JP2013123871A - 樹脂成形用の金型 - Google Patents

樹脂成形用の金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2013123871A
JP2013123871A JP2011274473A JP2011274473A JP2013123871A JP 2013123871 A JP2013123871 A JP 2013123871A JP 2011274473 A JP2011274473 A JP 2011274473A JP 2011274473 A JP2011274473 A JP 2011274473A JP 2013123871 A JP2013123871 A JP 2013123871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
insert
undercut
molded product
take
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011274473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5453384B2 (ja
Inventor
Yoshiro Yasuda
吉郎 保田
Kimio Yasuda
公夫 保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KUBO TEKKOSHO KK
Original Assignee
KUBO TEKKOSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KUBO TEKKOSHO KK filed Critical KUBO TEKKOSHO KK
Priority to JP2011274473A priority Critical patent/JP5453384B2/ja
Publication of JP2013123871A publication Critical patent/JP2013123871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5453384B2 publication Critical patent/JP5453384B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】抜き方向が異なる複数のアンダーカット部を有するような圧縮成形の難しい成形品であっても、確実且つ容易に入子からの取り出しを行なうことのできる樹脂成形用の金型が求められている。
【解決手段】金型1は、型閉めすることでキャビティCを形成可能な内面21,31をそれぞれ有する固定型2および可動型3と、キャビティC内で固定型2に出没自在に支持されてキャビティCの一部分を形成し成形品Pのアンダーカット部を形成するアンダーカット形成部を有する入子4と、入子4に連結されていて成形品取出し用に固定型2の軸穴23に出入自在に配備された取出し用ロッド6とを備えるものであって、入子4および取出し用ロッド6が複数対配備され、少なくとも2つの入子4,4はアンダーカット抜き方向が異なる向きに配置され、各入子4は各取出し用ロッド6の先端に継手を介して遊動自在に連結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンダーカット部を有する成形品を樹脂原料から得るための金型に関するものである。
従来、この種の金型としては、下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この金型は、固定型と可動型との間で形成されるキャビティの一部が、成形品のアンダーカット部を形成するひとつの入子により形成されるとともに、型開き時に入子アンダーカット抜き方向にスライドさせるリンクを備えている。前記の入子は、リンクロッドの先端にひとつの枢支軸を介して一定方向に揺動可能に連結されていて、リンクの駆動によりスライドし成形品のアンダーカット部から離脱するように構成されている。
特開昭61−192818号公報
ところで、前記した特許文献記載の金型によれば、成形品のアンダーカット部を形成する入子の移動方向が、型開き方向と直角の方向すなわちアンダーカット抜き方向と同じ方向である。そのため、入子駆動機構として、複雑な構成のリンクを用いざるを得なくなっている。また、入子は1本の枢支軸によりリンクロッドに連結されているので、上下方向にしか揺動できない。但し、これらの構成はひとつの入子を用いるだけであるから問題を生じていない。
