JP2013121708A - 封口用ペースト製造装置及び封口用ペースト製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】封口用ペーストの粘度が低下することを防止することが可能な封口用ペースト製造装置及び封口用ペースト製造方法を提供する。
【解決手段】封口用ペースト製造装置100では、原料粉ホッパ140が封口用ペーストPの原料の内で固体原料を供給し、原料液タンク150が封口用ペーストPの原料の内で液体原料を供給した後に、混合器110が供給された固体原料と供給された液体原料とを混合して封口用ペーストPを製造する。このため、セラミクスハニカム構造体70の封口時に固体原料と液体原料とを混合すれば良く、封口用ペーストP中の固形成分が沈降しないように攪拌しつつ貯留しておく必要がないため、攪拌により封口用ペーストPの粘度が低下することを防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】封口用ペースト製造装置100では、原料粉ホッパ140が封口用ペーストPの原料の内で固体原料を供給し、原料液タンク150が封口用ペーストPの原料の内で液体原料を供給した後に、混合器110が供給された固体原料と供給された液体原料とを混合して封口用ペーストPを製造する。このため、セラミクスハニカム構造体70の封口時に固体原料と液体原料とを混合すれば良く、封口用ペーストP中の固形成分が沈降しないように攪拌しつつ貯留しておく必要がないため、攪拌により封口用ペーストPの粘度が低下することを防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、セラミクスハニカム構造体の封口に用いられる封口用ペースト製造装置及び封口用ペースト製造方法に関する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)などに用いられる、セラミクスハニカム焼成体は、セラミクスハニカム構造体の貫通孔の端部に封口用ペーストを充填し、焼成することにより得られる(例えば特許文献1参照)。
ところで、封口用ペーストはDPFの製造工程において製品とならなかったセラミクスハニカム構造体を砕いて作られたリサイクル粉、メチルセルロース、グリセリン及び水を混合して製造される。しかし、封口用ペーストは、製造後に封口用ペーストを常時攪拌しておかないと固形成分であるリサイクル粉が沈降する。そのため、封口用ペーストは製造後にタンク等に攪拌せずに貯留することができない。しかしながら、封口用ペーストは攪拌することにより粘度が必要とされる値から低下する。そのため、改善が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、封口用ペーストの粘度が低下することを防止することが可能な封口用ペースト製造装置及び封口用ペースト製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、封口用ペーストの原料の内で固体原料を供給する固体原料供給手段と、封口用ペーストの原料の内で液体原料を供給する液体原料供給手段と、固体原料供給手段により供給された固体原料と、液体原料供給手段により供給された液体原料とを混合することにより封口用ペーストを製造する固液混合手段とを備えた封口用ペースト製造装置である。
この構成によれば、封口用ペーストの原料の内で固体原料を供給し、封口用ペーストの原料の内で液体原料を供給した後に、供給された固体原料と供給された液体原料とを混合して封口用ペーストを製造する。このため、ハニカム構造体の封口時に固体原料と液体原料とを混合すれば良く、封口用ペースト中の固形成分が沈降しないように攪拌しつつ貯留しておく必要がないため、攪拌により封口用ペーストの粘度が低下することを防止することができる。
この場合、固体原料供給手段は、封口用ペーストの原料の内で固体原料同士を混合し、液体原料供給手段は、封口用ペーストの原料の内で液体原料同士を混合することが好適である。
この構成によれば、封口用ペーストの原料の内で固体原料同士を混合し、封口用ペーストの原料の内で液体原料同士を混合した後に、混合された固体原料と混合された液体原料とを混合して封口用ペーストを製造する。このため、ハニカム構造体の封口時に固体原料と液体原料とを混合すれば良く、封口用ペースト中の固形成分が沈降しないように攪拌しつつ貯留しておく必要がないため、攪拌により封口用ペーストの粘度が低下することを防止することができる。
この場合、固液混合手段により製造された直後の封口用ペーストをハニカム構造体の封口装置に供給する封口用ペースト供給手段をさらに備えることが好適である。
この構成によれば、混合された固体原料と混合された液体原料とを混合することにより製造された直後の封口用ペーストをハニカム構造体の封口装置に供給するため、封口用ペースト中の固形成分が沈降しないように攪拌しつつ貯留しておく必要がないため、攪拌により封口用ペーストの粘度が低下することを防止することができる。
