JP2013216926A - 溶融金属めっき浴用ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】中空部を有する略円筒形状のセラミックス製の胴部を有するロールにおいて、ロール重量を増量するための粉末を中空部に収納してロールの重量を増量することで相対的に浮力を低減しつつ当該粉末の偏在による操業中におけるロールの回転性の低下が少なく、さらにセラミックス製の胴部の破損を抑制可能なロールを提供する。
【解決手段】軸芯に沿う方向に延びる中空部1bを有する略円筒形状のセラミックス製の胴部1aと、胴部1aの両端に固定された軸部1dとを有する溶融金属めっき浴用ロール1であって、前記軸芯に沿い配置されるとともに中空部1bの内周面に挿着され固定された隔壁2aを有し、中空部1bは、2a隔壁により分割された2以上の収納室2fを構成しており、収納室2fには、ロール重量を増量するための粉末Fが収納されている溶融金属めっき浴用ロールである。
【選択図】図2

Description

本発明は、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金などを溶融してなる溶融金属めっき浴に浸漬して使用される溶融金属めっき浴用ロールに関する発明である
上記技術分野に係わる発明の一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1の溶融金属めっき用ロールは、「連続溶融めっき装置における溶融めっき浴中の被めっき鋼帯を、胴部表面に沿わせて移送するめっき浴中シンクロールにおいて、ロール胴部が中空円筒体からなり、その内側空間内に、ロール重量を増量するための粉末が封入されて、ロール重量Wが、所定の重量範囲内に調整されていることを特徴とする連続溶融めっき装置のめっき浴中シンクロール」、または「連続溶融めっき装置のめっき浴中に導入される被めっき鋼帯を、胴部表面に沿わせて移送するめっき浴中シンクロールにおいて、ロールの胴部内を軸方向に貫通する複数個の筒状空間が、ロール軸を中心とする円周上に位置して周方向に等間隔に設けられており、該複数個の筒状空間内に、ロール重量を増量するための粉末が封入されて、ロール重量Wが、所定の重量範囲内に調整されていることを特徴とする連続溶融めっき装置のめっき浴中シンクロール」、である。なお、以下、前者のめっき浴中シンクロールを第1のロールと、前者のめっき浴中シンクロールを第2のロールと言う。
特開平8−199321号公報
特許文献1の溶融金属めっき浴用ロール(以下、ロールと言う場合がある。)は、鋼鈑により上方に向け作用する引上力に重畳して作用する、比重の大きなめっき浴に浸漬されたロールに生じる浮力により、その軸部と軸受の間に作用する過大な摩擦抵抗を低減し、軸部および軸受の摩耗を低減するとともに鋼鈑とロールとのスリップを防止することを目的としている。そして、当該ロールは、浮力を相対的に低減させる重力をロールに付加するため錘である一定重量の粉末を、その中空円筒体の内側空間または筒状空間に封入させてロールの重量化した構成であるが、次のような問題があった。すなわち、特許文献1の第1のロールにおいて、ロール重量を増量するための粉末は、ロールの胴部ほぼ全長に渡り形成された中空円筒体の内部空間に緻密に充填されるとは限らず、かつ比重の大きなめっき浴による浮力を低減するようその量が調整されているため重量は大である。そのため、中空円筒体の内側空間において粉末の位置が定まらず、操業中におけるロールの回転、傾斜よび変形などにより粉末が特定位置に偏在し、回転するロールの動バランスを悪化させ、ロールの円滑な回転性を阻害する可能性がある。ロールの動バランスが悪化すると、ロールに振動が生じる虞があり、ロールの回転数を高めることができずめっき鋼鈑の生産性が低下し、めっき鋼鈑のめっき品質も劣化させる。
一方で、特許文献1の第2のロールは、ロール重量を増量するための粉末が封入される複数個の筒状空間は、ロール軸を中心とする円周上に位置して周方向に等間隔に設けられているので、浮力を低減しつつ上記第1のロールに対しより円滑にロールを回転せしめることが可能である。しかしながら、上記第2のロールを、めっき浴に対する耐腐食性を向上するためセラミックスで構成された胴部を有するロールに適用した場合には、次のような問題があった。すなわち、セラミックス製の胴部に上記筒状空間を配置すると、径方向の断面において、当該胴部には厚肉部と薄肉部が生じる。すると、高温のめっき浴への浸漬時またはめっき浴からの引き上げ時の熱衝撃のため、脆性材であるセラミックスで構成された胴部が厚肉部において破損する虞があった。また、難削材であり、専ら成形により形状が創生されるセラミックスで構成された胴部に、複数の筒状空間を設けることはコスト的に現実的ではない。
