以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレールと遊技球規制レールによって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、第1始動入賞口(第1特定領域)37aおよび第2始動入賞口(第2特定領域)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置(特別電動役物)41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特別図柄表示装置17(第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置)と、普通図柄表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない(図18のルートA参照)。
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない(図18のルートB参照)。なお、第2始動入賞口37bは、電動チューリップ49が開放されない限り、その内部に遊技球が入賞することができない構成となっている。よって、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される第1特別図柄または第2特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。
なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,bに白色で保留球の表示がなされる(図18参照)。
特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特別図柄表示装置17は、特別図柄に係る抽選結果を、第1特別図柄あるいは第2特別図柄(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特別図柄表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特別図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特別図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aと第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。つまり、特別図柄表示装置17は、本発明の第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普通図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普通図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、普通図柄の変動時間である。
なお、特別図柄表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特別図柄表示制御部101aおよび第2特別図柄表示制御部101bによって行われ、普通図柄表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普通図柄表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ(普通電動役物)49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されると、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が可能となる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置(特別電動役物)41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(第1特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合と、小当たり(第1特図当たり)となって小当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置であると共に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(第2特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合にも所定回数開放される装置でもある。つまり、アタッカー装置41は、両始動入賞口37a,bでの抽選結果に応じて作動する。
そして、このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。一方、詳しくは後述するが、小当たり遊技に移行すると、アタッカー装置41が2回(2ラウンド)開放するものの、その開放時間が短いため、大入賞口42内に遊技球が入賞することは極めて困難である。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、本実施形態では、大当たり遊技におけるアタッカー装置41の開放回数は全て15R(ラウンド)であるものの、特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41の開放パターンが異なるようになっており、これにより獲得できる賞球数に差が生じるようになるが、これについては、後ほど詳しく説明する。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,44,45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄の当否に係る抽選を行う特別図柄抽選処理部110(第1特別図柄抽選手段および第2特別図柄抽選手段)と、この特別図柄抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、その当選に係る特別図柄の種類を抽選で決定する特別図柄種類決定処理部120と、特別図柄の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンコマンドを決定するための特別図柄変動パターンコマンド決定部(変動パターン決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部140と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に、特別図柄種類決定処理部120で決定した特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。この大当たり遊技制御部160は、小当たりに当選した場合にも、アタッカー装置41を所定の態様で作動させるよう制御している。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、第1特別図柄表示装置17aの表示制御を行う第1特別図柄表示制御部101aと、第2特別図柄表示装置17bの表示制御を行う第2特別図柄表示制御部101bと、普通図柄表示装置22の表示制御を行う普通図柄表示制御部102と、を備えて構成されている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特別図柄当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄の当否に係る抽選を行う第1特別図柄当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄の当否に係る抽選を行う第2特別図柄当否抽選部119bとを備えて構成されている。
第1特別図柄当否抽選部(第1特別図柄抽選手段)119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数(第1乱数)を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aと、この第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数(第1乱数)が大当たりあるいは小当たり(何れも第1特図当たり)であるか否かを、第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を第1特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄用保留球乱数記憶部(第1保留球乱数記憶部)115aとを備えている。
ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第1特別図柄低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第1特別図柄高確率判定テーブル116aの方が、第1特別図柄低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、図6に示すように、第1特別図柄の当否判定の結果は、第1特別図柄低確率判定テーブル117aが参照される場合、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜60000までのときに小当たりとなり、その値が60001〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特別図柄高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜61953までのときに小当たりとなり、その値が61954〜65535までのときにハズレとなる。つまり、第1特別図柄の当否判定では、大当たり、小当たり、またはハズレの何れかとなる。なお、小当たりの確率は、第1特別図柄高確率判定テーブル116aと第1特別図柄低確率判定テーブル117aとで同じである。
第2特別図柄当否抽選部(第2特別図柄抽選手段)119bも第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数(第2乱数)を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bと、この第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数(第2乱数)が大当たり(第2特図当たり)であるか否かを、第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を第2特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄用保留球乱数記憶部(第2保留球乱数記憶部)115bとを備えている。
ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第2特別図柄低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第2特別図柄高確率判定テーブル116bの方が、第2特別図柄低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、図6に示すように、第2特別図柄の当否判定の結果は、第2特別図柄低確率判定テーブル117bが参照される場合、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。即ち、第2特別図柄に係る当否の抽選が行われる場合、大当たりまたはハズレとなり、小当たりに当選することはない。
なお、これ以降の説明において、便宜上、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
なお、先にも触れたが、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aと第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特別図柄種類決定処理部120について説明する。上述した特別図柄抽選処理部110が大当たり(または小当たり)に当選しているか否か(特別図柄の当否)を決定するものであるのに対して、特別図柄種類決定処理部120は、特別図柄の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特別図柄に関する大当たり/小当たり/ハズレの決定は特別図柄抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)は特別図柄種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特別図柄種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特別図柄の種類を決定するための第1特別図柄種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特別図柄の種類を決定するための第2特別図柄種類抽選部129bと、を備えて構成されている。
第1特別図柄種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aと、この第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して第1特別図柄の種類を決定する第1特別図柄種類決定部123aと、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特別図柄種類決定テーブル125aは、図8(a)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第1特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R特定時短有図柄1、15R特定時短有図柄2、15R通常時短有図柄1、および15R通常時短有図柄2の合計4の第1特別図柄が第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特別図柄のそれぞれに特別図柄種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特別図柄に割り当てられる特別図柄種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特別図柄のそれぞれが第1特別図柄種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜19までのものに対して「15R特定時短有図柄1」が対応付けられており、当該乱数値が20〜259に対して「15R特定時短有図柄2」が、当該乱数値が260〜319までのものに対して「15R通常時短有図柄1」が、当該乱数値が320〜399までのものに対して「15R通常時短有図柄2」が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種類のうち、「15R」は大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドであることを、「特定」は所謂、確変当たりを、「通常」は所謂、通常当たりを、「時短有」は電サポが付与されることを、それぞれ示している。
この図8(a)から明らかなように、「15R特定時短有図柄1」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち20個であるから、「15R特定時短有図柄1」が選択される確率は、20/400x100=5%である。その他の第1特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、「15R特定時短有図柄2」の選択確率は60%、「15R通常時短有図柄1」の選択確率は15%、「15R通常時短有図柄2」の選択確率は20%となっている。
また、第2特別図柄種類抽選部129bも第1特別図柄種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bと、この第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して第2特別図柄の種類を決定する第2特別図柄種類決定部123bと、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特別図柄種類決定テーブル125bは、図8(b)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第2特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。第2特別図柄の種類は、15R特定時短有図柄1と15R通常時短有図柄1の2つしかない。具体的には、第2特別図柄種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜259までのものに対して「15R特定時短有図柄1」が対応付けられており、当該乱数値が260〜399までのものに対して「15R通常時短有図柄1」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(b)から明らかなように、「15R特定時短有図柄1」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち260個であるから、「15R特定時短有図柄1」の選択確率は65%、「15R通常時短有図柄1」の選択確率は35%となっている。
