JP2013122071A - 溶融金属めっき浴用ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき浴への浸漬直後において胴部と軸部との嵌合が緩まない溶融金属めっき浴用ロールを提供する。
【解決手段】、軸芯を備えた外観が略円柱形状の胴部1bと、前記胴部の端に固定された軸部1dとを有し、前記胴部1bは、軸芯方向において、その端面に開口するとともに前記胴部と同軸に配置された大径孔部1iと、前記大径孔部よりも内方に当該大径孔部と同軸に配置された小径孔部1jとを有する嵌合孔部を備え、前記軸部1dは、前記大径孔部に嵌合される大径部1mと、前記小径孔部に嵌合される小径部oとを有する嵌合部を備える溶融金属めっき浴用ロールである。
【選択図】図3(b)

Description

本発明は、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金などの溶融金属めっき浴に浸漬して使用される溶融金属めっき浴用ロールに関する発明である。
上記技術分野に係わる発明の一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された溶融金属めっき用ロールは、「セラミックス製の筒状の胴部の端部に、従動側と駆動側とにそれぞれ接続される嵌合部と支持部とからなるセラミックス製の軸部を有する溶融金属めっき用ロールにおいて、少なくとも一方の前記軸部は、前記支持部から前記嵌合部にかけて貫通する複数の貫通孔および前記支持部の周囲の前記嵌合部を貫通する複数の貫通孔の少なくとも一方を有することを特徴とする溶融金属めっき用ロール」、である。
特開2010−255043号公報
特許文献1の溶融金属めっき浴用ロール(以下、単にロールという場合がある。)は、各々別体の胴部と軸部と嵌合した組立式の溶融金属めっき浴用ロールである。その問題点について、特許文献1のロールの胴部と軸部の嵌合部分の拡大断面図である図6を参照しつつ説明する。
すなわち、特許文献1のロール9は、中空部9nを有する筒状の胴部9において、その端部の内周面に、外周面が密着するように嵌合部9aを嵌合し、軸部9dを固定した構成である。このロール9を高温の溶融金属めっき浴(以下、単にめっき浴と言う場合がある。)に浸漬すると、めっき浴で加熱された胴部9bおよび軸部9dは熱膨張を開始し、一定の時間が経過した後に両者の熱膨張は収束し、安定する。ここで、ロール9をめっき浴に浸漬した直後は、嵌合部9aが存在する胴部9bの端面およびその近傍の図示Bに示す端部領域が最も早く加熱され、入熱量が大きい。一方で、当該端部領域Bにおいて胴部9bの内周面に密着している嵌合部9aはめっき浴に直接触れないため、浸漬直後の入熱量は少ない。その結果、めっき浴への浸漬直後は、胴部9bの領域Bの熱膨張量が嵌合部9aに比して大きくなり、両者の熱膨張の時間差により、半径方向において両者の間には隙間が生じることとなる。このめっき浴への浸漬直後に形成された隙間に起因し、軸部9dが水平方向に移動しまたは傾斜して偏芯したり、著しい場合には軸部9dが胴部9bから離脱してしまう可能性があった。この問題を解消するため、軸部9dを胴部9bに嵌合する際の締め代を大きくした場合には、胴部9bによる締付力が大きくなる。すると、当該締付力および図中において矢印Cで示す軸部9dからの押付力が重畳して作用する胴部9bの端部が破損する虞があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、めっき浴への浸漬直後において胴部と軸部との嵌合が緩まない溶融金属めっき浴用ロールを提供することを目的としている。
上記目的を達成する、本発明の一態様は、軸芯を備えた外観が略円柱形状の胴部と、前記胴部の端に固定された軸部とを有し、前記胴部は、軸芯方向において、その端面に開口するとともに前記胴部と同軸に配置された大径孔部と、前記大径孔部よりも内方に当該大径孔部と同軸に配置された小径孔部とを有する嵌合孔部を備え、前記軸部は、前記大径孔部に嵌合される大径部と、前記小径孔部に嵌合される小径部とを有する嵌合部を備える溶融金属めっき浴用ロールである。
