JP2013123736A - 熱鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法 - Google Patents

熱鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温の鋼板(熱鋼板)のデスケーリングを行うに際して、鋼板に反り等による高さ位置の変化がある場合でも、鋼板の幅方向全面にわたり均一なデスケーリングを行うことができ、均一な冷却を行って材質ばらつきの小さい鋼板を製造可能にする熱鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法を提供する。
【解決手段】レーザー距離計27によって鋼板10表面の高さ位置を検出し、検出された鋼板10表面の高さ位置に応じて、上ヘッダ高さ調整装置21と下ヘッダ高さ調整装置22によって上デスケーリングヘッダ11(上デスケーリングノズル13)と下デスケーリングヘッダ12(下デスケーリングノズル14)の高さ位置を変更・調整する。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法に関するものである。
鋼板を製造するプロセスでは、例えば図1に側面図を示すような鋼板の製造設備(製造ライン)において、スラブを加熱炉1で加熱し、圧延機2で熱間圧延(粗圧延、仕上圧延)を行った後、加速冷却設備5で水冷または空冷を行って組織を制御している。水冷によって比較的低い温度、例えば450〜650℃程度に冷却すると、微細なフェライトやベイナイト組織が得られ、鋼板の強度を確保できるので、スプレー冷却水やラミナー冷却水などによって鋼板を冷却する技術が一般的である。また、近年では、高い冷却速度を得て組織をより微細化し、鋼板の強度を上げる技術の開発が盛んである
鋼板の冷却速度は、表面のスケール厚が厚いほど冷却速度が高くなることが知られている。したがって、特許文献1のように、仕上圧延後に、鋼板の矯正とデスケーリングを行ってスケールを一様に薄くしてから水冷することによって、鋼板面内の冷却速度をそろえ、均一な材質を得ようとする技術がある。
また、鋼板幅方向(以下、単に「幅方向」ともいう)で均一なデスケーリングを行うために、特許文献1のように、デスケーリングノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)から噴射される高圧水の流量を、幅方向の端部と中央部ともう一方の端部で異なる分布とすることで、スケール剥離不良をなくそうとする技術がある。
ちなみに、図1においては、圧延機2での熱間圧延後に鋼板の矯正とデスケーリングを行うために、プリレベラ(第1熱間矯正機)3とデスケーリング設備4が設置されている。また、加速冷却設備5での冷却後に鋼板の矯正を行うために、ホットレベラ(第2熱間矯正機)6が設置されている。
特開2006−247714号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来技術には、鋼板表裏全面にわたるデスケーリングを必ずしも充分に行えないという問題があった。
すなわち、特許文献1に記載のような従来技術では、パスライン上の鋼板に対して、各デスケーリングノズルの噴射範囲(デスケーリング水衝突領域)が隣り合うデスケーリングノズルの噴射範囲(デスケーリング水衝突領域)と幅方向で10%程度ラップするようになっているが、鋼板が大きく反った場合は、パスラインから離れた鋼板に対して、各デスケーリングノズルの衝突領域が幅方向でラップしなくなり、均一なデスケーリングができなくなるという問題がある。
つまり、図7(a)に正面図(鋼板搬送方向から見た縦断面図)を示すように、鋼板10が全く平坦で高さ変化がなく、パスライン上に位置している鋼板10aであれば、その鋼板10(10a)に対して各デスケーリングノズル(上デスケーリングノズル13、下デスケーリングノズル14)からの噴射水(上デスケーリング水15、下デスケーリング水16)の衝突領域が幅方向で全てラップし(ラップ部17)、均一なデスケーリングができる。しかし、例えば、図7(b)に正面図を示すように、鋼板10が大きく上反り(反り量δ)をして高さ変化がある場合は、パスラインから上方に離れた部分の鋼板10(10b)の上面側のデスケーリングノズル13と鋼板10bの上面との距離(噴射距離)が短くなって、上デスケーリングノズル13からの噴射水(上デスケーリング水15)が衝突しない部分(非衝突部18)が幅方向の一部にできてしまい、均一なデスケーリングができなくなる。