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合とでは、「15R特定時短有図柄1」が選択される確率が、一方は5%であるのに対して他方は65%と各段に差がある。さらに、「15R特定時短有図柄2」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しても選択されることはないが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、60%の確率で選択される。詳しくは後述するが、「15R特定時短有図柄2」は「15R特定時短有図柄1」に比べて獲得できる賞球数が少ないので、第2始動入賞口37bの方が、第1始動入賞口37aに比べて、賞球数(出球数)において遊技者に有利である。なお、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、「確変」となる確率、即ち、確変当たりとなる確率は65%である。
次に、普通図柄抽選処理部170について説明する。この普通図柄抽選処理部170は、図9に示すように、乱数を発生させる普通図柄用当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る抽選を行って当否を判定するための普通図柄当否抽選部177とを備えて構成されている。普通図柄当否判定用乱数発生部171は、特別図柄当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普通図柄当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普通図柄当否判定用乱数発生部171で発生した普通図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄当否判定用乱数取得部172と、この普通図柄当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普通図柄に係る保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175は、普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普通図柄高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普通図柄低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普通図柄高確率判定テーブル175の方が、普通図柄低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普通図柄高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、これ以降の説明において、便宜上、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普通図柄抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
さて、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の3つの状態が予め用意されている。「低確」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「内確」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、「時短」は、特図低確および普図高確の遊技状態から成り、「確変」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。
本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の種類が決定されると、その特別図柄と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数(時短回数)、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図10を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図10(a),(b)に示すように、各特別図柄の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)に定められているが、以下に説明するように、同じ15ラウンドであっても、アタッカー開放パターンが異なるため、獲得できる賞球数に差がある。
「アタッカー開放パターン」とは、大当たり遊技中のアタッカー装置41の開放パターンを定めたものであり、「フル開放」はアタッカー装置41が15ラウンド分長時間開放されるパターンであるのに対して、「高速開放」はアタッカー装置41が4ラウンド分しか長時間開放されないパターンである。
この点について、具体的に説明すると、「フル開放」では、1回のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっており、このラウンド遊技が15回(ラウンド)行われる。
「高速開放」では、ラウンド遊技が15回(ラウンド)行われる点では、「フル開放」と同じであるが、1〜4ラウンド目までと5〜15ラウンド目までとでは、ラウンド遊技の終了条件が異なっている。詳細に説明すると、1〜4ラウンド目は、「フル開放」と同じように、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっている。
これに対して、5〜15ラウンド目までは、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容になっている。つまり、高速開放の場合、1〜4ラウンド目までは賞球の獲得が見込めるが、5〜15ラウンド目までは、アタッカー装置41が1ラウンドで最大0.2秒間しか開放されないため、賞球の獲得が見込めない。
このようにアタッカー開放パターンが「フル開放」と「高速開放」とで異なっているため、「フル開放」では、約1500個の賞球を獲得できるが、「高速開放」では約500個しか賞球の獲得を見込めないのである。つまり、高速開放は、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドあるにも拘らず、実質的には4ラウンド分の賞球しか獲得できないパターンであると言うことができる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特別図柄の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。ちなみに、この大当たり遊技制御部160は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に行われる抽選で小当たりに当選した場合には、小当たり遊技を提供する制御も行っている。具体的には、小当たり遊技に移行すると、1回のラウンド中に、アタッカー装置41を0.2秒間開放する動作を2回繰り返して行うよう制御している。
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特別図柄抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、30回、100回、および10000回(次回まで)の3種類が設けられているが、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特別図柄の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、本実施形態では、特図低確時の当選確率が1/300であり、特図高確時の当選確率が1/30となっているから、10000回も遊技を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、次回の大当たりに当選するまでの遊技回数が10000回を超えることは皆無である。よって、電サポ回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「普図高確」が継続することと等しいと言えるものである。そして、電サポ回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特別図柄の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特別図柄の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