本発明は、上記従来技術を鑑みてなされたものであり、中空部を有する略円筒形状のセラミックス製の胴部と、前記胴部の両端に固定された軸部とを有するロールにおいて、ロール重量を増量するための錘を中空部に収納してロールの重量を増量することで相対的に浮力を低減しつつ当該錘の偏在による操業中におけるロールの回転性の低下が少なく、さらにセラミックス製の胴部の破損を抑制可能なロールを提供することを目的としている。
上記目的を達成する、本発明の一態様は、軸芯と、前記軸芯に沿う方向に延びる中空部とを有する略円筒形状のセラミックス製の胴部と、前記胴部の両端に固定された軸部とを有する溶融金属めっき浴用ロールであって、前記軸芯に沿い配置されるとともに前記中空部の内周面に挿着され固定された隔壁を有し、前記中空部は、前記隔壁により分割されて2以上の収納室を構成しており、前記収納室には、ロール重量を増量するための錘が収納されている溶融金属めっき浴用ロールである。なお、前記錘を粉末で構成する場合には、前記収納室は密閉されていることが望ましい。
なお、前記隔壁は、前記軸芯に対し直交する断面において当該軸芯上を通過するよう配置されていることが望ましい。
さらに、前記中空部の内周面には、前記軸芯に沿う方向に延びる溝が形成されており、前記隔壁は、その端部が、前記溝に挿着され固定されていることが望ましい。
さらに加えて、前記隔壁を第1の隔壁としたとき、前記軸芯に沿う断面で見たときに前記中空部の内周面に挿着され固定された第2の隔壁を有し、前記中空部は、前記第2の隔壁により分割されて2以上の収納室を構成していることが望ましい。
なお、前記隔壁は、前記胴部を構成するセラミックスと熱膨張係数が略同一のセラミックスで構成されていてもよく、金属で構成されていてもよい。隔壁を金属で構成する場合には、前記中空部の内周面と前記隔壁との間には弾性部が配置されていることが望ましく、さらに、前記弾性部は前記隔壁の一部であることが望ましい。
上記弾性部を有する態様の溶融金属めっき浴用ロールの場合、前記軸芯に沿う方向において前記中空部の中央領域に形成され、前記隔壁が挿着される隔壁挿着孔部を有し、前記隔壁挿着孔部の外方には、前記軸芯に沿う方向において外側に向け拡径するテーパ孔部が形成されていることが望ましい。
本発明によれば、その目的を達成することができる。
本発明に係わる第1態様の溶融金属めっき浴用ロールが組み込まれた溶融金属めっき装置の概略構成図である。 図1の溶融金属めっき浴用ロールの正断面図である。 図2の右側面図である。 図2のA−A断面図である。 図3(b)のD部拡大図である。 本発明に係わる第2態様の溶融金属めっき浴用ロールの胴部への隔壁の固定構造を示す部分拡大断面図である。 図2のC部拡大図である。 本発明に係わる第3態様の溶融金属めっき浴用ロールの正断面図である。
以下、本発明について、その第1〜第3実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。なお、以下説明する各実施形態の各要素は、単独にまたは適宜組み合わせて利用することができ、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変形して利用することができる。
[溶融金属めっき装置]
まず、本発明に係わる溶融金属めっき浴用ロールが溶融金属めっき浴に浸漬されて使用される溶融金属めっき装置について、その概略構成図である図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、溶融金属めっき装置80は、溶融金属めっき浴(以下、単にめっき浴と言う場合がある。)81を入れた浴槽82と、めっき浴81の表層部分に浸漬されて、めっき浴81の内に導入される鋼板の酸化を防止するためのスナウト83と、めっき浴81の中に配置された溶融金属めっき浴用ロールであるシンクロール3と、めっき浴81の内でシンクロール3の上方に位置する一対の溶融金属めっき浴用ロールであるサポートロール1・1と、めっき浴81の表面より僅か上方に位置するガスワイピングノズル86とを有する。シンクロール3自体には外部駆動力が付与されず、走行する鋼板との接触により駆動される。またサポートロール1・1は、通例、一方のサポートロール1が外部のモーター(図示せず)に連結された駆動ロールであり、他方のサポートロール1が非駆動ロールである。なお、サポートロール1には外部駆動力が付与されない無駆動タイプもある。溶融金属めっき浴用ロールであるシンクロール3及び一対のサポートロール1・1は、フレーム84・85に取り付けられた軸受87・88により回転自在に各々支持されており、常に一体としてめっき浴81の内に浸漬される。
走行する鋼板Pは、スナウト83を経てめっき浴81の内に斜方から進入し、シンクロール3を経由して上方に進行方向を変えられる。めっき浴81の中を上昇する鋼板Pは一対のサポートロール1・1に挟まれ、パスラインが保たれるとともに、反りや振動が防止される。ガスワイピングノズル86は、めっき浴81から出てきた鋼板P1に高速ガスを吹き付ける。高速ガスのガス圧及び吹き付け角度により、鋼板P1に付着した溶融金属めっきの厚さを均一に調整する。このようにして、溶融金属めっきが施された鋼板P1が得られる。
