JP2013121954A - 歯肉のコラーゲン密度増強剤、歯肉のコラーゲン密度増強組成物および歯肉のコラーゲン密度の増強方法 - Google Patents

歯肉のコラーゲン密度増強剤、歯肉のコラーゲン密度増強組成物および歯肉のコラーゲン密度の増強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】口腔内に適用した場合に、歯肉への浸透性に優れ、歯肉のコラーゲン密度を増加させることができ、さらに種々の剤型における経時安定性に優れる新たなコラーゲン密度増強剤を提供する。
【解決手段】中長鎖ポリリン酸からなる歯肉のコラーゲン密度増強剤およびそれを含有したコラーゲン密度増強剤組成物、並びに、歯肉のコラーゲン密度増強剤を口腔内に適用することによって歯肉のコラーゲン密度を増強させる歯肉のコラーゲン密度の増強方法とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、歯肉のコラーゲン密度を増加させる新たなコラーゲン密度増強剤、歯肉のコラーゲン密度増強組成物および歯肉のコラーゲン密度の増強方法に関する。
ヒトの皮膚組織は、線維芽細胞、表皮細胞等の細胞層と、細胞層を支持するコラーゲン、ヒアルロン酸等の真皮マトリックスとから構成されている。
コラーゲンは動物の体内で最も多く存在する繊維状の蛋白質であり、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成する他、細胞間隙に存在しており、内臓や血管など全身に広く分布し、生存のために、必須の成分である。コラーゲンが不足すると血管の柔軟性が無くなり、高血圧や動脈硬化を起こすことや、骨密度が減少し、軟骨の弾力がなくなることで関節の変形などを引き起こす場合がある。また、皮膚や爪の柔軟性が損なわれ、肌のしわ、たるみを引き起こすことが知られている。
一般的に、コラーゲン密度を増加させる効果を持つものとしてアスコルビン酸(ビタミンC)が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このようなアスコルビン酸は、化粧品や医薬品、飲食物などの形態で使用され、皮膚に直接適用したり、経口摂取により消化の過程で体内に吸収させている。
特表平10−509735号公報 特開2011−63563号公報
本発明は、口腔内に適用した場合に、歯肉への浸透性に優れ、歯肉のコラーゲン密度を増加させることができ、さらに種々の剤型における経時安定性に優れる新たなコラーゲン密度増強剤、該コラーゲン密度増強剤を含む歯肉のコラーゲン密度増強組成物および歯肉のコラーゲン密度の増強方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、中長鎖ポリリン酸が歯肉のコラーゲン密度を上昇させるという観点において有用であることを見出し、また、中長鎖ポリリン酸を界面活性剤と併用して用いることで中長鎖ポリリン酸の歯垢(プラーク)への浸透性が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は下記(1)〜(9)により達成される。
(1)中長鎖ポリリン酸からなることを特徴とする歯肉のコラーゲン密度増強剤。
(2)前記中長鎖ポリリン酸が、平均重合度60〜130の直鎖状ポリリン酸であることを特徴とする上記(1)に記載の歯肉のコラーゲン密度増強剤。
(3)前記中長鎖ポリリン酸が、ポリリン酸塩であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の歯肉のコラーゲン密度増強剤。
(4)平均重合度が60の中長鎖ポリリン酸を80質量%以上、または、平均重合度が130の中長鎖ポリリン酸を50質量%以上含有することを特徴とする上記(2)または(3)に記載の歯肉のコラーゲン密度増強剤。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項の歯肉のコラーゲン密度増強剤と、界面活性剤とを含有することを特徴とする歯肉のコラーゲン密度増強組成物。
(6)前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベートから選択される1種以上のHLB14以上の非イオン系界面活性剤であることを特徴とする上記(5)に記載の歯肉のコラーゲン密度増強組成物。
(7)上記(1)〜(4)のいずれか1項の歯肉のコラーゲン密度増強剤を、口腔内に適用することによって歯肉のコラーゲン密度を増強させることを特徴とする歯肉のコラーゲン密度の増強方法。
(8)上記(1)〜(4)のいずれか1項の歯肉のコラーゲン密度増強剤を、界面活性剤の存在下で口腔内に適用させ、歯の表面に付着した歯垢への前記コラーゲン密度増強剤の浸透性を高めることを特徴とする上記(7)に記載の歯肉のコラーゲン密度の増強方法。
(9)前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベートから選択される1種以上のHLB14以上の非イオン系界面活性剤であることを特徴とする上記(8)に記載の歯肉のコラーゲン密度の増強方法。
