以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1および図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特別図柄表示装置17と、普通図柄表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない。
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない。なお、第2始動入賞口37bは、電動チューリップ49が開放されない限り、その内部に遊技球が入賞することができない構成となっている。よって、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される第1特別図柄または第2特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。
なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a,115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特別図柄用当否判定用の乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,34bに白色で保留球の表示がなされる(図23等参照)。なお、同図では保留球表示が黒色となっているが、実際には白色で表示されている)。
特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特別図柄表示装置17は、特別図柄に係る抽選結果を、第1特別図柄あるいは第2特別図柄(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特別図柄表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特別図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特別図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aと第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。つまり、特別図柄表示装置17は、本発明の第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普通図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普通図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、普通図柄の変動時間である。
なお、特別図柄表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特別図柄表示制御部101aおよび第2特別図柄表示制御部101bによって行われ、普通図柄表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普通図柄表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されると、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が可能となる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置であると共に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合にも所定回数開放される装置でもある。つまり、アタッカー装置41は、両始動入賞口37a,37bでの抽選結果に応じて作動する。
そして、このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、本実施形態では、大当たり遊技におけるアタッカー装置41の開放回数は全て15R(ラウンド)であるものの、特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41の開放パターンが異なるようになっており、これにより獲得できる賞球数に差が生じるようになるが、これについては、後ほど詳しく説明する。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,44,45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
次に、主制御処理部100は、図3に示すように、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄の当否に係る抽選を行う特別図柄抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特別図柄抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、その当選に係る特別図柄の種類を抽選で決定する特別図柄種類決定処理部120と、特別図柄の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンコマンドを決定するための特別図柄変動パターンコマンド決定部(変動パターンコマンド決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部140と、特別図柄抽選処理部110による抽選の結果が大当たりとなった場合に、特別図柄種類決定処理部120で決定した特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、特別図柄表示装置17の表示制御を行う第1特別図柄表示制御部101aおよび第2特別図柄表示制御部101bと、普通図柄表示装置22の表示制御を行う普通図柄表示制御部102と、を備えて構成されている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特別図柄当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄の当否に係る抽選を行う第1特別図柄当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄の当否に係る抽選を行う第2特別図柄当否抽選部119bとを備えて構成されている。
第1特別図柄当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aと、この第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を第1特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115aとを備えている。
ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率がおよそ1/30(本実施形態では、0〜2184までの乱数が大当たり、2185〜65535までの乱数がハズレ)、第1特別図柄低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率がおよそ1/300(本実施形態では、0〜218までの乱数が大当たり、219〜65535までの乱数がハズレ)に設定されている。つまり、第1特別図柄高確率判定テーブル116aの方が、第1特別図柄低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
第2特別図柄当否抽選部119bも第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bと、この第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を第2特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115bとを備えている。
ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第2特別図柄低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第2特別図柄高確率判定テーブル116bの方が、第2特別図柄低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。大当たりとハズレのそれぞれに対応する乱数の値は、第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第1特別図柄低確率判定テーブル117aと同じである。
なお、これ以降の説明において、便宜上、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
なお、先にも触れたが、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aと第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特別図柄種類決定処理部120について説明する。上述した特別図柄抽選処理部110が大当たりに当選しているか否か(特別図柄の当否)を決定するものであるのに対して、特別図柄種類決定処理部120は、特別図柄の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特別図柄に関する大当たり/ハズレの決定は特別図柄抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)は特別図柄種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特別図柄種類決定処理部120は、図6に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特別図柄の種類を決定するための第1特別図柄種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特別図柄の種類を決定するための第2特別図柄種類抽選部129bと、を備えて構成されている。
