本発明に係るレンズキャップの一実施例としてのレンズキャップ50およびそれが装着される撮像装置の一実施例としてのデジタルカメラ10の概略的な構成を、図1から図17を用いて説明する。なお、図3では、理解容易のために、外装部32、可動レンズ鏡筒40の直進筒41、第1レンズ保持枠44、第1レンズ群12aおよび押え環状部材45を部分的な断面で示すとともに、回転筒42、ベース部材34、基板35および撮像素子22を二点鎖線で示し、回転筒42の内方に設けられる構成を省略して示している。
まず、レンズ鏡胴13を有する撮像装置の一例としてのデジタルカメラ10を、図1から図4を用いて説明する。デジタルカメラ10は、図1に示すように、カメラ本体11の前面(図1を正面視して手前側の面)側に撮影光学系12を有するレンズ鏡胴13が設けられている。図示の例では、レンズ鏡胴13は、カメラ本体11に対して着脱自在なレンズ鏡胴ユニットとして構成されている。その撮影光学系12は、最も被写体側に配置される第1レンズ群12aや、図示は略すが、固定レンズ、ズームレンズ、シャッタユニットおよび絞りユニット等の複数の光学部材を備える。レンズ鏡胴13は、撮影光学系12の光軸(撮影光軸OA)に沿って、所定の収納位置(図1(a)参照)から所定の撮影待機位置(図1(b)参照)へ向けて繰り出すことと、所定の収納位置に繰り入れることと(進退移動)が可能とされている。
カメラ本体11では、上面(図1を正面視して上側の面)に、操作部としての電源スイッチ14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16が設けられている。電源スイッチ14は、デジタルカメラ10を起動するための操作(起動操作)と、デジタルカメラ10を停止するための操作(停止操作)と、をするものである。シャッターボタン15は、被写体を撮影する際に押し下げる押下操作部材である。モード切替ダイアル16は、各種のシーンモード、静止画モード、動画モード等を設定するものである。また、明確な図示は略すが、カメラ本体11の背面には、その他の操作スイッチ17や後述する表示部24(その表示面)が設けられている(図2参照)。その表示部24は、撮像された画像データや記録媒体に記録された画像データに基づき画像を表示する。また、操作スイッチ17は、各メニュー等の設定のための方向指示用スイッチや各種スイッチである。
デジタルカメラ10では、シャッターボタン15の押下操作により、撮影光学系12を通して後述する撮像素子22(図3等参照)の受光面に受光した被写体像の画像データが記録処理される。その撮影光学系12は、第1レンズ群12a(図3等参照)を含む複数のレンズ群と、シャッタおよび開口絞りを含むシャッタ/絞りユニットと、撮像素子22(図3等参照)と、を具備している。撮影光学系12は、これら第1レンズ群12aを含む複数のレンズ群とシャッタ/絞りユニットとにより、焦点距離可変のズームレンズとして構成されている。この撮影光学系12の結像位置に、後述する撮像素子22が配置される(図3等参照)。この明細書では、撮影光学系12における光学的な軸線(第1レンズ群12aを含む各光学部材の中心軸位置となる回転対称軸)を、撮影光学系12すなわちレンズ鏡胴13の撮影光軸OAとする。
図1(a)および図3に示すデジタルカメラ10は、電源オフ時(電源スイッチ14がOFF状態)であって、撮影光学系12(後述する可動レンズ鏡筒40)が後述する固定筒37(外装部32)内の収納位置とされている。また、図1(b)に示すデジタルカメラ10は、電源オン時(電源スイッチ14がON状態)であって、撮影光学系12(後述する可動筒)が後述する固定筒37(外装部32)から撮影光軸OA方向に繰り出された撮影待機位置とされている。
このデジタルカメラ10は、図2に示すように、制御部21と、撮像素子22と、レンズ鏡胴駆動ユニット23と、上述した表示部24と、を有する。制御部21は、操作部としての電源スイッチ14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16および操作スイッチ17に為された操作に基づく駆動処理や、撮像素子22からの信号に基づく画像データの生成処理や、レンズ鏡胴駆動ユニット23および表示部24の駆動等の制御を、記憶部21aに格納されたプログラムにより統括的に行う。制御部21は、撮影光学系12を経て撮像素子22で画像を取得し、その画像をカメラ本体11の後面側に設けられた表示部24に適宜表示させる。
撮像素子22は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子で構成されており、撮影光学系12を通して受光面(図3参照)上に結像された被写体像を電気信号(画像データ)に変換して出力する。その出力された電気信号(画像データ)は、制御部21へと伝送される。
レンズ鏡胴駆動ユニット23は、レンズ鏡胴13を収納位置(図1(a)参照)と撮影待機位置(図1(b)参照)とで移行すべく、後述するように固定筒37に対して可動レンズ鏡筒40(直進筒41)を移動させることにより、撮影光学系12の各光学部材を各々支持する光学部材保持枠(図示せず)を移動させる。
そのレンズ鏡胴13は、撮影光学系12の第1レンズ群12aを含む各光学部材を撮影光軸OA方向に移動可能に保持する(図3参照)。レンズ鏡胴13は、図3に示すように、本体部31と外装部32とを備える。本体部31は、明確な図示は略すが、全体に箱状を呈する筐体33(図1等参照)に囲まれて形成されており、レンズ鏡胴13における基端部を構成している。この筐体33は、実施例1では、上述したように、図示は略すがカメラ本体11(図1等参照)への着脱が可能とされている。この本体部31すなわち筐体33の内方には、ベース部材34と基板35とが収容されている。その基板35は、ベース部材34に固定されており、適宜電子部品および撮像素子22が実装されて電子回路部を構成している。そのベース部材34は、図示は略すが本体部31(筐体33)に取り付けられている。また、本体部31(筐体33)では、図示は略すが、後述する直進筒41へと駆動力を付与するレンズ鏡胴駆動ユニット23(図2参照)としての駆動装置が基板35に設けられている。この本体部31に外装部32が設けられている。
その外装部32は、リングキャップ36と固定筒37とを有する。固定筒37は、全体に筒形状を呈し、筐体33の前端(被写体側)に設けられている。この固定筒37の前端(被写体側)には、図4に示すように、鏡胴側連結部38が設けられている。この鏡胴側連結部38は、レンズキャップ50の後述するキャップ側連結部51aもしくはリングキャップ36の後述するリング側連結部36bとの連結およびその解除により、レンズキャップ50もしくはリングキャップ36の固定筒37(レンズ鏡胴13)への装着および固定筒37(レンズ鏡胴13)からの分離を可能とする。鏡胴側連結部38は、環状凹所38aと3つの連結箇所38bとを有する。その環状凹所38aは、固定筒37の外周が全周に渡り、径方向(撮影光軸OAを中心とする放射方向)へと縮められているとともに、撮影光軸OA方向で本体部31(筐体33)側へと凹まされて形成されている。
また、3つの連結箇所38bは、環状凹所38aにおいて、撮影光軸OAを中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられている(図4では、2つのみ示す)。この各連結箇所38bは、固定筒37における環状凹所38aにより径方向に縮められた箇所の外周が部分的に径方向に沿って外側に突出されつつ撮影光軸OAを中心とする回転方向に沿って湾曲されて形成された爪部分38cを有する。各爪部分38cでは、被写体側から見た時計回り方向を上記回転方向の正側として、負側の端部が回転方向の正側からの進入が可能に開放された開放部分38dとされている。この各連結箇所38bは、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)と、レンズキャップ50もしくはリングキャップ36と、の撮影光軸OA方向への相対的な接近により、後述するキャップ側連結部51aの爪部分51b(図7参照)もしくは後述するリング側連結部36bの爪部分36cを開放部分38dで受け入れるとともに、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50もしくはリングキャップ36との相対的な回転により、その爪部分51bもしくは爪部分36cを爪部分38cへと引っ掛ける所謂バヨネット式の装着機構の一方を構成している。この鏡胴側連結部38を介して固定筒37(その前端)にリングキャップ36が装着される。
そのリングキャップ36は、鏡胴側連結部38(その凹凸形状)を隠すために固定筒37に装着される。リングキャップ36は、リング本体部36aの内方に3つのリング側連結部36b(図4では、1つのみ示す)が設けられて構成されている。そのリング本体部36aは、レンズ鏡胴13の固定筒37に設けられた鏡胴側連結部38の環状凹所38aを取り囲むことが可能な大きさ寸法の筒状を呈する。また、リング本体部36aは、固定筒37に等しい外径寸法とされており、撮影光軸OA方向で見て、固定筒37に連続する周壁を形成している(図1および図3参照)。
3つのリング側連結部36bは、リング本体部36aの軸線を中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられており、固定筒37に設けられた鏡胴側連結部38の3つの連結箇所38bに対応する位置関係とされている。各リング側連結部36bは、リング本体部36aの他方の開放端(レンズ鏡胴13への装着状態において本体部31(筐体33)側)から、径方向(軸線を中心とする放射方向)に沿って内側に突出され、軸線を中心とする回転方向に沿って湾曲されて形成された爪部分36cを有する。この3つの爪部分36cは、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とリングキャップ36との撮影光軸OA方向への相対的な接近により、固定筒37の鏡胴側連結部38の3つの連結箇所38bの開放部分38dから挿入可能であり、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とリングキャップ36との相対的な回転により、その連結箇所38bの爪部分38cへと引っ掛かる所謂バヨネット式の装着機構の他方を構成している。
そのリングキャップ36が装着される固定筒37は、図3に示すように、筐体33(そのベース部材34)に固定されている。この固定筒37の内周面には、案内突起37aが設けられている。その案内突起37aは、後述する直進筒41の直進溝41bへの挿入が可能とされるとともに、その挿入状態においてその直進溝41bとの干渉が可能とされている。この固定筒37の内周に直進筒41が嵌め入れられている。