本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤は、口腔内に適用した際に歯肉への優れた浸透性を示し、歯肉でのコラーゲン密度上昇効果に優れる。したがって、歯周炎(歯肉炎)の抑制効果が十分に期待される。
また、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤をHLB14以上の非イオン系界面活性剤と併用することで歯垢への浸透性が高まり、歯垢を通過しやすくなるため、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤が歯肉により浸透しやすくなり、歯肉のコラーゲン密度を高めることができる。
ラットの歯周炎を組織学的に比較検討した際の計測部位を示す図である。
以下、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤について詳細に説明する。
図1に示すように、歯7はエナメル質2、象牙質4、セメント質3および歯髄腔とで構成されており、歯槽骨6により支持されている。歯肉1は、歯冠の根元部分を取り巻いている口腔粘膜を指し、歯茎とも呼ばれる。歯肉は歯周組織の一つであり、付着歯肉、歯間乳頭、遊離歯肉等に分けられる。本発明のコラーゲン密度増強剤は、このような歯肉に対して適用するものである。
本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤は、中長鎖ポリリン酸からなり、有効成分として働き、歯肉の線維芽細胞に作用し、コラーゲン密度を増加させるものと考えられる。そして、中長鎖ポリリン酸は生体に対する安全性が高く、生体内で無毒なリン酸に分解される生分解性物質でもあるから、口腔内での使用に適している。
本発明において使用される中長鎖ポリリン酸は、オルトリン酸の脱水縮合によって2個以上のPO四面体が頂点の酸素原子を共有して直鎖状に連なった構造を有する直鎖状ポリリン酸である。
本発明において好適に使用される中長鎖ポリリン酸は、下記一般式(I)で表わされる直鎖状ポリリン酸であり、本発明において、中長鎖とは、ピロリン酸やトリポリリン酸のような短鎖のものを除き、それよりも長い鎖状のものをいう。
n+2(P3n+1) ・・・(I)
上記一般式(I)中、nは4〜800が好ましく、4〜500がより好ましく、60〜130が更に好ましい。一般式(I)において、nが4〜800の直鎖状ポリリン酸であると歯肉のコラーゲン密度を効果的に増加させることができ、特にnが60〜130のポリリン酸は歯肉への浸透性に優れ、歯肉へのコラーゲン密度増強効果が高くなるため好ましい。なお、鎖長が800以上のポリリン酸は水に難溶性であり、水溶液の形で存在しにくく、歯肉全体に浸透させにくいため、口腔内での使用には適さない。
本発明で好適に使用される鎖長(平均重合度)が60〜130の中長鎖ポリリン酸は、次のように製造することができる。例えば、ヘキサメタリン酸塩を0.1〜10質量%、好ましくは10質量%となるように水に溶解する。このヘキサメタリン酸水溶液に、80〜100%エタノール、好ましくは95%エタノールを、ヘキサメタリン酸溶液とエタノールとの混合後の全体液量の1/10〜1/3量で、すなわちヘキサメタリン酸水溶液:エタノールが2:1〜9:1の体積比となる量で添加する。この混合溶液を十分に攪拌し、析出した沈殿物を遠心分離またはフィルター濾過等の分離方法を用いて水溶液成分と分離する。このようにして分離した沈殿物が中長鎖ポリリン酸となる。このポリリン酸を続いて70%程度のエタノールにより洗浄し、その後乾燥させる。
ポリリン酸の鎖長を制御するには、ヘキサメタリン酸塩濃度、アルコール濃度及びヘキサメタリン酸水溶液/アルコール比を適宜選択することにより、鎖長が60〜130のポリリン酸を調製することが出来る。
鎖状ポリリン酸の平均重合度の絶対値は、例えば、滴定法により計測できる。この方法は一種の末端基測定法であり、主に鎖状リン酸塩の分子量決定に用いられている。鎖状リン酸塩においては、末端基には1個の強酸性水素と1個の弱酸性水素があり、中間期には1個の強酸性水素がある。すなわち強酸性水素の量(SA)と弱酸性水素の量(WA)を求めることによって、次式より鎖状リン酸塩の平均重合度を求めることができる。すなわち、「平均重合度=(2SA/WA)」である。また、平均分子量の相対値と分子量分布を求める方法としては、HPLCを用いたゲル濾過クロマトグラフィーを挙げることができる。
本発明において、上記中長鎖ポリリン酸の水酸基の水素が金属と置換した分子構造を有するポリリン酸塩を使用してもよい。前記金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、バナジウム等が挙げられ、中でも口腔内で使用する事を考えると、人体に対する安全性や製剤中での安定性の面からナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
