JP2013120850A - 配線の製造方法、およびこれを用いた立体的な配線を有する回路形成体の製造方法 - Google Patents

配線の製造方法、およびこれを用いた立体的な配線を有する回路形成体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ中で発生させた金属微粒子を基板に形成した構造体に選択的に付着させることにより、化学的機械研磨法を用いない構造体内部への配線製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の配線製造方法は、導電層と、開口部を通じて導電層の表面を部分的に露出させるように導電層上の表面に配置された絶縁層と、を有する回路形成体を準備する工程と、対向する2つの電極のうちの一方の電極上に前記回路形成体を配置する工程と、2つの電極間に電力を印加して2つの電極間にプラズマを発生させる工程と、2つの電極のうちの他方の電極より、他方の電極表面を構成している材料からなる金属微粒子をプラズマ発生空間内に金属微粒子として供給する工程と、供給された金属微粒子および絶縁層の表面を同じ極性に帯電させて、帯電した金属微粒子を絶縁層の開口部から露出した導電層の表面に選択的に付着させて配線を形成する工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラズマを用いて金属微粒子を所定の位置に付着させる配線の製造方法、およびこれを用いた立体的な配線を有する回路形成体の製造方法に関する。
半導体デバイスや半導体チップにおいて立体的な配線をするために、コンタクトホールを形成し、その中に導電性の材料を埋め込む方法が知られている。コンタクトホールへの導電性材料の埋め込み方法としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
図9は、特許文献1に記載されている導電膜の埋め込み方法を示す概略図である。特許文献1では、まず絶縁膜中にプラズマエッチングなどでコンタクトホールを形成する。次に、その全面に銅、チタンやタンタルなどの金属膜を堆積させた後、電界めっきによってコンタクトホール内に銅を堆積させる。その後に化学的機械研磨法(CMP)によって、基板全面においてコンタクトホール以外の部分に堆積している余分な銅を削り取ることにより、コンタクトホール内にのみ金属を埋め込んでいる。なお、コンタクトホールに埋め込む材料としては、銅の代わりに、n型不純物やp型不純物を高濃度に含んだシリコンやタングステンなどが用いられることもあるが、微細デバイスでは抵抗率の低さから銅が広く使用されている。
また別の方法として、特許文献2には、めっき条件を最適化することにより、コンタクトホールの底部にのみ選択的に触媒層を形成し、触媒層よりカーボンナノチューブを成長させる方法が開示されている。
特開平7−99196号公報 特開2005−72171号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来の方法では、化学的機械研磨を用いなければならないため、工程数が余分に増加する。また、化学的機械研磨時に用いる研磨剤(スラリー)が溝やコンタクト表面や内部に残存することに起因して、電気抵抗は増加する。さらには、化学的機械研磨時に銅がスラリーに存在するパーティクルによって削り取られるという不良(スクラッチ)も発生してしまう。このように技術上の課題が非常に多く、結果的に設備投資の増加や歩留り低下などの製造コスト上の課題を有している。
また、特許文献2に記載の従来の方法でも、めっき法を用いているために高アスペクト比のコンタクトホールに対しては対応が難しいという問題がある。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決することにあって、化学的機械研磨やめっき法などを用いずに、簡単な工程によって、所定箇所に選択的に金属微粒子を配置する配線の製造方法を提供すること、あるいは、この配線の製造方法を用いて立体的な配線を有する回路形成体を製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、導電層と、開口部を通じて前記導電層を部分的に露出させるように前記導電層上に配置された絶縁層と、を有する回路形成体を準備する第1の工程と、対向する2つの電極のうちの一方の電極上に前記回路形成体を配置する第2の工程と、前記2つの電極間に電力を印加して前記2つの電極間にプラズマを発生させる第3の工程と、前記2つの電極のうちの他方の電極より、前記他