JP2013124358A - 絶縁ワニス、それを用いた支持体付きフィルム及び積層板 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応型リン化合物の反応性を高め、少量の配合でも高い難燃性を発現できる絶縁ワニス、それを用いた支持体付きフィルム及び積層板を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)リン化合物、(C)溶解性パラメータが11以上である溶剤を含む、絶縁ワニス。(B)リン化合物の80℃での溶解量が5質量%以上である前記の絶縁ワニス。溶剤(C)に対する(B)リン化合物の5質量%溶解温度と、溶剤(C)の沸点との差が30℃以上である前記の絶縁ワニス。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁ワニス、それを用いた支持体付きフィルム及び積層板に関する。
通常の積層板は、エポキシ樹脂を主剤とした樹脂組成物とガラス織布とを硬化・一体成形したものが一般的である。エポキシ樹脂は絶縁性や耐熱性、コストなどのバランスが優れるが、燃焼し易いという欠点を有する。このため、積層板の難燃化は必須であり、従来ブロム系難燃剤が用いられていた(特許文献1参照)。
しかし、環境意識の高まりから燃焼時に有害な物質を発生する可能性がある材料は電子部品も含めて規制する動きが活発になっている。このため、リン酸エステル等のリン化合物(特許文献2参照)が、難燃剤としてよく用いられている。しかしながら、添加型リン化合物は樹脂混合後の耐水性、安定性が悪い等の欠点を有する(特許文献3参照)。
この対策とし、反応型リン化合物を用いた難燃化手法が知られている。しかし溶解性が低く、かつ反応性が悪い。この対策として反応型リン化合物とエポキシ樹脂を反応させて溶解性を向上できることが知られている。しかし、分子構造に対するリン含有率が低いため、組成物中でのリン含有率が低く、難燃性発現には大量に配合する必要があった。
特公昭61−1456号公報 特開平9−289637号公報 特開2000−309623号公報
そこで、リン化合物の反応性を高め、高い耐熱性、また高い難燃性を発現する手法が求められている。本発明は、反応型リン化合物の反応性を高め、Tgが向上し、少量の配合でも高い難燃性を発現できる絶縁ワニス、それを用いた支持体付きフィルム及び積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、リン化合物に特定の溶剤を併用することで反応性を高められることを見出した。以下にその詳細を記す。
(1) (A)エポキシ樹脂、(B)リン化合物、(C)溶解性パラメータが11以上である溶剤を含み、前記(B)リン化合物の構造が下記(式1)で示される、絶縁ワニス。
Figure 2013124358
(2) (B)リン化合物の80℃での溶解量が5質量%以上である(1)記載の絶縁ワニス。
(3) (C)溶剤に対する(B)リン化合物の5質量%溶解温度と、溶剤(C)の沸点との差が30℃以上である(1)または(2)に記載の絶縁ワニス。
(4) 全溶剤における(C)溶剤の割合が5質量%以上である(1)〜(3)いずれかに記載の絶縁ワニス。
(5) (C)溶剤にリン化合物(B)を分散後、絶縁ワニスに製造してなる(1)〜(4)いずれかに記載の絶縁ワニス。
(6) (C)溶剤に(B)リン化合物を溶解してなる(1)〜(5)いずれかに記載の絶縁ワニス。
(7) (B)リン化合物の全部又は一部が再結晶化したものである(1)〜(6)いずれかに記載の絶縁ワニス。
(8) (B)リン化合物の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする(1)〜(7)いずれかに記載の絶縁ワニス。
(9) (1)〜(8)いずれかに記載の絶縁ワニスを支持体に塗布、乾燥してなる支持体付きフィルム。
(10) (1)〜(8)いずれかに記載の絶縁ワニスを硬化してなる絶縁樹脂層を有する積層板。
(11) 絶縁樹脂層の厚さが60μm以下である(10)記載の積層板。
本発明によれば、リン化合物の反応性を高め、Tgが向上し、少量の配合で高い難燃性を発現できる絶縁ワニス、それを用いた支持体付きフィルム及び積層板を得ることができ、パッケージ基板用途に好適な材料を提供できる。
本発明は、(A)エポキシ樹脂と、(B)リン化合物と、(C)溶解性パラメータが11以上である溶剤を配合したことを特徴とした絶縁ワニスである。