本発明に使用する中長鎖ポリリン酸又はその塩は、1種類であってもよいが、複数種の混合物であってもよい。複数種の中長鎖ポリリン酸又はその塩には、重合度の異なる中長鎖ポリリン酸又はその塩、分子構造の異なる中長鎖ポリリン酸又はその塩、及び金属イオンの異なる中長鎖ポリリン酸塩を包含する。また中長鎖ポリリン酸とその塩とを両方包含してもよい。
中長鎖ポリリン酸を複数種混合する場合、ポリリン酸の平均重合度に応じて適宜選択すればよいが、平均重合度が60のポリリン酸が80質量%以上、または、平均重合度が130のポリリン酸が50質量%以上含有されていることが好ましい。平均重合度が60のポリリン酸を80質量%以上含有することで歯肉のコラーゲン密度を大幅に増加させることができ、また、平均重合度が130のポリリン酸を50質量%以上含有することで歯肉のコラーゲン密度の増加に加えて、口腔内細菌に対する抗菌性を付与することができる。
本発明における口腔用組成物は歯肉のコラーゲン密度を増強する増強組成物であり、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤を含有する。歯肉のコラーゲン密度増強組成物(口腔用組成物)は歯肉に直接適用できればその形態は特に限定されず、液状、ゲル状、ペースト状、ガム状などの形態を持つ。また剤型としては、洗口液、液状歯磨、潤製歯磨、練歯磨き等の歯磨類、塗布剤、トローチ剤、チューイングガム等が挙げられ、中でも、口腔用組成物を効率的に口腔内に行渡らせるという観点から、塗布剤や洗口液とすることが好ましい。
本発明において、歯肉のコラーゲン密度増強剤は、口腔用組成物中、0.5〜10質量%含有し、0.5〜5質量%含有することが好ましく、0.5〜3質量%含有することがより好ましい。口腔用組成物中、歯肉のコラーゲン密度増強剤を0.5質量%以上含有させることで歯肉のコラーゲン密度を充分に増加させることができ、10質量%以下であれば、コストの面や外観上安定であるため好ましい。
口腔用組成物は、種々の形態において用いる場合、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤以外の成分は特に制限されるものではなく、発明の効果を損なわない限り、従来より口腔内用の医薬品や化粧料に配合されている各種成分を適宜選択して用いることができる。例えば、溶媒、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、殺菌剤、抗炎症剤、色素、香料、pH調整剤、湿潤剤、増粘剤等を配合でき、これらの成分と水とを混合し製造できる。
溶媒としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類などが挙げられ、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、エタノールなどが好適に用いられる。
水としては、例えば、精製水、イオン水、蒸留水などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル、ポリオキシエチレン・アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウロイルサルコシナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸・リン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド等のカチオン系界面活性剤を挙げることができ、特に、歯垢を通過しやすくして、歯肉への本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤の浸透力を高めるという観点から、HLBが14以上の非イオン系界面活性剤が好ましい。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチン、スクラロース、キシリトール、マルチトール、マンニトールなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えば、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化リゾチームなどが挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、アミノカプロン酸、アラントイン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその塩、ビタミンE(トコフェロール)、塩化リゾチーム等の消炎酵素、アズレンスルホン酸およびその塩、トラネキサム酸らが挙げられる。
色素としては、ニトロ系色素、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料等の法定色素が挙げられる。これらの中でも水溶性のものが好ましく、具体的には、青色1号、黄色4号、赤色102号、緑色201号等が挙げられる。