しかしながら、抜き方向が異なる複数のアンダーカット部を有するような成形品を圧縮成形で得ようとする場合は、それに対応した数の複数の入子が必要になる。そのために、成形品を全ての入子から取り出すことができないか、あるいは極めて難しくなるという問題が想定される。また、構成が極めて複雑になって安価に実現できないおそれも生じる。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、抜き方向が異なる複数のアンダーカット部を有するような成形の難しい成形品であっても、確実且つ容易に入子からの取り出しを行なうことのできる樹脂成形用の金型の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る樹脂成形用の金型は、型閉めすることで合成樹脂成形用のキャビティを形成可能な内面をそれぞれ有する第1型体および第2型体と、キャビティ内で第1型体に出没自在に支持されてキャビティの一部分を形成し成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット形成部を有する入子と、該入子に連結されていて離型時の成形品を第1型体から取り出すために第1型体の軸穴に出入自在に配備された取出し用ロッドとを備える金型であって、前記入子および前記取出し用ロッドが複数対配備され、複数のうち少なくとも2つの入子はアンダーカット抜き方向が異なる向きに配置され、各入子は各取出し用ロッドの先端に継手を介して遊動自在に連結されていることを特徴とする構成にされている。
また、前記構成において、継手が、取出し用ロッドの先端部または入子にアンダーカット抜き方向に延在して形成された係止溝部と、入子または取出し用ロッドの先端部に形成されていて前記係止溝部にアンダーカット抜き方向移動自在で且つ遊動状に連結される係止鉤部とを備えているものである。
そして、前記した各構成において、入子に支持されながら第1型体から取り出された成形品を、アンダーカット抜き方向に押動して成形品から入子のアンダーカット形成部を外す取外し機構が、第1型体に設けられているものである。
本発明に係る樹脂成形用の金型によれば、入子および取出し用ロッドが複数対配備され、複数のうち少なくとも2つの入子がアンダーカット抜き方向が異なるように配置され、各入子が各取出し用ロッドの先端に継手を介して遊動自在に連結されているので、型開き後の取出し用ロッドの駆動により入子と一体で、成形品が第1型体から抜き出される。その後、成形品が手などで一方の入子のアンダーカット抜き方向に押動されることにより、当該一方の入子のアンダーカット形成部から成形品のアンダーカット部が外れる。次に、成形品が他方の入子のアンダーカット抜き方向に押動されることにより、他方の入子のアンダーカット形成部から成形品のアンダーカット部が外れる。このように、成形品全体を複数の入子から容易に取り外すことができる。これらの外し動作に際して、各入子は取出し用ロッドに対して遊動できるので、入子のアンダーカット形成部から成形品を極めて容易に且つ確実に外すことができる。
また、継手が、取出し用ロッドまたは入子に形成された係止溝部と、入子または取出し用ロッドに形成された係止鉤部とを備えて構成されたものでは、係止溝部と係止鉤部という、非常に簡素な構成により有用な継手が実現されるので、入子が遊動しやすく、故障も少なく、安価に提供され得る。
そして、取外し機構が第1型体に設けられているものでは、入子に支持されながら第1型体から取り出された成形品が、取外し機構によりアンダーカット抜き方向に押動されて成形品から入子のアンダーカット形成部が外されるので、成形直後で比較的温度が高い成形品を、入子から自動的に手で触れることなく取り外すことができる。これにより、作業の安全性が確保されるとともに、成形品を大量生産する観点から好適な金型を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る樹脂成形用の金型を用いて得られた成形品を後斜め下から見上げた斜視図である。 前記金型を備える成形機の一部断面を含む側面構成図である。 前記金型の固定型、入子および分割型を示す平面図である。 前記固定型および入子を示す一部断面を含む拡大側面図である。 前記入子および取出し用ロッドの先端部を示す図であって、(a)は部分右側面図、(b)は部分正面図である。 前記入子および取出し用ロッドの先端部を示す図であって、(a)は部分左側面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図である。 前記取出し用ロッドに対する入子の動作状態を示す図であって、(a)は入子をアンダーカット抜き方向に移動させた状態を示す断面図、(b)は入子を上下方向に移動させた状態を示す断面図、(c)は後方向に首振りさせた状態を示す断面図、(d)は入子を前方向に首振りさせた状態を示す断面図である。 前記金型および成形品を拡大して示す部分正断面図である。 