その直進筒41は、全体に円筒形状を呈する。この直進筒41の周壁には、進退カム溝41aと直進溝41bとが設けられている。進退カム溝41aは、後述する回転筒42の回転する力を直進筒41における撮影光軸OA方向への移動力に変換すべく、撮影光軸OA方向に対して傾斜されて設けられている。直進溝41bは、撮影光軸OA方向に沿って設けられており、固定筒37の案内突起37aが干渉可能に嵌め入れられている。このため、直進筒41は、固定筒37に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向への移動(直進移動)が可能とされているとともに、撮影光軸OA回りの回転が防止されている。この直進筒41の内周に回転筒42が嵌め入れられている。
その回転筒42は、全体に円筒形状を呈する。この回転筒42の外周面には、キー部42aが設けられている。キー部42aは、撮影光軸OAに直交する面に沿って、径方向の外側へ向けて基端部から突出して形成され、図示を略す固定筒37の案内溝に挿入されている。このような構成により、回転筒42と固定筒37とは、撮影光軸OA(撮影光路)方向への相対的な移動が防止されつつ、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。このため、回転筒42は、ベース部材34に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向の位置を固定したまま、撮影光軸OA回りの回転が可能とされている。
この回転筒42には、図示は略すがギア部が設けられており、そのギア部に基板35すなわち固定筒37に固定的に設けられたレンズ鏡胴駆動ユニット23(図2参照)としての駆動装置(図示せず)の出力軸に設けられたギアが螺合されている。このような構成により、回転筒42は、図示は略すがギア部に螺合されたギアを介して駆動装置の駆動力が適宜ギア伝達されると、直進筒41内において固定筒37に対して回転駆動される。
この回転筒42には、カム突起42bが設けられている。このカム突起42bは、明確な図示は略すが径方向の外側へ向けて回転筒42から突出して設けられており、直進筒41の進退カム溝41aに干渉可能に挿入されている。このため、回転筒42は、固定筒37に対して、撮影光軸OA(撮影光路)を中心軸線として回転駆動されると、その回転姿勢に応じて、カム突起42bが干渉する直進筒41の進退カム溝41aのカム軌跡に倣うように、ベース部材34(固定筒37)に対して直進筒41を撮影光軸OA(撮影光路)方向へと直進移動させる。
その直進筒41の先端部(被写体側)には、第1レンズ保持枠44と押え環状部材45とが設けられている。この第1レンズ保持枠44は、撮影光学系12の第1レンズ群12aを一体的に保持しており、周縁の先端箇所で直進筒41の先端部に接続されている。その第1レンズ群12aは、1枚以上のレンズからなり、撮影光学系12における最も被写体側に配置される対物レンズを有する。押え環状部材45は、径方向で見て、直進筒41の先端部よりも小さな大きさ寸法とされるとともに、第1レンズ群12a(その対物レンズ)の前面の周縁部(有効エリアの外側位置)よりも大きな円環状を呈する。この押え環状部材45は、直進筒41および第1レンズ保持枠44の被写体側で第1レンズ群12a(その対物レンズ)の前面の周縁部を取り巻くように設けられており、図示を略す固定ねじにより直進筒41(その先端部)に固定されている。このため、レンズ鏡胴13の先端部では、押え環状部材45を取り囲むように、直進筒41の先端部側の先端面41cが露出されている。
その直進筒41に嵌め入れられた回転筒42の内方には、図示は略すが、撮影光学系12(図1等参照)の第1レンズ群12aの他の各光学部材(図示せず)を各々保持する光学部材保持枠や、その光学部材保持枠を撮影光軸方向に移動させるための他の回転筒や他のライナー等が適宜設けられる。また、直進筒41および回転筒42の内周面には、図示は略すが、撮影光学系12の第1レンズ群12aの他の各光学部材(図示せず)を撮影光軸方向に適宜移動させるべく、内方に設けられる各光学部材収容枠(光学部材保持枠や回転筒やライナー等)のキー突起部やヘリコイド等に係合される直進溝やヘリコイド等が設けられている。このため、固定筒37(外装部32)と直進筒41と回転筒42とは、図示を略す光学部材保持枠や他の回転筒や他のライナー等とともに、撮影光学系12(図1等参照)の各光学部材(図示せず)を収容する光学部材収容枠として機能する。また、レンズ鏡胴駆動ユニット23は、図示を略す駆動装置で回転筒42を適宜回転させることにより、光学部材収容枠を適宜駆動する収容枠駆動手段として機能する。
このレンズ鏡胴13では、回転筒42が、そのギア部に螺合されたギア(図示せず)を介して、レンズ鏡胴駆動ユニット23(図2参照)(その駆動装置)の駆動力が適宜ギア伝達されて、直進筒41内で固定筒37に対して回転される。これにより、レンズ鏡胴13では、直進筒41が所定の収納位置(図1(a)参照)から所定の撮影待機位置(図1(b)参照)へ向けて繰り出されるとともに、そこから所定の収納位置に繰り入れられ、撮影光学系12(図1等参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく移動させる。本実施例では、レンズ鏡胴13は、電源スイッチ14がOFF状態からON状態とされると、撮影光学系12(後述する可動筒)を固定筒37(収納部)から繰り出す要求があったものとして、撮影光学系12(可動筒)を固定筒37(収納部)から撮影光軸OA方向に繰り出して撮影待機位置(図1(b)参照)とする。本実施例では、この図1(b)に示す撮影待機位置は、その撮影待機位置において固定筒37(外装部32)に対して最も繰出量が小さな状態とされており、後述する可動レンズ鏡筒40における広角位置とされている。このため、直進筒41(後述する可動レンズ鏡筒40)は、図1(b)に示す撮影待機位置からさらに被写体側へ向けて繰り出されることが可能とされている(図15(d)参照)。
このことから、固定筒37(外装部32)の内方に収容された直進筒41は、図示を略す光学部材保持枠や他の回転筒や他のライナー等とともに、レンズ鏡胴13において固定筒37(外装部32)に対して進退自在とされ、撮影光学系12の光学素子(第1レンズ群12aや、図示を略す他の各光学部材)を適宜撮影光軸OA方向に移動させる可動レンズ鏡筒40として機能する。さらに、レンズ鏡胴駆動ユニット23は、図示を略す駆動装置で回転筒42を適宜回転させることにより、光学部材収容枠を適宜駆動する収容枠駆動手段として機能する。
その可動レンズ鏡筒40の先端部は、上述したように、撮影光学系12の第1レンズ群12a(その対物レンズ)と、その外周を取り巻く押え環状部材45と、その外周を取り巻く直進筒41の先端部側の先端面41cと、により構成されている(図3参照)。その可動レンズ鏡筒40の先端部には、取付環状部材76を装着することが可能とされている(図13参照)。
この取付環状部材76は、図13に示すように、光学部材等の装着部材(図13の光学フィルタ77や図16および図17のレンズフード78参照)の着脱を可能とするものである。取付環状部材76は、全体に環状を呈し、可動レンズ鏡筒40の撮影光学系12(図1参照)への撮影光の入射の妨げとなることが防止されている。この取付環状部材76は、後端(装着状態における像面側の端部)に内鍔部76aが設けられている。取付環状部材76は、内鍔部76aが直進筒41の先端面41cと押え環状部材45との間に挿入されることにより、その先端面41cに取り付けられる。この取付環状部材76の内周面には、取付ねじ溝76bが設けられている。この取付ねじ溝76bは、レンズキャップ50やリングキャップ36とは異なる上述した装着部材(図13の光学フィルタ77や図16および図17のレンズフード78参照)の取り付けを可能とする。
次に、本発明に係る一例としてのレンズキャップ50について、図4から図17を用いて説明する。なお、図10では、閉状態における第1バリア521の側方区画壁部671Aの段状部分731Aと、第3バリア523の側方区画壁部673Aの段状部分733Aと、の位置関係を理解容易とするために、第2バリア522を省略して示している。また、図11では、各バリア52の各段状部分73の位置関係を理解容易とするために、模式的に示している。さらに、図12では、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量の差異を理解容易とすべく模式的に示しており、その突出量は実際のものと必ずしも一致するものではない。
このレンズキャップ50は、図5に示すように、レンズ鏡胴13、特に可動レンズ鏡筒40の先端位置で保持された撮影光学系12の光学素子の第1レンズ群12a(その対物レンズ)の保護のために、レンズ鏡胴13に対して適宜装着されるものである。レンズキャップ50は、基本的にレンズ鏡胴13の固定筒37(外装部32)に装着され、その固定筒37に対して撮影光軸OA方向に移動される可動レンズ鏡筒40を利用して、保護状態の解除と保護状態への復帰との動作を可能とする。このレンズキャップ50は、図5から図7に示すように、環状の装着部51と、その一方の開放端(レンズ鏡胴13への装着状態において被写体側)を塞ぐ4つのバリア52と、を有する。レンズキャップ50は、環状の装着部51が外装部32を取り巻くようにレンズ鏡胴13に装着されることから、その装着状態においては装着部51の軸線が撮影光軸OAと一致される。このため、以下の説明では、基本的に装着状態における撮影光軸OA方向と、その撮影光軸OAを中心とする放射方向である径方向と、を用いることとする。また、以下の説明では、装着部51において、撮影光軸OA方向の被写体側を先端側とし、その反対側を背面側とする。
その装着部51は、レンズ鏡胴13の外装部32への装着箇所となるものであり、本実施例では、外装部32の固定筒37に設けられた鏡胴側連結部38(図4参照)への装着が可能とされている。装着部51は、レンズ鏡胴13の固定筒37に設けられた鏡胴側連結部38の環状凹所38aを取り巻くことが可能な大きさ寸法の環状を呈する。その装着部51には、図7に示すように、内方に3つのキャップ側連結部51a(図7では1つのみ示す)が設けられている。
3つのキャップ側連結部51aは、装着部51の軸線すなわち撮影光軸OAを中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられており、固定筒37に設けられた鏡胴側連結部38の3つの連結箇所38b(図4参照)に対応する位置関係とされている。各キャップ側連結部51aは、装着部51の他方の開放端(レンズ鏡胴13への装着状態において本体部31(筐体33)側)から、径方向に沿って内側に突出され、撮影光軸OAを中心とする回転方向に沿って湾曲されて形成された爪部分51bを有する。この3つの爪部分51bは、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)と装着部51(レンズキャップ50)との撮影光軸OA方向への相対的な接近により、固定筒37の鏡胴側連結部38の3つの連結箇所38bの開放部分38d(図4参照)から挿入可能であり、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)と装着部51との相対的な回転により、その連結箇所38bの爪部分38cへと引っ掛かる所謂バヨネット式の装着機構の他方を構成している。