第1特別図柄種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aと、この第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して第1特別図柄の種類を決定する第1特別図柄種類決定部123aと、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特別図柄種類決定テーブル125aは、図7に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第1特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R特定時短有図柄1、15R特定時短有図柄2、15R特定時短有図柄3、および15R特定時短有図柄4の合計4種類の第1特別図柄が第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特別図柄のそれぞれに特別図柄種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特別図柄に割り当てられる特別図柄種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特別図柄のそれぞれが第1特別図柄種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜59までのものに対して「15R特定時短有図柄1」が対応付けられており、当該乱数値が60〜259に対して「15R特定時短有図柄2」が、当該乱数値が260〜339までのものに対して「15R特定時短有図柄3」が、当該乱数値が340〜399までのものに対して「15R特定時短有図柄4」が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種類のうち、「15R」は大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドであることを、「特定」は所謂、確変当たりを、「時短有」は電サポが付与されることを、それぞれ示している。よって、本実施形態では、大当たりに当選すると、必ず確変当たり(ただし、ST70回の回数切り確変)となる。
この図7から明らかなように、「15R特定時短有図柄1」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち60個であるから、「15R特定時短有図柄1」が選択される確率は、60/400x100=15%である。その他の第1特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、「15R特定時短有図柄2」の選択確率は50%、「15R特定時短有図柄3」の選択確率は20%、「15R特定時短有図柄4」の選択確率は15%となっている。
また、第2特別図柄種類抽選部129bも第1特別図柄種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bと、この第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して第2特別図柄の種類を決定する第2特別図柄種類決定部123bと、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特別図柄または第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特別図柄種類決定テーブル125bは、図7に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第2特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。第2特別図柄の種類は、第1特別図柄の種類と同様に、15R特定時短有図柄1〜4の合計4種類がある。また、各特別図柄の種類が選択される確率も第1特別図柄種類決定テーブル125aと同様である。そのため、第2特別図柄種類決定テーブル125bについての詳細説明は省略する。
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合とで、特別図柄の種類の決定に差はない。つまり、何れの始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したとしても、遊技結果の優劣に差が生じないような設定となっている。
次に、普通図柄抽選処理部170について説明する。この普通図柄抽選処理部170は、図8に示すように、乱数を発生させる普通図柄当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る抽選を行って当否を判定するための普通図柄当否抽選部177とを備えて構成されている。普通図柄当否判定用乱数発生部171は、特別図柄当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普通図柄当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普通図柄当否判定用乱数発生部171で発生した普通図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄当否判定用乱数取得部172と、この普通図柄当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普通図柄に係る保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175は、普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普通図柄高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普通図柄低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普通図柄高確率判定テーブル175の方が、普通図柄低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普通図柄高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、これ以降の説明において、便宜上、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普通図柄抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
さて、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確」、「内確」、「確変」の3つの状態が予め用意されている。「低確」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「内確」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、「確変」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。
本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の種類が決定されると、その特別図柄と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図9を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図9に示すように、各特別図柄の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を特図低確とするか、あるいは特図高確とするかを定めたものであり、本実施形態では、大当たりに当選すると、必ずその後の遊技状態が特図高確となる「確変当たり」が決定されるようになっている。つまり、本実施形態に係るパチンコ機は、100%確変となる仕様である。なお、本実施形態では、特図高確での遊技回数の上限は70回(所謂、ST回数が70回)と予め定められており、70回の特図高確中に大当たりに当選しなければ、特図低確に強制的に転落するようになっている(図10参照)。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)に定められているが、以下に説明するように、同じ15ラウンドであっても、アタッカー開放パターンが異なるため、獲得できる賞球数に差がある。
「アタッカー開放パターン」とは、大当たり遊技中のアタッカー装置41の開放パターンを定めたものであり、「フル開放」はアタッカー装置41が15ラウンド分長時間開放されるパターンであるのに対して、「高速開放」はアタッカー装置41が4ラウンド分しか長時間開放されないパターンである。
この点について、具体的に説明すると、「フル開放」では、1回のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっており、このラウンド遊技が15回(ラウンド)行われる。
「高速開放」では、ラウンド遊技が15回(ラウンド)行われる点では、「フル開放」と同じであるが、1〜4ラウンド目までと5〜15ラウンド目までとでは、ラウンド遊技の終了条件が異なっている。詳細に説明すると、1〜4ラウンド目は、「フル開放」と同じように、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっている。
これに対して、5〜15ラウンド目までは、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容になっている。つまり、高速開放の場合、1〜4ラウンド目までは賞球の獲得が見込めるが、5〜15ラウンド目までは、アタッカー装置41が1ラウンドで最大0.2秒間しか開放されないため、賞球の獲得が見込めない。
このようにアタッカー開放パターンが「フル開放」と「高速開放」とで異なっているため、「フル開放」では、約1500個の賞球を獲得できるが、「高速開放」では約400個しか賞球の獲得を見込めないのである。つまり、高速開放は、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドあるにも拘らず、実質的には4ラウンド分の賞球しか獲得できないパターンであると言うことができる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特別図柄の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特別図柄抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、20回、40回、および70回の3種類が設けられているが、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特別図柄の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、上述したように、本実施形態では、特図高確での遊技回数が最大70回(ST70回)に制限されているから、電サポ回数が20回および40回の場合、特図高確であるにも拘らず電サポがない状態が有り得る。これに対して、電サポ回数が70回の場合、特図高確の70回は必ず電サポが付与されるということになる。