前記金型から成形品を取り出す態様を部分拡大して示す図であって、(a)は成形後に可動型を型開きした状態を示す部分正断面図、(b)は(a)の状態に続いて入子とともに成形品を固定型から取り出した状態を示す部分正断面図、(c)は(b)の状態に続いて成形品の片側および入子をアンダーカット抜き方向に移動させた状態を示す部分正断面図である。 本発明の別の実施形態に係る樹脂成形用の金型の固定型に配備された4つの取外し機構を示す平面図である。 前記取外し機構を示す図であって、(a)は固定型との関係を示す正面構成図、(b)は取外し機構の旋回部材が水平旋回して成形品を入子から外す状態を示す部分正面構成図である。 本発明の他の実施形態に係る金型の入子および取出し用ロッドの先端部を示す部分背面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係る樹脂成形用の金型を用いて得られた成形品を後斜め下から見上げた斜視図、図2は前記金型を備える成形機の一部断面を含む側面構成図、図3は前記金型の固定型、入子および分割型を示す平面図、図4は前記固定型および入子を示す一部断面を含む拡大側面図である。
各図において、この実施形態に係る樹脂成形用の金型は、例えば暖房便座の上面側を構成する着座面部材である成形品を製造するために用いられる。この実施形態では、例えば圧縮成形機用の金型を示す。まず、図1に示すように、前記した金型から得られる成形品P(着座面部材)は、例えば前部が平面視円弧状に形成されて中央部分に楕円状の開口部P2を有する着座用の面状部P1と、面状部P1の内周縁から垂下した内周縁部P3と、面状部P1の外周縁から垂下した外周縁部P4とから一体に成形されている。
前記した成形品Pにおいて、内周縁部P3の内壁面には、8つのアンダーカット部P5I,P5I,P5I,・・・が形成されている。各アンダーカット部P5Iは内壁面から陥没した横溝状に形成されている。前記した外周縁部P4の内壁面には、7つのアンダーカット部P5E,P5E,P5E,・・・が形成されている。各アンダーカット部P5Eも内壁面から陥没した横溝状に形成されている。外周縁部P4の背面部分には、後述する分割型5のキャビティ用内面5Aの突起(図示省略)により形成される3つのアンダーカット部P6,P6,P6が形成されている。各アンダーカット部P6も内壁面から陥没した横溝状に形成されている。そして、面状部P1の下面、内周縁部P3の内壁面、および外周縁部P4の内壁面には、それぞれ後述する15個の入子4のキャビティ用内面41による痕跡部P7,P7,P7,・・・(図1中に1点鎖線で示す)が現れている。
そして、前記の成形品Pを成形する圧縮成形機Sは例えば2000トン級の加圧能力を有し、図2および図3に示すような金型1を備えている。この金型1は、本体基台9に立設された本体フレーム10,10上に支持された固定型(第1型体の例)2と、固定型2に出没自在(矢印U方向または反対方向)に支持された例えば15個の入子4,4,4,・・・と、固定型2の上方位置に配置されて固定型2に対し近接・離間自在に上下移動(矢印D方向または反対方向)する可動型3と、固定型2の後側上部に配置されて固定型2に対し近接・離間自在に前後移動(矢印B方向または反対方向)する分割型5とから構成されている。そして、上記の成形品Pを成形するキャビティCは、金型1が型閉めされた状態で、固定型2のキャビティ用内面21、可動型3のキャビティ用内面31、分割型5のキャビティ用内面5A、および、15個の入子4,4,4,・・・のキャビティ用内面41,41,41,・・・から形成される。尚、可動型3は、図示せぬ油圧シリンダにより上下動作および加圧動作が行なわれるようになっている。
固定型2におけるキャビティ用内面21を構成する領域であって、成形品Pの内周縁部P3を形成する位置の隣接位置には、下向きに陥没した8つの受面22,22,22,・・・が周方向に適宜間隔で形成されている。同じく成形品Pの外周縁部P4を形成する位置の隣接位置にも、同様の受面22,22,22,・・・が7つ形成されている。これらの受面22はいずれも、下向きに狭まる円筒テーパ状に形成されている。各受面22の底面には、固定型2を上下に貫通する軸穴23がそれぞれ形成されている。各軸穴23はいずれも、それぞれの軸心方向が固定型2からの可動型3の型開き方向(図2中の矢印Dとは反対の方向)と平行する方向に形成されている。各軸穴23には、離型時の成形品Pを固定型2から取り出すための取出し用ロッド6が、それぞれ上下方向(矢印U方向および反対方向)に移動自在に配備されている。また、各受面22には入子4がそれぞれ上下出入自在に装入される。各入子4の外周面は、下向きに狭まる円柱テーパ状に形成されており各受面22と着脱自在に嵌合する。各取出し用ロッド6の上端部は各入子4の下部と連結される。すなわち、入子4と、入子4に連結された取出し用ロッド6とは、この例において15対配備されているが、本発明はその対の数に特に限定されない。