この装着部51では、4つの支持箇所53が形成されている。この4つの支持箇所53は、それぞれが装着部51におけるバリア52を支持する箇所を構成するものであり、撮影光軸OAを中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられている。この各支持箇所53は、受入凹所54と一対の軸受突起55とを有する。その受入凹所54は、装着部51の上端部(先端側)が部分的に切り欠かれて形成されている。受入凹所54は、径方向に沿って得られる断面で見ると、図8に示すように、内側が撮影光軸OAに略直交する平面とされ、そこから上方(先端側)へ向けて湾曲されており、外側に外縁部分54aが設けられている。この外縁部分54aは、後述するように支持箇所53に取り付けられた(受入凹所54に受け入れられた)バリア52(その取付箇所66)の開き方向への回転範囲(後述する最大開状態(図16および図17参照))を確保すべく、径方向の外側に向かうに連れて撮影光軸OA方向の被写体側へと変位する傾斜を為している。この受入凹所54では、撮影光軸OAに略直交する平面とされた内側に、固定孔54bが設けられている。この固定孔54bは、後述するトーションバネ74の一端74aを受け入れることが可能な大きさ寸法とされている(図17(b)参照)。
一対の軸受突起55は、図7に示すように、撮影光軸OAを中心とする回転方向で見た受入凹所54の両端位置に設けられており、その受入凹所54に対して上方(先端側)に突出されている。この一対の軸受突起55には、撮影光軸OAを中心とする円に対する接線方向に伸びる同一の直線上に軸穴55aが設けられている。この軸穴55aは、本実施例では、軸受突起55を貫通して形成されている。このため、各支持箇所53では、一方の軸受突起55の軸穴55aから軸部材56を挿入することにより、受入凹所54を跨ぎつつ両軸受突起55を掛け渡して当該軸部材56を配することができる(図10の第2バリア522を省略して示す受入凹所54参照)。
また、装着部51には、上端部(レンズ鏡胴13への装着状態において先端側(被写体側))に環状の内縁切欠57が形成されている。この内縁切欠57は、装着部51の上端部の内側を、撮影光軸OAを中心とする円周方向に沿ってL字状に切り欠いて形成されている。本実施例では、上述したように装着部51の上端部に4つの支持箇所53が設けられていることから、内縁切欠57は、各支持箇所53の間を掛け渡すように設けられている。この装着部51の4つの支持箇所53のそれぞれにバリア52が取り付けられる。
この4つのバリア52は、図6および図7に示すように、装着部51の一方の開放端(レンズ鏡胴13への装着状態において被写体側)を4つに分割した形状とされており、それぞれが各支持箇所53に取り付けられた状態で径方向に沿って並列されることにより、装着部51の一方の開放端を塞ぐ構成とされている(図5(a)および図6参照)。以下では、この装着部51の一方の開放端を塞いでいる際の各バリア52の状態を閉状態という。また、以下の説明では、4つのバリア52を個別に述べる場合には、第1バリア521、第2バリア522、第3バリア523および第4バリア524とする。
各バリア52は、各支持箇所53に取り付けられる支持端側(径方向の外側(取付箇所66側))が装着部51を4つに等分割した円弧状(装着部51に沿う形状)を呈している。また、各バリア52は、閉状態とされると径方向で見て撮影光軸OA側となる内方端側が、第1バリア521と第2バリア522とが撮影光軸OAに直交する線状を呈し、第3バリア523と第4バリア524とが第1バリア521と第2バリア522との間の線状箇所の両端位置を頂点とする尖端状を呈している。各バリア52は、後述する平面部61(その区画壁部67)の形状が異なることを除くと基本的な構成は等しいことから、先ずはその基本的な構成を第1バリア521を用いて説明する。なお、各バリア52の各部の符号に関しては、基本的には2桁の数字(後述する平面部61等)で示し、4つのバリア52を個別に述べる場合には第nバリア52nと同様に末尾にnの数字を付して示す(第1バリア521の平面部61の場合、平面部611等)こととする。
その第1バリア521は、図9に示すように、平面部61(611)と、リブ突起部62(621)と、第1補助突起63(631)と、第2補助突起64(641)と、外側壁部65(651)と、取付箇所66(661)と、区画壁部67(671Aおよび671B)と、カム突起68(681)と、を有する。その平面部61は、閉状態で装着部51の一方の開放端において撮影光軸OAに直交する面に沿って存在される箇所であり、平坦な板状を呈する。平面部61は、外側壁部65側の外端縁部分61aが装着部51(円環形状)を4つに等分割した円弧状を呈する。また、平面部61は、第3バリア523または第4バリア524と隣接する側方縁部分61bが、円弧状の外端縁部分61aに対して等しい角度を為しつつ互いに接近する直線状を呈する。さらに、平面部61は、第2バリア522と隣接する内端縁部分61cが両側方縁部分61bに対して等しい角度を為しつつ連続する直線状を呈している。この平面部61の形状(構成)は、第3バリア523および第4バリア524では、第1バリア521と異なるものとされているが、これについては後に説明する。その平面部61にリブ突起部62が設けられている。
そのリブ突起部62は、平面部61の裏側(閉状態で可動レンズ鏡筒40と対向される面)から、外端縁部分61aの中心と内端縁部分61cの中心とを掛け渡しつつ撮影光軸OA方向へと突出されて形成されている。すなわち、リブ突起部62は、外端縁部分61aの中心と内端縁部分61cの中心との間で径方向に伸びて形成されている。リブ突起部62は、実施例1では、平面部61(その裏側)からの突出量が一定とされている(図14等参照)。このリブ突起部62には、径方向で見た中間位置に当該リブ突起部62を貫通する貫通孔62aが設けられている。この貫通孔62aは、後述するトーションバネ74の他端74bの先端箇所74cを通すことが可能な大きさ寸法とされている。リブ突起部62は、第1バリア521(各バリア52)において、平面部61と協働して、閉状態で可動レンズ鏡筒40と対向される面となる裏面を構成している。このため、第1バリア521の裏面では、平面部61におけるリブ突起部62が設けられた箇所に対して他の箇所が凹む構成とされている。
第1補助突起63は、径方向に伸びつつ平面部61(その裏側)から撮影光軸OA方向へと突出されて形成されている。その第1補助突起63は、リブ突起部62における外端縁部分61a側の端部と貫通孔62aが設けられた箇所との間の位置で、そのリブ突起部62と並列して設けられている。第1補助突起63は、リブ突起部62との間に、後述するトーションバネ74の他端74bを受け入れることが可能な間隔を置いて設けられている。
第2補助突起64は、径方向に直交しつつ平面部61(その裏側)から突出された板状を呈し、径方向で対を為して形成されている。その第2補助突起64は、径方向で見て貫通孔62aを間に介在させる位置関係とされており、後述するトーションバネ74の他端74bの先端箇所74cを受け入れることが可能な間隔を置いて設けられている。
外側壁部65は、平面部61の外端縁部分61aに連続されており、その外端縁部分61aに沿って湾曲された板状を呈し、平面部61(その裏側)から撮影光軸OA方向の背面側へと突出されて形成されている。この外側壁部65は、第1バリア521(各バリア52)の閉状態において、装着部51とともにレンズキャップ50の周壁部を構成する(図5および図10等参照)。外側壁部65では、後端側にフランジ部分65aが設けられている。このフランジ部分65aは、外側壁部65の後端の外周面から径方向の外側に突出されて形成されており、外側壁部65の後端の全域に渡って設けられている。フランジ部分65aは、後述するように装着部51に取り付けられた第1バリア521(各バリア52)が閉状態とされると、装着部51の内縁切欠57に嵌りこむことが可能な大きさ寸法および形状とされている(図10参照)。その外側壁部65に取付箇所66が設けられている。
その取付箇所66は、装着部51の支持箇所53へと取り付ける箇所を構成するものであり、外側壁部65の後端において撮影光軸OAを中心とする回転方向で見た中央に設けられている。取付箇所66は、受入凹所71と一対の軸受突起72とを有する。その受入凹所71は、外側壁部65のフランジ部分65aから径方向の外側に突出され、撮影光軸OAを中心とする円に対する接線方向に伸びる円柱形状部の中央箇所が部分的に円柱形状に切り欠かれて形成されている。このため、受入凹所71では、径方向の外側に外縁部分71aが設けられている(図14等参照)。この受入凹所71は、軸部材56をおよび後述するトーションバネ74を受け入れる箇所を構成する。また、上記した円柱形状部の中央箇所が受入凹所71として切り欠かれることにより、その受入凹所71の両端に一対の軸受突起72が形成されている。この受入凹所71および一対の軸受突起72(それらを構成する円柱形状部)は、装着部51の支持箇所53の受入凹所54内に収容可能な大きさ寸法とされている(図7および図14等参照)。また、外縁部分71aは、後述するように装着部51に取り付けられた第1バリア521(各バリア52)が閉状態とされると、装着部51の支持箇所53の受入凹所54の外縁部分54aと協働して、その支持箇所53(受入凹所54)の内方の露出を大幅に抑制する大きさ寸法とされている(図6および図13等参照)。本実施例では、外縁部分71aは、支持箇所53に設けられた軸部材56の径方向の外側まで伸びる大きさ寸法とされている(図13等参照)。その外縁部分71aには、切欠溝71bが設けられている。この切欠溝71bは、受入凹所71に配した後述するトーションバネ74の一端74aを受け入れることが可能とされている(図17(b)参照)。切欠溝71bは、第1バリア521(各バリア52)を後述する最大開状態(図16および図17参照)とすべく、装着部51の支持箇所53(その受入凹所54)において取付箇所66(その受入凹所71(外縁部分71a))が相対的に回転する際に、トーションバネ74の一端74aと外縁部分71aとが干渉することを防止する。
一対の軸受突起72は、上述したように、撮影光軸OAを中心とする円に対する接線方向で見た受入凹所71の両端位置に設けられている。この一対の軸受突起72には、上記した接線方向に伸びる同一の直線上に軸穴72aが設けられている。この各軸穴72aは、軸受突起72を貫通して形成されている。このため、取付箇所66では、装着部51の支持箇所53の受入凹所54内に配された状態において、その一方の軸受突起55の軸穴55aから挿入された軸部材56を、両軸受突起72の軸穴72aに通すとともに、その軸部材56を他方の軸受突起55の軸穴55aに挿入させることができる(図7の矢印A3参照)。
区画壁部67は、平面部61の外端縁部分61aを除く外縁部分に連続されており、その連続される外縁部分に沿う平坦な板状を呈し、平面部61の裏側から撮影光軸OA方向の背面側へと突出されて形成されている。すなわち、区画壁部67は、平面部61の外縁部において外側壁部65が設けられていない箇所に設けられている。この区画壁部67は、互いに隣り合う第1バリア521(各バリア52)との境界位置を規定するものであり、実施例1では、平面部61(その裏側)からの突出量が一定とされている。このため、第1バリア521では、区画壁部67として、両側方縁部分61bに連続する一対の箇所(以下、個別に述べる場合には側方区画壁部67A(671A)という)と、内端縁部分61cに連続する箇所(以下、個別に述べる場合には内端区画壁部67B(671B)という)と、を有する。この区画壁部67(671A、671B)には、隣り合う区画壁部67へと突出する段状部分73が設けられている。