[第1実施形態]
図1の溶融金属めっき装置80に組み込まれる、本発明の好ましい実施形態である第1態様のサポートロール1の構成について、図2、3、4(a)および5を参照して説明する。ここで、図2は、図1のサポートロール1の正断面図であり、図3(a)は、図2の右側面図であり、図3(b)は、図2のA−A断面図であり、図4(a)は、図3(b)のD部拡大図であり、図5は、図2のC部拡大図である。なお、以下説明する第2および第3態様のサポートロールの構成についても同様であるが、基本的に、サポートロールを例として説明する構成はシンクロールにも適用することができる。
理解のため隔壁2aのハッチングを省略した図2に示すように、サポートロール(以下、単にロールと言う場合がある。)1は、回転中心となる軸芯Iと、軸芯Iに沿う方向(以下、この方向を軸心方向と言う。)に延びる中空部1bを有する略円筒形状のセラミックス製の胴部1aと、胴部1aの両端に固定された2の軸部1dを有している。なお、軸部1dは、その両端に配置されたすべり軸受87により回転自在に支承されている。そして、図3(b)に示すように、ロール1は、軸芯Iに沿い配置されるとともに中空部1bの内周面に挿着され固定された隔壁2aを有し、中空部1bは、隔壁2aにより分割されて4(2以上)の収納室2fを構成しており、収納室2fには、ロール重量を増量するための錘である粉末Fが収納されている。以下、胴部1a、軸部1dおよび隔壁2aの構成について説明するが、胴部1aの両端に配置される二の軸部1dの構成ならびに軸部1dと胴部1aとの関係は同一であるので、右側の軸部1dのみ説明し、左側の軸部1dの説明は省略する。
[胴部]
図2および図3に示すように、めっき浴に対する耐腐食性の点からセラミックスで構成された胴部1aは、めっき処理される鋼板Pが直接接触するその外周面が、所定の外径となるよう形成されている。そして、本態様の胴部1aは、軸芯Iに直交する方向(以下、この方向を半径方向と言う。)に沿った断面形状が略円形状である略円柱形状の中空部1bを有する略円筒形状をなしている。ここで、中空部1bは、軸芯方向において中空部1bの中央領域に設けられた隔壁2aが挿着される隔壁挿着孔部1Lと、隔壁挿着孔部1Lの両側である胴部1aの両端に配置された隔壁挿着孔部1Lよりも大径な接続孔部1cを有し、この接続孔部1cに軸部1dは嵌着され固定されている。
なお、以下の説明では、隔壁2aは、軸芯方向において上記中空部1bの中央領域に設けられた隔壁挿着孔部1Lに挿着され固定されたロール1を例として説明するが、隔壁2aは、軸芯方向において胴部1aの両端に設けられた接続孔部1cの領域まで延設するよう中空部1bに配置してもよい。また、図示する胴部1aは、軸芯方向における肉厚が同一であるが、必要な範囲で肉厚は変化するように構成してもよく、厚肉部および薄肉部を適宜配置してもよい。しかしながら、胴部1aをセラミックスで構成した場合には、めっき浴への浸漬時および引上時に急熱・急冷されるために、肉厚急変部が存在すると過大な熱応力が生じ、割損する可能性がある。このため、胴部1aの厚みは、軸心方向においてほぼ一定の厚みであることが望ましい。
図3(b)および図4に示すように、中空部1bの一部をなす本態様の隔壁挿着孔部1Lの内周面には、好ましい構成要素として、軸芯に直交する方向(以下、半径方向と言う場合がある。)に沿う断面で見たときに、軸芯Iの周りに90度の等角度で配置された、断面が略矩形状の溝1iが形成されている。下記詳述する隔壁2aの半径方向における端が挿着され固定される溝1iは、図2に示すように、軸芯方向において隔壁挿着孔部1Lの全長に渡り形成されている。
[軸部]
図2および図3に示すように、好ましくはセラミックスで構成された軸部1dは中空状であり、胴部1aの接続孔部1cに固定される大径部1eと、すべり軸受87で支承される小径部1gと、大径部1eと小径部1gとを連結する連結部1fとを有している。ここで、軸部1dをセラミックスで構成する場合には、反応性の高いめっき浴による腐蝕が抑制され望ましいが、セラミックスは靭性に乏しく、鋭角な部分が存在すると破壊の起点となるため、連結部1fと大径部1eおよび小径部1gの結合部分は、軸心方向に沿う断面視において各々滑らかな曲線で形成することが望ましい。なお、図2において、符号1hは、軸心方向にロール1を支持するスラスト受け部である。スラスト受け部1hは、小径部1gの端部開口に挿着されており、ロール1の回転性を考慮し、軸受に接触する面積が小さくなるように構成されており、その右端面の半径方向に沿う断面視は、右方向に凸である全体として弧状をなしている。
なお、胴部1aの接続孔部1cに軸部1dを固定する場合には、機械的に固定してもよいが、ロール1の操業の安定性およびコストの面から、例えば焼き嵌めまたは冷し嵌めにより締り嵌めで嵌合することが好ましい。その場合、胴部1bの接続孔部1cの内径で締め代を除した値である嵌合率は0.01/1000〜0.5/1000の範囲内であるのが好ましい。嵌合率が0.01/1000未満であると、接続孔部1cによる軸部1dの締付け力が不十分であり、軸部1dが脱落するおそれがある。また、嵌合率が0.5/1000を超えると、締付け力が大きくなりすぎ、胴部1aまたは軸部1dが破損するおそれがある。より好ましい嵌合率は0.2/1000〜0.3/1000である。
