体本体の下部に開口された外気に連通する下部通気口２ｂとを有する呼吸用風路２を備え、上記呼吸用風路は上記下部通気口から侵入した雨滴または水滴が上記上部通気口に達する前に、その自重により落下し得る長さに形成されてなることを特徴としている。
【選択図】図１

Description

この発明は屋外に設置される例えば電源盤、操作盤などの外囲器として好ましく用いられる筐体に関するものである。

屋外に設置される筐体においては、その内部の機器を保護するため、防水である必要がある。しかし完全密閉構造とすると、例えばトンネル内部など筐体外部の気圧変動が激しい環境では筐体内外で気圧差が生じて筐体に繰り返し応力が加わり、疲労破壊する恐れがある。これを防ぐためには、筐体に呼吸構造を備えることが有効である。
雨水等の浸入を防ぎつつ通気を確保する呼吸構造として、例えば防水通気膜を用い、いたずら防止を図ったものがある（例えば特許文献１参照）。また、防水通気膜を用いない構造として開閉扉を二重中空構造とし、その中空部分を通気用風路とすることで防水性と通気性を確保するようにした構造（例えば特許文献２参照）、あるいは筐体前面に備えられた日除けあるいは風除け板を利用して通気部を構成するようにした構造（例えば特許文献３参照）などが開示されている。

特開２０００−２９４９５４号公報（第１頁、図１）特開２００１−３０８５５４号公報（第１頁、図１）特許第４１９４８７４号公報（第３頁、図３）

上記特許文献１のような技術では、雨水等の浸入を防ぐ防水通気膜といった特殊な部品を用いる必要があり、また、いたずら等による防水通気膜の破損を防ぐため、別途保護用の部品が必要であった。また、特許文献２のような技術では、扉を二重構造とする必要があるため、本来の扉の強度には必要のない複雑な構造が必要になり、コストアップにつながっていた。また、特許文献３のような技術では、日除けあるいは風除け板を備えていない筐体においては実現不可能であるという課題があった。

本発明は上記のような課題を解決しようとするものであり、防水通気膜やそのいたずら防止構造といったものを用いることなく、また扉や筐体の構造を複雑化することなく、また日除け板や風除け板を備えていない筐体においても防水性と通気性を確保した筐体を提供することを目的としている。

本発明に係る筐体は、呼吸構造を有する筐体であって、筐体本体の上部内部空間に開口された上部通気口と、上記筐体本体の下部に開口された外気に連通する下部通気口とを有する呼吸用風路を備え、上記呼吸用風路は上記下部通気口から侵入した雨滴または水滴が上記上部通気口に達する前に、その自重により落下し得る長さに形成されてなることを特徴としている。

本発明においては、筐体本体の上部内部空間に開口された上部通気口と、上記筐体本体の下部に開口された外気に連通する下部通気口とを有する呼吸用風路を、下部通気口から侵入した雨滴または水滴が上部通気口に達する前に、その自重により落下し得る長さに形成されていることにより、防水通気膜やいたずら防止部品を用いることなく、また日除け板や風除け板を備えていない筐体においても、防水性と通気性を確保することができる。また、呼吸のためだけの特別な部品の追加や、扉や筐体の構造を複雑化することがない。

本発明の実施の形態１に係る筐体を前方上方から見た断面斜視図。図１に示された筐体を前方下側から見た斜視図。本発明の実施の形態２に係る筐体を示す図であり、（ａ）は前方下側から見た断面斜視図、（ｂ）は補強部材を兼ねる風路形成部材を示す斜視図。本発明の実施の形態３に係る筐体を前方下側から見た断面斜視図。図４に示された筐体を前方下側から見た分解斜視図。図５に示された呼吸用風路の構造を拡大して示す要部断面図。本発明の実施の形態４に係る筐体を前方下側から見た分解斜視図。図７に示された呼吸用風路の構造を拡大して示す要部断面図。

実施の形態１．
図１は本発明の実施の形態１に係る筐体を前方上方から見た断面斜視図、図２は図１に示された筐体を前方下側から見た斜視図である。図において、筐体１は直方体状の筐体本体１１と、筐体本体１１の前面側（図の左側）の開口部を開閉する扉１２と、筐体本体１１の内部奥に設置された風路形成部材２１によって形成された呼吸用風路２から構成されている。風路形成部材２１は、例えば丸パイプあるいは角パイプなどの筒状部材を用いればよく、筐体本体１１の床面１１ａの隅部に設けられた穴に対して溶接などで水密を確保して固定されている。風路形成部材２１の上端は上部通気口２ａ、下端は外気とつながる下部通気口２ｂとなっており、その内部が呼吸用風路２となっている。

風路形成部材２１の高さは、下部通気口２ｂから侵入した雨滴または水滴が、強い風などで上部通気口２ａに達する前に、その自重により落下させるのに十分な長さに形成されている。なお、風路形成部材２１の断面形状は丸型、角型等に限定されず、どのような形状でも良いことは言うまでもなく、また、その設置本数、設置位置、及び風路の段面積などは、筐体１の容積、筐体外部の気圧変動量等によって適宜決定されるべきものである。また、筐体１の内部に収容される機器、装置類としては、例えば配電機器、操作機器、制御機器、監視機器、通信設備、観測装置等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではなく、各種用途に適用することができる。