この各段状部分73は、区画壁部67から径方向に突出され、かつ対応する区画壁部67の全長に渡り伸びて形成されている。第1バリア521では、両側方区画壁部67A(671A)にその先端側から突出して段状部分73(以下、個別に述べる場合には段状部分73A(731A)という)が設けられ、内端区画壁部67B(671B)にその先端側から突出して段状部分73(以下、個別に述べる場合には段状部分73B(731B)という)が設けられている。この区画壁部67およびそこに設けられる段状部分73の構成は、第2バリア522と第3バリア523と第4バリア524とでは、第1バリア521と異なるものとされているが、これについては後に説明する。
カム突起68は、第1バリア521の裏面から撮影光軸OA方向の背面側へと突出されて形成されており、撮影光軸OAを中心とする円に対する接線方向に伸びる平坦な板状を呈する。このカム突起68は、第1バリア521の裏面すなわち平面部61およびリブ突起部62よりも撮影光軸OA方向へと突出されている。カム突起68は、装着部51に取り付けられた第1バリア521(各バリア52)が閉状態とされると、径方向で見て、可動レンズ鏡筒40の先端部の外周位置よりも内側であって、撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))よりも外側に存在するものとされている。本実施例では、カム突起68は、径方向で見て、可動レンズ鏡筒40の先端部における直進筒41の先端面41cと撮影光軸OA方向で対向する位置関係とされている(図14(a)参照)。このカム突起68は、外側壁部65の近傍すなわち装着部51の支持箇所53(その受入凹所54)に回転可能に支持される取付箇所66の近傍に設けられ、第1バリア521の裏面から突出された箇所(カム突起68における突出基部)にリブ突起部62が連続されている。また、カム突起68は、後述する第1バリア521(各バリア52)の必要開状態への開き動作(図14参照)を可能とする観点から、第1バリア521の裏面からの突出量が設定されている。このカム突起68の裏面からの突出量の設定は、第2バリア522と第3バリア523と第4バリア524とでは、第1バリア521と異なるものとされている(図12参照)。これらについては、後に説明する。本実施例では、カム突起68には、上記接線方向で見た中間位置に分割溝68aが設けられている。この分割溝68aは、受入凹所71に配した後述するトーションバネ74の他端74bを受け入れることが可能とされている。
次に、上述した第1バリア521と、第2バリア522、第3バリア523および第4バリア524との構成の差異について、以下で説明する。第2バリア522は、図6および図7に示すように、外径形状すなわち平面部612の形状および区画壁部672(672A、672B)の構成は、第1バリア521と等しいものとされている。この第2バリア522では、各区画壁部672に設けられた段状部分732(732A、732B)の構成の一部が第1バリア521の段状部分731とは異なるものとされている。この第2バリア522では、内端区画壁部672Bにおける段状部分732Bが後端側から突出している(図11(d)参照)。なお、両側方区画壁部672Aにおける段状部分732Aは、第1バリア521と同様に、その先端側から突出している(図11(b)、(c)参照)。
第3バリア523および第4バリア524は、上述したように、閉状態で撮影光軸OA側となる内方端側が尖端状を呈していることから、外径形状すなわち平面部613および平面部614が、円弧状の後端縁部分(第1バリア521の外端縁部分61aに相当する箇所)の両端から伸びる直線状の両側方縁部分(第1バリア521の両側方縁部分62bに相当する箇所)が交わる形状とされており、第1バリア521(第2バリア522)の平面部61の内端縁部分61c(図9参照)に相当する箇所が設けられていない。このため、第3バリア523および第4バリア524では、区画壁部673または区画壁部674として両側方区画壁部673Aまたは両側方区画壁部674Aが設けられているのみとされている。その第3バリア523の両側方区画壁部673Aにおける段状部分733Aは、第1バリア521とは異なり、その後端側から突出している(図10および図11(b)参照)。また、第4バリア524の両側方区画壁部674Aにおける段状部分734Aは、第1バリア521とは異なり、その後端側から突出している(図11(a)、(c)参照)。
このような構成であることから、4つのバリア52では、閉状態とされると、第1バリア521の両側方区画壁部671Aおよび第2バリア522の両側方区画壁部672Aは、第3バリア523の両側方区画壁部673Aおよび第4バリア524の両側方区画壁部674Aと、径方向(撮影光軸OAに直交する方向)で並列される(図6および図7等参照)。このとき、図10に示すように、第1バリア521の側方区画壁部671Aの段状部分731Aと第3バリア523の側方区画壁部673Aの段状部分733Aとは、撮影光軸OA方向で並列される位置関係とされている。ここで、段状部分731Aは、側方区画壁部671Aの先端側に設けられており、かつ段状部分733Aは、側方区画壁部673Aの後端側に設けられていることから、段状部分731Aが先端側(被写体側)に存在するとともに、段状部分733Aが後端側(レンズ鏡胴13側)に存在して、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように、他方のバリア52へ向けて突出されている。
また、第1バリア521の側方区画壁部671Aと第4バリア524の側方区画壁部674Aとは、図11(a)に示すように、径方向で並列され、その段状部分731Aと段状部分734Aとが段状部分731Aを先端側にして撮影光軸OA方向で並列される。このため、段状部分731Aと段状部分734Aとは、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように、他方のバリア52へ向けて突出されている。
さらに、第2バリア522の側方区画壁部672Aと第3バリア523の側方区画壁部673Aとは、図11(b)に示すように、径方向で並列され、その段状部分732Aと段状部分733Aとが段状部分732Aを先端側にして撮影光軸OA方向で並列される。このため、段状部分732Aと段状部分733Aとは、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように、他方のバリア52へ向けて突出されている。
しかも、第2バリア522の側方区画壁部672Aと第4バリア524の側方区画壁部674Aとは、図11(c)に示すように、径方向で並列され、その段状部分732Aと段状部分734Aとが段状部分732Aを先端側にして撮影光軸OA方向で並列される。このため、段状部分732Aと段状部分734Aとは、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように、他方のバリア52へ向けて突出されている。
同様に、4つのバリア52では、閉状態とされると、第1バリア521の内端区画壁部671Bと第2バリア522の内端区画壁部672Bとは、図11(d)に示すように、径方向で並列され、その段状部分731Bと段状部分732Bとが段状部分731Bを先端側にして撮影光軸OA方向で並列される。このため、段状部分731Bと段状部分732Bとは、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように、他方のバリア52へ向けて突出されている。
加えて、第1バリア521と、第2バリア522、第3バリア523および第4バリア524と、では、上述したように、裏面(本実施例ではリブ突起部62)からのカム突起68の突出量の設定が第1バリア521と異なるものとされている。各バリア52における裏面からの突出量の設定は、図12に示すように、第1バリア521のカム突起681の突出量Oh1に対して、第2バリア522のカム突起682の突出量Oh2が小さなものとされている。また、第2バリア522のカム突起682の突出量Oh2に対して、第3バリア523のカム突起683の突出量Oh3および第4バリア524のカム突起684の突出量Oh4が小さなものとされており、その突出量Oh3と突出量Oh4とは等しいものとされている。すなわち、各バリア52では、隣接するすべての区画壁部67に対して被写体側で重なる段状部分73を有する第1バリア521に設けられたカム突起681の突出量Oh1が最も大きく設定されている。また、各バリア52では、隣接する区画壁部67に対して被写体側で重なる段状部分73の個数が第1バリア521よりも1つ少ない第2バリア522に設けられたカム突起682の突出量Oh2が、突出量Oh1よりも小さく設定されている。さらに、各バリア52では、隣接する区画壁部67に対して被写体側で重なる段状部分73の個数が第2バリア522よりも2つ少ない第3バリア523に設けられたカム突起683の突出量Oh3、および同じく第2バリア522よりも2つ少ない第4バリア524に設けられたカム突起684の突出量Oh4が、突出量Oh2よりも小さく設定されている。
次に、このレンズキャップ50の組み付けについて説明する。装着部51の4つの支持箇所53に対して、4つのバリア52を各々配置する(図7参照)。このとき、4つのバリア52すなわち第1バリア521と第2バリア522と第3バリア523と第4バリア524とは、図6および図7に示す位置関係とする。そして、図7に示すように、この各バリア52の取付箇所66にトーションバネ74を配置し(矢印A1参照)、その一端74aを取付箇所66の受入凹所71の外縁部分71aの切欠溝71bに挿入する(図17(b)参照)。そのトーションバネ74を配した各取付箇所66を、対応する支持箇所53の一対の軸受突起55の間で受入凹所54に配する(矢印A2参照)。このとき、受入凹所71の外縁部分71aの切欠溝71bに通したトーションバネ74の一端74aを、支持箇所53の受入凹所54に設けられた固定孔54bに差し込む(図17(b)参照)。
その後、各支持箇所53における一方の軸受突起55の軸穴55aから軸部材56を挿入し、その受入凹所54に配された各バリア52の取付箇所66の一方の軸受突起72の軸穴72a、トーションバネ74の内方、および他方の軸受突起72の軸穴72aを経て、各支持箇所53における他方の軸受突起55の軸穴55aに挿入する(矢印A3参照)。これにより、各バリア52は、装着部51の4つの支持箇所53に、軸部材56を中心として回転可能に支持される。このため、軸部材56は、各バリア52の取付箇所66の一対の軸受突起72および装着部51の各支持箇所53一対の軸受突起55と協働して、撮影光軸OA方向に直交し各バリア52が装着部51に対する回転中心となる開閉軸線を規定している。