「15R特定時短有図柄1」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「15R特定時短有図柄2」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」および「内確」の場合に電サポ回数が30回、「時短」および「確変」の場合に電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ500個(実質4ラウンド分)の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「15R通常時短有図柄1」は、通常当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が100回となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「15R通常時短有図柄2」は、通常当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が30回となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ500個(実質4ラウンド分)の出玉のある大当たりパターンに対応している。
なお、上記の特別図柄の種類と大当たりパターンとの対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特別図柄の種類が同じであれば、それに対応する大当たりパターンも同じとなる。
次に、特別図柄の変動時間を決定するための処理について説明する。特別図柄の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特別図柄変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特別図柄の変動時間が決定されるようになっている。
特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、図11に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特別図柄変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特別図柄変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特別図柄変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特別図柄変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜199まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特別図柄変動パターン決定部135aと、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中の場合に、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
第2特別図柄変動パターン抽選部130bも第1特別図柄変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特別図柄変動パターン決定部135bと、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中の場合に、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aおよび第2特別図柄変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル(特定変動パターンテーブル)134b、特殊変動パターンテーブル134cの合計3つのテーブルを備えている。
変動パターンテーブル134a〜cは、特図1(第1特別図柄)および特図2(第2特別図柄)の変動時間が規定されている(つまり、第1特別図柄の変動時間に関するテーブルと第2特別図柄の変動時間に関するテーブルとを有している)と共に、特図1と特図2とがそれぞれ特有の変動時間となるよう設定されている。そこで、以下、各テーブルの変動時間の特徴について、図13を用いて説明することにする。
まず、通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数(保留球乱数の記憶数)に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。なお、この主要変動時間とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。
また、この通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/15に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
短縮変動パターンテーブル(特定変動パターンテーブル)134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。短縮変動パターンテーブル134bにおいても、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。なお、この短縮変動パターンテーブル134bに規定されている主要変動時間は、本発明の「第1変動時間(特定変動時間)」に相当する。
また、この短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/20に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。60秒〜120秒のリーチ時変動時間は、本発明の「第2変動時間」に相当する。
一方、特殊変動パターンテーブル134cは、上記した通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bと趣の異なるテーブル構成を成しており、具体的には、特図1の場合と特図2の場合の両方において、保留記憶数に拘らず主要変動時間が1秒に設定されている。よって、1回の遊技に要する時間は1秒ということになる。なお、詳しくは後述するが、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合には、大当たり時に限ってリーチが発生するように予め設定されている。特図高確中の大当たりの当選確率は1/30であるから、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合のリーチ確率は1/30となる。このように、特殊変動パターンテーブル134cを参照して遊技が進められる場合には、大当たり時以外は1秒で1回の遊技が終了することになる。なお、特殊変動パターンテーブル134cに規定されているリーチ時の変動時間は120秒である。この特殊変動パターンテーブル134bに規定されている主要変動時間は、本発明の「第1変動時間(特殊変動時間)」に相当し、120秒のリーチ時変動時間は、本発明の「第2変動時間」に相当する。
ここで、通常変動パターンテーブル134aと、短縮変動パターンテーブル134bと、特殊変動パターンテーブル134cとを比較すると、特別図柄の変動時間について、以下のような関係が成立していることが分かる。
第1に、3つの変動パターンテーブルのうち主要変動時間が最も短いテーブルは、特殊変動パターンテーブル134aである。即ち、保留記憶数が0個〜4個の全ての場合について、特殊変動パターンテーブル134cは、通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bよりも特別図柄の変動時間が短い。よって、リーチが掛からないハズレ変動の遊技の1回の所要時間は、特殊変動パターンテーブル134cを参照した場合が最も短くなる。
第2に、3つの変動パターンテーブルのうち、最もリーチ確率が低いテーブルは特殊変動パターンテーブル134cであり、最もリーチ確率が高いテーブルは通常変動パターンテーブル134aである。リーチが発生する確率が低いということは、変動時間がリーチ時の変動時間となる確率が低いということであるから、1回の遊技に要する時間は、特殊変動パターンテーブル134cを参照した場合が最も短くなるということになる。なお、短縮変動パターンテーブル134bではリーチ時変動時間が複数種類あるが、特殊変動パターンテーブル134cではリーチ時変動時間は1種類である。
第3に、通常変動パターンテーブル134aと短縮変動パターンテーブル134bとを比較すると、全ての保留記憶数において短縮変動パターンテーブル134bの方が主要変動時間は短い。さらに、リーチ確率は、短縮変動パターンテーブル134bの方が低確率である。よって、1回の遊技に要する時間は、通常変動パターンテーブル134aに比べて短縮変動パターンテーブル134bの方が相対的に短くなる。