方の電極を構成している材料からなる金属微粒子を前記プラズマ内に供給する第4の工程と、前記金属微粒子を前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に付着させて配線を形成する第5の工程と、を有する、配線の製造方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記金属微粒子および前記絶縁層の表面を同じ極性に帯電させる第6の工程をさらに有する、第1態様に記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、第6の工程において、前記金属微粒子および前記絶縁層の表面を負の極性に帯電させる、第2態様に記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、第5の工程において、前記2つの電極間に印加する電力を小さくすることにより、前記金属微粒子を前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に付着させる、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、第5の工程において、前記プラズマを所定時間以上維持して前記金属微粒子を凝集させることにより、前記金属微粒子を前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に付着させる、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記金属微粒子は、銅、ニッケル、鉄、タングステン、アルミニウム、コバルト、またはこれらの合金である、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、第5の工程において、前記導電層は接地されている、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、第5の工程において、前記導電層は所定電位に保持されている、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を用いて、前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に前記金属微粒子が配置された配線を製造する工程と、前記金属微粒子を触媒としてカーボンナノチューブを成長させる工程と、前記絶縁層上に、前記カーボンナノチューブを介して前記導電層と電気的に接続される別の導電層を形成する工程と、を有する、立体的な配線を有する回路形成体の製造方法を提供する。
本発明の第10態様によれば、第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の配線の製造方法を用いて、前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に前記金属微粒子が配置された配線を製造する工程と、前記絶縁層上に、前記金属微粒子を介して前記導電層と電気的に接続される別の導電層を形成する工程と、を有する、立体的な配線を有する回路形成体の製造方法を提供する。
本発明によれば、2つの電極間に電力を印加して2つの電極間にプラズマを発生させて、2つの電極の他方の電極表面を構成している材料をプラズマ発生空間内に金属微粒子として供給し、供給された金属微粒子を絶縁層の開口部から露出した導電層の表面に選択的に付着させて配線を形成している。そのため、化学的機械研磨やめっき法などを用いずに、簡単な工程によって、所定箇所に選択的に金属微粒子を配置して配線を製造することができる。また、本発明の配線の製造方法を用いることにより、所定箇所に選択的に金属微粒子が配置された立体的な配線を有する回路形成体を製造することが可能となる。
本発明の実施の形態における回路形成体の表面部分の断面図 本発明の実施の形態において用いるプラズマ装置の概略図 本発明の実施の形態における、銅を選択的に付着させるメカニズムを説明する図 本発明の実施の形態における、銅を選択的に付着させた回路形成体を示す図 本発明の実施の形態における、銅を選択的に付着させた回路形成体を示す図 本発明の実施の形態において、プラズマ領域から落下する金属微粒子の臨界直径を計算した結果を示す図 本発明の実施の形態における、立体的な配線を有する回路形成体の製造方法を示す図 本発明の実施の形態における、立体的な配線を有する回路形成体の製造方法を示す図 従来のコンタクトホールへの導電材料の埋め込み方法を示す図