そして、固定型2の下方位置における本体基台9上に支持フレーム8,8が立設され、支持フレーム8,8に昇降台7が上下移動自在に配備されている。この昇降台7は、供給管27から供給された例えば作動油により駆動される油圧シリンダ(図示省略)によって上下駆動される。各取出し用ロッド6の下端部は、昇降台7に形成された15個の貫通穴13にそれぞれ通され、固定用治具14およびボルト15により固定される。分割型5は固定型2の後部上面に前後移動自在に設置され、油圧シリンダ12のロッド11と連結されて前後方向(図2中の矢印B方向または反対方向)に駆動される。分割型5の前面は型閉め時に固定型2の合せ面24に密着する。分割型5の前側上端部のキャビティ用内面5Aには、成形品Pの背面側のアンダーカット部P6を形成するためのアンダーカット形成部(図示省略)が設けられている。そうして、固定型2におけるキャビティ用内面21の外側周囲にある合せ面25は、型閉め時に可動型3の合せ面32と密着し、キャビティ用内面21の内側にある合せ面26は型閉め時に可動型3の合せ面33と密着するようになっている。
上記した入子4は、成形品Pのアンダーカット部P5I,P5Eを形成するアンダーカット形成部43の位置やキャビティ用内面41の面形状によって種々多様な外形状のものが使用されるが、その一例を図5および図6に示す。図示の入子4は、その底面に、上向きに陥没して左右方向全体に延びるガイド溝部44が形成されている。更に、ガイド溝部44の上方位置には、ガイド溝部44よりも幅広で左右方向(図6中の矢印V方向(=アンダーカット抜き方向)または反対方向)に延びる係止溝部45が形成されている。係止溝部45の右側部は壁面で行き止まりとなっているが、左側部は外部に開放されている。係止溝部45内の両側の底面は受面部50,50となっている。取出し用ロッド6の上端部はロッド外径よりも前後幅の細い細幅部16となっている。細幅部16の上端部には、細幅部16から前後に張り出した係止鉤部17が形成されている。すなわち、入子4の係止溝部45と、入子4の係止溝部45に装入される取出し用ロッド6の係止鉤部17と、係止溝部45内に遊動自由に収容された係止鉤部17の左方向の抜け止めをする留め板47と、係止溝部45の背面に装着された留め板47のボルト穴48を通され入子4の雌ネジ穴46に螺止されて留め板47を固定するボルト49とから、継手18が構成される。この場合、取出し用ロッド6の係止鉤部17と、入子4の係止溝部45内の天井面または受面部50との間には、最大寸法T1の隙間が設けられている。取出し用ロッド6における細幅部16の付け根部と入子4の下面との間には、最大寸法T2の隙間が設けられている。係止鉤部17と、係止溝部45内の内側壁または留め板47の内側面との間には、最大寸法T3の隙間が設けられている。これにより、前記した継手18を介して、各入子4が、各取出し用ロッド6の先端部に、アンダーカット抜き方向に移動自在で、且つ、遊動自在に連結される。
ここで、取出し用ロッド6に対する入子4の遊動状態について説明する。その場合、図6(b)に示した元の状態からの動きとして説明する。
取出し用ロッド6は水平方向には移動しないので、図7(a)に示すように入子4を図中の左方向に押されると、入子4は、係止溝部45の前側内壁45Aが取出し用ロッド6の係止鉤部17の前面17Aに当接するまで、矢印V方向(アンダーカット抜き方向)に向かって遊びを有しながら自由に移動することができる。また、固定型2から上方に持ち上げられたときのように、入子4が下から支持されなくなっても、図7(b)に示すように、入子4は、係止溝部45の天井面45Bが取出し用ロッド6の係止鉤部17の上面17Bに当接するまで、取出し用ロッド6に向かって自重で自由に下がることができる。そして、図7(a)の状態から更に入子4が左方向に押されると、図7(c)に示すように、入子4は、係止溝部45の天井面45Bが係止鉤部17の上面17Bの左端部に当接するまで、それまでの姿勢から左下がりに傾く。このとき、係止鉤部17における突起部下面の右端部は係止溝部45の受面部50に接して支持される。一方、留め板47に係止鉤部17が接している図6(b)の状態から入子4が右方向に押されると、図7(d)に示すように、入子4は、係止溝部45の天井面45Bが係止鉤部17の上面17Bの右端部に当接するまで右下がりに傾く。このとき、係止鉤部17における突起部下面の左端部は係止溝部45の受面部50に接して支持される。