香料としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、ケイヒ油、ウインターグリーン油、ティーツリー油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液−液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ヘキセノール、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。
口腔用組成物中のこれらの成分は、剤型の種類、歯肉のコラーゲン密度増強剤の配合量等に応じて適宜調整可能であり、当該技術分野で知られている配合量とすることができる。具体的には、例えば、洗口液の場合、溶媒は0〜30質量%、界面活性剤は0.1〜5質量%、甘味剤は0.001〜10質量%、防腐剤は0.01〜5質量%、殺菌剤は0.001〜5質量%、抗炎症剤は0.001〜5質量%、色素は0.00001〜0.01質量%、香料は0.01〜2質量%程度使用するのが好ましい。
なお、本発明においては、口腔用組成物に界面活性剤を含有させることが好ましい。歯の表面には歯垢(プラーク)が付着している場合があり、歯垢には目視で確認可能な歯肉縁上歯垢の他に、外からは確認できない歯肉縁下歯垢がある。歯面に歯垢、特に歯肉縁下歯垢が存在すると歯肉のコラーゲン密度増強剤の歯肉への浸透が妨げられ十分な効果を得られない場合がある。そこで、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤を界面活性剤の存在下で口腔内に適用すると、歯垢に対する浸透性が高まり、歯肉のコラーゲン密度増強剤が歯肉に浸透しやすくなるため、歯肉でのコラーゲン密度の上昇効果が得られる。
また、本発明の口腔用組成物は、さらにコラーゲンを同時に用いてもよい。コラーゲンの型は制限されるものではなく、I型〜V型或はそれ以外の何れのコラーゲンを配合しても良い。口腔用組成物にさらにコラーゲンを配合することで歯肉にコラーゲンを吸収させてコラーゲンの消失を抑制することができ、本発明のコラーゲン密度増強剤による歯肉のコラーゲンの活性効果をより高めることができる。
本発明の口腔用組成物に配合する増粘剤としては、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)等があげられる。口腔用組成物の粘度は特に限定されないが、歯肉に塗布した場合、歯肉への付着の観点から、粘度はB型粘度計(例えば、東機産業株式会社製RB−80H)を用いて測定した粘度が、25℃において1〜1000mP・sの範囲であることが好ましく、1〜500mP・sの範囲であることがより好ましい。粘度が1000mP・sを超えると、製剤が歯肉全体に行き渡りにくく、浸透性が悪くなるなど口腔用組成物としての使用性が低下する場合がある。
本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤を口腔内に適用することによって、該歯肉のコラーゲン密度増強剤が歯肉へ浸透し、歯肉のコラーゲン密度を有意に増加させることができるため、それにより歯周炎(歯肉炎)の改善、予防の効果が期待できる。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<中長鎖ポリリン酸の効果試験>
実験的に惹起させたラットの歯周炎に対して、中長鎖ポリリン酸ナトリウムの濃度を変えて配合した検体を塗布し、その効果を組織学的に比較検討した。
(液剤検体の調製)
表1に示す処方により、検体1〜6を調製した。検体1は対照例である。検体2〜6は、殺菌剤を配合し、且つ中長鎖ポリリン酸ナトリウム(平均重合度62.4)を0〜5質量%の範囲で濃度条件を変更したものである。
Figure 2013121954
(実験方法)
8週齢のウィスター系雄性ラット36匹を用い、Tomofuji(FreeRadic BiolMed 2009;46:163−168)らの方法により、ラットの両側の上顎第二臼歯に絹糸を4週間巻いて、歯周炎を惹起させた。
実験期間開始時に、絹糸を除去し、ラットを6群(1群あたり6匹)に分けた。各群のラットそれぞれの両側の上顎第二臼歯口蓋側歯肉溝に、上記調製した検体1〜6をマイクロピペットを用いて15μLずつ塗布した。
塗布10分後、滅菌した乾燥綿球で検体を拭き取った。
処置は1日1回、2週間行った。
(組織定量分析)
実験期間終了後、ジエチルエーテル(ナカライテスク株式会社製)による吸入麻酔でラットを屠殺した。左側上顎骨を取り出して4%パラホルムアルデヒド含有0.1Mリン酸緩衝液に浸漬固定、脱灰した後、パラフィン包埋の組織標本を作成し、ヘマトキシリン・エオジン染色およびマロリー染色を行った。
図1に示すように、ヘマトキシリン・エオジン染色標本では、歯7の歯根を囲む歯肉1の接合上皮5の直下の結合組織11の単位面積(0.1mm×0.1mm)あたり2箇所の好中球数を測定した。
マロリー染色を行った標本では、歯根表面に接する歯肉1の結合組織12における単位面積(0.1mm×0.1mm)あたりのコラーゲン面積率(密度)を測定した。画像解析ソフトとしてWinROOF(三谷商事株式会社)を用いた。
結果を表2に示す。
Figure 2013121954