[隔壁]
中空部1bの一部である隔壁挿着孔部1Lに挿着される隔壁2aは、図3(b)に示すように、半径方向における断面形状が十字形状となるよう形成された2枚の板体2dと板体2eとで構成され、互いに直交する同じ長さの4辺を有する形態である。そして、隔壁2aは軸芯Iに沿い配置されており、隔壁挿着孔部1Lの内周面、本態様の場合には隔壁挿着孔部1Lの内周面に形成された4条の溝1iに、その4辺が各々挿着され固定されている。ここで、隔壁2aは、その半径方向の端面が隔壁挿着孔部1Lの内周面に直接接触するように配置して隔壁挿着孔部1L挿着し固定してもよいが、溝1iに挿着して隔壁2aを固定することにより、円周方向への隔壁2aの移動が規制されるので望ましい。
そして、軸芯方向において隔壁2aの両端には、隔壁2aの端面に密着するように配置された略円板形状の封止板2bが配置されている。しかして、図3(b)に示すように、中空部1bの一部である隔壁挿着孔部1Lは、隔壁2aで分割され密閉されて4の収納室2fを構成することとなる。この収納室2fには、ロール重量を増量するための錘である粉末Fが収納される。なお、粉末Fとしては、比重の大きな例えばタングステン、鉛、モリブデン、銅、ニッケルまたは鉄若しくはそれらの合金を含む金属粉末を使用することが望ましく、めっき浴に浸漬されたときに生じる浮力を相対的に低減できる量の粉末Fが、収納室2fに収納される。ここで、上記収納室2fに収納される錘は粉末Fに限定されず、例えば粒状体やブロック体であってもよい。この場合には、収納室2fに収納された錘が、当該収納室2fの外に漏れださない程度の隙間が、隔壁2aと隔壁挿着孔部1Lの内周面の間または隔壁2aを構成する板体2dおよび2eの間にあってもよい。
上記のように構成されたロール1によれば、セラミックスで構成された胴部1aは肉厚がほぼ一定の略円筒形状をなしており、肉厚の急変部が少ないので、高温のめっき浴への浸漬時およびめっき浴からの引き上げ時に生じる熱衝撃により胴部1aの破損を抑制できる。加えて、当該胴部1aに形成された中空部1bの一部である隔壁挿着孔部1Lは、当該隔壁挿着孔部1Lに挿着され固定された隔壁2aで分割され、密閉された4(2以上)の収納室2fを構成している。そして、ロール重量を増量して浮力を相対的に低減する粉末Fは、複数の収納室2fに分割して収納されており、操業中においてロール1が回転した場合でも、粉末Fの移動範囲は収納室2fの範囲に規制されるため、粉末Fの偏在によるロールの回転性の悪化を抑制することができる。
さらに、隔壁2aは、図3(b)に示すように、半径方向に沿う断面において、軸芯I上を通過するよう配置されていることが望ましい。具体的には、ロール1の回転中心である軸芯Iと隔壁2aの中心とがほぼ一致するように隔壁2aを配置することにより、軸芯Iの周りに同じ大きさの収納室2fが等角度で配置される。そして、この収納室2fに収納される粉末Fの重量を好ましくはほぼ同量とすることにより、粉末Fの偏在によるロールの回転性の悪化をより効果的に抑制することができる。
なお、本態様の隔壁2aは、上記したように2枚の板体2d・2eを組み合わせて略十字形状に構成しているが、隔壁は1枚の板体で構成してもよく、3枚以上の板体で構成してもよい。半径方向に沿う断面で見た場合、前者の場合には収納室は2室形成され、後者の場合には6室以上形成されることとなる。さらに、半径方向における断面で見た時の収納室の室数は偶数個に限定されず、奇数個であってもよい。この場合には、半径方向における断面において、隔壁は奇数本の辺をもつこととなる。さらに、隔壁2aを構成する板体2dおよび2eの半径方向における幅および厚みは、図3(b)に示すように同一であるが、これらは異なる大きさとしてもよい。また、隔壁2aの形成方法も特段限定されることなく、例えば板体2d・2eが金属の場合には例えば溶接や螺子止めで固定して隔壁2aを形成すればよく、セラミックスの場合には例えば十字形状となるよう成形し焼成して隔壁2aを形成してもよく、板状に形成したセラミックス製の板体2dおよび2eを機械的に接合して隔壁2aを形成してもよい。
隔壁2aをセラミックスで構成する場合には、胴部1aと熱膨張係数がほぼ同一のセラミックスで隔壁2a構成すると、高温のめっき浴にロール1を浸漬した際の胴部1aと隔壁2aの熱膨張量の差が少なく、隔壁2aの過大な伸びによる胴部1aの破損を抑制できるので好ましい。そして、隔壁2aをセラミックスで構成する場合には、締り嵌めとなるよう例えば焼き嵌めや冷し嵌めで隔壁2aを溝1iに固定すればよい。なお、締り嵌めの場合の溝1iと隔壁2aの間の嵌合率は、上記胴部1aと軸部1dの場合と同様である。