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特別図柄の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特別図柄の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
「15R特定時短有図柄1」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」の場合に電サポ回数が20回、「確変」の場合に電サポ回数が70回となり、ラウンド数が15ラウンド(実質4ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ400個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「15R特定時短有図柄2」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」の場合に電サポ回数が20回、「確変」の場合に電サポ回数が70回となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「15R特定時短有図柄3」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」の場合に電サポ回数が40回、「確変」の場合に電サポ回数が70回となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「15R特定時短有図柄4」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が70回となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
次に、本パチンコ機Pの遊技モードと、各遊技モードの移行契機について、図10を用いて説明する。前述したように、本実施形態では、遊技状態として「低確」、「内確」、「確変」の3つがある。これに対して、遊技モードは、通常モード、チャンスモード、スーパーチャンスモードの3つがある。この遊技モードは、遊技の演出の観点から決められたものである。そのため、同じモードであっても、遊技状態が異なることがあり、例えば、通常モードであっても遊技状態が低確の場合と内確の場合がある。また、遊技状態が確変の場合であっても、チャンスモードの場合とスーパーチャンスモードの場合がある。以下、遊技モードの移行がどのような条件で行われるかについて説明する。
まず、初期状態では通常モードに滞在することになる。このときの遊技状態は、勿論低確である。この通常モードにおいて、大当たりに当選し、その当選時に決定された特別図柄の種類が15R特定時短有図柄1〜3の場合、大当たり遊技後にチャンスモードに移行する(図10のルート(A)参照)。このチャンスモードは、15R特定時短有図柄1〜2の場合、最大で20ゲーム継続し、15R特定時短有図柄3の場合、最大で40ゲーム継続する。つまり、電サポ回数だけチャンスモードが継続するのである。そして、電サポ回数に相当するゲーム数が実行されると、チャンスモードから通常モードに移行する(同図のルート(B)参照)。
ただし、電サポ終了に伴って移行した通常モードの遊技状態は、内確となる。つまり、電サポは、特別図柄の種類に応じて20回または40回で終了となるが、本実施形態はST70回の仕様となっているので、特図高確の状態は大当たり終了後から最大70回継続される。よって、電サポ終了後も特図高確が継続されるため、チャンスモード後の30ゲームまたは50ゲームが内確の状態となる。そして、内確状態の通常モードが30ゲームまたは50ゲーム継続した後は、内確の状態が終了となるので、遊技モードは内確の通常モードから低確の通常モードに移行する(同図のルート(C)参照)。なお、内確の通常モードと低確の通常モードとは見た目に区別できないようになっている。
一方、低確の通常モードにおいて大当たりに当選し、その当選時に決定された特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4の場合、大当たり遊技後にスーパーチャンスモードに移行する(図10のルート(G)参照)。このスーパーチャンスモードは、最大で70ゲーム継続する。つまり、電サポ回数だけスーパーチャンスモードが継続するのである。そして、電サポ回数に相当するゲーム数が実行されると、チャンスモードから低確の通常モードに移行する(同図のルート(H)参照)。このことから、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4に決定されたときには、ST回数と同じ回数だけ電サポが付与されるので、大当たり遊技後の70ゲームを常に電サポ付きで遊技できるということになる。
なお、チャンスモード中に大当たりに当選した場合には、その当選時に決定された特別図柄の種類が15R特定時短有図柄1〜4の何れであっても、大当たり遊技後にスーパーチャンスモードになる(同図のルート(D)参照)。また、チャンスモードから電サポ終了に伴って移行された通常モードでは、遊技状態が内確であるため、たとえ大当たりに当選しても、その当選時に決定された特別図柄の種類が15R特定時短有図柄1〜3であれば、大当たり遊技後はチャンスモードに移行する(同図のルート(E)参照)。これに対して、その当選時に決定された特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4の場合、大当たり遊技後にスーパーチャンスモードになる(同図のルート(F)参照)。また、スーパーチャンスモードでは、大当たりに当選すると、特別図柄の種類は何れのものであっても、大当たり遊技後は再びスーパーチャンスモードになる(同図のルート(I)参照)。つまり、電サポ中に大当たりに当選すると特別図柄の種類を問わずスーパーチャンスモードとなり、それ以外のときに大当たりに当選すると、15R特定時短有図柄4のときだけスーパーチャンスモードになる。
次に、本実施形態における変動パターンコマンドの決定について、図11〜図18を用いて説明する。なお、変動パターンコマンドとは、特別図柄の変動時間および各種演出(先読み予告演出を含む)を決定するためのコマンドである。この変動パターンコマンドは、遊技開始時および保留球乱数の記憶時(保留記憶時)に特別図柄変動パターンコマンド決定部130によって決定される。なお、以下の説明では、保留記憶時に決定される変動パターンコマンドを「先読みコマンド」と称することで、遊技開始時に決定される変動パターンコマンドと区別している。また、後述する特殊変動パターンテーブル134c〜fを参照して決定される変動パターンコマンドのことを、それ以外の変動パターンテーブルを参照して決定される変動パターンコマンドと区別する必要がある場合には、適宜、「特殊変動コマンド」と言うことにする。
特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、図11に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特別図柄変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特別図柄変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特別図柄変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特別図柄変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では、0〜199まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特別図柄変動パターン決定部135aと、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中の場合に、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
第2特別図柄変動パターン抽選部130bも第1特別図柄変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特別図柄変動パターン決定部135bと、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中の場合に、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aおよび第2特別図柄変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、第1特殊変動パターンテーブル134c、第2特殊変動パターンテーブル134d、第3特殊変動パターンテーブル134e、および第4特殊変動パターンテーブル134fの合計6つのテーブルを備えている。
通常変動パターンテーブル134aは、図13に示すように、遊技状態が低確および内確の場合、即ち、遊技モードが通常モードの場合に参照される。この通常変動パターンテーブル134aは、次回の大当たり当選まで使用される(ただし、特殊変動ゲーム時を除く)。また、短縮変動パターンテーブル134bは、同じく図13に示すように、遊技状態が確変の場合、即ち、遊技モードがチャンスモードおよびスーパーチャンスモードの場合に参照される(ただし、特殊変動ゲーム時を除く)。
特殊変動パターンテーブル134c〜fは、特定条件が成立した場合に参照されるテーブルである。本実施形態では、大当たり遊技後のゲーム数が所定回数に到達したことを特定条件として定めている。そのため、大当たり遊技後のゲーム数が所定回数になってから5ゲーム間に亘って特殊変動パターンテーブルが参照されることになる。しかし、何れの特殊変動パターンテーブルが参照されるかは、大当たり時の特別図柄の種類によって異なる。なお、以下の説明において、この特殊変動パターンテーブルが用いられる5ゲームのことを、適宜、「特殊変動ゲーム」(特殊変動遊技)と言うことにする。
第1特殊変動パターンテーブル134cは、図13に示すように、大当たり当選時の特別図柄の種類が15R特定時短有図柄1であり、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了した後から数えて21ゲーム目〜25ゲーム目までの5ゲーム間に限って参照される。15R特定時短有図柄1の場合、大当たり遊技後の電サポ回数は、遊技状態によって20回または70回(図9参照)であるから、この第1特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときの遊技状態は、電サポが20回の場合は内確であり、電サポが70回の場合は確変である。