なお、溶解性パラメータとは、一般的に、正則溶液論により定義された値であり、2成分系溶液の溶解度の目安となるものであり、分子間力を表す尺度として使用される。
本発明では下記(式1)に示されるリン化合物と溶解性パラメータ11以上の溶剤を併用することで、塗工時の加熱でリン化合物を溶解し、樹脂中に均一、もしくは微粒子として分散させることによりリン化合物の反応性を高めることができる。
Figure 2013124358
以下、各成分について説明する。
本発明に使用される(A)エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などがあり、特にナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などの芳香環が多いエポキシ樹脂が難燃性を高める上で好ましい。また、耐熱性の観点からは、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等のπスタッキングを起こしやすい構造を持つエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよく、何種類かを併用することもできる。
本発明に使用される、前記(式1)に示される(B)リン化合物は、リン含有フェノール樹脂であり、2官能フェノール樹脂と有機リン化合物を反応して得られたものであり、例えば、三光株式会社製のHCA−HQ(商品名)等が挙げられる。また、(B)リン化合物の平均粒径は、0.5μm以下であることが、(A)エポキシ樹脂等に対する反応性の点から好ましい。また、平均粒径が0.1μm以上であることが好ましい。
絶縁ワニス中の(B)リン化合物の含有量は、リン含有質量%が後述する無機フィラーを除く絶縁ワニスの固形分中で0.5〜5質量%の範囲になるようにするのが好ましく、より好ましくは1〜3質量%、さらに好ましくは1〜2質量%である。この範囲内であることが難燃性を発現するために好ましい。リン含有質量%が0.5質量%未満では難燃性の発現に不十分であり、リン含有質量%が5質量%を超えるとはんだ耐熱性が低下するためである。
また、使用される(B)リン化合物は、その全部又は一部が再結晶化したものでもよい。また、再結晶化した場合も、平均粒径が0.5μm以下であることが(A)エポキシ樹脂等に対する反応性の点から好ましい。また、平均粒径が0.1μm以上であることが好ましい。
(C)溶解性パラメータが11以上の溶剤は、前記溶解性パラメータの範囲にあれば特に限定するものではない。例えば、イソプロパノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸、エタノール、クレゾール、ギ酸、エチレングリコール、フェノール、メタノール、水、ジオキサン等が挙げられる。
その中でも、本発明における(B)リン化合物(リン含有フェノール)の溶解性を考慮すると、80℃で5質量%以上の溶解量が好ましい。さらに好ましくは5.5質量%以上が好ましく。特に好ましくは6質量%以上が好ましい。すなわち、前記(C)溶剤としては、(B)リン化合物の溶解量が、80℃で5質量%以上となるものであることが好ましい。
また、(C)溶剤に対する(B)リン化合物の5質量%溶解温度と、(C)溶剤の沸点との差が30℃以上であることが好ましい。そして、(B)リン化合物の加熱時の溶解温度と、(C)溶剤の沸点との差が30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。30℃未満であると溶剤の揮発が早く、(式1)に示す(B)リン化合物の溶解効果が効きにくい。
加えて、全溶剤中で、(C)溶解性パラメータが11以上の溶剤の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上であり、特に好ましくは30質量%以上である。5質量%未満であると(B)リン化合物の溶解効果が発現されにくい。これらの(C)溶剤は単独あるいは2種以上を混合しても良い。