また、熱膨張係数がセラミックスよりも大きな金属で隔壁2aを構成してもよい。しかしながら、隔壁2aは、収納室2fを密閉するため、隔壁挿着孔部1Lの内周面に形成された溝1iの底面に密着している必要がある。このため、上記したように高温のめっき浴にロール1を浸漬した際の胴部1aと隔壁2aの熱膨張量の差に起因する胴部1aの破損が生じる虞があり、これを抑制する必要がある。そこで、本態様の隔壁2aは、図4(a)および図5に示すように、中空部1bの一部である隔壁挿着孔部1Lの内周面と隔壁2aとの間には弾性部2hを配置している。具体的には、隔壁2aの4辺を構成する板体2d・2eの半径方向における4の端部に各々弾性部2hを設け、この弾性部2hを、隔壁挿着孔部1Lの内周面に形成された溝1iの底面に密着するよう圧縮した状態で溝1iに挿着している。ここで、上記配置状態において、弾性部2hは圧縮した状態で溝1iに挿着されているので、その反力により隔壁2aは隔壁挿着孔部1L内に固定される。一方で、弾性部2hは、めっき浴にロール1を浸漬した際の胴部1aと隔壁2aの熱膨張量の差を吸収可能な大きさの圧縮代を残した状態で溝1iに挿着されており、もってめっき浴に浸漬された際の熱膨張量の差を弾性部2hが吸収し、胴部1aと隔壁2aの熱膨張量の差に起因する胴部1aの破損を抑制できる。なお、隔壁挿着孔部1Lが隔壁2aで分割されてなる収納室2fの密閉性をより高めるためには、図4(a)に示すように、溝1iと隔壁2aの各辺の端部の周囲に、例えば耐熱性のシール材2jを配置しておくことが望ましい。
ここで、本態様の弾性部2hは、隔壁2aを隔壁挿着孔部1Lに配置する際の弾性部2hの位置決め等を考慮した好ましい態様として、隔壁2aの一部、つまり隔壁2aと一体物として構成してある。すなわち、図4(a)に示すように、隔壁2aの4辺を構成する板体2d・2eは、金属製の第1の板材2gの端部を複数折屈曲させることにより形成した弾性部2hと、上記第2の板材2gの弾性部2hが形成されない余の部分である平坦部の強度を増すため当該平坦部の両面に接合された第2の板材2iとで構成された本体部2kとで各々構成してある。このように、隔壁2aの一部として弾性部2hを設けることにより、弾性部2hは隔壁2aと一体に隔壁挿着孔部1Lに配置できるので、弾性部2hの位置決めが不要となるとともに例えば操業中において弾性部2hが溝1iから単独に離脱することもない。
なお、第2態様のロール4の胴部1aと隔壁4aとの部分の半径方向に沿う拡大断面図である図4(b)に示すように、弾性部4hは、隔壁4aとは独立した部品、つまり隔壁4aと別体に構成してもよい。図4(a)に示した弾性部2hと同一形態の弾性部4hは、隔壁4aの4辺を構成する板体4d・4eの半径方向における4の端面に密着するとともに、隔壁挿着孔部1Lの内周面に形成された溝1iの底面に密着するよう圧縮した状態で溝1iに挿着され、隔壁4aを隔壁挿着孔部1Lに固定する。上記隔壁4aとは別体とした弾性部4hとしては、高温のめっき浴に浸漬した際に胴部1aを介して伝導する熱に対する耐熱性を備えていればよく、図示の形態の弾性部4h以外に、例えば金属製やセラミックス製の圧縮コイルバネや板バネなどを使用することができる。
さらに、上記のように隔壁挿着孔部の内周面と隔壁との間には弾性部を配置する場合には、図5に示すように、隔壁挿着孔部1Lの外方に、軸芯方向において外側、つまり胴部1aの端面側に向け拡径するテーパ孔部1jを設けておけば、隔壁2aを隔壁挿着孔部1Lに挿着する際に、このテーパ孔部1jにより弾性部2hが徐々に圧縮されるので、隔壁2aを円滑に隔壁挿着孔部1Lに挿着することができ望ましい。なお、テーパ孔部1jの最大径および最小径は、弾性部の自由長および圧縮した状態で溝部に挿着した状態における長さに基づき決定すればよい。
図5に示すように、本態様のロール1において、軸芯方向において隔壁2aの端面に接するよう配置される略円板形状の封止板2bは、隔壁挿着孔部1Lに両側に隣接して配置された挿着孔部1mに嵌合され固定されている。なお、軸芯方向において中空部1bの全長に渡り隔壁2aを配置するため、隔壁2aを接続孔部1cまで延設する場合には、軸部1dの大径部1eに封止板2bを配置してもよい。
中空部1bに挿着孔部1mを設けず、上記封止板2bを、隔壁挿着孔部1Lに挿着して固定してもよい。この場合には、隔壁挿着孔部1Lの内周面に形成された溝が露出するため、溝の両端の開口部に上記した耐熱性のシール材2j(図4参照)を充填し、隔壁2aで隔壁挿着孔部1Lを分割し形成された収納室2fの密閉を確保すればよい。また、隔壁2aの四隅には、隔壁2aの構成によっては図示するように隙間2Lが形成される場合がある。この場合にも、同様に隙間2Lを耐熱性のシール材で埋め、収納室2fの密閉を確保すればよい。
