JP2012241209A - 溶融金属めっき浴用ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル性に優れた溶融金属めっき浴用ロールおよび溶融金属めっき浴への浸漬時に軸部が離脱しがたい溶融金属めっき浴用ロールを提供する。
【解決手段】外観が略円柱形状のセラミックスからなる胴部1aと、前記胴部の端から軸方向Iに延びる外観が略円柱形状の軸部1dとを有する溶融金属めっき浴に浸漬される溶融金属めっき浴用ロール1であって、前記軸部は、前記胴部の端に接合される接続部4を介し前記胴部に接合されており、前記接続部は、前記胴部の端が嵌着される環状部を有する溶融金属めっき浴用ロールである。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼板の表面に金属めっきを施すめっき装置において、溶融金属めっき浴に浸漬される溶融金属めっき浴用ロールに関する。
上記技術分野に係わる従来の技術の一例が、下記特許文献1および2に開示されている。特許文献1に開示された溶融金属めっき浴用ロールは、「ロール胴部と軸部をそれぞれセラミックスにより中空状に形成し、ロール胴部の両端部に軸部を接合したことを特徴とする溶融金属浴中に浸漬して用いられる連続溶融金属めっき用ロール」であり、具体的には、軸部端部の外周に形成された雄ねじとロール胴部の端部の内周に形成された雌ねじとを螺合することにより、ロール胴部に軸部は固定される。
特許文献2に開示された溶融金属めっき用ロールは、「ロール胴部とロール軸部が滑って空転することを防止するための回り止めフランジ部材の中空部に中空状のロール軸部を貫通させるとともに、該フランジ部材の外周部に、セラミックスにより中空状に形成したロール胴部を嵌合したことを特徴とする連続溶融金属めっき用ロール」である。
特許4147509号公報 特許4474639号公報
かかる特許文献1および2に開示された溶融金属めっき浴用ロール(以下、単に「ロール」という場合がある。)によれば、その胴部および軸部が、溶融金属めっき浴に対する耐蝕性、軸受との摩擦磨耗に対する耐磨耗性に優れたセラミックスで構成されているので、ロールの長寿命化が図れ、金属製のロールと比較して、寿命によるロール取替えに伴う操業損を減ずることができるという利点がある。
ここで、上記ロールの寿命原因は、軸受との磨耗により進行する軸部の損耗が主因であり、胴部の損耗は比較的少ない。そして、セラミックスで構成された胴部は大径であることからとりわけ高価であり、胴部が継続して使用可能な状態であれば磨耗した軸部や当該軸部が固定されるフランジ部材(以下、この項において総じて軸部という。)を分離し、新たな軸部を取り付けてロールを再使用(リサイクル)可能な技術が要請されていた。軸部を中空状の胴部の内面に固定した構造である上記2例のロールにおいて、胴部から軸部を取り外す方法としては、胴部の内面との密着面近傍の軸部を研削加工等により除去する加工除去法等がある。しかしながら、上記2例のロールは、いずれもその軸部を中空状の胴部の内面に固定した構造であるため、この方法を適用し難く、高価な胴部のリサイクルが進まないという問題があった。
加えて、溶融金属めっき浴にロールを浸漬した際、特に浸漬の初期段階において、浸漬条件によっては胴部から軸部が離脱する可能性があるという問題が僅かながらあった。すなわち、上記2例のロールは軸部を中空状の胴部の内面に固定した構造であり、溶融金属からの熱は、胴部を伝熱して加熱し、次いで胴部と軸部との接触界面を伝達して軸部に達し、軸部を加熱する。このように、溶融金属めっき浴の熱の伝播には胴部および軸部で時差があり、内面に軸部を固定している胴部は肉厚である、しかして、特にロールを溶融金属めっき浴に浸漬した初期段階においては、軸部が充分に加熱されず胴部のみが加熱膨張し、浸漬条件によっては、半径方向において軸部が胴部から離間して離脱する可能性が僅かながらあった。
本発明は、上記従来の技術の問題点を鑑み本発明者らが鋭意検討してなされたものであり、リサイクル性に優れた溶融金属めっき浴用ロールを提供することを第1の目的とし、その第1の目的を果たすとともに溶融金属めっき浴への浸漬時に軸部が離脱しがたい溶融金属めっき浴用ロールを提供することを第2の目的としている。