上記したように、全ての入子4は、それぞれのガイド溝44の溝長手方向が固定型2の左右方向を向くように配置されている。この場合、図1、図2および図8から明らかなように、成形品Pの右部の内周縁部P3に接して配置される3つの入子4,4,4および左部の外周縁部P4に接して配置される3つの入子4,4,4のアンダーカット抜き方向と、成形品Pの左部の内周縁部P3に接して配置される3つの入子4,4,4および右部の外周縁部P4に接して配置される3つの入子4,4,4のアンダーカット抜き方向とが、ほぼ反対方向となるように、これらの入子4におけるアンダーカット形成部43の位置が規定されている。尚、前記した12個の入子4,4,4,・・・のアンダーカット抜き方向に対し、外周縁部P4の前部内側に接して配置される1つの入子4、および内周縁部P3の後部に接して配置される2つの入子4,4のアンダーカット抜き方向は異なっている。従って、15個の入子4,4,4,・・・は、アンダーカット抜き方向、すなわちアンダーカット形成部43の突出方向がほぼ異なるように配置されている。
上記のように構成された圧縮成型機Sの金型1の作用を次に説明する。
この場合、金型1全体は、成形操作に先立ち所定の温度に昇温されているものとする。また、合成樹脂材料としては、一例としてシートモールディングコンパウンド(SMCと略称する)を使用する。このSMCは、ガラス繊維マットに不飽和ポリエステル樹脂を含浸させたのちにゲル化させた成形材料である。そこで、入子4,4,4,4・・・が固定型2の受面22,22,22,・・・内の所定位置まで収容されて密着し、しっかりと支持される。これにより、圧縮時の高圧に耐えて、キャビティ用内面41が位置ズレしたりしない。更に、分割型5が固定型2後部の所定位置に配置された状態にされる。この状態で、固定型2および入子4のキャビティ用内面21,41上に成形必要量のSMCが万遍なく載せられたのち、固定型2および分割型5に向かって可動型3が下降し、それぞれの合せ面25,32,26,33が密着して型閉めされる。これにより、図8に示すように、固定型2のキャビティ用内面21、入子4のキャビティ用内面41、可動型3のキャビティ用内面31、および分割型5のキャビティ用内面5Aとの間に、密閉状のキャビティCが形成される。そして、このときの金型内圧力および温度により、SMCが溶融してキャビティC内全体に広がり、成形品Pとして成形される。尚、このSMCの成形条件は通常の条件でよいが、例えば成形温度が120〜140℃、成形圧力が50〜100kg/cm2、硬化時間が3〜6分間にされれば十分である。
このようにして得られた成形品Pは、面状部P1の上面に可動型3のキャビティ用内面31による光沢のある意匠面が形成され、面状部P1の下面には固定型2のキャビティ用内面21および入子4,4,4,・・・のキャビティ用内面41,41,41,・・・による裏面が形成され、図1に示した形状になる。そして、この成形品Pを取り出すに際しては、図9(a)に示すように、可動型3が上方に引き上げられるとともに分割型5が後方に移動されることにより、型開きが行なわれる。これにより、分割型5のアンダーカット形成部が成形品Pのアンダーカット部P6,P6,P6から引き抜かれる。その後、昇降台7の上昇駆動により、図9(b)に示すように、成形品Pを支持した状態の15個の入子4,4,4,・・・が固定型2の受面22,22,22,・・・から抜け出て上昇する。
そこで、図9(c)に示すように、耐熱手袋を装着した手などで成形品Pおよび入子4をアンダーカット抜き方向(矢印V方向、図中では右方向)に押動する。この例では、成形品Pの外周縁部P4側から内周縁部P3側に向かって押されている。このとき、図面に向かって右側の入子4は留め板47が取出し用ロッド6の係止鉤部17に当って動けない。それに対し、図面に向かって左側の入子4は、係止溝部45内で係止鉤部17が自由に遊びを持ちながら動ける。従って、成形品Pにおける外周縁部P4側の部分および入子4が共に右向きに移動し、その結果、右側の入子4から成形品Pにおける内周縁部P3側の部分が横方向に外れる。同時に、内周縁部P3側のアンダーカット部P5Iも右側の入子4のアンダーカット形成部43から抜き出される。その後、外された内周縁部P3側の部分が矢印R1方向に持ち上げられたのち、続いて成形品Pが矢印R2方向に戻されると、左側の外周縁部P4側の部分にあるアンダーカット部P5Eが左側の入子4のアンダーカット形成部43から引き抜かれ、2点鎖線で示されるように成形品P全体が、全ての入子4,4,4,4・・・から取り外されるのである。