(A)エポキシ樹脂の硬化剤としては、各種エステル型硬化剤、各種フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジット類などが使用できる。多官能フェノール類としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及びこれらのハロゲン化合物、さらにホルムアルデヒドとの縮合物であるノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが使用でき、酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用でき、アミン類として、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用できる。回路導体との接着性からジシアンジアミドが好ましく、耐熱性や絶縁性も考慮するとジシアンジアミドとノボラックフェノールを併用することがさらに好ましい。これらの硬化剤と(式1)に示される(B)リン化合物の合計の官能基等量が、エポキシ基に対して0.5〜1.5当量であるのが好ましい、より好ましくは0.7〜1.3等量であり、さらに好ましくは0.8〜1.2等量である。硬化剤がエポキシ基に対して0.5当量未満の場合は外層銅との接着性が低下し、1.5当量を超えるとTgや絶縁性が低下する場合がある。
また、熱硬化剤の他に、必要に応じて反応促進剤を使用することができる。反応促進剤としては潜在性の熱硬化剤である各種イミダゾール類やBFアミン錯体が使用できる。さらに好ましくは、絶縁ワニスの保存安定性やBステージ状(半硬化状)の絶縁樹脂組成物の取り扱い性及びはんだ耐熱性の点から2−フェニルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましく、その配合量はビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂の配合量に対して0.2〜0.6質量%が最適である。0.2質量%未満では、はんだ耐熱性が十分ではなく、0.6質量%を超えると絶縁ワニスの保存安定性やBステージ状の絶縁樹脂組成物の取り扱い性が低下するためである。
絶縁ワニスは、さらに無機フィラーを含むことが好ましい。無機フィラーは、例えばシリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、エーロジル、炭酸カルシウムの中から選ばれるものが使用可能であり、これらは単独でもあるいは混合して用いても良い。なお、難燃性や低熱膨張の点から水酸化アルミニウムとシリカとを単独あるいは併用して用いるのが良い。またその配合量は、溶剤を除く絶縁ワニス全体の固形分中で5〜30体積%にするのが好ましい。さらに好ましくは、10〜20体積%であり、5体積%未満では外層回路導体との接着力が劣り、また30体積%を超えると粗化後の表面粗さが大きくなることがあり微細粗化形状に不適になる。添加剤としては、各種シランカップリング剤、硬化促進剤、消泡剤等を使用できる。この配合量としては絶縁ワニスの固形分総量100質量部に対して、5質量部以下、好ましくは3質量部以下にすることが絶縁ワニスの特性を維持する上で好ましい。これらの無機フィラーは、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール等既知の混練方法により分散しても良い。
本発明の絶縁ワニスの成分には、前記成分(A)〜(C)の他、前記任意成分、さらに、通常の絶縁ワニスや樹脂組成物に使用されるチキソ性付与剤、カップリング剤等の各種添加剤を適宜配合できる。
また本発明の絶縁ワニスを支持体に塗布し、80〜200℃、5〜60分乾燥して、支持体付きフィルムとしてもよい。なお支持体としては銅箔、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。なお、フィルム(絶縁ワニスを乾燥したもの)の厚さは、通常10〜60μmである。
また本発明の絶縁ワニスを、ガラス織布、ガラス不織布、アラミド不織布に含浸、乾燥させ、プリプレグとしてもよい。また前記プリプレグを積層成形し積層板としてもよい。また、本発明の絶縁ワニスを硬化し、多層配線板や積層板の絶縁樹脂層としても使用できる。
本発明の絶縁ワニスを硬化した絶縁樹脂層を有する多層配線板の製造方法としては、例えば、本発明の絶縁ワニスからなる絶縁樹脂層を、内層回路を有する基板に積層し、前記絶縁樹脂層を硬化し、絶縁樹脂層表面に外層回路層を形成する工程が挙げられる。なお、前記絶縁樹脂層の厚さは、通常60μm以下であり、10〜50μmが好ましい。