上記第1の目的を達成する本発明の一態様は、外観が略円柱形状のセラミックスからなる胴部と、前記胴部の端から軸方向に延びる外観が略円柱形状の軸部とを有する溶融金属めっき浴に浸漬される溶融金属めっき浴用ロールであって、前記軸部は、前記胴部の端に接合される接続部を介し前記胴部に接合されており、前記接続部は、前記胴部の端が嵌着される環状部を有することを特徴とする溶融金属めっき浴用ロールである。なお、前記接続部は、前記軸部と別体であり、その一端に前記環状部を備え、その他端に前記軸部が嵌着される孔部を備えることが好ましい。
さらに、前記胴部は中空部を有する円筒体であり、前記胴部の半径方向において前記環状部の厚みは、前記胴部の厚み未満であることが好ましく、これにより上記第2の目的を達成することができる。なお、この好ましい態様において、前記胴部の中空部に溶融金属めっき浴を導入する流路が形成されていることが望ましい。
さらに、前記胴部は、その端部に小径部を備え、前記小径部が前記環状部に嵌着されていることが望ましく、前記環状部の最大外径は、前記胴部の最大外径以下であることがより好ましい。
加えて、前記接続部は、セラミックスで構成されていることが望ましく、さらに前記軸部も、セラミックスで構成されていれば好適である。
上記本発明によれば、その課題を解決することが可能となる。
溶融金属めっき浴装置の構成を示す図である。 図1の溶融金属めっき浴装置に組み込まれた第1態様のシンクロールの一部が断面図である正面図である。 図3(a)は図2の右側面図、図3(b)は図2の拡大断面図、図3(c)は図2のシンクロールの変形例である。 図1の溶融金属めっき浴装置に組み込まれた第2態様のシンクロールの一部が断面図である正面図である。 図2のシンクロールから加工除去法により接続部を取り外す方法を説明するする図である。
以下、本発明について、その第1および第2実施態様に基づき、図面を参照しつつ説明する。なお、以下説明する本発明の各要素は、単独にまたは適宜組み合わせて利用することができ、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変形して利用することができる。
[溶融金属めっき装置]
まず、本発明に係わる溶融金属めっき浴用ロールが組み込まれる溶融金属めっき装置について、図1を参照しつつ説明する。図1に示すように、溶融金属めっき装置80は、溶融金属めっき浴(以下単に「めっき浴」と言う場合がある。)81を入れた浴槽82と、めっき浴81の表層部分に浸漬されて、めっき浴81の内に導入される鋼板の酸化を防止するためのスナウト83と、めっき浴81の中に配置されたシンクロール1と、めっき浴81の内でシンクロール1の上方に位置する一対のサポートロール3と、めっき浴81の表面より僅か上方に位置するガスワイピングノズル86とを有する。シンクロール1自体には外部駆動力が付与されず、移動する鋼板Pとの接触により駆動される。またサポートロール3は、通例、サポートロール3が外部のモーター(
図示せず) に連結された駆動ロールである。なお、サポートロール3には外部駆動力が付与されない無駆動タイプもある。溶融金属めっき浴用ロールであるシンクロール1及び一対のサポートロール3は、フレーム84・85に取り付けられた軸受87・88により回転自在に各々支持されており、常に一体としてめっき浴81の内に浸漬される。
鋼板Pは、スナウト83を経てめっき浴81の内に斜方から進入し、シンクロール1を経由して上方に進行方向を変えられる。めっき浴81の中を上昇する鋼板Pは一対のサポートロール3に挟まれ、パスラインが保たれるとともに、反りや振動が防止される。ガスワイピングノズル86は、めっき浴81から出てきた鋼板P1に高速ガスを吹き付ける。高速ガスのガス圧により、鋼板P1に付着した溶融金属めっきの厚さを均一に調整する。このようにして、溶融金属めっきが施された鋼板P1を得ることができる。
[第1態様のシンクロール]
図1のめっき装置80に組み込まれる第1態様のシンクロール1の構成について、その正面から見た一部が断面図である図2、図2の右側面図である図3(a)、図2の拡大断面図である図3(b)を参照して説明する。なお、以下の第2態様のシンクロールの構成についても同様であるが、基本的に、シンクロール1を例として説明する構成はサポートロール3にも適用することができる。