この場合、固液混合手段は、封口用ペースト供給手段が封口装置に1回で供給する量の封口用ペーストを製造することが好適である。
この構成によれば、封口装置に1回で供給する量の封口用ペーストを混合して製造する。このため、使用される封口用ペーストのみを貯留せずに使い切ることができ、封口用ペーストの粘度の低下を防止しつつ封口用ペースト製造の歩留まりを向上させることができる。
また、本発明は、封口用ペーストの原料の内で固体原料同士を混合する固体原料混合工程と、封口用ペーストの原料の内で液体原料同士を混合する液体原料混合工程と、固体原料混合工程で混合された固体原料と、液体原料混合工程で混合された液体原料とを混合する固液混合工程とを含む封口用ペースト製造方法である。
この場合、固液混合工程で製造された直後の封口用ペーストをハニカム構造体の封口装置に供給する封口用ペースト供給工程をさらに含むことが好適である。
この場合、固液混合工程では、封口用ペースト供給工程で封口装置に1回で供給する量の封口用ペーストを製造することが好適である。
本発明の封口用ペースト製造装置及び封口用ペースト製造方法によれば、封口用ペーストの粘度が低下することを防止することができる。
図面を参照して、本発明の実施形態に係るセラミクスハニカム構造体の封口用ペースト製造装置及び製造方法の一例について説明する。図1に示す封口用ペースト製造装置100は、主として、混合器110、混合羽根120、混合モータ124、原料粉ホッパ140、原料液タンク150を主として備えている。封口用ペースト製造装置100は、原料より封口用ペーストを製造する。また、封口用ペースト製造装置100は、DPFとなるセラミクスハニカム構造体の封口を行う封口装置200に封口用ペーストを供給する。
原料粉ホッパ140は、封口用ペーストの原料の内でリサイクル粉等のセラミクス粉、メチルセルロース等のバインダといった粉状の原料が供給される供給口である。原料粉ホッパ140は、互いに所定量に調製されたリサイクル粉及びメチルセルロースが供給されることにより、粉状の原料粉同士が混合される。また、原料粉ホッパ140は、装置外の乾式混合機により所定の混合比で混合されたリサイクル粉、メチルセルロースといった原料粉が供給されても良い。あるいは、原料粉ホッパ140は、リサイクル粉、メチルセルロースといった原料粉同士を所定の混合比で混合する乾式混合機を内蔵していても良い。原料粉ホッパ140に供給された原料粉は、バルブV2及びラインL2を介して所定量が混合器110に供給される。
原料液タンク150は、封口用ペーストの原料の内でグリセリン等の潤滑剤、水等の溶媒といった液状の原料が供給されて、貯留されるタンクである。原料液タンク150は、互いに所定量に調製されたグリセリン及び水が供給されることにより、液状の原料液同士が混合される。また、原料液タンク150は、装置外の湿式混合機により所定の混合比で混合されたグリセリン、水といった原料液が供給されても良い。あるいは、原料液タンク150は、グリセリン、水といった原料液同士を所定の混合比で混合する湿式混合機を内蔵していても良い。原料液タンク150に供給された原料液は、ポンプ154によりバルブV3及びラインL3を介して所定量が混合器110に供給される。
混合器110は、封口装置200に一回で供給する封口用ペーストの量の容量を有する混合容器である。混合容器110内には、混合羽根120が設けられており、混合羽根120は、混合モータ124により回転可能である。混合羽根120が回転することにより、原料粉ホッパ140から供給された原料粉と原料液タンク150から供給された原料液とが混合されて封口用ペーストが製造される。混合器110は、後述するように封口装置200に1回で供給する量の封口用ペーストのみを製造し、混合器110には製造された封口用ペーストは残留しない。攪拌容器110の底部には、ラインL10、バルブV10及びポンプ160を介して、封口装置200が接続されている。
続いて、本実施形態に係るセラミクスハニカム構造体の封口用ペーストの製造方法について説明する。
まず封口用ペーストの原料を用意する。封口用ペーストの原料は特に限定されないが、典型的には、封口用ペーストの原料は、セラミクス原料、バインダ及び溶媒を含む。
セラミクス原料とは、焼成することによりセラミクスを与える原料である。得られるセラミクスとしては、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
セラミクス原料としては、セラミクス粒子、セラミクスを構成する元素を含む材料、及び、これらの混合物が挙げられる。
例えば、セラミクス粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素等のセラミクス粒子が挙げられる。