前述したように、この圧縮成型用の金型1によれば、型開き後の取出し用ロッド6の駆動により入子4と一体で、成形品Pが固定型2から抜き出される。その後、成形品Pが一方グループの入子4,4,4,・・・のアンダーカット抜き方向(矢印V方向)に押動されることにより、一方グループの入子4,4,4,・・・のアンダーカット形成部43,43,43,・・・から成形品Pのアンダーカット部P5I,P5Eが外れる。次に、成形品Pが他方グループの入子4,4,4,・・・のアンダーカット抜き方向(矢印Vの反対方向)に押動されることにより、他方グループの入子4,4,4,・・・のアンダーカット形成部43,43,43,・・・から成形品Pのアンダーカット部P5E,P5Iが外れる。また、前後部にある3つの入子4,4,4は、前記した一方グループおよび他方グループとはアンダーカット抜き方向が異なるが、継手18による遊動によって成形品Pを外すことができる。すなわち、これらの外し動作に際して、15個の入子4,4,4,・・・は、継手18の存在により取出し用ロッド6に対して遊動できるので、入子4のアンダーカット形成部43から成形品P全体を、矢印V方向の動作がなくても、図7(c)の状態のみでも容易に外すことができる。
また、継手18が入子4の係止溝部45と取出し用ロッド6の係止鉤部17という、非常に簡素な構成により実現されるので、取出し用ロッド6に対して入子4が遊動しやすく故障も少なく、安価に提供することができる。
更に、固定型2の軸穴23,23,23,・・・はいずれも、移動型3の型開き方向(矢印Dの反対方向)と平行に形成されているので、固定型2に対し前記型開き方向と同じ方向に入子4を出入動作させることができる。これにより、入子4の出入駆動機構が複雑な構成にならなくて済む。また、高圧で処理される圧縮成形は、一般に異なる複数のアンダーカット部を有する成形品を成形することが難しいとされるが、この金型1はそのような成形品であっても圧縮成形で確実に製造することができる。一方、開いた移動型3と固定型2との間の空間に入子4を突出させて成形品Pの取り外しができるので、前記の空間を成形品Pの取外し空間として有効に利用することができる。
尚、上記の実施形態では、手などで成形品Pおよび入子4を共にアンダーカット抜き方向に押動して、成形品Pを入子4から外すようにしたが、本発明の金型はそれに限定されるものでない。例えば、図10および図11に示すような金型も本発明に含まれる。この金型では、4つの取外し機構19,19,19,19が固定型2のキャビティ用内面21の近隣位置で、且つ、合せ面26の部分に設けられている。各取外し機構19は、固定型2の合せ面26の部分に上下貫通して形成された軸穴51と、この軸穴51に上下移動自在で、且つ、回動自在に配備された昇降ロッド53と、固定型2の下方に位置する昇降ロッド53の下端部をボルト15などで回動自在に支持すると共に上下に駆動される昇降台52と、固定型2の上方に位置する昇降ロッド53の上端部にビス58などで固定された板状の旋回部材60と、昇降ロッド53の外周面に上下方向に沿って刻設された螺旋状ガイド溝55と、固定用治具54およびボルトなどを用いて固定型2の下面部に固定され螺旋状ガイド溝55に摺動自在に収容されるカムピン56とから構成されている。旋回部材60は、一端部の先端がスプーン状に形成された掬い状部61と、他端部の下面に上向きに陥没して形成された角溝部62と、他端部の上面に形成されたビス挿通穴(符号付け省略)とを備えている。旋回部材60の角溝部62には、昇降ロッド53の角柱部57が嵌着されて回り止めが施され、角柱部57はビス挿通穴を通されたビス58により固定されている。
この金型では、可動型3の型開き後に、成形品Pが入子4,4,4,・・・に支持されて共に持ち上げられた状態で、昇降台52が駆動され昇降ロッド53が上昇する(図11(b)中の矢印U方向)。このとき、固定型2に固定されているカムピン56は螺旋状ガイド溝55を摺動して案内されるので、上昇に伴って昇降ロッド53が回転し旋回部材60を水平方向(図11(b)中の矢印L方向)に旋回させる。すると、旋回部材60の掬い状部61が入子4をアンダーカット抜き方向に押して、アンダーカット成形部43を成形品Pのアンダーカット部P5Iから取り外す。その後、上昇を続ける旋回部材60の掬い状部61が成形品Pの内周縁部P3を掬い上げたのち、更に上昇を続けて成形品Pを入子4から引き離すのである。旋回部材60が成形品Pの内周縁部P3を掬い上げたとき、カムピン56は螺旋状ガイド溝55内の回転終了位置55Eにあるため、以後の昇降ロッド53の上昇時はカムピン56が螺旋状ガイド溝55の直線部にあり、旋回部材60は旋回を停止したまま成形品Pを掬い持っている。すなわち、昇降台52と、螺旋状ガイド溝55を有する昇降ロッド53と、カムピン56とから、昇降ロッド53の昇降に伴って旋回部材60を水平旋回させる下旋回駆動機構63が構成されるのである。尚、図10に示した取外し機構19,19,19,19のうち、図中上側の2つの取外し機構19,19は同時に旋回し、図中下側の2つの取外し機構19,19も同時に旋回するようになっている。但し、成形品Pを異なるアンダーカット抜き方向に順に押動させるために、上側のものと下側のものとは時間差を設けて旋回させるようにしている。