このことは、鋼板10の形状が悪い場合も同様で、例えば、図8に鋼板搬送方向から見た縦断面図を示すように、鋼板10の腹伸びによって幅方向に高さ変化があると、一部の上デスケーリングノズル13の噴射距離が短くなって、幅方向の一部に非衝突部18ができてしまい、均一なデスケーリングができなくなる。
このようにして均一なデスケーリングができなくなると、均一な冷却ができなくなるから、鋼板面内で温度むらが大きくなって、材質が大きくばらつくという問題が生じる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高温の鋼板(熱鋼板)のデスケーリングを行うに際して、鋼板に反り等による高さ位置の変化がある場合でも、鋼板の幅方向全面にわたり均一なデスケーリングを行うことができ、均一な冷却を行って材質ばらつきの小さい鋼板を製造可能にする熱鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]熱鋼板表面のデスケーリングを行うために、熱鋼板表面の高さ位置を検出する熱鋼板表面高さ位置検出手段と、該熱鋼板表面高さ位置検出手段によって検出された熱鋼板表面の高さ位置に応じてデスケーリングノズルの噴射高さ位置を変更できるデスケーリングヘッダを備えていることを特徴とする熱鋼板のデスケーリング設備。
[2]前記熱鋼板表面高さ位置検出手段として、デスケーリングヘッダに支持されながら熱鋼板表面に接触してデスケーリングヘッダと一緒に高さ方向に移動するヘッダ高さ調整ロールを備えていることを特徴とする前記[1]に記載の熱鋼板のデスケーリング設備。
[3]前記熱鋼板表面高さ位置検出手段が熱鋼板幅方向の複数の位置に設置されているとともに、前記デスケーリングヘッダが熱鋼板幅方向に複数に分割されて設置されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の熱鋼板のデスケーリング設備。
[4]前記熱鋼板表面高さ位置検出手段とデスケーリングヘッダが熱鋼板の熱間矯正機と加速冷却設備の間に設置されていることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱鋼板のデスケーリング設備。
[5]熱鋼板表面のデスケーリングを行うために、熱鋼板表面の高さ位置を検出する熱鋼板表面高さ位置検出手段と、該熱鋼板表面高さ位置検出手段によって検出された熱鋼板表面の高さ位置に応じてデスケーリングノズルの噴射高さ位置を変更できるデスケーリングヘッダを設置することを特徴とする熱鋼板のデスケーリング方法。
[6]前記熱鋼板表面高さ位置検出手段として、デスケーリングヘッダに支持されながら熱鋼板表面に接触してデスケーリングヘッダと一緒に高さ方向に移動するヘッダ高さ調整ロールを設置することを特徴とする前記[5]に記載の熱鋼板のデスケーリン方法。
[7]前記熱鋼板表面高さ位置検出手段を熱鋼板幅方向の複数の位置に設置するとともに、前記デスケーリングノズルを熱鋼板幅方向に複数に分割して設置することを特徴とする前記[5]または[6]に記載の熱鋼板のデスケーリング方法。
[8]前記熱鋼板表面高さ位置検出手段とデスケーリングヘッダを熱鋼板の熱間矯正機と加速冷却設備の間に設置することを特徴とする前記[5]〜[7]のいずれかに記載の熱鋼板のデスケーリング方法。
本発明においては、熱鋼板に反り等による高さ位置の変化がある場合でも、鋼板の幅方向全面にわたり均一なデスケーリングを行うことができる。これによって、均一な冷却を行うことができ、材質ばらつきの小さい鋼板を製造することが可能となる。