なお、上記溶融金属めっき浴用ロールにおいて、前記胴部の端に固定された接続部を有する場合には、前記軸部は、前記接続部を介して前記胴部に固定されており、前記嵌合部は、前記軸部に替え前記接続部に形成されていてもよい。
さらに、前記胴部と前記軸部とが別体の状態において、前記大径孔部の直径をD1、前記大径部の直径をD2、前記小径孔部の直径をD3、前記小径部の直径をD4としたとき、(D2−D1)/D1<(D4−D3)/D3の関係にあることが望ましい。
加えて、前記大径部は、軸芯方向に沿い形成された溝または孔を有することが望ましい。
さらに加えて、前記接続部は、軸芯方向において、その端面に開口するとともに前記胴部と同軸に配置された大径孔部と、前記大径孔部よりも内方に当該大径孔部と同軸に配置された小径孔部とを有し、前記軸部は、前記接続部の大径孔部に嵌合される大径部と、前記接続部の小径孔部に嵌合される小径部とを有することが望ましい。
本発明によれば、その目的を達成することができる。
本発明に係わる第1実施形態のロールが組み込まれた溶融金属めっき装置の構成を示す側面図である。 図1のロールおよび当該ロールを支承する軸受を拡大した一部を断面で示す正面図である。 図2のロールの右側面図である。 図2のA部の部分拡大図である。 本発明に係わる第2実施形態のロールの胴部、接続部および軸部の部分拡大断面図である。 本発明に係わる第3実施形態のロールの胴部および軸部の部分拡大断面図である。 従来技術である特許文献1のロールの胴部および軸部の部分拡大断面図である。
以下、本発明について、その第1実施態様および第2実施態様に基づき、図面を参照しつつ説明する。なお、以下説明する各実施態様の各要素は、単独にまたは適宜組み合わせて利用することができ、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変形して利用することができる。
[溶融金属めっき装置]
まず、本発明に係わるロールが組み込まれた溶融金属めっき装置について、その概略構成図である図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、溶融金属めっき装置80は、めっき浴81が収納された浴槽82と、めっき浴81の表層部分に浸漬されて、めっき浴81の内に導入される鋼板の酸化を防止するためのスナウト83と、めっき浴81の中に配置された溶融金属めっき浴用ロールであるシンクロール1と、めっき浴81の内でシンクロール1の上方に位置する一対の溶融金属めっき浴用ロールであるサポートロール7・7と、めっき浴81の表面より僅か上方に位置するガスワイピングノズル86とを有する。シンクロール1自体には外部駆動力が付与されず、走行する鋼板との接触により駆動される。またサポートロール7・7は、通例、一方のサポートロール7が外部のモーター(
図示せず) に連結された駆動ロールであり、他方のサポートロール7が非駆動ロールである。なお、サポートロール7には外部駆動力が付与されない無駆動タイプもある。溶融金属めっき浴用ロールであるシンクロール1及び一対のサポートロール7・7は、フレーム84・85に取り付けられた軸受87・88により回転自在に各々支持されており、常に一体としてめっき浴81の内に浸漬される。
走行する鋼板Pは、スナウト83を経てめっき浴81の内に斜方から進入し、シンクロール1を経由して上方に進行方向を変えられる。めっき浴81の中を上昇する鋼板Pは一対のサポートロール7・7に挟まれ、パスラインが保たれるとともに、反りや振動が防止される。ガスワイピングノズル86は、めっき浴81から出てきた鋼板P1に高速ガスを吹き付ける。高速ガスのガス圧及び吹き付け角度により、鋼板P1に付着した溶融金属めっきの厚さを均一に調整する。このようにして、溶融金属めっきが施された鋼板P1が得られる。
[第1実施形態]
図1の溶融金属めっき装置80に組み込まれた第1態様のシンクロール1の構成について、一部を断面で示したその正面図である図2、図2の右側面図である図3(a)、図2のA部の拡大図である図3(b)を参照して説明する。なお、以下の第2態様および第3態様のシンクロールの構成についても同様であるが、基本的に、シンクロールを例として説明する構成はサポートロールにも適用することができる。