次に、各変動パターンテーブル134a〜cが参照されるための条件(テーブル参照条件)、即ち、どのような遊技状態のときに何れの変動パターンテーブルが参照されるか、について、図14を用いて説明する。通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が低確中(特図低確かつ普図低確)の場合と、内確中(特図高確かつ普図低確)の場合に参照される。短縮変動パターンテーブル134bは、確変中(特図高確かつ普図高確)の場合と時短中(特図低確かつ普図高確)の場合に参照される。ただし、大当たり時に決定された特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄1」の場合には、確変中の小当たり当選時までの間だけ短縮変動パターンテーブル134bが参照される。なお、この短縮変動パターンテーブル134bが参照される確変中(ただし、「15R特定時短有図柄1」の場合は小当たり当選時まで)と時短中の遊技区間が、本発明の「特定遊技区間」に相当する。
また、特殊変動パターンテーブル134cは、大当たり時に決定された特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄1」の場合であって、かつ、確変中に小当たりに当選した後から次回の大当たりまでの間、参照される。なお、この遊技区間が、本発明の「第1特殊遊技区間」に相当する。
よって、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるようにするためには、遊技者は、大当たり時の特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄1」となり、その大当たり後の確変中に第1始動入賞口37aに遊技球を入賞させて、その入賞に係る抽選で小当たりに当選することが必要となる。ここで、確変中は、電動チューリップ49が頻繁に開くため、わざわざ第1始動入賞口37aに遊技球を入賞させずに、右打ちして第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させて遊技を進めることもできる。しかし、この場合、第2始動入賞口37bでは小当たりには当選しないので、確変中に参照される変動パターンテーブルは短縮変動パターンテーブル134bである。
これに対して、遊技者が、まず、ぶっこみ狙いで第1始動入賞口37aに遊技球を入賞させて小当たりに当選させる(図18のルートA)と、参照する変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブル134cとなる。その後、右打ち(図18のルートB)すれば、ハズレの場合に1回の遊技の所要時間が1秒となる。このように、本実施形態では、遊技者自らの意思で遊技の所要時間を大幅に短縮することができるようになっているのである。なお、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっていることは言うまでもない。
このように構成された第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、遊技の開始時に、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否抽選の結果に基づき、必要に応じて第1特別図柄種類抽選部129aにて決定された第1特別図柄の種類や、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の記憶個数(保留記憶数)をも考慮して、変動パターンテーブル134a〜cのうち上記したテーブル参照条件に従って所定のテーブルを参照して、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した特別図柄変動パターン用乱数に対応する第1変動パターンコマンドを決定している。また、第2特別図柄変動パターン抽選部130bも同様にして、遊技の開始時に第2変動パターンコマンドを決定している。
そこで、決定されるコマンドの具体例を、図15を参照しながら以下に説明する。なお、図15中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
図15(a)は、第2特別図柄当否抽選部119bによる当否判定の結果がハズレの場合において、短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合の特別図柄変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図15(b)は、第2特別図柄当否抽選部119bによる当否判定の結果がハズレの場合において、特殊変動パターンテーブル134cを参照した場合の特別図柄変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
図15(a)から明らかなように、短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合においては、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜9までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、変動パターンNo.B31〜B36の何れかとなる。これら変動パターンNo.B31〜B36には、変動時間が60秒〜120秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜9までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、短縮変動パターンテーブル134bのリーチ確率は1/20であるため、リーチとなる特別図柄変動パターン用乱数の個数は、合計200個のうち10個となっている。
これに対して、特別図柄変動パターン用乱数の値が10〜199までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.B37〜B39の何れかとなる。具体的には、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜1個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.B37となり、保留記憶数が2個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.B38となり、保留記憶数が3〜4個のとき変動時間2秒の変動パターンNo.B39となる。
また、図15(b)から明らかなように、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合においては、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜199の何れの値になっても、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数とは関係なく、必ず変動パターンNo.B51となる。この変動パターンNo.B51には、変動時間が1秒と規定されている。よって、ハズレの場合であって、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときは、必ず第2特別図柄の変動時間は1秒となる。なお、図示しないが、大当たりと判定された場合に参照される特殊変動パターンテーブル134cには、特別図柄変動パターン用乱数の値が何れの場合であっても、リーチ変動時間120秒の変動パターンNo.が選択されるように構成されている。
図4に戻って、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄の変動開始時における普通図柄の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普通図柄の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を30秒に決定する。