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態)
本発明の実施の形態における、回路形成体に金属微粒子を選択的に付着させて配線を製造する方法について説明する。まずは、本発明の実施の形態に用いる回路形成体を準備する工程(第1の工程)について説明する。回路形成体とは内部に回路を有する構造物であり、回路基板またはチップなどが用いられる。図1は、本発明の実施の形態における、金属微粒子を配置する前の回路形成体100の表面部分の一部を示す断面図である。図1に示されるように、回路形成体100の表面上において、絶縁層104上に導電層101が形成される。導電層101上には構造体102を有する絶縁層103が形成されており、構造体102より導電層101が露出している。構造体102とは、コンタクトホールや溝といった絶縁層103の開口部、およびその開口部を形成する周囲の構造物を指す。構造体102は、例えばプラズマエッチング技術またはウェットエッチング技術を用いて、絶縁層103の一部を除去することにより形成することができる。なお、本実施の形態では導電層101は接地されている。
次に、プラズマ装置について説明する。図2は、本実施の形態における、配線を製造するために構造体102内に導電膜を埋め込む方法に用いるプラズマ装置120の概略図である。このプラズマ装置120は平行平板型の高周波プラズマ装置であり、ごく一般的なもので容易に入手できる。図2に示すプラズマ装置120は、プラズマ発生空間を区画する容器としての役割を持つチャンバ121と、チャンバ121内の天井部に設けられ、表面に銅が存在する上部電極107と、チャンバ121内の底部に設けられた下部電極109とを備える。
前述したように、図2に示されるプラズマ装置120の上部電極107には銅が既に存在しているが、このように上部電極107に銅を存在させる方法として例えば2つの方法がある。まず単純な方法は、上部電極107の材料自体に銅を用いることである。もう一つの方法は上部電極107の材料にシリコンを用いて、何らかの方法で銅を上部電極107上に付着させる方法である。銅を上部電極107上に付着させる方法には次のようなものがあり、以下にその方法について説明する。
まず、めっき法もしくはプラズマPVD法によって表面に銅膜が形成された基板(シリコン基板など)を、前述の平行平板型プラズマ装置120に搬送して下部電極109上に配置する。その状態にて、チャンバ121内の密閉された空間にプラズマを生成することにより、基板上に堆積した銅膜をスパッタしてシリコン電極である上部電極107上に付着させるというものである。この場合のプラズマ処理条件の一例として、上部電極107と下部電極109の間の電極間隔108が10mmのチャンバ121内に、CHF、CF、O、Arからなる混合ガスをそれぞれ30、70、30、200SCCM(cc/min、但し、STP(0℃、1atm)において)の流量で流入する。その後、ガス圧力を33.3Pa(250mTorr)で保持した状態にて、高周波電源113から高周波電力1400W(パワー密度で4.46W/cm)を印加することでプラズマを生成する。この場合、銅とフッ素などの反応生成物の蒸気圧は低いので、シリコン基板上に堆積している銅膜が、プラズマからシリコン基板に向かって入射するイオンによってスパッタされる。
スパッタされた銅は、プラズマ中に入ると銅イオンになる。この銅イオンは、下部電極109ではなく、上部電極107に堆積することになるが、その原理について以下説明する。
まず、下部電極109には、容量の大きいブロッキングキャパシタ118が接続されている。ブロッキングキャパシタ118が接続されていると、上部電極107よりも大きな100ボルト以上の自己バイアス電圧が発生し、入射イオンのイオンエネルギーが大きくなる。このように下部電極109ではイオンエネルギーが大きくなることにより、銅イオンの付着は生じにくく、入射イオンによるスパッタが優先的に進む。一方、上部電極107には、ブロッキングキャパシタが接続されないため、浮遊容量のみとなり自己バイアス電圧が数10ボルトと小さくなる。したがって、入射イオンのイオンエネルギーは小さくなり、入射イオンによるスパッタは進まず、銅イオンの上部電極107への付着が起こる。このような原理により、下部電極109よりも上部電極107に多く銅イオンが入射して、上部電極107上への銅の付着が進む。なお、上部電極107と下部電極109との電極間隔108が10mmと短いため、スパッタされた銅は側壁に付着しにくい。また、付着させる銅の量を制御するには、プラズマの処理時間を制御する、あるいは下部電極109上に配置する基板の銅膜の表面積を制御することなどにより行うことができる。