表2の結果より、接合上皮下の結合組織中の好中球数は、中長鎖ポリリン酸の配合濃度の増加にしたがって減少し、1%以上の濃度で、対照群との間に有意差が認められた(ρ<0.05)。また、歯根表面のコラーゲン密度の値は、中長鎖ポリリン酸の配合濃度の増加に伴い大きくなり、0.5%以上の濃度では,対照群との差が有意だった(ρ<0.05)。
これらのことから、好中球数の減少とコラーゲン密度の増加は、中長鎖ポリリン酸の配合濃度に伴って大きくなることがわかった。尚、検体2は好中球数の減少効果もコラーゲン密度の増加効果も見られず、実施例で用いた殺菌剤Aには歯肉のコラーゲン密度増強効果が得られないことがわかる。歯肉の好中球数の減少とコラーゲン密度の増加は、いずれも歯周炎の改善時に観察される組織変化であることから、ポリリン酸に歯周炎(歯肉炎)を消退させる効果が期待できる。
<中長鎖ポリリン酸の歯垢中浸透性試験1>
界面活性剤との組み合わせについて、中長鎖ポリリン酸の歯垢への浸透性の効果の有無を検討した。尚、口腔細菌を培養した懸濁液を用いて菌層を作製し、このバイオフィルムを歯垢とみなして以下の試験を行った。
(液剤検体の調製)
液剤検体として、中長鎖ポリリン酸ナトリウム(平均重合度62.4)を配合した下記検体7、8を調製した。
検体7:中長鎖ポリリン酸ナトリウム1%水溶液
検体8:中長鎖ポリリン酸ナトリウム1%+界面活性剤(ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油、商品名NIKKOLHCO−100、日光ケミカルズ株式会社製)0.1%水溶液
(試験方法)
BHI培地(Brain Heart Infusion培地)中でS.mutans MT8148R株を、37℃で、24時間好気培養した。
菌体を蒸留水で2回洗浄し、濁度が1.0となるように適量のPBS(Phosphate buffered saline)に懸濁させた。直径1cm、高さ5.5cmのシリンジの口部に孔径0.22μm、直径10mmのミリポアフィルターを敷き、菌の懸濁液を2mL入れ、室温で3時間放置した。
液が通過した後、液剤検体を1mL入れ、37℃で一晩放置した。シリンジを通過した液を集め、この液中に含まれるポリリン酸量を以下の方法により測定した。
コントロールとして、菌の懸濁液を通過させずに検体7、8のみを通過させたもの(コントロール1、2)について同様に試験を行い、ポリリン酸量を測定した。
(ポリリン酸の定量)
1)液剤検体を1mLとり、硝酸(1mLを20mLにメスアップ)1mLと混和しガラス管(長さ10.5cm、内径1.5cm)にとる。
2)ガラス管の開口部をラップフィルムで被覆し、100℃に設定したドライバスで30分間加熱し、加水分解する。放熱後、この液を全てC18カートリッジカラム(ウォーターズ(Waters)社製、メタノールコンディショニングとして100%メタノール、50%メタノール、精製水の順に5mLずつを通した)に通し、不溶性のものをトラップさせる。このとき通過した液はメスフラスコに回収する。その後、カラムにゆっくりと水を5mL、50%メタノール5mLを流してリン酸を出しきり、メスフラスコ中に回収し、正確に20mLにメスアップする。
3)検液1mLとバナジン酸・モリブデン酸試液(食添収載)1mLを混合して水を3mL加え、室温で30分間の反応後、分光光度計で400nmの吸光度を測定する。
4)スタンダードは、リン酸一カリウム標準液(リン酸一カリウム4.394gを正確に量り、水を加えて溶かして正確に1Lとしたものである。本液1mLはリン(P)1mgを含む。)を5mLとって1Lにメスアップする。これを1、2、3、4mLとってバナジン酸・モリブデン酸試液1mLを混合して水でトータル5mLにして、30分間反応させた後、400nmの吸光度を測定し、検量線を作成する。この検量線と検液の吸光度から検液1mL中のリン(P)の質量(mg)を求め、さらに下式により、五酸化リン(P)の含量を求め、ポリリン酸量とする。
ポリリン酸量(%)=検液1mL中のリン質量(mg)×20×2.2914×100
それぞれのポリリン酸量から、下記式により、ポリリン酸の浸透率(%)を求めた。結果を表3に示す。
浸透率(%)=通過したポリリン酸/シリンジに加えたポリリン酸×100
Figure 2013121954
表3の結果からわかるように、中長鎖ポリリン酸の歯垢への浸透率は、検体7が83.7%であったのに対し、検体8は91.7%であり、8%上昇した。また、菌の懸濁液を通過させずに試験したコントロール1(中長鎖ポリリン酸のみの配合)とコントロール2(中長鎖ポリリン酸と界面活性剤との組み合わせ)では、ほぼ同じ浸透率であることが確認できた。このことから、中長鎖ポリリン酸と界面活性剤とを組み合わせることにより歯垢に対する浸透性が高まり、歯垢を通過しやすくなることがわかった。したがって、中長鎖ポリリン酸と界面活性剤とを組み合わせることで、歯垢に覆われた歯肉にもポリリン酸が浸透していき、コラーゲン密度の増強効果をもたらすと考えられる。
<中長鎖ポリリン酸の歯垢中浸透性試験2>
(液剤検体の調製)
液剤検体として、中長鎖ポリリン酸ナトリウム(平均重合度60.0)を配合した下記検体9、10を調製した。