第2特殊変動パターンテーブル134dは、図13に示すように、大当たり当選時の特別図柄の種類が15R特定時短有図柄2であり、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了した後から数えて31ゲーム目〜35ゲーム目までの5ゲーム間に限って参照される。この第2特殊変動パターンテーブル134dが参照されるときの遊技状態も、同様に内確と確変の両方がある。
第3特殊変動パターンテーブル134eは、図13に示すように、大当たり当選時の特別図柄の種類が15R特定時短有図柄3であり、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了した後から数えて41ゲーム目〜45ゲーム目までの5ゲーム間に限って参照される。この第3特殊変動パターンテーブル134eが参照されるときの遊技状態も、同様に内確と確変の両方がある。
第4特殊変動パターンテーブル134fは、図13に示すように、大当たり当選時の特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4であり、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了した後から数えて51ゲーム目〜55ゲーム目までの5ゲーム間に限って参照される。15R特定時短有図柄4の場合、大当たり遊技後の電サポ回数は70回(図9参照)であるから、この第4特殊変動パターンテーブル134fが参照されるときの遊技状態は、必ず確変である。
このように、本実施形態では、特殊変動ゲームが5ゲーム連続して行われるようになっており、その特殊変動遊技が大当たり遊技後のどのタイミングで行われるかについては、大当たり時の特別図柄の種類に応じて異なるようになっているのである。
次に、変動パターンテーブル134a,134bは、特図1(第1特別図柄)および特図2(第2特別図柄)の変動時間とリーチ内容が規定されている。また、特殊変動パターンテーブル134c〜fは、特図1および特図2の区別なく、ゲーム回数に応じた変動時間が予め規定されている。そこで、まず、各テーブルの変動時間の特徴について、図14を用いて説明することにする。
通常変動パターンテーブル134aは、図14(a)に示すように、保留記憶数(保留球乱数の記憶数)に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。なお、この主要変動時間とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。
また、この通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/10に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される(詳しくは後述)。
短縮変動パターンテーブル134bは、図14(a)に示すように、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。短縮変動パターンテーブル134bにおいても、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。
また、この短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/20に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
ここで、通常変動パターンテーブル134aと、短縮変動パターンテーブル134bとを比較すると、特別図柄の変動時間について、次の関係が成立していることが分かる。即ち、全ての保留記憶数において短縮変動パターンテーブル134bの方が主要変動時間は短い。さらに、リーチ確率は、短縮変動パターンテーブル134bの方が低確率である。よって、1回の遊技に要する時間は、通常変動パターンテーブル134aに比べて短縮変動パターンテーブル134bの方が相対的に短くなる。
また、図14(b)に示すように、特殊変動パターンテーブル134c〜fは、5ゲーム間の各遊技における変動時間を予め規定している。1ゲーム目の特別図柄に係る変動時間は20秒(第1時間)、2ゲーム目は90秒(第2時間)、3〜5ゲーム目は2秒(第3時間)というように変動時間が決められている(第3時間<第1時間<第2時間の関係が成立している)。よって、本実施形態では、大当たり遊技後の遊技回数が所定回数(21ゲーム目、31ゲーム目、41ゲーム目、または51ゲーム目)に到達すると、必ず、そこから5ゲーム間、特殊変動を用いたゲームが開始され、その5ゲーム間における1ゲーム目は20秒、2ゲーム目は90秒、3〜5ゲーム目は2秒という変動時間で特別図柄に係る遊技が行われることになる。
そして、特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技回数が所定の回数に到達したら、所定の特殊変動パターンテーブル134c〜fを参照して特殊変動コマンドを決定し、その特殊変動コマンドを演出制御処理部201に出力する。
次に、変動パターンコマンドの具体的な構成について、図15〜図18を参照しながら説明する。図15〜図17は、通常変動パターンテーブル134aについての特別図柄変動パターン用乱数と変動パターンコマンドとの対応関係、および各変動パターンコマンドデータに規定されたリーチ内容と変動時間を示したものである。また、図18は、第1〜第4特殊変動パターンテーブルの中から、代表して第4特殊変動パターンテーブル134fを参照した場合についての特別図柄変動パターン用乱数と特殊変動コマンドとの対応関係、および各特殊変動コマンドに規定されたリーチ内容と変動時間を示したものである。
図15〜図17に示すように、通常変動パターンテーブル134aが参照される場合であっても、変動パターンコマンドを決定するときの各種条件(大当たりの有無、特別図柄の種類、保留記憶数)に応じて、異なる変動パターンコマンドが決定される。これについて、以下詳しく説明する。
変動パターンコマンドは、図15〜図17に示すように、先行コマンドと後続コマンドの2バイトデータで構成されている。先行コマンドのデータは、A0H、A1H、A2H、A3H、A4H、A5H、A6H(何れも16進数表示)の7種類がある。「A0H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄1であることを規定したものである。「A1H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄2であることを規定したものである。「A2H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄3であることを規定したものである。「A3H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4であることを規定したものである。「A4H」は、ハズレであり、保留記憶数が0〜2の何れかであることを規定したものである。「A5H」は、ハズレであり、保留記憶数が3であることを規定したものである。「A6H」は、ハズレであり、保留記憶数が4であることを規定したものである。
一方、後続コマンドのデータは、リーチの内容と特別図柄の変動時間を規定しており、00H〜0BH(何れも16進数表示)まで存在する。「00H」は、ノーマル系リーチで変動時間20秒であることを規定したものである。「01H」は、ロング系リーチで変動時間30秒であることを規定したものである。「02H」は、対決系リーチで変動時間60秒であることを規定したものである。「03H」は、対決系リーチで変動時間90秒であることを規定したものである。「04H」は、ストーリー系リーチで変動時間60秒であることを規定したものである。「05H」は、ストーリー系リーチで変動時間90秒であることを規定したものである。「06H」は、ストーリー系リーチで変動時間120秒であることを規定したものである。「07H」は、実写系リーチで変動時間90秒であることを規定したものである。「08H」は、実写系リーチで変動時間120秒であることを規定したものである(なお、「08H」は大当たりのときしか生成されないので、プレミアである)。「09H」は、ハズレ(リーチなし)で変動時間12.5秒であることを規定したものである。「0AH」は、ハズレ(リーチなし)で変動時間7秒であることを規定したものである。「0BH」は、ハズレ(リーチなし)で変動時間4秒であることを規定したものである。
そして、特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、遊技開始時に、特別図柄抽選処理部110の抽選結果と、特別図柄種類決定処理部120の抽選結果と、保留記憶数とに応じて、図15〜図17に示す通常変動パターンテーブル134a−1〜134a−7の何れかを参照し、特別図柄変動パターン用乱数取得部132a,132bが取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、変動パターンコマンドを決定している。
各テーブルで決定される変動パターンコマンドNo.は互いに異なっているから、変動パターンコマンドNo.を見れば、大当たりであるか否か、リーチが発生するか否か、何系のリーチが掛かるのか、変動時間は何秒であるのかが分かることになる。例えば、変動パターンコマンドNo.19Aが入力されると、そのコマンドNo.から、大当たりかつ15R特定時短有図柄1であること、実写系リーチで120秒変動であることが分かり(図15(a)参照)、変動パターンNo.14Dが入力されると、そのコマンドNo.から大当たりかつ15R特定時短有図柄4であること、対決系リーチで90秒変動であることが分かり(図16(b)参照)、変動パターンNo.10Gが入力されると、ハズレであること、リーチが掛かることのない4秒変動であることが分かる(図17(c)参照)。
ここで、図15および図16は大当たり時に決定される変動パターンコマンドを示しているが、これらの図から明らかなように、後続コマンドが09H、0AH、または0BHの場合が存在しない。つまり、リーチ内容がハズレ(リーチなし)と規定された変動パターンコマンドが含まれていない。よって、大当たり時には必ずリーチが発生することになる。
なお、短縮変動パターンテーブル134bについても、変動パターンコマンドNo.の違いや、各変動パターンコマンドに規定されている変動時間やリーチの内容は異なるものの、通常変動パターンテーブル134a−1〜134a−7と同様の構成であるため、ここでの説明は省略する。