次に、第1の工程後、下部電極109上に回路形成体100(回路基板もしくはチップ)を準備する(第2の工程)。その後、上部電極107および下部電極109の間に電力を印加してプラズマを発生させ(第3の工程)、上部電極107上に付着している銅を金属微粒子としてプラズマ発生空間に供給・再放出し(第4の工程)、下部電極109上の回路基板もしくはチップの構造体102内部に付着させて配線を形成するが(第5の工程)、これらの工程について以下説明する。図3は、本実施の形態における、プラズマから銅を構造体102内に選択的に付着させる原理を示す概略図である。上部電極107上に銅を付着させた後、下部電極109上に、導電膜を埋め込みたい構造体102を有する回路基板もしくはチップを設置する。その状態で、前述した上部電極107に銅を付着させる方法と同じ条件にてプラズマを発生させる。すなわち、チャンバ121内にCHF、CF、O、Arからなる混合ガスをそれぞれ30、70、30、200SCCMの流量で流入し、ガス圧力を33.3Pa(250mTorr)で保持した後、高周波電力1400Wを印加する。プラズマ114が生成されると、上部電極107に付着している銅はスパッタされ、プラズマ内に金属微粒子116として再放出される。なお、上部電極107に付着している銅をスパッタする条件は、上部電極107に銅を付着させる条件と同じである必要はなく、それぞれ最適な条件に設定することができる。
上部電極107よりプラズマ内に再放出された金属微粒子116は、下部電極109に向かって進む。しかしながら、下部電極109に設置した回路基板もしくはチップの上方には正イオンの固定電荷層、いわゆるシース115が形成されているため、小さい金属微粒子116も大きい金属微粒子116もシース115によって遮られ、プラズマ114とシース115の界面に保持される。すなわち、プラズマ114とシース115の境界にトラップされた状態となる。なお、金属微粒子に入射する電子の速度はイオンの速度より速く、常に電子の方がイオンよりも多く入射することから、プラズマ114内に再放出された金属微粒子116は負に帯電する。
次に、下部電極109側の極性について考察する。下部電極109上に設置している回路基板やチップの表面は、絶縁膜103で覆われており常にイオンよりも速度の速い電子が多く入射することから、負に帯電する。一方で、電子の散乱角が等方的であるのに対してイオンの散乱角が異方的であることにより、比較的奥まった位置に存在する構造体102の底部(導電層101の露出面)には、等方的な電子よりも異方的なイオンの方が届きやすい。したがって、構造体102の底部においては、導電層101が接地されているものの、前述のように、負に帯電した電子よりも正に帯電したイオンが多く入射するため、電位は正に帯電することになる。このような原理により、下部電極109側では構造体102の底部は正に帯電し、それ以外の表面部分は負に帯電する。
この状態からプラズマ114とシース115の境界にトラップされた金属微粒子116を構造体102内に付着させて配線を製造する方法として、例えば、以下の2つの方法がある。
一つはプラズマ114の生成を停止するという方法である。プラズマ114の生成を停止するとシース115が消滅するので、プラズマ114とシース115の境界にトラップされていた銅の金属微粒子116は、下部電極109上の基板もしくはチップに向かって進むことが可能となる。銅の金属微粒子116は負に帯電しているため、異なる極性である正に帯電した構造体102の底部には付着するが、同じ極性である負に帯電した基板もしくはチップの表面には付着しない。したがって、負に帯電した金属微粒子116を、正に帯電した構造体102の底部に選択的に入射、付着させることができる。
もう一つの方法は、継続的にプラズマ114を発生させて金属微粒子116を凝集させる方法である。プラズマ114を継続的に発生させると、プラズマ114とシース115の境界にトラップされた金属微粒子116同士の衝突・凝集が発生し、金属微粒子116の質量は増加する。一方、比表面積は小さくなるため、質量の増加に対する電荷量の増加は相対的に小さくなる。そのため、金属微粒子116に働く電界力に比べ、重力の影響が大きくなる。すなわち、シース115によって保持される力よりも重力によって落下する力が大きくなり、金属微粒子116はシース115を通過して落下すると考えられる。