検体9:中長鎖ポリリン酸ナトリウム1%水溶液
検体10:中長鎖ポリリン酸ナトリウム1%+界面活性剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル、商品名NIKKOLBC−25、日光ケミカルズ株式会社製)1%水溶液
(試験方法)
BHI(Brain Heart Infusion)培地中で、S.sobrinus OMZ176株を、37℃で24時間好気培養した。1%Sucroseを添加したBHI培地30mLに、前培養した菌液300μLを加え希釈菌液を調製した。
セルカルチャーインサート(Nunc社製、PCメンブレン、孔径0.4μm)を6ウェルプレートに設置し、ウェルにBHI培地(1%Sucroseを添加)を3mL、セルカルチャーインサートに上記希釈菌液を2mL加え、37℃で、24時間静置した。その後、培地を除き、同様の操作を合計3回行い、厚みのあるバイオフィルム(人工歯垢)を作製した。培地を除いた後、生理食塩水でバイオフィルム(人工歯垢)を剥がさないように洗浄した。
次に、ウェルにイオン交換水を3mL、セルカルチャーインサート内に検体を1mL入れ、静置した。6、8時間後にウェル内の水を1mLずつ採取し、この液中に含まれるポリリン酸量を以下の方法により測定した。
(ポリリン酸の定量)
1)検体を1mLと硝酸(1mLを20mLにメスアップ)1mLとを混和しガラス管(長さ10.5cm、内径1.5cm)にとる。
2)ガラス管の開口部をラップフィルムで被覆し、100℃に設定したドライバスで30分間加熱し、加水分解する。放熱後、この液を全てメスフラスコ中に回収し、正確に20mLにメスアップする。
3)得られた検液1mLとバナジン酸・モリブデン酸試液(食添収載)1mLを混合して99.5%エタノールを3mL加え、室温で30分間の反応後、分光光度計で410nmの吸光度を測定する。
4)スタンダードは、リン酸一カリウム標準液(リン酸一カリウム4.394gを正確に量り、水を加えて溶かして正確に1Lとしたものである。本液1mLはリン(P)1mgを含む。)を100、250、500、1000倍希釈したものをそれぞれ1mLとってバナジン酸・モリブデン酸試液1mLを混合して99.5%エタノールを3mL加え、30分間反応させた後、410nmの吸光度を測定し、検量線を作成する。この検量線と検液の吸光度から検液1mL中のリン(P)の質量(mg)を求め、さらに下式により、五酸化リン(P)の含量を求め、ポリリン酸量とする。
ポリリン酸量(%)=検液1mL中のリン質量(mg)×20×2.2914×100
それぞれのポリリン酸量から、下記式により、ポリリン酸の浸透率(%)を求めた。結果を表4に示す。また、試験を5回繰り返したときの8時間後のポリリン酸の浸透率もあわせて表4に示す。
浸透率(%)=通過したポリリン酸/インサート内に添加したポリリン酸×100
Figure 2013121954
表4の結果からわかるように、中長鎖ポリリン酸の歯垢への浸透率は、6時間後で、検体9が16.7%であったのに対し、検体10は25.4%であり、8.7%上昇し、8時間後では、検体9が19.1%であったのに対し、検体10は25.5%であり、6.4%上昇した。さらに、試験を5回行った平均において、8時間後で、検体9が23.4%であったのに対し、検体10は28.9%であり、5.5%上昇した。このことから、中長鎖ポリリン酸と界面活性剤とを組み合わせることにより、厚みのあるプラークに対しても本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤の浸透性が高まり、歯垢を通過しやすくなることがわかった。
<経時安定性評価>
中長鎖ポリリン酸(平均重合度62.4)を配合した液剤検体とアスコルビン酸(ビタミンC)を配合した液剤検体の経時安定性の比較を行った。
表5に示す処方により中長鎖ポリリン酸またはアスコルビン酸(ビタミンC)を配合した液剤検体11〜14を調製し、80mL容の透明ペットボトルに80mLずつ充填したものを各5本準備した。これら検体を、暗所で、5℃条件、25℃条件、40℃条件、50℃条件、及び5℃⇔40℃サイクル条件で保管した。各温度条件下で保管した検体を、2週間経過時、1ヶ月経過時に下記試験に供した。結果を表6〜表9に示す。
Figure 2013121954
(pH測定)
pH測定装置(商品名:pHMeter HM−14P、東亜ディーケーケー株式会社製)を用い、常温(20℃)でのpHを測定した。
(色差値ΔE)
分光式色差計(日本電色工業株式会社製、Color Meter ZE200)を用いて、Lの色調の測定値を求めた。具体的には、L、a、bを測定し、色差ΔE=√(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)で色差を算出した(色差ΔE=ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2)。
(ポリリン酸の定量)
1)液剤検体を1mLとり、硝酸(1gを20mLにメスアップ)1mLと混和しガラス管(長さ10.5cm、内径1.5cm)にとる。