上記のように、筐体１の内部雰囲気は、風路形成部材２１の呼吸用風路２を通じて筐体１は呼吸することが可能となっている。また、一般的に筐体１は地面に設置されているため、筐体１下部から雨水が浸入する可能性は低いが、仮に台風などの風雨によって筐体１の下部から雨滴や水滴などの雨水が浸入したとしても呼吸用風路２の高さが十分に高いため、進入した雨水は破線矢印Ａに示すように、最上部の上部通気口２ａに到達する前に自重にて呼吸用風路２を伝って下に落下し、筐体１の内部まで侵入することはない。

上記のように、実施の形態１によれば、筐体本体１１の上部内部空間に開口された上部通気口２ａと、筐体本体１１の下部に開口された外気に連通する下部通気口２ｂとを有する呼吸用風路２を、下部通気口２ｂから侵入した雨滴または水滴が上部通気口２ａに達する前に、その自重により落下し得る長さに設けたことにより、通気性が確実に図られる。そして、防水通気膜といった呼吸のためだけの特別な部品やいたずら防止部品などの特別な部品の追加や、扉や筐体の構造を複雑化することがない。また日除け板や風除け板を備えていない筐体においても、防水性と通気性を確保することができる。また、構成が簡素であり、呼吸用風路２を筐体１の内部に設けているので、外観上も見栄えを損なうことがなく、装置の寿命も伸ばすようにすることができる

実施の形態２．
図３は本発明の実施の形態２に係る筐体を示す図であり、（ａ）は前方下側から見た断面斜視図、（ｂ）は補強部材を兼ねる風路形成部材を示す斜視図である。なお、各図を通じて同一符号は同一または相当部材・部分を示すものとする。図において、風路形成部材２１Ａは、筐体本体１１の補強部材を兼ねて形成された断面Ｌ字形で、上部に複数の上部通気口２ａが上下方向に列設された板材からなり、筐体１の奥側両角部に上下方向全長に渡って延在し、溶接等で接合部分が水密に取り付けられている。筐体１の床面１１ａには下部通気口２ｂがあけられており、風路形成部材２１Ａの寸法はこの下部通気口２ｂの開口寸法よりも一回り以上大きければよい。

上記のような構成により、筐体１の壁と断面Ｌ字形の風路形成部材２１Ａによって閉じられた呼吸用風路２を形成することができ、上部通気口２ａと下部通気口２ｂによって筐体は呼吸することが可能となる。このとき、上部通気口２ａは十分に高い位置にあけられているため、実施の形態１と同様雨水が筐体１の内部に浸入することはない。なお、風路形成部材２１Ａの形状や取付位置などは、図に例示されたものに限定されるものでないことは言うまでもなく、例えば断面コ字形の部材（図示省略）を筐体１の壁面の中央部などに配置してもよい。また、上部通気口２ａの穴の数、及びその面積は、実施の形態１同様に筐体の容積、筐体外部の気圧変動量などによって適宜決定される。

上記のように実施の形態２によれば、呼吸用風路２を、例えば断面Ｌ字形やコ字形などに形成された筐体１の補強を兼ねる風路形成部材２１Ａと筐体１の壁面を利用して構成したので、実施の形態１と同様、呼吸のためだけの特別な部品を追加することなく、また扉や筐体の構造を複雑化することなく、防水性と通気性を確保することができるなどの効果が得られるほか、筐体１の補強を兼ねるようにしたので用いる材料を有効に活用できるという効果も得られる。

実施の形態３．
図４は本発明の実施の形態３に係る筐体を前方下側から見た断面斜視図、図５は図４に示された筐体を前方下側から見た分解斜視図、図６は図５に示された呼吸用風路の構造を拡大して示す要部断面図である。なお、この実施の形態３は、筐体本体１１を構成する壁面部材を板金加工することによって、呼吸用風路２を、筐体本体１１の２つの壁面部が交差する角部に筒状に形成し、実施の形態１、２の風路形成部材２１、２１Ａを省いたものである。図において、筐体本体１１は奥壁部材１３と、開口部（正面）から見て左側に配設された左側壁部材１４と、右側に配設された右側壁部材１５などの何れも壁面部材を用いて構成されている。

図６に示すように、奥壁部材１３は中央部分の主面部１３ａと、その左右両端部に対称的に前方方向に折曲形成された、前後方向折曲部１３ｂと、その前後方向折曲部１３ｂの略中央部から更に主面部１３ａと平行方向に外側に左右対称的に折曲された左右方向折曲部１３ｃからなる。なお、左右方向折曲部１３ｃの中央上部には複数の上部通気口２ａが設けられている。一方、左側壁部材１４は、前後方向に延在する主面部１４ａと、その奥側端部において右方向に折曲形成された奥端折曲部１４ｂからなる。図６に示すように、奥端折曲部１４ｂの先端は、上記奥壁部材１３の主面部１３ａと前後方向折曲部１３ｂの角部外側に当接し、主面部１４ａ内側が上記奥壁部材１３の左右方向折曲部１３ｃの先端に当接することで、断面四角形の呼吸用風路２が形成される。