図2に示すように、ロール1は、軸芯Iを有する外観が略円柱形状の円筒体である胴部1bと、胴部1bの両端に固定された軸部1dを有している。軸部1dは、胴部1bと同軸に配置されるとともに胴部1bの軸心Iに沿う方向(以下、この方向を軸心方向と言う。)に胴部1bの両端から延びており、その端に配置された軸受(すべり軸受)87により回転自在に支承されている。そして、中空部1nを有する胴部1bの端部には、軸部1dが接続される嵌合孔部1aが配置されている。以下、胴部1b、軸部1dの構成について説明するが、胴部1bの両端に配置される二の軸部1dおよび嵌合孔部1aの構成ならびにそれらと胴部1bとの関係は同一であるので、右側の軸部1dおよび嵌合孔部1aのみ説明し、左側の軸部1dおよび嵌合孔部1aの説明は省略する。
[胴部]
図2および図3に示すように、望ましくはセラミックスで構成された胴部1bは、めっき処理される鋼板Pが直接接触するその外周面が、所定の外径となるよう形成されている。本態様の胴部1bは、軸芯Iに直交する方向(以下、この方向を半径方向と言う。)に沿った断面形状が略円形状である略円柱形状の中空部1nを有する略円筒形状をなしている。なお、図示する胴部1bは、嵌着孔部1a以外の部分の軸芯方向における肉厚が同一であるが、その肉厚は変化するように構成してもよく、厚肉部および薄肉部を適宜配置してもよい。
図3(b)に示すように、胴部1bの端に配置された嵌合孔部1aは、軸芯方向において、胴部1bの右端面に開口するとともに胴部1bの軸芯Iと同軸に配置された大径孔部1iと、大径孔部1iよりも左方(内方)に当該大径孔部1iと同軸に配置された小径孔部1jとを有している。そして、本態様の嵌合孔部1aの大径孔部1iおよび小径孔部1jはいずれも半径方向に延びる端面1k・1Lを有し、小径孔部1jの外周面は大径孔部1iの端面1kに直接接続するように連続して配置されている。なお、大径孔部1iと小径孔部1jの半径方向における断面形状は、いずれも略円形状であるが、その断面形状はこれに限定されず、嵌合孔部1aに嵌入れ固定される軸部1dに対応して形成すればよい。また、大径孔部1iと小径孔部1jはいずれも軸芯方向の直径が同一の略円盤形状であるが、胴部1bの端面側から内方に向け縮径する傾斜孔としてもよい。
[軸部]
図2および図3(a)に示すように、望ましくはセラミックスで構成された軸部1dは中空の略円筒形状であり、胴部1bに嵌着される大径の嵌合部1eと、すべり軸受87で支承される小径の支承部1gと、大径部1eと小径部1gとを連結する連結部1fとを有している。軸部1dは中実であってもよい。なお、半径方向に沿った断面における軸部1dの外周縁の形状は略円形状である必要はなく、三角形状・四角形状その他多角形状または楕円形状であってもよいが、ロール1が回転する際に生じる振動の発生を抑制する点から、回転バランスを確保できる略円形状であることが望ましい。また、軸部1dをセラミックスで構成するとめっき浴による腐蝕磨耗が抑制され望ましいが、セラミックスは靭性に乏しく、鋭角な部分が存在すると破壊の起点となるため、連結部1fと嵌合部1eおよび支承部1gの結合部分は、軸心方向に沿う断面視において各々滑らかな曲線で形成することが望ましい。
図2において、符号1hは、軸心方向にロール1を支持するスラスト受け部である。望ましくはセラミックスで構成されたスラスト受け部1hは、支承部1gの端部開口に挿着されており、ロール1の回転性を考慮し、軸受に接触する面積が小さくなるように構成されており、その右端面の半径方向に沿う断面視は、右方向に凸である全体として円弧状をなしている。また、図3(a)において符号1pは、胴部1bの中空部1nに通じるめっき浴の流通孔である。軸心周りに60°のピッチで等角度に形成された流通孔1pは、嵌合部1eの外周面に複数条形成された軸芯方向に延びる溝と嵌合孔部1aの内周面で画成された貫通孔であり、ロール1を浸漬した際に胴部1bの中空部1nへめっき浴を導入して熱衝撃による割損を防止するとともに、ロール1をめっき浴から引き上げる際に当該中空部1nからめっき浴を排出し、中空部1nに残存するめっき浴が凝固し、ロール1が破損することを防止する。また、中空部1nに貫通孔1pを通じてめっき浴を導入してロール1の内部の空気を排出することで、浮力で上昇したロール1の軸部が過大な力で軸受と接触し、その磨耗が進行することを抑制することができる。