以下では、この各バリア52において、装着部51の一方の開放端を塞ぐ閉状態(図5(a)等参照)へ向けた軸部材56を中心とする回転方向を閉じ方向といい、閉状態から被写体側へと変位する軸部材56を中心とする回転方向を開き方向という。また、各バリア52における開き方向へと最も回転した状態を最大開状態(図16および図17参照)という。この最大開状態は、装着部51の各支持箇所53における受入凹所54の外縁部分54aと、各バリア52の取付箇所66の近傍の外側壁部65の外側面、もしくは取付箇所66における受入凹所71の外縁部分71aの外側面と、が干渉する位置を適宜調整することにより設定する(図13参照)。最大開状態は、本実施例では、後述するように、可動レンズ鏡筒40の先端部に取り付けられたレンズフード78(そのフード本体部78a)の受け入れを可能とする観点から設定している(図16および図17参照)。各バリア52の取付箇所66の受入凹所71の外縁部分71aに設けられた切欠溝71bは、この最大開状態の際にトーションバネ74の一端74aを受け入れることが可能な大きさ寸法に設定している(図17(b)参照)。
その後、各トーションバネ74の他端74bを、カム突起68の分割溝68aに通し、平面部61に沿わせてリブ突起部62と第1補助突起63との間を通し、その他端74bの先端であって折り曲げ加工された箇所(以下、先端箇所74cという)をリブ突起部62の貫通孔62aに挿入して第2補助突起64の間で固定する(図9(b)参照)。この各トーションバネ74は、各バリア52が閉状態とされた状態において、一端74aと他端74b(その先端箇所74c)とを引き離すことに抗する力を発揮する設定とされている。また、各トーションバネ74は、その発揮する力が、レンズ鏡胴13における固定筒37(外装部32)に対する可動レンズ鏡筒40の撮影光軸OA方向へと移動される力よりも小さく設定されている。この各トーションバネ74は、他端74b(その先端箇所74c)が設けられた各バリア52に、軸部材56を中心として一端74aが設けられた装着部51での閉状態へ向けた回転方向への押す力を付与する。このため、各トーションバネ74は、各バリア52に閉じ方向へと押す力を付与する押圧部材として機能する。これにより、レンズキャップ50が組み付けられる。
このように構成されたレンズキャップ50では、各バリア52が閉状態となると外側壁部65が装着部51の内縁切欠57に嵌り込むことが可能とされていることから、各バリア52の閉状態からさらなる閉じ方向への回転が規制されている(図10参照)。この各バリア52は、閉じ方向へと各トーションバネ74から押す力が付与されていることから、各バリア52の外側壁部65と装着部51の内縁切欠57とによる回転の規制との協働により、閉状態で固定される。また、レンズキャップ50では、各バリア52に開き方向への力が付与されると、各トーションバネ74に抗して各バリア52が軸部材56を中心とし開き方向へと回転される。この開き方向への回転可能な範囲は、上述したように、装着部51の各支持箇所53における受入凹所54の外縁部分54aと、各バリア52の取付箇所66の近傍の外側壁部65の外側面、もしくは取付箇所66における受入凹所71の外縁部分71aの外側面と、の干渉により規定により最大開状態(図16および図17参照)までとされている。
次に、このレンズキャップ50のデジタルカメラ10のレンズ鏡胴13への装着について説明する。デジタルカメラ10では、可動レンズ鏡筒40(直進筒41)が所定の沈胴位置(収納状態(図1(a)参照))とされている状態において、レンズ鏡胴13の固定筒37の鏡胴側連結部38に装着されているリングキャップ36を、固定筒37に対して撮影光軸OAを中心とする回転方向の一方に回転して、その固定筒37(その鏡胴側連結部38)から取り外す(図4参照)。その後、被写体側から撮影光軸OA方向にレンズキャップ50を移動させて接近させ、各キャップ側連結部51aの爪部分51b(図7参照)を、固定筒37の鏡胴側連結部38の対応する連結箇所38bの開放部分38d(図4参照)へと進行させる。その後、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50とを相対的に回転させて、各爪部分51bを対応する連結箇所38bの爪部分38cの内方へと進入させる。すると、各爪部分51bが対応する爪部分38cに引っ掛かることにより、各キャップ側連結部51aと各鏡胴側連結部38とが適切に連結される。これにより、レンズキャップ50は、レンズ鏡胴13(その固定筒37)に適切に装着される(図5参照)。
このとき、レンズキャップ50では、所定の沈胴位置(収納状態(図1(a)参照))とされているレンズ鏡胴13に対して、装着部51が固定筒37(その鏡胴側連結部38)に装着されているのみであり、4つのバリア52が干渉することはない(図14(a)参照)。このため、レンズキャップ50では、4つのバリア52が閉状態とされており(図5(a)参照)、被写体側となる前端部にレンズ鏡胴13(可動レンズ鏡筒40、および撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))の先端面に沿って閉状態とされた各バリア52を存在させている(図14(a)参照)。これにより、レンズキャップ50では、レンズ鏡胴13の先端面、すなわち可動レンズ鏡筒40および撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))を覆うことができる(図5(a)参照)。このとき、各バリア52では、閉状態とされると隣接するバリア52との間において、各区画壁部67に設けられた段状部分73が撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように他方のバリア52へ向けて突出されていることから、各区画壁部67の間の隙間を極めて小さなものとすることができる(図10および図11参照)。この閉状態では、各バリア52のカム突起68は、可動レンズ鏡筒40の先端部における直進筒41の先端面41cと撮影光軸OA方向で対向している(図14(a)参照)。
また、本実施例のレンズキャップ50(その装着部51)では、図13および図14(a)に示すように、所定の沈胴位置(収納状態(図1(a)参照))とされているレンズ鏡胴13(可動レンズ鏡筒40、および撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))の先端面と、各バリア52の裏面(リブ突起部62の突出端面)と、の間に、収容空間75を形成することが可能な大きさ寸法とされている。この収容空間75は、以下のような大きさ寸法とされている。上述したように、可動レンズ鏡筒40の先端部には、取付環状部材76を装着することが可能とされている(図13参照)。この取付環状部材76は、上述したように光学部材等の装着部材の着脱が可能とされていることから、図13に示すように、その装着部材としての光学フィルタ77を装着することができる。この光学フィルタ77は、可動レンズ鏡筒40の撮影光学系12への入射光を調整するフィルタ部77aと、そのフィルタ部77aを取り囲む環状を呈する支持枠部77bと、を有する。その支持枠部77bの外周面には、取付環状部材76の内周面に設けられた取付ねじ溝76bとの噛み合いが可能とされた取付ねじ溝77cが設けられている。このため、光学フィルタ77は、取付ねじ溝77cを取付ねじ溝76bに噛み合わせることにより、可動レンズ鏡筒40の先端部に装着された取付環状部材76に取り付けることができる。上記した収容空間75は、可動レンズ鏡筒40の先端部に装着されて、光学フィルタ77が取り付けられた取付環状部材76を受け入れることが可能な大きさ寸法とされている。すなわち、レンズキャップ50では、可動レンズ鏡筒40の先端部に取付環状部材76および光学フィルタ77が設けられた状態で、各バリア52を閉状態とすることができる(図13参照)。
次に、このレンズキャップ50の作用、すなわち外装部32に対する可動レンズ鏡筒40の位置に応じて各バリア52が開閉される様子について、図14および図15を用いて説明する。この作用の説明では、可動レンズ鏡筒40の先端部に上述した取付環状部材76および光学フィルタ77(図13参照)が設けられていないものとする。また、この各バリア52における回転動作は、基本的には各バリア52でのカム突起68の突出量の差異に拘らず等しいものであることから、先ずはその基本的な動作を図14および図15を用いて説明し、突出量の差異に関する動作の差異については後に説明する。
可動レンズ鏡筒40(直進筒41)が所定の沈胴位置(収納状態(図1(a)参照))とされていると、図14(a)に示すように、各バリア52と可動レンズ鏡筒40とは、収容空間75の分だけ離れた位置とされている。その後、可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されると、図14(b)に示すように、可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cが各バリア52のカム突起68に当たる。さらに可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されると、図14(c)に示すように、可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cが各バリア52のカム突起68を撮影光軸OA方向の被写体側へと押すことにより、各バリア52が装着部51の各支持箇所53に設けられた軸部材56を中心として、各トーションバネ74に抗して開き方向へと回転される。さらに可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されると、図14(d)に示すように、各バリア52の開き方向への回転により、各バリア52のカム突起68が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cの周縁部を乗り越えて、その直進筒41の外周面41dに当たる。本実施例では、各バリア52は、この状態とされると、適切に開かれた必要開状態となる(図5(b)参照)。この必要開状態とは、可動レンズ鏡筒40に支持された撮影光学系12における画角の外側に各バリア52が存在する状態(画角をけることの無い状態)であることをいう。また、この必要開状態は、各バリア52における上述した最大開状態(図16および図17参照)よりも小さく設定されている。このため、各バリア52は、必要開状態からさらなる各バリア52の開き方向への回転が可能とされている。この必要開状態のとき、各バリア52では、カム突起68を除くと、裏面(主にリブ突起部62)を含めたいずれの箇所も可動レンズ鏡筒40(その先端面41cまたは外周面41d)に当たっていない。
