JP2013123425A - 豆腐及び豆腐の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、絞り工程を設けることなく、食品添加物や酵素を用いず豆乳と凝固剤のみを用いて、圧縮試験での破断応力が1.0×105dyn(=1.0N)/cm2(約102gf/cm2)以上という硬さを有する豆腐及び豆腐の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
大豆を原料に常法により調製した豆腐製造用の通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳を用いて、絞り工程を経ないで圧縮試験方法による破断応力が1.0×105dyn/cm2以上の硬さの豆腐とすることを特徴とする豆腐及び豆腐の製造方法である。
【選択図】なし
Description
用途に応じた豆腐を選択するにあたり、豆腐の物性が重要な指標となる。豆腐を単純に硬い豆腐と軟らかい豆腐に分けた場合、一般的に「硬い豆腐」が求められる場合は、調理する際に煮崩れしにくいということが大きな理由である。そしてその場合、消費者は「硬い豆腐」として木綿豆腐を選択することが多い。
硬い豆腐とは相対的感覚の表現であるが、官能評価の他、粘弾性測定装置を用いて測定した「破断応力」の数値で比較することができる。
一般的に、前者は弾力に着目しない硬さ、後者は弾力を伴った硬さを評価する場合に用いられる。
一般的には、木綿豆腐のように絞り工程を設ける方法が行われる。木綿豆腐は、豆乳に凝固剤を添加して凝固しかけた豆腐を一旦崩して型枠に移し、プレスしながら絞りを行い(絞り工程)、再結着を起こさせて作る。豆乳濃度と凝固剤量のバランス、プレス圧の大小によって絞り程度が変わり豆腐の硬さを調整できるため、硬い豆腐を作ることができる。ただし、絞り工程により流出するいわゆるホエー中に、オリゴ糖等の有用成分も溶出するため、味抜けが生じてしまう。また、崩しや絞りの工程にかかる設備のスペースやコスト、衛生度を保持するためのコストなどの負担が大きいという課題がある。
すなわち、硬い豆腐を作る方法はいろいろあるが、絞り工程を設ければ設備・コスト負担、衛生面等の課題があり、絞り工程を設けない絹ごし豆腐や充填豆腐の場合、硬さに限度があり、歩留りや離水、味、食品添加物使用などの課題があった。
(圧縮試験方法)
直径20mm、高さ18mmの円柱形の豆腐を、該豆腐の底面が試料台の上面に接するように該試料台に置き、レオメーター(粘弾性測定装置)を用いて直径50mmの円柱形のプランジャーを該豆腐の上面方向から毎秒1.0mmの速度で圧縮して得られる破断応力を測定する。
(圧縮試験方法)
直径20mm、高さ18mmの円柱形の豆腐を、該豆腐の底面が試料台の上面に接するように該試料台に置き、レオメーター(粘弾性測定装置)を用いて直径50mmの円柱形のプランジャーを該豆腐の上面方向から毎秒1.0mmの速度で圧縮して得られる破断応力を測定する。
(脂質およびタンパク質含量測定方法)
脂質含量測定:クロロホルム−メタノール混液改良抽出法で行う。
タンパク質含量測定:ケルダール法または燃焼法による全窒素分析、窒素・タンパク質換算係数5.71を使用して行う。
(脂質およびタンパク質含量測定方法)
脂質含量測定:クロロホルム−メタノール混液改良抽出法で行う。
タンパク質含量測定:ケルダール法または燃焼法による全窒素分析、窒素・タンパク質換算係数5.71を使用して行う。
本発明に使用できる大豆は、全粒大豆、脱皮大豆、脱皮脱胚軸大豆、粉末大豆、脱脂大豆、分離大豆タンパク、濃縮大豆タンパク等豆乳を作れる原料であれば特に制限はない。また、国産大豆、外国産大豆を問わず任意に使用でき、これらの混合物であっても良い。
(1)脂質含量が少ない原料大豆を用いる。
(2)脱脂大豆または分離大豆タンパク、濃縮大豆タンパクを用いる。
(3)通常豆乳を遠心分離機にかけて、脂質成分を分離低減する。
などの方法が考えられるが、(1)の場合F/P比が0.4以下となるような原料大豆は現在のところ一般的には入手できない。(2)の場合、市販の脱脂大豆、分離大豆タンパク、濃縮大豆タンパクはF/P比が0.1未満であるため、水、大豆油(リン脂質含む)を混合して豆乳を作製したり、全脂大豆と混合して豆乳を作製することで、脂質含量をF/P比が0.1以上、0.4以下となるよう調整する方法を用いることができる。ただし、現在入手可能な脱脂大豆、分離大豆タンパク、濃縮大豆タンパクを用いて調製した豆腐は、味・風味など品質的に劣る傾向がある。
(3)の方法が本発明の課題を解決するのに最も確実で、品質的に好ましいと言える。