本発明の実施形態における鋼板の製造ラインを示す図である。 本発明の実施形態1におけるデスケーリング設備を示す側面図である(鋼板先端部のデスケーリング前)。 本発明の実施形態1におけるデスケーリング設備を示す側面図である(鋼板先端部のデスケーリング時)。 本発明の実施形態1において、デスケーリングヘッダを分割して設置した状態を示す正面図である。 本発明の実施形態2におけるデスケーリング設備を示す側面図である。 本発明の実施形態2において、デスケーリングヘッダを分割して設置した状態を示す正面図である。 鋼板の反りによる高さ変化と、デスケーリングの非衝突部の発生の関係を表す図である。 鋼板の腹伸びによる高さ変化と、デスケーリングの非衝突部の発生の関係を表す図である。
本発明においては、鋼板表面のデスケーリングを行うに際して、鋼板表面の高さ位置を検出し、その検出された鋼板表面の高さ位置に応じてデスケーリングノズルの噴射高さ位置を変更するようにしており、それによって、鋼板に反りや形状不良による高さ位置の変化がある場合でも、デスケーリングノズルと鋼板表面との距離(噴射距離)が一定に保たれて、デスケーリングノズルからの噴射水(デスケーリング水)が衝突しない非衝突部が発生することが回避され、鋼板の幅方向全面にわたり均一なデスケーリングを行うことができるようにしている。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、ここでは、図1に示した鋼板の製造ラインを念頭において述べる。
[実施形態1]
図2、図3は、本発明の実施形態1を示す側面図である。
図2、図3に示すように、この実施形態1においては、プリレベラ3の下流側に設置されたデスケーリング設備4として、上デスケーリングヘッダ11と上デスケーリングノズル13および下デスケーリングヘッダ12と下デケーリングノズル14が設置されており、上デスケーリングノズル13からの噴射水(上デスケーリング水)15と下デスケーリングノズル14からの噴射水(下デスケーリング水)16によって鋼板10の上下面のデスケーリングを行うようになっている。なお、図2、3において、31はテーブルローラー、32は水切りローラーである。
その上で、この実施形態1においては、デスケーリングヘッダ(上デスケーリングヘッダ11、下デスケーリングヘッダ12)の上流側に設置されて、鋼板10表面の高さ位置を検出する鋼板表面高さ位置検出手段としてのレーザー距離計(あるいはダイヤルゲージなど)27と、そのレーザー距離計27によって検出された鋼板10表面の高さ位置に応じて、上デスケーリングヘッダ11(上デスケーリングノズル13)と下デスケーリングヘッダ12(下デスケーリングノズル14)の高さ位置をそれぞれ変更する上ヘッダ高さ調整装置21と下ヘッダ高さ調整装置22を備えている。なお、ヘッダ高さ調整装置21、22としては、例えば油圧シリンダが用いられる。
これにより、この実施形態1においては、図2に示すように、レーザー距離計27によって鋼板10表面の高さ位置を検出し、検出された鋼板10表面の高さ位置に応じて、図3に示すように、上ヘッダ高さ調整装置21と下ヘッダ高さ調整装置22によって上デスケーリングヘッダ11(上デスケーリングノズル13)と下デスケーリングヘッダ12(下デスケーリングノズル14)の高さ位置を変更・調整するので、鋼板10の先尾端が反っている場合でも、デスケーリングノズル13、14と鋼板10表面の距離(噴射距離)を一定に保つことができ、幅方向で均一なデスケーリングを行うことができる。
なお、図4に正面図を示すように、上デスケーリングヘッダ11と下デスケーリングヘッダ12を幅方向に分割して設置するとさらに効果的である。その際、分割された上デスケーリングヘッダ11aと下デスケーリングヘッダ12bに対応するように、レーザー距離計27も幅方向の複数の位置に設置する。
これにより、例えば、鋼板10が幅方向に反っている場合や、鋼板10の形状が悪い場合(図8のような腹伸びの場合)でも、デスケーリングヘッダ11a、12aと鋼板10表面の距離を一定に保つことができ、幅方向でより一層均一なデスケーリングを行うことができる。
その際、デスケーリングヘッダ11、12の分割幅は350〜1000mm程度がよい。分割幅が狭すぎるとデスケーリングヘッダ11a、12bを数多く設置しなくてはならず、設備コストが増大する。逆に、分割幅を広くしすぎると幅方向での細かい高さ位置の調整ができなくなり、鋼板10に腹伸びが生じている場合等への対応が難しくなる。したがって、デスケーリングヘッダ11、12を幅方向に分割するかどうか、分割する時に分割幅をどれくらいにするかは、設備コストをどれくらいかけてもよいかによって決まる。