本実施例では、レンズキャップ50は、可動レンズ鏡筒40の直進筒41が広角位置まで固定筒37からの繰り出されると、各バリア52を必要開状態とするように、直進筒41(その先端面41cおよび外周面41d)に対する軸部材56の位置とカム突起68の位置および大きさ寸法とが設定されている。また、本実施例では、上述したように、各バリア52のカム突起68の突出量が異なる設定とされていることから、後述するように、この差異に伴って第3バリア523と第4バリア524とが最後に開き方向への回転動作を開始するので、第3バリア523と第4バリア524とが最後に必要開状態となる。このため、レンズキャップ50では、可動レンズ鏡筒40の直進筒41が広角位置まで固定筒37からの繰り出されると、第3バリア523と第4バリア524とを必要開状態とするように設定されている。
上述したように、可動レンズ鏡筒40は、広角位置から望遠位置へ向けてさらに固定筒37から繰り出されることが可能とされている(図15参照)。ここで、図15(a)、(b)に示すように、各バリア52を必要開状態とした状態(図14(d)および図15(a)参照)から、さらに可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されても、各バリア52のカム突起68の可動レンズ鏡筒40の直進筒41の外周面41dにおける撮影光軸OA方向で見た接触位置が変化するのみであり、各バリア52の必要開状態が維持される。その後、さらに可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されると、図15(b)に示すように、可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41c(その周縁部)が各バリア52のリブ突起部62に当たる。さらに可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されると、図15(c)に示すように、可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41c(その周縁部)が各バリア52のリブ突起部62を撮影光軸OA方向の被写体側へと押すことにより、各バリア52が装着部51の各支持箇所53に設けられた軸部材56を中心として、各トーションバネ74に抗してさらに開き方向へと回転される。このとき、可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41c(その周縁部)では、各バリア52のリブ突起部62における径方向で見た位置を変化させつつそのリブ突起部62を押す。さらに可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出されると、図15(d)に示すように、各バリア52のリブ突起部62すなわち各バリア52が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cの周縁部を乗り越えて、その直進筒41の外周面41dに当たる。これにより、レンズ鏡胴13は、望遠位置となる。本実施例では、この状態であっても、各バリア52における上述した最大開状態(図16および図17参照)よりも小さく、すなわち更なる各バリア52の開き方向への回転が可能に設定されている。
このため、各バリア52は、可動レンズ鏡筒40が固定筒37から繰り出される際、一度必要開状態とされると、その必要開状態よりも閉じ方向へと回転されることはない。また、各バリア52は、必要開状態から更なる開き方向への回転が可能とされていることから、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の広角位置から望遠位置への移動を妨げることはない。
このレンズキャップ50では、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)が、望遠位置(図15(d)参照)から広角位置(図15(a)または図14(d)参照)を経て、所定の沈胴位置(収納状態(図14(a)参照))とされると、各バリア52が各トーションバネ74から閉じ方向への押す力を受けているので、上述した動作とは逆の動作が行われ、各バリア52が必要開状態よりも開かれた状態(図15(d)参照)から必要開状態(図15(a)または図14(d)参照)を経て閉状態((図14(a)参照)とされる。このため、レンズキャップ50では、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の撮影光軸OA方向への移動を妨げることはなく、その可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37から繰り出し動作および繰り入れ動作に応じて各バリア52の自動的な開閉動作を行うことができる。
なお、可動レンズ鏡筒40の先端部に取付環状部材76および光学フィルタ77が設けられている場合(図13参照)、その光学フィルタ77の撮影光軸OA方向での位置の設定によっては、各バリア52では、カム突起68と可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cとが当たるよりも先に、リブ突起部62(裏面)と光学フィルタ77とが当たることが考えられる。しかしながら、この場合であっても、その後に可動レンズ鏡筒40が固定筒37からさらに繰り出されると、カム突起68と可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cとが当たり、そのカム突起68と先端面41cとの作用により各バリア52が必要開状態となることから、上述した取付環状部材76および光学フィルタ77が設けられていない場合と同様の作用を得ることができる。
このレンズキャップ50では、上述したように、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量の設定が、突出量Oh1(カム突起681)>突出量Oh2(カム突起682)>突出量Oh3(カム突起683)=突出量Oh4(カム突起684)とされていることから(図11参照)、下記のような動作となる。可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)が、所定の沈胴位置(収納状態(図1(a)参照))から広角位置へ向けて移動されると、最も長いすなわち最も背面側まで伸びるカム突起681が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cに当たる。この後、可動レンズ鏡筒40が固定筒37からさらに繰り出されると、カム突起681が設けられた第1バリア521が開き方向へと回転される。このとき、上述したように、第1バリア521の内端区画壁部671Bの段状部分731Bは、第2バリア522の内端区画壁部672Bの段状部分732Bよりも先端側に設けられており(図11(d)参照)、かつ第1バリア521の両側方区画壁部671Aの段状部分731Aは、第3バリア523の側方区画壁部673Aの段状部分733Aおよび第4バリア524の側方区画壁部674Aの段状部分734Aよりも先端側(開き方向側)に設けられていることから(図10および図11(a)参照)、各段状部分73(731A、731B)が第1バリア521の開き方向への回転を妨げることはない。
この後、可動レンズ鏡筒40が固定筒37からさらに繰り出されると、カム突起681の次に長いカム突起682(図11参照)が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cに当たる。この後、可動レンズ鏡筒40が固定筒37からさらに繰り出されると、カム突起682が設けられた第2バリア522が開き方向へと回転される。このとき、第2バリア522の両側方区画壁部672Aの段状部分732Aは、第3バリア523の側方区画壁部673Aの段状部分733Aおよび第4バリア524の側方区画壁部674Aの段状部分734Aよりも先端側(開き方向側)に設けられており(図11(b)、(c)参照)、第2バリア522の内端区画壁部672Bの段状部分732Bよりも先端側に設けられた第1バリア521の内端区画壁部671Bの段状部分731Bは既に移動されていることから、各段状部分73(732A、732B)が第2バリア522の開き方向への回転を妨げることはない。
この後、可動レンズ鏡筒40が固定筒37からさらに繰り出されると、カム突起682の次に長いすなわち最も短い設定とされたカム突起683およびカム突起684(図11参照)が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cに当たる。この後、可動レンズ鏡筒40が固定筒37からさらに繰り出されると、カム突起683が設けられた第3バリア523およびカム突起684が設けられた第4バリア524が開き方向へと回転される。このとき、第3バリア523の側方区画壁部673Aの段状部分733Aおよび第4バリア524の側方区画壁部674Aの段状部分734Aよりも先端側に設けられた第1バリア521の両側方区画壁部671Aの段状部分731Aおよび第2バリア522の両側方区画壁部672Aの段状部分732Aは既に移動されていることから、各段状部分73(733A)および各段状部分73(734A)が第3バリア523および第4バリア524の開き方向への回転を妨げることはない。
また、レンズキャップ50では、望遠位置(図15(d)参照)から広角位置(図15(a)または図14(d)参照)を経て、所定の沈胴位置(収納状態(図14(a)参照))とされると、上述した動作とは逆の動作が行われることから、先ず第3バリア523および第4バリア524が閉状態とされ、次に第2バリア522が閉状態とされ、最後に第1バリア521が閉状態とされることとなる。このとき、各バリア52の各段状部分73は、上述した位置関係(図10および図11参照)とされていることから、各バリア52の閉じ方向への回転を妨げることはない。
このように、レンズキャップ50では、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37からの繰り出し動作に応じて、第1バリア521、第2バリア522、第3バリア523および第4バリア524の順に、必要開状態となる。また、レンズキャップ50では、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37への繰り入れ動作に応じて、第3バリア523および第4バリア524、第2バリア522、第1バリア521の順に、閉状態となる。このため、各バリア52は、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の撮影光軸OA方向への移動を妨げることはなく、その可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37から繰り出し動作および繰り入れ動作に応じて自動的に開閉動作を行うことができる。ここで、閉状態から開き方向への回転を開始するときと、閉状態へと閉じ方向への回転を終了するときと、において、各段状部分73の干渉を防ぐものとすれば良いことから、先に開き方向へと回転したバリア52が必要開状態となる前に、次のバリア52が開き方向への回転を開始する構成(主にカム突起68の突出量の設定)とすることが望ましい。