落下した後の金属微粒子116は、前述と同様の原理により構造体102の底部に選択的に付着する。発明者の得た知見では、プラズマ114を30秒間保持することで、直径約10μmの金属微粒子116を落下、付着させることができた。すなわち、継続的にプラズマ114を発生させて金属微粒子116を凝集させる方法によれば、金属微粒子116の粒子径を揃えることもできる。以上に述べた2つのいずれかの方法を用いることにより、構造体102の内部に選択的に金属微粒子116を付着させて導電膜を埋め込むことで配線を製造することができる。
また、上述の説明において構造体102の底部が正に帯電する場合について説明したが、このような場合でなくても構造体102の底部に選択的に金属微粒子116を付着させられる場合がある。すなわち、構造体102の底部と、負に帯電した基板もしくはチップの表面との間に電位的なコントラスト(基板もしくはチップの表面の方が負の極性が強い)が存在すれば、負に帯電した金属微粒子116は構造体102の底部に付着しようとする。したがって、構造体102の底部が中性である場合、あるいは基板もしくはチップの表面よりも弱い負に帯電する場合も、電位的コントラストにより、負に帯電した金属微粒子116を構造体102の底部に選択的に付着させることができる。このことから、導電層101を接地せずに、コンデンサなどを用いて導電層101の電位を所定電位に保持し、積極的な電位のコントラストの形成を図ることにより、金属微粒子116をより選択的に付着させることも可能である。なお、導電層101が接地されていなくても、電荷のみによって電位的コントラストは生じると考えられる。
また、上部電極107の材料自体に銅を用いる場合よりも、前述のようにプラズマを用いて上部電極107に銅を付着させる場合の方が、その後プラズマを発生させたときに上部電極107上の銅を再放出させやすくなる。
次に、実際に金属微粒子116を配置した結果について説明する。図4(a)〜(c)および図5は、本実施の形態における、プラズマ114から銅を構造体102内に選択的に付着させた結果を示す図であり、回路形成体100および構造体102(溝)を上方から見た平面図である。図4(a)に示されるように、直径10μmの球形の金属微粒子116が構造体102内に付着しはじめて、時間が経過すると、図4(b)、(c)に示されるように、構造体102内の略全面に付着していくことがわかる。図5には、構造体102内の略全面に金属微粒子116が付着することによって導電膜106が形成されている様子が示されている。図5からもわかるように、上部電極107に付着する銅の量を多くすると、金属微粒子116が重なりあって膜となっている。表面の様子から金属の光沢が見て取れて、明らかに銅の膜が構造体102に選択的に形成されていることが示されている。なお、図5の左側部分に周囲とはコントラストが異なり白く見える部分S1があるが、これは部分的に銅が多く体積している部分である。
図4(a)〜(c)および図5では構造体102として溝形状の場合を示しているがコンタクトホールのような孔形状の場合も同様である。むしろ溝形状の場合のほうが孔形状よりも前述した電位差を形成しにくいので、溝形状を埋め込めることが可能な条件であれば、孔形状の場合に適用しても同様の選択的な付着を行うことができる。これは、溝形状の場合の方が電位差を形成しにくいためである。その理由は次の通りである。すなわち、溝形状では溝の底部から見込む立体角が孔形状の底部から見込む立体角よりも大きくなる。よって、溝形状の底部に入射する電子数は孔形状の底部に入射する電子よりも多くなり、入射イオンよって形成された電位を緩和することになる。つまり、絶縁膜表面との電位差が小さくなることを意味している。当然ながら、溝形状および孔形状の底部となる導電層が完全に導通している場合は、溝形状の底部も孔形状の底部も下層の導電層の電位となり等しくなる。しかし、導通が不完全な場合には、溝形状の方が、電位差が発生しにくいことになる。したがって、配線層の導通状態にかかわらず、溝形状の場合において確認しておけば、孔形状にも適用可能である。