また、払出・発射制御処理部105は、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニットとも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニットが払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201(詳しくは後述)と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図16に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球表示領域34a,34bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、を備えている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、複数種類の演出態様(演出画像データ)261a〜cを記憶した演出パターンテーブル261が格納されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に送られてきた第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている演出テーブル261a〜cの何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常演出テーブル261aが参照されるための条件は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるための条件(図14参照)と同じであり、短縮演出テーブル261bが参照されるための条件は、短縮変動パターンテーブル134bが参照されるための条件と同じであり、特殊演出テーブル261cが参照されるための条件は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるための条件と同じである。つまり、それぞれの変動パターンテーブルに応じて演出テーブルが用意されている。
詳しくは図示しないが、各演出テーブル261a〜cには、変動パターンコマンドに対応する演出画像データが複数記憶されており、より詳細に言えば、変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間90秒の演出画像データとして、対決系リーチA、対決系リーチB、ストーリー系リーチA、ストーリー系リーチB、ストーリー系リーチCといった種類の画像データが用意されている。そして、演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、その変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の遊技に用いる演出態様が決定されることになる。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210にて決定された演出パターンを演出表示装置34に表示するよう制御している。また、保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示領域34aまたは第2保留球表示領域34bに白色の保留球を表示するよう制御している。
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図17を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の遊技処理とは、一部で相違するものの、殆どの処理は同じである。よって、以下では、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合についての遊技処理を中心に説明し、適宜、相違する部分について補足説明を行うことにする。
図17に示すように、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特別図柄または第2特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数を第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに、特別図柄種類決定用乱数を第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bに、特別図柄変動パターン用乱数を第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bに、それぞれ記憶する(ステップS4)。このとき、保留球表示制御部230が白色の保留球を第2保留球表示領域34bに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特別図柄および第2特別図柄の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて特図当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数が大当たりであるか否かを第2特別図柄当否判定部113bが判断する。
なお、本実施形態は、前述したように、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されていても、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されている場合には、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数を優先的に読み出して遊技に係る処理(特図2優先処理)を行う構成となっているので、変動中の特別図柄の停止が確定すると、先に第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されていたとしても、ステップS3でNoとなり、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に対してステップS5以降の処理が行われることになる。
これに対して、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が開始される(即ち、ステップS3でNoとなる)ためには、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されていないことが前提となる。
次いで、ステップS6にて、特別図柄種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第2特別図柄種類決定部124bが、ステップS2で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図8(b)を参照して、「15R特定時短有図柄1」、「15R通常時短有図柄1」の中から1つの第2特別図柄の種類を、このステップS6で決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、第2特別図柄の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。
次いで、ステップS7にて特別図柄変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、変動パターンテーブル134a、134b、134cのうち何れかを参照して第2変動パターンコマンドを決定する。
このステップS7の処理では、第1始動入賞口37aに遊技球を入賞させて小当たりに当選させた場合には、前述したように、参照されるテーブルが特殊変動パターンテーブル134cとなる。よって、この場合には、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、大当たりに当選している場合を除いて、常に変動時間1秒となる第2変動パターンコマンド(変動パターンNo.B51)を決定することになる(図15参照)。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、演出パターンテーブル261a〜cの何れかを参照して、第2変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
次いで、ステップS9で、第2特別図柄表示制御部101bが特別図柄表示装置17に第2特別図柄の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンの表示を開始する。
次いで、ステップS10で、第2特別図柄表示制御部101bが特別図柄表示装置17に第2特別図柄を停止表示させる。このとき、特別図柄表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第2特別図柄の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。また、ステップS10では、第2特別図柄の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が演出表示装置34に停止表示される。