図2・図3(a)に示すように、シンクロール1は、回転中心となる軸心Iを有する外観が円柱形状のセラミックス製の胴部1aと、胴部1aと同軸に配置されるとともに胴部1aの両端から軸心Iに沿う方向(以下軸心方向と言う。)に軸部1dを基本的な構成として有するとともに、胴部1aの端に接合された接続部4を有し、この接続部4を介して軸部1dは胴部1aに固定されている。なお、胴部1aの端に配置される各々二の接続部4および軸部1dの構成およびそれらと胴部1aとの関係は同一であるので、図示右側の接続部4および軸部1dのみ説明し、左側の接続部4および軸部1dの説明は省略する。
[胴部]
外径d1である外周面と中空部1bを有する略円筒形状のセラミックス製の胴部1aは、胴部1aの軸心Iと同軸に外周面が形成された略円筒形状の小径部1cを両端に有している。なお、シンクロール1は、めっき浴への浸漬時および引上時に急熱・急冷されるために、その表面と内部との温度分布が異なると過大な応力が生じ、割損する可能性があるので、胴部1aに中空部1bを設け、胴部1aの軸心Iに直交する方向(以下半径方向と言う。)において一定の厚みt1を有することが好ましいが、中空部1bを設けず胴部1aを中実としてもよい。また、胴部1aは、鋼板に接触する部分の外観が略円柱形状であればよく、他の部分は、めっき浴中のスラグの付着防止や回転バランスの調整などを考慮し適宜な形状に設定すればよい。
[軸部]
中実状である略円柱形状の軸部1dは、胴部1aの側に形成された大径部1eと、胴部1aの反対側に形成され回転自在に軸受で支持される小径部1gと、大径部1eと小径部1gとを連結する中間部1fとを有しており、大径部1eが接続部4に固定される。図2において符号1hは、軸心方向にシンクロール1を支持するスラスト受け部である。この大径部1eと中間部1fの結合部および中間部1fと小径部1gの結合部の各々の表面は、鋭角な部分が存在すると破壊の起点となるため、軸心方向に沿う断面視において滑らかな曲線となっている。なお、軸部1dを構成する材料は特段に限定されることはなく金属でもよいが、めっき浴に対する耐蝕性の点からセラミックスで構成することが望ましく、めっき浴からの伝熱による膨張を同一にする点から胴部1aと同一のセラミックスで構成することが更に望ましい。
[接続部]
胴部1aの端に固定される接続部4は、図2に示すように、軸心Iに沿う断面視がコの字形状をなしており、図3(b)に示すように、略円板形状の基部4bと、基部4bの外周部に形成された環状部4aを有している。まず、基部4bについて説明する。基部4bは、その中央部に、胴部1aの軸心Iと同軸に形成された孔部4cが配置され、この孔部4cに軸部1dの大径部1eが挿入され固定される。なお、接続部4への軸部1dの固定方法は、例えば接続部4の孔部4cおよび軸部1dの大径部1eに各々形成した螺子により、あるいは別途設けた固定部材により固定してもよいが、シンクロール1の操業の安定性およびコストの面から、焼嵌めや冷嵌めにより固定することが好ましい。その焼嵌め率は0.01/1000〜0.5/1000の範囲内であるのが好ましい。焼嵌め率が0.01/1000未満であると、接続部4による軸部1dの締付け力が不十分であり、軸部1dが接続部4から脱落するおそれがある。また焼嵌め率が0.5/1000を超えると、焼嵌めによる締付け力が大きくなりすぎ、軸部1dまたは接続部4が破損するおそれがある。より好ましい焼嵌め率は0.2/1000〜0.3/1000である。なお、以下で述べる、接続部4の胴部1aに対する固定も上記と同様に焼嵌めや冷嵌めで行うことが望ましい。
さらに、基部4bは、半径方向においてその外周面と孔部4cの内周面との間に形成された、軸心方向に貫通する小径の貫通孔4iを好ましい構成要素として有し、図3(a)に示すように、貫通孔4iは、軸心周りに30°のピッチで等角度に形成されている。この貫通孔4iは、シンクロール1をめっき浴に浸漬した際に、溶融金属が流通する流路となる。すなわち、シンクロール1をめっき浴に浸漬する場合には、溶融金属は、流路4iを通じ胴部1aの中空部1bに導入され胴部1aをその内面から加熱し、シンクロール1の熱衝撃による割損を防止するとともに胴部1aと接続部4との離間を防止する。一方で、シンクロール1をめっき浴から取り出す場合には、中空部1bに導入された溶融金属は、流路4iを通じ外部に排出され溶融金属が中空部で凝固することを防止する。また、シンクロール1の中空部1bに流路4iを通じて溶融金属を導入することにより、中空部1bに存在する空気を排出でき、もって浮力で上昇し過大な力で軸受と接触して磨耗が進行することを抑制することができる。なお、流路4iの構成は、好ましい態様である図示に限定されることなく、異なる孔径の流路4iを複数設けてもよく、流路4iを配置する角度ピッチも同一である必要もなく、同一円周上に設ける必要もない。さらに、溶融金属の導入・排出をさらに円滑にするためには、軸心方向から見たときに一方の接続部4の流路4iに対し、他方の接続部4の流路4iがずれた位置となるように両者を配置してもよい。また、接続部4の孔部4cの内周面に軸心方向に伸びる溝を形成し、軸部1dの大径部1eが接続部4に固定されたときに大径部1eの外周面と溝との組合せにより流路が構成されるようにしてもよい。