次に、金属微粒子116の大きさに関する考察を行う。図6は、本実施の形態における、構造体102内に導電膜106を埋め込む方法において、落下する金属微粒子116の臨界直径を計算した結果を示す図である。臨界径は、金属微粒子116に蓄積する電子の量によって電界から得られる、重力とは逆方向に働く力を計算し、重力と拮抗する直径を臨界径として求めた。すなわち、臨界径よりも大きな直径の金属微粒子116は重力で落下することになる。当然のことながら、臨界径よりも小さな直径の金属微粒子116は基板に向かって落下することはできない。図6からもわかるように、電子温度が高くなれば臨界粒径は大きくなる。また、微粒子数密度(プラズマ114中に含まれる金属微粒子116の密度)がI×1011/mまでは、臨界粒径は微粒子数密度に寄らず電子温度によって変化している。一方で、微粒子数密度がI×1011/mを超えるあたりから、微粒子数密度が大きくなるにしたがって臨界粒径は小さくなる。これは、プラズマ114中における金属微粒子116の数密度が大きくなると、金属微粒子の帯電によって電荷中和条件を満たすように電子数が減少する。そして、電子数の減少によりシース電界が弱くなり、粒径の小さい金属微粒子しか保持できなくなるためであると考えられる。
図6の結果と、図4、5で構造体102内に付着していた金属微粒子116の粒子径が10μmでほぼ揃っていたという結果を考慮すると、シース115が電気的な篩のような役割を果たすことにより、金属微粒子116がプラズマ114もしくはプラズマ114とシース115の境界領域にて直径約10μmまで成長してから基板に落下しているということがわかる。このように電子温度や金属微粒子116の数密度を制御することによって、落下させる金属微粒子116の直径を制御することができる。したがって、金属膜を埋め込むだけでなく、直径の揃った粒子を付着させることができ、分級することも可能となる。なお、分級は構造体102の形状を変化させることによっても行うことができる(例えば、構造体102の幅やアスペクト比を変えるなど)。
次に、上述の配線の製造方法を用いて、立体的な配線を有する回路形成体を製造する方法について説明する。図7は、本実施の形態の配線の製造方法を用いて、立体的な配線を有する回路形成体200を製造する方法を示す図である。回路形成体200の内部には電気回路が形成されている。回路形成体200の表面には、金属配線201と、金属配線201の一部が露出するように絶縁層103が形成されている。このような回路形成体200を、上記したプラズマ装置120にセットし、構造体102(コンタクトホール)に金属粒子を選択的に付着させる。金属粒子が構造体102を埋めた後、例えばスパッタ法により絶縁層103上に導電層106を形成する。このようにして、金属配線201は、絶縁層103上の導電層106と、構造体102内の金属粒子を介して電気的に接続される。すなわち、立体的な配線を有する回路形成体200を製造することができる。
さらに、本発明による配線の製造方法は、カーボンナノチューブを構造体102内に成長させて立体的な配線を有する回路形成体200を製造する方法にも応用できる。図8は、本実施の形態の配線の製造方法を用いて、立体的な配線を有する回路形成体200を製造する別の方法を示す図である。
カーボンナノチューブは電気伝導度も大きく、配線間やチップ間の構造体102(コンタクトホール)に埋め込んだ場合、非常に良好な電気特性を示す。チップ同士を接続するコンタクトホールである構造体102は、TSVとして一般的に知られた技術である。このTSVにカーボンナノチューブを埋め込む方法について説明する。
カーボンナノチューブは、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属微粒子で直径数nmから数μmのものを触媒として用いている。カーボンナノチューブの原料となる炭素原子は別途供給する必要があるが、炭素原子がこの触媒に取り込まれて過飽和状態になると、触媒から炭素のナノチューブが成長することは一般的に知られている。すなわち、カーボンナノチューブの成長には触媒が必須であり、この触媒を本実施の形態の配線の製造方法を用いることによって選択的に構造体102の底部にのみ付着することができる。また、触媒の直径についても、前述したように電子温度やプラズマ中に添加する触媒粒子の数密度によって制御できるので好都合である。例えば、ナノオーダーの触媒粒子を付着させるには、電子温度を1eV以下もしくは数密度1014/m以上にすればよい。具体的には、プラズマを生成する電源の周波数を高くすることによって電子温度を低くすることができ、また、プラズマに導入する触媒の金属微粒子を多くすることによって数密度を増加させることができる。このような方法を用いて、カーボンナノチューブを構造体内部に選択的に埋め込むことが可能になる。
上述したとおり、本実施の形態における配線の製造方法およびその方法を用いた立体的な配線を有する回路形成体を製造する方法によれば、プラズマを用いて金属微粒子116および絶縁層103の表面を同じ極性に帯電させることにより、帯電した金属微粒子116を構造体102に選択的に付着させることができる。