加えて、レンズキャップ50では、固定筒37(その鏡胴側連結部38)に装着された状態において、レンズフード78(図16および図17参照)の可動レンズ鏡筒40の先端部への取り付けを可能とすることができる。これについて以下で説明する。レンズフード78は、図16および図17に示すように、フード本体部78aとフード側取付部78bとを有する。フード本体部78aは、被写体側へ向かうに連れて内径寸法を暫時的に拡大させる筒状を呈し、光を遮る箇所(庇)を形成している。フード側取付部78bは、明確な図示は略すが、レンズフード78(フード本体部78a)を可動レンズ鏡筒40に装着された取付環状部材76(図13参照)に取り付けることが可能とされている。このフード側取付部78bの取付環状部材76への取り付けは、例えば、光学フィルタ77(図13参照)と同様に取付環状部材76の取付ねじ溝76b(図13参照)を利用するものであってもよく、図示は略すが取付環状部材76の外周面との間に爪部分38c(図4参照)および爪部分51b(図7参照)と同様のバヨネット式の装着機構を設けるものであってもよい。このレンズフード78は、フード本体部78aが機能を発揮するために、当該フード本体部78aが可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)よりも大きな径寸法とされている。このレンズキャップ50では、各バリア52における最大開状態を、可動レンズ鏡筒40の先端部に取り付けられたレンズフード78(そのフード本体部78a)の受け入れを可能とするものに設定している。この最大開状態の設定は、上述したように、装着部51の各支持箇所53における受入凹所54の外縁部分54aと、各バリア52の取付箇所66の近傍の外側壁部65の外側面、もしくは取付箇所66における受入凹所71の外縁部分71aの外側面と、が干渉する位置を適宜調整することにより行うことができる。このとき、上述したように、各バリア52の取付箇所66の受入凹所71の外縁部分71aに設けられた切欠溝71bが、トーションバネ74の一端74aを受け入れることにより、その一端74aと外縁部分71aとの干渉が防止されている(図17(b)参照)。このため、レンズキャップ50では、固定筒37(その鏡胴側連結部38)に装着された状態であっても、各バリア52を最大開状態まで開き方向へと回転させることにより、レンズフード78を可動レンズ鏡筒40の先端部に取り付けることができる。
本発明に係るレンズキャップ50では、各バリア52に、径方向で見て可動レンズ鏡筒40の先端部の外周位置よりも内側であって撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))よりも外側に存在しつつ、裏面から突出してカム突起68が設けられていることから、固定筒37からの可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の繰り出し量が小さな設定とされていても、各バリア52を確実に開いた状態である必要開状態とすることができる。これは、以下のことによる。図14に裏面にカム突起68が設けられていない各バリア52´を二点鎖線で示す。この各バリア52´では、裏面(リブ突起部62)に可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41c(その周縁部)が当たることにより、その可動レンズ鏡筒40の固定筒37に対する移動を利用して、開き方向へと回転することとなる(図14(c)、(d)参照)。このため、各バリア52´は、可動レンズ鏡筒40の直進筒41が広角位置まで固定筒37から繰り出されても必要開状態とはならず(図14(d)参照)、撮影光学系12における画角の内方に各バリア52が存在する状態(画角をける状態)となってしまう。これに対し、本発明に係るレンズキャップ50では、裏面から突出させたカム突起68を、径方向で見て可動レンズ鏡筒40における先端部の外周位置よりも内側であって撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))よりも外側となる位置に、当てることができるので、可動レンズ鏡筒40の直進筒41が広角位置まで固定筒37から繰り出されると、必要開状態とすることができる(図14(d)参照)。
また、レンズキャップ50では、各バリア52に、径方向で見て可動レンズ鏡筒40の先端部の外周位置よりも内側であって撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))よりも外側に存在しつつ、裏面から突出してカム突起68が設けられていることから、固定筒37から可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)が繰り出される際、その可動レンズ鏡筒40(先端面41c)にカム突起68が当たった後で各バリア52を必要開状態とするまでの間に、カム突起68を除く裏面(特にリブ突起部62)を含めたいずれの箇所が可動レンズ鏡筒40と当たることを防止することができる。このため、カム突起68を可動レンズ鏡筒40(その先端面41c)で押させることにより、各バリア52を開き方向へと軸部材56を中心として回転させて確実に必要開状態とすることができる。
さらに、レンズキャップ50では、カム突起68は、各バリア52を必要開状態とすると、可動レンズ鏡筒40の直進筒41の外周面41dに当たることから、その可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)がさらに固定筒37から繰り出されても、必要開状態よりも閉じ方向へと各バリア52が回転することを防止することができる。このため、固定筒37からの繰り出し量が可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)における広角位置よりも大きく設定されたレンズ鏡胴であれば、確実に必要開状態まで開くことができ、適切に対応することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52が必要開状態からさらに開き方向へと回転することを許容していることから、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37からの繰り出し量が増えた場合であって、各バリア52の裏面(リブ突起部62)に可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41c(その周縁部)が当たった場合であっても、その可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37からのさらなる繰り出しを阻害することを防止することができる。このため、固定筒37からの繰り出し量が可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)における広角位置よりも大きく設定されたレンズ鏡胴であれば、確実に必要開状態まで開くことができ、適切に対応することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52がトーションバネ74により閉じ方向へと押されていることから、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)が所定の沈胴位置(収納状態(図14(a)参照))とされると、各バリア52を閉状態とすることができるので、その各バリア52で装着部51の一方の開放端を塞ぐことができる。このため、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37から繰り出し動作および繰り入れ動作に応じて自動的に各バリア52の開閉動作を行うことができるとともに、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)が所定の沈胴位置(収納状態(図14(a)参照))とされると、レンズ鏡胴13、特に可動レンズ鏡筒40の先端位置で保持された撮影光学系12の光学素子の第1レンズ群12a(その対物レンズ)を保護することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52が平面部61にリブ突起部62が設けられて裏面が構成されており、そのリブ突起部62が外端縁部分61aの中心と内端縁部分61cの中心との間で径方向に伸びて形成されていることから、固定筒37から広角位置を越えて繰り出された可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41c(その周縁部)をリブ突起部62に確実に当てることができるので、各バリア52を安定して回転させることができる。
レンズキャップ50では、各バリア52が平面部61にリブ突起部62が設けられて裏面が構成されていることから、各バリア52の重量の増加を抑制しつつ強度を確保することができるので、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37から繰り出し動作および繰り入れ動作に応じて自動的に開閉動作をより円滑なものとしつつ、レンズ鏡胴13、特に可動レンズ鏡筒40の先端位置で保持された撮影光学系12の光学素子の第1レンズ群12a(その対物レンズ)をより適切に保護することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の互いに隣り合う区画壁部67との間に、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように一方のバリア52から他方のバリア52へ向けて突出する段状部分73が設けられていることから、各バリア52が閉状態とされると撮影光軸OAに直交する方向で並列する各バリア52の間の隙間を極めて小さなものとすることができるので、各バリア52の間から塵埃が入り込むことを抑制することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の互いに隣り合う区画壁部67との間に、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように一方のバリア52から他方のバリア52へ向けて突出する段状部分73が設けられていることから、閉状態とされた各バリア52を被写体側から見た際に各バリア52の間から撮影光学系12の光学素子の第1レンズ群12a(その対物レンズ)が露出することを防止することができる。
レンズキャップ50では、一方のバリア52から他方のバリア52へ向けて突出する段状部分73を撮影光軸OA方向で互いに重ね合わせることで、各バリア52の互いに隣り合う区画壁部67との間の隙間を小さくするものであることから、閉状態(回転姿勢で見てそれに近い状態を含む)において各バリア52の各区画壁部67(段状部分73)が接触することを防止することができるので、各バリア52の閉状態からの開き方向への回転および閉状態への閉じ方向への回転を円滑なものとすることができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量の設定が異なるものとされていることから、固定筒37に対する可動レンズ鏡筒40の撮影光軸OA方向への移動に伴い各バリア52が回転(移動)するタイミングを異なるものとすることができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量により、固定筒37に対する可動レンズ鏡筒40の撮影光軸OA方向への移動に伴い各バリア52が回転するタイミングを設定することができるので、各バリア52が開く順番およびそのタイミングと、閉じる順番およびそのタイミングと、を容易にかつ確実に設定することができる。