次に、接続部4を構成する環状部4aについて説明する。図3(b)に示すように、基部4bと継ぎ目なくその外周部に一体的に設けられた本態様の環状部4aは、胴部1aの小径部1cの外径d3とほぼ同一内径である孔部4eを有し、この孔部4eに小径部1cが嵌着され固定されている。この胴部1aと接続部4の固定方法は、既に述べたように、焼嵌めまたは冷嵌めで行うことが望ましいが、本態様の接続部4は、寸法の大きな胴部1aの外周面を環状部4aの孔部4eに挿入し焼嵌めまたは冷嵌めするので、胴部の中空部に接続部を焼嵌めまたは冷嵌めする場合に比べ、同様な焼嵌率であっても締め代が大きくなり、作業の容易化を図ることができるという副次的な効果が生じる。
ここで、本発明に係わるシンクロールは、接続部4の環状部4aに設けた孔部4eに胴部1aの端を挿入し固定するという基本構成を採用している。そのため、中空状胴部の中空部に接続部を挿入し固定するという従来のシンクロールにおいて拘束条件であった胴部の内径や軸部の外径を考慮する必要が少なく、接続部4の寸法や形状を設定する際の自由度が高い。そして、本態様の接続部4においては、環状部4aの肉厚t2は、胴部1aの大径部分の肉厚t1よりも薄く形成した。このように環状部4aを構成することは、胴部1aから接続部4を容易に分離可能にするという本願の第1目的からすれば必須ではない。しかしながら、めっき浴にシンクロール1を浸漬した際の接続部(第2態様のシンクロール2においては軸部)の離脱を防止するという本願の第2目的に対しては有効である。すなわち、シンクロール1をめっき浴に浸漬すると、溶融金属の熱は環状部4aを伝熱し、その後胴部1aの小径部1cへ互いの界面を通じて伝熱される。ここで、環状部4aは、胴部1aに対し薄肉であるため、溶融金属の熱は速やかに環状部4aを伝熱し、またその熱は小径部1cへも時差少なく伝熱され、両者は一様に加熱される。しかして、環状部4aおよび小径部1cの熱膨張はほぼ同一となり、両者の熱膨張の態様の差による胴部1aからの接続部4の離脱の可能性が低下する。この効果は、シンクロール1をめっき浴に浸漬した初期段階において顕著である。
なお、図3(b)に示すように、接続部4(環状部4a)の外径d2は、胴部1aの外径d1以下とし、半径方向において、接続部4が、胴部1aの外周面から突出しないように配置することが望ましい。胴部1aの外周面に接触しつつ走行する鋼板は、条件によっては軸心方向に移動する場合があり、鋼板との接触による接続部4の破損を防止するためである。
さらに、本態様の接続部4においては、好ましい形態として、環状部4aの孔部4eに挿入された胴部1aの小径部1cは、その端面が基部4bの左側面4hに密着することにより軸心方向の位置決めがなされ、環状部4aの左側面4gと胴部1aの大径部分の右端面1jとの間には軸心方向に隙間1kが形成されている。軸心方向における接続部4の位置決め固定するに際し、このように小径部1cの端面と基部4bの左側面4hとを密着させ両面の間への溶融金属の侵入を防止するとともに、外部に開放された間隙1kを設けることにより、シンクロール1をめっき浴に浸漬した際に当該間隙1kに浸入した溶融金属は、シンクロール1の引き上げ時に容易に排出されるので、引き上げ後の溶融金属の固化によるシンクロール1の割れを抑制することができる。
加えて、本態様の接続部4には、環状部4aの孔部4eの内周面と基部4bの左側面4hの交点に、符号4fで示す、その断面視が円の一部である逃がし部が好ましい構成要素として円環状に形成されている。小径部1cの外周面の角部が挿入可能な逃がし部4fにより、胴部1aを接続部4に組合せる際の組立性が向上するとともに、応力拡大係数が減少し鋭角な角部からの熱応力による接続部4の破損を抑制することが可能となる。加えて、図5を参照して下記で詳述するように、逃がし部4fを設けておくことにより接続部4の分離作業が極めて容易となる。なお、逃がし部4fの形状は上記に限定されず、その断面視は矩形状・三角形状その他角部を掘り下げた凹形状であればよいが、接続部4の破損防止という点からその形状は円または楕円の一部であることが望ましい。