なお、本実施の形態において、金属として銅を用いたが、ニッケル、鉄、タングステン、アルミニウム、コバルト、およびそれらの合金などを用いても良い。ニッケルや鉄を用いると、カーボンナノチューブを選択的に形成できるという利点がある。
本発明にかかる配線の製造方法およびその方法を利用した回路形成体の製造方法は、選択的に導電膜を埋め込むことができるため、半導体デバイスの配線接続やチップ接続として有用である。
100、200 回路形成体
101 導電層
102 構造体
103、104 絶縁層
105 スイッチングトランジスタ
106 導電膜
107 上部電極
108 電極間隔
109 下部電極
110 排気ポンプ
111 パワースプリッター
112 マッチャー
113 高周波電源
114 プラズマ
115 シース
116 金属微粒子
118 ブロッキングキャパシタ
120 プラズマ装置
121 チャンバ
201 金属配線

Claims (10)

  1. 導電層と、開口部を通じて前記導電層を部分的に露出させるように前記導電層上に配置された絶縁層と、を有する回路形成体を準備する第1の工程と、
    対向する2つの電極のうちの一方の電極上に前記回路形成体を配置する第2の工程と、
    前記2つの電極間に電力を印加して前記2つの電極間にプラズマを発生させる第3の工程と、
    前記2つの電極のうちの他方の電極より、前記他方の電極を構成している材料からなる金属微粒子を前記プラズマ内に供給する第4の工程と、
    前記金属微粒子を前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に付着させて配線を形成する第5の工程と、
    を有する、配線の製造方法。
  2. 前記金属微粒子および前記絶縁層の表面を同じ極性に帯電させる第6の工程をさらに有する、
    請求項1に記載の配線の製造方法。
  3. 第6の工程において、前記金属微粒子および前記絶縁層の表面を負の極性に帯電させる、
    請求項2に記載の配線の製造方法。
  4. 第5の工程において、前記2つの電極間に印加する電力を小さくすることにより、前記金属微粒子を前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に付着させる、
    請求項1から3のいずれか1つに記載の配線の製造方法。
  5. 第5の工程において、前記プラズマを所定時間以上維持して前記金属微粒子を凝集させることにより、前記金属微粒子を前記絶縁層の開口部から露出した前記導電層の表面に選択的に付着させる、
    請求項1から3のいずれか1つに記載の配線の製造方法。
  6. 前記金属微粒子は、銅、ニッケル、鉄、タングステン、アルミニウム、コバルト、またはこれらの合金である、
    請求項1から5のいずれか1つに記載の配線の製造方法。
  7. 第5の工程において、前記導電層は接地されている、
    請求項1から6のいずれか1つに記載の配線の製造方法。
  8. 第5の工程において、前記導電層は所定電位に保持されている、
    請求項1から6のいずれか1つに記載の配線の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の配線の製造方法を用いて、絶縁層の開口部から露出した導電層の表面に選択的に金属微粒子が配置された配線を製造する工程と、
    前記金属微粒子を触媒としてカーボンナノチューブを成長させる工程と、
    前記絶縁層上に、前記カーボンナノチューブを介して前記導電層と電気的に接続される別の導電層を形成する工程と、
    を有する、立体的な配線を有する回路形成体の製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか1つに記載の配線の製造方法を用いて、絶縁層の開口部から露出した導電層の表面に選択的に金属微粒子が配置された配線を製造する工程と、
    前記絶縁層上に、前記金属微粒子を介して前記導電層と電気的に接続される別の導電層を形成する工程と、を有する、
    立体的な配線を有する回路形成体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101828293B1 (ko) 2016-07-26 2018-03-23 (재)한국나노기술원 진공증착에 의한 나노구조체 패턴 형성방법, 이를 이용한 센서 소자의 제조방법 및 이에 의해 제조된 센서 소자

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