封止板2bは、胴部1aと熱膨張係数がほぼ同一のセラミックスで隔壁2a構成すると、高温のめっき浴に浸漬した際の胴部1aと封止板2bの熱膨張量の差が少なく、封止板2bの過大な伸びによる胴部1aの破損を抑制できるので好ましい。そして、封止板2bをセラミックスで構成する場合には、締り嵌めとなるよう例えば焼き嵌めや冷し嵌めで封止板2bを挿着孔部1mに固定すればよい。なお、締り嵌めの場合の挿着孔部1mと封止板2bの間の嵌合率は、上記胴部1aと軸部1dの場合と同様である。
さらに、本態様のように隔壁2aを金属で構成し、封止板2bをセラミックスで構成する場合には、めっき浴にロール1が浸漬されたときの両者の熱膨張量の差を考慮する必要がある。すなわち、隔壁2aは、収納室2fを密閉するため、少なくともめっき浴に浸漬された状態では封止板2bの端面に密着している必要がある。ここで、熱膨張係数の高い隔壁2aの熱膨張量は、熱膨張係数の低い封止板2bの熱膨張量よりも大きいため、軸芯方向における隔壁2aの端面を封止板2bの端面に密着させた場合には、熱膨張により軸芯方向に伸びようとする隔壁2aを圧縮する方向に応力が作用し、隔壁2aが座屈して損傷する虞があり、これを抑制する必要がある。
ここで、隔壁2aと封止板2bの軸芯方向における熱膨張量の差を考慮し、めっき浴にロールを浸漬する前の常温の状態では、当該熱膨張量の差の大きさだけ封止板2bの端面から隔壁2aの端面が離隔した状態となるよう両者を配置しておき、めっき浴にロールが浸漬された際には両者が熱膨張し、その端面同士が密着するように構成してもよい。しかしながら、このような構成とした場合には、ロールがめっき浴に浸漬された状態では収納室2fの密閉性は確保できるものの、常温で行われる例えばロールの移動などのハンドリングの際の収納室2fの密閉性が確保できず、ある収納室2fに収納した粉末が別の収納室2fに移動し、ロールの回転性が悪化する虞がある。
そこで、本態様の隔壁2aでは、半径方向における断面形状が図4(a)で示した弾性部2hと同様な弾性部2kを、軸芯方向において隔壁2aの端に一体的に設け、当該弾性部2kを介し隔壁2aを封止板2bに密着するよう構成した。具体的には、隔壁2aを構成する板体2d・2eの軸芯方向における端部に各々弾性部2kを設け、この弾性部2kを、封止板2bの端面に密着するよう圧縮した状態で配置している。このように弾性部2kは圧縮した状態で配置されているので、その反力により隔壁2aは2枚の封止板2bの間で固定される。一方で、弾性部2kは、めっき浴にロール1を浸漬した際の封止板2bと隔壁2aの熱膨張量の差を吸収可能な大きさの圧縮代を残した状態で配置されており、もってめっき浴に浸漬された際の熱膨張量の差を弾性部2kが吸収し、封止板2bと隔壁2aの熱膨張量の差に起因する隔壁2aの破損を抑制できる。
[第2実施形態]
上記第1態様のロール1に替え、図1の溶融金属めっき装置80に組み込まれる第2態様のロール5の構成について、図6を参照して説明する。ここで、図6は、第2態様のロール5の正断面図である。なお、図6において、上記第1態様と同一の構成要素については同一符号を付しており、詳細な説明を省略する。
第2態様のロール5は、(1)隔壁5aが挿着され固定される中空部1bの一部である隔壁挿着孔部5Lの内周面には溝が形成されておらず、隔壁5aは隔壁挿着孔部5Lの内周面に直接接触するよう固定されている点、(2)隔壁5aが一枚の板体で構成されており、隔壁挿着孔部5Lは、当該隔壁5aで分割され、2の収納室5fを構成している点、(3)上記隔壁5aを第1の隔壁としたとき、軸芯方向に沿う断面で見たときに隔壁挿着孔部5Lの内周面に挿着され固定された第2の隔壁5bを有し、隔壁挿着孔部5Lは、第2の隔壁5bにより分割され、密閉された2以上の収納室5fを構成している点で、第1態様のロールと相違している。なお、相違点(1)および(2)については、上記第1態様のロールの項で既に説明済みであるので詳細な説明を省略し、以下相違点(3)の構成について説明する。
上記のように中空部1bの一部である隔壁挿着孔部5Lに挿着され固定される第2の隔壁5bは、半径方向において第1の隔壁5bの上面および下面に固定された略半円板形状をなす板体であり、その外周面が隔壁挿着孔部5Lの内周面に密着するよう配置されている。なお、図6に示すロール5では、軸芯方向において2枚の第2の隔壁5bが同じ位置に配置され、半径方向において2枚の第2の隔壁5bが一対となる態様で配置されているが、上下に配置された第2の隔壁5bは軸芯方向において異なる位置に配置してもよい。また、軸芯方向における第2の隔壁5bの枚数も2枚に限らず、所望の室数の収納室5fを形成する枚数に応じ配置すればよい。さらに、略円板形状に形成した第2の隔壁5bの端面に第1の隔壁5aを固定するようにしてもよい。
かかる第2の隔壁5bを設けたロール5によれば、軸芯方向において隔壁挿着孔部5Lを分割することにより、当該隔壁挿着孔部5Lが分割されてなる収納室5fの室数を増加させ、各収納室5fの大きさを細かくすることができる。このように細分化された収納室5fに、ロール重量を増量させる粉末Fを収納することにより、操業中においてロール5が回転した場合でも、粉末Fの移動範囲は収納室5fの範囲により規制され、粉末Fの偏在によるロールの回転性の悪化をより効果的に抑制することができる。