次に、特殊変動コマンドの具体的な構成について説明する。図18に示すように、特殊変動コマンドも同様に、先行コマンドと後続コマンドの2バイトデータで構成されている。先行コマンドのデータは、C0H〜C4H、D0H〜D4H、E0H〜E4H(何れも16進数表示)の15種類がある。C0H〜C4Hは、特殊変動ゲームの1ゲーム目であることを、D0H〜D4Hは、特殊変動ゲームの2ゲーム目であることを、E0H〜E4Hは、特殊変動ゲームの3〜5ゲーム目であることを、それぞれ規定したものである。
そして、「C0H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄1であること、「C1H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄2であること、「C2H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄3であることを、「C3H」は、大当たりに当選し、特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4であることを、「C4H」は、ハズレであることを、それぞれ規定したものである。なお、D0H〜D4H、E0H〜E4Hのそれぞれについても、図18に示す通りであるから、ここでの説明は省略する。
一方、後続コマンドのデータは、リーチの内容と特別図柄の変動時間を規定しており、「F0H」は、特殊系リーチで変動時間20秒であることを規定したものである。「F1H」は、リーチなしで変動時間20秒であることを、「E1H」は、バトル演出で変動時間90秒であることを、「40H」は、ショート系リーチで変動時間2秒であることを、「41H」は、リーチなしで変動時間2秒であることを、それぞれ規定したものである。
なお、図18は、第4特殊変動パターンテーブル134fを参照した場合において、特殊変動ゲームの1ゲーム目から5ゲーム目までのそれぞれの特殊変動コマンドを示したものであるが、第1特殊変動パターンテーブル134c〜第3特殊変動パターンテーブル134eを参照した場合の特殊変動コマンドの構成は、変動パターンNo.が違っている点以外は図18と同じである。よって、第1〜第3特殊変動パターンテーブル134c〜eについての図示は省略している。
さらに、本実施形態では、特別図柄変動パターンコマンド決定部130が遊技開始時だけでなく、保留記憶時にも上記と同じようにして変動パターンコマンド(特殊変動コマンドも含む)を決定し、このコマンドを先読みコマンドとして演出制御処理部201に出力している。先読みコマンドも変動パターンコマンドも保留記憶時に取得した各種乱数は同じであり、それらの乱数に基づいて各種抽選処理が行われ、その抽選結果に基づいて変動パターンコマンド(特殊変動コマンドも含む)または先読みコマンドが決定されるから、両者は基本的に同じコマンドとなる。ただし、ハズレの場合であってリーチなしの場合には、保留記憶数によって主要変動時間が異なるから、特別図柄の変動時間については、保留記憶時に決定された先読みコマンドと、遊技開始時に決定された変動パターンコマンドとで異なる場合が有り得る。こうして決定された先読みコマンドは、後ほど述べる特殊変動ゲームでのバトル演出の種類の決定の際に用いられる。
図4に戻って、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄の変動開始時における普通図柄の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普通図柄の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を30秒に決定する。
また、払出・発射制御処理部105は、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニットとも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニットが払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201(詳しくは後述)と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図19に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球表示領域34a,34bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、を備えている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、複数種類の演出態様(演出画像データ)261a〜cを記憶した演出パターンテーブル261と、特殊変動ゲームに用いる複数種類の演出態様(演出画像データ)263,264,265を記憶した特殊変動ゲーム用テーブル262とが格納されている。
特殊変動ゲーム用テーブル262には、特殊変動ゲームの1ゲーム目に用いられる1ゲーム目専用テーブル263と、2ゲーム目に用いられる2ゲーム目専用テーブル264と、3〜5ゲーム目に用いられる3〜5ゲーム目専用テーブル265とが記憶されている。
1ゲーム目専用テーブル263には、20秒のバトル前兆演出が記憶されている。バトル前兆演出には、特殊変動ゲームの1回目の遊技が大当たりの場合、即ち、特殊変動コマンドが変動パターンNo.X11〜X14である場合に選択される大当たり用のバトル前兆演出(特殊系リーチ)と、今回の遊技がハズレの場合、即ち、特殊変動コマンドが変動パターンNo.X15である場合に選択されるハズレ用のバトル前兆演出とが用意されている。バトル前兆演出は、演出図柄(ダミー図柄)が20秒間変動している間に、演出表示装置34に「保留を貯めて!」というメッセージを表示する内容のものである。なお、大当たり用のバトル前兆演出とハズレ用のバトル前兆演出とでは、演出の最後に停止表示される演出図柄が全て同一図柄で揃っているか否かの点で相違するが、それ以外の演出内容は同じである。よって、特殊変動ゲームの1回目は、大当たりであるか否かに拘らず、遊技開始から終了直前まで、同じ内容のバトル前兆演出が行われることになる。
2ゲーム目専用テーブル264は、バトル勝利用テーブル264aとバトル敗北用テーブル264bとを備えている。バトル勝利用テーブル264aは、特殊変動ゲームの2ゲーム目の遊技が大当たりの場合(今回の遊技での特殊変動コマンドが変動パターンNo.X21〜X24の場合)と、入力された特殊変動ゲームの3〜5ゲーム目の先読みコマンドが大当たりコマンドである場合に選択される演出態様(画像)が記憶されたテーブルである。このバトル勝利用テーブル264aには、90秒のバトル演出が記憶されている。具体的な例は後述するが、このバトル勝利用テーブル264aには、主人公が敵キャラクタと戦って、最終的に主人公が勝利するという内容の「バトル勝利演出(第1特殊変動演出)」が記憶されている。なお、特殊変動ゲームの3〜5ゲーム目の先読みコマンドが大当たりコマンドである場合とは、先読みコマンドが変動パターンNo.X31〜X34の場合ということである(図18(c)参照)。
これに対して、バトル敗北用テーブル264bは、特殊変動ゲームの2ゲーム目の遊技がハズレの場合(今回の遊技での特殊変動コマンドが変動パターンNo.X25の場合)と、特殊変動ゲームの3〜5ゲーム目の先読みコマンドがハズレコマンドである場合に選択されるテーブルである。このバトル敗北用テーブル264bには、90秒のバトル演出が記憶されている。具体的な例は後述するが、このバトル敗北用テーブル264bには、主人公が敵キャラクタと戦って、最終的に主人公が敗北するという内容の「バトル敗北演出(第2特殊変動演出)」が記憶されている。なお、特殊変動ゲームの3〜5ゲーム目の先読みコマンドがハズレコマンドである場合とは、先読みコマンドが変動パターンNo.X35の場合ということである(図18(c)参照)。
3〜5ゲーム目専用テーブル265には、今回の遊技がハズレの場合であって、特殊変動ゲームの2ゲーム目にバトル勝利演出が行われた場合に用いられる2秒の勝利変動演出と、今回の遊技がハズレの場合であって、特殊変動ゲームの2ゲーム目にバトル敗北演出が行われた場合に用いられる2秒のハズレ変動演出と、今回の遊技が大当たりの場合に用いられる2秒の大当たり表示演出とが記憶されている。2秒の勝利変動演出は、演出表示装置34の右上に小さく「勝利」というメッセージが表示された状態で演出図柄が2秒間変動するという内容の演出である。ハズレ変動演出は、演出表示装置34の右上にメッセージが表示されることなく、通常のハズレ変動と同じような態様で演出図柄が2秒間変動するという内容の演出である。なお、勝利変動演出とハズレ変動演出とは、共に特殊変動コマンドが変動パターンNo.X35の場合である。また、大当たり表示演出は、特殊変動コマンドが変動パターンNo.X31〜34の場合に選択される演出態様であって、演出図柄が変動し、リーチを経て、2秒後に3つの図柄が揃って停止して大当たりであることを表示する内容となっている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に送られてきた第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている演出テーブル261a〜cの何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常モード用演出テーブル261aは、遊技モードが通常モードの場合に参照され、チャンスモード用演出テーブル261bは、遊技モードがチャンスモードの場合に参照され、スーパーチャンスモード用演出テーブル261cは、遊技モードがスーパーチャンスモードの場合に参照されるようになっている。つまり、遊技モードに応じた演出テーブルが用意されている。
詳しくは図示しないが、各演出テーブル261a〜cには、変動パターンコマンドに対応する演出画像データが複数記憶されており、より詳細に言えば、変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間90秒の演出画像データとして、対決系リーチA、対決系リーチB、ストーリー系リーチA、ストーリー系リーチB、ストーリー系リーチC、実写系リーチA、実写系リーチBといった種類の画像データが用意されている。そして、演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、現在の遊技モードに応じた演出テーブルを参照して、その変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の遊技に用いる演出態様が決定されることになる。