[実施形態2]
図5は、本発明の実施形態2を示す側面図である。
図5に示すように、この実施形態2の基本的な構成は、上記の実施形態1と同様であるが、実施形態1におけるレーザー距離計27に替えて、デスケーリングヘッダ(上デスケーリングヘッダ11、下デスケーリングヘッダ12)に支持されながら鋼板10表面に接触してデスケーリングヘッダ(上デスケーリングヘッダ11、下デスケーリングヘッダ12)と一緒に高さ方向に移動するヘッダ高さ調整ロール(上ヘッダ高さ調整ロール23、下ヘッダ高さ調整ロール24)を備えている。なお、ヘッダ高さ調整ロール(上ヘッダ高さ調整ロール23、下ヘッダ高さ調整ロール24)は、ヘッダ高さ調整装置(上ヘッダ高さ調整装置21、下ヘッダ高さ調整装置22)によって、比較的低い圧力で鋼板10の表面に押し付けられている。
これにより、この実施形態2においては、図5に示すように、鋼板10の先尾端が反っている場合でも、自動的にデスケーリングノズル13、14と鋼板10表面の距離(噴射距離)が一定になるように、デスケーリングヘッダ11、12の高さ位置が変更されて、幅方向で均一なデスケーリングを行うことができる。
ここで、ヘッダ高さ調整ロール23、24は、鋼板10表面の高さ位置を調整できればよいので、そのサイズは小さくてよい。例えば直径が100〜150mm程度であると、鋼板10表面の高さ位置を鋼板10がデスケーリングされる鋼板搬送方向位置に近づけることができるので、実質上の噴射距離の変動が小さくなる。また、ヘッダ高さ調整ロール23、24の幅は広くする必要はない。デスケーリング水15、16がヘッダ高さ調整ロール23、24によって堰き止められるとデスケーリング能力が著しく低下するので、例えばデスケーリングノズル13、14の噴射幅程度としてもよい。デスケーリングヘッダ11、12が噴射する領域の平均的な鋼板表面高さ位置を調整するために、1個のデスケーリングヘッダ11、12に対してヘッダ高さ調整ロール23、24を複数設置してもよい。
なお、図6に平面図を示すように、上デスケーリングヘッダ11と下デスケーリングヘッダ12を幅方向に分割して設置するとさらに効果的である。その際、分割されたそれぞれの上デスケーリングヘッダ11aと下デスケーリングヘッダ12bに対応させて、上ヘッダ高さ調整ロール23と下ヘッダ高さ調整ロール24を設置する。
これにより、例えば、鋼板10が幅方向に反っている場合や、鋼板10の形状が悪い場合(図8のような腹伸びの場合)でも、デスケーリングヘッダ11a、12aと鋼板10表面の距離を一定に保つことができ、幅方向でより一層均一なデスケーリングを行うことができる。
その際、デスケーリングヘッダ11、12の分割幅は、実施形態1と同様に、350〜1000mm程度がよい。
以上述べたように、本発明の実施形態1、2においては、鋼板10表面でスケールが均一な状態となる。さらには、デスケーリング後の加速冷却も均一にできるので、表層硬さのばらつきが小さい鋼板や材質のばらつきが小さい鋼板を製造することができる。
ちなみに、従来のように、デスケーリングヘッダ11、12の高さ位置を変更・調整できない場合は、鋼板10に反りが発生しても幅方向に均一にデスケーリングしようとすると、鋼板10に反りが発生していない時にデスケーリング水15、16の噴射領域を必要以上にラップさせなければならない。そうなると、デスケーリングノズル13、14の幅方向ピッチを小さくしなくてはならず、デスケーリング水15、16の水量が多くなって、ポンプを大型化するなど、設備コストの増大を招く。これに対して、本発明の実施形態1、2においては、デスケーリングヘッダ11、12の高さ位置を変更・調整できるので、鋼板10に反りが発生しても、噴射距離が短くなりすぎないようにデスケーリングヘッダ11、12の高さ位置の調整を行って、噴射領域を幅方向で完全にラップさせることができるので、幅方向均一にデスケーリングできるうえ、デスケーリング水15、16の無駄な使用を抑えてランニングコストを低減することができる。