次いで、停止した第2特別図柄が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第2特別図柄の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(特図2では必ず「フル開放」となる)でアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。なお、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて行われる遊技処理では、ステップS5で小当たりに当選する場合があり、この場合には、このステップS12において小当たり遊技が行われてアタッカー装置41が2回開閉動作することになる。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を高確率状態または低確率状態に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
以上、説明したように、第1の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、遊技者が遊技球を打ち分けることによって、自らの意思で特殊変動パターンテーブル134cを参照して変動パターンコマンドを決定する状況を作ることができる。即ち、遊技者自ら遊技の進行を早めることができる。
続いて、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機について説明するが、第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、第1の実施の形態例に係るパチンコ機と比べて、小当たり専用ゲート37cが設けられている点で構成が相違するものの、それ以外の構成は殆ど同じである。そこで、以下では、主にこの相違部分について図19〜図20を用いて説明することとし、それ以外の部分については、説明を省略する。
図19に示すように、第2の実施の形態例に係るパチンコ機では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの他に、小当たり専用ゲート37cを設けている点に大きな特徴がある。この小当たり専用ゲート37cは、スルーチャッカ21と同様の構成から成り、その内部には遊技球が通過したことを検知するゲートセンサが取り付けされている。なお、第2の実施の形態例における第1始動入賞口37aおよび小当たり専用ゲート37cは、本発明の第1特定領域に相当する。さらに詳しくは、第1始動入賞口37aは、本発明の通常特定領域に相当し、小当たり専用ゲート37cは、本発明の専用特定領域に相当する。
小当たり専用ゲート37cを遊技球が通過すると、ゲートセンサからの検知信号が主制御処理部100に入力される。そうすると、特別図柄抽選処理部110の第1特別図柄当否抽選部119aは、必ず小当たりに当選させる。つまり、遊技球が小当たり専用ゲート37cを通過すると100%小当たりとなる。このように、第2の実施の形態例では、小当たりに必ず当選する小当たり専用ゲート37cを設けているから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の特別図柄の当否に係る抽選では、図20に示すように大当たりまたはハズレの何れかとなるように構成されている。つまり、第1特別図柄低確率判定テーブル117aと第2特別図柄低確率判定テーブル117bとが同じ構成であり、第1特別図柄高確率判定テーブル116aと第2特別図柄高確率判定テーブル116bとが同じ構成となっている。
このように構成された第2の実施の形態例に係るパチンコ機では、遊技者は、大当たり時の特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄1」となり、その大当たり後の確変中に、図19のルートCのように小当たり専用ゲート37cに遊技球を通過させれば、必ず小当たりとなるから、その後の遊技を変動時間1秒で進めることができる。つまり、第2の実施の形態例の構成であっても、遊技者自らの意思で遊技の進行を早めることができる。
さらに、第2の実施の形態例では、小当たり専用ゲート37cを設けたことにより、次のようなメリットもある。例えば、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されていない状態で、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されているときには、大当たり遊技終了後に、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数を読み出して遊技が進められる。特に、低確時に大当たりに当選した場合には、このような状況が生じ得る。
このとき、第1の実施の形態例のように第1特別図柄低確率判定テーブル117a、第1特別図柄高確率判定テーブル116aに小当たりが含まれる構成の場合、保留球乱数の1個目が小当たりに当選することもある。そうすると、遊技者の意思を問わず特殊変動パターンテーブル134cが参照される状況が生じてしまうことになる。ところが、第2の実施の形態例のように小当たり専用ゲート37cを設けておき、第1始動入賞口37aに対して小当たりが当選しないようにしておけば、保留球乱数の中に小当たりが当選するといったことはなくなるので、遊技者の意思と反して変動時間が1秒となるような事態は確実に防止されるといったメリットがある。
なお、上記した第1および第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、以下に示すような種々の変形が可能である。例えば、第1特別図柄の当否については、大当たり、小当たり、またはハズレの何れかに決定される構成以外にも、大当たりまたは小当たりの何れかに決定される構成としても良い。即ち、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、大当たりまたは小当たりの何れかに当選するようにしても良い。
また、特殊変動パターンテーブル134cに規定される主要変動時間についても、図21に示す変形が可能である。即ち、変形例1に示すように、特殊変動パターンテーブル134cにおいて、保留記憶数が、0〜2個に対して主要変動時間が2秒、3〜4個に対して主要変動時間が1秒といったように、保留記憶数に応じて異なる時間としても良い。なお、変形例1では、特殊変動パターンテーブル134cの主要変動時間は、短縮変動パターンテーブル134bの主要変動時間のうち最も短い2秒以下としている。
また、変形例2に示すように、特殊変動パターンテーブル134cにおいて、保留記憶数が、0〜1個に対して主要変動時間が4秒、2個に対して主要変動時間が2秒、3〜4個に対して主要変動時間が1秒といったように、保留記憶数に応じて異なる時間としても良い。なお、変形例2では、特殊変動パターンテーブル134cの主要変動時間は、短縮変動パターンテーブル134bの主要変動時間のうち最も短い2秒より長い時間も含めるようにしている。この変形例2では、保留記憶数が0〜1個と少ない場合の主要変動時間を4秒とやや長めにすることで、保留球乱数として記憶させるための時間を確保することができるといった利点がある。この場合であっても、特殊変動パターンテーブル134cが参照される状況では大幅に遊技の進行は早まることは言うまでもない。
また、特殊変動パターンテーブル134cが参照される遊技区間として、例えば、図22に示すような変形例を適用することもできる。即ち、大当たり時に決定された特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄1」の場合であって、かつ、確変中に小当たりに当選し、その小当たり遊技後からの遊技回数が5回(所定回数)に到達して以降、次回の大当たりまでの間、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるようにしても良い。この遊技区間が、本発明の「第2特殊遊技区間」に相当する。なお、この変形例では、確変中の小当たり当選後からの4ゲームの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照されることとなる。また、この他に、小当たり遊技後から所定回数(例えば100回)の遊技が行われるまでの間、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるようにしても良い。
また、上記した実施の形態例では、大当たり当選時に決定された特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄1」の場合に限って、小当たり当選を契機として特殊変動パターンテーブル134cが参照されるようにする構成としたが、その他の特別図柄の種類に対しても、同じように小当たり当選を契機として特殊変動パターンテーブル134cが参照されるようにしても良い。