また、セラミクスを構成する元素を含む材料としては、例えば、金属塩、金属水酸化物、金属アルコキシド、金属単体等が挙げられる。
セラミクス原料の使用量は、例えば、ペースト100重量部に対して50〜85重量部とすることができる。なお、これらのセラミクス原料は、それまでのDPFの製造工程において製品とならなかった短いセラミクスハニカム構造体を粉砕することによって得られたリサイクル粉を用いることができる。
バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の有機バインダを例示できる。有機バインダの使用量は、例えば、ペースト100重量部に対して0〜30重量部とすることができる。
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、例えば、ペースト100重量部に対して10〜40重量部とすることができる。
封口用ペーストは、さらに、潤滑剤、造孔剤、分散剤等の添加物を含むことができる。
潤滑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤の使用量は、例えば、ペースト100重量部に対して0.5〜20重量部とすることができる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。造孔剤の使用量は、例えば、ペースト100重量部に対して0〜20重量部とすることができる。
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、などの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の使用量は、例えば、ペースト100重量部に対して0.5〜20重量部とすることができる。
封口用ペーストの粘度は特に限定されないが、B型回転粘度計(例えば、東機産業社製TVB−10M型、ローター番号M3、ローターの回転数が3、1.5、又は、0.6rpm)にて、25℃で1〜100Pa・s程度であることが好ましく、25℃で5〜80Pa・s程度であることがより好ましい。
次に、上記の封口用ペーストの原料から封口用ペースト製造装置100により封口用ペーストを製造する方法について説明する。図2に示すように、上記の封口用ペーストの原料の中で粉体の形態をとるもの(例えば、リサイクル粉等のセラミクス粉、メチルセルロース等のバインダ)が所定の混合比となるように調製され、原料粉ホッパ140に供給される(S11)。この場合、装置外の乾式混合機により所定の混合比で混合されたリサイクル粉、メチルセルロースといった原料粉が原料粉ホッパ140に供給されても良い。あるいは、原料粉ホッパ140にリサイクル粉、メチルセルロースといった原料粉同士をそれぞれ所定量供給された後に、原料粉ホッパ140に内蔵された乾式混合機により原料粉同士が所定の混合比となるように混合されても良い。
一方、上記の封口用ペーストの原料の中で液体の形態をとるもの(例えば、水等の溶媒、グリセリン等の潤滑剤)が所定の混合比となるように調製されて原料液タンク150に供給される(S12)。この場合、装置外の湿式混合器により所定の混合比で混合されたグリセリン、水といった原料液が原料液タンク150に供給されても良い。あるいは、原料液タンク150にグリセリン、水といった原料液同士がそれぞれ所定量供給された後に、原料液タンク150に内蔵された湿式混合機により原料液同士が所定の混合比となるように混合されても良い。
続いて、ポンプ154及びバルブV3が駆動し、ラインL3を介して液体の形態をとる原料が攪拌容器110内に所定量だけ供給される。さらに、バルブV2が開放し、粉体の形態をとる原料を攪拌容器110内に所定量だけ供給される。その後、バルブV3及びバルブV2が閉鎖され、容器内が密閉される。なお、粉体と液体との供給のタイミングは、液体を先に攪拌容器110内に供給した後に粉体を攪拌容器110内に供給する方が、粉体が小さな塊状となり液体に均一に溶解しない状態となることを防止できるため、好ましい。混合モータ124が駆動して混合することにより、バインダ等が溶媒に溶けるとともに、固体成分が溶媒中に分散し、封口用ペーストが得られる(S13)。この場合に、混合器110内で製造される封口用ペーストの量は、封口装置200に1回で供給する量のみである。
その後、混合モータ124が停止し混合を終了する。その直後にバルブV10が開き、ポンプ160が封口用ペーストをラインL10を介して封口装置200に供給する。封口用ペーストを供給された封口装置200がセラミクスハニカム構造体の封口を行う(S14)。この場合に、混合器110内で混合された全ての封口用ペーストが封口装置200に供給され、混合器110内に封口用ペーストは残留しない。
ここで、上述の封口用ペーストを用いた封口方法について簡単に説明する。