また、本発明の実施形態1、2において、デスケーリングヘッダ11、12を幅方向に分割する場合には、個々の分割デスケーリングヘッダ11a、12aにオンオフ弁を設置すれば、鋼板10の幅に応じてデスケーリングヘッダ11、12からの噴射幅を設定することもできる。例えば、噴射幅が500mmの分割デスケーリングヘッダ11a、12aが9本並んでいる場合に、幅2mの鋼板のデスケーリングを行う際には、実際に噴射する分割デスケーリングヘッダ11a、12aを各5本(噴射幅2.5m)にして、不必要な噴射を削減することができ、デスケーリング水15、16の使用量やポンプの使用電力量を下げ、ランニングコストを低減することができる。
ちなみに、分割デスケーリングヘッダ11a、12aは、幅方向に一直線になるように並べて設置すればよいが、設計上、それが困難であれば、例えば鋼板搬送方向に交互にずらして設置してもよい。
なお、実施形態1、2においては、上デスケーリングヘッダ11と下デスケーリングヘッダ12の両方の高さ位置を変更できるようにしているが、設備コストが増大するなどの理由により、いずれか一方だけ(例えば鋼板10の上面側だけ)に設置してもよい。鋼板10はテーブルローラー31上を搬送されるので、鋼板10の下面側の噴射距離が極端に短くなりすぎることはない。テーブルローラー31間にエプロンなどを設置すれば、鋼板10の下面側の噴射距離が短くなる確率はさらに低下するので、下デスケーリングヘッダ12の高さ位置の変更・調整を行わないでよい場合も多い。
そして、上述した鋼板表面高さ位置検出手段(レーザー距離計27、ヘッダ高さ調整ロール23、24)とデスケーリングヘッダ11、12は、加速冷却設備5よりも上流側に設置すれば良く、熱間矯正機(プリレベラ)3と加速冷却設備5の間に設置すればなお良い。熱間矯正機3で反りや形状をある程度矯正してから、デスケーリングを行うので、デスケーリングヘッダ11、12の高さ位置調整のストロークが小さくなるし、高さ位置調整の速度も遅くてすむので、設備コストを低減することができる。
本発明の実施例として、図1に示した鋼板の製造ラインにおいて、加熱炉1から抽出したスラブに対して、圧延機2によって粗圧延と仕上圧延を行い、プリレベラ3によって形状を矯正した後、デスケーリング設備4によってデスケーリングを行い、加速冷却設備5によって加速冷却を行った。なお、仕上圧延後の鋼板の板厚は20mm、板幅は3.2mであり、製品の目標強度は590MPa以上であった。
ここで、鋼板に反り等がない場合は、デスケーリングノズルと鋼板との距離(噴射距離)は90mmで、この時の噴射幅は80mmであり、デスケーリングノズルを72mmピッチで配置した(噴射ラップ量が8mm)。先端部の上反りが全くなかった鋼板Aと、先端部の上反りが10mmあった鋼板B、先端部の上反りが20mmあった鋼板Cに対してデスケーリングを行った後、Ar3変態点以上の温度から、板厚平均の温度が500℃になるまで加速冷却を行った。
そして、従来例として、デスケーリングヘッダの高さ位置を変更・調整しないでデスケーリングを行ったのに対して、本発明例1として、上記の本発明の実施形態1に基づいてデスケーリングを行い、本発明例2として、上記の本発明の実施形態2に基づいてデスケーリングを行った。
その結果を表1に示す。
Figure 2013123736
まず、従来例では、デスケーリングヘッダの高さ位置を変更・調整しないでデスケーリングを行ったので、鋼板先端部の上反りによって鋼板先端部の高さ位置がばらつくと、図7に示したように非衝突部18が生じた。例えば、鋼板Bでは、鋼板先端部が10mm浮き上がったので、実質的なデスケーリング噴射距離が80mm、噴射幅が71.1mmとなり、0.9mmの非衝突部18が生じた(噴射ラップ量が−0.9mm)。鋼板Cも同様にして鋼板先端部に9.8mmの非衝突部18が生じた(噴射ラップ量が−9.8mm)。そのため、鋼板B、Cの先端部でスケール残りがあり(デスケーリングの評価は×)、加速冷却で温度むらや表面硬さのむらが発生し、製品の強度のばらつきは60MPaと大きかった。
これに対して、本発明例1では、先端部の上反りが0mm、10mm、20mmであった鋼板A、B、Cに対して、レーザー距離計27の鋼板表面高さ位置検出結果によってデスケーリングヘッダ11、12の高さ位置が変化して、実質的な噴射距離をほぼ90mmにそろえることができ、鋼板のどの部分についても8mmの噴射のラップ量を確保することができたので、均一なデスケーリングを行うことができた(デスケーリングの評価は○)。このため、加速冷却後の温度むらや表面硬さのむらはほとんどなく、製品の強度のばらつきが20MPaと小さかった。