右側壁部材１５は、左側壁部材１４と対称的に、主面部１５ａと、奥端折曲部１５ｂから構成され、筐体１の右奥に同様の断面四角形の呼吸用風路２が形成されるように構成されている。奥壁部材１３、左側壁部材１４、及び右側壁部材１５の当接部分は溶接等によって接合され、水密性が確保されている。なお、呼吸用風路２の下端部は筐体本体１１の床面１１ａに位置し、外気とつながる下部通気口２ｂが、左右の奥隅部にそれぞれ設けられていることは実施の形態２と同様である。

なお、上部通気口２ａの穴の数、及びその面積は、実施の形態１同様に筐体１の容積、筐体外部の気圧変動量などによって適宜決定される。また、呼吸用風路２は断面四角形に形成したが、これに限定されるものではなく、断面形状が例えば三角形や円弧を含むものなど、適宜に変更し得ることは言うまでもない。さらに、呼吸用風路２を筐体１の奥側両隅部に設けたが、設置位置や設置数は特に限定されるものではなく、例えば壁面の中央部分などに設けるようにしても差し支えない。

上記のように構成された実施の形態３によれば、防水性と通気性を確保した呼吸用風路２を筐体１の壁面を構成する板金の曲げ加工によって形成できるため、風路形成部材を別途用意する必要がなくなり、部品点数が削減されるので管理コスト、組立工数なども削減できる。また、呼吸用風路２を構成する壁面部材からなる板材が筐体１の補強部材を兼ねているので、少ない部品点数で強固な筐体を得ることができる。その他、実施の形態１と同様の効果が得られる。

実施の形態４．
図７は本発明の実施の形態４に係る筐体を前方下側から見た分解斜視図、図８は図７に示された呼吸用風路の構造を拡大して示す要部断面図である。なお、この実施の形態４は実施の形態３における呼吸用風路２の形成構造を変更し、溶接を用いずに組み立てられるようにしたものである。図において、奥壁部材１３の左右両側に形成された左右方向折曲部１３ｃの先端部には、左側壁部材１４の主面部１４ａと面接触する返し部１３ｄ、及び右側壁部材１５の主面部１５ａと面接触する返し部１３ｄがそれぞれ設けられている。

また、左側壁部材１４の奥端折曲部１４ｂの先端部には、奥壁部材１３の図の左側の前後方向折曲部１３ｂと面接触する返し辺部１４ｃが設けられ、右側壁部材１５の奥端折曲部１５ｂの先端部には、奥壁部材１３の図の右側の前後方向折曲部１３ｂと面接触する返し辺部１５ｃが対称的に設けられている。そして、各面接触部分は図６に示すようにリベット３により部材相互が締結され密着されている。

上記のように構成された実施の形態４においては、筐体本体１１を組み立てる際に、リベット３を用いることができ、溶接作業を行う必要がない。このため、作業環境上有利である。また、呼吸用風路２の構成部分は板材相互が互いに折曲されて入り組んだラビリンス形状となっており、仮に筐体１の外部より接合部の隙間から雨水が浸入したとしても、その雨水が筐体１の内部まで浸入することはなく、防水性が確保できる。なお、当接部の筐体外側にコーキング材を施して防水性を強化することもできる。その他、実施の形態３と同様の効果が得られる。なお、リベット３の代わりにねじを用いるなど適宜変更が可能である。

なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。なお、呼吸用風路２は筐体１の外部に設けても良い。

１筐体、１１筐体本体、１１ａ床面、１２扉、１３奥壁部材、１３ａ主面部、１３ｂ前後方向折曲部、１３ｃ左右方向折曲部、１３ｄ返し部、１４左側壁部材、１４ａ主面部、１４ｂ奥端折曲部、１４ｃ返し辺部、１５右側壁部材、１５ａ主面部、１５ｂ奥端折曲部、１５ｃ返し辺部、２呼吸用風路、２ａ上部通気口、２ｂ下部通気口、２１、２１Ａ風路形成部材、３リベット。

Claims

呼吸構造を有する筐体であって、筐体本体の上部内部空間に開口された上部通気口と、上記筐体本体の下部に開口された外気に連通する下部通気口とを有する呼吸用風路を備え、上記呼吸用風路は上記下部通気口から侵入した雨滴または水滴が上記上部通気口に達する前に、その自重により落下し得る長さに形成されてなることを特徴とする筐体。
上記呼吸用風路は、上記筐体本体の補強部材を兼ねた板材を用いて形成されていることを特徴とする請求項１に記載の筐体。
上記呼吸用風路は、上記筐体本体を構成する壁面部材を板金加工することによって、上記筐体本体の壁面部または２つの壁面部が交差する角部に筒状に形成されたものであることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の筐体。
隣接する上記壁面部材相互の面接触部分を形成し、該面接触部分を相互に締結することで上記呼吸用風路が組み立てられてなることを特徴とする請求項３に記載の筐体。