なお、流通孔1pの構成は、好ましい態様である図示に限定されることなく、異なる孔径の流通孔1pを複数設けてもよく、流通孔1pを配置する角度ピッチも同一である必要もなく、同一円周上に設ける必要もない。さらに、めっき浴の導入・排出をさらに円滑にするためには、軸心方向から見たときに、図2に示す右側の胴端部に形成した流通孔1pに対し、左側の胴端部に形成した流通孔1pがずれた位置となるように両者を配置してもよい。
そして、図3(b)に示すように、軸部1dの嵌合部1eは、大径孔部1iに嵌合される大径部1mと、小径孔部1jに嵌合される小径部1oとを有している。具体的には、略円筒形状の小径部1oは、軸芯方向において嵌着部1eの左端側に形成されており、小径部1oと同軸に形成された大径部1mは、小径部1oの右方(外方)に配置されている。そして、上記のように大径部1mおよび小径部1oが形成された嵌着部1eを嵌着孔部1aに嵌合することにより、軸部1dは胴部1bに固定される。このように、本態様のロールでは、大径孔部1iに大径部1mを嵌合して軸芯方向において1段目の嵌合部分を設け、小径孔部1jに小径部1oを嵌合して2段目の嵌合部分を設け、その2段の嵌合部分で軸部1dを胴部1bに固定しているので、めっき浴への浸漬直後の熱膨張により1段目の嵌合部分である大径孔部1iと大径部1mとの嵌合が緩んだ場合でも、軸芯方向において内方に形成されている2段目の嵌合部分である小径孔部1jと小径部1oとの嵌合は保持されるので、胴部1bと軸部1dとの固定を維持することができる。なお、嵌合部分は2段に限定されず、軸芯方向に沿い3段以上形成しても構わない。
嵌着部1eと嵌着孔部1aとの嵌合方法は、大径孔部1iと大径部1mとの間および小径孔部1jと小径部1oと間、各々の間に一定の締め代が存するようにそれらの内径または外径を調整し、焼き嵌めまたは冷し嵌めにより固定すればよい。なお、大径孔部1iおよび小径孔部1jの内径で締め代を除した値である嵌合率は、0.01/1000〜0.5/1000の範囲内であるのが好ましい。嵌合率が0.01/1000未満であると、嵌合部1eの締付け力が不十分であり、胴部1bから軸部1dが離脱するおそれがある。また嵌合率が0.5/1000を超えると、締付力が大きくなりすぎ、胴部1bまたは軸部1dが破損するおそれがある。より好ましい嵌合率は0.2/1000〜0.3/1000である。
また、大径孔部1iと大径部1mとの間の締め代よりも小径孔部1jと小径部1oとの間の締め代を大きくしておくことが望ましい。すなわち、図3(b)は胴部1bに軸部1dを固定した状態の図であるが、胴部1bから軸部1dを取り外して各々を別体とした状態において、図3(b)に示すように大径孔部1iの直径をD1、大径部1mの直径をD2、小径孔部1jの直径をD3、小径部1oの直径をD4としたとき、(D2−D1)/D1<(D4−D3)/D3の関係にあることが望ましい。このように1段目の嵌合部分である大径孔部1iと大径部1mとの間の締め代を小さくして締付力を抑制することにより、発明が解決しようとする課題の項で述べた胴部1bの端部の破損を回避できる。一方で、2段目の嵌合部分である小径孔部1jと小径部1oとの間の締め代は大きいので、めっき浴への浸漬直後においても小径孔部1jと小径部1oとの嵌合は保持され、胴部1bと軸部1dとの固定を維持することができる。
さらにまた、図3(a)および(b)に示すように、嵌合部1eの大径部1mには、軸芯方向に沿い形成された溝1cを外周面に形成しておくことが望ましい。このように大径部1mに溝1cを設けると、大径部1mと大径孔部1iを嵌合したときに当該溝1cと大径孔部1iの内周面とで画成された空間が、大径部1mに形成される。そして、当該空間が大径部1mに形成されたロール1をめっき浴に浸漬すると、浸漬直後に当該空間にめっき浴が浸入し、大径部1mを加熱する。これにより大径部1mは、大径孔部1iが形成された胴部1bの端部分とほぼ同時に熱膨張し、両者の熱膨張の時間差による隙間の生成が抑制される。なお、溝1cは、図3(a)に示すように、好ましくは複数条、さら好ましくは等角度で嵌合部1eの外周面に設けることが好ましい。