さらに、演出態様決定部210は、遊技開始時に送られてきた特殊変動コマンドに基づいて、特殊変動ゲーム用テーブル262の中にある1ゲーム目専用テーブル263、2ゲーム目専用テーブル264、3〜5ゲーム目専用テーブル265の中から、特殊変動ゲーム中の何番目のゲームであるかに応じて所定のテーブルを参照して、今回用いる演出態様を決定する。このとき、演出態様決定部210は、特殊変動コマンドだけでなく、先読みコマンドをも考慮して演出態様を決定している。なお、演出の決定についての詳細は後述する。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210にて決定された演出パターンを演出表示装置34に表示するよう制御している。さらに、演出表示制御部220は、特殊変動ゲーム中は、5ゲームに亘ってバトル演出を含んだ特殊な演出を表示する。
また、保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示領域34aまたは第2保留球表示領域34bに白色の保留球を表示するよう制御している。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図20を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の遊技処理とは同じである。よって、以下では、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合についてのみ遊技処理を説明し、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の説明は省略する。
図20に示すように、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特別図柄または第2特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数を第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに、特別図柄種類決定用乱数を第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bに、特別図柄変動パターン用乱数を第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bに、それぞれ記憶する(ステップS4−1)。
次いで、ステップS4−2にて、先読みコマンド決定処理が行われる。この先読みコマンド決定処理では、先読みコマンドを決定するために、次のような処理が実行される。即ち、ステップS4−1において記憶された特別図柄当否判定用乱数が大当たりであるか否かを、第2特別図柄当否判定部113bが保留記憶時の特別図柄に係る遊技状態(特図低確または特図高確)に応じて第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して事前に決定する(当否の事前判定)。また、ステップS4−1において記憶された特別図柄種類決定用乱数に基づいて、第2特別図柄種類決定部123bが第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して第2特別図柄の種類を事前に決定する(図柄の事前判定)。
そして、第2特別図柄変動パターン決定部135bが、現在の特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態と、上記した当否と図柄の事前判定に基づいて、変動パターンテーブル134a,134bの中から所定のテーブルを参照して、ステップS4−1において記憶された特別図柄変動パターン用乱数に対応する変動パターンコマンドを選択し、そのコマンドを先読みコマンドとして演出制御処理部201に送信する。
例えば、現在の遊技状態が低確(特図低確かつ普図低確の状態、遊技モードは通常モード)であって、ステップS4−1において記憶されたそれぞれの乱数の値が、特別図柄当否判定用乱数は「100」、特別図柄種類決定用乱数は「380」、特別図柄変動パターン用乱数は「177」であった場合、先読みコマンドは次のようにして決定される。
まず、第2特別図柄当否判定部113bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して特別図柄当否判定用乱数値「100」が大当たりであるか否かを判定する。前述したように、第2特別図柄低確率判定テーブル117bでは特別図柄当否判定用乱数値が0〜218までは大当たりであるから、第2特別図柄当否判定部113bは、「大当たり」である旨を事前決定する。
次に、第2特別図柄種類決定部123bは、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照すると、特別図柄種類決定用乱数値「380」に対応する第2特別図柄の種類は「15R特定時短有図柄4」であるから(図7参照)、特別図柄の種類は「15R特定時短有図柄4」であることを事前に決定する。
次に、現在の遊技状態が低確であることに基づき、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、参照するテーブルを通常変動パターンテーブル134aに決定し(図13参照)、さらに、事前決定された「大当たり」と「15R特定時短有図柄4」の情報から、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、通常変動パターンテーブル134aのうち、通常変動パターンテーブル134a−4(大当たり+15R特定時短有図柄4のとき)を参照するテーブルに決定する(図16(b)参照)。そして、その通常パターンテーブル134a−4では、特別図柄変動パターン用乱数値「177」に対応する変動パターンコマンドは変動パターンNo.18Dであるから、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、変動パターンNo.18Dを先読みコマンドに決定すると共に、その変動パターンNo.18D(A3H07H)を演出制御処理部201に送信する。
また、現在の遊技状態が低確(特図低確かつ普図低確の状態、遊技モードは通常モード)であって、ステップS4−1において記憶されたそれぞれの乱数の値が、特別図柄当否判定用乱数は「60000」、特別図柄種類決定用乱数は「380」、特別図柄変動パターン用乱数は「15」、保留記憶数4個目であった場合、先読みコマンドは次のようにして決定される。
まず、第2特別図柄当否判定部113bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して特別図柄当否判定用乱数値「60000」が大当たりであるか否かを判定する。前述したように、第2特別図柄低確率判定テーブル117bでは特別図柄当否判定用乱数値が219〜65535まではハズレであるから、第2特別図柄当否判定部113bは、「ハズレ」である旨を事前決定する。
次に、第2特別図柄種類決定部123bは、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照すると、特別図柄種類決定用乱数値「380」に対応する第2特別図柄の種類は「15R特定時短有図柄4」であるところ、第2特別図柄当否判定部113bによる事前決定がハズレであるから、特別図柄の種類に関する事前決定を行わない(ハズレ図柄として扱う)。
次に、現在の遊技状態が低確であることに基づき、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、参照するテーブルを通常変動パターンテーブル134aに決定し(図13参照)、さらに、事前決定された「ハズレ」と「保留記憶数4個」の情報から、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、通常変動パターンテーブル134aのうち、通常変動パターンテーブル134a−7(ハズレ+保留4のとき)を参照するテーブルに決定する(図17(c)参照)。そして、その通常パターンテーブル134a−7では、特別図柄変動パターン用乱数値「15」に対応する変動パターンコマンドは変動パターンNo.15Gであるから、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、変動パターンNo.15Gを先読みコマンドに決定すると共に、その変動パターンNo.15G(A6H04H)を演出制御処理部201に送信する。
また、特殊変動ゲームでは、次のようにして先読みコマンドが決定される。例えば、前回の大当たり当選時の特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4であり、今回の記憶された保留球乱数に基づく遊技が特殊変動ゲームの5ゲーム目(大当たり遊技後から55ゲーム目)に相当し、ステップS4−1において記憶されたそれぞれの乱数の値が、特別図柄当否判定用乱数は「2000」、特別図柄種類決定用乱数は「200」、特別図柄変動パターン用乱数は「109」であったとする。
この場合、まず、第2特別図柄当否判定部113bは、第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して特別図柄当否判定用乱数値「2000」が大当たりであるか否かを判定する。前述したように、第2特別図柄高確率判定テーブル116bでは特別図柄当否判定用乱数値が0〜2184までは大当たりであるから、第2特別図柄当否判定部113bは、「大当たり」である旨を事前決定する。
次に、第2特別図柄種類決定部123bは、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照すると、特別図柄種類決定用乱数値「200」に対応する第2特別図柄の種類は「15R特定時短有図柄2」であるから(図7参照)、特別図柄の種類は「15R特定時短有図柄2」であることを事前に決定する。
次に、前回の大当たり時の特別図柄の種類が15R特定時短有図柄4であること、今回の保留が特殊変動ゲームの5ゲーム目(大当たり遊技後から55ゲーム目)であることから、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、第4特殊変動パターンテーブル134fの3〜5ゲーム目のテーブル(図18(c)参照)を参照して、事前決定された「大当たり」と「15R特定時短有図柄2」の情報と特別図柄変動パターン用乱数の値「109」とから、変動パターンNo.X32(E01H40H)を先読みコマンドに決定する。そして、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、その先読みコマンドを演出制御処理部201に送信する。