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記組成の絶縁ワニスを作製した。この時の(A)エポキシ樹脂のエポキシ基に対するエステル型硬化剤及び(B)リン化合物(リン含有フェノール樹脂)の水酸基当量の合計比は0.90とした。また、(B)リン化合物(リン含有フェノール)は、(B)リン化合物(リン含有フェノール比率)が30質量%になるようにジメチルホルムアミド((C)溶剤;DMF)で調整した後、加熱し、100℃で(B)リン化合物(リン含有フェノール)を溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、析出した(B)リン化合物(リン含有フェノール)DMF溶液(DMF溶解性パラメータ:12.0、80℃におけるリ(B)リン化合物(リン含有フェノール)溶解量:15質量%)をビーズミルで分散した後、ワニス配合に用いた。絶縁ワニスは、下記組成を全て配合した後、下記NC−3000−H((A)エポキシ樹脂)とBNP−80が溶解するまで25℃で攪拌を続けて作製した。
この絶縁ワニスを銅箔(厚さ35μm)およびPETフィルム(厚さ50μm)上に塗工し、160℃−10分乾燥して絶縁樹脂層の膜厚50±3μmの銅箔付絶縁樹脂フィルムとPET付絶縁樹脂フィルムを作製した。
・カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、XER−91SE−15(JSR株式会社製、商品名) 10質量部
・ビフェニル系エポキシ樹脂、NC3000−H(日本化薬株式会社社製、商品名) 120.6質量部
・リン含有フェノール HCA−HQ(三光株式会社製、商品名)DMF溶液 131.6質量部
・エステル型硬化剤 BNP−80(三井化学株式会社製、商品名) 27.9質量部
・イミダゾール誘導体化合物、1−シアノエチル−2フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名2PZ−CNS) 0.4質量部
・充填剤、球状シリカ(アドマファインSO−25R)(株式会社アドマテックス社製、商品名) 38.9質量部
・溶剤 メチルエチルケトン 22.5質量部
次に、銅箔付き絶縁フィルムを170℃―60分の硬化条件で1回目の硬化を行った。冷却後、2回目の硬化として200℃−60分の条件で加熱を行った後、銅箔をエッチング除去した。
(実施例2)
2回目の加熱温度を210℃にした以外は、実施例1と同様にして行った。
(実施例3)
2回目の加熱温度を230℃にした以外は、実施例1と同様にして行った。
(実施例4)
リン含有DMF溶液の加熱処理を行わない以外は実施例3と同様にして行った。
(実施例5)
硬化剤としてBNP−80をDC808(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)に変更した以外は実施例1と同様にして行った。
(実施例6)
2回目の加熱温度を230℃にした以外は実施例5と同様にして行った。
(比較例1)
下記組成の絶縁ワニスを作製した。この時のエポキシ樹脂のエポキシ基に対するエステル型硬化剤及びリン含有フェノール樹脂の水酸基当量の合計比は0.90とした。また、リン含有フェノールは、リン含有フェノール比率が30質量%になるようにメチルエチルケトン(MEK)(MEK溶解性パラメータ:9.3、80℃におけるリン含有フェノール溶解量:1質量%)で調整した後、ビーズミルで分散してワニス配合に用いた。絶縁ワニスは、下記組成を全て配合した後、下記NC−3000−HとBNP−80が溶解するまで25℃で攪拌を続けて作製した。
この絶縁ワニスを銅箔(厚さ35μm)およびPETフィルム上(厚さ50μm)に塗工し、160℃−10分乾燥して膜厚50±3μmの銅箔付絶縁樹脂フィルムとPET付絶縁樹脂フィルムを作製した。
・カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子 XER−91SE−15(JSR株式会社、商品名) 10質量部
・ビフェニル系エポキシ樹脂、NC3000−H(日本化薬株式会社社製、商品名) 120.6質量部
・リン含有フェノール HCA−HQ(三光株式会社製、商品名)MEK溶液 131.6質量部
・エステル型硬化剤 BNP−80(三井化学株式会社製、商品名) 27.9質量部
・イミダゾール誘導体化合物、1−シアノエチル−2フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名2PZ−CNS) 0.4質量部
・充填剤、球状シリカ(アドマファインSO−25R)(株式会社アドマテックス社製、商品名) 38.9質量部
・溶剤 メチルエチルケトン 22.5質量部
次に、銅箔付き絶縁フィルムを170℃―60分の硬化条件で1回目の硬化を行った。冷却後、2回目の硬化として200℃−60分の条件で加熱を行った後、銅箔をエッチング除去した。
(比較例2)