レンズキャップ50では、各段状部分73の撮影光軸OA方向での重なり関係に応じて、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量を設定していることから、各段状部分73が各バリア52の開き方向および閉じ方向への回転を妨げることを防止することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量を設定することで、第1バリア521、第2バリア522、第3バリア523および第4バリア524の順に必要開状態とすることができるとともに、第3バリア523および第4バリア524、第2バリア522、第1バリア521の順に閉状態とすることができるので、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37から繰り出し動作および繰り入れ動作に応じた各バリア52の自動的な開閉動作を可能としつつ、各バリア52の互いに隣り合う区画壁部67との間に撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように一方のバリア52から他方のバリア52へ向けて突出する段状部分73を設けることができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量の設定が異なるものとされていても、各バリア52が必要開状態となると各カム突起68が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の外周面41dに当たることから、その可動レンズ鏡筒40の直進筒41が固定筒37から繰り出されている際には、各バリア52を確実に必要開状態としつつその必要開状態よりも閉じ方向へと各バリア52が回転することを確実に防止することができる。
レンズキャップ50では、所定の沈胴位置とされているレンズ鏡胴13(可動レンズ鏡筒40、および撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))の先端面と、各バリア52の裏面(リブ突起部62の突出端面)と、の間に、取付環状部材76を介して可動レンズ鏡筒40の先端部に装着された装着部材(上記した実施例では光学フィルタ77)を収容することが可能な大きさ寸法の収容空間75を形成していることから、その装着部材(光学フィルタ77)を装着したままのレンズ鏡胴13に用いることができるので、使い勝手を向上させることができる。
レンズキャップ50では、収容空間75を利用して装着部材(上記した実施例では光学フィルタ77)を装着した状態であっても、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)の固定筒37から繰り出し動作および繰り入れ動作に応じたカム突起68が可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cに押されることによる自動的な開閉動作が可能であることから、使い勝手を向上させることができる。
レンズキャップ50では、収容空間75を利用して装着部材(上記した実施例では光学フィルタ77)を装着した状態であっても、その装着部材(光学フィルタ77)の被写体側で各バリア52を閉状態とすることができるので、その装着部材(光学フィルタ77)およびレンズ鏡胴13を適切に保護することができる。
レンズキャップ50では、各バリア52における最大開状態が、可動レンズ鏡筒40の先端部に取り付けられたレンズフード78(そのフード本体部78a)の受け入れを可能とするものに設定されていることから、固定筒37に装着された状態におけるレンズフード78の可動レンズ鏡筒40の先端部への取り付けを可能とすることができる。
レンズキャップ50では、固定筒37に装着された状態において、レンズフード78の可動レンズ鏡筒40の先端部への取り付けを可能とすることから、レンズフード78を用いるためだけに固定筒37から取り外す必要がないので、手間を省きつつ紛失を防止することができ、使い勝手を向上させることができる。
レンズキャップ50では、各バリア52の取付箇所66の受入凹所71の外縁部分71aを装着部51の支持箇所53に設けられた軸部材56の径方向の外側まで伸びる構成とするとともに、その外縁部分71aに各バリア52を最大開状態まで開き方向へと回転させた際にトーションバネ74の一端74aを受け入れる切欠溝71bを設けていることから、各バリア52が閉状態とされた際に外縁部分71aが支持箇所53の受入凹所54の外縁部分54aと協働してその支持箇所53(受入凹所54)の内方の露出を大幅に抑制することを可能としつつ、各バリア52や取付箇所66や支持箇所53ひいてはレンズ鏡胴13に不測の負荷がかかることを抑制することができる。これは、トーションバネ74の一端74aと外縁部分71aとが干渉すると、各バリア52を開き方向へと回転させる力が、取付箇所66や支持箇所53に作用するとともに、その支持箇所53が設けられた装着部51が装着されたレンズ鏡胴13の固定筒37(外装部32)に不測の負荷がかかる虞があることによる。
レンズキャップ50では、各バリア52の取付箇所66の受入凹所71の外縁部分71aに設けられた切欠溝71bが、トーションバネ74の一端74aを受け入れることにより、その一端74aと外縁部分71aとの干渉を防止することから、各バリア52を軸部材56回りで閉じ方向へとトーションバネ74で押すことを可能としつつ各バリア52を最大開状態まで開き方向へと回転させることができる。
したがって、本発明に係るレンズキャップ50では、固定筒37(外装部32)に対する可動レンズ鏡筒40の繰り出し量の小さな設定のレンズ鏡胴13であっても、バリア52を確実に開いた状態(必要開状態)とすることができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係るレンズキャップの一例について説明したが、固定筒からの光軸方向への繰り出しおよび該固定筒への繰り入れを可能とする可動レンズ鏡筒を備えるレンズ鏡胴に装着されるレンズキャップであって、前記固定筒へ装着するための環状の装着部と、該装着部の内方を塞ぎつつ前記可動レンズ鏡筒の先端を覆うべく該装着部に設けられた少なくとも1つのバリアと、を備え、該バリアは、光軸方向に直交する開閉軸線回りに回転可能に前記装着部に支持され、前記バリアには、該バリアが前記装着部の内方を塞いだ状態において前記可動レンズ鏡筒と対向される裏面から、光軸方向に直交する方向で見た前記可動レンズ鏡筒における有効径の外側で、前記可動レンズ鏡筒の先端へ向けて突出するカム突起が設けられているレンズキャップであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、4つのバリア52(第1バリア521、第2バリア522、第3バリア523および第4バリア524)で装着部51の一方の開放端を塞ぐものとしていたが、当該開放端を塞ぐことが可能であって径方向で見て可動レンズ鏡筒40の先端部の外周位置よりも内側でかつ撮影光学系12の有効径よりも外側に存在しつつ裏面から突出してカム突起68が設けられているバリアであれば、その個数は適宜設定すればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、レンズキャップ50の装着対象の一例としてレンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)を示していたが、固定筒(外装部)からの繰り出しおよびその固定筒(外装部)への繰り入れを可能とされた可動レンズ鏡筒を有するレンズ鏡胴であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各カム突起68が、広角位置まで繰り出された可動レンズ鏡筒40の直進筒41の先端面41cの周縁部を乗り越える(外周面41dに当たる)と各バリア52を必要開状態とするものとされていたが、可動レンズ鏡筒40(その直進筒41)が撮影待機位置において固定筒37(外装部32)に対して最も繰出量が小さな状態とされた際に各バリア52を少なくとも必要開状態よりも開いた状態とすべく可動レンズ鏡筒40の先端面(41c)もしくは外周面(41d)に当たるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各バリア52の裏面からのカム突起68の突出量が異なるものとされていたが、固定筒37(外装部32)に対する可動レンズ鏡筒40の繰り出し量の小さな設定のレンズ鏡胴13であっても、バリア52を確実に開いた状態(必要開状態)とすることができるものであれば、互いに等しいものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各バリア52の互いに隣り合う区画壁部67との間に、撮影光軸OA方向で互いに重なり合うように一方のバリア52から他方のバリア52へ向けて突出する段状部分73が設けられていたが、この各段状部分73を設けない構成としてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、レンズキャップ50のキャップ側連結部51a(その爪部分51b)と、レンズ鏡胴13の固定筒37の鏡胴側連結部38の各連結箇所38b(その爪部分38c)と、がバヨネット式の装着機構とされていたが、内方で可動レンズ鏡筒40が撮影光軸OA方向へと繰り出される固定筒37への着脱自在な装着を可能とするものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、所定の沈胴位置(収納状態(図1(a)参照))とされているレンズ鏡胴13(可動レンズ鏡筒40、および撮影光学系12の有効径(第1レンズ群12a(その対物レンズ))の先端面と、各バリア52の裏面(リブ突起部62の突出端面)と、の間に、取付環状部材76を介して可動レンズ鏡筒40の先端部に装着された装着部材(上記した実施例では光学フィルタ77)を収容することが可能な大きさ寸法の収容空間75を形成するものとされていたが、この収容空間75を形成しない構成としてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、押圧部材として各バリア52にトーションバネ74が設けられていたが、押圧部材は各バリア52に閉じ方向へと押す力を付与するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明のレンズキャップを実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。