同様にして、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、保留記憶された遊技が特殊変動ゲームで何回目の遊技であるかに応じて、図18に示すように、変動パターンNo.X11〜X15、No.X21〜X25、No.X31〜X35を演出制御処理部201に先読みコマンドとして送信する。なお、変動パターンNo.X11〜X14、No.X21〜X24、No.X31〜X34は、大当たりコマンドであり、変動パターンNo.X15、No.X25、No.X35は、ハズレコマンドである。
ステップS4−2の処理が終了すると、ステップS4−3に進み、保留球表示制御部230が白色の保留球を第2保留球表示領域34bに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4−1〜S4−3の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特別図柄および第2特別図柄の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて特図当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数が大当たりであるか否かを第2特別図柄当否判定部113bが判断する。
次いで、ステップS6にて、特別図柄種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第2特別図柄種類決定部124bが、ステップS2で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する第2特別図柄の種類を決定する。即ち、図7を参照して、「15R特定時短有図柄1」〜「15R特定時短有図柄4」の中から1つが、このステップS6で決定される。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、特別図柄種類決定用乱数は取得されているものの、その乱数に基づいて特別図柄の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。
次いで、ステップS7にて特別図柄変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、通常変動パターンテーブル134aまたは短縮変動パターンテーブル134bを参照して第2変動パターンコマンドを決定する。ただし、今回の遊技が特殊変動ゲーム中である場合には、特殊変動パターンテーブル134c〜fの中から所定のテーブルを参照し、今回のゲームが特殊変動ゲーム中の何番目のゲームであるかに基づいて、今回のゲームにおける第2変動パターンコマンド(特殊変動コマンド)を決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、演出テーブル261a〜cの中から現在の遊技モードに応じた所定のテーブルを参照して、第2変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。また、現在の遊技が特殊変動ゲームである場合には、演出態様決定部210は、特殊変動ゲーム用テーブル262を参照して、特殊変動コマンドに対応する演出態様を決定する。
このステップS8で行われる処理について、図21を用いてさらに詳しく説明する。図21に示すように、演出態様決定処理が開始されると、まず、ステップS21において、演出態様決定部210は、特殊変動コマンドが入力されたか否かを判断する。なお、この特殊変動コマンドは、前述したように、大当たり時の特別図柄の種類に応じて、大当たり遊技後の21ゲーム目、31ゲーム目、41ゲーム目、51ゲーム目から5ゲーム間だけ入力される。ステップS21でYesの場合、即ち、特殊変動ゲーム中である場合には、ステップS22に進み、演出態様決定部210は、今回の遊技が特殊変動ゲームの1ゲーム目であるか否かを判断する。
なお、今回の遊技が特殊変動ゲームの1ゲーム目であるか否かの判断は、大当たり当選時の特別図柄の種類と大当たり遊技後の遊技回数をカウントすることで判断することができるが、その他に、特殊変動コマンドを解析することによっても可能である。図18に示す通り、第4特殊変動パターンテーブル134fが参照された場合、特殊変動ゲームの1ゲーム目は、変動パターンコマンドの番号が、No.X11〜X15であるから、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドの番号を確認すれば、今回の遊技が特殊変動ゲームの1ゲーム目であるか否かを区別することができる。
次に、ステップS22でYesの場合、ステップS23に進み、演出態様決定部210は、1ゲーム目専用テーブル263を参照して、バトル前兆演出を今回の演出態様に決定する。一方、ステップS22でNoの場合、ステップS24に進み、演出態様決定部210は、今回の遊技が特殊変動ゲームの2ゲーム目であるか否かを判断する。なお、演出態様決定部210は、例えば、変動パターンコマンドがNo.X21〜X25であれば、今回の遊技が特殊変動ゲームの2回目であると判断することができる。ステップS24でYesの場合、演出態様決定部210は、ステップS25に進み、2ゲーム目専用テーブル264を参照して演出態様を決定する。
この決定にあたっては、演出態様決定部210は、ステップS26において、今回の遊技開始時に入力された特殊変動コマンドが大当たりであるか(例えば、変動パターンNo.X21〜X24であるか)を判断し、Yseであれば、2ゲーム目の演出を、バトル勝利用テーブル264aに記憶されているバトル勝利演出に決定する。一方、ステップS26でNoの場合には、ステップS28に進み、演出態様決定部210は、今回の遊技開始時において、保留球乱数の中に大当たりが含まれているかを判断する。例えば、3〜5ゲーム目に行われる予定の遊技についての先読みコマンドが、変動パターンNo.X31〜X34(大当たりコマンド)であるか否かを演出態様決定部210が判断する。
ステップS28でYesの場合には、ステップS27に進んで、演出態様決定部210は、今回の遊技が大当たりである場合と同様に、今回の遊技に用いる演出をバトル勝利演出に決定する。一方、ステップS28でNoの場合、今回の遊技に用いる演出をバトル敗北演出に決定する。
なお、ステップS24でNoの場合には、演出態様決定部210は、ステップS30に進み、3〜5ゲーム目専用テーブル265を参照して所定の演出態様(勝利変動演出、ハズレ変動演出、大当たり表示演出の何れか)を今回の遊技に用いる演出に決定する。また、ステップS21でNoの場合、ステップS31に進み、演出態様決定部210は、演出パターンテーブル261を参照して、遊技モードと変動パターンコマンドとに基づいて所定の演出態様を今回の遊技に用いる演出に決定する。
5ゲーム間行われる特殊変動ゲームでの演出をまとめると、図22に示すようになる。なお、図22に示す演出の例は、特殊変動ゲームの1ゲーム目で保留球乱数が上限個数である4個まで記憶された場合である。
(イ)特殊変動ゲームの5ゲーム目が大当たりの場合:
1ゲーム目でバトル前兆演出が行われ、2ゲーム目でバトル演出が行われ、そのバトルに勝利し、3ゲーム目と4ゲーム目で勝利変動演出が行われ、5ゲーム目に大当たりが表示される。そして、大当たり遊技が行われる。
(ロ)特殊変動ゲームの4ゲーム目が大当たりの場合:
1ゲーム目でバトル前兆演出が行われ、2ゲーム目でバトル演出が行われ、そのバトルに勝利し、3ゲーム目で勝利変動演出が行われ、4ゲーム目に大当たりが表示される。そして、大当たり遊技が行われる。
(ハ)特殊変動ゲームの3ゲーム目が大当たりの場合:
1ゲーム目でバトル前兆演出が行われ、2ゲーム目でバトル演出が行われ、そのバトルに勝利し、3ゲーム目で大当たりが表示される。そして、大当たり遊技が行われる。
(ニ)特殊変動ゲームの2ゲーム目が大当たりの場合:
1ゲーム目でバトル前兆演出が行われ、2ゲーム目でバトル演出が行われ、そのバトルに勝利し、大当たりが表示される。そして、大当たり遊技が行われる。
(ホ)特殊変動ゲームの1ゲーム目が大当たりの場合:
1ゲーム目でバトル前兆演出が行われた後、大当たりが表示される。そして、大当たり遊技が行われる。
(へ)特殊変動ゲームの5ゲーム全てがハズレの場合:
1ゲーム目でバトル前兆演出が行われ、2ゲーム目でバトル演出が行われ、そのバトルに敗北し、3ゲーム目、4ゲーム目、5ゲーム目のそれぞれでハズレ変動演出が行われる。
図22から明らかなように、特殊変動ゲームの2ゲーム目にバトル演出が表示されると、その2ゲーム目で大当たりとなる場合を期待できるだけでなく、3〜5ゲーム目で大当たりとなる場合もあるから、このバトル演出自体の大当たり期待度が2ゲーム目から5ゲーム目までの4ゲーム分を反映したものとなる。よって、バトル演出に対する大当たり期待度が4倍に高まることになる。
図20に説明を戻して、ステップS8で演出態様が決定されると、ステップS9で、第2特別図柄表示制御部101bが特別図柄表示装置17に第2特別図柄の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンの表示を開始する。
次いで、ステップS10で、第2特別図柄表示制御部101bが特別図柄表示装置17に第2特別図柄を停止表示させる。このとき、特別図柄表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第2特別図柄の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。また、ステップS10では、第2特別図柄の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が演出表示装置34に停止表示される。
次いで、停止した第2特別図柄が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第2特別図柄の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を高確率状態または低確率状態に設定する。より詳しくは、遊技状態設定部140は、大当たり遊技後から70ゲームが行われるまでの特別図柄に係る遊技状態は特図高確に設定し、それ以降のゲームおよび初期状態では特図低確に設定する。一方、普通図柄に係る遊技状態は、特別図柄の種類に対応する電サポ回数の遊技が行われるまでの間は遊技状態設定部140が普図高確に設定するが、電サポ回数に到達して以降は普図低確に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