[材料構成]
以下、胴部を構成するセラミックス、好ましくは軸部、隔壁および封止板をセラミックスで構成する場合における、その好適な例を説明する。セラミックスとしては、ロールが使用される雰囲気その他の操業条件の要請による耐熱衝撃性・耐蝕性などに応じ、アルミナ・ジルコニア・シリカその他の酸化物系セラミックス、硼化ジルコニウム・硼化チタン・硼化ボロンその他の硼化物系セラミックス、炭化シリコン・炭化ボロンその他の炭化物系セラミックス、またはカーボンなどの無機材料を利用してよい。そして、本態様のロールは、めっき浴への浸漬および取出しの際に急熱・急冷されるため、耐熱衝撃性に優れている必要がある。そのため、胴部等を構成するセラミックスとしては、熱伝導率が高い窒化珪素・窒化アルミその他の窒化物系セラミックスが好ましく、めっき浴である溶融金属に対し高い耐溶損性および耐磨耗性を有し、高温強度に優れた窒化珪素系セラミックスであるサイアロンまたは窒化珪素セラミックスが特に好ましい。以下、部1bおよび接続部1jを構成するに好適な窒化珪素セラミックスについて詳述するが、窒化珪素セラミックス自体は特開2001−335368号に記載のものと同じでよい。
窒化珪素セラミックス中に存在するアルミニウム及び酸素はフォノン散乱源となり、熱伝導率を低減させる。窒化珪素セラミックスは、窒化珪素粒子とその周囲の粒界相とから構成され、アルミニウム及び酸素はこれらの相に含有される。アルミニウムは珪素に近いイオン半径を有するため、窒化珪素粒子内に容易に固溶する。アルミニウムの固溶により窒化珪素粒子自身の熱伝導率が低下し、窒化珪素セラミックスの熱伝導率は著しく低下する。従って、窒化珪素セラミックス中におけるアルミニウムの含有量はできるだけ少なくすることが望ましい。
焼結助剤として添加する酸化物中の酸素の多くは粒界相に存在する。窒化珪素セラミックスの高熱伝導率化を達成するには、窒化珪素粒子に比べて熱伝導率が低い粒界相の量を低減することが必要である。焼結助剤の添加量の下限は、8.5%以上の相対密度を有する焼結体が得られる量である。焼結助剤の添加量をこの範囲内でできるだけ少なくすることにより、粒界相中の酸素量を低減させることが望ましい。
酸素量の少ない窒化珪素粉末を原料とすると、粒界相中の酸素量が低減できるために粒界相の量自体を低減でき、焼結体の高熱伝導率化が達成されるが、焼結過程で生成するSiOの量の減少により難焼結性となる。ところが、他の酸化物より焼結性に優れたMgOを焼結助剤として用いると、焼結助剤の添加量を少なくして、緻密な焼結体を得ることができる。その結果、焼結体の熱伝導率は飛躍的に高くなる。
また、マグネシウムとともに添加し得る焼結助剤としては、Y、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb,Lu等の周期律表第3族(後述)が挙げられる。なかでも、焼結温度及び圧力が高くなり過ぎないという点で、Y、La、Ce、Gd、Dy、Ybが好ましい。
本発明に使用する窒化珪素セラミックスの常温における熱伝導率は50W/(m・K)が好ましく、より好ましくは60W/(m・K)以上である。従って、窒化珪素系セラミックス中の酸素含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには5重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには3重量%以下である。また窒化珪素粒子中の酸素含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには2.5重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには1.5重量%以下である。さらに窒化珪素系セラミックス中のアルミニウムの含有量は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには0.2重量%以下であり、60W/(m・K)以上の熱伝導率を得るには0.1重量%以下である。
窒化珪素セラミックス中の酸化マグネシウム(MgO)と周期律表第3族元素酸化物の合計量は0.6〜7重量%であるのが好ましい。その合計量が0.6重量%未満では、焼結体の相対密度が95%未満と不十分である。一方7重量%を超えると、熱伝導率の低い粒界相の量が過剰となり、焼結体の熱伝導率が50W/(m・K)未満となる。MgO+第3族元素酸化物は0.6〜4重量%であるのがより好ましい。
MgO/第3族元素酸化物の重量比は1〜70が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が最も好ましい。MgO/第3族元素酸化物が1未満では、粒界相中の希土類酸化物の割合が多すぎるため、難焼結性となり緻密な焼結体が得られない。また、MgO/