2回目の加熱温度を210℃に変更した以外、比較例1と同様にして行った。
(比較例3)
2回目の加熱温度を230℃に変更した以外、比較例1と同様にして行った。
(比較例4)
硬化剤であるBNP−80からDC808(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)に変更した以外は比較例1と同様にして行った。
(比較例5)
2回目の加熱温度を230℃に変更した以外、比較例4と同様にして行った。
[Tg(ガラス転移点)]
実施例1〜6、比較例1〜5銅箔付絶縁樹脂フィルムの銅箔をエッチング除去したフィルムを幅4mm、長さ20mmに切断し、TAインスツルメンツ製2000型熱分析システムTMA−2940を用いて、引っ張り法、加重5gの条件で測定し、熱膨張の変曲点からTgを求めた。
[難燃性]
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−67(商品名)]にエッチングを施して、銅層がない基板を作製し、この基板の両面に、実施例1〜6、比較例1〜5のPET付絶縁樹脂フィルムを積層し、PET剥離を繰り返し、片側150μmの絶縁樹脂層を両面に形成した。そして、各実施例、比較例で施した加熱処理を行うことにより、難燃性の試験片を作製した。
試験法は、UL−94法に従い試験した。
作製したTg測定用フィルムと難燃性の試験片の測定結果を表1、表2に示す。
Figure 2013124358
(配合単位;質量部)
Figure 2013124358
(配合単位;質量部)
難燃性については表1の実施例1〜6、表2の比較例1〜5のいずれもV−0を達成しており、(B)リン化合物(リン含有フェノール)により高い難燃性を示した。
Tgについては、表1の実施例1〜4と表2の比較例1〜3を比較すると、溶解性パラメータ11以上であるDMFを(B)リン化合物(リン含有フェノール;HCA−HQ)の溶剤として用いた実施例2〜4は2回目の加熱温度の上昇により、Tgの上昇を示した。一方、溶解性パラメータ11未満であるMEKを溶剤として用いた比較例1〜3においては2回目の加熱温度の上昇による、Tg上昇を示さなかった。
また、エステル硬化剤であるBNP−80からDC808に変更した、実施例5、6及び比較例4、5を比較すると、実施例1〜4及び比較例1〜3と同様、DMFを溶剤として使用した実施例6では2回目の加熱温度の上昇によりTgの上昇を示した。このことから、Tgの上昇は硬化剤の種類ではなく、溶解性パラメータ11以上の溶剤を使用することが重要であることがわかる。
また、実施例1〜3と実施例4を比較すると、DMFの加熱処理がない場合でもTgの上昇を示した。このことから、溶解性パラメータ11以上の溶剤を使用することで加熱処理がない場合においても、Tgの上昇を示すことがわかる。

Claims (11)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)リン化合物、(C)溶解性パラメータが11以上である溶剤を含み、前記(B)リン化合物の構造が下記(式1)で示される、絶縁ワニス。
    Figure 2013124358
  2. (B)リン化合物の80℃での溶解量が5質量%以上である請求項1記載の絶縁ワニス。
  3. (C)溶剤に対する(B)リン化合物の5質量%溶解温度と、(C)溶剤の沸点との差が30℃以上である請求項1または請求項2に記載の絶縁ワニス。
  4. 全溶剤における(C)溶剤の割合が5質量%以上である請求項1〜3いずれか一項記載の絶縁ワニス。
  5. (C)溶剤に(B)リン化合物を分散後、絶縁ワニスに製造してなる請求項1〜4いずれか一項記載の絶縁ワニス。
  6. (C)溶剤に(B)リン化合物を溶解してなる請求項1〜5いずれか一項記載の絶縁ワニス。
  7. (B)リン化合物の全部又は一部が再結晶化したものである請求項1〜6いずれか一項記載の絶縁ワニス。
  8. (B)リン化合物の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項記載の絶縁ワニス。
  9. 請求項1〜8いずれか一項記載の絶縁ワニスを支持体に塗布、乾燥してなる支持体付きフィルム。
  10. 請求項1〜8いずれか一項記載の絶縁ワニスを硬化してなる絶縁樹脂層を有する積層板。
  11. 絶縁樹脂層の厚さが60μm以下である請求項10記載の積層板。
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