セラミクスハニカム構造体70は、図3に示すように、互いに平行に伸びる複数の貫通孔70aを有する円柱体である。
セラミクスハニカム構造体70の貫通孔70aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、セラミクスハニカム構造体70の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。貫通孔70aの断面のサイズは、例えば、正方形の場合一辺0.8〜2.5mmとすることができる。貫通孔70a間の間隔である隔壁の厚みは、0.05〜0.5mmとすることができる。
セラミクスハニカム構造体70は、後で焼成することにより多孔性セラミクスとなるグリーン(未焼成体)であることが好ましく、セラミクス原料、バインダ、及び、溶媒を含む成形体であることができる。具体的には、成形体の材料としては、封口用ペーストで説明したものを使用可能である。
このようなセラミクスハニカム構造体70は例えば以下のようにして製造することができる。各原料を混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切断後、公知の方法で乾燥することにより、セラミクスハニカム構造体70を得ることができる。
なお、セラミクスハニカム構造体は、未焼成体でなくて、焼成済みのもの(例えば、多孔質セラミクス)であってもよい。
続いて、セラミクスハニカム構造体70の貫通孔70aの一端を、図3(a)(b)のような封口装置200を用いて、上述の封口用ペーストにより封口する。
本実施形態に係る封口装置200は、主として、本体部210、弾性板220、ポンプ250を備える。
本体部210は、金属(例えばステンレス)やポリマー材料(例えば繊維強化プラスチック等の)等から形成された剛性部材である。本体部210には、凹部210dが形成され、凹部210dの内面には、多孔質部材210pが貼り付けられている。
弾性板220は、凹部210dの開口面を覆うように、本体部210の上に配置されている。弾性板220は、弾性を有し、容易に変形しうる。弾性板220としては、ゴム板が好ましい。
弾性板220は、リング部材225により本体部210に固定されている。リング部材225は、本体部210の凹部210dに対応する位置に開口225aを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材225は、弾性板220における中央部(凹部210dとの対向部)が露出するように弾性板220上に配置されている。
本体部210は、さらに、凹部210dの底面の多孔質部材210pに連通する連通路210eを有している。連通路210eにはポンプ250が接続されている。
ポンプ250は、シリンダ251、及び、シリンダ251内に配置されたピストン253を備える。ピストン253には、ピストン253を軸方向に往復移動させるモータ255が接続されている。
本実施形態では、弾性板220と、ピストン253との間には、本体部210、連通路210e及びシリンダ251により形成される閉鎖空間Vが形成され、閉鎖空間V内には、液体等の流体FLが充填されている。
そして、ピストン253を移動させることにより、本体部210の凹部210d内から流体FLを排出して弾性板220を凹部210dの内面に密着させて弾性板220による凹部220dを形成することができ(図3の(a)の状態)、また、凹部210d内に流体FLを供給することに弾性板220を凹部210dの底部から引き離すこと(図3(b)の状態)が出来る。
そして、予め、図3の(a)のように、ピストン253を下げることにより、弾性板220による凹部220dを形成し、この凹部220d内に上述のようにして製造した封口ペーストPを貯留しておく。
続いて、本体部210の凹部210d上に、マスク170及びセラミクスハニカム構造体70を配置する。マスク170の孔170aは、セラミクスハニカム構造体70の貫通孔70aの内、封口すべき孔のみに対向するように位置決めされている。
続いて、図3の(b)に示すように、ポンプ250のピストン253を上方に移動させることにより、凹部210d内に流体FLを供給し、これによって、弾性板220をマスク170に向かって移動させる。これにより、封口材Pがマスク170の貫通孔170aを介して、セラミクスハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に供給され、封口部72が形成される。
続いて、図示は省略するが、ピストン253をさらに上昇させ弾性板220と本体部210との間にさらに流体FLを供給し、弾性板220を上方向に凸状に変形させ、セラミクスハニカム構造体70及びマスク170を、弾性板220から引き離す。そして、必要に応じて、同様の操作により、セラミクスハニカム構造体70の他の面に対して同様の封口を行うことができる。そして、封口されたセラミクスハニカム構造体70を乾燥、焼成することにより、セラミクスハニカムフィルタを製造することが出来る。このようなセラミクスハニカムフィルタは、例えば、DPFとして用いることができる。