2)ガラス管の開口部をラップフィルムで被覆し、100℃に設定したドライバスで30分間加熱し、加水分解する。放熱後、この液を全てC18カートリッジカラム(ウォーターズ(Waters)社製、メタノールコンディショニングとして100%メタノール、50%メタノール、精製水の順に5mLずつを通した)に通し、不溶性のものをトラップさせる。このとき通過した液はメスフラスコに回収する。その後、カラムにゆっくりと水を5mL、50%メタノール5mLを流してリン酸を出しきり、メスフラスコ中に回収し、正確に20mLにメスアップする。
3)検液1mLとバナジン酸・モリブデン酸試液(食添収載)1mLを混合して水を3mL加え、室温で30分間の反応後、分光光度計で400nmの吸光度を測定する。
4)スタンダードは、リン酸一カリウム標準液(リン酸一カリウム4.394gを正確に量り、水を加えて溶かして正確に1Lとしたものである。本液1mLはリン(P)1mgを含む。)を5mLとって1Lにメスアップする。これを1、2、3、4mLとってバナジン酸・モリブデン酸試液1mLを混合して水でトータル5mLにして、30分間反応させた後、400nmの吸光度を測定し、検量線を作成する。この検量線と検液の吸光度から検液1mL中のリン(P)の質量(mg)を求め、さらに下式により、五酸化リン(P)の含量を求め、ポリリン酸量とする。
ポリリン酸量(%)=検液1mL中のリン質量(mg)×20×2.2914×100
(ビタミンCの定量)
1)液剤検体を10倍希釈したものを5mLとり、内標準溶液(2,5−ジヒドロ安息香酸水溶液(0.6gを100mLにメスアップ))5mL、水40mLを加えて試料溶液とする。
2)別にアスコルビン酸標準品を約0.1g測り、メスフラスコにて水で100mLにメスアップする。これを5mLとリ、内標準溶液5mL、水40mLを加えて標準溶液とする。
3)試料溶液および標準溶液各10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフ法による試験を実施し、内標準物質のピーク面積(Qs)に対するアスコルビン酸のピーク面積(Qt)の比Qt/Qsを求める。
〔操作条件〕
検出器:紫外吸光光度計(波長274nm)
カラム:内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管に約5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの。
カラム温度:25℃付近一定
移動相:20mMリン酸二水素K一リン酸(pH2.4)/メタノール(75/25)
流量:0.7mL/min。内標準物質の保持時間が約15分になるように設定。
4)下式により、アスコルビン酸の含量を求める。
アスコルビン酸の含量(mg)=標準溶液中のアスコルビン酸の含量a(mg)×(Qt/Qs)×(1/10)
(香味・外観)
4名のパネラーにより、香味と外観について官能評価した。香味は、試験開始時(初期)を基準にし、初期と比べて香味の変化のないものを「○」と判断した。また、目視で外観を確認し、オリ、濁り、析出の有無、および検体の色調の変化の有無を確認した。試験開始時(初期)と比較してオリ、濁り、析出のないものを「○」とし、また、色調の変化のないものを「○」、初期に比べて黄色へ変化したものを「黄変」と判断した。
Figure 2013121954
Figure 2013121954
Figure 2013121954
Figure 2013121954
表6および表7の結果より、中長鎖ポリリン酸を処方した検体11、12に関して、ポリリン酸量が100%前後で推移しており、減少傾向や増加傾向は見られず安定であった。色差ΔEに関してはほぼ変化がなく、外観上の変化も認められなかった。
表8および表9の結果より、ビタミンCを処方した検体13、14は、ビタミンC量が初期から減少傾向を示し、検体13は1ヶ月の保管で50%程度に減少した。これはビタミンCが分解したものと思われる。色差ΔEに関しては2週間の保管でΔEが5℃(冷蔵)で3を超え、25℃(常温)では4を超えた。また、1ヶ月の保管でも高温になるほどΔEは高くなった。また、外観上も透明から黄色へ大きく変化した。
これらの結果よりビタミンCを配合した検体ではビタミンCが水中で分解することで経時的に減少していくため、非常に不安定な製剤であるのに対し、中長鎖ポリリン酸を配合した検体では安定性に優れていることが確認された。
以下に、本発明の歯肉のコラーゲン密度増強剤を配合した口腔用組成物の処方例を示す。尚、配合量は質量(g)である。
<処方例1:歯磨剤の組成>
グリセリン 15.0
ソルビトール 15.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
炭酸水素カルシウム 10.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.4
中長鎖ポリリン酸ナトリウム 0.5
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 1.0
香料 1.0