第3族元素酸化物が70を超えると焼結時におけるMgの拡散を抑制できず、焼結体表面に色むらが生じる。Mg/第3族元素酸化物が1〜70の範囲にあると、1650〜1850℃での焼結により高熱伝導率化が著しい。焼結体を1800〜2000℃で熱処理すると、さらに高熱伝導率化される。熱処理による高熱伝導率化は、窒化珪素粒子の成長と蒸気圧の高いMgOの揮発による。
窒化珪素粒子中のアルミニウム、マグネシウム及び周期律表第3族元素の合計量は1.0重量%以下であるのが好ましい。
窒化珪素焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合が10体積%超では、焼結体の熱伝導率は向上するが、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用するため破壊強度が著しく低下し、700Mpa以上の曲げ強度が得られない。従って、窒化珪素焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合は10体積%以下であるのが好ましい。同様に、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用することを抑えるために、β型窒化珪素粒子のアスペクト比は15以下であるのが好ましい。
特に胴部や軸部を形成する窒化珪素セラミックスは、急激な温度変化に対して十分な抵抗力を有する必要がある。急激な温度変化に対する抵抗力は下記式(1):
R=αc(1−ν)/Eα・・・(1)
( 但し、αc:常温における4点曲げ強度(MPa)、ν:常温におけるポアソン比、E:常温におけるヤング率(MPa)、α:常温から800℃までの平均熱膨張係数)
により表される係数で表される係数Rは600以上であるのが好ましく、700以上であるのがより好ましい。係数Rが600未満であると軸部1dおよび接続部1jが破壊するおそれがある。係数Rは、軸部1dおよび接続部1jから切り出した試験片に対して測定した常温における4点曲げ強度αc(MPa)
、常温におけるポアソン比ν、常温におけるヤング率E(MPa)及び常温から800℃までの平均熱膨張係数αから求める。
1(4、5) サポートロール
1a 胴部
1b 中空部
1c 接続孔部
1d 軸部
1i 溝
1j テーパ孔部
1L 隔壁挿着孔部
2a(4a、5a) 隔壁
2b 封止板
2f(5f) 収納室
2h(4h) 弾性部
2k 弾性部

Claims (9)

  1. 軸芯と、前記軸芯に沿う方向に延びる中空部とを有する略円筒形状のセラミックス製の胴部と、前記胴部の両端に固定された軸部とを有する溶融金属めっき浴用ロールであって、前記軸芯に沿い配置されるとともに前記中空部の内周面に挿着され固定された隔壁を有し、前記中空部は、前記隔壁により分割されて2以上の収納室を構成しており、前記収納室には、ロール重量を増量するための錘が収納されている溶融金属めっき浴用ロール。
  2. 前記錘が粉末であり、前記収納室は密閉されている請求項1に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  3. 前記隔壁は、前記軸芯に対し直交する断面において当該軸芯上を通過するよう配置されている請求項1または2のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  4. 前記中空部の内周面には、前記軸芯に沿う方向に延びる溝が形成されており、前記隔壁は、その端部が、前記溝に挿着され固定されている請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  5. 前記隔壁を第1の隔壁としたとき、前記軸芯に沿う断面で見たときに前記中空部の内周面に挿着され固定された第2の隔壁を有し、前記中空部は、前記第2の隔壁により分割されて2以上の収納室を構成している請求項1乃至4のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール
  6. 前記隔壁は、前記胴部を構成するセラミックスと熱膨張係数が略同一のセラミックスで構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  7. 前記隔壁は金属で構成されており、前記中空部の内周面と前記隔壁との間には弾性部が配置されている請求項1乃至5のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  8. 前記弾性部は、前記隔壁の一部である請求項7に記載の溶融金属めっき浴用ロール。
  9. 前記軸芯に沿う方向において前記中空部の中央領域に形成され、前記隔壁が挿着される隔壁挿着孔部を有し、前記隔壁挿着孔部の外方には、前記軸芯に沿う方向において外側に向け拡径するテーパ孔部が形成されている請求項7または8のいずれかに記載の溶融金属めっき浴用ロール。
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