上記構成のシンクロール1において、接続部4を胴部1aから分離する方法の一例について、加工除去法による分離方法を説明する図である図5を参照しつつ説明する。
図5に示すように、本態様の加工除去法では、軸心方向において環状部4aの孔部4eの長さ(深さ)よりも大きい幅を有する円板状の砥石GWを用い、以下の手順で接続部4を胴部1aから分離する。まず、軸心方向において、砥石GWの左側面が、隙間1kの中に位置するよう、環状部4aの孔部4eのうえに砥石GWを位置あわせする。次いで、軸心回りにシンクロールを回転させつつ砥石GWを軸心方向に向け送り込むと、環状部4aは、砥石GWにより除去される。ここで、砥石GWの外周面が、接続部4の逃がし部4fに到達した時点で砥石GWの送り込みを停止すると、逃がし部4fで接続部4は分離され、環状部4aの一部のみが小径部1cに残存した状態となっている。この残存した環状部4aは非常に薄くなっているので、打砕など適宜な方法で除去すればよい。以上により、小径部1cを損傷させることなく、接続部4を胴部1aから分離することができる。
上記加工除去法による接続部4の分離方法で例示したように、本態様のシンクロール1において、胴部1aは接続部4の孔部4eに嵌め入れされており、胴部1aとの接合を担っている環状部4aは外部に露出しているので、分離作業を外部から容易に行うことができ、高価な胴部1aのリサイクル性を高めることができる。
なお、上記シンクロール1のように、胴部に小径部を設ける点、接続部に流路を設ける点、および半径方向において接続部を胴部の外周面から突出させない点は、本発明において必ずしも必要ではない。以下その点について、上記シンクロール1の変形例である接続部5を有するシンクロールの部分拡大断面図である図3(c)を参照しながら説明する。ここで、図3(c)において、上記で述べたシンクロール1と同一の構成要素については同一符号を付している(以下説明する第2態様のシンクロール2についても同様である。)。
本変形例に係わるシンクロールは、基本的にはシンクロール1と同様であり、胴部1aの端が接続部5の環状部4aの孔部4eに固定され、胴部1aの両端に固定された接続部5の間で露出している胴部1aの外周面に接触しながらめっき浴中を鋼板が走行する構成である。一方で、本変形例に係わるシンクロールは、シンクロール1に対し、胴部1aの端部に小径部が設けられておらず、溶融金属を排出するための流路が無く、さらに半径方向において環状部4aが胴部1aの外周面より突出した状態で配置されている点で相違している。しかしながら、図5を参照して説明したように、本シンクロールにおいても、接続部5を胴部1aから容易に取り外すことが可能であるという点では、シンクロール1と同一の作用を奏することができる。なお、上記シンクロール1と同様に、めっき浴への浸漬時における接続部5の離脱を防止するために、図3(c)に示すように、半径方向における環状部4aの厚みt2を、胴部1aの厚みt1未満とすることが好ましい。
[第2態様のシンクロール]
本発明に係わる第2態様のシンクロール2について、図4を参照しつつ説明する。第2態様のシンクロール2は、基本的に第1態様のシンクロール1と同様に構成されているが、接続部4が、軸部2dの左端に継ぎ目なく一体的に含まれている点、および軸心方向に軸部2dを貫通する中空部2iを有し、この中空部2iが溶融金属の流通する流路の役目を果たしている点で相違している。なお、溶融金属による加熱に伴う熱応力の発生を抑制するとともに製造の容易化の点から、軸部2dを構成する大径部1e、中間部1fおよび小径部1gの肉厚がほぼ同一となるよう、中空部2iを形成することが望ましい。
[材料構成]
以下、上記胴部1a、接続部4・5および軸部1d・2dを構成する材料がセラミックスである場合に、その好適な例について説明する。なお、本発明において、必然的にセラミックスである必要があるのは胴部1aのみであり、接続部4・5および軸部1d・2dは例えば金属で構成してもよいが、溶融金属めっき浴用ロールであるシンクロールでは、全ての部材をセラミックスで構成することが、使用中における破損や損耗を防止するために好ましい。