プロピレングリコール 3.0
精製水 100gとなる量
<処方例2:タブレット剤の組成>
結晶セルロース 8.0
二酸化ケイ素 0.5
ステアリン酸カルシウム 2.0
キシリトール 10.0
エリスリトール 10.0
アスパルテーム 0.2
中長鎖ポリリン酸ナトリウム 2.0
香料 4.0
マルチトール 63.3
<処方例3:液状歯磨剤の組成>
95%エタノール 10.0
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 0.7
香料 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.6
プロピルパラベン 0.01
メチルパラベン 0.04
チモール 0.02
中長鎖ポリリン酸ナトリウム 1.0
pH調整剤 0.1
濃グリセリン 10.0
精製水 100mLとなる量
<処方例4:洗口液の組成>
95%エタノール 10.0
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 0.2
香料 0.05
ブチルパラベン 0.02
チモール 0.04
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
中長鎖ポリリン酸ナトリウム 1.0
ソルビトール(70) 5.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.01
pH調整剤 0.15
濃グリセリン 5.0
精製水 100mLとなる量
<処方例5:洗口液の処方>
95%エタノール 5.0
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 0.1
香料 0.05
中長鎖ポリリン酸ナトリウム 1.0
pH調整剤 0.20
濃グリセリン 10.0
精製水 100mLとなる量
<処方例6:洗口液の処方>
プロピレングリコール 2.0
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 0.5
香料 0.05
プロピルパラベン 0.01
メチルパラベン 0.04
イソプロピルメチルフェノール 0.02
ラウリル硫酸ナトリウム 0.02
中長鎖ポリリン酸ナトリウム 0.5
pH調整剤 0.1
濃グリセリン 10.0
精製水 100mLとなる量
本発明のコラーゲン密度増強剤は歯肉のコラーゲン密度増強効果があるため、口腔内ヘルスケア用品分野での利用が期待される。
1 歯肉
2 エナメル質
3 セメント質
4 象牙質
5 接合上皮
6 歯槽骨
7 歯
11 接合上皮直下の結合組織
12 歯根表面の結合組織

Claims (9)

  1. 中長鎖ポリリン酸からなることを特徴とする歯肉のコラーゲン密度増強剤。
  2. 前記中長鎖ポリリン酸が、平均重合度60〜130の直鎖状ポリリン酸であることを特徴とする請求項1に記載の歯肉のコラーゲン密度増強剤。
  3. 前記中長鎖ポリリン酸が、ポリリン酸塩であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯肉のコラーゲン密度増強剤。
  4. 平均重合度が60の中長鎖ポリリン酸を80質量%以上、または、平均重合度が130の中長鎖ポリリン酸を50質量%以上含有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の歯肉のコラーゲン密度増強剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項の歯肉のコラーゲン密度増強剤と、界面活性剤とを含有することを特徴とする歯肉のコラーゲン密度増強組成物。
  6. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベートから選択される1種以上のHLB14以上の非イオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項5に記載の歯肉のコラーゲン密度増強組成物。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項の歯肉のコラーゲン密度増強剤を、口腔内に適用することによって歯肉のコラーゲン密度を増強させることを特徴とする歯肉のコラーゲン密度の増強方法。
  8. 請求項1〜請求項4のいずれか1項の歯肉のコラーゲン密度増強剤を、界面活性剤の存在下で口腔内に適用させ、歯の表面に付着した歯垢への前記コラーゲン密度増強剤の浸透性を高めることを特徴とする請求項7に記載の歯肉のコラーゲン密度の増強方法。
  9. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベートから選択される1種以上のHLB14以上の非イオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項8に記載の歯肉のコラーゲン密度の増強方法。
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