凝固の方法は、絞り工程を設けない充填豆腐や絹ごし豆腐等の製法に準じればよいが、充填豆腐の製法に従い、脂質を低減した豆乳を冷却した状態で適当量の凝固剤を添加しその後加熱凝固させる方法が、効率的に硬い豆腐を得るのに好ましい。また充填豆腐製法を用いることにより、絹ごし豆腐のように製造後水にさらしたり、木綿豆腐のように絞り工程を経て硬くする製法では流出してしまうオリゴ糖成分も逃がすことなく凝固させることができる。
CR−500DX)試料台の上面に接するように該試料台に置き、直径50mmの円柱形のプランジャーを、該豆腐の上面方向から毎秒1.0mmの速度で圧縮して得られる破断応力を指標とすることができる。当発明によって、当圧縮試験を用いて測定した破断応力が、1.0×105dyn(=1.0N)/cm2(約102gf/cm2)以上の硬さの豆腐を、絞り工程を設けることなしに作ることができる。
Kjeltec2300)を用いて全窒素分析を行い、窒素・タンパク質換算係数5.71を用いて算出した。結果を表1、および表2に示す。
CR−500DX)による圧縮試験を次の要領で行った。各豆腐試料をシャーレに移し高さ18mmに切り揃え、直径20mmの円柱状に型抜きした。該豆腐の底面が試料台の上面に接するように該試料台に置き、直径50mmの円柱形のプランジャーを該豆腐の上面方向から毎秒1.0mmの速度で降下させ、圧縮による破断応力を測定した。結果を表3、表4に示す。
ちなみに、表には示していないが、絞り工程を経た木綿豆腐(自社製品例)でも圧縮破断応力は1.0×105dyn/cm2程度であり、当発明により木綿豆腐と同等以上の圧縮破断応力をもつ充填豆腐の製造が可能となった。
Claims (6)
- 大豆を原料に常法により調製した豆腐製造用の通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳を用いて、絞り工程を経ないで下記圧縮試験方法による破断応力が1.0×105dyn/cm2以上の硬さの豆腐とすることを特徴とする豆腐。
(圧縮試験方法)
直径20mm、高さ18mmの円柱形の豆腐を、該豆腐の底面が試料台の上面に接するように該試料台に置き、レオメーター(粘弾性測定装置)を用いて直径50mmの円柱形のプランジャーを該豆腐の上面方向から毎秒1.0mmの速度で圧縮して得られる破断応力を測定する。 - 大豆を原料に常法により調製した豆腐製造用の通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳を用いて、絞り工程を経ないで下記圧縮試験方法による破断応力が1.0×105dyn/cm2以上の硬さの豆腐とすることを特徴とする豆腐の製造方法。
(圧縮試験方法)
直径20mm、高さ18mmの円柱形の豆腐を、該豆腐の底面が試料台の上面に接するように該試料台に置き、レオメーター(粘弾性測定装置)を用いて直径50mmの円柱形のプランジャーを該豆腐の上面方向から毎秒1.0mmの速度で圧縮して得られる破断応力を測定する。 - 通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳が、下記脂質含量測定方法で測定した脂質含量/タンパク質含量の比が0.1以上0.4以下であることを特徴とする請求項1に記載の豆腐。
(脂質およびタンパク質含量測定方法)
脂質含量測定:クロロホルム−メタノール混液改良抽出法で行う。
タンパク質含量測定:ケルダール法または燃焼法による全窒素分析、窒素・タンパク質換算係数5.71を使用して行う。 - 通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳が、下記脂質含量測定方法で測定した脂質含量/タンパク質含量の比が0.1以上0.4以下であることを特徴とする請求項1に記載の豆腐の製造方法
(脂質およびタンパク質含量測定方法)
脂質含量測定:クロロホルム−メタノール混液改良抽出法で行う。
タンパク質含量測定:ケルダール法または燃焼法による全窒素分析、窒素・タンパク質換算係数5.71を使用して行う。 - 通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳が、通常豆乳から遠心分離機で脂質を分離低減した豆乳であることを特徴とする請求項1に記載の豆腐。
- 通常豆乳より脂質含量を低減した豆乳が、通常豆乳から遠心分離機で脂質を分離低減した豆乳であることを特徴とする請求項1に記載の豆腐の製造方法。
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