セラミックスとしては、回転体が使用される雰囲気その他の操業条件の要請による耐熱衝撃性・耐蝕性などに応じ、アルミナ・ジルコニア・シリカその他の酸化物系セラミックス、硼化ジルコニウム・硼化チタン・硼化ボロンその他の硼化物系セラミックス、炭化シリコン・炭化ボロンその他の炭化物系セラミックス、またはカーボンなどの無機材料を利用してよい。そして、本態様のシンクロールは、めっき浴への浸漬および取出しの際に急熱・急冷されるため、耐熱衝撃性に優れている必要がある。そのため、シンクロールを構成するセラミックスとしては、熱伝導率が高い窒化珪素・窒化アルミその他の窒化物系セラミックスが好ましく、めっき浴である溶融金属に対し高い耐溶損性および耐磨耗性を有し、高温強度に優れた窒化珪素系セラミックスが特に好ましい。以下、シンクロールを構成するに好適な窒化珪素セラミックスについて詳述するが、窒化珪素セラミックス自体は特開2001−335368号に記載のものと同じでよい。
窒化珪素セラミックス中に存在するアルミニウム及び酸素はフォノン散乱源となり、熱伝導率を低減させる。窒化珪素セラミックスは、窒化珪素粒子とその周囲の粒界相とから構成され、アルミニウム及び酸素はこれらの相に含有される。アルミニウムは珪素に近いイオン半径を有するため、窒化珪素粒子内に容易に固溶する。アルミニウムの固溶により窒化珪素粒子自身の熱伝導率が低下し、窒化珪素セラミックスの熱伝導率は著しく低下する。従って、窒化珪素セラミックス中におけるアルミニウムの含有量はできるだけ少なくしなければならない。
焼結助剤として添加する酸化物中の酸素の多くは粒界相に存在する。窒化珪素セラミックスの高熱伝導率化を達成するには、窒化珪素粒子に比べて熱伝導率が低い粒界相の量を低減することが必要である。焼結助剤の添加量の下限は、8.5%以上の相対密度を有する焼結体が得られる量である。焼結助剤の添加量をこの範囲内でできるだけ少なくすることにより、粒界相中の酸素量を低減させる必要がある。
酸素量の少ない窒化珪素粉末を原料とすると、粒界相中の酸素量が低減できるために粒界相の量自体を低減でき、焼結体の高熱伝導率化が達成されるが、焼結過程で生成するSiOの量の減少により難焼結性となる。ところが、他の酸化物より焼結性に優れたMgOを焼結助剤として用いると、焼結助剤の添加量を少なくして、緻密な焼結体を得ることができる。その結果、焼結体の熱伝導率は飛躍的に高くなる。
マグネシウムとともに添加し得る焼結助剤としては、Y、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb,Lu等の周期律表第3族(後述)が挙げられる。なかでも、焼結温度及び圧力が高くなり過ぎないという点で、Y、La、Ce、Gd、Dy、Ybが好ましい。
本発明に使用する窒化珪素セラミックスの常温における熱伝導率は50W/(m・K)以上であり、より好ましくは60W/(m・K)以上である。従って、窒化珪素系セラミックス中の酸素含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには5重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには3重量%以下である。また窒化珪素粒子中の酸素含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには2.5重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには1.5重量%以下である。さらに窒化珪素系セラミックス中のアルミニウムの含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには0.2重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには0.1重量%以下である。
窒化珪素セラミックス中のマグネシウムMgOと周期律表第3族元素酸化物の合計量は0.6〜7重量%であるのが好ましい。その合計量が0.6重量%未満では、焼結体の相対密度が95%未満と不十分である。一方7重量%を超えると、熱伝導率の低い粒界相の量が過剰となり、焼結体の熱伝導率が50W/(m・K)未満となる。MgO+第3族元素酸化物は0.6〜4重量%であるのがより好ましい。
MgO/第3族元素酸化物の重量比は1〜70が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が最も好ましい。MgO/第3族元素酸化物が1未満では、粒界相中の希土類酸化物の割合が多すぎるため、難焼結性となり緻密な焼結体が得られない。また、MgO/