さらにまた、図3(b)に示すように、大径部1mの左端面および小径部1oの左端面の少なくとも一面は、大径孔部1iの端面1kまたは小径孔部1jの端面1Lと接触していることが望ましい。軸部1dに曲げが作用した場合に、接触している端面で曲げを受けることにより胴部1bの端面に力が集中することを抑制でき、胴部1bの破損を抑制できるからである。
[第2実施形態]
本発明に係わる第2態様のシンクロール2について、図4を参照しつつ説明する。なお、図4に示すシンクロール2おいて、上記シンクロール1と同様な要素については同一符号を付し、詳細な説明を省略する(以下、図5を参照しつつ説明する第3態様のシンクロールについても同様である。)。
第2態様のロール2は、胴部1bの端に固定された接続部2wを有し、軸部1dは、接続部2wを介して胴部1bに固定されており、嵌合部2eは、軸部1dに替え接続部2wに形成されている点で、第1態様のロール1と相違している。以下、接続部2wの構成について詳細に説明する。
[接続部]
略円環形状をなす接続部2wは、図4に示すように、軸芯方向において左方側に形成された小径部1oと、小径部1oの右方(外方)に小径部1oと同軸に形成された大径部1mとを有している。この大径部1mおよび小径部1oが形成された嵌着部2eを嵌着孔部1aに嵌合することにより、接続部2wは胴部1bに固定される。なお、図中符号2pは、貫通孔状に形成されためっき浴の流通孔である。
上記のように胴部1bに嵌合された接続部1wに軸部1dが固定される。ここで、本態様の軸部1dは、好ましい態様として、接続部2wと胴部1bとの間の嵌合と同様な構成により接続部2wに嵌合され固定されている。すなわち、接続部2wは、軸芯方向において、その端面に開口するとともに胴部1bと同軸に配置された大径孔部1qと、大径孔部1qよりも内方に当該大径孔部1qと同軸に配置された小径孔部1rとを有している。一方で、軸部1dは、接続部2wの大径孔部1qに嵌合される大径部1sと、接続部2wの小径孔部1rに嵌合される小径部1tとを有している。そして、接続部2wの大径孔部1qに大径部1mを、小径孔部1rに小径部1oを嵌合することにより、軸部1dは接続部2wに固定される。なお、胴部1bと接続部2wとの嵌合、接続部2wと軸部1dとの嵌合は、上記第1態様のロール1の場合と同様に行えばよい。
[第3実施形態]
本発明に係わる第3態様のシンクロール3について、図5を参照しつつ説明する。第3態様のロール3は、その胴部に設けられた嵌合孔部の大径孔部と小径孔部が、軸芯方向に連続して配置されていない点で、第1態様のロール1と相違する。
すなわち、図5に示すように、本態様の嵌合孔部3aは、大径孔部1iと、軸芯方向において大径孔部1iの内方に形成された小径孔部1jとを有し、さらに大径孔部1iと小径孔部1jとの間に介在された、大径孔部1iから小径孔部1jに向け縮径する傾斜孔部3uを有している。このように、傾斜孔部3uを設けることにより肉厚の急変部において生じる過大な熱応力を抑制することができ、特に胴部1bを脆性材であるセラミックスで構成する場合に特に好適である。なお、図5に示すように、当該胴部1bの嵌合孔部3aに嵌合される軸部1dの嵌合部3eにも、その大径部1mと小径部1oとの間に傾斜部3vを設けてもよい。
[材料構成]
上記第1〜第3態様のロール1〜3の胴部1b、軸部1dおよび接続部2wを好ましくはセラミックスで構成する場合について、その例を説明する。セラミックスとしては、回転体が使用される雰囲気その他の操業条件の要請による耐熱衝撃性・耐蝕性などに応じ、アルミナ・ジルコニア・シリカその他の酸化物系セラミックス、硼化ジルコニウム・硼化チタン・硼化ボロンその他の硼化物系セラミックス、炭化シリコン・炭化ボロンその他の炭化物系セラミックス、またはカーボンなどの無機材料を利用してよい。そして、本態様のシンクロールは、めっき浴への浸漬および取出しの際に急熱・急冷されるため、耐熱衝撃性に優れている必要がある。そのため、胴部1b、軸部1dおよび接続部2wを構成するセラミックスとしては、熱伝導率が高い窒化珪素・窒化アルミその他の窒化物系セラミックスが好ましく、めっき浴である溶融金属に対し高い耐溶損性および耐磨耗性を有し、高温強度に優れた窒化珪素系セラミックスが特に好ましい。以下、胴部1b、軸部1dおよび接続部2wを構成するに好適な窒化珪素セラミックスについて詳述するが、窒化珪素セラミックス自体は特開2001−335368号に記載のものと同じでよい。