また、本発明例2でも、先端部の上反りが0mm、10mm、20mmであった鋼板A、B、Cに対して、ヘッダ高さ調整ロール23、24に直結したデスケーリングヘッダ11、12の高さ位置が変化して、実質的な噴射距離をほぼ90mmにそろえることができ、鋼板のどの部分についても8mmの噴射のラップ量を確保することができたので、均一なデスケーリングを行うことができた(デスケーリングの評価は○)。このため、加速冷却後の温度むらや表面硬さのむらはほとんどなく、製品の強度のばらつきが20MPaと小さかった。
1 加熱炉
2 圧延機
3 プリレベラ(第1熱間矯正機)
4 デスケーリング設備
5 加速冷却設備
6 ホットレベラ(第2熱間矯正機)
10 鋼板(熱鋼板)
10a パスラインにある鋼板
10b パスラインから上方に離れた部分の鋼板
11 上デスケーリングヘッダ
11a 分割された上デスケーリングヘッダ
12 下デスケーリングヘッダ
12a 分割された下デスケーリングヘッダ
13 上デスケーリングノズル
14 下デスケーリングノズル
15 上デスケーリング水
16 下デスケーリング水
17 ラップ部
18 非衝突部
21 上ヘッダ高さ調整装置(油圧シリンダ)
22 下ヘッダ高さ調整装置(油圧シリンダ)
23 上ヘッダ高さ調整ロール(鋼板表面高さ位置検出手段)
24 下ヘッダ高さ調整ロール(鋼板表面高さ位置検出手段)
27 レーザー距離計(鋼板表面高さ位置検出手段)
31 テーブルローラー
32 水切りロール

Claims (8)

  1. 熱鋼板表面のデスケーリングを行うために、熱鋼板表面の高さ位置を検出する熱鋼板表面高さ位置検出手段と、該熱鋼板表面高さ位置検出手段によって検出された熱鋼板表面の高さ位置に応じてデスケーリングノズルの噴射高さ位置を変更できるデスケーリングヘッダを備えていることを特徴とする熱鋼板のデスケーリング設備。
  2. 前記熱鋼板表面高さ位置検出手段として、デスケーリングヘッダに支持されながら熱鋼板表面に接触してデスケーリングヘッダと一緒に高さ方向に移動するヘッダ高さ調整ロールを備えていることを特徴とする請求項1に記載の熱鋼板のデスケーリング設備。
  3. 前記熱鋼板表面高さ位置検出手段が熱鋼板幅方向の複数の位置に設置されているとともに、前記デスケーリングヘッダが熱鋼板幅方向に複数に分割されて設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱鋼板のデスケーリング設備。
  4. 前記熱鋼板表面高さ位置検出手段とデスケーリングヘッダが熱鋼板の熱間矯正機と加速冷却設備の間に設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱鋼板のデスケーリング設備。
  5. 熱鋼板表面のデスケーリングを行うために、熱鋼板表面の高さ位置を検出する熱鋼板表面高さ位置検出手段と、該熱鋼板表面高さ位置検出手段によって検出された熱鋼板表面の高さ位置に応じてデスケーリングノズルの噴射高さ位置を変更できるデスケーリングヘッダを設置することを特徴とする熱鋼板のデスケーリング方法。
  6. 前記熱鋼板表面高さ位置検出手段として、デスケーリングヘッダに支持されながら熱鋼板表面に接触してデスケーリングヘッダと一緒に高さ方向に移動するヘッダ高さ調整ロールを設置することを特徴とする請求項5に記載の熱鋼板のデスケーリン方法。
  7. 前記熱鋼板表面高さ位置検出手段を熱鋼板幅方向の複数の位置に設置するとともに、前記デスケーリングノズルを熱鋼板幅方向に複数に分割して設置することを特徴とする前記請求項5または6に記載の熱鋼板のデスケーリング方法。
  8. 前記熱鋼板表面高さ位置検出手段とデスケーリングヘッダを熱鋼板の熱間矯正機と加速冷却設備の間に設置することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の熱鋼板のデスケーリング方法。
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