第3族元素酸化物が70を超えると焼結時におけるMgの拡散を抑制できず、焼結体表面に色むらが生じる。MO/IIIAが1〜70の範囲にあると、1650〜1850℃での焼結により高熱伝導率化が著しい。焼結体を1800〜2000℃で熱処理すると、さらに高熱伝導率化される。熱処理による高熱伝導率化は、窒化珪素粒子の成長と蒸気圧の高いMgOの揮発による。
窒化珪素粒子中のアルミニウム、マグネシウム及び周期律表第3族元素の合計量は1.0重量%以下であるのが好ましい。
窒化珪素焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合が10体積%超では、焼結体の熱伝導率は向上するが、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用するため破壊強度が著しく低下し、700Mpa以上の曲げ強度が得られない。従って、窒化珪素焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合は10体積%以下であるのが好ましい。同様に、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用することを抑えるために、β型窒化珪素粒子のアスペクト比は15以下であるのが好ましい。
シンクロール1において胴部1aを形成する窒化珪素セラミックスは、急激な温度変化に対して十分な抵抗力を有する必要がある。急激な温度変化に対する抵抗力は下記式(1):
R=αc(1−ν)/Eα ・・・(1)
( 但し、αc:常温における4点曲げ強度(MPa)、ν:常温におけるポアソン比、E:常温におけるヤング率(MPa)、α:常温から800℃までの平均熱膨張係数)
により表される係数で表される係数Rは600以上であるのが好ましく、700以上であるのがより好ましい。係数Rが600未満であるとロールが破壊するおそれがある。係数Rは、ロールから切り出した試験片に対して測定した常温における4点曲げ強度αc(MPa)、常温におけるポアソン比ν、常温におけるヤング率E(MPa)及び常温から800℃までの平均熱膨張係数αから求める。
1(2) シンクロール
1a 胴部
1b 中空部
1c 小径部
1d(2d) 軸部
3 サポートロール
4(5) 接続部
4a 環状部
4b 基部
4i 流路

Claims (8)

  1. 外観が略円柱形状のセラミックスからなる胴部と、前記胴部の端から軸方向に延びる外観が略円柱形状の軸部とを有する溶融金属めっき浴に浸漬される溶融金属めっき浴用ロールであって、前記軸部は、前記胴部の端に接合される接続部を介し前記胴部に接合されており、前記接続部は、前記胴部の端が嵌着される環状部を有することを特徴とする溶融金属めっき浴用ロール。
  2. 前記接続部は、前記軸部と別体であり、その一端に前記環状部を備え、その他端に前記軸部が嵌着される孔部を備える請求項1に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  3. 前記胴部は中空部を有する円筒体であり、前記胴部の半径方向において前記環状部の厚みは、前記胴部の厚み未満である請求項1または2のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  4. 前記胴部の中空部に溶融金属めっき浴を導入する流路が形成されている請求項3に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  5. 前記胴部は、その端部に小径部を備え、前記小径部が前記環状部に嵌着されている請求項4に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  6. 前記環状部の最大外径は、前記胴部の最大外径以下である請求項5に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  7. 前記接続部は、セラミックスで構成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  8. 前記軸部は、セラミックスで構成されている請求項1乃至7のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
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