この実施形態の金型によれば、取外し機構19が固定型2に設けられているので、入子4に支持されながら固定型2から取り出された成形品Pを、取外し機構19によりアンダーカット抜き方向に押動して入子4のアンダーカット形成部43から自動的に取り外すことができる。すなわち、成形直後で比較的温度が高い成形品Pであっても、手で触れる必要なく、入子4から取り外せる。これにより、作業の安全性が確保されるとともに、成形品Pを大量生産する上で多大な貢献をもたらすことができる。
尚、上記の実施形態では、入子の下部に係止溝部を形成し、取出し用ロッドの先端部に係止鉤部を形成した例を示した。但し、本発明はその形態に限らない。しかしながら、図12に示すように、取出し用ロッド6の先端部に係止溝部45Cがアンダーカット抜き方向(図の紙面と直交する方向)に延在して形成され、入子4の下部に細幅部16Aが垂設され、細幅部16Aの下端に係止鉤部17Cが形成されている。これらの係止溝部45C、細幅部16A、および係止鉤部17Cから、この実施形態に係る継手18Aが構成される。この継手18Aを介して、入子4が、取出し用ロッド6に対しアンダーカット抜き方向移動自在で、且つ、遊動状に連結される。
そして、上記では、本発明に係る第1型体として固定型2を例示し、本発明に係る第2型体として可動型3を例示したが、可動型を第1型体とし、固定型を第2型体にするとともに、本発明に係る入子を可動型のほうに出入自在に配備しても構わない。
また、上記では、暖房便座の着座面部材を成形品の例として挙げたが、本発明に係る成形品は、上記した着座面部材に限るものでなく、本発明により得られる成形品であれば好適に成形され得る。更に、本発明の金型に使用される合成樹脂材料としては特に限定されないが、SMC以外に、例えば塊状成形材料(BMC)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、その他が挙げられる。
1 金型
2 固定型(第1型体)
3 可動型(第2型体)
4 入子
5 分割型
5A キャビティ用内面
6 取出し用ロッド
7 昇降台
17,17C 係止鉤部
18,18A 継手
19 取外し機構
21 キャビティ用内面
23 軸穴
31 キャビティ用内面
41 キャビティ用内面
43 アンダーカット形成部
44,44A ガイド溝部
45,45C 係止溝部
61 掬い状部
63 旋回駆動機構
C キャビティ
D 矢印
L 矢印
P 成形品
P5E アンダーカット部
P5I アンダーカット部
S 圧縮成形機
T1 寸法
T2 寸法
T3 寸法
U 矢印
V 矢印

Claims (3)

  1. 型閉めすることで合成樹脂成形用のキャビティを形成可能な内面をそれぞれ有する第1型体および第2型体と、キャビティ内で第1型体に出没自在に支持されてキャビティの一部分を形成し成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット形成部を有する入子と、該入子に連結されていて離型時の成形品を第1型体から取り出すために第1型体の軸穴に出入自在に配備された取出し用ロッドとを備える樹脂成形用の金型において、
    前記入子および前記取出し用ロッドが複数対配備され、
    複数のうち少なくとも2つの入子はアンダーカット抜き方向が異なる向きに配置され、
    各入子は各取出し用ロッドの先端に継手を介して遊動自在に連結されていることを特徴とする樹脂成形用の金型。
  2. 継手が、取出し用ロッドの先端部または入子にアンダーカット抜き方向に延在して形成された係止溝部と、入子または取出し用ロッドの先端部に形成されていて前記係止溝部にアンダーカット抜き方向移動自在で且つ遊動状に連結される係止鉤部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形用の金型。
  3. 入子に支持されながら第1型体から取り出された成形品を、アンダーカット抜き方向に押動して成形品から入子のアンダーカット形成部を外す取外し機構が、第1型体に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂成形用の金型。
JP2011274473A 2011-12-15 2011-12-15 樹脂成形用の金型 Active JP5453384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011274473A JP5453384B2 (ja) 2011-12-15 2011-12-15 樹脂成形用の金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011274473A JP5453384B2 (ja) 2011-12-15 2011-12-15 樹脂成形用の金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013123871A true JP2013123871A (ja) 2013-06-24