次に、特殊変動ゲーム中に表示される演出の具体例について、図23〜図27を用いて説明する。なお、図23〜図27は、前回の大当たり当選時の特別図柄の種類が「15R特定時短有図柄4」である場合の具体例を示している。よって、図23〜図27は特殊変動ゲームが51回目から開始される場合を例示している。
上記(イ)の場合の具体例:(図23、図24参照)
図23(a)に示すように、51ゲーム目では、20秒のバトル前兆演出が行われる。このとき、演出表示装置34の画面には、「保留を貯めて!」というメッセージが表示される。このメッセージは、2ゲーム目のバトル演出の際に3〜5ゲーム目の先読みコマンドを反映させるために、遊技者に遊技球の発射を止めないよう注意を喚起するためである。
図23(b)は、51ゲーム目の図柄変動中に、保留球が4つ記憶された状態を示している。なお、この例では、保留球の4つ目が大当たりに当選した大当たり保留である。よって、保留4に対応する先読みコマンドは、大当たりコマンド(変動パターンNo.X31〜X34の何れか)である。そして、図23(c)に示すように、51ゲーム目の変動が開始して20秒経過すると、51ゲーム目の変動が停止し、ハズレを示す「1−2−3」の演出図柄の組合せが画面に表示される。
52ゲーム目では、バトル演出が行われる。図23(d)に示すように、画面の右側に、主人公のキャラクタ(C1)が表示され、左側に敵キャラクタ(C2)が表示される。そして、両者がバトルを繰り広げる。この演出が90秒間行われる。この間、画面の右上には演出図柄が小さく変動表示される。
この例では、図23(d)の保留3が大当たり保留なので、図23(e)に示すように、バトル演出の結果、画面に「勝利!!」のメッセージが表示される(第1特殊変動演出が表示される)。遊技者は、このバトル演出での勝利を見て、53ゲーム目〜55ゲーム目の何れかに大当たりが含まれていることを知ることができる。なお、52ゲーム目はハズレなので、画面の右上にハズレを示す「4−5−6」の演出図柄の組合せが表示される。
図24(a)に示すように、53ゲーム目では、演出図柄が2秒間変動すると共に、画面の右上に小さく「勝利」というメッセージが表示される。よって、遊技者は、保留球の中に大当たりが含まれていることをこのメッセージから知ることもできる。同様に、図24(b)に示すように、54ゲーム目も演出図柄が2秒間変動すると共に、画面の右上に「勝利」のメッセージが小さく表示される。なお、図示は省略しているが、53ゲーム目および54ゲーム目はハズレなので、演出図柄がハズレの組合せで画面に停止表示される。
そして、図24(c)に示すように、55ゲーム目の変動が開始されると、その2秒後に図24(d)に示すように、大当たりであることを示す「7−7−7」の組合せで演出図柄が画面に停止表示される。その後、大当たり遊技が提供される。
上記(へ)の場合の具体例:(図25、図26参照)
図25(a)に示すように、51ゲーム目では、20秒のバトル前兆演出が行われる。このとき、演出表示装置34の画面には、「保留を貯めて!」というメッセージが表示される。このメッセージは、2ゲーム目のバトル演出の際に3〜5ゲーム目の先読みコマンドを反映させるために、遊技者に遊技球の発射を止めないよう注意を喚起するためである。
図25(b)は、51ゲーム目の図柄変動中に、保留球が4つ記憶された状態を示している。なお、この例では、保留球の4つ全てがハズレ保留である。よって、保留1〜4に対応する先読みコマンドは、全てハズレ(変動パターンNo.X15,X25,X35の何れか)である。そして、図25(c)に示すように、51ゲーム目の変動が開始して20秒経過すると、51ゲーム目の変動が停止し、ハズレを示す「1−2−3」の演出図柄の組合せが画面に表示される。
52ゲーム目では、バトル演出が行われる。図25(d)に示すように、画面の右側に、主人公のキャラクタ(C1)が表示され、左側に敵キャラクタ(C2)が表示される。そして、両者がバトルを繰り広げる。この演出が90秒間行われる。この間、画面の右上には演出図柄が小さく変動表示される。
この例では、図25(d)の全ての保留がハズレなので、図25(e)に示すように、バトル演出の結果、画面に「敗北」のメッセージが表示される(第2特殊変動演出が表示される)。遊技者は、このバトル演出での敗北を見て、残念ながら53ゲーム目〜55ゲーム目の何れにも大当たりが含まれていないことを知る。なお、52ゲーム目はハズレなので、画面の右上にハズレを示す「4−5−6」の演出図柄の組合せが表示される。
図26(a)に示すように、53ゲーム目では、演出図柄が2秒間変動する。このとき、画面の右上にメッセージは表示されず、あたかも普通のハズレ変動であったかのような演出となる。同様に、図26(b)に示すように、54ゲーム目も演出図柄が2秒間変動する。なお、図示は省略しているが、53ゲーム目および54ゲーム目はハズレなので、演出図柄がハズレの組合せで画面に停止表示される。同様にして、図26(c)に示すように、55ゲーム目の変動が開始されると、その2秒後に図26(d)に示すように、ハズレであることを示す「7−6−7」の組合せで演出図柄が画面に停止表示される。その後、通常の変動に戻る。
上記(二)の場合の具体例:(図27参照)
図27(a)に示すように、51ゲーム目では、20秒のバトル前兆演出が行われる。このとき、演出表示装置34の画面には、「保留を貯めて!」というメッセージが表示される。このメッセージは、2ゲーム目のバトル演出の際に3〜5ゲーム目の先読みコマンドを反映させるために、遊技者に遊技球の発射を止めないよう注意を喚起するためである。
図27(b)は、51ゲーム目の図柄変動中に、保留球が4つ記憶された状態を示している。なお、この例では、保留球の1つ目が大当たりに当選した大当たり保留である。よって、52ゲーム目で大当たりになる。なお、図27(c)に示すように、51ゲーム目の変動が開始して20秒経過すると、51ゲーム目の変動が停止し、ハズレを示す「1−2−3」の演出図柄の組合せが画面に表示される。
52ゲーム目では、バトル演出が行われる。図27(d)に示すように、画面の右側に、主人公のキャラクタ(C1)が表示され、左側に敵キャラクタ(C2)が表示される。そして、両者がバトルを繰り広げる。この演出が90秒間行われる。この間、画面の右上には演出図柄が小さく変動表示される。
この例では、52ゲーム目が大当たりなので、図27(e)に示すように、バトル演出の結果、画面に「勝利!!」のメッセージが表示される(第1特殊変動演出が表示される)。それと当時に、画面右上に、大当たりであることを示す「7−7−7」の組合せで演出図柄が停止表示される。よって、遊技者は、今回の遊技で大当たりとなったことを知る。その後、大当たり遊技が提供される。
以上、説明したように、本実施の形態例に係るパチンコ機によれば、大当たり遊技後から21ゲーム目、31ゲーム目、41ゲーム目、51ゲーム目の何れかで必ず特殊変動ゲームが行われ、特殊変動ゲームの2ゲーム目で必ずバトル演出が行われるため、遊技者がバトル演出を楽しみに遊技を行うことができる。しかも、バトル演出は、2ゲーム目の遊技の結果を反映するだけでなく、3ゲーム目〜5ゲーム目の遊技結果をも反映した内容となっているので、遊技者はバトル演出が行われた2ゲーム目で大当たりになるかもしれないと期待できるうえ、バトル演出で勝利した場合には、たとえ2ゲーム目がハズレとなっても、3ゲーム目〜5ゲーム目までの何れかの遊技で必ず大当たりが来るので、その後の遊技を優越感に浸りながら安心して行うことができる。
そして、バトル演出では、2ゲーム目の結果が大当たりである場合だけでなく、3〜5ゲーム目の結果が大当たりの場合であっても勝利となるので、2ゲーム目のバトル演出で勝利となる期待は4倍に高まる。
また、本実施の形態例では、特殊変動ゲームの1ゲーム目の変動時間を20秒と長めに設定しているので、保留球を上限まで貯めやすい。よって、バトル演出において3〜5ゲーム目の先読みの結果を反映させやすくなる。さらに、3〜5ゲーム目の変動時間を2秒と短めに設定しているので、バトル演出で勝利した場合、直ぐに大当たりが発生することになる。よって、バトル演出の勝利から大当たりまでの道のりが短縮され、遊技が間延びすること(なかなか大当たりにならないといった弊害)を防止できる。
なお、上記した実施の形態例では、大当たり遊技後は必ず特図高確となり、所定の遊技回数後に特図低確に移行する仕様(所謂、ST機)のパチンコ機に対して、本発明を適用したが、本発明は、このような仕様のパチンコ機以外にも適用可能である。例えば、本発明は、大当たり遊技後に特図低確になる通常当たりと、特図高確になる確変当たりを備えるような仕様のパチンコ機にも適用可能であることは言うまでもない。
また、本実施形態では、大当たり遊技後のゲーム数が所定回数に到達したことを特定条件として定めているが、所謂、小当たりに当選し、小当たり遊技後のゲーム数が所定回数に到達したことを特定条件としても良い。また、大当たり遊技終了直後または小当たり遊技終了直後からの例えば5ゲーム間を特殊変動ゲームとしても良い。また、上記した通常当たりと確変当たりとを設けたパチンコ機の場合、特定条件として、確変当たりに当選したことを追加しても良い。
また、本実施形態では、例えば、特殊変動ゲームの1ゲーム目に始動入賞口37a,37bに遊技球が1個しか入賞しなかった場合には、特殊変動ゲームの2ゲーム目に行われるバトル演出は、3ゲーム目以降の先読み結果を反映しないことになり、2ゲーム目がハズレの場合には、2ゲーム目に行われるバトル演出では敗北となる。ところが、2ゲーム目の途中に始動入賞口37a,37bに遊技球が例えば1個入賞し、その入賞で大当たりに当選した場合に、3ゲーム目の演出で大当たり表示を行うようにすれば、3ゲーム目は変動時間2秒と短時間であるため、次のような演出効果を得ることができる。即ち、2ゲーム目のバトル演出で敗北したため、遊技者はその結果に失望することになるが、3ゲーム目の2秒間でいきなり大当たりが表示されることになるから、バトル演出で敗北した後に復活して勝利したかのような印象を遊技者に与えることができる。このように、本実施形態では、2ゲーム目の変動時間を90秒と長くしたことと、3〜5ゲーム目の変動時間を2秒と短くしたことにより、2ゲーム目の遊技開始時に保留球乱数が記憶されておらず、2ゲーム目の変動中に保留球乱数が記憶されたような場合であっても、バトル演出の敗北から一転して勝利へと導くような演出を行うことができる。
また、上記した、2ゲーム目の変動開始時に保留球乱数がなかったが、2ゲーム目の変動中に保留球乱数が記憶され、その保留球乱数が大当たりである場合には、先読みコマンドに基づいて例えばランプ制御処理部202が特定のランプを発光させたり、演出制御処理部201が大当たりである旨を示す特別画像を演出表示装置34にカットイン表示させたりするなどして、保留球乱数の中に大当たりが含まれることになった旨を報知しても良い。このようにしても、演出による訴求効果が高まる。