本実施形態によれば、封口用ペーストPの原料の内で固体原料同士を混合し、封口用ペーストPの原料の内で液体原料同士を混合した後に、混合された固体原料と混合された液体原料とを混合して封口用ペーストPを製造する。また、混合された固体原料と混合された液体原料とを混合することにより製造された直後の封口用ペーストPをセラミクスハニカム構造体70の封口装置200に供給する。このため、セラミクスハニカム構造体70の封口時に固体原料と液体原料とを混合すれば良く、封口用ペーストP中の固形成分が沈降しないように攪拌しつつ貯留しておく必要がないため、攪拌により封口用ペーストPの粘度が低下することを防止することができる。
また、本実施形態によれば、封口装置200に1回で供給する量の封口用ペーストPを混合して製造する。このため、使用される封口用ペーストPのみを貯留せずに使い切ることができ、封口用ペーストPの粘度の低下を防止しつつ封口用ペースト製造の歩留まりを向上させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。
図1に示した封口用ペースト製造装置100を用いて、図2に示した方法により封口用ペーストPを製造した。封口用ペーストPとして、下記の表1及び表2に示す原料の混合比により、それぞれペースト1及びペースト2を製造した。バインダとしては、三星精密化学株式会社製の商品名メセロースのグレードPMB−30Uを用いた。グリセリンとしては、エメリーオレオケミカルズジャパン株式会社製のグレードグリセリン99.8%を用いた。各原料を混合後に製造された封口用ペーストPの粘度を測定した。比較のため、混合器110の混合羽根120の回転速度を600rpmとして攪拌した後の封口用ペーストPの粘度を測定した。
図4に示すように、製造直後の封口用ペーストPはペースト1及び2とも封口用ペーストPとして必要な粘度を有していることが判る。一方、製造後に攪拌した封口用ペーストPは、ペースト1が10分間の攪拌後に粘度が半分以下となり、ペースト2が30分間の攪拌後に粘度が半分以下となっていることが判る。また、ペースト1は120分間の攪拌後に粘度が1/8以下となり、ペースト2は120分間の攪拌後に粘度が1/3以下となっていることが判る。これは、攪拌により造粘作用を有するメチルセルロースの構造が壊れるか、あるいは封口用ペーストPのチキソトロピーにより攪拌のせん断応力によって粘度が低下することが原因と考えられる。
70…セラミクスハニカム構造体、100…封口用ペースト製造装置、110…混合器、120…混合羽根、124…混合モータ、140…原料粉ホッパ、150…原料粉ホッパ、154…ポンプ、160…ポンプ、200…封口装置、V2,V3,V10…バルブ、L2,L3,L10…ライン、P…封口用ペースト。
Claims (7)
- 封口用ペーストの原料の内で固体原料を供給する固体原料供給手段と、
前記封口用ペーストの原料の内で液体原料を供給する液体原料供給手段と、
前記固体原料供給手段により供給された前記固体原料と、前記液体原料供給手段により供給された前記液体原料とを混合することにより前記封口用ペーストを製造する固液混合手段と、を備えた封口用ペースト製造装置。 - 前記固体原料供給手段は、前記封口用ペーストの原料の内で固体原料同士を混合し、前記液体原料供給手段は、前記封口用ペーストの原料の内で液体原料同士を混合する、請求項1に記載の封口用ペースト製造装置。
- 前記固液混合手段により製造された直後の前記封口用ペーストをハニカム構造体の封口装置に供給する封口用ペースト供給手段をさらに備えた、請求項1又は2に記載の封口用ペースト製造装置。
- 前記固液混合手段は、前記封口用ペースト供給手段が前記封口装置に1回で供給する量の前記封口用ペーストを製造する、請求項3に記載の封口用ペースト製造装置。
- 封口用ペーストの原料の内で固体原料同士を混合する固体原料混合工程と、
封口用ペーストの原料の内で液体原料同士を混合する液体原料混合工程と、
前記固体原料混合工程で混合された前記固体原料と、前記液体原料混合工程で混合された前記液体原料とを混合する固液混合工程と、を含む封口用ペースト製造方法。 - 前記固液混合工程で製造された直後の前記封口用ペーストをハニカム構造体の封口装置に供給する封口用ペースト供給工程をさらに含む、請求項5に記載の封口用ペースト製造方法。
- 前記固液混合工程では、前記封口用ペースト供給工程で前記封口装置に1回で供給する量の前記封口用ペーストを製造する、請求項6に記載の封口用ペースト製造方法。
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