JP5453384B2 JP5453384B2 (ja) 2014-03-26

Family

ID=48775421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011274473A Active JP5453384B2 (ja) 2011-12-15 2011-12-15 樹脂成形用の金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5453384B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109774069A (zh) * 2019-03-01 2019-05-21 台州市黄岩炜大塑料机械有限公司 一出二三通内螺纹管件模具脱模机构

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03129429U (ja) * 1990-04-10 1991-12-26
JPH0415514U (ja) * 1990-05-31 1992-02-07
JP2001269951A (ja) * 2000-03-22 2001-10-02 Inoac Corp アンダーカット部の取付構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03129429U (ja) * 1990-04-10 1991-12-26
JPH0415514U (ja) * 1990-05-31 1992-02-07
JP2001269951A (ja) * 2000-03-22 2001-10-02 Inoac Corp アンダーカット部の取付構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109774069A (zh) * 2019-03-01 2019-05-21 台州市黄岩炜大塑料机械有限公司 一出二三通内螺纹管件模具脱模机构
CN109774069B (zh) * 2019-03-01 2024-05-14 台州市黄岩炜大塑料机械有限公司 一出二三通内螺纹管件模具脱模机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP5453384B2 (ja) 2014-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN201856345U (zh) 塑料周转箱模具脱模机构
CN103909627A (zh) 全自动脱模的注塑成型模具
JP5453384B2 (ja) 樹脂成形用の金型
RU2572968C1 (ru) Способ и устройство для формования мягкого и тонкого отформованного из смолы изделия
JP5708263B2 (ja) 鋳型造型金型及び同金型段替え方法
CN103057053B (zh) 二通连接头塑料模具
US8425221B2 (en) Mold assembly having ejection mechanism
CN217573899U (zh) 一种具有交叉角度脱模结构的模具
CN207757934U (zh) 一种模具抽芯机构
JP2008155266A (ja) 金型構造
CN113400604B (zh) 一种侧壁内外倒扣产品开合模工具及注塑装置
KR20100070889A (ko) 경사코어 조립체 및 이를 구비한 금형조립체
JP4678228B2 (ja) 金型装置
JP5336976B2 (ja) 射出成形型
JP2008155265A (ja) 成形用金型
JP5550915B2 (ja) 離型方法とその装置
CN105583389B (zh) 压铸模具
KR100747791B1 (ko) 사출금형
JP2006289688A (ja) 射出成形用金型および射出成形方法
JP2002127204A (ja) 射出成形用金型
CN203739137U (zh) 全自动脱模的注塑成型模具
CN102848534B (zh) 盘状浇口自动切除模具
CN212498545U (zh) 模具复位锁机构
CN216683110U (zh) 复合绝缘子生产模具
JP2008110497A (ja) 成型品生産方法及び射出成型金型

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5453384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250