窒化珪素セラミックス中に存在するアルミニウム及び酸素はフォノン散乱源となり、熱伝導率を低減させる。窒化珪素セラミックスは、窒化珪素粒子とその周囲の粒界相とから構成され、アルミニウム及び酸素はこれらの相に含有される。アルミニウムは珪素に近いイオン半径を有するため、窒化珪素粒子内に容易に固溶する。アルミニウムの固溶により窒化珪素粒子自身の熱伝導率が低下し、窒化珪素セラミックスの熱伝導率は著しく低下する。従って、窒化珪素セラミックス中におけるアルミニウムの含有量はできるだけ少なくすることが望ましい。
焼結助剤として添加する酸化物中の酸素の多くは粒界相に存在する。窒化珪素セラミックスの高熱伝導率化を達成するには、窒化珪素粒子に比べて熱伝導率が低い粒界相の量を低減することが必要である。焼結助剤の添加量の下限は、8.5%以上の相対密度を有する焼結体が得られる量である。焼結助剤の添加量をこの範囲内でできるだけ少なくすることにより、粒界相中の酸素量を低減させることが望ましい。
酸素量の少ない窒化珪素粉末を原料とすると、粒界相中の酸素量が低減できるために粒界相の量自体を低減でき、焼結体の高熱伝導率化が達成されるが、焼結過程で生成するSiOの量の減少により難焼結性となる。ところが、他の酸化物より焼結性に優れたMgOを焼結助剤として用いると、焼結助剤の添加量を少なくして、緻密な焼結体を得ることができる。その結果、焼結体の熱伝導率は飛躍的に高くなる。
また、マグネシウムとともに添加し得る焼結助剤としては、Y、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb,Lu等の周期律表第3族(後述)が挙げられる。なかでも、焼結温度及び圧力が高くなり過ぎないという点で、Y、La、Ce、Gd、Dy、Ybが好ましい。
本発明に使用する窒化珪素セラミックスの常温における熱伝導率は50W/(m・K)以上であり、より好ましくは60W/(m・K)以上である。従って、窒化珪素系セラミックス中の酸素含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには5重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには3重量%以下である。また窒化珪素粒子中の酸素含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには2.5重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには1.5重量%以下である。さらに窒化珪素系セラミックス中のアルミニウムの含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには0.2重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには0.1重量%以下である。
窒化珪素セラミックス中の酸化マグネシウム(MgO)と周期律表第3族元素酸化物の合計量は0.6〜7重量%であるのが好ましい。その合計量が0.6重量%未満では、焼結体の相対密度が95%未満と不十分である。一方7重量%を超えると、熱伝導率の低い粒界相の量が過剰となり、焼結体の熱伝導率が50W/(m・K)未満となる。MgO+第3族元素酸化物は0.6〜4重量%であるのがより好ましい。
MgO/第3族元素酸化物の重量比は1〜70が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が最も好ましい。MgO/第3族元素酸化物が1未満では、粒界相中の希土類酸化物の割合が多すぎるため、難焼結性となり緻密な焼結体が得られない。また、MgO/
第3族元素酸化物が70を超えると焼結時におけるMgの拡散を抑制できず、焼結体表面に色むらが生じる。Mg/第3族元素酸化物が1〜70の範囲にあると、1650〜1850℃での焼結により高熱伝導率化が著しい。焼結体を1800〜2000℃で熱処理すると、さらに高熱伝導率化される。熱処理による高熱伝導率化は、窒化珪素粒子の成長と蒸気圧の高いMgOの揮発による。
窒化珪素粒子中のアルミニウム、マグネシウム及び周期律表第3族元素の合計量は1.0重量%以下であるのが好ましい。
窒化珪素焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合が10体積%超では、焼結体の熱伝導率は向上するが、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用するため破壊強度が著しく低下し、700Mpa以上の曲げ強度が得られない。従って、窒化珪素焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合は10体積%以下であるのが好ましい。同様に、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用することを抑えるために、β型窒化珪素粒子のアスペクト比は15以下であるのが好ましい。
シンクロール1において胴部1aを形成する窒化珪素セラミックスは、急激な温度変化に対して十分な抵抗力を有する必要がある。急激な温度変化に対する抵抗力は下記式(1):
R=αc(1−ν)/Eα・・・(1)
( 但し、αc:常温における4点曲げ強度(MPa)、ν:常温におけるポアソン比、E:常温におけるヤング率(MPa)、α:常温から800℃までの平均熱膨張係数)
により表される係数で表される係数Rは600以上であるのが好ましく、700以上であるのがより好ましい。係数Rが600未満であると軸部1dおよび接続部1jが破壊するおそれがある。係数Rは、軸部1dおよび接続部1jから切り出した試験片に対して測定した常温における4点曲げ強度αc(MPa)
、常温におけるポアソン比ν、常温におけるヤング率E(MPa)及び常温から800℃までの平均熱膨張係数αから求める。
1(2、3)シンクロール
1a 嵌合孔部
1b 胴部
1c 溝
1d 軸部
1e 嵌合部
1i 大径孔部
1j 小径孔部
1m 大径部
1o 小径部
1p 流通孔
2w 接続部
7 サポートロール

Claims (5)

  1. 軸芯を備えた外観が略円柱形状の胴部と、前記胴部の端に固定された軸部とを有し、前記胴部は、軸芯方向において、その端面に開口するとともに前記胴部と同軸に配置された大径孔部と、前記大径孔部よりも内方に当該大径孔部と同軸に配置された小径孔部とを有する嵌合孔部を備え、前記軸部は、前記大径孔部に嵌合される大径部と、前記小径孔部に嵌合される小径部とを有する嵌合部を備える溶融金属めっき浴用ロール。
  2. 前記胴部の端に固定された接続部を有し、前記軸部は、前記接続部を介して前記胴部に固定されており、前記嵌合部は、前記軸部に替え前記接続部に形成されている請求項1に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  3. 前記胴部と前記軸部とが別体の状態において、前記大径孔部の直径をD1、前記大径部の直径をD2、前記小径孔部の直径をD3、前記小径部の直径をD4としたとき、(D2−D1)/D1<(D4−D3)/D3の関係にある請求項1または2のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  4. 前記大径部は、軸芯方向に沿い形成された溝または孔を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  5. 前記接続部は、軸芯方向において、その端面に開口するとともに前記胴部と同軸に配置された大径孔部と、前記大径孔部よりも内方に当該大径孔部と同軸に配置された小径孔部とを有し、前記軸部は、前記接続部の大径孔部に嵌合される大径部と、前記接続部の小径孔部に嵌合される小径部とを有する請求項2に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
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